JP3621006B2 - 開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、主にジャケット、コートなどの衣服の前立てに使用する、通常タイプのスライドファスナーおよび隠しタイプのスライドファスナーの双方に適用できる開離嵌挿具とスライダーであり、特に隠しタイプのスライドファスナーに適した開離嵌挿具およびス ライダーであり、開離嵌挿具の箱体にスライダーを傾倒状に当接できる開離嵌挿具付スライドファスナーにおける開離嵌挿具およびスライダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の通常タイプの開離嵌挿具付スライドファスナーは、図17に示すように開離嵌挿具における箱体の上面が水平であり、かつ箱体には中仕切片が存在してなく、箱棒を単に箱体に嵌挿して固定し、固定された箱棒の隣りに蝶棒挿入部を設けた開離嵌挿具付スライドファスナーが実公平1−14169号公報に開示されている。
【0003】
また隠しタイプの開離嵌挿具付スライドファスナーは、図18に示すように開離嵌挿具における箱体の上面が水平でスライダーを嵌入して保持できる凹窪部を凹設し、箱棒挿入孔と蝶棒挿入孔とを仕切る中仕切片を設けた隠しタイプの開離嵌挿具付スライドファスナーが特開平11−155616号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前項で述べた図17に示す通常タイプの開離嵌挿具付スライドファスナーは、箱体の上面が水平であり、スライダーを介して箱体に蝶棒を差し込む挿入操作がややもすると真上から差し込むため円滑かつ容易に行えない、また箱体を小型化することができないなど問題点があった。
【0005】
また、図18に示す隠しタイプの開離嵌挿具付スライドファスナーも箱体の上面が水平であり、スライダーを介して箱体に蝶棒を差し込む挿入操作は、箱体が隠れた位置で真上から差し込むため、きわめて操作が面倒であり、しかも箱体の上部にスライダーの後口部を収容して位置決めする構造を採用しているので、箱体を小型化することができないなど問題点があった。
【0006】
この発明は、上述の問題点を考慮して発明されたものであり、請求項1記載の発明は、開離嵌挿具付スライドファスナーにおける開離嵌挿具の箱体に対し改良を加え、箱体は上方に傾倒状に配したスライダーを介して蝶棒を斜め上方から挿入することができ、挿入操作が従来品に比較してきわめて円滑かつ容易に行うことができ、そのうえ実施形態によっては開離嵌挿具の箱体を小型化することができる開離嵌挿具付スライドファスナーを提供することが主たる目的である。
【0007】
請求項2記載の発明は、開離嵌挿具付スライドファスナーにおける開離嵌挿具のスライダーに改良を加え、スライダーを箱体に当接した際、箱体に対しスライダーを傾倒状に安定した状態に配し、蝶棒を斜め上方から挿入することができ、挿入操作が従来品に比較してきわめて円滑かつ容易に行うことができる開離嵌挿具付スライドファスナーを提供することが主たる目的である。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の目的に加え、隠しタイプの開離嵌挿具付スライドファスナーに簡易に適用できる開離嵌挿具を提供することが目的である。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明の目的に加え、通常タイプの開離嵌挿具付スライドファスナーに簡易に適用できる開離嵌挿具を提供することが目的である。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の発明の目的に加え、開離嵌挿具付スライドファスナーにおける開離嵌挿具の箱体に蝶棒をきわめて容易に挿入することができる開離嵌挿具の箱体を提供することが目的である。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項3記載の発明の目的に加え、開離嵌挿具付スライドファスナーにおける開離嵌挿具の箱体に蝶棒をきわめて容易に挿入することができる機能を有する開離嵌挿具を備えた隠しタイプのスライドファスナーを提供することが目的である。