JP3674448B2 - 信号入力回路及び信号入出力装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は信号入力回路及びこの信号入力回路を有する信号入出力装置に関わり、特に、入力される電流信号を素早く電圧信号に変換する信号入力回路、及びPWM信号などのパルス幅が管理されるパルス信号の受け渡しを正確に電流信号によって行う信号入出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車には、複数の電子コントロールユニット(Electronic Control Unit:ECU)が組み込まれている。これらのECUは、互いにパルス信号の受け渡しを行っている。このパルス信号の受け渡しを電圧信号で行った場合、ECU間の接地電位(GND)レベルの違いにより、信号レベルの誤判定が生じてしまう惧れがある。この誤判定を防止するため、信号の受け渡しを電流信号で行う方法を用いている。代表例として、信号出力側ECUはオープンコレクタ型のトランジスタを有し、信号入力側ECUはプルアップ抵抗を有する形式が挙げられる。
【0003】
信号出力側ECUが有するトランジスタは、信号出力側ECUの信号出力端子に接続されたコレクタ電極と、信号出力側ECUのGNDに接続されたエミッタ電極と、パルス信号が入力されるベース電極とを有するnpnトランジスタである。パルス信号がH(ハイ)レベルの時、トランジスタがオンして、信号出力端子から電流信号が流入する。パルス信号がL(ロー)レベルの時、トランジスタがオフして、電流信号が流入しない。信号出力端子は、ワイヤハーネス(信号線)を介して信号入力側ECUの信号入力端子に接続されている。
【0004】
一方、信号入力側ECUのプルアップ抵抗は、信号入力端子と信号入力側ECUの電源電位(Vcc)との間に接続されている。信号入力端子から電流信号が流出するとき、電流信号はプルアップ抵抗を流れる。プルアップ抵抗に電流信号が流れることで、信号入力側ECUの入力信号端子の電位は、電源電位レベルからGNDレベルへ降下する。また、信号入力端子から電流信号が流出しないとき、プルアップ抵抗に電流信号が流れず、入力信号端子の電圧は電源電位レベルである。
【0005】
このように、信号出力側ECUに入力されるパルス信号がHレベルの時、信号入力側ECUの信号入力端子の電位はGNDレベルとなり、パルス信号がLレベルの時、信号入力端子の電位は電源電位レベルとなる。つまり、GNDレベルをLレベル、電源電位レベルをHレベルと仮定すると、電流信号を信号入力端子の電圧信号に反転変換することができることになる。信号入力側ECUは信号入力端子の電圧が入力されるインバータ回路をさらに有することで、信号出力側に入力されるパルス信号と同じパルス信号がインバータ回路から出力される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
信号出力側ECUのトランジスタがオフ状態からオン状態に変化したとき、トランジスタの電流シンク能力が十分であれば、信号入力側ECUのプルアップ抵抗の抵抗値の大きさに係わらず、素早く電流信号の印加(流入・流出)が開始される。したがって、電流信号は素早くプルアップ抵抗を流れるため、パルス信号に遅れることなく、信号入力端子の電位はHレベルからLレベルに変位する。
【0007】
これに対して、信号出力側ECUのトランジスタがオン状態からオフ状態に変化したとき、電流信号の印加はパルス信号に遅れることなく停止する。しかし、プルアップ抵抗を流れる電流信号は、プルアップ抵抗の抵抗値と、ワイヤハーネスが有する線間容量等とで決まる時定数を持って減少する。つまり、プルアップ抵抗を流れる電流信号は、流れ始めの時のように素早く停止しない。この結果、信号入力端子の電位はLレベルからこの時定数を持ってHレベルに変化するため、インバータ回路を介して出力されるパルス信号は、信号出力側ECUに入力されるパルス信号に対して遅延してHレベルからLレベルに変化する。
【0008】
このように、複数のECU間の電流信号を介したパルス信号伝達において、出力パルス信号は入力パルス信号に対して、片方のエッジ(立ち下がり)のみ信号遅延が生じることになり、入力パルス信号に対する出力パルス信号のパルス幅が変化してしまう。PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号などのパルス幅が管理されるパルス信号の伝達時に、誤判定が生じる惧れがある。
【0009】
また、この信号遅延を小さくするために、プルアップ抵抗の抵抗値を小さくして時定数を小さくした場合、プルアップ抵抗に流れる電流量が増加し、信号入力側ECUの消費電流の増大に繋がる。
【0010】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するために成されたものであり、その目的は、信号遅延時間を短縮し、且つ消費電流の増加を抑えた信号入力回路を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、入力される電流信号と変換される電圧信号との間でパルス幅の変化が小さい信号入力回路を提供することである。
【0012】
本発明の更に他の目的は、電流信号の印加が停止した後、信号入力端子の電圧信号が所定の変化率で変化している間、信号入力端子に対して所定の電流を印加する信号入力回路を提供することである。
【0013】
本発明の更に他の目的には、パルス幅の変化が小さい電流信号を介したパルス信号伝達が可能な信号入出力装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、入力された電流信号を電圧信号に変換する信号入力回路であって、電流信号が入力される入力信号端子と、第1の電位と入力信号端子との間に接続され、電流信号の印加が有る時に電流信号が流れることで、電流信号を入力信号端子の電圧信号に変換する変換抵抗と、電流信号の印加が停止した後、入力信号端子の電圧信号が第1の電位に向けて所定の変化率で変化している期間の少なくとも一部分においてオン状態となる第1のスイッチング素子を有する微分回路と、第1のスイッチング素子がオン状態である期間、入力信号端子に対して所定の電流を印加する定電流回路とを有する信号入力回路であることである。
【0015】
ここで、変換抵抗が接続された第1の電位は、電流信号の印加が有る時に、変換抵抗に電流信号を流すための電位である。即ち、電流信号の印加が無い時、変換抵抗に電流は流れないので、入力信号端子の電位は「第1の電位」となる。一方、電流信号の印加が有る時、変換抵抗に電流信号が流れて電圧降下が生じるため、入力信号端子の電位は第1の電位とは異なる電位(以後、「第2の電位」という)となる。このようにして、電流信号の印加の有無を入力信号端子の電圧信号に変換することができる。具体的に、信号入力回路が接地電位と電源電位の1電源系の回路であり「第1の電位」が電源電位であれば、「第2の電位」は接地電位である。逆に、「第1の電位」が接地電位であれば、「第2の電位」は電源電位である。また、「電流信号の印加が停止した後」とは、電流信号の変換抵抗への印加が有る状態から無い状態に変化した後の意であり、この時、入力信号端子の電圧信号は「第2の電位」から「第1の電位」に向けて変化する。
【0016】
本発明の第1の特徴によれば、電流信号の印加が停止した後、変換抵抗に流れる電流信号は所定の時定数を持って減少する。したがって、入力信号端子の電圧信号は、所定の変化率で第2の電位から第1の電位へ向けて変化する。この所定の時定数は、変換抵抗の抵抗値と、信号入力回路の前段に位置する信号出力回路とを接続する信号線が有する線間容量等とで決定される。しかし、この所定の変化率で入力信号端子の電圧信号が変化している期間の少なくとも一部分において、微分回路の第1のスイッチング素子がオン状態になり、第1のスイッチング素子がオン状態である期間に、定電流回路が入力信号端子に対して所定の電流を印加することで、信号線の線間容量等を素早く充電することができる。したがって、入力信号端子の電圧信号は、急速に第2の電位から第1の電位に変化する。このように、電流信号を介したパルス信号伝達において、入力される電流信号に対して出力する電圧信号の片方のエッジ(立ち下がり)に生じる信号遅延が減少し、入力パルス信号に対する出力パルス信号のパルス幅が変化が減少する。また、この信号遅延を小さくするために、変換抵抗の抵抗値を小さくして時定数を小さくする必要が無くなるため、信号遅延時間を短縮し、且つ消費電流の増加を抑えた信号入力回路を提供することができる。
【0017】
