JP3718663B2 - ブレーキワイヤ取付構造と車椅子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、取付台で回転可能にブレーキレバーを取付けた車椅子のハンドルや自転車のハンドル等のハンドルに対し、ブレーキワイヤを前記取付台にそれぞれ取付けるブレーキワイヤ取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、介助用車椅子の介助者手押し用のハンドルと自転車のハンドルには、いずれもブレーキレバー、該ブレーキレバーを前記ハンドルに取付ける取付具、及び前記ブレーキレバーに接続するブレーキワイヤが備えられている。
介助用車椅子の介助者手押し用のハンドルにブレーキを備えることは、介助者にとって大変便利であり、下り坂や急停止等の安全面でも好ましいため、介助用車椅子には必須のものとなってきている。
【0003】
一方、自転車には昔からハンドル、ブレーキレバー、取付具、及びブレーキワイヤが備えられており、その構造は大きく変化することなく安定してきている。
【0004】
このため、介助用車椅子に備えるハンドル、ブレーキレバー、取付具、及びブレーキワイヤは、機能面とコスト面より、従来から自転車に使用されているものと同一のものが使用されている。
【0005】
ここで、介助用車椅子は一般に折りたたみ可能に形成されているのに対し、自転車は一般的に折りたたむことなく常時同一形態使用されるという差異が存在する。
自転車はブレーキワイヤが常に定位置に保持されているため、その取付構造に抜止めの必要性が少ない。
【0006】
一方、介助用車椅子は、折りたたみ可能にするためにブレーキワイヤに適度の遊びが必要となり、抜止め構造を備えなければ、折りたたみ時や走行中にブレーキレバーが外れてしまい、直す手間や安全性に問題が発生する。
この問題を回避する方法として、ブレーキワイヤのアウタの一端にネジ溝を設け、該アウタをナットで取付台に固定する方法が存在している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のブレーキワイヤ取付構造では、ナットにアウタの先端部をねじ込む必要があるため、取付に手間がかかっていた。
また、アウタの先端部にネジ溝を形成しているため、その分肉厚が薄くなって強度が弱まっていた。
【0008】
さらには、長期間の使用でインナの錆びやアウタの破れ等が発生してブレーキワイヤの交換が必要となった時、取付台をハンドルから外した上でアウタの先端部を回転させてナットから取り外す必要があった。このため、交換には大変手間がかかると共に、一般人では交換が難しく販売店などに持ち込まなければならない場合も発生していた。
【0009】
この発明は、簡単にアウタを取付台に取付けることができ、安全性を向上し、丈夫でかつコストパフォーマンスの高いブレーキワイヤ取付構造を提案し、低価格で利便性の高いブレーキワイヤ、車椅子、自転車を提供して顧客満足度を向上することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ブレーキレバーを取付台で回転可能にハンドルに取付け、前記ブレーキレバーの前記取付台側にブレーキワイヤのインナの一端を連結し、該インナの動作方向に対向して前記取付台に備えた固定部に前記ブレーキワイヤのアウタの先端部を固定し、固定した該アウタから前記ブレーキレバーの回転で前記インナを引き出してブレーキ操作を可能にするブレーキワイヤ取付構造であって、前記取付台の固定部に、前記アウタの一端に備えたL字型の挿着パイプの先端部を挿入して回転可能に保持する穴を形成すると共に、該穴の口縁に凹部を形成し、前記挿着パイプの先端部に、前記穴への挿入位置を規定する当り部を形成し、前記穴の凹部に挿通すると共に回転によって前記穴の口縁で抜止めする突起を前記L字の広角側に形成したブレーキワイヤ取付構造であることを特徴とする。
これにより、簡単にブレーキワイヤを取付け可能で、ブレーキワイヤが不用意に外れることのないブレーキワイヤ取付構造を得ることができ、組立容易でかつ安全性の高い車椅子や自転車を提供することができる。
