JP3665123B2 - 走行車両のブレーキ操作装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に備えられた左右のブレーキ装置を、左右のターンブレーキペダルの各々の踏み込みによって独立的に制動操作可能にすると共に、マスターブレーキペダルの踏み込みにより同時制動操作を可能にする、ブレーキ操作構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両の左右一側のステップ上には、前後進切換自在で走行速度を変更可能な走行ペダルを配置し、他側のステップ上には、車両に備えられた左右のブレーキ装置を独立して制動操作可能な2つの左右ターンブレーキペダルを配置すると共に、前記走行ペダルの近傍に1つのマスターブレーキペダルを配置した構成は公知となっている。例えば、特公平6−20867号の技術である。
【0003】
上記技術は、座席下方の支持フレームに、左右方向に支持筒を回動自在に支持し、該支持筒の左端に右ターンブレーキペダルを固設し、右端に右外筒を固定して、該右外筒に連結片を突設して右ブレーキ装置と連結している。
また、支持筒にペダル軸を相対回動自在に内嵌し、該ペダル軸の左端に、右ターンブレーキペダルの左側に位置する左ターンブレーキペダルを固着した左外筒が一体回動するように外嵌固着され、該左外筒を左ブレーキ装置と連結している。
このようにして左右のターンブレーキペダルを夫々踏み込むことにより、左右のブレーキ装置を独立して作動させることができるようにしていた。そして、前記ペダル軸の右端は前記右外筒より突出して当接片を突設し、前記右外筒の左側にマスターブレーキペダルのボス部を支持筒に対して相対回転自在に外嵌し、該ボス部に連動部材を右方向へ突設して、マスターブレーキペダルを踏み込んだ際には、連動部材が右外筒の連結片及びブレーキ軸の当接片に同時に当接して、左右のブレーキ装置を同時に作動させるように構成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
走行ペダルと左右ターンブレーキペダルとマスターブレーキペダルを有する走行車両においては、機体停止の際にはオペレータは前進走行ペダル、或いは後進走行ペダルを踏み込んでいた右足をマスターブレーキへ踏み代えるが、その踏み代えが軽快に行えるようマスターブレーキペダルのペダル面を各々の走行ペダルに対して操作し易い位置にレイアウトする必要がある。
また、走行ペダルの任意の前進操作位置で、固定及び固定解除可能なロック機構を設けたものにあっては車両に装備された左右のブレーキ装置が同時に作動するときにロック機構を解除させねばならないので、該ロック機構をマスターブレーキの踏み込み動作に連係させて解除することが考えられる。
しかしながら従来構造によれば、マスターブレーキペダルの回動中心が否応なくターンブレーキペダルの回動中心上に設定され、必然的にマスターブレーキペダルの位置が決められてしまっているので、設計上、走行ペダルに対する制約、或いはロック機構に対する制約を受けてしまう。
【0005】
更に、左ターンブレーキを固着したブレーキ軸の外周に、右ターンブレーキを固着した支持筒が相対回転自在に被嵌され、更に支持筒の外周に、マスターブレーキを固着した筒体が相対回転自在に被嵌された3重構造であるので、例えば、右ターンブレーキペダルを踏み込んで支持筒が回動するときにはブレーキ軸、筒体の両方に摩擦力が作用する。
ここで外気が低温の場合にブレーキ軸と支持筒との間、支持筒と筒体との間に夫々介在する潤滑油の粘性が高くなるとこの摩擦力が高められブレーキ軸や筒体が連れ回ってしまい、機体を右旋回させたいにもかかわらず両方のブレーキ装置が誤作動して停止してしまう恐れがある。
【0006】
また、左右ターンブレーキペダルを設置するペダル軸と、マスターブレーキペダルを設置するペダル軸とを、同一軸心上に配置した構成であると、マスターブレーキペダルを踏み込んだときには、左右ターンブレーキペダルの当接片と連結片とに、マスターブレーキペダルの連動部材が同時に当たるので、左右のブレーキ装置を同時に操作するためには、当接片、連結片、連動部材の取付位置は正確に位置決めしておく必要があり、部品加工時や組立時に誤差が生じると連動部材の当たるタイミングが狂う。
