JP3660329B2 - 手動ダンプ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、圃場や集積場において、比較的少量の土や砂利その他バラ物の荷を運搬するための小型の運搬車であって、手動で荷台を傾けて積荷を排出する手動ダンプ装置に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、圃場などで使用する運搬車には、手動で荷台を傾けて積荷を荷台から下ろすことができる手動ダンプ装置が知られている。従来の手動ダンプ装置は車体の一定位置において荷台を軸支し、荷台の反荷下ろし側の部分を持ち上げることにより前記軸支位置を中心として荷台を傾けるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の手動ダンプ装置では、車体の一定位置において荷台を軸支しているために、荷下ろし側の近くにおいて荷台を軸支させると、荷台の反荷下ろし側を持ち上げるのに大きな力を必要とする。また、荷台の中心寄りの位置を軸支させようとしても、荷台の反荷下ろし側を持ち上げたときに荷台の荷下ろし側の部分が、車輪やクローラといった車体の一部にぶつかってしまうという構造上の制限があった。したがって、従来の手動ダンプ装置は荷台の大きさ、換言すれば積載する荷物の量が少量のものに制限されるという欠点があった。
このような従来技術の欠点に鑑み、本発明は小さな力でより大きな荷台を傾けることができる、新規な手動ダンプ装置を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は車体1の一部に軸支した車体軸6に一定寸法の支持板7,7の一端を装着し、この支持板7,7の他端を荷台3の一部に軸支させる。これとは別に、荷台3の一部に操作レバー13の一端を軸支し、操作レバー13と前記車体軸6を連結杆などの連結手段によって連結することにより、操作レバー13の回動操作で車体軸6を牽引して支持板7,7による荷台3の支持位置と車体軸6との荷下ろし方向及び上下方向の相対位置を移動可能とする。そして、荷台3の軸支位置を上方に押し上げるとともに荷下ろし方向に移動させた状態で荷台3の反荷下ろし側の部分を持ち上げて荷台傾けることができるようにする。
【0005】
具体的な構造として、車体1の一部に軸支した車体軸6と荷台3の一部に軸支した荷台軸8とを一定寸法の支持板7,7で連結するとともに、車体軸6に装着したスリーブ11に第一連結杆12の一端を、該第一連結杆12の他端を荷台3の反荷下ろし側に軸支した揺動板9の一端に連結する。そして、先端を荷台3の反荷下ろし側の一部に軸支した操作レバー13の中間位置と前記揺動板9の他端とを、前記第一連結杆とは別の第二連結杆14で連結し、操作レバー13の回動操作によって第二連結杆14を介して揺動板9を回動させ、該揺動板9によって第一連結杆12を作動して車体軸6と荷台軸8との荷下ろし方向及び上下方向の相対位置を移動可能とし、荷台の軸支位置を上方に押し上げるとともに荷下ろし方向に移動させた状態で操作レバー13を持ち上げ、車体軸6を中心として荷台3を荷下ろし方向に傾けることができるようにする。
【0006】
上記構成とすることにより、荷台3を上方に押し上げるとともに荷下ろし方向に移動させた状態で、荷台の反荷下ろし側を持ち上げることになる。したがって、車体軸6を中心として荷台3を回動させる場合に、荷台が荷下ろし方向に移動しているため、車体軸6と荷台3の重心Wとの距離X1がX2へと小さくなる。そのため、小さな力Fで荷台3を傾けることができるとともに、荷台軸6による荷台3の支持位置が上方に移動しているため、荷台3の荷下ろし側の底面部分が車体1の荷下ろし側の先端部分、あるいは車輪やクローラ装置2にぶつかることなく荷下し方向に傾けることができる。換言すれば、小さな力Fで荷台3を回動させることができるとともに、荷台3の支持位置は上方にも移動するため、荷台がクローラなどにぶつからない範囲で、なるべく荷台の中心寄りで軸支させることが可能となるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る、手動ダンプ装置の実施形態を、添付の図面に基づいて説明する。
図1はクローラ式の小型運搬車の一例を示す側面図、図2は荷台とダンプ装置のみの平面図、図3は荷台とダンプ装置のみの側面図である。
