JP3674814B2 - ディスクチャック機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディスクのチャック機構に関し、詳しくは、磁気ディスク検査装置のディスク駆動機構として、径の小さい厚さの薄いディスクをチャックするのに適し、かつ、ディスクを高速回転しても安定なチャックができるような小型なディスクチャック機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報記憶に使用される磁気ディスクや光ディスクなどは、記憶媒体の物理的欠陥と、その電気的な記憶性能の良否が、ディスク検査装置により検査される。この種の検査装置にはスピンドルとその回転機構が設けられていて、検査対象となるディスクは、スピンドルの頭部に設けたチャック機構によりチャックされて回転する。
初期においては、ディスクは、手作業によりチャック機構に装着されていたが、検査の自動化に対応して、現在ではロボットハンドにより自動装着されるので、これに適応するディスクチャック機構が使用されている。
【0003】
図4は、自動装着が可能な従来のディスクチャック機構の代表的な数例を示すものであって、(a)は、ヘッドHの下部の円錐形の位置に、チャックリング、いわゆるCリングの弾性リングrを装着したものである。ヘッドHを上昇すると弾性リングrは直径が縮小する。この状態でシリンダSにディスク1を載置し、ヘッドHを下降して弾性リングrの直径を拡大させてディスク1の中央開口部(内径)の周面1aの全周を押圧する。このような全周押圧方式は、高速回転に適している。なお、シリンダSは、スピンドルに結合されて回転する。
【0004】
(b)は、シリンダSの内壁に円錐面を形成し、この円錐面の内壁にピンにより複数個の押圧棒2を回動可能に支持する。貫通軸2aの上部に設けた押圧板2bにより各押圧棒2を外方に傾斜させて、中心開口部の側面1bを部分的に押圧する。この方式は、ディスク1の上部に機構が全くない。そのため、例えば、磁気ディスクの磁気特性検査などにに好都合なチャックとして使用される。しかし、ディスク1の回転速度が向上すると、押圧力が不足するので通常のディスク検査装置には適していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図4の(a)のものが、高速回転に適するチャック機構になるが、最近のディスクはますます小型化されるとともに厚さが薄くなってきている。また回転速度もさらに高速化されて来ている。そのため、前記のようなディスクチャック機構では、ディスクに歪みが生じ易い。特に、小型で高速回転するディスクにあっては、スピンドルに対する位置ずれによってディスクに有害な振動が発生する。
そこで、出願人は、このようなことを回避するために特願平9−90202号「ディスクチャック機構」として、Cリングを使用したディスクチャック機構を提案している。その概要が図4(c)である。
【0006】
このディスクチャック機構3は、図4(c)に示すように、傾斜面を有するコーンボス4を中央部に設けてその上部に設けたコーン部の斜面5から力を受けて開く、Cリング6を内部に装着してディスク1の内径側面1bをCリング6の外側側面で押圧するものである。Cリング6は、内部にスプリング6aを有していて、コーンボス4の中心部を貫通する結合ロッド7によりヘッド円板8が押し下げられることで、その径が拡大してディスク1の内径側面1bを押圧することができる。なお、図面左側がディスクチャックが解除されている状態を示し、図面右側がディスクチャック状態を示している。
図中、9aは、結合ロッド7を引き出す方向(下方)に付勢するコイルスプリングであり、9bは、ゴム製のダイアフラム、9cは、シリンダSを回転駆動するスピンドルである。ダイアフラム9bは、下側からの空気圧Aにより上部へと押し上げられて凸に変形し、コイルスプリング9aの付勢力に抗して結合ロッド7を押し上げる。これによりディスクのチャックが解除される。
【0007】
このように、コーンボス4の傾斜面でCリング6に力を加えるディスクチャック機構の場合、Cリング6とコーンボス4の傾斜面との摩擦力のばらつきが問題になる。そのばらつきの最大値あるいはそれ以上に合わせてCリングに比較的大きな押圧力を加えて押し下げなければ、ディスクをミスチャックする。しかし、発生する摩擦力が小さい場合には、薄いディスクでは内径側面1bを押す押圧力が強くなり過ぎて、歪みと位置ずれとが発生する。