よって、このような状態で路上走行中に車両を停止させるべく、マスターブレーキペダルを踏み込んだときには、連動部材に最初に当たる当接片もしくは連結片が片方のブレーキ装置を先に操作してしまうので、機体が左右に振れることがあった。また、当接片が正確な位置に取り付けられていても長期の使用やマスターブレーキペダルの過度な踏み込みにより当接片や連動部材が摩滅すると前述したようなタイミングの狂いが生じることがあり、その微調整をすることは極めて困難であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決する為に次の如く構成したものである。
請求項1においては、走行車両の機体フレームに、第1ブレーキペダル軸39と第2ブレーキペダル軸40とを機体左右方向に沿って回転自在に支持し、該第2ブレーキペダル軸40の左右一端側に左右の車軸を独立制動し、左右ブレーキ装置を独立的に制動操作自在なターンブレーキペダル7L・7Rを並置し、前記第1ブレーキペダル軸39の左右他端側に、マスターブレーキペダル6を配置し、該第1ブレーキペダル軸39の左右一端側に、前記ターンブレーキペダル7L・7Rの同時制動操作機構を設けると共に、該マスターブレーキペダルの近傍に走行ペダル5Fを配置し、更に、該マスターブレーキペダル6の近傍に、該走行ペダル5Fの踏み込み操作と共に回動するラチェット体70を設け、前記ラチェット体70近傍の機体フレーム15に、ラチェット体70に係合する爪部74aを具備したロックアーム74を回転自在に枢支し、前記マスターブレーキペダル6と一体的に回動する取付ブラケット55に、前記ロックアーム74に向かって突出するロック解除ピン56aを植設し、該マスターブレーキペダル6を踏み込み操作する場合、前記ロック解除ピン56aがロックアーム74に当接して該ロックアーム74が回動操作し、爪部74aがラチェット体70の歯部から強制的に外されるロック解除機構を具備しているものである。
【0008】
請求項2においては、請求項1記載の走行車両のブレーキ操作装置において、前記マスターブレーキペダル6を踏み込んだ場合、前記ターンブレーキペダル7L・7Rの各々の回動基部に設けた当接片44L・44Rに対して同時に当接可能な脚部を有する当接アーム51を前記第1ブレーキペダル軸39の一端部に固着して、同時制動操作機構を構成したものである。
【0009】
請求項3においては、請求項2記載の走行車両のブレーキ操作装置において、前記当接アーム51における、前記当接片44L・44Rの各々に対向する部位には、該当接片44L・44Rに対する接当のタイミングを調整する機構を備えさせたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に添付の図面に示した本発明の実施例の構成を説明する。
図1は本発明のブレーキ操作装置を装備した走行車両の左側面図、図2はミッションケースに内装されたトランスミッションの模式図、図3は前ケースの左側面断面図、図4は前ケースの平面断面図、図5は後ケース後部とリアアクスルケースの平面断面図、図6は第1・第2ブレーキペダル軸の支持状態を示す機体フレームの平面断面図。
【0011】
図7は第1ブレーキペダル軸の支持状態を示す機体フレームの後面断面図、図8は左右のターンブレーキペダルの同時制動操作機構の斜視図、図9は機体フレームの左側面図、図10は機体フレームの右側面図、図11は第1・第2走行ペダル軸の支持状態を示す機体フレームの右側平面断面図、図12は第1・第2走行ペダル軸の連係状態を示す部分平面断面図、図13はクルーズコントロールレバーと融通機構の斜視図である。
【0012】
図1において、本発明のブレーキ操作装置を装備し、下腹部にモアを備えた走行作業車両の全体構成から説明する。
機体前部上のボンネット1内の機枠上にエンジンEを設置し、該ボンネット1後部にダッシュボード2を連設し、該ダッシュボード2上にハンドル3を配置している。該ダッシュボード2と座席8との間の下部にはオペレータ乗降用のステップ4を配置し、機体の両側方に張り出している。該座席8の側方には副変速レバー10、PTO切換レバー9が配置されている。