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の目的に加え、開離嵌挿具付スライドファスナーにおける開離嵌挿具の箱体と箱棒とがいずれの方向にも揺動することができないよう、強固に固定できる機構を有する開離嵌挿具を備えた隠しタイプのスライドファスナーを提供することが目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の発明は、箱体、箱棒、蝶棒からなる開離嵌挿具を備えたスライドファスナーにおいて、箱体1の中央縦方向に箱棒挿入孔4と蝶棒挿入孔5とを仕切る中仕切片6を設け、箱棒挿入孔4に箱棒2を嵌挿した後固定し、蝶棒挿入孔5に蝶棒3を嵌脱自在に形成し、箱体1の上面に斜面部16を設け、この斜面部16は箱棒挿入孔4の側壁9から蝶棒挿入孔5の側壁9bに向けて下り勾配に形成し、箱体1とスライダーSとが嵌挿操作の際当接したとき、スライダーSを箱体1の蝶棒挿入孔5側へ傾倒する形に形成した開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダーを主な構成としている。
【0014】
請求項2記載の発明は、箱体、箱棒、蝶棒からなる開離嵌挿具を備えたスライドファスナーにおいて、箱体1の中央縦方向に箱棒挿入孔4と蝶棒挿入孔5とを仕切る中仕切片6を設け、箱棒挿入孔4に箱棒2を嵌挿した後固定し、蝶棒挿入孔5に蝶棒3を嵌脱自在に形成し、スライダーSの後口部S´に斜面部16´を設け、この斜面部16´は箱棒挿入孔4の側壁9aに当接可能な側のフランジFから蝶棒挿入孔5の側壁9bに当接可能な側のフランジFに向けて上り勾配に形成し、箱体1とスライダーSとが開離嵌挿操作の際当接したとき、スライダーSを箱体1の蝶棒挿入孔5側へ傾倒する形に形成した開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダーを主な構成としている。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具における箱体1の前壁7であって中仕切片6の両側にストリンガテープTが嵌挿できるガイド溝13a、13bを設け、箱体1に設けた箱棒挿入孔4にストリンガテープTに取り付けた箱棒2を嵌挿して固定した隠しタイプの開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダーである。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具における箱体1の両側に位置する側壁9にストリンガテープTが嵌挿できるガイド溝13a、13bを設け、箱体1に設けた箱棒挿入孔4にストリンガテープTに取り付けた箱棒2を嵌挿して固定した通常タイプの開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダーである。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具における箱体1の中央に配した中仕切片6は上面の斜面部16まで延設し、蝶棒挿入孔5側の中仕切片6の全長にわたって蝶棒3をガイドする傾斜状のガイド部11を設けた開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダーである。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項3記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具における箱体1は蝶棒挿入孔5における前壁7に中仕切片6のガイド部11に沿って浅いガイド溝13bを設け、箱棒挿入孔4の前壁7に中仕切片6の垂直面に沿って深いガイド溝13aを設けるとともに、中仕切片6の上端で背壁8側へ片寄った位置に突出状の係止部10を設け、ガイド溝13aの対岸中央に斜め下方を向く突片14を設け、蝶棒3はストリンガテープTに固定した断面鍵形の支持体17を一体に連結し、その連結部18は浅いガイド溝13bへ嵌入できる形に形成し、箱棒2はストリンガテープTに固定した断面鍵形の支持体17を一体に連結し、連結部18は深いガイド溝13aへ嵌入し、箱棒2の前面下端には斜め上方を向く舌片状の係止片19を設け、係止片19の基部上方の箱棒2と連結部18に凹状の凹陥部20を設けた隠しタイプの開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダーである。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具における箱棒2を箱体1に設けた箱棒挿入孔4に嵌挿したとき、箱体1の中仕切片6に形成した係止部10と、箱棒2に形成した係止片19とが係止して箱棒2の上下の揺動および抜脱を阻止し、箱棒2の連結部18に箱棒2と支持体17との間に透孔21を設け、この透孔21に箱体1に形成した突片14を嵌挿し、突片14の先端を透孔21の下側の連結部18に当接し、箱棒2の箱体1内での上下、左右の揺動を未然に阻止し、箱体1と箱棒2とを強固に固定した隠しタイプの開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダーである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の開離嵌挿具付スライドファスナーの実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0021】
この発明の開離嵌挿具付スライドファスナーは、図1に示す隠しタイプのスライドファスナーの開離嵌挿具、また図12に示す通常タイプのスライドファスナーの開離嵌挿具の双方に適用できる開離嵌挿具であり、特に隠しタイプのスライドファスナーの開離嵌挿具として最適な開離嵌挿具であり、さらにまた図14〜16に示す隠しタイプの開離嵌挿具付スライドファスナーにおけるスライダーに特徴がある。
【0022】
最初に図1に示す第1実施形態の隠しタイプの開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具について説明すると、箱体1、箱棒2、蝶棒3の三部材から構成され、箱体1、箱棒2、蝶棒3は、それぞれポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリプチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いて射出成形または押出成形手段によって成形する。箱棒2および蝶棒3は略角柱状を呈し、ストリンガテープTの側縁に取り付けたファスナーエレメントEに連接してストリンガテープTの側縁に一体成形によって装着され、箱体1は左右に箱棒挿入孔4、蝶棒挿入孔5を設け、一方のストリンガテープTに装着した箱棒2に箱体1を差し込んで固定して開離嵌挿具に仕上げる。
【0023】
箱棒2は、図1に示すように一方のストリンガテープTの側縁をU字状に折り返した表面に、熱可塑性合成繊維のモノフィラメントから成形されたコイル状ファスナーエレメントEを縫着し、ファスナーエレメントEの噛合頭部HはストリンガテープTの折り返し縁部側に配する。そしてファスナーエレメントEに連続する形で略角柱状の箱棒2が一体成形で取り付けられ、また蝶棒3も箱棒2と略同様の形態で他方のストリンガテープTの折り返し縁部に取り付けられる。
【0024】
箱体1は、方形体で左右に箱棒挿入孔4と蝶棒挿入孔5とを形成するため、箱体1の中央に中仕切片6を縦設し、中仕切片6は蝶棒挿入孔5に面した部分が全長にわたって傾斜し、蝶棒3を差し込む際のガイドとなるガイド部11が設けられている。また箱棒挿入孔4に面した部分は垂直面で上端に背壁8側へ片寄った位置に突出状の係止部10を設けて箱棒2を係止できるように形成する。なお蝶棒挿入孔5は有底であるが箱棒挿入孔4の底部にはコア挿入用の孔部12が設けられている。
【0025】
