JP3663740B2 - ブロック共重合体の回収法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体又はその水添物の溶液から溶媒を除去するとともに揮散性物質を効率良く添加することができる該ブロック共重合体又はその水添物の回収法に関する。
【0002】
【従来の技術】
共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体はビニル芳香族炭化水素含有量が比較的少ない場合、透明で加硫をしなくても加硫された天然ゴム或は合成ゴムと同様の弾性を常温で有し、しかも高温では熱可塑性樹脂と同様な加工性を有することから、履物、プラスチックの改質、アスファルト、粘接着等の分野で広く利用されている。又、比較的ビニル芳香族炭化水素含有量が多いブロック共重合体は、優れた透明性と耐衝撃性を備えた樹脂であることから、シート、フィルム、射出成形品等の分野で広く使用されている。
【0003】
これらのブロック共重合体は、通常、触媒に対して不活性な炭化水素溶媒中で重合して製造されるため、生成したブロック共重合体が溶媒に均一に溶解しているか、或いは懸濁した状態で得られる。したがって、そのブロック共重合体を取得するには、ブロック共重合体と溶媒とを分離する工程が必要になる。
【0004】
そのブロック共重合体と溶媒を分離する方法としては、種々の方法があるが、その一つとしてブロック共重合体溶液を直接脱溶媒するに際し、ベント押出機から1段階で脱溶媒してブロック共重合体を回収する方法がある。
又、他の方法としてブロック共重合体溶液をスチームストリッピングして脱溶媒し、その後脱水、乾燥してブロック共重合体を取得する方法が知られている。
【0005】
例えば、特開昭51−86588号公報、特開昭51−41087号公報に開示されているスチレン系ブロック共重合体樹脂を2軸多段押出機を用いて脱溶媒する方法、或いは特開昭63−284203号公報に開示されている弾性ポリマー溶液をエンドレススクリューを備えた2軸ベント押出機に導入し、溶媒を除去する方法がある。又、特開昭63−314207号公報には重合体を回収するにあたり、スクリュー先端部とダイ部の間にポンプを設けた2軸ベント押出機を用いて重合体を回収する方法が開示されており、特開昭61−218614号公報にはスチームストリッピング法で溶媒を除去した後、2軸ベント押出機で揮発分を除去する方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術のブロック共重合体溶液から溶媒を直接脱溶媒する工程、或いはブロック共重合体溶液をスチームストリッピングして脱溶媒し、その後脱水、乾燥する工程に2軸ベント押出機を用いる方法では、脱気運転中の2軸ベント押出機中に揮散性を有する添加剤等を直接注入すると、その揮散性物質がベント部から飛散してしまうため、安定剤や滑剤といった添加を必要とする揮散性物質の効率よい添加ができず、別の工程を設けて添加しなければならなかったのである。
【0007】
本発明は、かかる現状を鑑み、ブロック共重合体又はその水添物をそれらの溶液中から回収する際、溶媒除去と共に、従来は後で添加しなければならなかった揮発性の安定剤や滑剤といった添加剤の添加を効率的に行うことができる回収方法を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、ブロック共重合体溶液からブロック共重合体を回収する方法の改善について鋭意検討を進めた結果、2軸ベント押出機を用い、その2軸ベント押出機の特定のゾーン、即ち、最終ベント部の下流位置であって特定構造のスクリューを有するゾーンに揮散性物質を添加することにより、上記課題が解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として共役ジエン及びビニル芳香族炭化水素を重合して得られた、ビニル芳香族炭化水素含有量が10〜95重量%であるブロック共重合体又はその水添物の溶液を、2軸ベント押出機を用いて直接溶媒を除去する際、又は、スチームストリッピング法で溶媒を除去した後に2軸ベント押出機を用いて脱水、乾燥する際に、2軸ベント押出機の少なくとも1つのベント部を有する押出機の最終ベント部の下流に位置し、且つそのスクリュー構造の一部が左ネジ方向のニーディングディスクであるゾーンに、300℃の重量減率が1〜100重量%である揮散性物質を添加することを特徴とするブロック共重合体又はその水添物の回収法である。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で回収するブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量は、10〜95重量%の範囲であり、好ましくは15〜90重量%である。ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量がこの範囲外であると、回収したブロック共重合体が目的とする用途に於いて必要な特性を発現しないため好ましくない。
【0011】
本発明で回収するブロック共重合体は、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックとを有するブロック共重合体である。ここで、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックとは、ビニル芳香族炭化水素含有量が50重量%以上であるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロック及び/又はビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックのことをいい、一方、共役ジエンを主体とする重合体ブロックとは、共役ジエンを50重量%を超える量で含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素共重合体ブロック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックのことをいう。
