JP3673760B2 - 電子部品の製造に使用される工程剥離紙用原紙及び工程剥離紙 - Google Patents

電子部品の製造に使用される工程剥離紙用原紙及び工程剥離紙 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剥離紙に関するものであり、特に各種電子部品の製造に使用される工程剥離紙に用いられる耐熱性剥離紙用原紙及び耐熱性剥離紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、シール、ステッカー、ラベル製品等の需要の増加に伴い、これらの粘着加工物の粘着剤に貼り合わせて用いられる剥離紙の需要も高まり、その品質要求も難しくなってきている。
この種の剥離紙としては、支持体となる紙の片面若しくは両面にポリエチレン等のフィルムをラミネートし、そのフィルム上に剥離性シリコーン樹脂等の剥離剤を塗布したいわゆるラミネートタイプの剥離紙が一般に使用されている。このような構成の剥離紙では、剥離剤を塗布する際の支持体への浸透を防止して、少ない塗布量で良好な剥離性を付与することが出来る利点を有するものである。
【0003】
ところで、近時パソコンや各種の家庭電化製品を始めとする多種多様の電子機器に組み込まれる電子部品の製造において、電子デバイスの導線固定工程では通常鉛を用いたハンダが使用されているが、この鉛は人体への影響や、環境汚染を防止するなどの環境問題の見地から鉛を使用しない材料が使用されてきている。
このような材料はハンダより高温で加熱溶融する必要があるため、半導体チップの固定のために剥離紙を積層した粘着剤層をデバイス基盤に貼りつけた状態で導線固定工程を260℃前後の加熱条件で行われることになる。しかしながら、紙は一般的には150℃以下の温度で使用されるもので、260℃という高温の処理に使用すると、剥離紙の変形や、強度の劣化が大きく進んで剥離紙を除去するとき剥離不良等の問題を生じて、耐熱性に問題を有するものであった。また、高温多湿の条件でも剥離紙としての特性を損なわないことが求められており、環境変化に於いても形状が損なわれず、カール発生等が起こらないことが要求され、従って、優れた耐熱性と寸法安定性を兼ね備えた剥離紙が望まれている。
【0004】
従来の剥離紙について説明すれば、剥離に塗工するシリコーンは高価であるので、その使用量を減らすために、目止めを行うが大別すると、以下の3種の方法により行われている。
(1)ダイレクトシリコーンタイプ・・・高叩解処理を施した基紙にサイズプレス等の塗工設備により、ポリビニルアルコール等のバリア材料を塗工した原紙に、直接シリコーンを塗工する剥離紙。
(2)ラミタイプ・・・抄紙機で抄いた原紙にラミ加工を施してシリコーンを塗工する剥離紙。
(3)塗工タイプ・・・抄紙機で抄いた原紙に顔料とバインダー或いはバインダーのみからなる塗工液を塗工し、シリコーンを塗工する剥離紙。
【0005】
(1)ダイレクトシリコーンタイプは、加熱前及び加熱後の強度(引裂強さ、引張強さ、層間剥離強さ、破裂強さ、表面強さ等)は強いが、シリコーンを直接塗布するためのバリア層を形成するため、高叩解処理を施さなければならず、寸法安定性が非常に悪い。
(2)ラミタイプは、原紙の特性により、加熱前の強度(引裂強さ、引張強さ、層間剥離強さ、破裂強さ、表面強さ等)は強くできるが、ラミ加工であるために加熱後は剥離紙としての特性を失う。寸法安定性は非常に良い。環境問題に難あり。
(3)塗工タイプは、基本的に剥離紙用原紙は従来からの酸性紙が多く使用されており、耐熱性が考慮されていないので加熱後の強度は弱いものしか存在しない。また、剥離紙用原紙の表面は、後工程のシリコーン塗工、粘着剤塗工時の塗工のし易さ、テープとしての面性を考慮して叩解処理を施さなければならず、寸法安定性が悪くなる傾向があり、更に平滑性を考慮して広葉樹パルプの比率を多くするために、加熱後の引裂強さは弱くなる傾向があった。
【0006】
すなわち、従来のこの種の剥離紙を構成するポリエチレン等のラミネート用樹脂は耐熱性が低いために、加熱によりラミネート層が歪み、剥離紙がカールしたり変形するという問題や、耐熱性の低い従来のラミネート層が溶融破壊され、その表面に形成されているシリコーン樹脂等からなる剥離層も破壊されるという問題が生じる。
