JP3701059B2 - 合成繊維ケーブル用ケーブル締結装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1に記載の合成繊維ケーブル用ケーブル締結装置を出発点とする。
【0002】
【従来の技術】
空中マスト又は伸縮マストの支持用ケーブル締結装置は、台板に固定され、ねじ状に切削加工された凹部を有する丸棒を具備する装置であって、すでにDE 34 03 101 C1により周知なものとなっている。このケーブル締結装置はシングル・ケーブルにのみ適合するものであり、ケーブルの直径に比べて各延長方向に構造が比較的大型でかさばる。
【0003】
エレベータ装置等の用途では、非常に長いケーブルが必要であると同時に、エネルギ上の理由から小さい移動質量が必要になる。一次元伸長性分子鎖及び保護ポリウレタン・スリーブからなる高張力繊維ケーブルはこの必要条件を両方共満たし、軽量で直径が小さく引張強さが大きい。これらの高張力ケーブルは、クランプ又は押圧によって生じる小さな横向力だけを吸収し、引張強さが低下することがない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エレベータ構造物では、複数のケーブルを並行に近接させて固定しなければならない。例えば釣合いおもりには、ケーブルを固定するのに普通は幅10〜15センチの狭小な表面しかない。既知のケーブル締結装置は形状が大きいため、このようなスペース上の制約がある場合には使用できない。ケーブル締結装置を突出させるとケーブル素線が末広がりになり、その結果、ケーブル及びケーブル溝が極端に摩耗し、エレベータのかご又は釣合いおもりが駆動プーリ又は偏向ローラに接近する場合には特に摩耗が激しくなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
特許請求の範囲にその特徴を述べた本発明は、既知の装置の欠点を解消すると共に、合成繊維ケーブルに適合し、近接して並行する多数のケーブルを確実に固定できる重負荷用ケーブル締結装置を実現するという課題を解決するものである。本発明のケーブル接続部は特に、重負荷を狭小な搭載域に固定しなければならないエレベータ構造物における前記要件を満たす。
【0006】
本発明によって達成される特長は、固定したケーブルが隣接する駆動プーリ溝上を大きな偏向を生じることなく相互に並行して走行できる点にある。特にかご又は釣合いおもりが駆動プーリに最も接近する場合、全てのケーブルに均等な負荷がかかり、横方向の力がまったく発生しない。横方向の力が作用すると、特に外部にあるケーブルの場合、駆動プーリからケーブルが外れる可能性がある。
【0007】
シャフトの伸張方向の長さが短い構造では、シャフトの長さを十分に活用できることやシャフトの高さを増加させる必要がないという利点もある。
【0008】
更に、ケーブル溝内のポリウレタン・スリーブの摩擦係数が大きいことを利用してケーブルの張力の大部分をケーブル締結装置により吸収し、又、ケーブルにはクランプによる応力がかからないため、特にケーブルがケーブル溝の離脱域に入る場合に繊維の方向に対して横向きに加わる移動力が減少する。被覆していない合成繊維ケーブルを保護覆膜を切り開いたり痛めたりしないで固定できるという利点もある。
【0009】
本発明の実施例をいくつか図示し、以下詳しく説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1によれば、シャフト1内を移動するかご2は、モータ4に接続した駆動プーリ5の上を走行する合成繊製の複数のケーブル3に吊り下げられている。ケーブルの一端を固定したケーブル締結装置6はかご2の上に位置している。ケーブル3の他端は夫々同様に釣合いおもり7に固定されていて、釣合いおもり7もかごと同じくシャフト1の内部を移動する。駆動プーリ5は相互に近接して並行する溝8を6本備えており、溝は夫々各ケーブルに対応している。エレベータ構造物においては通常、駆動プーリに溝が2〜12本ついている。最上階でかご2は駆動プーリに最接近する。すなわち、ケーブル締結装置6が駆動プーリ5の直下に位置するようになる。かごが一番下の階で停止すると、釣合いおもり7の上部側に取り付けられたケーブル締結装置6が駆動プーリ5の直下にくる。