本発明の第1の特徴において、微分回路はワンショットマルチバイブレータを更に有していてもよい。微分回路が有する第1のスイッチング素子がオン状態である期間(以後、「オン期間」という)を、電流信号の印加が停止した後、入力信号端子の電位が所定の変化率で変化している期間の一部分のみにすることができる。また、オン期間は、電流信号の印加が停止した後、入力信号端子の電位が所定の変化率で変化している総ての期間であることが望ましい。ワンショットマルチバイブレータが不要となり、信号入力回路を小型化することができる。
【0018】
また、微分回路が有する第1のスイッチング素子は、第1の電位とは異なる第2の電位に接続された第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極の間を流れる電流を制御する制御電極とを有し、微分回路は、入力信号端子と第1のスイッチング素子の制御電極との間に接続されたコンデンサをさらに有することが望ましい。なお、前述のワンショットマルチバイブレータは、第1のスイッチング素子の制御電極とコンデンサとの間に接続すればよい。
【0019】
また、定電流回路は、第1のスイッチング素子が有する第2の電極に一方の端子が接続された第1の抵抗と、第1の電位に接続された第1の電極と、第1の抵抗の他方の端子に接続された第2の電極及び制御電極とを有する第1のトランジスタと、第1の電位に接続された第1の電極と、入力信号端子に接続された第2の電極と、第1の抵抗の他方の端子に接続された制御電極とを有する第2のトランジスタとを有することが望ましい。定電流回路は、第1のスイッチング素子が有する第2の電極に一方の端子が接続された第1の抵抗と、第1の抵抗の他方の端子と第1の電位との間に接続された第2の抵抗と、第1の抵抗の他方の端子に接続された制御電極と、第1の電位に接続された第1の電極と、入力信号端子に接続された第2の電極とを有する第2のトランジスタとを有する増幅回路であってもよい。
【0020】
本発明の第2の特徴は、電流信号の受け渡しを行う信号入出力装置であって、電流信号を出力する信号出力回路と、電流信号が入力され、電流信号を電圧信号に変換する信号入力回路と、信号出力回路と信号入力回路の間を接続する信号線とを有することである。また、信号入力回路は、信号線に接続され、電流信号が入力される入力信号端子と、第1の電位と入力信号端子との間に接続され、電流信号の印加が有る時に電流信号が流れることで、電流信号を入力信号端子の電圧信号に変換する変換抵抗と、電流信号の印加が停止した後、入力信号端子の電圧信号が第1の電位に向けて所定の変化率で変化している期間の少なくとも一部分においてオン状態となる第1のスイッチング素子を有する微分回路と、第1のスイッチング素子がオン状態である期間、入力信号端子に対して所定の電流を印加する定電流回路とを有する。
【0021】
本発明の第2の特徴によれば、信号入力回路に入力される電流信号に対して変換された電圧信号の片方のエッジに生じる信号遅延が減少し、信号出力回路の入力パルス信号に対する信号入力回路の出力パルス信号のパルス幅が変化が減少する。
【0022】
本発明の第2の特徴において、信号出力回路は、第1の電位とは異なる第2の電位に接続された第1の電極と、信号線に接続された第2の電極と、第1の電極と第2の電極間を流れる電流を制御する制御電極とを有する第2のスイッチング素子を有することが望ましく、信号入力回路は、入力信号端子の電圧が入力されるインバータ回路をさらに有することが望ましい。第2のスイッチング素子の制御電極に入力される入力パルス信号に対して、インバータ回路から出力される出力パルス信号のパルス幅の変化が減少する。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、信号遅延時間を短縮し、且つ消費電流の増加を抑えた信号入力回路を提供することができる。
【0024】
また本発明によれば、入力される電流信号と変換される電圧信号との間でパルス幅の変化が小さい信号入力回路を提供することができる。
【0025】
さらに本発明によれば、電流信号の印加が停止した後、信号入力端子の電圧信号が所定の変化率で変化している間、信号入力端子に対して所定の電流を印加する信号入力回路を提供することができる。
【0026】
さらに本発明によれば、パルス幅の変化が小さい電流信号を介したパルス信号伝達が可能な信号入出力装置を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係わる信号入力回路の構成を示す回路図である。本発明の第1実施形態に係わる信号入力回路2は、図1に示すように、入力された電流信号S1を電圧信号(Sin)に変換する信号入力回路2である。また、信号入力回路2は、電流信号S1が入力される入力信号端子4と、第1の電位(Vcc)と入力信号端子4との間に接続され、電流信号S1の印加が有る時に電流信号S1が流れることで、電流信号S1を入力信号端子4の電圧信号(Sin)に変換する変換抵抗5と、微分回路10と、定電流回路15とを有する。微分回路10は、電流信号1の印加が停止した後、入力信号端子4の電圧信号(Sin)が第1の電位に向けて所定の変化率で変化している期間の少なくとも一部分において、オン状態となる第1のスイッチング素子11を有する。定電流回路15は、微分回路10の第1のスイッチング素子11がオン状態である期間に入力信号端子4に対して所定の電流(S2)を印加する。
【0028】
ここで、変換抵抗5が接続された第1の電位(Vcc)は、電流信号S1の印加が有る時に、変換抵抗4に電流信号S1を流すための電位である。つまり、電流信号S1の印加が有る時は、入力信号端子4の電圧信号(Sin)は第1の電位(Vcc)とは異なる第2の電位となり、電流信号S1の印加が無い時は、入力信号端子の電圧信号(Sin)は、第1の電位となる。ここでは、信号入力回路2は、接地電位(GND)と電源電位(Vcc)の1電源系の回路であり、第1の電位は電源電位であり、第2の電位はGNDである。また、「電流信号の印加が停止した後」とは、電流信号の印加が有る状態から無い状態に変化した後の意である。さらにここでは、微分回路10の第1のスイッチング素子11がオン状態である期間(以後、「オン期間」という)は、電流信号1の印加が停止した後、入力信号端子4の電圧信号が所定の変化率で変化している総ての期間である場合について説明する。
【0029】
微分回路10が有する第1のスイッチング素子11は、GNDに接続された第1の電極(エミッタ電極)と、第2の電極(コレクタ電極)と、エミッタ電極とコレクタ電極の間を流れる電流を制御する制御電極(ベース電極)とを有するnpnバイポーラトランジスタである。微分回路10は、入力信号端子4とバイポーラトランジスタ11のベース電極との間に接続されたコンデンサ12と、GNDとバイポーラトランジスタ11のベース電極との間に接続された第3の抵抗13とをさらに有する。
【0030】
定電流回路15は、バイポーラトランジスタ11のコレクタ電極に一方の端子が接続された第1の抵抗17と、電源電位に接続された第1の電極と、第1の抵抗17の他方の端子に接続された第2の電極及び制御電極とを有する第1のトランジスタ18と、第1のトランジスタ18とカレントミラー型に構成された第2のトランジスタ19とを有する。即ち、第2のトランジスタ19は、電源電位(Vcc)に接続された第1の電極と、入力信号端子4に接続された第2の電極と、第1の抵抗17の他方の端子に接続された制御電極とを有する。ここで、第1のトランジスタ18及び第2のトランジスタ19は、共にpnpバイポーラトランジスタである。また、第1のトランジスタ18及び第2のトランジスタ19において、第1の電極はエミッタ電極であり、第2の電極はコレクタ電極であり、制御電極はベース電極である。
【0031】
図1は、本発明の第1実施形態に係わる信号入力回路を含む信号入出力装置の回路構成も示している。図1に示すように、この信号入出力装置は、入力パルス信号(Vin)が入力され、電流信号S1を出力する信号出力回路25と、入力された電流信号S1を電圧信号(Sin)に変換して、出力パルス信号(Vout)を出力する信号入力回路2と、信号出力回路25と信号入力回路2の間を接続する信号線(ワイヤハーネス)30とを有する。ここでは、信号入力回路を信号入力側ECU2とし、信号出力回路を信号出力側ECU25とする。
【0032】
信号出力側ECU25は、GNDに接続された第1の電極(エミッタ電極)と、ワイヤハーネス30に接続された第2の電極(コレクタ電極)と、入力パルス信号(Vin)が入力され、エミッタ電極とコレクタ電極間を流れる電流を制御する制御電極(ベース電極)とを有する第2のスイッチング素子26を有する。第2のスイッチング素子26は、npnバイポーラトランジスタである。即ち、信号出力側ECU25は、オープンコレクタ型のnpnバイポーラトランジスタ26から構成されている。信号入力側ECU2は、入力信号端子4の電圧信号(Sin)が入力され、出力パルス信号(Vout)を出力するインバータ回路20をさらに有する。