箱体1の前壁7には、中仕切片6の両側にストリンガテープTを嵌挿できるガイド溝13a、13bを設け、蝶棒挿入孔5側のガイド溝13bは中仕切片6の傾斜状のガイド部11に沿った浅いガイド溝13bである。また箱棒挿入孔4側は中仕切片6の垂直面に沿って底部まで及ぶ深いガイド溝13aを設け、ガイド溝13aの中仕切片6の対岸中央に斜め下方を向く突片14を突出させるためクランク形の凹部15を設ける。
【0026】
箱体1の上面は箱棒挿入孔4の側壁9aから蝶棒挿入孔5の側壁9bに向って下り勾配の斜面部16に形成し、斜面部16はスライダーSの後口部S’と当接しスライダーSを傾斜状に載置することができる。なお中仕切片6は斜面部16まで延びる形に形成する。
【0027】
箱棒2はストリンガテープTの折り返し縁部側すなわち内側端に、図1、5に示すようにストリンガテープTに連接して鍵形に支持体17を連結し、箱棒2と支持体17との間にコ字状の連結部18が形成され、この連結部18は箱体1の前壁7に設けた深いガイド溝13aに嵌挿する。そして箱棒2と支持体17はともに熱可塑性樹脂によって一体成形してストリンガテープTに溶着する。
【0028】
箱棒2の前面の下端には箱体1の中仕切片6に設けた係止部10に係止できるように斜め上方へ突出する舌片状の係止片19を突設し、この係止片19の基部上方の箱棒2と連結部18とに、図1、4に示すように同形の凹状の凹陥部20を形成し、連結部18の凹陥部20には図1、5に示すように箱棒2と支持体17との間に透孔21が設けられ、この透孔21に箱体1に設けた突片14が嵌挿できるように形成する。蝶棒3も箱棒2と同様にストリンガテープTの側縁をU字状に折り返した表面に、熱可塑性合成繊維のモノフィラメントから形成したコイル状ファスナーエレメントEを縫着し、ファスナーエレメントEの噛合頭部HはストリンガテープTの折り返し縁部側に配され、このファスナーエレメントEに連続する形で略角柱状を呈する蝶棒3を一体成形によって取り付ける。
【0029】
蝶棒3はストリンガテープTの折り返し縁部に図1、7に示すようにストリンガテープTに連接して鍵形に支持体17を連結して蝶棒3と支持体17との間にコ字状の連結部18を形成し、この連結部18の先端は切欠して短く形成し、箱体1の前壁7に設けた浅いガイド溝13bに嵌挿できるように形成する。蝶棒3もまた支持体17とともに熱可塑性樹脂によって一体成形してストリンガテープTに溶着する。
【0030】
蝶棒3の先端は、図6に示すように箱体1の中仕切片6に形成したガイド部11の形状に略合致するよう傾斜面を呈する先細状に形成する。蝶棒3の前面の上端にファスナーエレメントEと噛合できる頭部22を一体に形成し、また支持体17は連結部18の先端から傾斜状に形成することによって、蝶棒3が突出状に現出させて箱体1への差し込み操作の便宜を図る。
【0031】
箱体1と箱棒2との組み付けは、箱棒2を箱体1の箱棒挿入孔4に強圧的に差し込むと同時に、連結部18を深いガイド溝13aに嵌挿させることによって、図8に示すように箱体1の係止部10に箱棒2の係止片19が係止することによって上方への揺動を防ぎ、箱体1の突片14が連結部18に設けた透孔21に嵌入し先端が透孔21の下側に存在する連結部18に当接させて下方への揺動を防ぐとともに、左右への揺動も防ぐ、したがって箱棒2を箱体1内で上下、左右、前後に揺動することができないように強固に固定し、一方のストリンガテープTに箱体1を取り付ける。
【0032】
開離嵌挿操作は、図9に概略的に示すように、箱棒2を取り付けたファスナーストリンガにスライダーSを嵌挿し、図10に示すようにスライダーSを箱体1の斜面部16に当接させることによって、スライダーSを傾斜状に配置した状態で他のファスナーストリンガに取り付けた蝶棒3をスライダーS内に挿通し、蝶棒3を箱体1のガイド部11にガイドされながら蝶棒挿入孔5に差し込んだ後、スライダーSの位置を図11に示すように修正し、スライダーSを閉鎖方向へ引き上げて左右のファスナーエレメントEを噛合させ、隠しタイプのファスナーストリンガを閉鎖させる。また閉鎖状のファスナーストリンガを分離開口するには、スライダーSを引き下げて箱体1の斜面部16に当接させ、傾斜状のスライダーSから蝶棒3を抜脱させれば、左右のファスナーストリンガを分離させることができる。
