JP3632053B2 - ゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成ゴム又は天然ゴム組成物、特には、特定のオルガノポリシロキサンと他のラジカル重合性単量体との共重合体が配合された、摺動性、耐汚染性等に優れた加硫ゴムを与えるゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴムは一般に、いわゆるゴム弾性を有し、伸長性、復元性、反撥弾性、引裂強さ、屈曲性等に優れる反面、摺動性、耐摩耗性が劣り、また、加硫の程度によっては粘着性を有し、このため耐汚染性、耐ブロッキング性に劣る欠点がある。例えば、エチレン−プロピレン系ゴムは、耐候性、耐熱性、加工性に優れているため、ガラスランや窓枠に使用されてきたが、摺動性に劣るため、振動によりきしみ音が発生する。これを防止するためガラス摺動部位に植毛加工したり(特開平 2−20424号公報参照)、ウレタン滑性層を形成させたり(特開平3−161329号公報参照)する必要があり、そのため工程が長くなり生産性が良くないし、さらに、アクリルゴムは、耐油性、耐候性、耐オゾン性、耐熱性に優れているが、摺動性に加え耐汚染性が良くない等、個々のゴムに応じて改良すべき問題点がある。この問題点を解決する一方法として、ゴムにオルガノポリシロキサンと(メタ)アクリル酸エステル等をグラフト共重合したアクリル変性オルガノポリシロキサンを配合する(特開平6−157830号公報参照)方法が提案されているが、多少の低分子オルガノポリシロキサンオリゴマーを含むため、摺動性に効果は認められるものの、耐汚染性は良くない。このように、ゴムには摺動性、耐汚染性に代表される特性が一般に劣るという問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような状況から、本発明は摺動性、耐汚染性等に優れた加硫ゴムを与えるゴム組成物を提供しようとしてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記の課題を解決するため鋭意検討の結果、特定のオルガノポリシロキサンと他のラジカル重合性単量体との共重合体を配合すれば目的が達成されることを見出して本発明に到達した。すなわち、本発明のゴム組成物は前記の課題を解決したものであり、
(1)合成ゴム及び/又は天然ゴム 100重量部
に対し、
(2)一般式(I)
【化2】
(式中、Rは同一又は異なる炭素数1〜20の1価の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を、Xは1価のラジカル重合性基を表し、nは5〜 200の整数を表す。)で示されるオルガノポリシロキサンと他のラジカル重合性単量体との共重合体0.1〜50重量部
を配合したことを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳しく説明する。
本発明の組成物を構成する(1)成分は生ゴムとしての合成ゴム及び/又は天然ゴムであって、合成ゴムとしては従来より知られている各種のゴム、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリル酸エステルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム等を挙げることができる。これら合成ゴムあるいは天然ゴムは必要に応じて2種以上を併用することができる。
【0006】
本発明の組成物における(2)成分としては、一般式(I)
【化3】
(ただし、式中のRは同一又は異なる炭素数1〜20の1価の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を、Xは1価のラジカル重合性基を表し、nは5〜200 の整数を表す。)で示されるオルガノポリシロキサンと他のラジカル重合性単量体との共重合体が用いられる。なお、この一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンは、特開昭59-78236号公報、特開平6-228316号公報などに開示されている方法により製造することができる。
一般式(I)中のRの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、フェネチル基、ベンジル基等のアラルキル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などのラジカル重合性を有しない基が挙げられ、工業的にはメチル基、ブチル基、フェニル基が好ましい。更に摺動性付与、耐汚染性面から全R中の50モル%以上がメチル基であることが好ましい。
【0007】
一般式(I)中のXは1価のラジカル重合性基であるが、これにはラジカル共重合性の置換基が結合した有機基、具体的には、好適なものとして、式
【化4】
(式中、R1はヘテロ原子を含み得る炭素数3〜20の2価の有機基を、R2は水素原子又はメチル基を表す。)で示される基が挙げられる。式中のR1としては例えば-(CH2)3-、-CH2CH(CH3)CH2-、-(CH2)4-、-(CH2)6-、-(CH2)3O(CH2)2- 、-(CH2) 3-(CH2) 2O-(CH2)2- 等が挙げられる。