【0033】
図1に示した信号入出力装置の動作を図3を参照して説明する。図3は本発明の第1実施形態に係わる信号入出力装置の動作を説明する図である。図3において、「Vin」はトランジスタ26のベース電極に入力される入力パルス信号、「S1」は電流信号、「Sin」は入力信号端子4の電圧信号、「V1」はトランジスタ11のベース電極の電位、「S2」はトランジスタ19のコレクタ電極から入力信号端子4に流入する電流をそれぞれ示す。
【0034】
(1)電流信号S1の印加が無い時
まず、信号出力側ECU25の入力パルス信号(Vin)がGNDレベル(以後、「Lレベル」という)である時、トランジスタ26のベース電極からエミッタ電極へベース電流は流れず、トランジスタ26はオフ状態である。したがって、電流信号S1は、信号出力側ECU25に流入せず、信号入力側ECU2から流出しない。電流信号S1が変換抵抗5に流れないため、変換抵抗5の両端子間に電圧降下が生じない。したがって、変換抵抗5が接続された入力信号端子4の電圧信号(Sin)は、電源電位レベル(以後、「Hレベル」という)である。インバータ回路20から出力される出力パルス信号(Vout)はLレベルである。このように、入力パルス信号(Vin)がLレベルの時、電流信号S1の印加は無く、入力信号端子4の電圧信号(Sin)はHレベルである。
【0035】
また、入力信号端子4の電圧信号(Sin)がHレベルであるため、微分回路10のコンデンサ12は充電されているが、コンデンサ12に電流は流れていない。トランジスタ11のベース電極の電位(V1)はLレベルであり、トランジスタ11のベース電極からエミッタ電極へベース電流は流れず、トランジスタ11はオフ状態である。トランジスタ11のエミッタ−コレクタ間の抵抗は無限大となり、トランジスタ11のコレクタ電極はHレベルになる。したがって、トランジスタ11のコレクタ電極に接続された定電流回路15の第1の抵抗17に電流は流れず、トランジスタ18及びトランジスタ19はオフ状態である。また、定電流回路15から入力信号端子4へ電流(S2)は流入されない。
【0036】
(2)電流信号S1の印加が開始された時
次に、入力パルス信号(Vin)がLレベルからHレベルへ変化すると、トランジスタ26のベース電極からエミッタ電極へベース電流は流れ始め、トランジスタ26はオフ状態からオン状態に変化する。そして、電流信号S1は、信号出力側ECU25に流入し始め、信号入力側ECU2から流出し始める。つまり、電流信号S1の印加が開始される。ここで、トランジスタ26の電流シンク能力が十分であるとすると、変換抵抗5の抵抗値の大きさに係わらず、入力パルス信号(Vin)の立ち上がりとほぼ同時に、電流信号S1の印加が開始される。即ち、図3に示すように、入力パルス信号(Vin)と電流信号S1との間で、立ち上がりのずれはほとんどない。したがって、変換抵抗5の両端子間に発生する電圧降下も、入力パルス信号(Vin)の立ち上がりに遅れることなく生じるため、入力信号端子4の電圧信号(Sin)は、入力パルス信号(Vin)の立ち上がりに遅れることなく追従してHレベルからLレベルへ変化する。そして、インバータ回路20から出力される出力パルス信号(Vout)も入力パルス信号(Vin)の立ち上がりに遅れることなくLレベルからHレベルへ変化する。
【0037】
また、入力信号端子4の電圧信号(Sin)がHレベルからLレベルに変化すると、コンデンサ12に充電されている電荷が放電され、図3に示すように、トランジスタ11のベース電極の電位(V1)は、一時的にGNDレベルよりも低い電位レベルになる。したがって、トランジスタ11のベース電極とエミッタ電極に逆方向の電圧が印加されるためベース電流は流れず、トランジスタ11はオフ状態のままである。コンデンサ12に充電されている電荷は、第3の抵抗13を介してGNDに放電される。また、トランジスタ11のコレクタ電極はHレベルのままであるため、定電流回路15の第1の抵抗17に電流は流れず、トランジスタ18及びトランジスタ19はオフ状態のままであり、定電流回路15から入力信号端子4へ電流(S2)は流入されない。
【0038】
(3)電流信号S1の印加が停止した時
次に、入力パルス信号(Vin)がHレベルからLレベルへ変化すると、トランジスタ26はオン状態からオフ状態に変化する。そして、信号出力側ECU25への電流信号S1の流入、信号入力側ECU2からの電流信号S1の流出が停止する。つまり、電流信号S1の印加が停止する。入力パルス信号(Vin)の立ち下がりとほぼ同時にトランジスタ26はオフ状態となるため、図3に示すように、入力パルス信号(Vin)と電流信号S1との間で、立ち下がりのずれはほとんどない。しかし、ワイヤハーネス30が有する線間容量(CA)及びインバータ回路20が有する入力容量(CB)を充電するための電流が変換抵抗5を流れる。したがって、変換抵抗5を流れる電流信号は、線間容量(CA)および入力容量(CB)とを加算した容量値と変換抵抗5の抵抗値とで決まる所定の時定数をもって減少する。その結果、変換抵抗5の両端子間の電圧降下は、この時定数で決まる所定の変化率で減少し、入力信号端子4の電圧信号(Sin)は、この所定の変化率でLレベルからHレベルへ向けて変化する。
【0039】
入力信号端子4の電圧信号(Sin)がLレベルからHレベルに向けて変化している期間、微分回路10のコンデンサ12に電荷が充電され続ける。これは、コンデンサ12に電流が流れている状態を示し、トランジスタ11のベース電極の電位(V1)がLレベルからHレベルの方向に変化する。そして、コンデンサ12を流れる電流の一部は、トランジスタ11のベース電極とエミッタ電極の間をベース電流として流れ、トランジスタ11がオフ状態からオン状態に変化する。即ち、入力信号端子4の電圧信号(Sin)がLレベルからHレベルに向けて変化している期間、微分回路10が有するトランジスタ11がオフ状態からオン状態に変化する。
【0040】
トランジスタ11がオフ状態からオン状態に変化すると、トランジスタ11のコレクタ電極の電位は、Hレベルからトランジスタ11が持つコレクタ−エミッタ間飽和電圧まで降下する。そして、トランジスタ11のコレクタ−エミッタ間飽和電圧、第1の抵抗17の抵抗値、トランジスタ18のベース−エミッタ間順方向電圧、及び電源電位(Vcc)で決まる電流が、トランジスタ18、第1の抵抗17、及びトランジスタ11を流れる。そして、この電流に比例した電流S2がトランジスタ19のエミッタ電極からコレクタ電極へ流れ、入力信号端子4に電流S2が流入される。即ち、微分回路10のトランジスタ11がオン状態である期間、定電流回路5のトランジスタ19から入力信号端子4へ電流S2が流入される。変換抵抗5を流れる電流信号及び電流S2が入力信号端子4に流入されることにより、ワイヤハーネス3が有する線間容量(CA)及びインバータ回路20が有する入力容量(CB)が急速に充電され、変換抵抗5を流れる電流信号が急速に減少する。したがって、入力信号端子の電圧信号(Sin)は急激に上昇し、LレベルからHレベルに到達し、インバータ回路20から出力される出力パルス信号(Vout)も、追従してHレベルからLレベルに変化する。そして、入力信号端子の電圧信号(Sin)がHレベルに到達すると、電圧信号(Sin)は所定の変化率で変化しなくなるため、微分回路10のトランジスタ11はオフ状態になり、定電流回路15から信号入力端子4への電流S2の流入は停止する。したがって、図3に示すように信号入力端子4に電流S2が流入されることにより、電流信号(Sin)がHレベルまで到達するまでの遅延時間は、点線31から点線30まで短縮される。
【0041】
以上説明したように本発明の第1実施形態によれば、電流信号S1を介したパルス信号伝達において、入力される電流信号S1に対して変換された電圧信号(Sin)の片方のエッジに生じる信号遅延が減少し、入力パルス信号(Vin)に対する出力パルス信号(Vout)のパルス幅が変化が減少する。また、この信号遅延を小さくするために、変換抵抗5の抵抗値を小さくして時定数を小さくする必要が無くなるため、信号遅延時間を短縮し、且つ消費電流の増加を抑えた信号入力回路2を提供することができる。したがって、信号出力回路25の出力パルス信号(Vin)がオンしているときに流れる電流信号S1を増加させることなく、信号遅延時間を短縮する信号伝達特性を有する信号入出力装置を提供することができる。また、PWM信号などのパルス幅が管理されるパルス信号の伝達時でも、信号出力回路25の入力パルス信号(Vin)に対する信号入力回路2の出力パルス信号のパルス幅の変化が小さい信号入出力装置を提供することができる。