【0008】
図1に示す運搬車は、クローラ装置2を備えた車体1の前方部分に荷台3を、車体の後部に駆動装置部4を配置し、作業者は歩きながら駆動装置部4の後部に配置した操作部5を操作することによって、前進や後退その他の運転操作を行うものである。すなわち、駆動操作部4の前方に荷台3が位置し、この荷台3を車体1の一部に軸支することによって、図1に二点鎖線で示すように前方に向けて手動で傾けて積荷を下ろすことができるようにしている。
【0009】
本発明は、車体の一部に荷台を直接軸支するのではなく、図2及び図3に示すように車体1に車体軸6を軸支し、車体軸6の両端部にそれぞれ一定寸法の支持板7,7の一端を固定するとともに、支持板7,7の他端に荷台軸8を固定し、荷台軸8を荷台3の一部に軸支させる。荷台軸8は、荷台3の中心よりもやや荷下ろし側(荷台の前方寄り)に軸支している。したがって、荷台3は基本的には車体軸6を中心として回動させることができるものである。
【0010】
荷台3の反荷下ろし側(後方)の底面には、略三角形の揺動板9の三角の頂点部分を軸10によって平面回動自在に軸着するとともに車体軸6にスリーブ11を装着し、第一連結杆12の一端をスリーブ11に固定し、第一連結杆12の他端を前記略三角形の揺動板9の一端に軸着している。揺動板9から離れた位置において操作レバー13の先端を荷台3の底面に軸15で軸着し、操作レバー13の中間位置に第二連結杆14の一端を軸着するとともに、第二連結杆14の他端を前記揺動板9の他端に軸着させている。
【0011】
この構成とすることにより、操作レバー13を図2に矢印で示す方向に点線で示す位置まで回動させると、第二連結杆14が矢印方向に引っ張られ揺動板9が矢印方向(図面上の右方向)に回動する。揺動板9の回動によって第一連結杆12が矢印方向に引っ張られ、相対的な位置関係において車体軸6が図2に点線で示すように荷台軸8に引き寄せられる。このとき、車体軸6は車体1に軸着されているため、実際には荷台3全体が車体軸6に引き寄せられることになる。
【0012】
次に、上記手動ダンプ装置の操作手順を図4ないし図6によって説明する。図4は、運搬状態の側面図であり車体軸6に対して荷台軸8は、反荷下ろし方向に向けて寸法L1、高さH1の位置にある。この状態で荷台3を排出方向に傾けようとすると、車体軸6を中心として回動する荷台がクローラ装置2の先端部にぶつかり、大きく傾けることができない。
【0013】
荷台3を傾けようとする場合は、まず図2に点線で示すように操作レバー13を外側方に引っ張る。すると、図5に示すように車体軸6が第一連結杆12によって引っ張られる結果、荷台3が荷下ろし方向(前方)に移動するとともに、支持板7が車体軸6を中心として上方に回動し、荷台3を支持している荷台軸8を上方に押し上げる。このとき図5に示すように、荷台軸8は車体軸6に対して反荷下ろし方向に向けて寸法L2、荷台軸8は車体軸6よりも上方H2の位置にある。すなわち、荷台軸8は車体軸6よりも寸法L2だけ荷下ろし方向にあってこれは図4に示す元の寸法L1よりも小さく、荷台軸8の車体軸6からの上方寸法H2は図4に示す元の上方寸法H1よりも大きくなる。
【0014】
図5に示す状態で操作レバー13を持って、図6に示すように荷台3の反荷下ろし側を持ち上げると、荷台3の底面がクローラ装置2にぶつかることなく車体軸6を中心として荷台3を荷下ろし方向に傾け、積荷を排出することができる。操作レバーによって荷台を上方に押し上げないとともに、荷下ろし方向に移動させないで荷台を傾けると仮定すると、図6に示す状態で荷台全体が反荷下ろし方向と下方向に平行移動した状態であって、荷台3の底面がクローラ装置2にぶつかってしまうことは明らかである。
【0015】
換言すれば、操作レバーを操作することにより、支持板7による荷台の支持位置を高い位置に引き上げ、その状態で車体軸6を中心として荷台3を回動させるため、荷台3の回動軌跡が車体1やクローラ装置2から離れることになり、車体軸6を車体1の荷下ろし側の端からできるだけ中心方向に移動させても、回動する荷台3が車体1やクローラ装置2の一部にぶつかるのを回避することが可能となる。同時に、操作レバー13の操作によって荷台3を荷下ろし方向に回動させる支点である車体軸6と積荷を含む荷台の重心Wとの距離X1が元の距離X2よりも近づき、荷台を傾けるのに必要な回転モーメントが小さくなる。その結果、小さな力Fで荷台を傾けることが可能となる。