【0033】
次に図12、13に示す第2実施形態の通常タイプの開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具について説明すると、開離嵌挿具は箱体1、箱棒2、蝶棒3の三部材から構成され、これら箱体1、箱棒2、蝶棒3は、それぞれアルミニウム合金、亜鉛合金を用いてダイカスト成形によって一体成形する。箱棒2および蝶棒3は略角柱状を呈し、箱棒2および蝶棒3はストリンガテープTの側縁に取り付けたファスナーエレメントEに連接してストリンガテープTの側縁に加締め成形によって装着し、箱体1は左右に箱棒挿入孔4、蝶棒挿入孔5を設け、一方のストリンガテープTに装着した箱棒2に箱体1を差し込んで固定して開離嵌挿具を仕上げる。
【0034】
箱棒2は図12に示すように、一方の平坦なストリンガテープTの側縁の表面に、熱可塑性合成繊維のモノフィラメントから成形されたコイル状ファスナーエレメントEに芯紐23を挿通して縫着し、ファスナーエレメントEの噛合頭部HがストリンガテープTの側縁から突出する形態に形成し、そしてファスナーエレメントEに連続する形で略角柱状の箱棒2を図13に示すようにストリンガテープTの端部でファスナーエレメントEを除去した芯紐23を熱可塑性樹脂フィルムなどの補強テープ24を圧着した表面へ取り付ける。また蝶棒3も箱棒2と同様に他方のストリンガテープTの側縁に取り付ける。
【0035】
箱体1は方形体で左右に箱棒挿入孔4と蝶棒挿入孔5を形成するため、箱体1の中央に中仕切片6を縦設し、中仕切片6は蝶棒挿入孔5に面した部分が全長にわたって傾斜し、蝶棒3を差し込む際のガイドとなるガイド部11が設けられている。また箱棒挿入孔4に面した部分は垂直面であり、箱棒挿入孔4と蝶棒挿入孔5はともに有底孔である。
【0036】
箱体1の両側の側壁9a、9bにはストリンガテープTが嵌挿できるガイド溝13a、13bが底部まで形成されている。また箱体1の上面は箱棒挿入孔4の側壁9aから蝶棒挿入孔5の側壁9bに向けて下り勾配の斜面部16が形成され、斜面部16はスライダーSの後口部S’と当接し、スライダーSを傾斜状に載置できる。箱体1の中仕切片6は斜面部16まで延設されている。
【0037】
箱体1と箱棒2との組み付けは、箱棒2を箱体1の箱棒挿入孔4に差し込むと同時に、ストリンガテープTを箱体1の側壁9aに設けたガイド溝13aに嵌挿した後、箱体1の箱棒挿入孔4側の背壁8を図13に示すようにパンチでノッチ25を作り、箱体1と箱棒2とを固定して組み付ける。
【0038】
開離嵌挿操作は、箱棒2を取り付けたファスナーストリンガにスライダーSを嵌挿し、スライダーSを箱体1の斜面部16に当接させ、スライダーSを傾斜状に配した状態で他のファスナーストリンガに取り付けた蝶棒3をスライダーS内に挿通し、蝶棒3を箱体1のガイド部11にガイドされながら蝶棒挿入孔5に差し込んだ後、スライダーSの位置を水平状に修正し、スライダーSを閉鎖方向へ引き上げて左右のファスナーストリンガを閉鎖させる。閉鎖状のファスナーストリンガを分離開口するには、スライダーSを引き下げて箱体1の斜面部16に当接させ、傾斜状のスライダーSから蝶棒3を抜脱させれば左右のファスナーストリンガを分離させることができる。
【0039】
なおこの発明の実施形態で説明したファスナーエレメントは、熱可塑性合成繊維のモノフィラメントから形成したコイル状ファスナーエレメントについて説明したが、コイル状ファスナーエレメントのみでなく、ジグザグ状ファスナーエレメント、また熱可塑性樹脂製の単体のファスナーエレメントでもよく、さらに金属製の単体のファスナーエレメントであってもよい。
【0040】
最後に図14〜16に示す第3実施形態の隠しタイプの開離嵌挿具付スライドファスナーのスライダーについて説明すると、ここに用いる開離嵌挿具の箱体1は、通常のタイプの箱体1であって、箱体1の上面は水平面であり、左右に箱棒挿入孔4、蝶棒挿入孔5が設けられ、箱体1、箱棒2、蝶棒3の具体的な形態は、図1に示す第1実施形態の開離嵌挿具と略同一である。
【0041】