【0011】
図2は、ケーブル締結装置6の詳細を示している。明瞭にわかるように、図2では、ケーブル3の一部だけを示してある。円筒状保持ドラム10は、移動も回転もしないように、屈曲した金属保持プレート11を介して、例えばこの図では釣合いおもり7にねじ止めしてあり、図2では紙面に対して垂直に延びているケーブルの方向に対してこれを横切るように配置されている。3本の相互に隣接したケーブル溝12は同様な螺旋状の溝として形成してあり、保持ドラムの全長にわたって延びている。このような形状のため製作が容易になる。夫々3本のケーブルからなる各ケーブル群14は、保持ドラムの中央の離脱域13から保持ドラムの両端に向かってケーブル溝12に巻き付けられている。従って、ケーブル群14は双方とも相互にある間隔を置いて保持ドラム10の裏側から延びている。保持ドラム10の中心軸に対して横から見ると、ケーブル3は相互に並行し、相互に並行した溝が6本ある駆動プーリ上を走行する。
【0012】
保持ドラム10の中央部にあるケーブル3の進入点、すなわち離脱点でのケーブル溝12の幅はケーブルの直径に対応している。従って、移動力を減少させるところのケーブルの横方向への押圧が防止される。ケーブル溝12は負荷のかかったケーブルの進入点から徐々に断面が減少し、その結果、ケーブルは横方向に次第に強く締結されるようになって張力が減少する。図2では、単純化するため、断面積の連続的な減少を段差の変化として示してある。無負荷のケーブル端は締結ヨーク15でケーブル溝内に固定してあり、このヨークは保持ドラムの端面から吊り下げられ、ケーブル溝12の最初のねじ山形状順路16が終了したところで保持ドラムにねじで固定されている。締結ブラケット15は保護ブラケット17によって延長され、この保護ブラケットは、できるだけ広い範囲にわたって軽く固定してあり、保持ドラムの軸方向に延び、ケーブル3を押圧することなくこのケーブルを横断している。保護ブラケットはケーブル3に張力がかからなくなった場合にケーブル溝12からケーブル3が離脱するのを防止している。
【0013】
本実施例においては、保持ドラムに有効な溝筋16を三周半にわたって設けている。負荷の大きさ及び摩擦の状態によっては溝筋16の巻数を増減することもできる。本実施例では、ケーブルが2本の単純なエレベータに対して両端からケーブルが巻きつく螺旋状の溝1本あれば十分であるものと見なして差し支えない。
【0014】
ケーブル3の有効張力は、関連するケーブル溝12内の摩擦によって連続的に保持ドラム10に伝達される。合成繊維ケーブル13は、ケーブル溝12が狭小になるに従って横方向に次第に強く締結されていく。横方向の力は、張力が減少するにつれて保持ドラム10内で徐々に強くなるが、局所的には非常に小さい状態にとどまっていてケーブル3の初期の張力は減少しない。
【0015】
張力によってケーブル3が伸長する場合は、ケーブル3の少なくとも一部を保持ドラム10からほどき、その後ケーブルを短くして再度ドラムに巻きつけることにより容易に張力を高めることができる。この作業に工具は必要ない。突出したケーブル端は単に切り落とす。
【0016】
図3の第二の実施例において、ケーブル締結装置6' は、保持ドラム10' 一つだけからなっている。このドラムには螺旋状のケーブル溝12' が4本あって、ドラムの左右半分の夫々の上で相互に並行している。ケーブル溝4本からなる夫々のケーブル群は溝の旋回方向が異なり、その結果、ケーブル3が全て並行し、一直線状になって保持ドラム10' から離脱し、モータ4に接続した駆動プーリ5に相互に一定の間隔をおいて巻き付く。ケーブル3は、締結ブラケット15で固定されると共に保護ブラケット16で保護されている。
【0017】
第三の実施例は、保持ドラム10''を2個又は4個を配設することにより、保持ドラム10''が長くなりすぎないようにして、事実上、希望の数のケーブル3がケーブル締結装置6から互いに並行して離脱できるようにする方法を示している。図4のケーブル締結装置6''の場合、保持ドラム10''が2個、相前後して同軸状に配置してあり、対になったこのような保持ドラムが2組並行に設置してある。各保持ドラム10''にケーブル3が3本巻き付けてあり、従って、ケーブル3は全部で12本ある。同軸状に配置した保持ドラム10''は旋回方向が異なる螺旋状ケーブル溝12''を備え、ケーブル3は保持ドラム10''の対向する端部に向かうように同一の巻き方向に巻き取られる。同じく相互に並行に配置した保持ドラム10''は、旋回方向の異なるケーブル溝12''を備えているが、ケーブル3の巻き方向は逆向きである。以上により、保持ドラム10''全てのケーブル溝12''の離脱域13''が相互に向かい合いになる。従って、ケーブル3は全て並行に離脱し、ほぼ同一線上を走行する。
