JP3620290B2 - 自動車のキッキングプレート構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のリヤドア開口部のサイドシル上に装着されるキッキングプレート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のリヤドア開口部のサイドシル上には、センターピラーとの連設基部からリヤホイールハウス前側部との連設基部に亘る長さ範囲に、該サイドシルの合わせフランジに嵌着したウエルトを被覆するキッキングプレートを装着して装飾効果を高めると共に、乗降時に該サイドシル上のウエルトへの足の引掛かりをなくしてウエルトの転びによる脱落を回避するようにしている(特開平8−175434号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
キッキングプレートの上面部分には、前記ウエルトに外嵌する嵌合部をビード状に突出成形してあるため、乗降時、とりわけ降車時にこの突出した嵌合部に足を引掛け易くなってしまうことは否めない。
【0004】
また、サイドシルの後端部は後傾したリヤホイールハウス前側部に連設してあり、このリヤホイールハウス前側部にもその合わせフランジにウエルトを嵌着してあるが、後席のシートクッションの側部およびシートバックの側部がこのウエルトに近接しているため、乗降時に大腿部や臀部が該ウエルトに引掛かったり当ったりして押圧感を生じ易い。
【0005】
そこで、本発明は後席乗員の乗降の際にキッキングプレートに足が引掛かるのを回避できると共に、リヤホイールハウス前側部のウエルトに大腿部や臀部が当って押圧感を生じるのを回避することができる自動車のキッキングプレート構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、車体のリヤドア開口部のサイドシル上に、該サイドシルの合わせフランジに嵌着したウエルトを被覆するキッキングプレートを装着した構造において、該キッキングプレートの後端部に後席のシートバック傾斜角よりも小さな角度で曲折成形され、前記サイドシルに続くリヤホイールハウス前側部の合わせフランジに嵌着したウエルトを覆う延設部をキッキングプレートと略同じ幅で設けると共に、これらキッキングプレートから延設部に亘ってそれらの上面を全体的に連続した平坦面に形成したことを特徴としている。
【0007】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載の延設部の上端部に、リヤホイールハウス前側部の傾斜角度と略同じ角度に曲折成形されて、該リヤホイールハウス前側部の合わせフランジに嵌着したウエルトに外嵌するリヤエンド部を延設したことを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明にあっては、請求項1,2に記載のキッキングプレートの略前半部の上面を、車室側へ斜め下向きに傾斜成形したことを特徴としている。
【0009】
請求項4の発明にあっては、請求項3に記載のキッキングプレートの略前半部の車室側に傾斜した上面を、該キッキングプレートの略後半部の上面にひねり面を介してなだらかに連続して形成したことを特徴としている。
【0010】
請求項5の発明にあっては、請求項1〜4に記載の延設部の曲折した連接基部の車室側の側縁に、車室側に向けて略水平に延設されて、後席のシートクッションを装着したリヤフロア上段部面に敷設したカーペットを押える舌片を設けたことを特徴としている。
【0011】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、キッキングプレートの上面を全体的に平坦面としてあって、該上面には突起部がないため、後席乗員の乗降時にキッキングプレートの上面に足を引掛けることがなく、乗降性を一段と向上することができる。
【0012】
しかも、このキッキングプレートの後端部には後席のシートバック傾斜面よりも小さな角度で曲折成形した略同じ幅の延設部を備え、この延設部の上面をキッキングプレート上面と連続して全体的に平坦面として形成して、リヤホイールハウス前側部のウエルトを覆うようにしてあるから、乗車時に臀部をシートクッション上へ乗り入れてから脚部をリヤフロア下段部へ引き入れて乗車する際、あるいは、降車時に脚部を車外へ出してから臀部をシートクッションから浮かせて降車する際に、大腿部や臀部がリヤホイールハウス前側部上のウエルトに引掛かったり当ったりして押圧感を生じることがなく、大腿部や臀部をこの延設部上面の平坦面で滑り案内することができるため、乗降性を著しく向上することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