JP3633042B2 - 角型電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電池に係わり、特に、断面が四角形状となされた角型電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電池として、たとえば図5に示すように、断面が四角形状となされた角型電池が知られている。
【0003】
この図に示す角型電池1は、有底筒状で断面形状が長方形状の缶体2内に、正極にLiCoO を、また、負極にカーボンを用いたシート状電極を、ポリオレフィン多孔膜のセパレータを介して長円形に巻いて形成した電極群3(図6参照)を挿入するとともに、前記缶体2内に電解液を注入した後に、この缶体2の開口端2aを閉塞するように封口板4を装着し、この封口板4の周縁部と前記缶体2の開口端2aの内周部との間に、図6に示すように、ポリプロピレン等の絶縁材料からなるガスケット5を配置し、前記缶体2の開口端2aを加締めることによって、前記ガスケット5と前記封口板4の周縁部とを共締めして、前記封口板3を缶体1の開口端2aに固定するとともに、前記開口端2aの内周部と前記封口板4の周縁部とを全周に亙って気密に閉塞した構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した角型電池1においては、缶体2の開口端2aの形状が長方形であって、開口端2aに施される加締めが、長さの異なる長辺と短辺に対する直線的な加締めとなることから、特に、長辺の中間部分における開口端2aによるガスケット5の挟持力がばらついたり、あるいは、加締め後におけるスプリングバック等によって前述した挟持力が低下するといった不具合を有している。
【0005】
このような不具合は、長辺/短辺≧2である場合に多く発生することが確認されている。
【0006】
そして、このような不具合が発生すると、前記開口端2aにおける気密性が低下し、この気密性の低下した部分から外部の空気や水分が缶体2内に浸入することによって、空気中の水蒸気や前記水分によりその内部に挿入されている活物質の不活性化が起こり、電池容量の減少を招いてしまう。
また、前述した気密性の低下により、缶体2内に注入されている溶媒が外部へ揮発してしまい、これに起因して電池特性が悪化してしまうといった不具合も生じる。
特に、再充電を行なって、長期に亙って繰り返し使用される二次電池においては、前述した不具合の発生頻度が高くなる。
【0007】
本発明は、前述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、缶体の内部への空気や水分の浸入を抑制し、あるいは、缶体内部の溶媒の揮発を抑制することのできる角型電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述した目的を達成するために、有底筒状で断面形状が角型の缶体と、この缶体の開口端を閉塞するように設けられる封口板と、この封口板の周縁部と前記缶体の開口端内周部との間に介装されて、両者を絶縁するガスケットとを備え、前記缶体の開口端が、前記ガスケットを介して前記封口板の周縁部を挟持するように加締められてなる角型電池において、前記缶体の加締め部から前記封口板の一部にかけて、変性ポリエチレンフィルムおよび金属ラミネートフィルムからなる積層体を溶着することによって被覆されていることを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明に係わる角型電池によれば、前記缶体の加締め部から前記封口板の一部にかけて被覆される積層体の変性ポリエチレンフィルムによって、前記加締め部における水蒸気や水分の通過、あるいは、缶体内の溶媒の通過が抑制され、また、金属ラミネートフィルムによって前記変性ポリエチレンフィルムが補強されるとともに、この積層体によって、前記加締め部における缶体の開口端が、前記封口板から剥がれる方向へ移動することが拘束されることにより、この加締め部における挟持力の低下が抑制される。
したがって、これらの相乗作用により、加締め部における気密性の低下が抑制される。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図1ないし図4に基づき説明する。
図1中、符号10は本実施例に係わる角型電池を示し、この角型電池10は、有底筒状で断面形状が角型の缶体11と、この缶体11の開口端11aを閉塞するように設けられる封口板12と、この封口板12の周縁部と前記缶体11の開口端11aの内周部との間に介装されて、両者を絶縁するガスケット13とを備え、前記缶体11の開口端11aが、前記ガスケット13を介して前記封口板12の周縁部を挟持するように加締められてなり、前記缶体11の加締め部Cから前記封口板12の一部にかけて、変性ポリエチレンフィルム14aおよび金属ラミネートフィルム14bからなる積層体14によって被覆された概略構成となっている。
【0011】