【0018】
合成繊維ケーブル3の曲率半径が剛性に従ってケーブルの直径のわずかに1〜6倍になるため、必要な場合には個々の保持ドラム10''を非常に薄い構造にすることができる。よって、ケーブル締結装置6は、釣合いおもり及びかごの寸法やスペースの個々の条件に合わせることができる。
【0019】
第四の実施例によるケーブル締結装置6''' は、螺旋状の溝(12''' )を備え、この溝は一点の周りを旋回する平面上の曲線として形成される。この場合、保持ドラム10''' は円形平板であり、ケーブル溝12''' が一方の端面にフライス加工されていて、その断面が徐々に小さくなる。接触している次の保持ドラム10''' もフタ18の代わりとなることがある。負荷のかかっていないケーブル端部はブラケット15''' によって固定されている。ケーブル端を保持ドラム10''' の中央開口部19又はフタ18の中央通路20に通すと、張力を簡単に増加させることができる。中央通路20は、フタ18を取り外さなくても締結ブラケット15''' のねじに都合よく手が届くような大きさにしてある。従って、張力を高めるにはフタ18は緩めるだけでよく、取り外す必要はない。
【0020】
ケーブル締結装置6''' には、極めて小さな構造物であるという利点があるが、シャフト方向の全高が上に説明した実施例よりもいくぶん高くなっている必要がある。
【0021】
円板状の保持ドラム10''' は、例えば第三の実施例のように四つのドラムからなるドラム群として構成してある。ケーブルが4本以上必要な場合は、複数の保持ドラム10''' を駆動プーリ5の溝幅一つ分だけ夫々傾けて、相互に並行に配置し、円板に対して横方向に見た場合にケーブルが並行になるようにする。
【0022】
図6の第5の実施例は構造的に特に簡単で経済的な作りになっているケーブル締結装置6''''を示している。相互に隣接する二つの保持ドラム10''''は、2枚の円板21から構成されている。この2枚の円板は結合されて一体になっていることが望ましい。2枚の円板の間には、外側に向かってわずかに広がっているケーブル溝12''''が配設してある。ケーブル3はこの溝の中にうず巻き状に巻き取られる。ケーブル溝12''''は、ケーブルの進入点から内部に向かって連続的に狭くなり、ケーブル3の内部部分のみを斜めに締結する。ケーブルは積み重ねて巻かれているため、最も内部に巻かれたケーブルに最大の圧力がかかる。最も外側に巻かれたケーブルには最大の負荷がかかり、従って、横方向にはまったく押圧されないか又は軽く押圧されるだけである。
【0023】
保持ドラム10''''は、保持ブラケット23と結合して固定してある円錐体22に対して軸方向に押圧される。保持ドラム10''''は保持ブラケット23にねじ24で止めて堅固に固定する。図7に略図を示したように、保持ドラム10''''は2個又は希望の個数だけオフセット毎に隣接して配置する。
【0024】
ケーブルの張力を高めるには、ねじ24を緩め、保持ドラム10''''を円錐体22からいくぶん持ち上げるだけでよい。こうすれば、ケーブルに張力がかかるまで保持ドラム10''''を回転させることができる。この場合、駆動プーリの溝の方向に対して横方向になるケーブル3の離脱点を変更することなく、ケーブル3を保持ドラム10''''に更に巻き取ることができる。
【0025】
第一の実施例に関する機能の説明は、それ以外の実施例にも同様に当てはまる。例えば一体になった保持ドラムや二つの部分からなる保持ドラム又は関連させて配置した保持ドラム等の実施例の個々の特徴は、その他の実施例の特徴と相互に入れ替え可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】かご及び釣合いおもりのついたエレベータ装置の略立面図である。