【0013】
前記座席8下方に、後述するトランスミッションを収容したミッションケース11が配置されており、該ミッションケース11の前面に固着した機体フレーム15を介して前記エンジンEに連結している。
前記エンジンEのクランク軸より機体フレーム15内に収納したダンパー、伝動軸16、入力軸12を介して動力をミッションケース11内に入力している。ミッションケース11の前面には前記入力軸12、前輪駆動軸13、ミッドPTO軸14aが突出されている。
前輪駆動軸13より出力される動力はユニバーサルジョイントを介して、フロントアクスルケース17内に伝えられて、フロントアクスルケース17の両側方より突出する前車軸に装着した前輪19・19を駆動できるようにしている。前記ミッドPTO軸14aから出力される動力はユニバーサルジョイントを介して芝刈用のモアWに伝えられる。
【0014】
前記ミッションケース11の後部両側面には、後車軸24L・24Rを支持したリアアクスルケース23L・23Rが固着されており、後車軸24L・24Rに装着された後輪20・20を駆動できるようにしている。ミッションケース11上面には、上下操作自在なリフトアームを備えた油圧式作業機昇降装置25を載置している。ミッションケース11下部両側より後方に突出したロアリンクと前記リフトアームと図示しないトップリンクとにより車両の後部に、耕耘装置等の作業機を昇降自在に装着することができる。
ミッションケース11の後面には、リアPTO軸14bが突出され、前記作業機はリアPTO軸14bから出力される動力を受けて駆動される。
【0015】
次に、前記ミッションケース11内に収容したトランスミッションを、図2から図5に基づいて説明する。
ミッションケース11は機体前後方向に連設した前ケース21と後ケース22とから成り、前ケース21の前面にはその開口部を閉塞するようにセンタセクションCが取り付けられている。該センタセクションCの、前ケース21内方側を向く内面には可変容積形の油圧ポンプP1が装着され、また、その外面には固定容積形の油圧モータMが装着され、この両者をセンタセクションC内の閉回路を通じて流体的に連結することにより油圧式無段変速装置が構成されている。
前記入力軸12は油圧ポンプP1を駆動し、該油圧ポンプP1からの圧油を受けて油圧モータMが無段階に駆動され、該油圧モータMに係合した出力軸32は、後ケース22内に延びて、該後ケース22の前室に収容した2段変速可能なギア式変速装置33に連結されている。
前記後ケース22の後室にはデフギア装置Dが収容されており、ギア式変速装置33の出力軸34に連結されている。前記デフギア装置Dはその左右からデフヨーク軸36L・36Rが延びて該デフヨーク軸36L・36Rは前記リアアクスルケース23L・23R内に軸支され、その端部は前記後車軸24L・24Rに対し減速歯車列を介して連結されている。
【0016】
また、前記入力軸12は、前記センタセクションCの外面に装着された、前記油圧式無段変速装置の作動油を補給するためのチャージポンプP2を駆動すると共に、その後端部は後ケース22内に延びて、該後ケース22の前室に収容したPTO伝動装置26に連結される。
即ち、入力軸12の後端部からの動力はPTOクラッチ27、伝動軸28を介してミッド・リア切換機構29に伝達される。ここで、該ミッド・リア切換機構29に備わったクラッチシフター29aを軸方向に摺動させることにより、伝動軸28の回転を、第1PTOギアトレーン30を介して前記ミッドPTO軸14aに伝達したり、第2PTOギアトレーン31を介して前記リアPTO軸14bに伝達することができる。
【0017】
前記前ケース21内に収容された前記油圧ポンプP1はアキシャルピストン形であり、該油圧ポンプP1の可動斜板38を、図4に示すように、その両側面に備わるトラニオン軸72a・72bを前ケース21の一側壁と、他側壁に装着した側板77に夫々回転自在に枢支することにより、前ケース21内で傾動自在に構成してある。
また、一方のトラニオン軸72aは前記側板77から外方に突出して速度制御アーム71が取り付けられていると共に、中立付勢バネ78が巻回されている。該中立付勢バネ78の両端は同方向に延びて途中で交差し、可動斜板38の側面に植設した可動ピン79と、側板77の内面に植設した偏心固定ピン80とを挟み込んでいる。