【0011】
前記取付台の固定部に形成する穴は、円形、楕円形、四角形、長方形、又はその他の形状で形成して、前記アウタの先端部の回転を許容することを含む。なお、該穴は円形に形成することが望ましく、この場合は通常の取付台の穴をそのまま利用することができる。
【0012】
前記穴の口縁に形成する凹部は、1箇所、又は2箇所等の複数箇所に形成することを含み、ブレーキワイヤのインナを前記取付台の端部から前記穴へ差し込み可能にする切込み溝で形成する、あるいは、該切込み溝とは別に設けた凹部で形成することを含む。なお、該凹部は、前記取付台のハンドルとの反対側端部から前記穴へ前記インナを差し込み可能にする切込み溝で形成することが望ましく、この場合は通常の取付台の切込み溝を利用することができる。
【0013】
前記挿着パイプの先端部に形成する当り部は、パイプ形状の先端に縮径部を形成してその径差で形成する、成形時に一体成形する、パイプ形状の先端から少し後方でつまみ変形させた突起部(例えばパイプの側面の一部をパンチングでつまんで突出変形させて形成する突起部)で形成する、あるいは、突起若しくはリングを先端から少し後方で溶接して形成するなど、アウタの先端部の挿入量を規制する当り部で形成することを含む。
【0014】
なお、該当り部は、パイプ形状の先端に縮径部を形成してその径差で形成することが望ましく、これによりブレーキ操作で該当り部にかかる負荷に問題なく耐えることができる。
【0015】
前記L字の広角側に形成する突起は、該先端部をパイプ形状に形成して前記当り部よりも先端側の側面にピンを打ち込み又は溶接して形成する、成形時に一体成形する、同位置で側面の一部をつまみ変形して形成する、あるいは、先端口縁の一部を引起して形成することを含み、1箇所、又は2箇所等の複数箇所に形成することを含む。なお、該突起は1箇所に形成することが望ましく、これにより通常の取付台を利用して簡単に挿着することができる。
【0016】
以上の構成により、取付け容易なブレーキワイヤ取付構造を得ることができ、製造コストを削減できる。また、ブレーキワイヤの着脱を容易にし、ブレーキワイヤの取替え等メンテナンスの容易化を図ることもできる。
【0017】
また、通常の取付台の穴及び切込み溝を利用して、前記挿着パイプを使用状態とほぼ逆向きにして前記取付台の穴に挿入し、使用状態では前記突起を前記穴の口縁で抜止めすることができる。
【0018】
このため、使用状態である車椅子や自転車の走行中にブレーキワイヤが外れる、あるいは車椅子の折りたたみ時にブレーキワイヤが外れる等、意図しないブレーキワイヤの抜着を防止でき、十分な安全性を確保することができる。
【0019】
また好ましい実施の形態として、前記先端部の当り部に緩衝リングを備えることができる。
前記緩衝リングは、ゴム材やスポンジ材等の弾性体で形成することを含む。なお、ブレーキ操作によってかかる負荷に耐えるため高硬度のゴム材を使用することが望ましい。
【0020】
前記構成により、ブレーキワイヤのアウタの先端部と取付台との挿着部でのがたつきを防止することができると共に、がたつきによる摩耗を防止することができる。その上、振動等の要因によってブレーキワイヤの向きが変更されることを防止することもできる。
【0021】
またこの発明は、前記ブレーキワイヤ取付構造を備えた車椅子とすることができる。
前記車椅子は、介助用のハンドルを備えた介助用車椅子で構成することを含む。
前記構成により、着脱容易なブレーキワイヤ取付構造を利用した車椅子を現実に提供することができ、利用者にとって介助の利便性と安全性が向上する。
【0022】
【発明の効果】
この発明により、ブレーキワイヤの取付けが容易で、コストパフォーマンスにも優れ、かつ安全性の高い車椅子や自転車を提供することができ、顧客満足度を向上することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まず介助用車椅子1の斜視図と共に、介助用車椅子1の全体を示してこの発明に必要な構成について説明する。