又、基紙に必要に応じ樹脂を主成分としたバリア層を設けてシリコーン樹脂を塗布して剥離層を形成したいわゆるダイレクトシリコーンタイプの剥離紙は、少ないシリコーン樹脂で平滑な剥離層を設けるために、高叩解処理したパルプを使用して基紙が製造されることから、寸法安定性が悪く、加熱等による変形の問題がある。
従って、加熱による強度劣化が少なく、変形も生じ難いという優れた耐熱性と、環境変化にも十分耐えられる良好な寸法安定性とを有する剥離紙が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる状況に鑑みて、耐熱性があり、一般用に使用し得ることは勿論電子部品の製造時の加熱処理後も所定の強度を保ち、かつ高温多湿等種々の環境に於いて形状安定性があり、カール等を生じない特性すなわち寸法安定性を有する耐熱性剥離紙用原紙及び耐熱性剥離紙を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために鋭意検討の結果なされたもので、その概要は以下に記載のとおりである。
請求項1の発明は、針葉樹パルプもしくはこれと広葉樹パルプから構成され、カナダ標準ろ水度で300ml以上に叩解された多孔質繊維を主成分とし、少なくとも中性サイズ剤からなる内添サイズ剤を添加してなる基紙に、顔料とバインダーからなる混合液或いはバインダーのみからなる混合液を、少なくとも片面に一層以上塗工して形成される塗工層を有し、加熱直後の引裂強さの加熱保持率が25%以上であり、更に、加熱後の飽和保持率が50%以上であり、かつ、幅方向の伸縮率が1.2%以下であることを特徴とする電子部品の製造に使用される工程剥離紙用原紙である。
但し、測定方法は下記に記載のとおりである。
加熱直後の引裂強さの加熱保持率:
280℃で40秒間加熱した後、23℃,50%RHに1分間放置後に測定した引 裂強さを、加熱前の引裂強さで割って、百分率で表す。
加熱後の飽和保持率:
280℃で40秒間加熱した後、23℃,50%RHに20分間放置後に測定した 引裂強さを、加熱前の引裂強さで割って、百分率で表す。
また、請求項2の発明は、針葉樹パルプもしくはこれと広葉樹パルプから構成され、カナダ標準ろ水度で300ml以上に叩解された多孔質繊維を主成分とし、少なくとも中性サイズ剤からなる内添サイズ剤を添加してなる基紙に、顔料とバインダーからなる混合液或いはバインダーのみからなる混合液を、少なくとも片面に一層以上塗工して形成される塗工層を有し、該塗工層上に剥離層が形成されてなる剥離紙であって、加熱直後の引裂強さの加熱保持率が25%以上であり、更に、加熱後の飽和保持率が50%以上であり、かつ、幅方向の伸縮率が1.2%以下であることを特徴とする電子部品の製造に使用される工程剥離紙である。
但し、測定方法は下記に記載のとおりである。
加熱直後の引裂強さの加熱保持率:
280℃で40秒間加熱した後、23℃,50%RHに1分間放置後に測定した引 裂強さを、加熱前の引裂強さで割って、百分率で表す。
加熱後の飽和保持率:
280℃で40秒間加熱した後、23℃,50%RHに20分間放置後に測定した 引裂強さを、加熱前の引裂強さで割って、百分率で表す。
【0009】
このような構成の剥離紙は、伸縮率が高温多湿や低温低湿等の様々な条件での使用に際して、剥離テープとしての形状や剥離除去するときの強度を損なわないことや、カール等が生じない寸法安定性が良いことが必要であり、又、高温条件下での使用に際して、剥離紙は変形や破壊等の問題を生じない優れた耐熱性が必要であり、これらの特性を満足するために紙の引裂強さに着目してその加熱前後の強度保持率を特定の範囲となるように剥離紙用原紙及び剥離紙の特性をコントロールしたことにより達成できたものである。
【0010】
上記剥離紙用原紙及び剥離紙の加熱直後の引裂強さ(JIS P8116)は流れ方向、幅方向の少なくともいずれかが加熱前の引裂強さに対して25%以上の加熱保持率を有し、更に、加熱後の強度は多少劣化してもその後の剥離紙を除去する等の操作に於いて破れない特性であれば問題がないことから、加熱前の引裂強さの50%以上の飽和保持率を有するように調整することによって、上記の問題を解決したものである。
【0011】
かかる保持率の現象は定かではないが、加熱による塗布層の破壊や、繊維の劣化や水分の揮発によって引裂強さが低下し、その後吸湿によって繊維が柔軟になり、繊維間の摩擦係数の増加により引裂強さが上昇しているものと思われる。
また、剥離紙用原紙及び剥離紙に於いては、紙の幅方向の伸縮率が伸び率及び縮み率の両方共に1.2%以下であることが必要で、かかる特性により高温や温度変化に対しても変形やカール等の問題を生じることのない優れた特性が達成される。