【0042】
(第2実施形態)
本発明に係わる信号入力回路は、定電流回路15の代わりに増幅回路を有していても構わない。図2は、本発明の第2実施形態に係わる信号入力回路3の構成を示す回路図である。図2において、図1に示した信号入力回路2と同じ構成である部分に図1と同一の記号を付し、ここでは詳細な説明を省略する。図2に示すように、本発明の第2実施形態に係わる信号入力回路3は、電流信号S1が入力される入力信号端子4と、第1の電位(電源電位)と入力信号端子4との間に接続され、電流信号S1の印加が有る時に電流信号S1が流れることで、電流信号S1を入力信号端子4の電圧信号(Sin)に変換する変換抵抗5と、微分回路10と、増幅回路16とを有する。微分回路10は、電流信号1の印加が停止した後、入力信号端子4の電圧信号(Sin)が電源電位に向けて所定の変化率で変化している期間の少なくとも一部分において、オン状態となる第1のスイッチング素子(npnバイポーラトランジスタ)11を有する。増幅回路16は、微分回路10のトランジスタ11がオン状態である期間に入力信号端子4に対して所定の電流(S2)を印加する。
【0043】
増幅回路16は、トランジスタ11のコレクタ電極に一方の端子が接続された第1の抵抗17と、第1の抵抗17の他方の端子と電源電位との間に接続された第2の抵抗21と、第1の抵抗17の他方の端子に接続された制御電極(ベース電極)と、電源電位に接続された第1の電極(エミッタ電極)と、入力信号端子4に接続された第2の電極(コレクタ電極)とを有する第2のトランジスタ(pnpバイポーラトランジスタ)19とを有する。
【0044】
図2は、本発明の第2実施形態に係わる信号入力回路3を含む信号入出力装置の回路構成も示している。図2に示すように、この信号入出力装置は、入力パルス信号(Vin)が入力され、電流信号S1を出力する信号出力回路(信号出力側ECU)25と、入力された電流信号S1を電圧信号(Sin)に変換して、出力パルス信号(Vout)を出力する信号入力回路(信号入力側ECU)3と、信号出力側ECU25と信号入力側ECU3の間を接続する信号線(ワイヤハーネス)30とを有する。
【0045】
次に、図2に示した信号入出力装置の動作を図3を参照して説明する。まず、電流信号の印加が無い時、及び電流信号の印加が開始された時、微分回路10のトランジスタ11はオフ状態であるため、トランジスタ11のコレクタ電極の電位はHレベルである。したがって、増幅回路16の第2の抵抗21及び第1の抵抗17に電流は流れない。また、トランジスタ19のベース電極にも電流は流れず、トランジスタ19はオフ状態であり、トランジスタ19のコレクタ電極から信号入力端子4へ電流S2は流入されない。
【0046】
電流信号S1の印加が停止した時、入力信号端子4の電圧信号(Sin)が電源電位に向けて所定の変化率で変化している期間、トランジスタ11はオフ状態からオン状態に変化する。そして、トランジスタ11のコレクタ−エミッタ間飽和電圧、第1の抵抗17の抵抗値、第2の抵抗21の抵抗値、及び電源電位(Vcc)で決まる電流が、第2の抵抗21、第1の抵抗17、及びトランジスタ11を流れる。同時に、この電流に比例したベース電流がトランジスタ19に流れ、トランジスタ19はオン状態となる。そして、このベース電流により増幅された電流S2がトランジスタ19のエミッタからコレクタ電極へ流れ、電流S2は信号入力端子4に流入される。変換抵抗5を流れる電流信号及び電流S2が入力信号端子4に流入されることにより、ワイヤハーネス3が有する線間容量(CA)及びインバータ回路20が有する入力容量(CB)が急速に充電され、変換抵抗5を流れる電流信号が急速に減少する。
【0047】
以上説明したように本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に効果が得られると同時に、第1実施形態がIC化した場合に好適(コスト低減)であるのに対し、第2実施形態はディスクリート部品で構成した場合に好適である。また、トランジスタ11に流れる電流に比例したベース電流をトランジスタ19が増幅することにより、より電流量の大きい電流S2を信号入力端子4に流入することができる。
【0048】
なお、本発明の第1実施形態及び第2実施形態において、電流信号S1は、信号出力回路25に流入し、信号入力回路(2、3)から流出する場合について述べたが、本発明はこれに限られるものではない。「第1の電位」をGND、「第2の電位」を電源電位(Vcc)とし、総てのバイポーラトランジスタ(11、18、19、26)のトランジスタタイプを逆にすることで、電流信号S1は、信号出力回路25から流出し、信号入力回路(2、3)に流入する。
【0049】
また、第1のスイッチング素子11、第2のスイッチング素子26、第1のトランジスタ18、第2のトランジスタ19は、それぞれMOS形電界効果トランジスタ(MOSFET)であってもよい。この場合、「第1の電極」はソース電極であり、「第2の電極」はドレイン電極であり、「制御電極」はゲート電極となる。また、第2のスイッチング素子26は、オープンドレイン型のMOSFETとなる。
【0050】
さらに、微分回路10は、トランジスタ11のベース電極とコンデンサ12との間に接続されたワンショットマルチバイブレータを更に有していてもよい。トランジスタ11がオン状態である期間を、電流信号の印加が停止した後、入力信号端子の電位が所定の変化率で変化している期間の一部分のみにすることができる。
【0051】
さらに、図1に示した信号入出力装置は、信号入力回路2が集積回路として形成された第1の半導体チップと、信号出力回路25が集積回路として形成された第2の半導体チップとから構成されていることが望ましい。また、図2に示した信号入出力装置は、信号入力回路3及び信号出力回路25を構成する各電気素子を個別の半導体素子として作成し、各半導体素子を図2に示した配線パターンが予め形成されたプリント配線基板などの実装基板に載置して形成されていることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる信号入力回路(信号入出力装置)の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係わる信号入力回路(信号入出力装置)の構成を示す回路図である。
【図3】図1及び図2に示した信号入出力装置の動作を説明する図である。
【符号の説明】
2、3 信号入力回路
4 信号入力端子
5 変換抵抗
10 微分回路
11 第1のスイッチング素子(バイポーラトランジスタ)
12 コンデンサ
13 第3の抵抗
15 定電流回路
16 増幅回路
17 第1の抵抗
18 第1のトランジスタ
19 第2のトランジスタ
20 インバータ回路
21 第2の抵抗
25 信号出力回路
26 第2のスイッチング素子(バイポーラトランジスタ)
30 信号線(ワイヤハーネス)
S1 電流信号
【発明の属する技術分野】
本発明は信号入力回路及びこの信号入力回路を有する信号入出力装置に関わり、特に、入力される電流信号を素早く電圧信号に変換する信号入力回路、及びPWM信号などのパルス幅が管理されるパルス信号の受け渡しを正確に電流信号によって行う信号入出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車には、複数の電子コントロールユニット(Electronic Control Unit:ECU)が組み込まれている。これらのECUは、互いにパルス信号の受け渡しを行っている。このパルス信号の受け渡しを電圧信号で行った場合、ECU間の接地電位(GND)レベルの違いにより、信号レベルの誤判定が生じてしまう惧れがある。この誤判定を防止するため、信号の受け渡しを電流信号で行う方法を用いている。代表例として、信号出力側ECUはオープンコレクタ型のトランジスタを有し、信号入力側ECUはプルアップ抵抗を有する形式が挙げられる。
【0003】
信号出力側ECUが有するトランジスタは、信号出力側ECUの信号出力端子に接続されたコレクタ電極と、信号出力側ECUのGNDに接続されたエミッタ電極と、パルス信号が入力されるベース電極とを有するnpnトランジスタである。パルス信号がH(ハイ)レベルの時、トランジスタがオンして、信号出力端子から電流信号が流入する。パルス信号がL(ロー)レベルの時、トランジスタがオフして、電流信号が流入しない。信号出力端子は、ワイヤハーネス(信号線)を介して信号入力側ECUの信号入力端子に接続されている。
【0004】
一方、信号入力側ECUのプルアップ抵抗は、信号入力端子と信号入力側ECUの電源電位(Vcc)との間に接続されている。信号入力端子から電流信号が流出するとき、電流信号はプルアップ抵抗を流れる。プルアップ抵抗に電流信号が流れることで、信号入力側ECUの入力信号端子の電位は、電源電位レベルからGNDレベルへ降下する。また、信号入力端子から電流信号が流出しないとき、プルアップ抵抗に電流信号が流れず、入力信号端子の電圧は電源電位レベルである。