【図2】第一の実施例によるケーブル締結装置の拡大平面図である。
【図3】ケーブル締結装置の第二の実施例の側面図である。
【図4】ケーブル締結装置の第三の実施例の略平面図である。
【図5】ケーブル締結装置の第四の実施例である。
【図6】ケーブル締結装置の第五の実施例である。
【図7】同じく、ケーブル締結装置の第五の実施例である。
【符号の説明】
2 かご
3 ケーブル
10 ドラム
12 ケーブル溝
15 締結ブラケット
16 溝筋
17 保護ブラケット
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1に記載の合成繊維ケーブル用ケーブル締結装置を出発点とする。
【0002】
【従来の技術】
空中マスト又は伸縮マストの支持用ケーブル締結装置は、台板に固定され、ねじ状に切削加工された凹部を有する丸棒を具備する装置であって、すでにDE 34 03 101 C1により周知なものとなっている。このケーブル締結装置はシングル・ケーブルにのみ適合するものであり、ケーブルの直径に比べて各延長方向に構造が比較的大型でかさばる。
【0003】
エレベータ装置等の用途では、非常に長いケーブルが必要であると同時に、エネルギ上の理由から小さい移動質量が必要になる。一次元伸長性分子鎖及び保護ポリウレタン・スリーブからなる高張力繊維ケーブルはこの必要条件を両方共満たし、軽量で直径が小さく引張強さが大きい。これらの高張力ケーブルは、クランプ又は押圧によって生じる小さな横向力だけを吸収し、引張強さが低下することがない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エレベータ構造物では、複数のケーブルを並行に近接させて固定しなければならない。例えば釣合いおもりには、ケーブルを固定するのに普通は幅10〜15センチの狭小な表面しかない。既知のケーブル締結装置は形状が大きいため、このようなスペース上の制約がある場合には使用できない。ケーブル締結装置を突出させるとケーブル素線が末広がりになり、その結果、ケーブル及びケーブル溝が極端に摩耗し、エレベータのかご又は釣合いおもりが駆動プーリ又は偏向ローラに接近する場合には特に摩耗が激しくなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
特許請求の範囲にその特徴を述べた本発明は、既知の装置の欠点を解消すると共に、合成繊維ケーブルに適合し、近接して並行する多数のケーブルを確実に固定できる重負荷用ケーブル締結装置を実現するという課題を解決するものである。本発明のケーブル接続部は特に、重負荷を狭小な搭載域に固定しなければならないエレベータ構造物における前記要件を満たす。
【0006】
本発明によって達成される特長は、固定したケーブルが隣接する駆動プーリ溝上を大きな偏向を生じることなく相互に並行して走行できる点にある。特にかご又は釣合いおもりが駆動プーリに最も接近する場合、全てのケーブルに均等な負荷がかかり、横方向の力がまったく発生しない。横方向の力が作用すると、特に外部にあるケーブルの場合、駆動プーリからケーブルが外れる可能性がある。
【0007】
シャフトの伸張方向の長さが短い構造では、シャフトの長さを十分に活用できることやシャフトの高さを増加させる必要がないという利点もある。
【0008】
更に、ケーブル溝内のポリウレタン・スリーブの摩擦係数が大きいことを利用してケーブルの張力の大部分をケーブル締結装置により吸収し、又、ケーブルにはクランプによる応力がかからないため、特にケーブルがケーブル溝の離脱域に入る場合に繊維の方向に対して横向きに加わる移動力が減少する。被覆していない合成繊維ケーブルを保護覆膜を切り開いたり痛めたりしないで固定できるという利点もある。
【0009】
本発明の実施例をいくつか図示し、以下詳しく説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1によれば、シャフト1内を移動するかご2は、モータ4に接続した駆動プーリ5の上を走行する合成繊製の複数のケーブル3に吊り下げられている。ケーブルの一端を固定したケーブル締結装置6はかご2の上に位置している。ケーブル3の他端は夫々同様に釣合いおもり7に固定されていて、釣合いおもり7もかごと同じくシャフト1の内部を移動する。駆動プーリ5は相互に近接して並行する溝8を6本備えており、溝は夫々各ケーブルに対応している。エレベータ構造物においては通常、駆動プーリに溝が2〜12本ついている。最上階でかご2は駆動プーリに最接近する。すなわち、ケーブル締結装置6が駆動プーリ5の直下に位置するようになる。かごが一番下の階で停止すると、釣合いおもり7の上部側に取り付けられたケーブル締結装置6が駆動プーリ5の直下にくる。