【0012】
ここに上記の特性を得るための技術手段を説明する。
引裂強さの保持率が高くなるようにコントロールするには、例えば、パルプ繊維自体の強度は重要であり、長繊維で繊維同士の絡み易いパルプが選択して用いられるが、パルプに含有されている不純物の影響も大きく、十分に洗浄されたパルプを使用することが好ましい。更に、添加薬品としては、抄紙した紙をできるだけ中性に近くなるように使用されることが重要であり、例えば、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸等の中性サイズ剤を使用することが好ましく、通常ロジン系サイズ剤等と共に用いられている硫酸バンドを使用することは好ましくない。
【0013】
また、寸法安定性を向上するためには、例えば、パルプの叩解処理を低く抑え、具体的にはカナダ標準ろ水度で300ml以上となるように叩解条件をコントロールし、かかるパルプを使用することによる平滑度の低下は、プレス、乾燥、カレンダー処理の各条件を適宜調整して平滑性の向上を図ると共に、塗工層の組成、塗工条件、塗工後のカレンダー処理などにより、粘着剤塗工時の発泡やパンクの問題を生じないレベルの剥離層表面の平滑度を得るものである。
すなわち、従来の剥離紙は粘着加工のために叩解度を高くして平滑性を重視して製造されていたが、本発明においては従来の剥離紙や一般紙(上質紙)では行われていないレベルの低い叩解条件(叩解度が小さい)を採用し、これに基づいて耐熱性と寸法安定性とを共に満足するべく検討した結果、引裂強さと伸縮率を所定の値にコントロールすることにより達成されることを見出したものである。
【0014】
次に本発明で用いられる材料について説明する。
基紙は、多孔質繊維として木材パルプを主成分とするクラフト紙、上質紙等の各種の紙が用いられる。そのパルプ配合は針葉樹パルプを配合するのが好ましく、より好ましくは40%〜70%配合である。なお、広葉樹パルプ、非木材パルプ、内添填料、合成繊維等適宜混合抄造することができる。
ここに、用いられる針葉樹パルプとしては、晒パルプ、未晒パルプいずれでもよく、少なくとも70%以上は針葉樹を原料としてパルプ化されたものを指す。パルプの平均繊維長は0.1mm以上である。
【0015】
これに内添されるサイズ剤は特に限定されないが、優れた引裂強さの保持率が得られることから中性サイズ剤が好ましい。中性サイズ剤とは、剥離紙のpH(JIS P8133)が6以上でサイズ効果が発現するサイズ剤のことであり、例えばアルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸、アルケニル琥珀酸、中性ロジンエマルジョン、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ワックス等の中から適宜選択使用できる。具体的には荒川化学社製商品名サイズパインK−287、日本PMC株式会社製商品名AS−211を代表的なものとして挙げることができる。基紙のステキヒトサイズ度(JIS P8122)としては良好な塗工性が得られ、又、本発明における保持率を達成する上で、3秒以上、特に10〜200秒であることが好ましい。
【0016】
ここに、基紙を構成するパルプの叩解度はJIS P8121に規定されるカナダ標準ろ水度試験方法で300ml以上であり、好ましくは400ml〜600mlである。そしてそのときの幅方向の伸縮率は1.2%以下、好ましくは1.0%以下である。
【0017】
また、上記の基紙はカレンダー、ソフトカレンダー等の処理により平滑性を付与するが、その平滑度(JIS P8119)は10秒以上であり、好ましくは15秒から50秒である。
【0018】
基紙は通常使用されているサイズ剤と定着剤である硫酸バンドを添加してもよいが、硫酸バンドは添加せずにサイズ剤のみを内添することが本発明における飽和保持率を達成する上で好ましい。その他必要に応じて、染料、紙力剤、湿潤紙力増強剤、耐水化剤、架橋剤、電位調整剤等公知の内添剤を添加することができる。
【0019】
