JP3673030B2 - 止水材及びその止水構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、部材間への装着性やシール性能に優れて建築物の水シールなどに好適な止水材及びその止水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発泡体に粘着層を付設してなる止水材が知られていた。これは建築物用等の部材間に装着して水シールするようにしたものであり、一方の部材に粘着層を介して接着し、他方の部材で発泡体を圧縮して水シールを達成する。しかしながら、粘着層側はその粘着層を介して部材に密着するため水シールに問題はないが、他方側は発泡体の圧縮反発力を介した部材との接触であるため水シールが不充分な問題点があった。部材が粗面体からなる場合、特に漏水が著しい。
【0003】
前記に鑑みて、発泡体の両面に粘着層を付設した止水材とする試みもあるが、一方の部材に対して他方の部材を位置合せする際にその位置合せ完了前に粘着層が他方の部材と接着してしまい、それを剥がす際に止水材が一方の部材より剥がれて位置狂いしたり、粘着層が接着したまま他方の部材を位置合せして止水材が捩じれたりして作業ミスが多発しやすく、水シールの信頼性にも劣る難点があった。
【0004】
粘着層にセパレータを仮着した状態で部材を位置合せすることも考えられるが、その場合には部材設定後にセパレータを剥離除去する必要が生じ、その除去の際に止水材の捩じれや、下地材との剥がれによる位置狂いなどが多発して、水シールの信頼性がより低下する。
【0005】
【発明の技術的課題】
本発明は、捩じれや位置狂い等の配置ミスを生じることなく部材間に容易に装着できて施工性に優れ、水シール性に優れてシール処理の信頼性に優れる止水材及び止水構造の開発を課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】
本発明は、少なくとも発泡体層と易水溶層を有してなり、その易水溶層が外表面に滑膜コートを有することを特徴とする止水材、及びその止水材を部材間に配置して水シール処理してなることを特徴とする止水構造を提供するものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、易水溶層を有することで部材間への装着時に部材に接着したり、部材との間で大きな摩擦力が生じることを防止でき、止水材の捩じれや位置狂い等の配置ミスを生じることなく、容易に部材の位置合せをすることができて施工性に優れている。一方、水の浸入があると易水溶層がその水を吸収して速やかに増粘状態となり、相手側部材の平滑や粗面の表面状態を問わずに密着性が向上して止水効果を発現する。その結果、種々の部材間が高い信頼性で水シールされた止水構造を容易に形成することができる。
【0008】
また発泡体層と易水溶層の間に粘着層、特にブチル系粘着層が存在すると、適度なクッション性を付与できて施工性が向上すると共に、易水溶層が仮に溶解除去されてもその粘着層が露出し部材と接着して止水効果を発現し、より高信頼性の水シールが達成される。さらに本発明の止水材は、既成の部材間に詰め込み式で圧入する方式にても信頼性に優れる水シールを達成でき、従来仕様の止水材では適用が困難な装着方式も採ることができる。
【0009】
【発明の実施形態】
本発明の止水材は、発泡体層と、外表面に滑膜コートを設けた易水溶層を有してなり、必要に応じてそれらの間に粘着層を有するものである。その例を図1、図2、図3に示した。1が易水溶層、2が発泡体層、3,4は粘着層、5滑膜コートである。図1では発泡体層に易水溶層を直接有するタイプ(滑膜コートは図示せず)を、図2では発泡体層の片面のみに粘着層を有し、易水溶層上に滑膜コートを有するタイプを、図3では発泡体層の両面に粘着層と易水溶層と滑膜コートを有するタイプを例示した。本発明にて易水溶層や粘着層や滑膜コートは、発泡体層の片面又は両面に有してよく、その形態は止水材の適用場所や部材の表面状態などに応じて適宜に決定される。
【0010】
従って図3の如く、発泡体層の両面に粘着層を有するものの場合に易水溶層で被覆された粘着層は、片側のみであってもよいし、両側の粘着層が易水溶層で被覆されていてもよい。これらは例えば粗表面部材同士間の水シールやゴムシート等の中間部材を併用する場合などに好ましく用いられる。その場合、前者では易水溶層を有しない粘着層を介し一方の部材に接着して止水材を位置決め固定した後、他方の部材を配置する施工方式などが好ましく適用でき、後者では既成の部材間に詰め込み式で圧入する施工方式などが好ましく適用することができる。もちろんこれらの施工方式に限定するものでない。
【0011】
