JP3673036B2 - 止水材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、部材間への装着性やシール性能に優れて建築物の水シールなどに好適なシワを生じにくい止水材の製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
本発明者らが属するグループは、先に図1や図2に例示の如き発泡体層2と易水溶層1を有してなり、建築物用等の部材間に装着して水シールするようにした止水材を提案した(特願平8−149932号、同平8−244113号)。これは、易水溶層を介して装着時の部材への接着や部材との大きな摩擦力の発生を防止し、止水材の捩じれや位置狂い等の配置ミスなく容易に部材を位置合せできると共に、その易水溶層が浸入水を吸収して速やかに増粘状態となり、相手側部材の平滑や粗面の表面状態を問わずに隙間なく密着して止水効果を発現し、種々の部材間を高い信頼性で水シールできるようにしたものである。
【0003】
従って前記の止水材によれば、それまでの発泡体の片面に粘着層を付設しただけの止水材による、圧縮反発力を介して部材と接触する発泡体側の水シール力不足を克服することができる。また発泡体の両面に粘着層を付設した止水材による、一方の部材に対して他方の部材を位置合せする際に作業完了前に粘着層が他方の部材と接着し、それを剥がす際に止水材が一方の部材より剥がれて位置狂いしたり、接着したままの位置合せで止水材が捩じれたりする作業ミスの発生問題も克服することができる。
【0004】
さらに、発泡体の両面に付設した粘着層にセパレータを仮着した止水材による、部材の位置合せ後にセパレータを剥離除去する際における止水材の捩じれや、下地材との剥がれによる位置狂いなどの発生に基づく水シールの信頼性の低下問題も克服することができる。
【0005】
【発明の技術的課題】
本発明は、上記した少なくとも発泡体層と易水溶層を有する止水材において、折り曲げ等の外力でシワが生じにくく水シール処理のより信頼性に優れる止水材の製造方法の開発を課題とする。シワを有する止水材では、そのシワ部が特に初期時に浸水を許す場合がある。
【0006】
【課題の解決手段】
本発明は、発泡体層にフィルムのラミネート方式又は溶融押出し方式にて付設した易水溶層に液状化処理を施して予め密着処理することを特徴とする、少なくとも発泡体層と易水溶層を有してなる止水材の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、易水溶層の液状化処理で発泡体層との密着力に優れる止水材を得ることができると共に、処理後の易水溶層がシワ発生防止層として機能して、易水溶層と発泡体層の弾性の相違等に基づいて折り曲げ等の外力が作用したときに折りシワ等が発生することを防止することができる。従って、上記した本発明による止水材の特長を維持しつつ、より信頼性に優れる水シールを達成でき、また既成の部材間に詰め込み式で圧入する方式にてもより信頼性に優れる水シールを達成することができる。
【0008】
前記において、発生したシワが大きくて充分に回復せず、シワがあるままの状態で部材間に装着すると、易水溶層による浸入水の吸収に遅延がなくても、シワによる隙間部における止水効果の発現が遅れてその隙間より浸水する場合があり、特に最初の浸入水があった際における止水効果発現の応答速度が低下しやすい。従って易水溶層と発泡体層の良密着によるシワの発生防止により、かかる止水効果発現の遅延を防止することができる。
【0009】
【発明の実施形態】
本発明の製造方法は、少なくとも発泡体層と易水溶層を有する止水材において、発泡体層にフィルムのラミネート方式又は溶融押出し方式にて付設した易水溶層に液状化処理を施して予め密着処理したものを得るものである。その止水材の例を図1、図2に示した。1が易水溶層、2が発泡体層であり、3は粘着層、4は滑膜コート、5はセパレータである。図1では発泡体層と易水溶層の2層からなるタイプを例示しており、図2では発泡体層2と易水溶層1に加えて、粘着層3と滑膜コート4とセパレータ5を有するタイプを例示している。
【0010】
本発明による止水材は、少なくとも発泡体層と易水溶層を有して、その易水溶層が発泡体層にフィルムのラミネート方式又は溶融押出し方式にて付設後、液状化処理により予め密着処理されたものであればよい。易水溶層やその上に必要に応じて設けられる滑膜コート、あるいは外表面や易水溶層と発泡体層の間に必要に応じて設けられる粘着層は、発泡体層の片面又は両面に有していてよく、止水材の形態は、その適用場所や部材の表面状態などに応じて適宜に決定でき、易水溶層を止水目的箇所に配置する点を除いて従来に準じたものとすることができる。
【0011】
従って発泡体層の形成には適宜なものを用いうる。ちなみに発泡体層としては、例えばエチレン・プロピレン共重合体やエチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)等からなるポリオレフィン系フォームやウレタン系フォーム、シリコーン系フォームやアクリル系フォーム、ブチルゴム系フォームやSBR系フォーム、NR系フォームやNBR系フォーム、それらポリマーのブレンド系フォームなどからなるものがあげられる。就中、耐水性や軽量性などの点よりEPDM系フォームからなる発泡体が好ましく用いうる。