該偏心固定ピン80を所定の位置にセットすることにより中立付勢バネ78を介して可動斜板38は中立位置に向けて付勢される。該中立付勢バネ78に抗して速度制御アーム71を前後に操作することにより可動斜板38は中立位置からトラニオン軸72a・72b回りに傾動し、前記油圧ポンプP1から前記油圧モータMに向けて吐出される油の量と方向を無段階に変更することができる。
【0018】
また、図5に示すように前記リアアクスルケース23L・23R内には後車軸24L・24Rを制動するためのブレーキ装置37L・37Rが収容されている。
即ち、前記デフヨーク軸36L・36Rには複数の回転側摩擦板37aの内周端がスプライン係合され、該回転側摩擦板37aに重合する固定側摩擦板37bの外周端が前記リアアクスルケース23L・23Rの開口内周部に回転不能に係止されている。固定側摩擦板37bの一端面側にプレッシャプレート37cが配置され、該プレッシャプレート37cの側面とこれに対面する前記リアアクスルケース23L・23Rの側面との間に、プレッシャプレート37cの推力発生用カム手段37dが配設される。
【0019】
また、リアアクスルケース23L・23Rには、ブレーキ操作軸37eが回転自在に枢支され、該ブレーキ操作軸37eの内端部には、プレッシャプレート37cの外周部に形成した突起部に当接するカム面が形成され、また、その外端部には、後述する左右のターンブレーキペダル7L・7Rに接続したブレーキアーム52L・52Rが固着される。
該ブレーキアーム52L・52Rによりブレーキ操作軸37eを回動操作すると前記カム面が前記突起部を通じて、プレッシャプレート37cをデフヨーク軸36L・36R回りに回転させると共に推力発生用カム手段37dの作用により、プレッシャプレート37cは前記摩擦板37a・37bを押圧する。このようにしてブレーキ装置37L・37Rが作動しデフヨーク軸36L・36R、即ち、後車軸24L・24Rが制動される。
【0020】
次に、本発明のブレーキ操作装置について説明する。
図6から図9に示すように、前記機体フレーム15の、機体左右方向でみて左側ステップ4上には、左ターンブレーキペダル7Lと右ターンブレーキペダル7Rが並置され、右側ステップ4上には、前進走行ペダル5Fと後進走行ペダル5Rとが並設されると共に、両ペダル5F・5Rにまたがるペダル面を有するマスターブレーキペダル6が両ペダル5F・5Rの前方でやや上方に配設されている。
【0021】
前記機体フレーム15には、左右方向に沿って2本の支持パイプ15a・15bが前後でかつ平行に固設されている。該支持パイプ15aに第1ブレーキペダル軸39が回動自在に挿入支持され、第1ブレーキペダル軸39の左右両端部は支持パイプ15aの端部より突出している。
該支持パイプ15bに、第2ブレーキペダル軸40が回動自在に挿入支持され、第2ブレーキペダル軸40の左右両端部は支持パイプ15bの端部より突出している。該第2ブレーキペダル軸40の左端部には、左ターンブレーキペダル7Lの基部に固着した筒体7Laと、右ターンブレーキペダル7Rの基部に固着した筒体7Raとが並置されて止め輪42によって抜け止めされている。
該筒体7Laは第2ブレーキペダル軸40に対し相対回転自在に嵌合され、その外周上にアーム43Lと当接片44Lとが突設されている。該アーム43Lにはリンク45Lの一端が連結され、該リンク45Lの他端は前記ブレーキ装置37Lのブレーキアーム52Lと連結されている。
【0022】
また、前記筒体7Laの内側に位置する前記筒体7Raはキーを介して、第2ブレーキペダル軸40に対し相対回転不能に結合され、その外周上に当接片44Rが突設されている。前記右ターンブレーキペダル7Rと前記左ターンブレーキペダル7Lとは斜め前上方へ突出し、途中でU字形に屈曲し、その端部のペダル面を互いに同一平面上に位置させている。当接片44Lと前記当接片44Rとは、斜め後下方へ突出し、両接当面を同一平面上に位置させている。
