JP3641981B2 - ガスバリアフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガスバリアフィルムに関する。さらに詳しくは食品、医薬品、電子部材、電子機器、光学部材等が酸素や水蒸気等によって変質や劣化したりすることを抑制する包装用フィルムとして好適なガスバリアフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
包装材料には種々の機能が要求される。内容物の変質及び劣化は主に酸素、水分、光、熱などの影響により促進される。とりわけ、酸素及び水分の影響が大きく、それらを遮断することが内容物保護性を考える上で重要であり、すなわち高性能なガスバリアフィルムの存在が要求される。
【0003】
また、今日のように嗜好性が多様化したり、各種添加剤が法規制の対象になるなどの状況下においては外部からの遮断のみならず、不活性ガス充填包装や、風味、香気の退化防止など、内部から外部への透過も遮断する必要がある。
【0004】
しかしながら、プラスティックフィルムは一般的に単独ではガスバリア性に乏しく、特に高湿度下でもガスバリア性を保持するプラスティックフィルムは一部を除いてはない。また、その一部の例にポリ塩化ビニリデンなどの含塩素ポリマーが挙げられるが、これは焼却などの際に有害なダイオキシンを発生するという疑いが持たれており、必ずしも最適であるとは言い難い。
【0005】
そこで、他のガスバリア性に優れた層を積層することによってガスバリアフィルムを作製する方法が採られている。
【0006】
ポリビニルアルコールを成分に含む層を有したフィルムは、乾燥状態では樹脂が結晶性に富み酸素バリア性に優れることが知られているが、高湿条件下では結晶性が低下するため、バリア性が著しく低下することが問題である。
【0007】
その問題点を改善するために種々の方法が考案されている。非水酸基系として、ポリ塩化ビニリデン層を設けたガスバリアフィルム等も実用化されているが、前述のように廃棄処理時に有害なダイオキシンを発生する欠点がある。また、ポリビニルアルコールの耐水性を向上させるために、ポリビニルアルコール中にエチレンユニットを導入したポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)等の成果も知られている。
【0008】
近年、ポリビニルアルコールと層状化合物との複合膜を作製する方法が考えられており(特開平7−41685、特開平7−33909、特開平7−251475など)、その効果も知られているが、その湿度に対する耐性は未だ十分であるとはいえない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ポリビニルアルコールを成分に含む従来のガスバリアフィルムは高湿状態で、そのバリア性が著しく低下する欠点があった。
【0010】
本発明は高湿度条件下でも従来のガスバリアフィルムよりも高いバリア性を維持することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、基材の少なくとも片面に、ポリビニルアルコール、無機層状化合物及び硼酸とを主成分とする混合物より形成された複合被膜層を設けたガスバリアフィルムを作成することを見出した発明である。
【0012】
また、複合被膜中の無機層状化合物がモンモリロナイトであるガスバリアフィルムを提供する。
【0013】
さらに、複合被膜層中のポリビニルアルコール(A)、無機層状化合物(B)及び硼酸(C)との比が(A)/(B)=10/90〜99/1かつ(C)/{(A)+(B)+(C)}=1/1000〜1/2であることを特徴とするガスバリアフィルムを提供する。
【0014】
加えて、その基材がプラスティックフィルムまたはそれにセラミック蒸着層を設けたセラミック蒸着フィルムであることを特徴とするガスバリアフィルムを提供する。
【0015】
さらに好ましい態様として、セラミックが酸化珪素系、酸化アルミニウム系、酸化チタン系であるガスバリアフィルムを提供する。
【0016】
また、複合被膜層中に、さらに金属アルコキシドの加水分解物が含まれていることを特徴とするガスバリアフィルムを提供する。
【0017】
さらにその好ましい様態として、金属アルコキシドを形成する金属が珪素、アルミニウム、またはチタンであることを特徴とするガスバリアフィルムを提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明における層状化合物とは、層状構造を有する結晶性の無機化合物を指す。その粒径、アスペクト比、種類等は、そのガスバリアフィルムの使用目的等に応じて適宜選択することができ、カルコゲナイト、プニクタイト、遷移金属酸化物やハロゲン化物など、また膨潤性、複合体形成のなどの化学的活性が高いものとして、スメクタイト、ヘクトライト、サポナイト、雲母、モンモリロナイトなどの粘土鉱物、あるいは亜鉛燐酸塩、コバルト燐酸塩、酸化バナジウム塩、アルミニウム燐酸塩、バナジウム燐酸塩、オキソバナジウム燐酸塩、ビスホスホン酸亜鉛などの金属塩などが好ましい。
【0019】
とりわけモンモリロナイトが好適である。しかしながら、以上の例に限定されるものではない。
【0020】
本発明においては、ポリビニルアルコール(A)と層状化合物(B)との比が(A)/(B)=10/90〜99/1であるとする。10/90よりも低いと形成された膜の安定性が低下し、また99/1よりも高いと、ポリビニルアルコールに与える層状化合物の作用が十分でなく、高湿度においてバリア性が優れない。
【0021】