前記缶体11の開口端11aの近傍には、図1および図4に示すように、前記缶体11の内部に突出する突条11bを全周に亙って形成する絞りが施されており、この突条11bによって、前記封口体12の周縁部に取り付けられる前記ガスケット13の下端が全周に亙って支持されるようになされ、かつ、前記開口端11aが内側へ加締められた際に、この開口端11aとの間で、前記ガスケット13を挟持するようになされている。
【0012】
前記封口板12は、導電性を有する材料によって長方形状に形成されているとともに、その中央部には、正極の接触部を構成する突起12aが突設されているとともに、前記缶体11の開口端11aを覆って取り付けられる際に、図4に示すように、前記缶体11の内部に挿入されている電極群15から延設された正極のリード端子16が溶接等によって接続されるようになされている。
【0013】
また、前記ガスケット13は、電気絶縁性が良好で、好ましくは水蒸気の透過性の低い材料によって環状に形成されており、たとえば、ポリプロピレン樹脂が好適に用いられる。
【0014】
さらに、前記積層体14は、その外形形状が前記缶体11の断面形状と略同一の長方形となされているとともに、中央部には、前記封口板12の突起12aが貫通させられる貫通孔14cが形成されていることにより、前記缶体11の外周面から、前記封口体12の周縁部と所定距離重畳させられる幅をもって環状に形成されている。
【0015】
そして、この積層体14を構成する金属ラミネートフィルム14bは、本実施例においては、図3に示すように、10ミクロンの厚さのアルミニウム箔あるいはアルミニウム合金箔からなる金属層17と、この金属層17の両面に一体に積層された40ミクロンの厚さのポリプロピレン樹脂からなる第1の樹脂層18・19と、一方の第1の樹脂層19に一体に積層された10ミクロンの厚さのポリエステル樹脂からなる第2の樹脂層20とによって構成されている。
【0016】
また、前記積層体14を構成する前記変性ポリエチレンフィルム14aは、その厚さが約50ミクロンとなされており、前記金属ラミネートフィルム14bの第2の樹脂層20と重ね合わされた状態で、前記缶体11および封口体12上に載置されるようになっている。
【0017】
ついで、このように構成された本実施例の作用について説明する。
【0018】
まず、この角型電池10は、従来と同様にして、缶体11内に電極群15を挿入し、電解液を注入した後に、封口板12およびガスケット13を前記缶体11の開口端11aに装着し、ついで、前記開口端11aを内側に加締めることにより、前記ガスケット13および封口板12を缶体11の開口端11aと突条11bとに挟持させて、前記開口端11aの封口を行なう。
【0019】
また、前記変性ポリエチレンフィルム14a上に金属ラミネートフィルム14bを重ね合わせて、プレス等によって予備成形することにより、これらを一体化して積層体14を形成するとともに、この積層体14を、前記加締め部Cと封口板12とによって形成される表面形状に合致させておく。
【0020】
ついで、前記加締め部Cと前記封口体12を覆うようにして、前記予備成形された積層体14を設置した後に、図4に示すように、前記積層体14に熱板21を押し付けて、この積層体14を構成する変性ポリエチレンフィルム14aを溶融することにより、積層体14を前記缶体11の開口端11aから封口体12の上面へかけて溶着することによって組み上げられる。
【0021】
この際、ポリエステルフィルムはポリエチレン、ポリプロピレンフィルムより耐熱温度が高いため、溶融接着時に、アルミニウム箔と封口部とがショートすることを防止することができる。
【0022】
これによって、図1および図4に示すように、前記加締め部Cにおける開口端11aの端縁と封口板12との間が前記積層体14によって被覆されて、前記ガスケット13が覆い隠される。
【0023】
このようにして組み上げられた本実施例の角型電池10においては、加締め部Cにおける開口端11aの端縁と封口板12との間が前記積層体14によって被覆されて、前記ガスケット13が覆い隠されることにより、前記積層体14を構成する変性ポリエチレンフィルム14aによって外部の水蒸気や水分が、前記加締め部Cから缶体11内へ浸入することが防止されるとともに、この缶体11内に注入されている溶媒が外部へ揮発してしまうことが抑制される。
したがって、電池容量の低下や電池特性の悪化が防止される。
【0024】
また、前記積層体14の層中に金属ラミネートフィルム14bが存在することにより、その金属層により、積層体14自体の強度が確保されるとともに、缶体11の開口端11aを強固に封口体12へ接続し、これによって、加締め部Cにおける開口端11aの、前記封口体12から離間する方向への変形が抑制され、加締め部Cにおける密封性の低下が防止される。
【0025】
したがって、この点からも、長期に亙って電池容量の低下や電池特性の悪化が防止される。
【0026】
ここで、従来の構成の角型電池1を比較例とし、この比較例と本実施例に係わる角型電池10の電池容量について、組立後において、10回の充・放電を行なった後に、充・放電後の初期段階、温度60℃および湿度40%の条件下で20日間放置した後、また、温度90℃および湿度90%の条件下で20日間放置した後のそれぞれにおいて測定したところ表1に示す結果が得られた。