この発明の目的は、このような問題点を解決したものであって、厚さが薄い小さいディスクをチャックするのに適し、かつ、ディスクを高速回転しても安定なチャックができるディスクチャック機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するためのこの発明のディスクチャック機構の特徴は、一部が開放した弾性体のリング部材をその内側に設けられた傾斜面に円錐状に突出する部分を有する部材の円錐状に突出した傾斜面を係合させてこの突出した傾斜面に沿わせることでリング部材の径を拡大してディスクの中央開口部側面あるいはその周面を押圧することによりディスクをチャックし、突出した傾斜面に沿わせてリング部材の径を縮小することでディスクを開放するディスクチャック機構において、リング部材は、縦方向に溝を有するリング部と、このリング部に装着され拡大したリング部材の径を縮小させる方向に付勢するスプリングとを有するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
このように、この発明は、リング部が縦方向に溝を有しているので、その径を拡大したり、縮める方向のリング部の弾性が低下する。これにより収縮される方向で作用するスプリングの弾性を小さくできる。しかも、縦方向に溝を形成するので、周面方向に対して垂直の縦から加わる力に対する弾性力はほとんど低下しない。これにより上部から大きな力を受けてもリング部の変形が防止され、ディスクを押圧する水平方向に変換される力も均一化することができる。
しかも、リング部の弾性とスプリングの弾性がともに小さくなるので、内側の傾斜面との摩擦のばらつきが低減する。これによりスプリングを押し下げる力を小さくしても、側面方向に大きな力を発生させることができる。したがって、ディスクに対する押圧力のばらつきが低減する。
その結果、摩擦のばらつきの最大値あるいはそれ以上に合わせてリング部材に押圧力を加えても摩擦のばらつきの最小値との差が小さく、かつ、小さな押し下げ力となるので、厚さが薄いディスクであっても歪みが少なく、確実にチャックすることが可能になる。当然、位置ずれも生じ難い。
【0010】
【実施例】
図1は、ディスクチャック機構のディスクチャック状態の部分断面図であり、図2は、そのチャックリングの斜視図、図3は、チャックリングの断面部分図である。
図1において、ディスクチャック機構10は、ヘッド円板11と、結合ロッド12、円形の一部が切断された弾性体のチャックリング13(いわゆるCリングで図2参照)、シリンダ14、コイルスプリング16、押圧円板17、ダイアフラム18、そして、当てリング19よりなる。
シリンダ14は、内部が空洞のシリンダ本体14aと、このシリンダ本体14aの内壁から2段に順次突出するたフランジ部14b、14c、シリンダ本体14aの前側の空洞に配置されフランジ部14bに係合して装填されたコーンボス15a、コーンボス15aとは反対側において同様に空洞に配置されフランジ部14cに係合し、シリンダ本体14に装填された円筒ブロック15bとからなる。 なお、前記の当てリング19の外形は、シリンダ本体14aの後端部の内径と一致していて、ダイアフラム18を均一に保持する役割を果たす。また、シリンダ14は、図4(c)と同様に、後端部においてスピンドル9cに結合される。これによりディスクチャック機構10は高速回転させられる。
【0011】
ここで、コーンボス15aは、円錐状に突出した傾斜面15を有していて、図4(c)のコーンボス4に対応している。チャックリング13の先端部24(図3参照)の内側面に形成された傾斜面13aが傾斜面15に接触する。
ヘッド円板11は、ヘッド円板8に対応し、結合ロッド12は、結合ロッド7に対応している。また、コイルスプリング16は、コイルスプリング9aに対応し、ダイアフラム18は、ダイアフラム9bに対応している。
結合ロッド12は、シリンダ14の後部に装着されている圧縮状態のコイルスプリング16により下側に付勢されていて、このコイルスプリング16の押し下げ付勢力によりディスク1の内径側面1bがチャックリング13の側面でチャックされている。