また、硼酸(C)の添加量については(C)/{(A)+(B)+(C)}=1/1000〜1/2とする。さらに好ましくは1/20〜1/4であるが、これに限定するものではない。1/2より大きいと液が不安定になり、逆に1/1000より小さいと効果が発現されにくい。
【0022】
この混合液を塗布する基材は特に限定されず、ポリオレフィン、ナイロン、ポリエステルなど、公知のフィルムを用途に応じて適宜用いてよろしい。また、基材にセラミック蒸着フィルムを用いる場合、セラミックの種類は特に限定をしないが、扱い易さ、経済性を考慮して、酸化珪素系、酸化アルミニウム系、酸化チタン系等が好適である。
【0023】
蒸着方法は真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法(CVD法)などが挙げられるが、これに限定をするものでない。コート方法はディッピング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、スプレー法等の公知の塗工法を用いることができる。次にこれを乾燥させる。これにより、基材上に複合被膜層を形成することができる。
【0024】
ここで、複合被膜層を基材の片面に形成する場合には、乾燥後の複合被膜層の厚さが、約0.01〜100μmとなるようにコーティングすることが好ましく、さらに望ましくは0.01〜50μmとするのがよろしい。これより薄いと塗膜が形成されにくく、また、形成されても不安定である。逆に厚すぎる場合には不経済である。
【0025】
【実施例】
ポリビニルアルコール(A)、モンモリロナイト(B)、硼酸(C)を(A)/(B)=10/90〜99/1、(C)/{(A)+(B)+(C)}=1/1000〜1/2の割合で容器に投入した。続いて総固形分含量が3.5%になるように水を加えた。
【0026】
また、用途に応じて、アルコールなどの溶媒や金属アルコキシド加水分解物などを加えた。混合に際しては、100℃以下に加熱しながら攪拌を行った。
【0027】
実施例1〜3
ウレタン系の下引層を設けた厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムを基材とした。また、表1の配合になるようにモンモリロナイト、ポリビニルアルコール、硼酸からコーティング剤を調整した。コーティング剤をグラビアコーターを用いて基材上に塗工し、100℃のオーブンに通して乾燥させ、乾燥膜厚0.3μmの複合被膜層を形成し、ガスバリアフィルムとした。
【0028】
比較例1〜3
表1に示すように、硼酸を用いない以外は実施例1〜3を繰り返すことによりガスバリアフィルムを作成した。
【0029】
【表1】
【0030】
評価
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた各ガスバリアフィルムを40℃、90RH%の雰囲気化に1ヶ月保存し、保存前後の(1)酸素透過度、(2)水蒸気透過度を次のように測定した。
【0031】
酸素透過度
酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製、OXTRAN 10/40A)を用いて、30℃・70RH%および30℃・100RH%雰囲気下で測定した。
【0032】
水蒸気透過度
水蒸気透過度測定装置(モダンコントロール社製、PERMATRAN W6)を用いて、40℃・90RH%雰囲気下および40℃・100RH%雰囲気下で測定した。
結果を表1に示す。これから分かるように、ポリビニルアルコールと層状化合物を一定の比率で混合した場合、硼酸を添加しない系よりも、硼酸を添加した系の方がガスバリア性が良好である。
【0033】
実施例4〜6
表2のような配合比でテトラエトキシシラン加水分解物を添加したこと以外は実施例1〜3と同様にガスバリアフィルムを作成した。
【0034】
比較例4〜6
表2に示すように、硼酸を添加しないこと以外は実施例4〜6を繰り返すことによりガスバリアフィルムを作成した。
【0035】
【表2】
【0036】
表2から分かるように、硼酸を添加した実施例は、硼酸を用いない比較例よりもバリア性が高い。
【0037】
このように、張力をかけた後でも、従来のガスバリアフィルムよりも高いガスバリア性を維持し、加工適性に優れると言える。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、酸素透過度、水蒸気透過度が低く、湿度劣化が抑制され、保存適性に優れたガスバリアフィルムを得ることが可能である。
Claims (7)
- 基材の少なくとも片面に、ポリビニルアルコール、無機層状化合物及び硼酸とを主成分とする混合物より形成された複合被膜層を設けたガスバリアフィルム。
- 該無機層状化合物がモンモリロナイトである請求項1に記載するガスバリアフィルム。
- 複合被膜層中のポリビニルアルコール(A)、無機層状化合物(B)と硼酸(C)との重量比が(A)/(B)=10/90〜99/1かつ、(C)/{(A)+(B)+(C)}=1/1000〜1/2であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載するガスバリアフィルム。
- 基材がプラスティックフィルムまたはそれにセラミック蒸着層を設けたセラミック蒸着フィルムである請求項1〜3のいずれかに記載するガスバリアフィルム。
- セラミックが酸化珪素系、酸化アルミニウム系、酸化チタン系である請求項4に記載されたガスバリアフィルム。
- 複合被膜層中に、さらに金属アルコキシドの加水分解物が含まれている請求項1〜5のいずれかに記載するガスバリアフィルム。
- 金属アルコキシドを形成する金属が珪素、アルミニウム、またはチタンである請求項6に記載されたガスバリアフィルム。
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