、延設部の上端部はリヤホイールハウス前側部の傾斜角度と略同じ角度に曲折成形したリヤエンド部として形成してあって、該リヤエンド部をリヤホイールハウス前側部上のウエルトに外嵌して延設部をウエルトに連続させてあるため、乗降時に延設部とウエルトとの継目部分で引掛かりを生じるおそれがなく、また、ウエルトとの連続感が得られるため見栄えを向上できて品質感を高めることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1,2の発明の効果に加えて、キッキングプレートの略前半部の上面は、車室側へ斜め下向きに傾斜成形してあるため、乗降の際、特に降車の際にリヤフロア下段部面上から足をサイドシルの上方へ持ち上げて車外へ跨ぐ時に、この傾斜した上面で足を滑り案内できて引掛かりを確実に防止することができて、より一層乗降性を向上することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の発明の効果に加えて、キッキングプレートの略前半部の車室側に傾斜した上面と、略後半部の上面とをひねり面を介してなだらかに連続して形成してあるため、乗降時にキッキングプレートの全体的に平坦面に形成された上面の前半傾斜部と後半水平部との角度変化部分で足が引掛かるのを防止できると共に、急激な段差がないため見栄えを向上することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の発明の効果に加えて、舌片によって延設部とキッキングプレート後端部との曲折部分の剛性を高めることができることは勿論、該舌片によって乗降の際にリヤフロア上段部面の側部でカーペットがめくれるのを防止することもできて品質感を高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。
【0018】
図1〜3において、1は図外のリヤサイドドアが装着される車体のリヤドア開口部、2は該リヤドア開口部1の下縁部を構成するサイドシル、3はリヤドア開口部1の後縁部の下側を構成するリヤホイールハウス前側部を示し、該リヤホイールハウス前側部3はサイドシル2の後端部から所要の後傾角度で連設してある。
【0019】
サイドシル2の合わせフランジ2aと、リヤホイールハウス前側部3の合わせフランジ3aとは連続していて、これら合わせフランジ2a,3aに合成樹脂材からなるU字形断面のウエルト4を一連に嵌着してある。
【0020】
5はサイドシル2上に図外のクリップ等により止着されて、該サイドシル2の合わせフランジ2aに嵌着したウエルト4を被覆する合成樹脂材からなるキッキングプレートを示す。
【0021】
このキッキングプレート5は、その後端部に後席10のシートバック10Bの側部の傾斜面よりも小さな角度に曲折成形され、リヤホイールハウス前側部3上に装着されてその合わせフランジ3aに嵌着したウエルト4を覆う延設部6をキッキングプレート5と略同じ幅で設けてある。
【0022】
このキッキングプレート5は前記延設部6に亘って、それらの上面5A,6Aを全体的に連続した平坦面に形成してある。
【0023】
延設部6の上端部は、リヤホイールハウス前側部3の傾斜角度と略同じ角度に曲折成形されて、該リヤホイールハウス前側部3の合わせフランジ3aに嵌着したウエルト4に外嵌するリヤエンド部7として形成してある。
【0024】
一方、キッキングプレート5の略前半部の上面5A1 は、略後半部の上面5A2 に対して車室側へ斜め下向きに傾斜成形してあり、該車室側に傾斜した略前半部の上面5A1 と、略後半部の上面5A2 とをひねり面5A3 を介してなだらかに連続して形成してある。
【0025】
また、延設部6の曲折した連設基部、即ち、キッキングプレート5の後端部と延設部6との曲折部分には、その車室側の側縁に該車室側に向けて略水平に延びる舌片8を延設してあり、該舌片8により後席10のシートクッション10Aを装着したリヤフロア上段部9A面に敷設したカーペット11の側部を押えるようにしてある。
【0026】
以上の実施形態の構造によれば、キッキングプレート5はその上面5Aを全体的に平坦面として形成してあって、該上面5Aには突起部が存在していないため、後席乗員の乗降時に該上面5Aに足を引掛けることがなく、乗降性を一段と向上することができる。
【0027】
ここで、後席10への乗員の乗降時は、例えば後席10へ乗車する際には、臀部をシートクッション10A上に乗り入れてから脚部をリヤフロア下段部9Bへ引き入れ、また、降車する際には前述とは逆に先ず脚部を車外へ出してから臀部をシートクッション10Aから浮かせて降車することが多く、この時、シートクッション10Aの側部、および後傾したシートバック10Bの側部が、リヤホイールハウス前側部3上のウエルト4に近接しているため、該ウエルト4に大腿部や臀部が引掛かったり、当ったりし易い傾向にある。