【0012】
ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロック或は共役ジエンを主体とする重合体ブロック中にビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのランダム共重合体部分が存在する場合、共重合されているビニル芳香族炭化水素は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また、該共重合体部分はビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分が複数個共存してもよい。
【0013】
本発明で用いるブロック共重合体は基本的には従来公知の方法で製造でき、例えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭57−49567号公報、特公昭58−11446号公報などに記載された方法があげられるが、各構成ポリマーは後述する要件を満足するように製造条件を設定しなければならない。上記の公知の方法はすべて、炭化水素溶剤中で有機リチウム化合物等のアニオン開始剤を用い、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素をブロック共重合する方法である。
【0014】
本発明で用いるブロック共重合体のポリマー構造は例えば
A−(B−A)n ,A−(B−A)n −B
B−(A−B)n+1 ,
(上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体ブロックである。AブロックとBブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。nは1以上の整数、一般的には1〜5である。)で表される線状ブロック共重合体、あるいは一般式、
[(A−B)k ]m+2 −X , [(A−B)k −A]m+2 −X
[(B−A)k ]m+2 −X , [(B−A)k −B]m+2 −X
(上式において、A、Bは前記と同じであり、k及びmは1以上の整数、一般的には1〜5である。Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズなどのカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。)
で表されるラジアルブロック共重合体、あるいはこれらのブロック共重合体の任意のポリマー構造の混合物が使用できる。
【0015】
本発明に用いられるビニル芳香族炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレンなどがあるが、特に一般的なものはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0016】
共役ジエンとしては、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0017】
炭化水素溶媒としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、或はベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が使用できる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0018】
有機リチウム化合物は、分子中に一個以上のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、或いは有機ポリリチウム化合物である。これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0019】
本発明においては、重合速度の調整や重合した共役ジエン部のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)の変更、或いは共役ジエンとビニル芳香族炭化水素の反応比の調整などの目的で極性化合物やランダム化剤を使用することができる。その極性化合物やランダム化剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。
【0020】
本発明の方法においてブロック共重合体を製造する際の重合温度は一般的に−10℃〜150℃、好ましくは40℃〜120℃である。重合に要する時間は条件によって異なるが、通常は10時間以内であり、特に好適には0.5〜5時間である。また、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガスなどをもって置換するのが望ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液層に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特に制限されるものではない。更に重合系内には触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留意する必要がある。
【0021】
この様にして得られたブロック共重合体の重量平均分子量、一般的に5000〜500000、好ましくは10000〜300000である。またブロック共重合体溶液中の炭化水素溶媒の量は、一般にブロック共重合体100重量部に対して50重量部〜2000重量部である。尚、ブロック共重合体の性質によってはブロック共重合体が炭化水素溶媒に不溶で懸濁状態で得られる場合もあるが、本発明においてはこれらもブロック共重合体溶液とよぶことにする。