【0024】
介助用車椅子1の背面側には、2本のハンドル2,2を備え、該ハンドル2には取付金具3を介してブレーキレバー4を回転可能に取付ける。
該ブレーキレバー4にはブレーキワイヤ5の一端を取付け、該ブレーキワイヤ5の他端を、車輪6の中心部に設けたドラム式介助ブレーキ7に接続する。なお、前記ドラム式介助ブレーキ7の構造は周知であるため、その詳細な説明を省略する。
【0025】
以上に説明した介助用車椅子1は、介助者がハンドル2を持って手押しすることができ、停止したいとき及び速度を遅くしたいときには、ハンドル2と共にブレーキレバー4を握り、ブレーキワイヤ5及びドラム式介助ブレーキ7を介して車輪6の回転を停止または抑制することができる。
【0026】
次に、図2に示すハンドル2周辺の側面拡大図(一部断面図)と共に、ブレーキワイヤ取付構造について説明する。なお、図中の(A)は、後述する取付金具3の正面図を示し、(B)は、後述する係止玉53a近傍のブレーキレバー4の外観側面図を示す。
【0027】
ハンドル2は、金属パイプ2cにゴム製のラバーグリップ2aを被せるように嵌め込み、該ラバーグリップ2aの嵌込口2bの近傍位置で、前記金属パイプ2cに取付金具3を取付ける。
【0028】
該取付金具3の取付けは、金具本体部3dと金具蓋部3aとで前記金属パイプ2cを挟み込み、この状態で前記金具本体部3dと前記金具蓋部3aとをボルトナット3bで螺着して固定する。
【0029】
該金具本体部3dの下方部は、後述するブレーキワイヤ5のアウタケーブル52を固定する底面視コの字型の固定部3eで形成し、該固定部3eの下端近傍位置には、(A)に示すように前後方向の円形の穴3fを形成すると共に、該穴3fから下方へ貫通した溝3gを形成する。
該金具本体部3dの前記金属パイプ2c側近傍には、側面方向(図の前後方向)に棒状の金具3cを挿着し、該金具3cでL字型のブレーキレバー4を枢支する。
【0030】
前記ブレーキレバー4には、L字の折れ部外角側近傍に位置して、(B)に示すように一側面に向けて開口した穴4aを形成する。
これと共に、前記ブレーキレバー4の前記穴4aの隣接位置に、ブレーキワイヤ5のインナケーブル53を側面から挿入して正面側(図示左側)へ揺動可能に収納する底面視L字型の溝4bを形成する。
【0031】
ブレーキワイヤ5は、可撓性を有するパイプ状の鞘部材で形成したアウタケーブル52と、該アウタケーブル52内に挿通して移動可能なワイヤで形成したインナケーブル53と、前記アウタケーブル52の一端に備えたパイプ状の硬質金属をL字型に曲げ成形したアウタパイプ51で概略を形成する。
【0032】
前記インナケーブル53の前記アウタパイプ51側の端部には、ドラム状の係止玉53aを設け、該係止玉53aを前記ブレーキレバー4の穴4a(B)に挿着して、ブレーキレバー4にインナケーブル53を連結する。
【0033】
前記アウタパイプ51の先端には縮径に形成した縮径部51eを備え、該縮径部51eの外周に突起51aを形成する。また、前記アウタパイプ51の本体部51dと前記縮径部51eとの繋ぎ目である段差部51cには、緩衝リング51bを装着する。
【0034】
以上の構造により、介助者がラバーグリップ2aを上から持って親指を除く4本の指でブレーキレバー4を握りこむと、ブレーキレバー4は金具3cを軸に回転し、これにより係止玉53aを介して連結しているインナケーブル53を、穴3fの縁で係止されたアウタケーブル52から引き出し、ドラム式介助ブレーキ7(図1)を動作させて車輪6(図1)にブレーキをかけることができる。
【0035】
次に、図3及び図4に示す取付け説明図と共に、ブレーキワイヤ5を取付金具3及びブレーキレバー4にとりつける方法について説明する。なお、図中の(C)、(D)、(E)、(F)は、いずれも正面右下側から見たハンドル2近傍の斜視図を示している。
【0036】
まず、(C)に示すように、ブレーキワイヤ5のインナケーブル53の一端に備えた係止玉53aを、ブレーキレバー4の穴4aに挿入する。このとき、インナケーブル53が溝4bに嵌まり込むようにする。