一般式(I)中のnの数は5〜 200の整数が好ましく、5未満ではシリコーンとしての性能、すなわち摺動性、耐汚染性等が乏しくなり、 200を超えると他のラジカル重合性単量体と共重合しにくくなり、未反応のオルガノポリシロキサンが多くなって、加硫ゴム表面にブリードしたり、強度低下等を引き起こすので好ましくない。
一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンはラジカル重合性シリコーンマクロモノマーであるが、その具体例として下記のものを挙げることができる。ただし、これらに限定されるものではない。
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】
【0010】
【化7】
【0011】
一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンと共重合可能な他のラジカル重合性単量体には、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類、ビニルエステル類が好適であり、その2種以上を併用することもできる。
その具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;トリフロロプロピル(メタ)アクリレート、パーフロロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のフッ素置換アルキル(メタ)アクリレート類;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有単量体;メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;モノクロロ酢酸ビニル、2−クロロエチルビニルエーテル等のハロゲン含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−ビニルアニソール、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のスチレン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリル酸ビニル等のビニルエステル類などが挙げられる。
【0012】
さらに、本発明の効果を損なわない範囲内で、前述以外のラジカル重合性単量体を共重合させることができる。このような単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸等の酸類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のアクリルアミド類;3−トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、3−トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメトキシメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ビニルトリエトキシシラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、4−トリメトキシシリル−1−ブテン、6−トリメトキシシリル−1−ヘキセン等のラジカル重合性シラン化合物;アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルアルキルエーテル類、分子中に1個のラジカル重合性基を有するポリオキシアルキレン及びポリカプロラクトン等のラジカル重合性マクロモノマー、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート等の架橋性単量体などが挙げられる。
【0013】
また、耐候性をより向上させる目的でラジカル重合性二重結合を有する酸化防止剤や光安定剤を用いることも可能である。このような単量体としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレートなどが例示される。
【0014】
以上に説明した一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンと、このオルガノポリシロキサンと共重合可能な他のラジカル重合性単量体(II)の共重合における配合比は、(I)/(II)=(5〜95)/(5〜95)(重量%)であることが好ましい。(I)の配合量が5重量%未満では摺動性、耐汚染性の向上効果が不足し、95重量%を超えるとゴムとの相溶性が悪くなり外観を損なうので好ましくない。
【0015】
(I)及び(II)を共重合させる方法としては、乳化重合法、懸濁重合法、マイクロサスペンジョン重合法、溶液重合法、塊状重合法など公知の重合方法を使用することができるが、乳化重合法、懸濁重合法、マイクロサスペンジョン重合法が好ましい。
共重合させるための重合開始剤としては通常のラジカル重合開始剤を用いることができ、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性ラジカル重合開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、2,2’−アゾビス−(2−N−ベンジルアミジノ)プロパン塩酸塩等の水溶性ラジカル重合開始剤などが例示される。