スライダーSは後口部S’に傾斜する斜面部16’が形成され、斜面部16’は箱体1の箱棒挿入孔4の側壁9aに対面し当接する側のフランジFから、蝶棒挿入孔5の側壁9bに対面し当接する側のフランジF’に向けて上り勾配の形状を呈するよう左右非対称形に形成する。
【0042】
このように形成されたスライダーSを図14に示すように、箱棒2を取り付けたファスナーストリンガにスライダーSを嵌挿し、図15に示すようにスライダーSの後口部S’の斜面部16’を箱体1の上面に当接させ、スライダーSを傾斜状に配置した状態で他のファスナーストリンガに取り付けた蝶棒3をスライダーS内に挿通し、蝶棒3を箱体1のガイド部11にガイドさせながら蝶棒挿入孔5に差し込んだ後、スライダーSの位置を図16に示すように修正し、スライダーSを閉鎖方向へ引き上げて左右のファスナーエレメントEを噛合させ、隠しタイプのファスナーストリンガを閉鎖させる。また閉鎖状態のファスナーストリンガを分離開口するには、スライダーSを引き下げて箱体1に当接させ、蝶棒3を箱体1およびスライダーSから抜脱すれば、左右のファスナーストリンガに分離できる。
【0043】
なお箱体1の蝶棒挿入孔5に蝶棒3を差し込む際は、箱体1に対しスライダーSの蝶棒3を挿通する側が傾倒しているため、第1実施形態の開離嵌挿具付スライドファスナーと同様に、蝶棒3を真上からでなく、斜め上方から挿入するので、挿入操作がきわめて円滑に行うことができる。
【0044】
【発明の効果】
この発明の開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダーは、以上説明したとおりの構成であり、この構成によって下記の効果を奏する。
【0045】
この発明のうち請求項1記載の発明は、箱体、箱棒、蝶棒からなる開離嵌挿具を備えたスライドファスナーにおいて、箱体に箱棒挿入孔と蝶棒挿入孔とを仕切る中仕切片を設け、箱棒挿入孔に箱棒を嵌挿固定し、蝶棒挿入孔に蝶棒を嵌脱可能に形成し、箱体の上面に斜面部を設け、斜面部は箱棒挿入孔の側壁から蝶棒挿入孔の側壁に向けて下り勾配に形成し、箱体とスライダーとを当接したとき、スライダーを箱体の蝶棒挿入孔側へ傾倒可能に形成したことによって、下記の効果を奏する。
【0046】
箱体に対しスライダーを傾斜状に配することができるので、蝶棒の差し込みがきわめてスムーズに行うことができ、しかも箱体を小型化することによって、ファスナーチエンの縫製作業が容易に行え、かつ資源の節減が図れる効果がある。
【0047】
請求項2記載の発明は、箱体、箱棒、蝶棒からなる開離嵌挿具を備えたスライドファスナーにおいて、箱体に箱棒挿入孔と蝶棒挿入孔とを仕切る中仕切片を設け、箱棒挿入孔に箱棒を嵌挿固定し、蝶棒挿入孔に蝶棒を嵌脱可能に形成し、スライダーの後口部に斜面部を設け、斜面部は箱棒挿入孔の側壁に当接可能な側のフランジから蝶棒挿入孔の側壁に当接可能な側のフランジに向けて上り勾配に形成し、箱体とスライダーを当接したとき、スライダーを箱体の蝶棒挿入孔側へ傾倒可能に形成したことによって、下記の効果を奏する。
【0048】
開離嵌挿操作の際、スライダーを箱体に当接した場合、箱体に対しスライダーを蝶棒挿入孔側へ傾倒させることができるので、箱体に対し蝶棒をきわめて円滑かつ容易に挿入操作ができる効果がある。
【0049】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加え、箱体の前壁で中仕切片の両側にストリンガテープが嵌挿できるガイド溝を設け、箱体に設けた箱棒挿入孔に箱棒を嵌挿固定した隠しタイプの開離嵌挿具であるから、隠しタイプのスライドファスナーに簡易に適用することができ、その実用化が容易に図れる効果がある。
【0050】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加え、箱体の両側壁にストリンガテープが嵌挿できるガイド溝を設け、箱体に設けた箱棒挿入孔に箱棒を嵌挿固定した通常タイプの開離嵌挿具であるから、通常タイプのスライドファスナーに簡易に適用することができ、その実用化が容易に図れる効果がある。
【0051】