【0022】
又、本発明においては、上記で得られたブロック共重合体を水添反応(水素添加反応)により部分的に、或は選択的に水添したブロック共重合体溶液を用いることができる。水添反応に際し、必要によりブロック共重合体溶液の活性末端は、後述する反応停止剤を添加する工程により不活性化してもよいし、活性末端のままで行ってもよい。
【0023】
本発明の水添反応の水添率は任意に選択することができ、未水添ブロック共重合体の特性を維持しながら耐熱劣化性等を向上させる場合には、共役ジエンに基づく脂肪族二重結合を3%以上、80%未満、好ましくは5%以上、75%未満水添するのがよい。又、耐熱劣化性及び耐候性を向上させる場合には、80%以上、好ましくは90%以上水添することが推奨される。水添率は核磁気共鳴装置等により測定できる。
【0024】
水添反応に使用される触媒としては、(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持型不均一系触媒と、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機塩又はアセチルアセトン塩と有機Al等の還元剤とを用いるいわゆるチーグラー型触媒、又はRu、Rh等の有機金属化合物等のいわゆる有機錯触媒、或いはチタノセン化合物に還元剤として有機Li、有機Al、有機Mg等を用いる均一触媒が知られている。
【0025】
具体的な方法としては特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報に記載された方法があり、好ましくは特公昭63−4841号公報及び特公昭63−5401号公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加して水添ブロック共重合体溶液を得ることができる。
【0026】
本発明の回収方法においては、ブロック共重合体又はその水添物の溶液から溶媒を2軸ベント押出機を用いて直接脱溶媒する工程、或いはブロック共重合体又はその水添物の溶液からスチームストリッピング法を用いて脱溶媒した後、2軸ベント押出機を用いて脱水、乾燥する工程において、該2軸ベント押出機の特定ゾーンに特定の揮発性物質を添加する。
【0027】
その2軸ベント押出機を用いて直接脱溶媒する工程の例としては、2軸エンドレススクリューと後方排気ゾーンを有する押出機に130〜180℃のブロック共重合体又はその水添物の溶液をエンドレススクリューの供給ホッパーに導入して供給ゾーンで除圧を生じさせ、溶媒の75〜95重量%を短時間で除去し、次に後方排気ゾーンでポリマー温度が相当低下するため、前方に位置したベント部のポリマー温度を150〜260℃の温度になるように再加熱し、スクリュー内でのバレルの前進運動と共にベント部間の少なくとも1箇所に0.5〜2重量%の水を注入して、段階的に漸次、残りの溶媒の5〜25重量%を除去する方法がある。
【0028】
また、スチームストリッピング法を用いて脱溶媒した後、2軸ベント押出機を用いて脱水、乾燥する工程の例としては、ブロック共重合体又はその水添物をスチームストリッピング法で脱溶媒して得られたクラムを供給ホッパーより導入し、その下流に位置する脱水用のスリットを少なくとも2個有し、且つ、脱気用のベント部を少なくとも1個有する2軸ベント押出機を用いて脱水、乾燥する方法がある。
【0029】
本発明に使用する2軸ベント押出機は、スクリュー先端部と吐出ダイ部との間にギアポンプを備えた2軸ベント押出機を使用することが好ましい。これによってスクリュー回転数を上げても、スムーズな吐出が可能であるため、ブロック共重合体又はその水添物の圧力上昇が抑制されポリマー温度の上昇を防止し、熱安定性の向上に寄与する。ダイはアンダーウォーターカット用又はホットカット用のものとし、カッターは必要なペレットサイズに合わせて、2〜6枚刃のものを用いる。
【0030】
本発明の2軸ベント押出機はL/D=30〜60(Lはスクリューの長さ、Dはスクリューの外径)程度のもので、かみ合い型同方向2軸ベント押出機が好ましい。揮散性物質を添加するゾーンは最終ベント部とダイの間で、その間のスクリュー構造の一部が左ネジ方向のニーディングディスクを有することが必要である。これによって揮散性物質を添加しても、添加するゾーンに常にポリマーが充満されるためベント部からの飛散がなく、安定運転が可能になる。また、混練り性に優れるため、揮散性物質がポリマー中に容易に分散され所定量の添加が効率良く達成される。
【0031】
左ネジ方向のニーディングディスクの長さは、L/D=2以下がせん断によるポリマーの温度上昇を防ぐため好ましい。揮散性物質の添加口位置はポリマーが充満されている部分であれば良く、該ニーディングディスク部或いは該ニーディングディスク部の上流が好ましい。
【0032】
本発明で用いる揮散性物質は、示差熱重量分析(窒素下、昇温速度10℃/分)における300℃の重量減率が1〜100重量%の物質であればよく、例えば該条件を満たす安定剤、滑剤等が挙げられる。300℃の重量減率が1重量%未満では飛散性が低いため、本発明の効果が発揮されない。
【0033】
かかる安定剤の例としては2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール等のフェノール系安定剤があげられる。
【0034】
また、滑剤の例としては、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の炭化水素ワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、直鎖脂肪族1価アルコール、1価または多価アルコールの脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド等があげられる。
【0035】