更に必要に応じて、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、L−アスコルビン酸等の還元剤を併用したレドックス系も使用することができる。
【0016】
乳化重合法、マイクロサスペンジョン重合法において使用される界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック共重合体などのノニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩や、アルキルアミン塩などのカチオン性界面活性剤が例示される。
【0017】
さらには、特開昭54−144317、特開昭55−115419、特開昭62−34947、特開昭58−203960、特開平 4−53802、特開昭62−104802、特開昭49−40388、特開昭52−134658、特公昭49−46291各号公報に記載されている反応性アニオン性界面活性剤;特開昭53−126093、特開昭56−28208、特開平 4−50204、特開昭62−104802、特開昭50−98484各号公報に記載されている反応性ノニオン性界面活性剤;第4級アンモニウム塩あるいは第3級アミン塩とラジカル重合性基とを有する反応性カチオン性界面活性剤が例示される。
また、懸濁重合法における懸濁剤としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアルキレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩等が例示される。
【0018】
重合温度は10〜 150℃、特には30〜90℃の範囲が好ましく、この温度条件下であれば3〜10時間程度で重合反応を完結させることができる。
この様にして重合された共重合体は、乳化重合法、マイクロサスペンジョン重合法の場合は、重合後のエマルジョンを凝析・水洗・脱水・乾燥させたり、あるいはスプレードライヤーで直接乾燥させて固形の共重合体とする。また、懸濁重合法の場合は脱水・水洗・乾燥させ、溶液重合法の場合には貧溶剤中に析出させ濾過・乾燥、あるいはスプレードライヤーで直接乾燥させて固形の共重合体とする。
得られた固形の共重合体は、必要に応じ、ハンマーミル、ジェットミル等により粉砕すれば、微粒子状の共重合体が得られる。
【0019】
以上に説明した(2)成分のオルガノポリシロキサンと他のラジカル重合性単量体との共重合体は、合成ゴム及び/又は天然ゴム 100重量部に対し、 0.1〜50重量部、好ましくは 0.5〜20重量部配合される。 0.1重量部未満では組成物から得られる成形体の摺動性、耐汚染性向上効果が小さく、本発明の効果が十分発揮されず、50重量部を超えると、配合量の割には効果の向上が認められにくく、また、過剰に配合されるとゴム本来の特性が損なわれる。
【0020】
本発明の組成物には、(1)成分の種類に応じて通常用いられている加硫剤、加硫促進剤、その他の加硫助剤を添加し混合することによって加硫が可能となる。さらに所望により本発明の目的を損なわない範囲で、通常のゴム配合において添加される各種添加剤、例えば充填剤、老化防止剤、可塑剤、プロセスオイル、着色剤、発泡剤などを添加することができる。また、(2)成分に共重合によって(1)成分と同類の加硫用官能基を持たせることにより、(1)成分と(2)成分を共加硫させることができ、これによってゴムの特性はより向上する。
【0021】
本発明の組成物の調製方法については特に制限はなく、従来公知の方法、例えば、前記(1)、(2)成分及び各種添加成分(但し、加硫剤、加硫促進剤等の加硫助剤は除く)をそれぞれ所定の割合で用い、これらをミキシングロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練機を用いて均一に混練することによりゴム組成物を製造することができる。さらに、このようにして得られた組成物に、加硫剤、加硫促進剤、その他の加硫助剤を前記混練機を用いて均一に混和後、常用の押出成形機、射出成形機、加圧成形機などを用いて所望の形状に適宜成形加硫することができる。
成形加硫条件は前記(2)成分を配合することなく処方された組成物の場合と同様の条件として特に問題はない。
【0022】
本発明の組成物は、成形品に摺動性、耐汚染性を付与すると同時に、耐ブロッキング性、耐摩耗性を向上させ、また、押出成形時の吐出速度の増大効果、金型離型性の向上が見られ、特性の向上とともに生産性の向上がはかれる。従って、本発明の組成物はシール材、ガスケット材、押出成形品等、各種用途に好適である。
【0023】
【実施例】
本発明を実施例に基づき、より具体的に説明する。なお、例中の部は重量部を、%は重量%を表す。
製造例1
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた重合容器に、トルエン 100部を仕込み、95℃に昇温後、メチルメタクリレート20部、スチレン10部、ブチルアクリレート20部、一般式
【化8】