上記基紙はサイズプレス、ゲートロール、シムサイザー、フィルムプレス、メイヤーバー等一般的に抄紙機に付随する塗工機で、その使用目的に応じて澱粉、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジエン共重合樹脂等公知のバインダーを1種あるいは2種以上組み合わせて塗工することができる。又、顔料としてクレー、カオリン、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン等公知の顔料を1種以上、上記バインダーと混合して混合液として塗工できる。更に、この混合液にも適宜耐水化剤、撥水剤、サイズ剤等を添加できる。
【0020】
又、上記基紙は一般的な通常抄紙であり、プレス圧、乾燥温度、カレンダー圧、抄造速度等により、好ましい平滑度や脱水状態のものとすることができる。
【0021】
本発明に於いて、塗工層に使用される顔料としては、クレー、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、珪酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、リトポン、サチンホワイト、合成ゼオライト等の公知の顔料の中から適宜選択使用できる。又、バインダーとしては、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、その他ビニル系樹脂、アミド系樹脂、酸化澱粉、カゼイン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、クマロン−インデン樹脂、ブチラール系樹脂等を単独或いはこれらの2種以上を組合わせて使用することができる。
【0022】
本発明に於いて、塗工層は少なくとも1層が4〜15g/m2塗工されて形成される層であり、好ましくは8〜13g/m2塗工されて形成される。
【0023】
塗工液は、ロールコーティング法、ブレードコーティング法、スプレーコーティング法、エアナフコーティング法、ロッドバーコーティング法等の方法によって塗工されるが、サイズプレス、ゲートロール、シムサイザー、フィルムプレス等の抄紙機に備え付けられる塗工設備でも塗工することが出来る。この塗工液には適宜耐水化剤、硬化剤、架橋剤等を添加することができる。
【0024】
また、本発明に於ける剥離層は、前記塗工層上に設けられるもので、剥離紙に従来から使用されているシリコーン系の剥離剤を、塗布・乾燥することによって設けることができるが、これに限定されることなく、剥離性を有するものであれば剥離層に適宜用いることができ、所望の剥離性が得られるものであれば、特に組成、厚さ等に限定されるものではない。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明について、具体例を挙げて説明する。
ここに部とあるは重量部を示し、%は重量%を示す。
【0026】
実施例1
CSFが450mlに叩解された針葉樹パルプ(NBKP)100%のスラリーに内添剤として中性サイズ剤(荒川化学社製、商品名サイズパインK−287)を固形分布量で対パルプ0.15%添加し、サイズプレスにより酸化澱粉(日本コーンスターチ社製,商品名SK−20)を塗工した基紙に下記配合の混合液を両面に塗工・乾燥して塗工層を形成した。
Figure 0003673760
次に、該塗工層の片面に下記塗工液を塗工し、カレンダー掛けを施して、本発明の剥離紙用原紙を作製した。
Figure 0003673760
【0027】
実施例2
CSFが500mlに叩解された針葉樹パルプ(NBKP)と広葉樹パルプ(LBKP)とを70:30の重量比で配合してスラリーを形成し、これに内添剤として中性サイズ剤(日本PMC社製、商品名AS−211)を固形分重量で対パルプ0.20%添加し、乾燥紙力剤(ハリマ化成株式会社製、商品名ハーマイド−10)を0.5%添加し、サイズプレスにより酸化澱粉(日本コーンスターチ社製、商品名SK−20)を塗工した基紙に、実施例1に記載した混合液を両面に塗工し、カレンダー掛けを行い、本発明の剥離紙用原紙を作製した。
【0028】
実施例3
CSFが430mlに叩解された針葉樹パルプ(NBKP)と広葉樹パルプ(LBKP)とを50:50の重量比で配合してスラリーを形成し、これに内添サイズ剤として中性サイズ剤(星光化学工業社製、商品名コロバールZ−100−S)を固形分重量で対パルプ0.15%添加し、サイズプレスにより酸化澱粉(日本コーンスターチ社製商品名SK−20)を塗工した基紙に、実施例1に記載した混合液を両面に塗工し、カレンダー掛けを行い、本発明の剥離紙用原紙を作製した。
【0029】
実施例4