本発明の揮散性物質の好ましい添加量はブロック共重合体又はその水添物100重量部に対して0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜3重量部の範囲である。揮散性物質の添加方法は特に制約はないが、溶融させた状態或いはオイル状の液状物等に溶解又は分散させた状態で、定量ポンプ等で添加する方法が好ましい。
【0036】
次ぎに、図1に、かみ合い型同方向2軸ベント押出機を用いて直接脱溶媒する工程中、或いはスチームストリッピング法で脱溶媒後、該ベント押出機を用いて脱水、乾燥する工程中、揮散性物質を添加する態様を表わす押出機要部の概略図を示す。図1において、ポリマー溶液又はスチームストリッピング法で脱溶媒された含水クラムは、2軸ベント押出機に投入され、最終ベント部(3)で乾燥を終了する。揮散性物質添加口(4)の位置は、スクリュー(1)が左ネジ方向のニーディングディスク(2)を有するゾーンに設けられ、ギアポンプ(5)を経て、ダイ(6)を通過し、カッター(7)によってペレット状の形態に切断される。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
実施例で使用したブロック共重合体の重合体溶液は次のようにして製造した。得られたブロック共重合体(A)〜(D)の重合体溶液の、重合体と溶媒との重量比はいずれも1:4であった。
【0038】
[ブロック共重合体(A)]
窒素ガス雰囲気下において、1,3ブタジエン15重量部とスチレン20重量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.11重量部添加し、70℃で40分間重合した後、さらに1,3−ブタジエン45重量部とスチレン20重量部を含むシクロヘキサンを加えて70℃で60分間重合した。得られた重合体は、スチレン含有量40重量%のB−A−B−A構造のブロック共重合体であった。
【0039】
[ブロック共重合体(B)]
窒素ガス雰囲気下において、スチレン9重量部とテトラメチルエチレンジアミン0.06重量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.06重量部添加し、70℃で15分間重合した後、1,3−ブタジエン82重量部を含むシクロヘキサン溶液を添加して70℃で40分間重合した。その後、スチレン9重量部を含むシクロヘキサンを添加して70℃で15分間重合した。得られた重合体は、スチレン含有量18重量%のA−B−A構造のブロック共重合体であった。次に、上記で得られたブロック共重合体を特開昭59−133203号公報記載のTi系水添触媒で水添し、ブタジエン部の水添率が95%の水添ブロック共重合体を得た。
【0040】
[ブロック共重合体(C)]
窒素ガス雰囲気下において、スチレン20重量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.08重量部添加し、75℃で30分間重合した後、更に1,3−ブタジエン30重量部とスチレン25重量部を含むシクロヘキサンを連続的に添加して75℃で100分間重合した。次にスチレン25重量部を含むシクロヘキサン溶液を添加し、75℃で30分間重合した。得られた重合体は、スチレン含有量70重量%のA−B−A構造のブロック共重合体であった。
【0041】
[ブロック共重合体(D)]
窒素ガス雰囲気下において、スチレン30重量部とテトラヒドロフラン0.3重量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.08重量部添加し、70℃で20分間重合した後、更に1,3−ブタジエン15重量部とスチレン55重量部を含むシクロヘキサンを添加して70℃で30分間重合した。得られた重合体は、スチレン含有量85重量%のA−B−A構造のブロック共重合体であった。
【0042】
【実施例】
実施例1
安定剤を加えたブロック共重合体(C)の溶液を熱交換器を通して重合体溶液の温度を170℃に昇温し、フラッシュ型濃縮器で溶媒の一部をフラッシュ蒸発させた。濃縮器出口での温度は、100℃に低下し、濃度は48重量%であった。濃縮された重合体溶液を熱交換器を通して再度160℃に加熱し、2軸ベント押出機にフィードして脱溶媒を行った。使用した押出機は後方排気ゾーンを有するスクリュー外径65mm、L/D=52.5のかみ合い型同方向2軸3段ベント押出機で、スクリュー先端とダイの間にギアポンプを取り付けたものであり、最後のベント部とギアポンプの間のスクリュー構造は、L/D=1.5の左ネジ方向のニーディングディスクを有するスクリューを用いた。
【0043】
運転条件はスクリュー回転数160rpm、ポリマー押出量は120Kg/時間で、水は第2ベント部と最後のベント部(第3ベント部)の間でポリマーの100重量部に対して1重量部の割合でプランジャー型定量ポンプを用いて添加し、揮散性物質としてマイクロクリスタリンワックス(融点:90℃、重量減率(300℃):2.5重量%)を温度120℃で最後のベント部とギアポンプの間のニーディングディスクゾーンに0.6重量部添加した。この時のダイ出口のポリマー温度は234℃であった。この条件で48時間運転を続けたがベント部配管の閉塞は認められなかった。
【0044】
実施例2
安定剤を加えたブロック共重合体(A)の重合体溶液をスチームストリッピングして脱溶媒を行い含水率が52重量%のクラムを得た。次いで、上記で得られたクラムを2軸ベント押出機にホッパーより供給して脱水及び乾燥を行った。使用した押出機はスクリュー外径65mm、L/D=31.5のかみ合い型同方向2軸2段ベント押出機で、ホッパーとベント部の間に2個のスリットを有し、スクリュー先端とダイの間にギアポンプを取り付けたものである。また、最後のベント部とギアポンプの間のスクリュー構造は、L/D=1.0の左ネジ方向のニーディングディスクを有するスクリューを用いた。
【0045】