請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加え、箱体の中仕切片は斜面部まで延設し、蝶棒挿入孔側の中仕切片の全長にわたって傾斜するガイド部を設けたことによって、箱体に対し蝶棒をきわめて容易かつ円滑に差し込むことができる効果がある。
【0052】
請求項6記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加え、箱体は蝶棒挿入孔における前壁に中仕切片のガイド部に沿って浅いガイド溝を設け、箱棒挿入孔の前壁に中仕切片の垂直面に沿って深いガイド溝を設けるとともに、中仕切片の上端で片寄った位置に突出状の係止部を設け、ガイド溝の対岸中央に下向の突片を設けたことによって、隠しタイプの開離嵌挿具における箱体の蝶棒挿入孔に安定した状態で蝶棒を差し込むことができ、かつまた箱棒挿入孔に対し箱棒を強固に固定することができる効果がある。
【0053】
さらに、蝶棒はストリンガテープに固定した鍵形の支持体を一体に連結し、その連結部はガイド溝へ嵌入できる形に形成し、箱棒はストリンガテープに固定した鍵形の支持体を一体に連結し、箱棒の前面下端に上向きの舌片状の係止片を設け、係止片の上方の箱棒および連結部に凹陥部を設けたことによって、蝶棒は箱体に対し円滑に差し込める構造に形成でき、箱棒は箱体に対し強固かつ確実に組み付けることができるから、その実用化が容易に図れる効果がある。
【0054】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の効果に加え、箱棒を箱体の箱棒挿入孔に嵌挿したとき、中仕切片の係止部と箱棒の係止片とが係止し、箱棒の連結部に箱棒と支持体との間に透孔を設け、該透孔に箱体の突片を嵌挿させ、突片の先端を透孔の下側の連結部に当接させて箱体と箱棒とを固定したことによって、隠しタイプの開離嵌挿具における箱体と箱棒とがいずれの方向、すなわち上下、左右、前後に揺動することができなく、頑丈な隠しタイプの開離嵌挿具に仕上げることができる効果があるなど、この発明が奏する効果はきわめて顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の隠しタイプの開離嵌挿具の分解斜視図である。
【図2】同上の開離嵌挿具の箱体の正面図である。
【図3】同上の開離嵌挿具の箱体の横断面図である。
【図4】同上の開離嵌挿具の箱棒を備えたファスナーストリンガの要部の正面図である。
【図5】同上の開離嵌挿具におけるA−A線断面図である。
【図6】同上の開離嵌挿具の蝶棒を備えたファスナーストリンガの要部の正面図である。
【図7】同上の開離嵌挿具におけるB−B線断面図である。
【図8】同上の開離嵌挿具における箱体と箱棒とを組み付けた状態の正面図である。
【図9】同上の開離嵌挿具の作用を示すもので、ファスナーストリンガにスライダーを挿通した状態を示す作用図である。
【図10】同上の開離嵌挿具の作用を示すもので、箱体に蝶棒を挿入する状態を示す作用図である。
【図11】同上の開離嵌挿具の作用を示すもので、箱体に蝶棒を挿入し終えた状態を示す作用図である。
【図12】第2実施形態の通常タイプの開離嵌挿具を備えたファスナーチェンの要部の正面図である。
【図13】同上の開離嵌挿具におけるC−C線断面図である。
【図14】第3実施形態の隠しタイプの開離嵌挿具の作用を示すもので、ファスナーストリンガにスライダーを挿通した状態を示す作用図である。
【図15】同上の開離嵌挿具の作用を示すもので、箱体に蝶棒を挿入する状態を示す作用図である。
【図16】同上の開離嵌挿具の作用を示すもので、箱体に蝶棒を挿入し終えた状態を示す作用図である。
【図17】公知の通常タイプの開離嵌挿具を備えたファスナーチェンの要部の正面図である。
【図18】公知の隠しタイプの開離嵌挿具の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 箱体
2 箱棒
3 蝶棒
4 箱棒挿入孔
5 蝶棒挿入孔
6 中仕切片
7 前壁
8 背壁
9a 箱棒挿入孔の側壁
9b 蝶棒挿入孔の側壁
10 係止部
11 ガイド部