CSFが500mlに叩解された針葉樹パルプ(NBKP)と広葉樹パルプ(LBKP)とを30:70の重量比で配合してスラリーを形成し、これに内添サイズ剤として中性サイズ剤(荒川化学工業社製、商品名サイズパインNT−85)を固形分重量で対パルプ0.40%と、乾燥紙力増強剤(日本PMC社製、商品名DS−412)を0.5%添加し、更に、湿潤紙力増強剤として(昭和高分子株式会社製、商品名ポリフィックス301)を0.3%添加し、硫酸バンド0.1%を添加して定着し、サイズプレスにより酸化澱粉(日本コーンスターチ社製、商品名SK−20)を塗工した基紙に実施例1に記載した混合液を両面に塗工し、カレンダー掛けを行い、本発明の剥離紙用原紙を作製した。
【0030】
実施例5
CSFが450mlに叩解された針葉樹パルプ(NBKP)と広葉樹パルプ(LBKP)とを90:10の重量比で配合してスラリーを形成し、これに内添サイズ剤として中性サイズ剤(荒川化学工業社製、商品名サイズパインK−287)を固形分重量で対パルプ0.10%添加して定着し、サイズプレスにより酸化澱粉(日本コーンスターチ社製、商品名SK−20)を塗工した基紙に、実施例1に記載した混合液を両面に塗工し、カレンダー掛けを行い、本発明の剥離紙用原紙を作製した。
【0031】
実施例6
CSFが400mlに叩解された針葉樹パルプ(NBKP)と広葉樹パルプ(LBKP)と、炭酸カルシウム(多摩工業社製、商品名TP−121)とを50:40:10の比率で混合してなるスラリーに、内添サイズ剤として中性サイズ剤(荒川化学工業社製、商品名サイズパインK−287)を固形分重量で対パルプ0.10%添加して定着し、サイズプレスにより酸化澱粉(日本コーンスターチ社製、商品名SK−20)を塗工した基紙に、実施例1に記載した混合液を両面に塗工し、カレンダー掛けを行い、本発明の剥離紙用原紙を作製した。
【0032】
実施例7
CSFが350mlに叩解された針葉樹パルプ(NBKP)と広葉樹パルプ(LBKP)とを50:50の比率で混合してなるスラリーに、内添サイズ剤として中性サイズ剤(荒川化学工業社製、商品名サイズパインK−287)を固形分重量で対パルプ0.10%添加した基紙に、下記塗工液を塗工し、乾燥させ、カレンダー掛けを行い、本発明の剥離紙用原紙を作製した。
Figure 0003673760
【0033】
比較例1
CSFが400mlに叩解された針葉樹パルプ(NBKP)と広葉樹パルプ(LBKP)とを30:70の重量比で配合してスラリーを形成し、内添サイズ剤(荒川化学工業社製、商品名サイズパインE)を固形分重量で対パルプ0.30%添加し、硫酸バンドを3%添加して定着し、紙力剤(ハリマ化成社製、商品名ハーマイドC−10)を0.3%添加し、サイズプレスにより酸化澱粉(日本コーンスターチ社製、SK−20)を塗工した基紙に実施例1の混合液を両面に塗工し、カレンダー掛けを行い、比較用の剥離紙用原紙を作製した。
【0034】
比較例2
CSFが150mlに叩解された針葉樹パルプ(NBKP)と広葉樹パルプ(LBKP)とを70:30の重量比で配合してスラリーを形成し、内添サイズ剤として中性サイズ剤(荒川化学工業社製、商品名サイズパインK−287)を固形分重量で対パルプ0.10%添加し、サイズプレスにより酸化澱粉(日本コーンスターチ社製、商品名SK−20)を塗工し、乾燥させ、カレンダー掛けを行い、比較用の剥離紙用原紙を作製した。
【0035】
比較例3
CSFが150mlに叩解された針葉樹パルプ(NBKP)と広葉樹パルプ(LBKP)とを60:40の重量比で配合してスラリーを形成し、これを抄造し、サイズプレスによりポリビニルアルコール水溶液(日本合成化学社製、商品名ゴーセナールT−330,固形分5.5%)を塗工した後、スーパーカレンダー掛けを施して、比較用の剥離紙用原紙を作製した。
【0036】
上記の実施例及び比較例の各試料について、加熱後の引裂強さ、寸法安定性、加熱後の引裂強さの経時による飽和保持率を測定し、算出した。こられの評価結果と剥離紙用原紙の特性は表1に、基紙の特性は表2に示すとおりである。
但し、測定値は23℃、湿度50%の環境下で測定した値である。
【0037】
さらに、上記の実施例及び比較例で作製した剥離用原紙の塗工層上に、下記組成よりなる剥離層用塗料を塗布し、乾燥・硬化させて厚さ0.1μmの剥離層を設けて、剥離紙を作製した。
Figure 0003673760
上記で作製された各剥離紙について、引裂強さ、加熱直後の引裂強さ、加熱放置後の引裂強さ及び伸縮率を測定し、また、保持率を算出した。これらの評価結果は、表3に示すとおりである。