【0005】
このように、信号出力側ECUに入力されるパルス信号がHレベルの時、信号入力側ECUの信号入力端子の電位はGNDレベルとなり、パルス信号がLレベルの時、信号入力端子の電位は電源電位レベルとなる。つまり、GNDレベルをLレベル、電源電位レベルをHレベルと仮定すると、電流信号を信号入力端子の電圧信号に反転変換することができることになる。信号入力側ECUは信号入力端子の電圧が入力されるインバータ回路をさらに有することで、信号出力側に入力されるパルス信号と同じパルス信号がインバータ回路から出力される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
信号出力側ECUのトランジスタがオフ状態からオン状態に変化したとき、トランジスタの電流シンク能力が十分であれば、信号入力側ECUのプルアップ抵抗の抵抗値の大きさに係わらず、素早く電流信号の印加(流入・流出)が開始される。したがって、電流信号は素早くプルアップ抵抗を流れるため、パルス信号に遅れることなく、信号入力端子の電位はHレベルからLレベルに変位する。
【0007】
これに対して、信号出力側ECUのトランジスタがオン状態からオフ状態に変化したとき、電流信号の印加はパルス信号に遅れることなく停止する。しかし、プルアップ抵抗を流れる電流信号は、プルアップ抵抗の抵抗値と、ワイヤハーネスが有する線間容量等とで決まる時定数を持って減少する。つまり、プルアップ抵抗を流れる電流信号は、流れ始めの時のように素早く停止しない。この結果、信号入力端子の電位はLレベルからこの時定数を持ってHレベルに変化するため、インバータ回路を介して出力されるパルス信号は、信号出力側ECUに入力されるパルス信号に対して遅延してHレベルからLレベルに変化する。
【0008】
このように、複数のECU間の電流信号を介したパルス信号伝達において、出力パルス信号は入力パルス信号に対して、片方のエッジ(立ち下がり)のみ信号遅延が生じることになり、入力パルス信号に対する出力パルス信号のパルス幅が変化してしまう。PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号などのパルス幅が管理されるパルス信号の伝達時に、誤判定が生じる惧れがある。
【0009】
また、この信号遅延を小さくするために、プルアップ抵抗の抵抗値を小さくして時定数を小さくした場合、プルアップ抵抗に流れる電流量が増加し、信号入力側ECUの消費電流の増大に繋がる。
【0010】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するために成されたものであり、その目的は、信号遅延時間を短縮し、且つ消費電流の増加を抑えた信号入力回路を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、入力される電流信号と変換される電圧信号との間でパルス幅の変化が小さい信号入力回路を提供することである。
【0012】
本発明の更に他の目的は、電流信号の印加が停止した後、信号入力端子の電圧信号が所定の変化率で変化している間、信号入力端子に対して所定の電流を印加する信号入力回路を提供することである。
【0013】
本発明の更に他の目的には、パルス幅の変化が小さい電流信号を介したパルス信号伝達が可能な信号入出力装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、入力された電流信号を電圧信号に変換する信号入力回路であって、電流信号が入力される入力信号端子と、第1の電位と入力信号端子との間に接続され、電流信号の印加が有る時に電流信号が流れることで、電流信号を入力信号端子の電圧信号に変換する変換抵抗と、電流信号の印加が停止した後、入力信号端子の電圧信号が第1の電位に向けて所定の変化率で変化している期間の少なくとも一部分においてオン状態となる第1のスイッチング素子を有する微分回路と、第1のスイッチング素子がオン状態である期間、入力信号端子に対して所定の電流を印加する定電流回路とを有する信号入力回路であることである。
【0015】
ここで、変換抵抗が接続された第1の電位は、電流信号の印加が有る時に、変換抵抗に電流信号を流すための電位である。即ち、電流信号の印加が無い時、変換抵抗に電流は流れないので、入力信号端子の電位は「第1の電位」となる。一方、電流信号の印加が有る時、変換抵抗に電流信号が流れて電圧降下が生じるため、入力信号端子の電位は第1の電位とは異なる電位(以後、「第2の電位」という)となる。このようにして、電流信号の印加の有無を入力信号端子の電圧信号に変換することができる。具体的に、信号入力回路が接地電位と電源電位の1電源系の回路であり「第1の電位」が電源電位であれば、「第2の電位」は接地電位である。逆に、「第1の電位」が接地電位であれば、「第2の電位」は電源電位である。また、「電流信号の印加が停止した後」とは、電流信号の変換抵抗への印加が有る状態から無い状態に変化した後の意であり、この時、入力信号端子の電圧信号は「第2の電位」から「第1の電位」に向けて変化する。
【0016】
本発明の第1の特徴によれば、電流信号の印加が停止した後、変換抵抗に流れる電流信号は所定の時定数を持って減少する。したがって、入力信号端子の電圧信号は、所定の変化率で第2の電位から第1の電位へ向けて変化する。この所定の時定数は、変換抵抗の抵抗値と、信号入力回路の前段に位置する信号出力回路とを接続する信号線が有する線間容量等とで決定される。しかし、この所定の変化率で入力信号端子の電圧信号が変化している期間の少なくとも一部分において、微分回路の第1のスイッチング素子がオン状態になり、第1のスイッチング素子がオン状態である期間に、定電流回路が入力信号端子に対して所定の電流を印加することで、信号線の線間容量等を素早く充電することができる。したがって、入力信号端子の電圧信号は、急速に第2の電位から第1の電位に変化する。このように、電流信号を介したパルス信号伝達において、入力される電流信号に対して出力する電圧信号の片方のエッジ(立ち下がり)に生じる信号遅延が減少し、入力パルス信号に対する出力パルス信号のパルス幅が変化が減少する。また、この信号遅延を小さくするために、変換抵抗の抵抗値を小さくして時定数を小さくする必要が無くなるため、信号遅延時間を短縮し、且つ消費電流の増加を抑えた信号入力回路を提供することができる。
【0017】
本発明の第1の特徴において、微分回路はワンショットマルチバイブレータを更に有していてもよい。微分回路が有する第1のスイッチング素子がオン状態である期間(以後、「オン期間」という)を、電流信号の印加が停止した後、入力信号端子の電位が所定の変化率で変化している期間の一部分のみにすることができる。また、オン期間は、電流信号の印加が停止した後、入力信号端子の電位が所定の変化率で変化している総ての期間であることが望ましい。ワンショットマルチバイブレータが不要となり、信号入力回路を小型化することができる。
【0018】
また、微分回路が有する第1のスイッチング素子は、第1の電位とは異なる第2の電位に接続された第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極の間を流れる電流を制御する制御電極とを有し、微分回路は、入力信号端子と第1のスイッチング素子の制御電極との間に接続されたコンデンサをさらに有することが望ましい。なお、前述のワンショットマルチバイブレータは、第1のスイッチング素子の制御電極とコンデンサとの間に接続すればよい。
【0019】
また、定電流回路は、第1のスイッチング素子が有する第2の電極に一方の端子が接続された第1の抵抗と、第1の電位に接続された第1の電極と、第1の抵抗の他方の端子に接続された第2の電極及び制御電極とを有する第1のトランジスタと、第1の電位に接続された第1の電極と、入力信号端子に接続された第2の電極と、第1の抵抗の他方の端子に接続された制御電極とを有する第2のトランジスタとを有することが望ましい。定電流回路は、第1のスイッチング素子が有する第2の電極に一方の端子が接続された第1の抵抗と、第1の抵抗の他方の端子と第1の電位との間に接続された第2の抵抗と、第1の抵抗の他方の端子に接続された制御電極と、第1の電位に接続された第1の電極と、入力信号端子に接続された第2の電極とを有する第2のトランジスタとを有する増幅回路であってもよい。
【0020】