【0028】
ところが、前記キッキングプレート5はその後端部にシートバック10Bの側部の傾斜面よりも小さな角度で曲折成形した略同じ幅の延設部6を備えていて、該延設部6の上面6Aをキッキングプレート5の上面5Aと連続して全体的に平坦面としてあるため、前述の乗降の際に大腿部や臀部がリヤホイールハウス前側部3上のウエルト4に引掛かったり当ったりして押圧感を生じることがなく、しかも、この延設部6の上面6Aの平坦面で大腿部や臀部を滑り案内することができるため、乗降性を著しく向上することができる。
【0029】
特に本実施形態では、前記延設部6の上端部はリヤホイールハウス前側部3の傾斜角度と略同じ角度に曲折成形したリヤエンド部7として形成してあって、該リヤエンド部7をリヤホイールハウス前側部3上のウエルト4に外嵌して延設部6をウエルト4に連続させてあるため、乗降時に延設部6とウエルト4との継目部分で引掛かりを生じるおそれがなく、また、ウエルト4との連続感が得られるため見栄えを向上できて品質感を高めることができる。
【0030】
また、キッキングプレート5の略前半部の上面5A1 は、車室側へ斜め下向きに傾斜成形してあるため、乗降の際、特に降車の際にリヤフロア下段部9B面上から足をサイドシル2の上方へ持ち上げて車外へ跨ぐ時に、この傾斜した上面5A1 で足を滑り案内できて引掛かりを確実に防止することができて、より一層乗降性を向上することができる。
【0031】
しかも、このキッキングプレート5の略前半部の車室側に傾斜した上面5A1 と、略後半部の上面5A2 とをひねり面5A3 を介してなだらかに連続して形成してあるため、乗降時にキッキングプレート5の全体的に平坦面に形成された上面5Aの前半傾斜部5A1 と後半水平部5A2 との角度変化部分で足が引掛かるのを防止できると共に、急激な段差がないため見栄えを向上することができる。
【0032】
更に、延設部6の曲折した連設基部の車室側の側縁には、車室側に向けて略水平に延設されて、リヤフロア上段部9A面に敷設したカーペット11の側部を押える舌片8を設けてあるため、延設部6とキッキングプレート5の後端部との曲折部分の剛性を高めることができることは勿論、該舌片8によって、乗降の際にリヤフロア上段部9A面の側部でカーペット11がめくれるのを防止することもできて品質感を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 リヤドア開口部
2 サイドシル
2a 合わせフランジ
3 リヤホイールハウス前側部
3a 合わせフランジ
4 ウエルト
5 キッキングプレート
5A 上面
5A1 略前半部の上面
5A2 略後半部の上面
5A3 ひねり面
6 延設部
6A 上面
7 リヤエンド部
8 舌片
9A リヤフロア上段部
10 後席
10B シートバック
11 カーペット

Claims (5)

  1. 車体のリヤドア開口部のサイドシル上に、該サイドシルの合わせフランジに嵌着したウエルトを被覆するキッキングプレートを装着した構造において、該キッキングプレートの後端部に後席のシートバック傾斜角よりも小さな角度で曲折成形され、前記サイドシルに続くリヤホイールハウス前側部上に装着されて、該リヤホイールハウス前側部の合わせフランジに嵌着したウエルトを覆う延設部をキッキングプレートと略同じ幅で設けると共に、これらキッキングプレートから延設部に亘ってそれらの上面を全体的に連続した平坦面に形成したことを特徴とする自動車のキッキングプレート構造。
  2. 延設部の上端部に、リヤホイールハウス前側部の傾斜角度と略同じ角度に曲折成形されて、該リヤホイールハウス前側部の合わせフランジに嵌着したウエルトに外嵌するリヤエンド部を延設したことを特徴とする請求項1に記載の自動車のキッキングプレート構造。
  3. キッキングプレートの略前半部の上面を、車室側へ斜め下向きに傾斜成形したことを特徴とする請求項1,2に記載の自動車のキッキングプレート構造。
  4. キッキングプレートの略前半部の車室側に傾斜した上面を、該キッキングプレートの略後半部の上面にひねり面を介してなだらかに連続して形成したことを特徴とする請求項3に記載の自動車のキッキングプレート構造。
  5. 延設部の曲折した連設基部の車室側の側縁に、車室側に向けて略水平に延設されて、後席のシートクッションを装着したリヤフロア上段部面に敷設したカーペットを押える舌片を設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の自動車のキッキングプレート構造。
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