前記第2ブレーキペダル軸40の右端部には筒体7Rbが、ピンを介して相対回転不能に結合され、該筒体7Rb上にアーム43Rを突設し、該アーム43Rにリンク45Rの一端が連結され、該リンク45Rの他端は前記ブレーキ装置37Rのブレーキアーム52Rと連結されている。
前記アーム43L・43Rと左右ステップ下面の係止部(図示せず)との間には引っ張りバネ41L・41Rが張設され、該引っ張りバネ41L・41Rよってブレーキ装置37L・37Rのブレーキアーム52L・52Rは制動解除方向に付勢されている。
左右のターンブレーキペダル7L・7Rのいずれかを踏み込むことによって筒体7La・7Rbが図9でみて反時計回りに回動してアーム43L・43Rが引っ張りバネ41L・41Rに抗してリンク45L・45Rを引っ張り、ブレーキアーム52L・52Rを介して左右のブレーキ装置37L・37Rを独立的に操作できるようにし、これにより後車軸24L・24Rのいずれかが制動されて、機体を旋回させることができる。
【0023】
また、前記第1ブレーキペダル軸39の左端部に、左ターンブレーキペダル7Lと右ターンブレーキペダル7Rとを同時に踏み込んだような状態に操作して、左右の後車軸24L・24Rを同時に作動させるための同時制動操作機構50が設けられている。
即ち、第1ブレーキペダル軸39の左端部に、筒体51aをキーを介して相対回転不能に結合し、該筒体51aに平面視略L字状に形成した当接アーム51を固設してある。該当接アーム51の先端は水平方向に折り曲げられて前記当接片44L・44Rにまたがる長さを有する脚部51bが形成され、該脚部51bには前記当接片44L・44Rに対する当接タイミングの調整機構としての調節ボルト53・53が備えられている。該調節ボルト53・53は、その各々の上端が当接片44L・44Rの下面に対して所定の間隔が維持されて互いに同じになるよう進退調節自在に、当接アーム51に螺着されている。
【0024】
一方、第1ブレーキペダル軸39の右端部には、取付ブラケット55を備えた筒体54がキーを介して結合され、該取付ブラケット55の外側面に第1ブレーキペダル軸39と平行なピン55aを突設し、該ピン55aには、マスターブレーキペダル6の基部に固着した筒体6aがピンを介して結合されている。従って、該マスターブレーキペダル6を踏み込むと取付ブラケット55を通じて、第1ブレーキペダル軸39が回動し、筒体51aを通じて当接アーム51が図9でみて反時計回りに回動し、調節ボルト53・53が各々の当接片44L・44Rの下面を押して、筒体7La・7Raを反時計回りに回動させて左右のターンブレーキペダル7L・7Rを同時に踏み込んだような状態にして左右のブレーキ装置37L・37Rを同時に作動させることができる。
【0025】
次に、機体の進行方向及び車速を制御するための操作機構を説明する。
即ち、図11に示すように、右側ステップ4の下方で機体フレーム15の右側面には、前後左右の四方を長板で枠組みして成る枠体60が取り付けられており、この枠体60に、第1走行ペダル軸61と第2走行ペダル軸63とが、前後平行状態で回転自在に枢支されている。
【0026】
第1走行ペダル軸61の端部には、前記前進走行ペダル5Fの基部に固設した筒体5Faがピンを介して結合され、また第2走行ペダル軸63の端部には、前記後進走行ペダル5Rの基部に固設した筒体5Raがピンを介して結合されている。
そして、第1走行ペダル軸61には、第1脚部と第2脚部とを有する側面視二又形状のアーム64が固設され(図10)、該アーム64の第1脚部に設けた枢支ピン64aにはローラー66が回転自在に支持されている(図12)。
一方、第2走行ペダル軸63には、前記ローラー66に対する当接部65aを備えたアーム65が固着されており、該アーム65と枢支ピン64aとの間にバネ67が張設されて、アーム65の当接部65aが前記ローラー66に常時当接するように付勢している。
【0027】
そして、前記アーム64の第2脚部にリンク69の一端を連結し、該連結リンク69の他端は、前記油圧式無段変速装置の速度制御アーム71に連結されている。73は牽制ピンであり、副変速レバー10を高速側に切り換えたときに牽制ピン73が突出して、速度制御アーム71が後進側へ所定量以上増速変位することを阻止して、低速での後進走行のみを可能としている。
