JP3672635B2 - 溶鋼処理装置用浸漬管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶鋼処理装置用浸漬管の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製鉄産業におけるRH式、DH式などの真空脱ガス装置やCAS装置などの溶鋼処理装置に装着される浸漬管は、溶鋼流の作用、溶鋼上に浮遊するスラグとの反応、熱サイクルによる剥落などによって消耗が著しい。そして、消耗代が少なくなった浸漬管はフランジ部から取り外され、別途準備された浸漬管と交換される。
【0003】
溶鋼処理装置用浸漬管は、外周部に付着したスラグの厚みが増大すると、例えば浸漬管が並列しているRH式真空脱ガス装置においては、浸漬管同士が接着し、浸漬管の交換が容易でなくなる。
また、浸漬管はこのスラグの付着で外径が増し、取鍋内への浸漬が困難になるという問題がある。
そこで、外周部へのスラグ付着を防止する手段として、例えば特開平7−51821号公報に見られるとおり、スラグライン部にカーボン含有耐火物を配設することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
カーボン含有耐火物は、カーボンのスラグに対する濡れ性の悪さからスラグが付着し難く、これをスラグライン部に配設したことで上記従来のスラグ付着の問題を解決することができる。しかし、このカーボン含有耐火物とそれ以外の部分の耐火物との境界部に、材質の相違によって生じた目地開きに溶鋼が侵入し、浸漬管内部の金属製円筒や耐火物支持金物の損傷、さらには目地部から下方の耐火物が脱落するという問題があった。
本発明は、浸漬管における上記従来の問題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属製円筒の内周部および外周部に耐火物層を設けた溶鋼処理装置用浸漬管において、外周部の耐火物層として、スラグライン部にカーボン3〜50wt%含有の定形耐火物を配列すると共に、前記の定形耐火物の下端部を浸漬管の周方向に交互の長短構造とし、かつ、外周の前記定形耐火物以外の部分を不定形耐火物としたことを特徴とする溶鋼処理装置用浸漬管である。また、前記の浸漬管構造において、外周のスラグライン部およびその上方をカーボン含有の定形耐火物にした溶鋼処理装置用浸漬管。さらに、スラグライン部に配列したカーボン3〜50wt%含有の定形耐火物の、下端部における高さ方向の長短差が20〜60mmである溶鋼処理装置用浸漬管である。
【0006】
【作用】
浸漬管は溶鋼中に浸漬し使用されるために、下方が熱膨張によって広がり、耐火物層がこの広がりに追随しないため、スラグライン部に定形耐火物を設けた構造では、定形耐火物と不定形耐火物との境界部に水平方向の目地開きを生じ、しかもこの目地開き幅が大きいために、耐火物支持金物の損傷や目地部から下方の耐火物の脱落を招きやすい。しかも、カーボン含有の定形耐火物は、カーボン含有によって表面の摩擦係数が小さく、しかも他の耐火物と焼結性に劣ることから、耐火物の脱落が特に生じやすい。
【0007】
これに対し本発明の浸漬管は、スラグライン部に設けた定形耐火物とその下方の不定形耐火物との境界が凹凸になっていることから、浸漬管の下方が熱膨張で拡がりを生じた場合、前記の境界に生じる水平方向の目地開きは、定形耐火物の長短構造に合わせて、浸漬管の周方向に交互に上下の不連続となる。しかも、境界の垂直目地の摩擦抵抗で水平方向の目地開きを最小限に留めることができる。その結果、目地部からの溶鋼侵入による支持金物の損傷や、浸漬管下方の耐火物の脱落といった事故は皆無となる。
【0008】
【実施例】
図面に示す実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。
図1の部分断面図(右半分が断面)において、金属製円筒(1)は外周および内周の耐火物層(4)、(3)の骨格としての役割をもつ。その上端には、一般に浸漬管を着脱自在にするためのフランジ(2)を備えている。内周耐火物層(3)は不定形耐火物でもよいが、耐食性の面から定形耐火物が好ましい。
【0009】
外周耐火物層(4)として、スラグライン部にカーボン含有の定形耐火物(5)を周方向に配列する。この定形耐火物(5)の支持は、下方の不定形耐火物(6)に頼ってもよいが、支持金物(7)で上下端を押さえるのが好ましい。
スラグライン部の定形耐火物(5)の個数は、浸漬管のサイズなどに合わせて適宜決定する。また、高さ方向のサイズは、スラグラインが湯面の高さの変化に応じて推移するので、余裕をもって一定の幅を取る。
【0010】
本発明では、この外周耐火物層(4)における定形耐火物(5)の下端を浸漬管の周方向に交互に長短構造とする。下端部における高さ方向の長短の差は、好ましくは20〜60mm程度とする。
図では、定形耐火物(5)を外周上下方向に一個ごとに交互に長短構造としているが、これに限らず、長尺あるいは短尺を例えば二個ごとなど、複数ごとに長短構造にしてもよい。また、長尺と短尺の定形耐火物の幅を互いに異なるものにしてもよい。
【0011】
スラグライン部のカーボン含有の定形耐火物(5)は、カーボンを含有する例えばマグネシア−カーボン質、スピネル−カーボン質、マグネシア−スピネル−カーボン質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−炭化珪素−カーボン質などの焼成品または不焼成品とする。カーボン含有量は、十分なスラグ付着防止の効果を得るために3〜50wt%、望ましくは5〜30wt%とする。3wt%未満ではスラグの付着防止の効果が不十分となり、50wt%を超えるとカーボンの酸化によって組織強度の低下を招く。