【0011】
図2は、ケーブル締結装置6の詳細を示している。明瞭にわかるように、図2では、ケーブル3の一部だけを示してある。円筒状保持ドラム10は、移動も回転もしないように、屈曲した金属保持プレート11を介して、例えばこの図では釣合いおもり7にねじ止めしてあり、図2では紙面に対して垂直に延びているケーブルの方向に対してこれを横切るように配置されている。3本の相互に隣接したケーブル溝12は同様な螺旋状の溝として形成してあり、保持ドラムの全長にわたって延びている。このような形状のため製作が容易になる。夫々3本のケーブルからなる各ケーブル群14は、保持ドラムの中央の離脱域13から保持ドラムの両端に向かってケーブル溝12に巻き付けられている。従って、ケーブル群14は双方とも相互にある間隔を置いて保持ドラム10の裏側から延びている。保持ドラム10の中心軸に対して横から見ると、ケーブル3は相互に並行し、相互に並行した溝が6本ある駆動プーリ上を走行する。
【0012】
保持ドラム10の中央部にあるケーブル3の進入点、すなわち離脱点でのケーブル溝12の幅はケーブルの直径に対応している。従って、移動力を減少させるところのケーブルの横方向への押圧が防止される。ケーブル溝12は負荷のかかったケーブルの進入点から徐々に断面が減少し、その結果、ケーブルは横方向に次第に強く締結されるようになって張力が減少する。図2では、単純化するため、断面積の連続的な減少を段差の変化として示してある。無負荷のケーブル端は締結ヨーク15でケーブル溝内に固定してあり、このヨークは保持ドラムの端面から吊り下げられ、ケーブル溝12の最初のねじ山形状順路16が終了したところで保持ドラムにねじで固定されている。締結ブラケット15は保護ブラケット17によって延長され、この保護ブラケットは、できるだけ広い範囲にわたって軽く固定してあり、保持ドラムの軸方向に延び、ケーブル3を押圧することなくこのケーブルを横断している。保護ブラケットはケーブル3に張力がかからなくなった場合にケーブル溝12からケーブル3が離脱するのを防止している。
【0013】
本実施例においては、保持ドラムに有効な溝筋16を三周半にわたって設けている。負荷の大きさ及び摩擦の状態によっては溝筋16の巻数を増減することもできる。本実施例では、ケーブルが2本の単純なエレベータに対して両端からケーブルが巻きつく螺旋状の溝1本あれば十分であるものと見なして差し支えない。
【0014】
ケーブル3の有効張力は、関連するケーブル溝12内の摩擦によって連続的に保持ドラム10に伝達される。合成繊維ケーブル13は、ケーブル溝12が狭小になるに従って横方向に次第に強く締結されていく。横方向の力は、張力が減少するにつれて保持ドラム10内で徐々に強くなるが、局所的には非常に小さい状態にとどまっていてケーブル3の初期の張力は減少しない。
【0015】
張力によってケーブル3が伸長する場合は、ケーブル3の少なくとも一部を保持ドラム10からほどき、その後ケーブルを短くして再度ドラムに巻きつけることにより容易に張力を高めることができる。この作業に工具は必要ない。突出したケーブル端は単に切り落とす。
【0016】
図3の第二の実施例において、ケーブル締結装置6' は、保持ドラム10' 一つだけからなっている。このドラムには螺旋状のケーブル溝12' が4本あって、ドラムの左右半分の夫々の上で相互に並行している。ケーブル溝4本からなる夫々のケーブル群は溝の旋回方向が異なり、その結果、ケーブル3が全て並行し、一直線状になって保持ドラム10' から離脱し、モータ4に接続した駆動プーリ5に相互に一定の間隔をおいて巻き付く。ケーブル3は、締結ブラケット15で固定されると共に保護ブラケット16で保護されている。
【0017】