【0028】
以上のように構成することにより、例えば、図10に示す前進走行ペダル5Fを踏み込み操作した場合には第1走行ペダル軸61を中心にアーム64が時計回りに回動しリンク69が機体前方側へ引っ張られ速度制御アーム71が図示の中立位置から前方へ揺動して油圧式無段変速装置が機体を前進させる側に増速操作される。
また、後進走行ペダル5Rを踏み込み操作した場合には第2走行ペダル軸63を中心にアーム65が時計回りに回動し、接当部65aがローラ66を介してアーム64を反時計回りに回動させてリンク69が機体後方側へ押し込まれ速度制御アーム71が図示の中立位置から後方へ揺動して油圧式無段変速装置が機体を後進させる側に増速操作される。
なお、前進走行ペダル5F、後進走行ペダル5Rから足を離した場合には、前述した前ケース21内に収容した中立付勢バネ78及び前記可動斜板38にかかる油圧ポンプP1の油圧反力の作用を受けて速度制御アーム71、前進走行ペダル5F、後進走行ペダル5Rは図10に示す位置まで自動的に迅速に復帰する。
【0029】
次に、前記前進走行ペダル5Fを任意の位置の前進操作位置で固定及び固定解除可能なロック機構とロック解除機構について説明する。
前記アーム64の第2脚部の先端は前方に向けて屈曲しており、ラチェット体70を装着している。該ラチェット体70の上面には、多数の歯部が前後方向に沿って列状に形成されている。また、前記ラチェット体70の前方に位置する機体フレーム15の外側面に支軸76を突設し、該支軸76にロックアーム74を回転自在に枢支し、該ロックアーム74における一端側の先端に爪部74aを形成し、該爪部74aを前記ラチェット体70に係合可能に該ラチェット体70の上方に配置している。
【0030】
前記ロックアーム74の一端側にはリンク75の下端部が連結され、該リンク75の他端側には融通機構81を介して前記ダッシュボード2の後面に配置したクルーズコントロールレバー86に連結されている。前記融通機構81は、図13に示すように、クルーズコントロールレバー86につながるリンク86aの下端部に筒体86bを設け、その中に前記リンク75の上端部を軸方向摺動自在に嵌入している。そして、リンク86aとリンク75との間に引っ張りバネ82を張設してリンク86aとリンク75とが互いに離間する方向でのみ付勢力が発生するようにして、構成しているのである。
【0031】
また、前記ロックアーム74の他端側の上面には、凹状の当接部74bが形成されている。前記マスターブレーキペダル6を支持する前記取付ブラケット55には、前記ロックアーム74に向かって突出する2本の、ロック解除ピン56aとストッパーピン56bとが植設されている。該ロック解除ピン56aは前記ロックアーム74の当接部74bの上方に位置している。
また、前記ロックアーム74の他端側の先端部と、機体フレーム15の外側面に設けた係止部(図示せず)との間に引っ張りバネ74cが張設され、ロックアーム74を、その爪部74aがラチェット体70から離間させる向きに付勢させている。
【0032】
図13に示すように、ダッシュボード2の後面にはクルーズコントロールレバー86のための短溝状のロック解除溝83aと長溝状のロック溝83bとを連続的に形成して鈎形をなすガイド溝を有するレバーガイド83が付設されており、クルーズコントロールレバー86をレバーガイド83のロック解除溝83aに保持しているときには、融通機構81を介してリンク75が機体上方向に引っ張られ、図10でみてロックアーム74が支軸76を中心に時計回りに回動し、爪部74aがラチェット体70から離間するので前進走行ペダル5Fや後進走行ペダル5Rを自由に踏み込むことができ油圧式無段変速装置が任意に変速操作されて、進行方向や車速を任意に変更することができる。
なお、ロックアーム74の回動は前記ストッパピン56bによって規制されるので、クルーズコントロールレバー86がロック解除位置83aにおかれている時には融通機構81の引っ張りバネ82は伸ばされて付勢力が発生し、リンク86aの先端部はリンク75の他端部から離間した状態となっている。
【0033】