【0012】
発泡体層の厚さは、止水材の適用箇所や発泡倍率による圧縮性などに応じて適宜に決定しうる。一般には、100mm以下、就中0.1〜50mm、特に1〜30mmの厚さのものが用いられる。また発泡倍率は、2〜100倍、就中3〜50倍、特に5〜30倍のものが一般的である。発泡体層は、独立気泡構造又は連続気泡構造のいずれであってもよいが、水シール性の点よりは独立気泡構造が好ましい。なお連続気泡構造の場合には、遮水状態に圧縮配置する必要がある。
【0013】
易水溶層は、止水効果発現の使用目的に応じた水に対する応答速度などにより、例えばポリビニルアルコールやカルボキシメチルセルロースやポリエチレングリコールなどの如く、水に容易に溶解する適宜な材料にて形成することができる。従ってポリビニルアルコールの場合、高ケン化度である必要はなく、50〜70%程度の低ケン化度のものも用いうる。
【0014】
発泡体層上への易水溶層の付設は、フィルムのラミネート方式や溶融押出し方式で行うことができる。易水溶層の厚さは、水への溶解速度などに応じて適宜に決定しうるが、一般には500μm以下、就中5〜200μm、特に10〜100μmとされる。
【0015】
発泡体層に付設した易水溶層の密着処理は、液状化処理を介して行われるが、その液状化処理は、例えば溶剤による溶解処理方式や熱による溶融処理方式、それらの併用方式などの適宜な方式で行うことができる。溶解処理方式による溶剤としては、適宜なものを用いうるが、一般には水が好ましく用いうる。また溶融処理方式は、易水溶層の融点が50〜100℃程度の低温である場合に特に有効で、発泡体層等の他の構成層の特性を損なわない融点以上の温度や処理時間等で行うことが好ましい。
【0016】
発泡体層に付設した易水溶層の液状化処理により、発泡体層に馴染んだ微細な凹凸構造の形成などにより、曲げ等の外力で発泡体層と易水溶層とが剥がれにくい良密着状態とすることができると共に、シワが発生しにくい構造とすることができる。なお前記の液状化処理は、発泡体層に易水溶層を付設した後の適宜な段階で行うことができ、粘着層等の必要に応じて設けられる層の付設前後のいずれの段階でも行うことができる。
【0017】
必要に応じて設けられる粘着層は、適宜な耐水性の粘着性物質で形成でき、ゴム系やアクリル系、シリコーン系などの公知の耐水性粘着剤のいずれも用いうる。就中、水シール性などの点よりブチルゴム系粘着剤が好ましく用いうる。粘着層の厚さは、部材の表面粗さ等の止水材の適用個所などに応じて適宜に決定でき、一般には5mm以下、就中0.1〜3mm、特に0.2〜2mmとされる。
【0018】
粘着層は、塗布方式や押出成形方式、カレンダー成形方式などの適宜な方式で形成してよい。また発泡体層上への直接成形方式や、シート状粘着層の接着方式などの適宜な方式で発泡体層等の上にラミネートすることができる。その場合、両面粘着シートを用いて粘着層を形成してもよい。発泡体層の粘着層との接着面にはコロナ放電処理や火炎暴露などの適宜な接着力向上処理を施すことができる。なお図2に例示の如く、粘着層3の表面は実用に供するまでの間、必要に応じセパレータ5等を仮着して保護される。また粘着層には発泡体層と同様に、必要に応じて老化防止剤や充填剤などの適宜な添加剤を配合することができる。
【0019】
一方、易水溶層の外表面に対しては必要に応じて、図2に例示の如く滑膜コート4を設けることもできる。滑膜コートは、易水溶層と部材との接触抵抗を低くして滑りやすくし、施工性の向上を図ることを目的とする。滑膜コートの形成には、例えば長鎖アルキル系やシリコーン系やフッ素系等の適宜な剥離剤などが用いられる。剥離剤からなる滑膜コートの場合には、発泡体層の反対側に粘着面が露出した粘着層を有するときに、当該滑膜コートの離型性を利用してロール状に巻回したり、重ね置きすることができ、巻戻し等を容易とするために露出粘着面をセパレータで仮着被覆する必要を回避することができる。
【0020】
滑膜コートの形成は、易水溶層上に形成材を塗布する方式などの適宜な方式で行うことができ、滑膜コートを付与した易水溶性フィルムとして粘着層上にラミネートする方式などににても止水材を形成することができる。滑膜コートの厚さは、100μm以下、就中1〜50μmが一般的であるが、易水溶層の水溶性を阻害しない範囲で適宜に決定してよい。
【0021】
本発明方法による止水材は、適用個所の全面に接着することを目的としたシートや、適用個所に部分的に接着することを目的とした所定幅のテープなどの適宜な形態で使用することができる。また止水材は、それを適宜な部材間に配置して水シールの信頼性に優れる止水構造を容易に形成することができる。その適用対象の部材間については特に限定はなく、例えば建築部材間や換気口等の開口部における開口形成材とそれへの取付け部材間、あるいは屋根板と屋根瓦等の間(屋根下地材)、サッシやドアとその枠等の間、室内におけるシンク等の台所用品や洗面化粧台、浴槽等の衛生用品とその支持部材の間などの水シール処理を要する適宜な箇所に好ましく用いることができる。