ディスク1のチャック解除は、結合ロッド12が上へと押し上げられることで行われる。この押し上げは、エアを供給することによりダイアフラム18を押し上げることで、ダイアフラム18を介して結合ロッド12が押し上げられることによる。ディスクをチャックするときには、エアを供給を断てばよい。このような動作は、図4(c)のディスクチャック機構と同様である。
なお、以上の構造においてディスクチャック機構10は、図4(c)のチャック機構に対して、Cリング6がチャックリング13となり、コーンボス15aとチャックリング13との位置関係が変更されている。それ以外の点では、図4(c)のものと全体的な構造は実質的に変わりがない。
【0012】
チャックリング13は、図2に示すように、一部に開口21を有するナイロン等,合成樹脂製のリング部20とスプリング25とからなる。このリング部20は、その周面において縦方向に3ヶ所に縦溝22が形成され、その部分が切り取られ、チャックリング13のこの部分の厚さが薄くなっている。さらに、チャックリング13は、図3にその断面を示すように、高さ方向のほぼ中央部分で内側において円周方向に沿って横溝23が形成され、この部分の厚さも薄くなっている。図3に一点鎖線で示すように、ディスク1に対しては、横溝23の下側にある先端部24の外側の側面がディスク1の内径側面1bに係合する押圧面となっており、先端部24の内側にはコーンボス15aの傾斜面15に対応する傾斜の傾斜面13aが形成されている。またさらに、上面にもスプリング収納溝26が円周方向に沿って形成され、C型のスチールリングのスプリング25がこれに挿着されるている。
【0013】
このチャックリング13とコーンボス15aとシリンダ14との関係を説明すると、図1に示すように、シリンダ本体14は、ディスク1を受ける先端側の表面周辺部に段差部140が設けられている。この段差部140がコーンボス15aの側面との間でディスク1の内径と実質的に等しいかこれより少し大きい円形溝141を形成する。さらに、段差部140の奥には内壁から内側に突出しているフランジ部14bが設けられている。
図1に示すように、ディスクチャック状態では、前記の円形溝141にチャックリング13の先端部24が嵌合する状態においてその先端部24によりディスク1の内径側面1bを押圧する。
段差部140の高さは、図3に点線で示すように、ディスク1の厚さを加えて、ディスク1の表面がチャックリング13の横溝23の下側に位置するようなものに設定されている。ここでは、コーンボス15aの傾斜面15の下側部分がチャックリング13の傾斜面13aと係合してチャックリング13の径が拡大するとき、コーンボス15aの傾斜面15との接触は、チャックリング13の傾斜面13aという部分的な範囲に限定されている。
【0014】
次に、前記のような溝付きのチャックリング13の作用について説明する。まず、径を拡大したり、縮める方向のチャックリング13のばね定数を考えてみると、チャックリング13広がるときのばね定数は、スプリング25と合成樹脂の弾性との和になる。スプリングは、チャックリング13を元の状態に戻すために設けられているので、戻す弾性力は、合成樹脂の弾性力よりも大きい。そして、チャックリング13が縮み、元の径に戻るときには、スプリング25の弾性から合成樹脂の弾性を引いた差になる。
そこで、径を拡大したり、縮める方向の合成樹脂の弾性を低下させれば、スプリング25の弾性は小さくできる。合成樹脂の弾性とスプリング25の弾性がともに小さくできれば、コーンボスの傾斜面との摩擦のばらつきが低減する。しかも、スプリング25を押し下げる力を小さくしても、側面方向に大きな力を発生させることができる。これによりディスク押圧力のばらつきを低減させることができる。
【0015】
これが図2と図3で説明した縦溝22と横溝23の作用である。特に、縦溝22は、径を縮める方向の弾性力を弱めるはたらきがある。そして、ここでは、ヘッド円板11からの力を受けても歪まないように、先端部24のディスク1の内径側面1bに対応する部分の厚さは、薄くなっていない。これによりヘッド円板11により垂直方向から加わる力により先端部24が歪まないようにすることができる。