本発明の止水材は、易水溶層を止水目的箇所に配置する点を除いて従来に準じたものとすることができる。従って発泡体層や粘着層には適宜なものを用いうる。ちなみに発泡体層としては、例えばエチレン・プロピレン共重合体やエチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)等からなるポリオレフィン系フォームやウレタン系フォーム、シリコーン系フォームやアクリル系フォーム、ブチルゴム系フォームやSBR系フォーム、NR系フォームやNBR系フォーム、それらポリマーのブレンド系フォームなどからなるものがあげられる。就中、耐水性や軽量性などの点よりEPDM系フォームからなる発泡体が好ましく用いうる。
【0012】
発泡体層の厚さは、止水材の適用箇所や発泡倍率による圧縮性などに応じて適宜に決定しうる。一般には、100mm以下、就中0.1〜50mm、特に1〜30mmの厚さのものが用いられる。また発泡倍率は、2〜100倍、就中3〜50倍、特に5〜30倍のものが一般的である。発泡体層は、独立気泡構造又は連続気泡構造のいずれであってもよいが、水シール性の点よりは独立気泡構造が好ましい。なお連続気泡構造の場合には、遮水状態に圧縮配置する必要がある。
【0013】
また粘着層についても適宜な耐水性の粘着性物質で形成でき、ゴム系やアクリル系、シリコーン系などの公知の耐水性粘着剤のいずれも用いうる。就中、水シール性などの点よりブチルゴム系粘着剤が好ましく用いうる。粘着層の厚さは、部材の表面粗さ等の止水材の適用個所などに応じて適宜に決定でき、一般には5mm以下、就中0.1〜3mm、特に0.2〜2mmとされる。発泡体層の両面に粘着層を設ける場合、表裏で粘着層の種類が異なっていてもよい。
【0014】
粘着層は、塗布方式や押出成形方式、カレンダー成形方式などの適宜な方式で形成することができる。また発泡体層上への直接成形方式や、シート状粘着層の接着方式などの適宜な方式で発泡体層上にラミネートすることができる。その場合、両面粘着シートを用いて粘着層を形成してもよい。発泡体層の粘着層との接着面にはコロナ放電処理や火炎暴露などの適宜な接着力向上処理を施すことができる。なお発泡体層や粘着層には必要に応じて老化防止剤や充填剤などの適宜な添加剤を配合することができる。
【0015】
易水溶層は、例えばポリビニルアルコールやカルボキシメチルセルロースなどの如く、水に容易に溶解する適宜な材料にて形成することができる。ポリビニルアルコールの場合、高ケン化度である必要はなく、50〜70%程度の低ケン化度のものも用いうる。易水溶層の厚さは、水への溶解速度などに応じて適宜に決定しうるが、一般には500μm以下、就中5〜200μm、特に10〜100μmとされる。粘着層上への易水溶層の付設は、例えばフィルムのラミネート方式や粘着層上への溶融押出し方式などの適宜な方式で行うことができる。
【0016】
易水溶層の外表面に対しては図例の如く滑膜コート5設けられる。滑膜コートは、易水溶層と部材との接触抵抗を低くして滑りやすくし、施工性の向上を図ることを目的とする。従って既成の部材間に詰め込み式で圧入施工する方式の止水材の場合には、図3に例示の如く発泡体層2の両面に粘着層3,4を設けて易水溶層1と滑膜コート5を付設したものが好ましい。
【0017】
滑膜コートの形成には、例えば長鎖アルキル系やシリコーン系やフッ素系等の適宜な剥離剤などが用いられる。剥離剤からなる滑膜コートの場合には、発泡体層の反対側に粘着面が露出した粘着層を有するときに、当該滑膜コートの離型性を利用してロール状に巻回したり、重置きすることができ、巻戻し等を容易とするために露出粘着面をセパレータで仮着被覆する必要を回避することができる。
【0018】
滑膜コートの形成は、易水溶層上に形成材を塗布する方式などの適宜な方式で行うことができ、滑膜コートを付与した易水溶フィルムとして粘着層上にラミネートする方式などににても止水材を形成することができる。滑膜コートの厚さは、100μm以下、就中1〜50μmが一般的であるが、易水溶層の水溶性を阻害しない範囲で適宜に決定してよい。
【0019】
本発明の止水材は、適用個所の全面に接着することを目的としたシートや、適用個所に部分的に接着することを目的とした所定幅のテープなどの適宜な形態で使用することができる。
【0020】
また止水材は、それを適宜な部材間に配置して水シールの信頼性に優れる止水構造を容易に形成することができる。その適用対象の部材間については特に限定はなく、例えば建築物などの水シールを要する適宜な部材間からなる箇所に適用することができる。
【0021】
ちなみに図4〜図6に本発明の止水材を配置してなる止水構造を例示した。図4に例示の止水構造は、外壁材8の目地部81における下地材7と外壁材8からなる部材間に止水材6を配置したものである。これは、当該目地81にガスケット10を装着して主シール処理を行うと共に、水シールの信頼性を高めるために当該止水材6を用いて下地材7と外壁材8の間を2次シールしたものである。
【0022】
なお図4における符号の9は、下地材7と外壁材8を固定するためのビスであり、止水材6は、その粘着層4を介し下地材7に接着して、易水溶層1(滑膜コートは図示せず)が外壁材8の側となるように取付けられている。
【0023】