【0012】
定形耐火物(5)の下方に設ける不定形耐火物(6)の具体的な材質は限定されるものではなく、例えばアルミナ質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−マグネシア−スピネル質、マグネシア質、マグネシア−カルシア質などのキャスタブル耐火物とする。図では省略するが、不定形耐火物(6)の支持のために、金属製円筒(1)にスタッドを立設させることが好ましい。
【0013】
図2は他の実施例を示し、外周耐火物層(4)における定形耐火物(5)の高さ方向の長さをスラグライン部だけでなく、その上方に伸ばしたものである。
また、図には示していないが、例えば特開平6−145768号公報に見られるように下方外周にテーパーを設けた浸漬管にも本願発明を適用することができる。
【0014】
実機試験として、内径500×外径1000×高さ1000mmのRH真空脱ガス装置用浸漬管において、内周耐火物を焼成マグネシア−クロム質定形耐火物とし、外周耐火物には、スラグライン部に鱗状黒鉛を20wt%含有する不焼成マグネシア−カーボン質定形耐火物を設け、その下部および上部はアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物とした。
また、前記の不焼成マグネシア−カーボン質耐火物の下端は、浸漬管の周方向に交互に長短構造にした。長尺と短尺との高さ方向の長さの差は、50mmとした。
【0015】
こうして得られた本発明実施例の浸漬管と、外周の定形耐火物の下端を一直線上にした以外は本発明実施例と同じ構造にした従来の浸漬管とを比較試験した。その結果、従来の浸漬管では下部の広がりにともなって外周の定形耐火物とその下方の不定形耐火物との境界に水平に連続した目地開きが生じ、しかもその目地幅が大きいために、溶鋼侵入が原因で33チャージ使用後には不定形耐火物の脱落によって寿命となった。これに対し、本発明実施例による浸漬管は、外周の定形耐火物とその下方の不定形耐火物との境界の目地が不連続で、しかも目地幅は小さく、160チャージで使用を中止したが、その間、下方の不定形耐火物の脱落は認められなかった。
【0016】
【発明の効果】
本発明は以上に説明したように、スラグライン部に設けたカーボン含有定形耐火物の下端を浸漬管の周方向に交互に長短構造としたことにより、浸漬管の下方の広がりに伴う目地開きを抑制すると共に、耐火物の脱落を防止する。その結果、スラグライン部におけるカーボン含有定形耐火物がもつスラグ付着防止の効果がいかんなく発揮され、浸漬管全体の耐用性が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す部分断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 金属製円筒
2 フランジ
3 内周耐火物層
4 外周耐火物層
5 カーボン含有の定形耐火物
6 不定形耐火物
7 支持金物
Claims (3)
- 金属製円筒の内周部および外周部に耐火物層を設けた溶鋼処理装置用浸漬管において、外周部の耐火物層として、スラグライン部にカーボン3〜50wt%含有の定形耐火物を配列すると共に、前記の定形耐火物の下端部を浸漬管の周方向に交互の長短構造とし、かつ、外周の前記定形耐火物以外の部分を不定形耐火物としたことを特徴とする溶鋼処理装置用浸漬管。
- 外周のスラグライン部およびその上方をカーボン含有の定形耐火物にした請求項1記載の溶鋼処理装置用浸漬管。
- スラグライン部に配列したカーボン3〜50wt%含有の定形耐火物の、下端部における高さ方向の長短差が20〜60mmである請求項1または2記載の溶鋼処理装置用浸漬管。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP24511595A JP3672635B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 溶鋼処理装置用浸漬管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24511595A JP3672635B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 溶鋼処理装置用浸漬管 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0967612A JPH0967612A (ja) | 1997-03-11 |
| JP3672635B2 true JP3672635B2 (ja) | 2005-07-20 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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|---|---|---|---|---|
| JP5233386B2 (ja) * | 2008-04-22 | 2013-07-10 | 新日鐵住金株式会社 | 溶鋼処理装置用浸漬管 |
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1995
- 1995-08-31 JP JP24511595A patent/JP3672635B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH0967612A (ja) | 1997-03-11 |
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