で表されるオルガノポリシロキサン50部の混合物、及びパーブチルO(日本油脂社製、商品名)2.7 部とトルエン10部の混合物を、器内温度を95℃に保持しながらそれぞれ4時間かけて滴下して重合させ、さらにパーブチルO 0.3部、トルエン2部の混合物を添加して、95℃で2時間熟成させてポリシロキサン共重合体溶液を得た。この溶液を多量のn−ヘキサン中へ添加して共重合体を析出させ、濾過・乾燥してポリシロキサン共重合体(C−1)を得た。
【0024】
製造例2
攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、脱イオン水 200部を仕込み、ついで電化ポバールB−17R 0.15 部及び同24W 0.05 部(いずれも電気化学社製、商品名)を仕込み、攪拌しながら溶解し、窒素置換した後、器内温度を75℃に調整した。重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル 0.1部を添加した後、メチルメタクリレート30部、n−ブチルメタクリレート20部、ブチルアクリレート20部及び製造例1で用いたのと同じオルガノポリシロキサン30部の混合物を、器内温度を75℃に保持しながら3時間かけて滴下して重合させ、さらに2時間熟成させて反応を完結させ、粒径約1mmの球状ポリマーの懸濁液を得た。この懸濁液を水洗・脱水・乾燥してポリシロキサン共重合体(C−2)を得た。
【0025】
製造例3
攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、脱イオン水50部を仕込み、窒素置換してから60℃に昇温後、メチルメタクリレート20部、ブチルアクリレート72部及び一般式
【化9】
で表されるオルガノポリシロキサン8部の混合物を、脱イオン水50部、ラウリル硫酸ナトリウム2部、ノイゲンEA-170(第一工業製薬社製、商品名)2部の水溶液中に添加し、ホモミキサーで乳化して得た単量体乳化液154部のうちから5部を仕込み、次に重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド(純度70%)0.3 部、ロンガリット0.17部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの1%水溶液0.3部、硫酸第一鉄の1%水溶液 0.1部を添加して重合を開始させ、30分後から、残りの単量体乳化液 149部を、器内温度を80℃に保持しながら3時間かけて滴下して重合させ、さらに1時間熟成させて反応を完結させた。得られた乳化液を等量の脱イオン水で希釈し、80℃で20%硫酸ナトリウム水溶液を添加して乳化液を凝析させ、水洗・脱水・乾燥してポリシロキサン共重合体(C−3)を得た。
【0026】
製造例4
攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、脱イオン水50部を仕込み、窒素置換してから60℃に昇温後、スチレン20部、メチルメタクリレート43部、ブチルアクリレート27部、製造例3で用いたのと同じオルガノポリシロキサン10部、ラジカル反応性界面活性剤アクアロンHS−10の1部、アクアロンRN−20の3部(いずれも第一工業製薬社製、商品名)の混合物を、脱イオン水50部に添加後ホモミキサーで乳化して得た単量体乳化液 154部のうちから5部を仕込み、次に重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド(純度70%)0.3 部、ロンガリット0.17部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの1%水溶液 0.3部、硫酸第一鉄の1%水溶液 0.1部を添加して重合を開始させ、30分後から、残りの単量体乳化液 149部を、器内温度を80℃に保持しながら3時間かけて滴下して重合させ、さらに1時間熟成させて反応を完結させた。得られた乳化液を等量の脱イオン水で希釈し、80℃で20%硫酸ナトリウム水溶液を添加して乳化液を凝析させ、水洗・脱水・乾燥してポリシロキサン共重合体(C−4)を得た。
【0027】
製造例5
オクタメチルシクロテトラシロキサン 1,500部、メタクリロキシプロピルメチルシロキサン 1.2部及び純水 1,500部を混合し、これにラウリル硫酸ナトリウム15部、ドデシルベンゼンスルホン酸10部を添加してからホモミキサーで攪拌して乳化させたのち、圧力3,000psiのホモジナイザーに2回通して安定なエマルジョンを作った。ついで、このエマルジョンを70℃で12時間加熱後、25℃まで冷却して24時間熟成させ、炭酸ナトリウムを用いてエマルジョンのpHを7に調整し、4時間窒素ガスを吹き込んでから水蒸気蒸留して揮発性のシロキサンを留去し、つぎに純水を加えて不揮発分を45%に調整して、メタクリル基0.03モル%を含有するオルガノポリシロキサンのエマルジョンを得た。
攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、上記で得たオルガノポリシロキサンのエマルジョン 1,110部(オルガノポリシロキサン分 500部)と純水 1,053部を仕込み、窒素ガス気流下に器内を10℃に調整したのち、t−ブチルハイドロパーオキサイド 1.0部、L−アスコルビン酸 0.5部、硫酸第一鉄の1%水溶液 0.2部を加え、ついで器内温度を30℃に保ちながら、メチルメタクリレート 210部及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート 4.5部の混合物を3時間かけて滴下して重合させ、滴下終了後さらに1時間攪拌を続けて反応を完結させた。得られたグラフト共重合体のエマルジョンは固形分濃度30%であった。
ついで、このエマルジョン 1,000部を攪拌機付きの容器に仕込み60℃に加温し、ここに硫酸ナトリウム92部を純水 563部に溶解した溶液を加えてアクリル変性オルガノポリシロキサンを析出させ、濾過・水洗を繰り返してから60℃で乾燥してアクリル変性ポリシロキサン共重合体(C−5)を得た。
【0028】
実施例1
エチレン−プロピレン系ゴム(EPT#3045、三井石油化学社製、商品名) 100部に対し、ステアリン酸1部、老化防止剤(イルガノックス#1010、チバガイギー社製、商品名)1部、酸化亜鉛5部、HAFカーボン60部、パラフィン系プロセスオイル20部、製造例1で得たポリシロキサン共重合体C−1を5部配合して加圧ニーダーで充分混練後、得られた混練物に8インチロール上で加硫促進剤ノクセラーTS(大内新興化学社製、商品名) 1.5部、加硫促進剤アクセルM(川口化学社製、商品名) 0.5部及び硫黄 1.5部を均一に混練し、ロールシート成形物を作製し、これを 160℃で30分間加圧加硫し、2mm厚の加硫シートを作製した。この加硫シートについてJIS K−6301の測定方法に準じて加硫物性を測定した。また、下記の方法により静摩擦係数と動摩擦係数、及び汚染性を測定した。結果は表1に示すとおりであった。
【0029】
1)静摩擦係数、動摩擦係数
加硫シートの表面をサンドペーパーAA−180で研磨後、摩擦試験機ヘイドン−14(新東科学社製、商品名)を用い、10φ×15のSUS円筒体、荷重50g 、引張速度100mm/分の条件で静摩擦係数と動摩擦係数を測定した。
2)汚染性
試料表面に綿ぼこり、アッシュ、糸屑を付着させ、付着面を清浄なサラシ布で拭き、付着物による汚れがなくなるまでの回数を測定し、下記の基準で評価した。
A:1〜2回で汚れが認められなくなる。
B:3〜4回で汚れが認められなくなる。
C:5回以上で汚れが認められなくなる。
【0030】
実施例2〜5
表1に示す各種のポリシロキサン共重合体を同表に示す配合量に従って配合した以外は、実施例1と同様にして加硫シートを作製し、その加硫物性、静摩擦係数と動摩擦係数、及び汚染性についても同様にして測定し、結果を表1に示した。
【0031】
比較例1
ポリシロキサン共重合体を添加しなかった他は、実施例1と同様にして加硫シートを作製し、その加硫物性、静摩擦係数と動摩擦係数、及び汚染性についても同様にして測定し、結果を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
実施例6
アクリルゴム(RV−1040、日信化学社製、商品名) 100部に対し、ステアリン酸1部、FEFブラック40部、ノクラック#224 (大内新興化学社製、商品名) 1.5部、製造例3で得たポリシロキサン共重合体C−3の10部を配合して加圧ニーダーで充分混練後、得られた混練物に8インチロール上で加硫促進剤ノクセラーPZ(大内新興化学社製、商品名)2部を均一に混練し、ロールシート成形物を作製し、これを 170℃で10分間加圧加硫後、 170℃で4時間の後加硫を行い、2mm厚の加硫シートを作製した。この加硫シートについて、実施例1と同様にして加硫物性、静摩擦係数と動摩擦係数、及び汚染性を測定した。結果は表2に示すとおりであった。
【0034】
比較例2
ポリシロキサン共重合体を添加しなかった他は、実施例6と同様にして加硫シートを作製し、その加硫物性、静摩擦係数と動摩擦係数、及び汚染性についても同様にして測定し、結果を表2に示した。
【0035】
比較例3
実施例6において、ポリシロキサン共重合体C−3の替りに製造例5で得たアクリル変性ポリシロキサン共重合体C−5を配合した他は、実施例6と同様にして加硫シートを作製し、その加硫物性、静摩擦係数と動摩擦係数、及び汚染性についても同様にして測定し、結果を表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】
本発明により、摺動性が極めて優れ、それ自体の汚染性が小さく、耐ブロッキング性、耐摩耗性が優れ、かつブリードもほとんどないので外観不良や加工性不良、他部材への汚染のない成形品が得られるゴム組成物が提供された。また、本発明の組成物は押出成形時の吐出速度が増大し、金型離型性が向上している。
Claims (3)
- 前記共重合体がオルガノポリシロキサンと他のラジカル重合性単量体とを配合比(重量比)5: 95 ないし 95 :5で共重合させたものである請求項1記載のゴム組成物。
- 前記他のラジカル重合性単量体が、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするものである請求項1又は2記載のゴム組成物。
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