【0022】
【実施例】
実施例1
EPDM系フォームシートからなる厚さ10mmの発泡体層の片面に、ポリエチレングリコール(融点60℃)を溶融押出して厚さ0.03mmの易水溶層を形成した後、発泡体層の他面に厚さ0.3mmのアクリル系粘着層とセパレータを設けてシート体を得た後、その易水溶層上に水を100g/m2の割合で均一噴霧して液状化処理し、ついで乾燥処理して止水材を得た。
【0023】
実施例2
易水溶層の液状化処理を、易水溶層形成後に75℃のオーブン中に10分間入れて行い、その後に粘着層等を付設したほかは実施例1に準じて止水材を得た。
【0024】
比較例1
易水溶層の液状化処理を施さないほかは実施例1に準じて止水材を得た。
【0025】
比較例2
易水溶層の液状化処理を施さないほかは実施例2に準じて止水材を得た。
【0026】
評価試験
実施例、比較例で得た止水材に5回の折り曲げ処理を加えた後、その粘着層を介してベニヤ板に全面接着し、その上に外壁パネルを置いて発泡体層が所定の圧縮率となるようにビス止めし、その発泡体層の圧縮率を種々変えた場合のビス止め体の50mm静水圧における水シール性を調べた。
【0027】
前記の結果を次表に示した。
【0028】
なお表中、良好は24時間経過以上漏水なし、不良は24時間経過未満に漏水ありを意味する。また参考例は、比較例1の止水材に折り曲げ処理を加えないで適用した場合である。表より、実施例では折り曲げによる異常変形を発生せず、易水溶層がその機能を良好に維持して水シール性を低下しないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】止水材例の断面図
【図2】他の止水材例の断面図
【符号の説明】
1:易水溶層
2:発泡体層
3:粘着層
4:滑膜コート
Claims (2)
- 発泡体層にフィルムのラミネート方式又は溶融押出し方式にて付設した易水溶層に液状化処理を施して予め密着処理することを特徴とする、少なくとも発泡体層と易水溶層を有してなる止水材の製造方法。
- 請求項1において、易水溶層の液状化処理を溶剤による溶解処理方式、又は熱による溶融処理方式で行い、止水材が粘着層を有するものである製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28743796A JP3673036B2 (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | 止水材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28743796A JP3673036B2 (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | 止水材の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10115016A JPH10115016A (ja) | 1998-05-06 |
| JP3673036B2 true JP3673036B2 (ja) | 2005-07-20 |
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|---|---|---|---|
| JP28743796A Expired - Fee Related JP3673036B2 (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | 止水材の製造方法 |
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| JP (1) | JP3673036B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20220000516A (ko) * | 2020-06-26 | 2022-01-04 | 박희정 | 발파공 가이드 |
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1996
- 1996-10-09 JP JP28743796A patent/JP3673036B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| KR20220000516A (ko) * | 2020-06-26 | 2022-01-04 | 박희정 | 발파공 가이드 |
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| JPH10115016A (ja) | 1998-05-06 |
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