本発明の第2の特徴は、電流信号の受け渡しを行う信号入出力装置であって、電流信号を出力する信号出力回路と、電流信号が入力され、電流信号を電圧信号に変換する信号入力回路と、信号出力回路と信号入力回路の間を接続する信号線とを有することである。また、信号入力回路は、信号線に接続され、電流信号が入力される入力信号端子と、第1の電位と入力信号端子との間に接続され、電流信号の印加が有る時に電流信号が流れることで、電流信号を入力信号端子の電圧信号に変換する変換抵抗と、電流信号の印加が停止した後、入力信号端子の電圧信号が第1の電位に向けて所定の変化率で変化している期間の少なくとも一部分においてオン状態となる第1のスイッチング素子を有する微分回路と、第1のスイッチング素子がオン状態である期間、入力信号端子に対して所定の電流を印加する定電流回路とを有する。
【0021】
本発明の第2の特徴によれば、信号入力回路に入力される電流信号に対して変換された電圧信号の片方のエッジに生じる信号遅延が減少し、信号出力回路の入力パルス信号に対する信号入力回路の出力パルス信号のパルス幅が変化が減少する。
【0022】
本発明の第2の特徴において、信号出力回路は、第1の電位とは異なる第2の電位に接続された第1の電極と、信号線に接続された第2の電極と、第1の電極と第2の電極間を流れる電流を制御する制御電極とを有する第2のスイッチング素子を有することが望ましく、信号入力回路は、入力信号端子の電圧が入力されるインバータ回路をさらに有することが望ましい。第2のスイッチング素子の制御電極に入力される入力パルス信号に対して、インバータ回路から出力される出力パルス信号のパルス幅の変化が減少する。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、信号遅延時間を短縮し、且つ消費電流の増加を抑えた信号入力回路を提供することができる。
【0024】
また本発明によれば、入力される電流信号と変換される電圧信号との間でパルス幅の変化が小さい信号入力回路を提供することができる。
【0025】
さらに本発明によれば、電流信号の印加が停止した後、信号入力端子の電圧信号が所定の変化率で変化している間、信号入力端子に対して所定の電流を印加する信号入力回路を提供することができる。
【0026】
さらに本発明によれば、パルス幅の変化が小さい電流信号を介したパルス信号伝達が可能な信号入出力装置を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係わる信号入力回路の構成を示す回路図である。本発明の第1実施形態に係わる信号入力回路2は、図1に示すように、入力された電流信号S1を電圧信号(Sin)に変換する信号入力回路2である。また、信号入力回路2は、電流信号S1が入力される入力信号端子4と、第1の電位(Vcc)と入力信号端子4との間に接続され、電流信号S1の印加が有る時に電流信号S1が流れることで、電流信号S1を入力信号端子4の電圧信号(Sin)に変換する変換抵抗5と、微分回路10と、定電流回路15とを有する。微分回路10は、電流信号1の印加が停止した後、入力信号端子4の電圧信号(Sin)が第1の電位に向けて所定の変化率で変化している期間の少なくとも一部分において、オン状態となる第1のスイッチング素子11を有する。定電流回路15は、微分回路10の第1のスイッチング素子11がオン状態である期間に入力信号端子4に対して所定の電流(S2)を印加する。
【0028】
ここで、変換抵抗5が接続された第1の電位(Vcc)は、電流信号S1の印加が有る時に、変換抵抗4に電流信号S1を流すための電位である。つまり、電流信号S1の印加が有る時は、入力信号端子4の電圧信号(Sin)は第1の電位(Vcc)とは異なる第2の電位となり、電流信号S1の印加が無い時は、入力信号端子の電圧信号(Sin)は、第1の電位となる。ここでは、信号入力回路2は、接地電位(GND)と電源電位(Vcc)の1電源系の回路であり、第1の電位は電源電位であり、第2の電位はGNDである。また、「電流信号の印加が停止した後」とは、電流信号の印加が有る状態から無い状態に変化した後の意である。さらにここでは、微分回路10の第1のスイッチング素子11がオン状態である期間(以後、「オン期間」という)は、電流信号1の印加が停止した後、入力信号端子4の電圧信号が所定の変化率で変化している総ての期間である場合について説明する。
【0029】
微分回路10が有する第1のスイッチング素子11は、GNDに接続された第1の電極(エミッタ電極)と、第2の電極(コレクタ電極)と、エミッタ電極とコレクタ電極の間を流れる電流を制御する制御電極(ベース電極)とを有するnpnバイポーラトランジスタである。微分回路10は、入力信号端子4とバイポーラトランジスタ11のベース電極との間に接続されたコンデンサ12と、GNDとバイポーラトランジスタ11のベース電極との間に接続された第3の抵抗13とをさらに有する。
【0030】
定電流回路15は、バイポーラトランジスタ11のコレクタ電極に一方の端子が接続された第1の抵抗17と、電源電位に接続された第1の電極と、第1の抵抗17の他方の端子に接続された第2の電極及び制御電極とを有する第1のトランジスタ18と、第1のトランジスタ18とカレントミラー型に構成された第2のトランジスタ19とを有する。即ち、第2のトランジスタ19は、電源電位(Vcc)に接続された第1の電極と、入力信号端子4に接続された第2の電極と、第1の抵抗17の他方の端子に接続された制御電極とを有する。ここで、第1のトランジスタ18及び第2のトランジスタ19は、共にpnpバイポーラトランジスタである。また、第1のトランジスタ18及び第2のトランジスタ19において、第1の電極はエミッタ電極であり、第2の電極はコレクタ電極であり、制御電極はベース電極である。
【0031】
図1は、本発明の第1実施形態に係わる信号入力回路を含む信号入出力装置の回路構成も示している。図1に示すように、この信号入出力装置は、入力パルス信号(Vin)が入力され、電流信号S1を出力する信号出力回路25と、入力された電流信号S1を電圧信号(Sin)に変換して、出力パルス信号(Vout)を出力する信号入力回路2と、信号出力回路25と信号入力回路2の間を接続する信号線(ワイヤハーネス)30とを有する。ここでは、信号入力回路を信号入力側ECU2とし、信号出力回路を信号出力側ECU25とする。
【0032】
信号出力側ECU25は、GNDに接続された第1の電極(エミッタ電極)と、ワイヤハーネス30に接続された第2の電極(コレクタ電極)と、入力パルス信号(Vin)が入力され、エミッタ電極とコレクタ電極間を流れる電流を制御する制御電極(ベース電極)とを有する第2のスイッチング素子26を有する。第2のスイッチング素子26は、npnバイポーラトランジスタである。即ち、信号出力側ECU25は、オープンコレクタ型のnpnバイポーラトランジスタ26から構成されている。信号入力側ECU2は、入力信号端子4の電圧信号(Sin)が入力され、出力パルス信号(Vout)を出力するインバータ回路20をさらに有する。
【0033】
図1に示した信号入出力装置の動作を図3を参照して説明する。図3は本発明の第1実施形態に係わる信号入出力装置の動作を説明する図である。図3において、「Vin」はトランジスタ26のベース電極に入力される入力パルス信号、「S1」は電流信号、「Sin」は入力信号端子4の電圧信号、「V1」はトランジスタ11のベース電極の電位、「S2」はトランジスタ19のコレクタ電極から入力信号端子4に流入する電流をそれぞれ示す。
【0034】
(1)電流信号S1の印加が無い時
まず、信号出力側ECU25の入力パルス信号(Vin)がGNDレベル(以後、「Lレベル」という)である時、トランジスタ26のベース電極からエミッタ電極へベース電流は流れず、トランジスタ26はオフ状態である。したがって、電流信号S1は、信号出力側ECU25に流入せず、信号入力側ECU2から流出しない。電流信号S1が変換抵抗5に流れないため、変換抵抗5の両端子間に電圧降下が生じない。したがって、変換抵抗5が接続された入力信号端子4の電圧信号(Sin)は、電源電位レベル(以後、「Hレベル」という)である。インバータ回路20から出力される出力パルス信号(Vout)はLレベルである。このように、入力パルス信号(Vin)がLレベルの時、電流信号S1の印加は無く、入力信号端子4の電圧信号(Sin)はHレベルである。
【0035】
また、入力信号端子4の電圧信号(Sin)がHレベルであるため、微分回路10のコンデンサ12は充電されているが、コンデンサ12に電流は流れていない。トランジスタ11のベース電極の電位(V1)はLレベルであり、トランジスタ11のベース電極からエミッタ電極へベース電流は流れず、トランジスタ11はオフ状態である。トランジスタ11のエミッタ−コレクタ間の抵抗は無限大となり、トランジスタ11のコレクタ電極はHレベルになる。したがって、トランジスタ11のコレクタ電極に接続された定電流回路15の第1の抵抗17に電流は流れず、トランジスタ18及びトランジスタ19はオフ状態である。また、定電流回路15から入力信号端子4へ電流(S2)は流入されない。