オペレータがクルーズコントロールレバー86を、レバーガイド83のロック溝83bに移すと、該クルーズコントロールレバー86は引っ張りバネ82の復元に伴う付勢力によってロック溝83bの略中央位置まで自動的に下向きに案内されると共に、リンク86aの先端部がリンク75の他端部に接当する。そしてオペレータがここから更にクルーズコントロールレバー86を下向きに押し込むことによりその力はリンク86aの先端部からリンク75を通じ図10に示すようにロックアーム74を支軸76を中心に反時計回りに回動させ、爪部74aが、前記アーム64に固着されたラチェット体70の所定の歯部に係合する。
ここで、該アーム64には前述した、中立付勢バネ78や油圧ポンプP1の油圧反力により第1走行ペダル軸61を中心として反時計回りの力が作用していること、並びに、爪部74aやラチェット体70の歯部の形状設定によりその係合部分には所定の摩擦保持力が発生するように構成してあり、オペレータがクルーズコントロールレバー86から手を離しても爪部74aの係合状態が維持される。このようにして前進走行ペダル5Fは所定の前進操作位置に固定され、オペレータが前進走行ペダル5Fから足を離しても油圧式無段変速装置の駆動が継続して機体は一定車速を維持する。
【0034】
機体を停止させるべく前記マスターブレーキペダル6を踏み込んで左右のブレーキ装置37L・37Rを制動操作する場合には、取付ブラケット55に突設したロック解除ピン56aが第1ブレーキペダル軸39を中心に時計回りに変位してロックアーム74の当接部74bに当接し、該ロックアーム74がロック解除ピン56aと引っ張りバネ74cとの力を受けることにより支軸76を中心に時計回りに回動操作されて、爪部74aがラチェット体70の歯部から強制的に外される。
これにより、前進走行ペダル5Fの固定が解除されて、油圧式無段変速装置の速度制御アーム71や前進走行ペダル5Fは、前述した中立付勢バネ78や油圧反力の作用を受けて中立位置に復帰し、エンジンEをエンストさせることなく車両は停止する。
なお、ロックアーム74が時計回りに回動操作されるときにはリンク75はリンク86aと共に上方へ押され、クルーズコントロールレバー86はレバーガイド83のロック溝83bの略中間位置まで押し上げられる。ここで、再び前進走行する場合には、オペレータは所望の車速が出るまで前進走行ペダル5Fを踏み込み、そして、クルーズコントロールレバー86をレバーガイド83のロック溝83bの下端位置まで押し込むことにより機体の一定車速を再び維持することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1の如く構成したので、機体フレームに、第1ブレーキペダル軸と第2ブレーキペダル軸とを機体左右方向に回転自在に支持し、該第2ブレーキペダル軸の左右一端側に左右の車軸を独立制動する左右ブレーキ装置を独立的に制動操作自在なターンブレーキペダルを並置し、前記第1ブレーキペダル軸の左右他端側にマスターブレーキペダルを配置すると共に、該第1ブレーキペダル軸の左右一端側に前記ターンブレーキペダルの同時制動操作機構を設けたので、左右のターンブレーキペダルを支持する軸とマスターブレーキペダルを支持する軸が別々となり、互いに無関係となるので、機体旋回時や、機体停止時に所望の左右ブレーキ装置を安定、確実に操作することができる。
また、左右のターンブレーキペダルとマスターブレーキペダルを支持する軸を別々に配置し、マスターブレーキペダルの近傍に配置された走行ペダルを任意の前進操作位置で固定及び固定解除可能なロック解除機構を前記マスターブレーキペダルに備えさせたので、マスターブレーキペダルの配置位置は、左右のターンブレーキペダルに対しても、走行ペダルとロック解除機構に対しても制約を受けることがなく、設計し易い構造となり、マスターブレーキペダルを操作性の良い最適な位置を選んで配置することができる。
【0037】
請求項2の如く構成したので、左右のターンブレーキペダルの同時制動操作機構を、ターンブレーキペダルの各々の回動基部に設けた当接片に対して同時に当接可能な脚部を有する当接アームをマスターブレーキペダルを支持する第1ブレーキペダル軸の一端部に固着して構成したので、左右のブレーキ装置を作動させるための構成を簡単に構成することができ、コスト低減化が図れ、組立時の位置調整も簡単に行えて、組立誤差も小さくなり、組立を簡単に行える。