なお、上部に設けたスプリング収納溝26にスプリング25を装着するのは、ディスクチャック機構10が高速回転したときに、その遠心力により外れることを防止するためである。従来のように内蔵させると、中央部や先端部24のチャック部分が厚くなるが、前記のように上部にスプリング24を装着することで、適切な厚さのチャックリング13を設計することができる。
【0016】
以上説明してきたが、実施例では、ディスク内径側面を押圧してチャックする例を挙げているが、この発明は、Cリングのチャックが傾斜面から力を受けて拡大し、ディスクの中央開口部の周面を押圧する図4(a)のようなタイプのチャック機構であっても適用できる。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、この発明にあっては、リング部が縦方向に溝を有しているので、その径を拡大したり、縮める方向のリング部の弾性が低下する。これにより収縮される方向で作用するスプリングの弾性を小さくできる。しかも、縦方向に溝を形成するので、周面方向に対して垂直の縦から加わる力に対する弾性力はほとんど低下しない。これにより上部から大きな力を受けてもリング部の変形が防止され、ディスクを押圧する水平方向に変換される力も均一化することができる。
その結果、厚さが薄いディスクであっても歪みが少なく、確実にチャックすることが可能になる。当然、位置ずれも生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ディスクチャック機構のディスクチャック状態の部分断面図である。
【図2】図2は、そのチャックリングの斜視図である。
【図3】図3は、チャックリングの断面部分図である。
【図4】図4は、従来のチャック機構の説明図であって、(a)は、チャックリングでその上部から押圧するチャック機構の説明図、(b)は、そのディスク内径側面を押圧するチャック機構の説明図、(c)は、先願発明のチャック機構の説明図である。
【符号の説明】
1…ディスク、10…ディスクチャック機構、
11…ヘッド円板、12…結合ロッド、
13…チャックリング、14…シリンダ、
13a,15…傾斜面、
14a…シリンダ本体、14b…フランジ部、
14c…リング溝、
15a…コーンボス、15b…円筒ブロック、
16…コイルスプリング、17…押圧円板、
18…ダイヤフラム、
19…当てリング、
20…リング部、21…開口、
22…縦溝、23…横溝、24…先端部、
25…スプリング、
26…スプリング収納溝、
140…段差部、141…円形溝。
Claims (2)
- 一部が開放した弾性体のリング部材をその内側に設けられた傾斜面に円錐状に突出する部分を有する部材の円錐状に突出した傾斜面を係合させてこの突出した傾斜面に沿わせることで前記リング部材の径を拡大してディスクの中央開口部側面あるいはその周面を押圧することにより前記ディスクをチャックし、前記突出した傾斜面に沿わせて前記リング部材の径を縮小することで前記ディスクを開放するディスクチャック機構において、
前記リング部材は、縦方向に溝を有するリング部と、このリング部に装着され拡大した前記リング部材の径を縮小させる方向に付勢するスプリングとを有するディスクチャック機構。 - ディスクを受ける先端表面の周辺部に設けられた前記ディスクの中央開口部の径である内径と実質的に等しいかこれより少し大きい円形溝、この円形溝の内側に設けられた円錐状の凸部、そして中心部に設けられた貫通孔とを有するするシリンダと、前記貫通孔を貫通しこの貫通孔に沿ってスライドするロッドと、このロッドの前記円錐状の凸部側に突出した先端に設けられ前記ディスクの内径に対応する径の円板と、前記円板と前記円錐状の凸部との間に設けられ一部が開放され前記円形溝の径より小さい径の弾性体のリング部材と、前記ロッドを前記シリンダの後部から引き出す方向に付勢する付勢部材とを備え、前記リング部材は、縦方向に複数の溝を有するリング部とこのリング部に装着され拡大した前記リング部材の径を縮小させる方向に付勢するスプリングと前記凸部側の先端内側に前記円錐状の凸部に当接される傾斜面とを有し、前記付勢部材により前記ロッドが前記シリンダより後方に引き出されることによって前記円形溝に嵌合してその側面により前記ディスクの中央開口部の側面を押圧することで前記ディスクをチャックするディスクチャック機構。
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