【0036】
(2)電流信号S1の印加が開始された時
次に、入力パルス信号(Vin)がLレベルからHレベルへ変化すると、トランジスタ26のベース電極からエミッタ電極へベース電流は流れ始め、トランジスタ26はオフ状態からオン状態に変化する。そして、電流信号S1は、信号出力側ECU25に流入し始め、信号入力側ECU2から流出し始める。つまり、電流信号S1の印加が開始される。ここで、トランジスタ26の電流シンク能力が十分であるとすると、変換抵抗5の抵抗値の大きさに係わらず、入力パルス信号(Vin)の立ち上がりとほぼ同時に、電流信号S1の印加が開始される。即ち、図3に示すように、入力パルス信号(Vin)と電流信号S1との間で、立ち上がりのずれはほとんどない。したがって、変換抵抗5の両端子間に発生する電圧降下も、入力パルス信号(Vin)の立ち上がりに遅れることなく生じるため、入力信号端子4の電圧信号(Sin)は、入力パルス信号(Vin)の立ち上がりに遅れることなく追従してHレベルからLレベルへ変化する。そして、インバータ回路20から出力される出力パルス信号(Vout)も入力パルス信号(Vin)の立ち上がりに遅れることなくLレベルからHレベルへ変化する。
【0037】
また、入力信号端子4の電圧信号(Sin)がHレベルからLレベルに変化すると、コンデンサ12に充電されている電荷が放電され、図3に示すように、トランジスタ11のベース電極の電位(V1)は、一時的にGNDレベルよりも低い電位レベルになる。したがって、トランジスタ11のベース電極とエミッタ電極に逆方向の電圧が印加されるためベース電流は流れず、トランジスタ11はオフ状態のままである。コンデンサ12に充電されている電荷は、第3の抵抗13を介してGNDに放電される。また、トランジスタ11のコレクタ電極はHレベルのままであるため、定電流回路15の第1の抵抗17に電流は流れず、トランジスタ18及びトランジスタ19はオフ状態のままであり、定電流回路15から入力信号端子4へ電流(S2)は流入されない。
【0038】
(3)電流信号S1の印加が停止した時
次に、入力パルス信号(Vin)がHレベルからLレベルへ変化すると、トランジスタ26はオン状態からオフ状態に変化する。そして、信号出力側ECU25への電流信号S1の流入、信号入力側ECU2からの電流信号S1の流出が停止する。つまり、電流信号S1の印加が停止する。入力パルス信号(Vin)の立ち下がりとほぼ同時にトランジスタ26はオフ状態となるため、図3に示すように、入力パルス信号(Vin)と電流信号S1との間で、立ち下がりのずれはほとんどない。しかし、ワイヤハーネス30が有する線間容量(CA)及びインバータ回路20が有する入力容量(CB)を充電するための電流が変換抵抗5を流れる。したがって、変換抵抗5を流れる電流信号は、線間容量(CA)および入力容量(CB)とを加算した容量値と変換抵抗5の抵抗値とで決まる所定の時定数をもって減少する。その結果、変換抵抗5の両端子間の電圧降下は、この時定数で決まる所定の変化率で減少し、入力信号端子4の電圧信号(Sin)は、この所定の変化率でLレベルからHレベルへ向けて変化する。
【0039】
入力信号端子4の電圧信号(Sin)がLレベルからHレベルに向けて変化している期間、微分回路10のコンデンサ12に電荷が充電され続ける。これは、コンデンサ12に電流が流れている状態を示し、トランジスタ11のベース電極の電位(V1)がLレベルからHレベルの方向に変化する。そして、コンデンサ12を流れる電流の一部は、トランジスタ11のベース電極とエミッタ電極の間をベース電流として流れ、トランジスタ11がオフ状態からオン状態に変化する。即ち、入力信号端子4の電圧信号(Sin)がLレベルからHレベルに向けて変化している期間、微分回路10が有するトランジスタ11がオフ状態からオン状態に変化する。
【0040】
トランジスタ11がオフ状態からオン状態に変化すると、トランジスタ11のコレクタ電極の電位は、Hレベルからトランジスタ11が持つコレクタ−エミッタ間飽和電圧まで降下する。そして、トランジスタ11のコレクタ−エミッタ間飽和電圧、第1の抵抗17の抵抗値、トランジスタ18のベース−エミッタ間順方向電圧、及び電源電位(Vcc)で決まる電流が、トランジスタ18、第1の抵抗17、及びトランジスタ11を流れる。そして、この電流に比例した電流S2がトランジスタ19のエミッタ電極からコレクタ電極へ流れ、入力信号端子4に電流S2が流入される。即ち、微分回路10のトランジスタ11がオン状態である期間、定電流回路5のトランジスタ19から入力信号端子4へ電流S2が流入される。変換抵抗5を流れる電流信号及び電流S2が入力信号端子4に流入されることにより、ワイヤハーネス3が有する線間容量(CA)及びインバータ回路20が有する入力容量(CB)が急速に充電され、変換抵抗5を流れる電流信号が急速に減少する。したがって、入力信号端子の電圧信号(Sin)は急激に上昇し、LレベルからHレベルに到達し、インバータ回路20から出力される出力パルス信号(Vout)も、追従してHレベルからLレベルに変化する。そして、入力信号端子の電圧信号(Sin)がHレベルに到達すると、電圧信号(Sin)は所定の変化率で変化しなくなるため、微分回路10のトランジスタ11はオフ状態になり、定電流回路15から信号入力端子4への電流S2の流入は停止する。したがって、図3に示すように信号入力端子4に電流S2が流入されることにより、電流信号(Sin)がHレベルまで到達するまでの遅延時間は、点線31から点線30まで短縮される。
【0041】
以上説明したように本発明の第1実施形態によれば、電流信号S1を介したパルス信号伝達において、入力される電流信号S1に対して変換された電圧信号(Sin)の片方のエッジに生じる信号遅延が減少し、入力パルス信号(Vin)に対する出力パルス信号(Vout)のパルス幅が変化が減少する。また、この信号遅延を小さくするために、変換抵抗5の抵抗値を小さくして時定数を小さくする必要が無くなるため、信号遅延時間を短縮し、且つ消費電流の増加を抑えた信号入力回路2を提供することができる。したがって、信号出力回路25の出力パルス信号(Vin)がオンしているときに流れる電流信号S1を増加させることなく、信号遅延時間を短縮する信号伝達特性を有する信号入出力装置を提供することができる。また、PWM信号などのパルス幅が管理されるパルス信号の伝達時でも、信号出力回路25の入力パルス信号(Vin)に対する信号入力回路2の出力パルス信号のパルス幅の変化が小さい信号入出力装置を提供することができる。
【0042】
(第2実施形態)
本発明に係わる信号入力回路は、定電流回路15の代わりに増幅回路を有していても構わない。図2は、本発明の第2実施形態に係わる信号入力回路3の構成を示す回路図である。図2において、図1に示した信号入力回路2と同じ構成である部分に図1と同一の記号を付し、ここでは詳細な説明を省略する。図2に示すように、本発明の第2実施形態に係わる信号入力回路3は、電流信号S1が入力される入力信号端子4と、第1の電位(電源電位)と入力信号端子4との間に接続され、電流信号S1の印加が有る時に電流信号S1が流れることで、電流信号S1を入力信号端子4の電圧信号(Sin)に変換する変換抵抗5と、微分回路10と、増幅回路16とを有する。微分回路10は、電流信号1の印加が停止した後、入力信号端子4の電圧信号(Sin)が電源電位に向けて所定の変化率で変化している期間の少なくとも一部分において、オン状態となる第1のスイッチング素子(npnバイポーラトランジスタ)11を有する。増幅回路16は、微分回路10のトランジスタ11がオン状態である期間に入力信号端子4に対して所定の電流(S2)を印加する。
【0043】
増幅回路16は、トランジスタ11のコレクタ電極に一方の端子が接続された第1の抵抗17と、第1の抵抗17の他方の端子と電源電位との間に接続された第2の抵抗21と、第1の抵抗17の他方の端子に接続された制御電極(ベース電極)と、電源電位に接続された第1の電極(エミッタ電極)と、入力信号端子4に接続された第2の電極(コレクタ電極)とを有する第2のトランジスタ(pnpバイポーラトランジスタ)19とを有する。
【0044】
図2は、本発明の第2実施形態に係わる信号入力回路3を含む信号入出力装置の回路構成も示している。図2に示すように、この信号入出力装置は、入力パルス信号(Vin)が入力され、電流信号S1を出力する信号出力回路(信号出力側ECU)25と、入力された電流信号S1を電圧信号(Sin)に変換して、出力パルス信号(Vout)を出力する信号入力回路(信号入力側ECU)3と、信号出力側ECU25と信号入力側ECU3の間を接続する信号線(ワイヤハーネス)30とを有する。