【0038】
請求項3の如く構成したので、前記当接アームにおける、前記当接片の各々に対向する部位には、該当接片に対する接当のタイミングを調整する機構を備えさせたので、組立時に誤差が生じても容易に調整して修正することができ、不良率を低くすることができ、また、使用によって摩耗したり、変形が生じて、同時に制動しても片効きとなる場合が生じても、容易に事後の調整をすることができ、メンテナンスを簡単に行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のブレーキ操作装置を装備した走行車両の左側面図である。
【図2】 ミッションケースに内装されたトランスミッションの模式図である。
【図3】 前ケースの左側面断面図である。
【図4】 前ケースの平面断面図である。
【図5】 後ケース後部とリアアクスルケースの平面断面図である。
【図6】 第1・第2ブレーキペダル軸の支持状態を示す機体フレームの平面断面図である。
【図7】 第1ブレーキペダル軸の支持状態を示す機体フレームの後面断面図である。
【図8】 左右のターンブレーキペダルの同時制動操作機構の斜視図である。
【図9】 機体フレームの左側面図である。
【図10】 機体フレームの右側面図である。
【図11】 第1・第2走行ペダル軸の支持状態を示す機体フレームの右側平面断面図である。
【図12】 第1・第2走行ペダル軸の連係状態を示す部分平面断面図である。
【図13】 クルーズコントロールレバーと融通機構の斜視図である。
【符号の説明】
5F 前進走行ペダル5F
6 マスターブレーキペダル
7L・7R ターンブレーキペダル
15 機体フレーム
24L・24R 車軸
39 第1ブレーキペダル軸
40 第2ブレーキペダル軸
44L・44R 当接片
51 当接アーム
53 調節ボルト
56a ロック解除ピン
74 ロックアーム
74a 爪部
Claims (3)
- 走行車両の機体フレームに、第1ブレーキペダル軸39と第2ブレーキペダル軸40とを機体左右方向に沿って回転自在に支持し、該第2ブレーキペダル軸40の左右一端側に左右の車軸を独立制動し、左右ブレーキ装置を独立的に制動操作自在なターンブレーキペダル7L・7Rを並置し、前記第1ブレーキペダル軸39の左右他端側に、マスターブレーキペダル6を配置し、該第1ブレーキペダル軸39の左右一端側に、前記ターンブレーキペダル7L・7Rの同時制動操作機構を設けると共に、該マスターブレーキペダル6の近傍に走行ペダル5Fを配置し、
更に、該マスターブレーキペダル6の近傍に、該走行ペダル5Fの踏み込み操作と共に回動するラチェット体70を設け、前記ラチェット体70近傍の機体フレーム15に、ラチェット体70に係合する爪部74aを具備したロックアーム74を回転自在に枢支し、
前記マスターブレーキペダル6と一体的に回動する取付ブラケット55に、前記ロックアーム74に向かって突出するロック解除ピン56aを植設し、
該マスターブレーキペダル6を踏み込み操作する場合、前記ロック解除ピン56aがロックアーム74に当接して該ロックアーム74が回動操作し、爪部74aがラチェット体70の歯部から強制的に外されるロック解除機構を具備していることを特徴とする走行車両のブレーキ操作装置。 - 請求項1記載の走行車両のブレーキ操作装置において、前記マスターブレーキペダル6を踏み込んだ場合、前記ターンブレーキペダル7L・7Rの各々の回動基部に設けた当接片44L・44Rに対して、同時に当接可能な脚部を有する当接アーム51を、前記第1ブレーキペダル軸39の一端部に固着して、同時制動操作機構を構成したことを特徴とする走行車両のブレーキ操作装置。
- 請求項2記載の走行車両のブレーキ操作装置において、前記当接アーム51における、前記当接片44L・44Rの各々に対向する部位には、該当接片44L・44Rに対する接当のタイミングを調整する機構を備えさせていることを特徴とする走行車両のブレーキ操作装置。
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