【0038】
次に評価方法について説明する。
(1)加熱保持率
加熱直後の引裂強さは、280℃に加熱した乾燥機に40秒間入れた後、23℃,50%RHの環境に取り出し、1分後に引裂強さを測定し、該測定値を加熱前の引裂強さ(JIS P8116)の値で割って、百分率(%)で表した。
(2)飽和保持率
上記と同様に加熱した後、乾燥機から取り出し、20分間放置した後に引裂強さを測定し、該測定値を加熱前の引裂強さの値で割って、百分率(%)で表した。
【0039】
(3)伸縮率(寸法安定性)
伸縮率は伸び率と縮み率を表したものであり、試料を110℃に10分間いれたときの長さ(L110)から高湿条件( 30℃,80%,24時間)に移行したときの長さ(L30) を引いた絶対値を、(L110)で割り、百分率で表したものを伸び率とした。逆に高湿条件(30℃,80%,24時間)の長さ(L30) から110℃に10分間いれたときの長さ(L110)を引いた絶対値を、(L30) で割り、百分率で表したものを縮み率とした。
すなわち、伸び率:( L110−L30)/L110
縮み率:( L30−L110)/ L30
【0040】
【表1】
Figure 0003673760
【0041】
【表2】
Figure 0003673760
【0042】
【表3】
Figure 0003673760
【0043】
本発明の剥離紙用原紙及び剥離紙は、上記比較試験から明らかなように、引裂強さ、加熱後の引裂強さ、加熱後20分経過後の引裂強さは、流れ方向、幅方向のいずれも優れており、伸縮率も1%未満であり、平滑度も優れ、pHもほぼ中性であり、引張強さ、層間剥離強さにも優れていることが判る。
【0044】
【発明の効果】
本発明の剥離紙は、従来の剥離紙では使用できなかった200℃以上に加熱処理されるような工程にも十分に耐えられる優れた特性を有し、工程剥離紙や一般の剥離紙として耐熱性が要求される用途に広く応用することができる。特に、電子部品の製造工程用の剥離紙として、優れた耐熱性と寸法安定性が達成され、生産性の向上、耐環境安定性に於いて顕著な効果が得られる。

Claims (2)

  1. 針葉樹パルプもしくはこれと広葉樹パルプから構成され、カナダ標準ろ水度で300ml以上に叩解された多孔質繊維を主成分とし、少なくとも中性サイズ剤からなる内添サイズ剤を添加してなる基紙に、顔料とバインダーからなる混合液或いはバインダーのみからなる混合液を、少なくとも片面に一層以上塗工して形成される塗工層を有し、加熱直後の引裂強さの加熱保持率が25%以上であり、更に、加熱後の飽和保持率が50%以上であり、かつ、幅方向の伸縮率が1.2%以下であることを特徴とする電子部品の製造に使用される工程剥離紙用原紙。
    但し、測定方法は下記に記載のとおりである。
    加熱直後の引裂強さの加熱保持率:
    280℃で40秒間加熱した後、23℃,50%RHに1分間放置後に測定した引 裂強さを、加熱前の引裂強さで割って、百分率で表す。
    加熱後の飽和保持率:
    280℃で40秒間加熱した後、23℃,50%RHに20分間放置後に測定した 引裂強さを、加熱前の引裂強さで割って、百分率で表す。
  2. 針葉樹パルプもしくはこれと広葉樹パルプから構成され、カナダ標準ろ水度で300ml以上に叩解された多孔質繊維を主成分とし、少なくとも中性サイズ剤からなる内添サイズ剤を添加してなる基紙に、顔料とバインダーからなる混合液或いはバインダーのみからなる混合液を、少なくとも片面に一層以上塗工して形成される塗工層を有し、該塗工層上に剥離層が形成されてなる剥離紙であって、加熱直後の引裂強さの加熱保持率が25%以上であり、更に、加熱後の飽和保持率が50%以上であり、かつ、幅方向の伸縮率が1.2%以下であることを特徴とする電子部品の製造に使用される工程剥離紙。
    但し、測定方法は下記に記載のとおりである。
    加熱直後の引裂強さの加熱保持率:
    280℃で40秒間加熱した後、23℃,50%RHに1分間放置後に測定した引 裂強さを、加熱前の引裂強さで割って、百分率で表す。
    加熱後の飽和保持率:
    280℃で40秒間加熱した後、23℃,50%RHに20分間放置後に測定した 引裂強さを、加熱前の引裂強さで割って、百分率で表す。
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