【0045】
次に、図2に示した信号入出力装置の動作を図3を参照して説明する。まず、電流信号の印加が無い時、及び電流信号の印加が開始された時、微分回路10のトランジスタ11はオフ状態であるため、トランジスタ11のコレクタ電極の電位はHレベルである。したがって、増幅回路16の第2の抵抗21及び第1の抵抗17に電流は流れない。また、トランジスタ19のベース電極にも電流は流れず、トランジスタ19はオフ状態であり、トランジスタ19のコレクタ電極から信号入力端子4へ電流S2は流入されない。
【0046】
電流信号S1の印加が停止した時、入力信号端子4の電圧信号(Sin)が電源電位に向けて所定の変化率で変化している期間、トランジスタ11はオフ状態からオン状態に変化する。そして、トランジスタ11のコレクタ−エミッタ間飽和電圧、第1の抵抗17の抵抗値、第2の抵抗21の抵抗値、及び電源電位(Vcc)で決まる電流が、第2の抵抗21、第1の抵抗17、及びトランジスタ11を流れる。同時に、この電流に比例したベース電流がトランジスタ19に流れ、トランジスタ19はオン状態となる。そして、このベース電流により増幅された電流S2がトランジスタ19のエミッタからコレクタ電極へ流れ、電流S2は信号入力端子4に流入される。変換抵抗5を流れる電流信号及び電流S2が入力信号端子4に流入されることにより、ワイヤハーネス3が有する線間容量(CA)及びインバータ回路20が有する入力容量(CB)が急速に充電され、変換抵抗5を流れる電流信号が急速に減少する。
【0047】
以上説明したように本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に効果が得られると同時に、第1実施形態がIC化した場合に好適(コスト低減)であるのに対し、第2実施形態はディスクリート部品で構成した場合に好適である。また、トランジスタ11に流れる電流に比例したベース電流をトランジスタ19が増幅することにより、より電流量の大きい電流S2を信号入力端子4に流入することができる。
【0048】
なお、本発明の第1実施形態及び第2実施形態において、電流信号S1は、信号出力回路25に流入し、信号入力回路(2、3)から流出する場合について述べたが、本発明はこれに限られるものではない。「第1の電位」をGND、「第2の電位」を電源電位(Vcc)とし、総てのバイポーラトランジスタ(11、18、19、26)のトランジスタタイプを逆にすることで、電流信号S1は、信号出力回路25から流出し、信号入力回路(2、3)に流入する。
【0049】
また、第1のスイッチング素子11、第2のスイッチング素子26、第1のトランジスタ18、第2のトランジスタ19は、それぞれMOS形電界効果トランジスタ(MOSFET)であってもよい。この場合、「第1の電極」はソース電極であり、「第2の電極」はドレイン電極であり、「制御電極」はゲート電極となる。また、第2のスイッチング素子26は、オープンドレイン型のMOSFETとなる。
【0050】
さらに、微分回路10は、トランジスタ11のベース電極とコンデンサ12との間に接続されたワンショットマルチバイブレータを更に有していてもよい。トランジスタ11がオン状態である期間を、電流信号の印加が停止した後、入力信号端子の電位が所定の変化率で変化している期間の一部分のみにすることができる。
【0051】
さらに、図1に示した信号入出力装置は、信号入力回路2が集積回路として形成された第1の半導体チップと、信号出力回路25が集積回路として形成された第2の半導体チップとから構成されていることが望ましい。また、図2に示した信号入出力装置は、信号入力回路3及び信号出力回路25を構成する各電気素子を個別の半導体素子として作成し、各半導体素子を図2に示した配線パターンが予め形成されたプリント配線基板などの実装基板に載置して形成されていることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる信号入力回路(信号入出力装置)の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係わる信号入力回路(信号入出力装置)の構成を示す回路図である。
【図3】図1及び図2に示した信号入出力装置の動作を説明する図である。
【符号の説明】
2、3 信号入力回路
4 信号入力端子
5 変換抵抗
10 微分回路
11 第1のスイッチング素子(バイポーラトランジスタ)
12 コンデンサ
13 第3の抵抗
15 定電流回路
16 増幅回路
17 第1の抵抗
18 第1のトランジスタ
19 第2のトランジスタ
20 インバータ回路
21 第2の抵抗
25 信号出力回路
26 第2のスイッチング素子(バイポーラトランジスタ)
30 信号線(ワイヤハーネス)
S1 電流信号
Claims (7)
- 入力された電流信号を電圧信号に変換する信号入力回路において、
前記電流信号が入力される入力信号端子と、
第1の電位と前記入力信号端子との間に接続され、前記電流信号の印加が有る時に当該電流信号が流れることで、当該電流信号を前記入力信号端子の電圧信号に変換する変換抵抗と、
前記電流信号の印加が停止した後、前記入力信号端子の電圧信号が前記第1の電位に向けて所定の変化率で変化している期間の少なくとも一部分においてオン状態となる第1のスイッチング素子を有する微分回路と、
前記第1のスイッチング素子がオン状態である期間、前記入力信号端子に対して所定の電流を印加する定電流回路と
を有することを特徴とする信号入力回路。 - 前記微分回路が有する前記第1のスイッチング素子がオン状態である期間は、前記電流信号の印加が停止した後、前記入力信号端子の電位が所定の変化率で変化している総ての期間であることを特徴とする請求項1記載の信号入力回路。
- 前記微分回路が有する前記第1のスイッチング素子は、前記第1の電位とは異なる第2の電位に接続された第1の電極と、第2の電極と、当該第1の電極と当該第2の電極の間を流れる電流を制御する制御電極とを有し、前記微分回路は、前記入力信号端子と前記第1のスイッチング素子の制御電極との間に接続されたコンデンサをさらに有する
ことを特徴とする請求項1または2記載の信号入力回路。 - 前記定電流回路は、
前記第1のスイッチング素子が有する前記第2の電極に一方の端子が接続された第1の抵抗と、
前記第1の電位に接続された第1の電極と、前記第1の抵抗の他方の端子に接続された第2の電極及び制御電極とを有する第1のトランジスタと、
前記第1の電位に接続された第1の電極と、前記入力信号端子に接続された第2の電極と、前記第1の抵抗の他方の端子に接続された制御電極とを有する第2のトランジスタと
を有することを特徴とする請求項3記載の信号入力回路。 - 前記定電流回路は、
前記第1のスイッチング素子が有する前記第2の電極に一方の端子が接続された第1の抵抗と、
前記第1の抵抗の他方の端子と前記第1の電位との間に接続された第2の抵抗と、
前記第1の抵抗の他方の端子に接続された制御電極と、前記第1の電位に接続された第1の電極と、前記入力信号端子に接続された第2の電極とを有する第2のトランジスタと
を有する増幅回路であることを特徴とする請求項3記載の信号入力回路。 - 電流信号の受け渡しを行う信号入出力装置において、
電流信号を出力する信号出力回路と、
前記電流信号が入力され、当該電流信号を電圧信号に変換する信号入力回路と、
前記信号出力回路と前記信号入力回路の間を接続する信号線とを有し、
前記信号入力回路は、
前記信号線に接続され、前記電流信号が入力される入力信号端子と、
第1の電位と前記入力信号端子との間に接続され、前記電流信号の印加が有る時に当該電流信号が流れることで、当該電流信号を前記入力信号端子の電圧信号に変換する変換抵抗と、
前記電流信号の印加が停止した後、前記入力信号端子の電圧信号が前記第1の電位に向けて所定の変化率で変化している期間の少なくとも一部分においてオン状態となる第1のスイッチング素子を有する微分回路と、
前記第1のスイッチング素子がオン状態である期間、前記入力信号端子に対して所定の電流を印加する定電流回路とを有する
ことを特徴とする信号入出力装置。 - 前記信号出力回路は、前記第1の電位とは異なる第2の電位に接続された第1の電極と、前記信号線に接続された第2の電極と、第1の電極と第2の電極間を流れる電流を制御する制御電極とを有する第2のスイッチング素子を有し、
前記信号入力回路は、前記入力信号端子の電圧が入力されるインバータ回路をさらに有する
ことを特徴とする請求項6記載の信号入出力装置。
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