第三の実施例は、保持ドラム10''を2個又は4個を配設することにより、保持ドラム10''が長くなりすぎないようにして、事実上、希望の数のケーブル3がケーブル締結装置6から互いに並行して離脱できるようにする方法を示している。図4のケーブル締結装置6''の場合、保持ドラム10''が2個、相前後して同軸状に配置してあり、対になったこのような保持ドラムが2組並行に設置してある。各保持ドラム10''にケーブル3が3本巻き付けてあり、従って、ケーブル3は全部で12本ある。同軸状に配置した保持ドラム10''は旋回方向が異なる螺旋状ケーブル溝12''を備え、ケーブル3は保持ドラム10''の対向する端部に向かうように同一の巻き方向に巻き取られる。同じく相互に並行に配置した保持ドラム10''は、旋回方向の異なるケーブル溝12''を備えているが、ケーブル3の巻き方向は逆向きである。以上により、保持ドラム10''全てのケーブル溝12''の離脱域13''が相互に向かい合いになる。従って、ケーブル3は全て並行に離脱し、ほぼ同一線上を走行する。
【0018】
合成繊維ケーブル3の曲率半径が剛性に従ってケーブルの直径のわずかに1〜6倍になるため、必要な場合には個々の保持ドラム10''を非常に薄い構造にすることができる。よって、ケーブル締結装置6は、釣合いおもり及びかごの寸法やスペースの個々の条件に合わせることができる。
【0019】
第四の実施例によるケーブル締結装置6''' は、螺旋状の溝(12''' )を備え、この溝は一点の周りを旋回する平面上の曲線として形成される。この場合、保持ドラム10''' は円形平板であり、ケーブル溝12''' が一方の端面にフライス加工されていて、その断面が徐々に小さくなる。接触している次の保持ドラム10''' もフタ18の代わりとなることがある。負荷のかかっていないケーブル端部はブラケット15''' によって固定されている。ケーブル端を保持ドラム10''' の中央開口部19又はフタ18の中央通路20に通すと、張力を簡単に増加させることができる。中央通路20は、フタ18を取り外さなくても締結ブラケット15''' のねじに都合よく手が届くような大きさにしてある。従って、張力を高めるにはフタ18は緩めるだけでよく、取り外す必要はない。
【0020】
ケーブル締結装置6''' には、極めて小さな構造物であるという利点があるが、シャフト方向の全高が上に説明した実施例よりもいくぶん高くなっている必要がある。
【0021】
円板状の保持ドラム10''' は、例えば第三の実施例のように四つのドラムからなるドラム群として構成してある。ケーブルが4本以上必要な場合は、複数の保持ドラム10''' を駆動プーリ5の溝幅一つ分だけ夫々傾けて、相互に並行に配置し、円板に対して横方向に見た場合にケーブルが並行になるようにする。
【0022】
図6の第5の実施例は構造的に特に簡単で経済的な作りになっているケーブル締結装置6''''を示している。相互に隣接する二つの保持ドラム10''''は、2枚の円板21から構成されている。この2枚の円板は結合されて一体になっていることが望ましい。2枚の円板の間には、外側に向かってわずかに広がっているケーブル溝12''''が配設してある。ケーブル3はこの溝の中にうず巻き状に巻き取られる。ケーブル溝12''''は、ケーブルの進入点から内部に向かって連続的に狭くなり、ケーブル3の内部部分のみを斜めに締結する。ケーブルは積み重ねて巻かれているため、最も内部に巻かれたケーブルに最大の圧力がかかる。最も外側に巻かれたケーブルには最大の負荷がかかり、従って、横方向にはまったく押圧されないか又は軽く押圧されるだけである。
【0023】
保持ドラム10''''は、保持ブラケット23と結合して固定してある円錐体22に対して軸方向に押圧される。保持ドラム10''''は保持ブラケット23にねじ24で止めて堅固に固定する。図7に略図を示したように、保持ドラム10''''は2個又は希望の個数だけオフセット毎に隣接して配置する。
【0024】
ケーブルの張力を高めるには、ねじ24を緩め、保持ドラム10''''を円錐体22からいくぶん持ち上げるだけでよい。こうすれば、ケーブルに張力がかかるまで保持ドラム10''''を回転させることができる。この場合、駆動プーリの溝の方向に対して横方向になるケーブル3の離脱点を変更することなく、ケーブル3を保持ドラム10''''に更に巻き取ることができる。
【0025】