【0027】
【表1】
Figure 0003633042
なお、表中の数値の単位はmAh(ミリアンペアアワー)である。
【0028】
この結果からも明らかなように、本実施例に係わる角型電池10においては、比較例に比して電池容量の減少が少なく、かつ、経時変化も小さい。
【0029】
また、温度60℃で20日間放置した後における重量変化を測定したところ、本実施例の角型電池10が―3mgであったのに対して、比較例が―15mgであった。
【0030】
この重量減少は、前記缶体11(2)に注入されている溶媒の一部が外部へ揮発することによって生じると想定されるが、本実施例の角型電池10は、従来の比較例に比して1/5の重量減少に抑さえられており、電池特性の変化が抑制されるとともに、前記効果と相俟って長期間に亙る電池性能の維持が図られる。
【0031】
なお、前記実施例において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0032】
たとえば、前記積層体14を構成する金属ラミネートフィルム14bの金属層を、アルミニウム箔やアルミニウム合金箔とした例について示したが、ステンレス箔等、他の金属箔を用いてもよいものであり、また、金属箔に積層される樹脂層の材質や積層形態も変更可能である。
【0033】
そして、前記金属箔を適宜変更することにより、缶体11の開口端11aと封口板12との接合強度が高められて、加締め部Cにおける封口板12およびガスケット13に対する挟持力の低下が防止される。
【0034】
さらに、前記ガスケット13としてポリプロピレン樹脂を用いた例について説明したが、積層体14の熱溶着時におけるガスケット13への熱的影響を小さくするために、前記ガスケット13を熱に強いポリテトラフルオロエチレン(テフロン:デュポン社商品名)樹脂を用いることも可能である。
【0035】
ここで、前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂に比して、塑性変形し易く、加締め部Cにおける気密性の低下が懸念されるが、前述したように、積層体14において充分な気密性が確保されていることから、全体としての気密性の低下は小さい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の角型電池によれば、缶体の加締め部から封口板の一部にかけて溶着により被覆される積層体の変性ポリエチレンフィルムによって、前記加締め部における水蒸気や水分の通過、あるいは、缶体内の溶媒の通過を抑制し、また、金属ラミネートフィルムによって前記変性ポリエチレンフィルムを補強するとともに、この積層体によって、前記加締め部における缶体の開口端が、前記封口板から剥がれることを拘束し、これによって、この加締め部における挟持力の低下を防止することができる。
【0037】
したがって、これらの相乗作用により、加締め部における気密性の低下を抑制して、活物質の不活性化を抑制するとともに、溶媒の揮発を抑制して、電池性能の低下を長期に亙って防止することができる。
【0038】
また、その他の効果として、ラミネートフィルムの厚さ、材質、接着面積等のコントロールにより、前述の密封特性を保ったまま、異常な内圧上昇時の安全機構(防爆)とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる角型電池の外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に用いられる積層体の外観斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に用いられる積層体の拡大縦断面図である。
【図4】本発明の一実施例を示すもので、積層体を缶体の加締め部へ被覆する方法の一例を示す要部の縦断面図である。
【図5】従来の角型電池を示す外観斜視図である。
【図6】従来の角型電池における加締め部の縦断面図である。
【符号の説明】
10 角型電池
11 缶体
11a 開口端
12 封口板
13 ガスケット
14 積層体
14a 変性ポリエチレンフィルム
14b 金属ラミネートフィルム
C 加締め部

Claims (1)

  1. 有底筒状で断面形状が角型の缶体11と、この缶体の開口端11aを閉塞するように設けられる封口板12と、この封口板の周縁部と前記缶体の開口端内周部との間に介装されて、両者を絶縁するガスケット13とを備え、前記缶体の開口端が、前記ガスケットを介して前記封口板の周縁部を挟持するように加締められてなる角型電池において、前記缶体の加締め部Cから前記封口板の一部にかけて、変性ポリエチレンフィルム14aおよび金属ラミネートフィルム14bからなる積層体14を溶着することによって被覆されていることを特徴とする角型電池。
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