運転条件は、スクリュー回転数180rpm、ポリマー押出量は135Kg/時間で、ベント部の圧力(絶対圧)を1段目300mmHg、2段目200mmHgに減圧した。揮散性物質として2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(重量減率(300℃):100重量%)を温度100℃で、最後のベント部とギアポンプの間のニーディングディスクゾーンに0.8重量部添加した。この時のダイ出口のポリマー温度は210℃であった。得られたポリマー中の2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール量は95重量%以上の残存率であった。
【0046】
実施例3
ブロック共重合体が(B)で、揮散性物質が2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール(重量減率(300℃):55重量%)をO.2重量部添加した以外の押出機仕様及び条件を実施例2と同様にして運転を行った結果、得られたポリマー中の2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール量は95重量%以上の残存率であった。
【0047】
実施例4
ブロック共重合体が(D)で、揮散性物質が2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.4重量部添加した以外の押出機仕様及び条件を実施例1と同様にして運転を行った結果、得られたポリマー中の2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール量は95重量%以上の残存率であった。
【0048】
比較例1
最後のベント部とギアポンプの間のスクリュー構造が、深溝のフルフライト構造であるものを用いた以外の押出機仕様及び条件を実施例1と同様にして運転を行った結果、運転開始から20時間でベント部配管の閉塞が認められ、運転を停止した。
【0049】
比較例2
最後のベント部とギアポンプの間のスクリュー構造が、深溝のフルフライト構造であるものを用いた以外の押出機仕様及び条件を実施例2と同様にして運転を行った結果、得られたポリマー中の2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール量は50〜80重量%の残存率で、吐出量の振れ幅で残存率に変化が認められた。
【0050】
【発明の効果】
本発明の回収方法は、ブロック共重合体又はその水添物をそれらの溶液中から回収する際、溶媒除去と共に、従来、別な工程を設けて添加しなければならなかった揮発性の安定剤や滑剤といった添加剤の添加を効率的に行うことができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の揮散性物質を添加する工程の押出機の概略図である。
【符号の説明】
1 スクリュー
2 左ネジ方向のニーディングディスク
3 最終ベント部
4 揮散性物質添加口
5 ギアポンプ
6 ダイ
7 カッター
Claims (3)
- 炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として共役ジエン及びビニル芳香族炭化水素を重合して得られたビニル芳香族炭化水素含有量が10〜95重量%であるブロック共重合体又はその水添物の溶液を、2軸ベント押出機を用いて直接溶媒を除去する際、又はスチームストリッピング法で溶媒を除去した後に2軸ベント押出機を用いて脱水、乾燥する際、2軸ベント押出機の少なくとも1つのベント部を有する押出機の最終ベント部の下流に位置し、且つそのスクリュー構造の一部が左ネジ方向のニーディングディスクであるゾーンに、300℃の重量減率が1〜100重量%である揮散性物質を添加することを特徴とするブロック共重合体又はその水添物の回収法。
- 2軸ベント押出機が、スクリュー先端部とダイの間にギアポンプを設けた構造を有する請求項1記載のブロック共重合体又はその水添物の回収法。
- 揮散性物質が、フェノール系安定剤、炭化水素ワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミドから選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のブロック共重合体又はその水添物の回収法。
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| JP12631696A JP3663740B2 (ja) | 1996-04-24 | 1996-04-24 | ブロック共重合体の回収法 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP12631696A JP3663740B2 (ja) | 1996-04-24 | 1996-04-24 | ブロック共重合体の回収法 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09291109A JPH09291109A (ja) | 1997-11-11 |
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| JP12631696A Expired - Lifetime JP3663740B2 (ja) | 1996-04-24 | 1996-04-24 | ブロック共重合体の回収法 |
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-
1996
- 1996-04-24 JP JP12631696A patent/JP3663740B2/ja not_active Expired - Lifetime
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