第一の実施例に関する機能の説明は、それ以外の実施例にも同様に当てはまる。例えば一体になった保持ドラムや二つの部分からなる保持ドラム又は関連させて配置した保持ドラム等の実施例の個々の特徴は、その他の実施例の特徴と相互に入れ替え可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】かご及び釣合いおもりのついたエレベータ装置の略立面図である。
【図2】第一の実施例によるケーブル締結装置の拡大平面図である。
【図3】ケーブル締結装置の第二の実施例の側面図である。
【図4】ケーブル締結装置の第三の実施例の略平面図である。
【図5】ケーブル締結装置の第四の実施例である。
【図6】ケーブル締結装置の第五の実施例である。
【図7】同じく、ケーブル締結装置の第五の実施例である。
【符号の説明】
2 かご
3 ケーブル
10 ドラム
12 ケーブル溝
15 締結ブラケット
16 溝筋
17 保護ブラケット
Claims (10)
- 荷重がかかるケーブル(3)を受容すべく刻み込まれたケーブル溝(12)を少なくとも一つ有する保持ドラム(10)を備えている、合成繊維ケーブル、特にエレベータ用ケーブル(3)用のケーブル締結装置であって、前記少なくとも一つの保持ドラム(10)がエレベータのかご(2)又は釣合いおもり(7)あるいはその両方に堅固に接続されており、前記ケーブル(3)の送出のために溝筋(16)が互いに並行して終了あるいは終端する複数のケーブル溝(12)が、一つ又は複数の保持ドラム(10)上に互いに並行に配置されており、前記ケーブル溝(12)の断面積が、負荷のかかったケーブルの進入点から徐々に減少することを特徴とするケーブル締結装置。
- 複数の保持ドラム(10)が一列又は並行に配置され、前記ケーブル溝(12)の送出域(13)が夫々対向していることを特徴とする請求項1に記載のケーブル締結装置。
- ケーブル溝(12'''')が、複数回積み重ねて巻いたケーブル(3)を受け入れることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル締結装置。
- 同軸状に配置したケーブル溝(12)にはケーブル(3)が逆ねじの向きに半分ずつ巻かれていることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル締結装置。
- 前記ケーブル(3)の無負荷端部(3)が、横向圧力、特に締結ブラケット(15)により前記ケーブル溝(12)内に保持されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のケーブル締結装置。
- 前記ケーブル(3)は脱落しないように前記ケーブル溝(12)内において保護ブラケット(17)により固定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のケーブル締結装置。
- 同軸状に配置された保持ドラム(10'')が夫々旋回方向が異なるケーブル溝(12'')を備えており、前記固定されたケーブル端が夫々前記保持ドラム(10'')における互いに隔たった端部に向かって移動するように前記ケーブル(3)が前記ケーブル溝内において同一方向に巻かれていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のケーブル締結装置。
- 互いに並行に配置した保持ドラム(10'')が、旋回方向の異なるケーブル溝(12'')を備えており、このケーブル溝において前記ケーブル(3)の巻き方向が異なることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のケーブル締結装置。
- 前記ケーブル溝を前記保持ドラム(10)上にある螺旋状の溝(12)として配置することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のケーブル締結装置。
- 前記ケーブル溝(12)を、一点を中心とする平面上の渦巻状溝として形成することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のケーブル締結装置。
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