また図5に例示の止水構造は、止水材6を基礎11と土台12からなる部材間に配置したものであり、止水材6は、その粘着層4を介して基礎11と接着し、易水溶層1(滑膜コートは図示せず)が土台12と圧接するように取付けられている。一方、図6に例示の止水構造は、外壁材8に形成した換気口82に対してフード13を図外のビスを介して取付ける際に、そのフード13の周縁部14に止水材6(滑膜コートは図示せず)を粘着層4を介し接着して壁材8との間に介在させたものである。
【0024】
上記のように、本発明の止水材は、前記した建築部材間や換気口等の開口部における開口形成材とそれへの取付け部材間、あるいは屋根板と屋根瓦等の間(屋根下地材)、サッシやドアとその枠等の間、室内におけるシンク等の台所用品や洗面化粧台、浴槽等の衛生用品とその支持部材の間などの水シール処理を要する適宜な箇所に好ましく用いることができ、適用箇所に応じた適宜な止水構造を施工性よく容易に形成することができる。
【0025】
【実施例】
参考例1
EPDM系フォームシートからなる厚さ5mmの発泡体層の片面に、ケン化度約70%のポリビニルアルコールの水溶液を塗布して厚さ0.03mmの易水溶層を形成した後、発泡体層の他面に厚さ0.3mmのブチルゴム系粘着層を設けてシート状の止水材を得た。
【0026】
参考例2
発泡体層の片面に厚さ0.5mmのブチルゴム系粘着層を設け、その上にケン化度約70%のポリビニルアルコールフィルムを接着して厚さ0.03mmの易水溶層を設けたほかは参考例1に準じて止水材を得た。
【0027】
実施例
易水溶層の上にシリコーン系剥離剤からなる厚さ0.01mmの滑膜コートを設けたほかは参考例2に準じて止水材を得た。
【0028】
比較例1
EPDM系フォームシートからなる厚さ5mmの発泡体層の片面に厚さ0.3mmのブチルゴム系粘着層を設けて止水材を得た。
【0029】
比較例2
発泡体層の他面に厚さ0.5mmのブチルゴム系粘着層を設けたほかは比較例1に準じて止水材を得た。
【0030】
比較例3
厚さ0.5mmのブチルゴム系粘着層の上に、ポリエステルフィルムをシリコーン系剥離剤で処理した厚さ0.03mmのセパレータを設けたほかは比較例2に準じて止水材を得た。
【0031】
評価試験
実施例、比較例で得た止水材を、その厚さ0.3mmのブチルゴム系粘着層を介してベニヤ板に接着した後、その上に外壁パネルを仮置きして若干の位置修正を行い、発泡体層の圧縮率が60%となるようにビス止めした。なお止水材は、ベニヤ板・外壁パネル間の全面接着とし、比較例3では外壁パネルの位置修正後、セパレータを剥離してビス止めした。また、外壁パネル仮置き時の発泡体層の圧縮率は50%であった。
【0032】
前記において、外壁パネル仮置き後における位置修正時の再分離性、その際の滑り性、位置修正の容易さ、発泡体層の変形等の異常発生性を調べた。また、得られたビス止め体の50mm静水圧における水シール性を、組立直後(初期物)及び80℃で7日間放置後(加熱物)のものについて調べた。
【0033】
前記の結果を次表に示した。
Figure 0003673030
【0034】
表より、実施例では位置修正時における部材の分離性や横滑り性等の移動性が良好で、止水材を異常変形させることなく容易に位置修正できると共に、組立後の水シール性にも優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】止水材例の断面図
【図2】他の止水材例の断面図
【図3】さらに他の止水材例の断面図
【図4】止水構造例の断面図
【図5】他の止水構造例の断面図
【図6】さらに他の止水構造例の断面図
【符号の説明】
6:止水材
1:易水溶層
2:発泡体層
3、4:粘着層
5:滑膜コート
7:下地材
8:外壁材
10:ガスケット
11:基礎
12:土台
13:フード

Claims (10)

  1. 少なくとも発泡体層と易水溶層を有してなり、その易水溶層が外表面に滑膜コートを有することを特徴とする止水材。
  2. 請求項1において発泡体層と易水溶層の間に粘着層を有する止水材。
  3. 請求項2において発泡体層の両面に粘着層を有する止水材。
  4. 請求項1〜3の一において発泡体層がEPDM系フォームからなる止水材。
  5. 請求項2〜4の一において粘着層がブチル系粘着剤からなる止水材。
  6. 請求項1〜5の一において滑膜コートが剥離剤からなる止水材。
  7. 請求項1〜6の一に記載の止水材を部材間に配置して水シール処理してなることを特徴とする止水構造。
  8. 請求項7において、部材間が外壁材の目地部における下地材と外壁材の間であり、止水材の易水溶層が外壁材側に配置された止水構造。
  9. 請求項7において、部材間が基礎と土台との間、若しくはその他の建築部材間、又は換気口における壁材とフードとの間、若しくはその他の開口部における開口形成材とそれへの取付け部材との間である止水構造。
  10. 請求項8に記載の止水構造における外壁材の目地にガスケットが装着されてなることを特徴とする目地構造。
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