13a 箱棒挿入孔のガイド溝
13b 蝶棒挿入孔のガイド溝
14 突片
16 斜面部(箱体)
16’ 斜面部(スライダー)
17 支持体
18 連結部
19 係止片
20 凹陥部
21 透孔
S スライダー
S’ 後口部
T ストリンガテープ
F フランジ
Claims (7)
- 箱体、箱棒、蝶棒からなる開離嵌挿具を備えたスライドファスナーにおいて、箱体1に箱棒挿入孔4と蝶棒挿入孔5とを仕切る中仕切片6を設け、箱棒挿入孔4に箱棒2を嵌挿固定し、蝶棒挿入孔5に蝶棒3を嵌脱可能に形成し、箱体1の上面に斜面部16を設け、斜面部16は箱棒挿入孔4の側壁9aから蝶棒挿入孔5の側壁9bに向けて下り勾配に形成し、箱体1とスライダーSとを当接したとき、スライダーSを箱体1の蝶棒挿入孔5側へ傾倒可能に形成してなることを特徴とする開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダー。
- 箱体、箱棒、蝶棒からなる開離嵌挿具を備えたスライドファスナーにおいて、箱体1に箱棒挿入孔4と蝶棒挿入孔5とを仕切る中仕切片6を設け、箱棒挿入孔4に箱棒2を嵌挿固定し、蝶棒挿入孔5に蝶棒3を嵌脱可能に形成し、スライダーSの後口部S’に斜面部16’を設け、斜面部16’は箱棒挿入孔4の側壁9aに当接可能な側のフランジFから蝶棒挿入孔5の側壁9bに当接可能な側のフランジFに向けて上り勾配に形成し、箱体1とスライダーSとを当接したとき、スライダーSを箱体1の蝶棒挿入孔5側へ傾倒可能に形成してなることを特徴とする開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダー。
- 開離嵌挿具における箱体1の前壁7で中仕切片6の両側にストリンガテープTが嵌挿できるガイド溝13a、13bを設け、箱体1に設けた箱棒挿入孔4に箱棒2を嵌挿固定した隠しタイプの請求項1または2記載の開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダー。
- 開離嵌挿具における箱体1の両側壁9a、9bにストリンガテープTが嵌挿できるガイド溝13a、13bを設け、箱体1に設けた箱棒挿入孔4に箱棒2を嵌挿固定した通常タイプの請求項1または2記載の開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダー。
- 開離嵌挿具における箱体1の中仕切片6は斜面部16まで延設し、蝶棒挿入孔5側の中仕切片6の全長にわたって傾斜するガイド部11を設けてなる請求項1または2記載の開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダー。
- 開離嵌挿具における箱体1は蝶棒挿入孔5における前壁7に中仕切片6のガイド部11に沿って浅いガイド溝13bを設け、箱棒挿入孔4の前壁7に中仕切片6の垂直面に沿って深いガイド溝13aを設けるとともに、中仕切片6の上端で片寄った位置に突出状の係止部10を設け、ガイド溝13aの対岸中央に下向の突片14を設け、蝶棒3はストリンガテープTに固定した鍵形の支持体17を一体に連結し、その連結部18はガイド溝13bへ嵌入できる形に形成し、箱棒2はストリンガテープTに固定した鍵形の支持体17を一体に連結し、箱棒2の前面下端に上向きの舌片状の係止片19を設け、係止片19の上方の箱棒2および連結部18に凹陥部20を設けてなる隠しタイプの請求項3記載の開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダー。
- 開離嵌挿具における箱棒2を箱体1の箱棒挿入孔4に嵌挿したとき、中仕切片6の係止部10と箱棒2の係止片19とが係止し、箱棒2の連結部18に箱棒2と支持体17との間に透孔21を設け、該透孔21に箱体1の突片14を嵌挿させ、突片14の先端を透孔21の下側の連結部18に当接させて箱体1と箱棒2とを固定してなる隠しタイプの請求項6記載の開離嵌挿具付スライドファスナーの開離嵌挿具およびスライダー。
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