【0016】
図示実施形態では、クローラ式であって荷台3を前方に向けて押す形式の運搬車を例示しているが、本発明は荷台3を引っ張る方式すなわち全体の前方と後方が逆のもの、クローラ式ではなく車輪式、あるいは動力運搬車ではなく手押し式の運搬車であってもよい。さらに、進行方向に対して横方向に傾けて積荷を下す方式であってもよい。また、図示実施形態では荷台3を上方に押し上げるとともに荷下ろし方向に移動させるための操作レバー13が、荷台を傾けるためのレバーを兼用しているが、荷台3を上方に押し上げるとともに荷下ろし方向に移動させるための操作レバーと、荷台を持ち上げて傾けるためのレバーは別であってもよい。
その他図示していないが、荷台3は操作レバーの操作によって荷下ろし方向に移動させるものであるが、このときの移動をスムーズに行わせるために、荷台の反荷下し側底面あるいは車体上面に、ローラーを配置しておくことができる。
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明手動ダンプ装置によれば、手動ダンプ式の運搬車において、操作レバーによって荷台3を荷下ろし方向及び上下方向に移動可能とするため、荷下ろし時に車体軸を中心として回動する荷台をできるだけ荷下ろし方向に大きく傾けることができるため、荷下ろし時に荷台底面の一部が車体やクローラ装置、車輪などにぶつかることを防止することができる。また、操作レバーで荷台を荷下ろし方向に移動させることによって、荷台の回動中心である車体軸と荷台の重心を近づけ、小さな力で荷台を傾けることが可能となる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明を実施する上において、簡単な構造で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するクローラ式小型運搬車の一例を示す側面図、
【図2】図1のクローラ式小型運搬車の荷台とダンプ装置のみの平面図、
【図3】図1のクローラ式小型運搬車の荷台とダンプ装置のみの側面図、
【図4】傾ける前の運搬のための使用状態の荷台とダンプ装置の側面図、
【図5】荷台を上荷下し方向に移動させた状態の荷台とダンプ装置の側面図、
【図6】荷台を傾けた荷下ろし状態の荷台とダンプ装置の側面図。
【符号の説明】
1…車体、 2…クローラ装置、 3…荷台、 4…駆動装置部、 5…操作部、 6…車体軸、 7…支持板、 8…荷台軸、 9…揺動板、 10…軸、 11…スリーブ、 12…第一連結杆、 13…操作レバー、 14…第二連結杆、 15…軸。
Claims (2)
- 車体の一部に軸支した車体軸に一定寸法の支持板の一端を装着し、該支持板の他端を荷台の一部に軸支させるとともに、
荷台の一部に一端を軸支した操作レバーと前記車体軸を連結杆などの連結手段によって連結し、操作レバーの回動操作で車体軸を牽引して前記支持板による荷台の支持位置と車体軸との相対位置を荷下ろし方向及び上下方向に移動可能とし、
荷台の軸支位置を上方に押し上げるとともに荷下ろし方向に移動させた状態で荷台の反荷下ろし側を持ち上げて車体軸を中心として荷台を荷下ろし方向に傾けることができるようにしたことを特徴とする手動ダンプ装置。 - 車体の一部に軸支した車体軸と荷台の一部に軸支した荷台軸とを一定寸法の支持板で連結し、
車体軸に装着したスリーブに第一連結杆の一端を、該第一連結杆の他端を荷台の反荷下ろし側の一部に軸支した揺動板の一端に連結するとともに、
先端を荷台の反荷下ろし側の一部に軸支した操作レバーの中間位置と前記揺動板の他端とを第二連結杆で連結し、
操作レバーの回動操作によって第二連結杆を介して揺動板を回動させ、該揺動板によって第一連結杆を作動させて車体軸と荷台軸との相対位置を荷下ろし方向及び上下方向に移動可能とし、
荷台の軸支位置を上方に押し上げるとともに荷下ろし方向に移動させた状態で操作レバーを持ち上げて車体軸を中心として荷台を荷下ろし方向に傾けることができるようにしたことを特徴とする手動ダンプ装置。
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