【0037】
次に、(D)に示すように、前記係止玉53aを軸に、インナケーブル53が溝4bに沿って移動するようにブレーキワイヤ5を正面側へ回転移動させ、インナケーブル53が取付金具3の穴3fを通過する状態にする。このとき、取付金具3の溝3gに対応させてアウタパイプ51の突起51aが下向きになるように、ブレーキワイヤ5を使用状態と反対側へ向けた取付方向にする。
【0038】
ここで、(E)に示すように、アウタパイプ51の縮径部51eを、取付金具3の穴3fに挿入し、ブレーキワイヤ5を半回転させて使用状態にする。このとき、アウタパイプ51の突起51aは、図2に示したように上側になり、取付金具3の穴3fの口縁に当ってアウタパイプ51を抜止めする。
【0039】
以上のようにして、ブレーキワイヤ5を取付金具3及びブレーキレバー4に簡単に取付けることができる。該ブレーキワイヤ5は、(F)に仮想線で示すように直角以上に回転させても、アウタパイプ51の突起51aが取付金具3の穴3fの口縁で係止されて外れないため、使用状態で外れてしまうことを回避できる。すなわち、自転車や車椅子で通常直角以上にまでアウタパイプ51が回転することはありえないため、アウタパイプ51が走行中に外れる(つまりブレーキワイヤ5が外れる)、あるいは、車椅子の折りたたみ時に外れるといったことを回避でき、安全性と着脱容易性を両立させることができる。
【0040】
なお、取付金具3の溝3gは、穴4aから真下へ向けて備えるのではなく、適度に角度をつけて斜め下へ形成しても良く、あるいは、突起51aをアウタパイプ51の真上方向から少しずらして形成しても良い。これにより、アウタパイプ51のアウタケーブル52側を真上ではなく斜め上へ向けて取付けることができ、取付けがより容易になると共にメンテナンス時の取り外しも容易になる。
【0041】
また、取付金具3の溝3gは、アウタパイプ51の突起51aが通過可能な最小サイズで形成しても良い。これにより、取付金具3にアウタパイプ51を取付けてから該取付金具3を金属パイプ2cに取付ける必要が生じ、金属パイプ2cに取付金具3を取付けた状態では、アウタパイプ51を取り外せなくなる。すなわち、取付金具3の溝3gに突起51aを対応させる位置までアウタパイプ51を回転させようとすると、途中で金属パイプ2cにアウタパイプ51若しくはアウタケーブル52が当ってしまい、取り外し位置まで回転させることが不可能となる。これにより、ブレーキワイヤ5を取付けて出荷した後は、ボルトナット3bを緩めない限りブレーキワイヤ5が外れないこととなり、より安全性を高めることができる。
【0042】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の車椅子は、実施形態の介助用車椅子1に対応し、
以下同様に、
取付台は、実施形態の取付金具3に対応し、
凹部は、溝3gに対応し、
挿着パイプは、アウタパイプ51に対応し、
当り部は、突起51aに対応し、
先端部は、縮径部51eに対応し、
アウタは、アウタケーブル52に対応し、
インナは、インナケーブル53に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】介助用車椅子の斜視図。
【図2】ハンドル周辺の側面拡大図(一部断面図)。
【図3】ブレーキワイヤの取付け説明図。
【図4】ブレーキワイヤの取付け説明図。
【符号の説明】
1…介助用車椅子
2…ハンドル
3…取付金具
3e…固定部
3f…穴
3g…溝
4…ブレーキレバー
5…ブレーキワイヤ
51…アウタパイプ
51a…突起
51b…緩衝リング
51e…縮径部
52…アウタケーブル
53…インナケーブル
Claims (3)
- ブレーキレバーを取付台で回転可能にハンドルに取付け、
前記ブレーキレバーの前記取付台側にブレーキワイヤのインナの一端を連結し、
該インナの動作方向に対向して前記取付台に備えた固定部に前記ブレーキワイヤのアウタの先端部を固定し、
固定した該アウタから前記ブレーキレバーの回転で前記インナを引き出してブレーキ操作を可能にするブレーキワイヤ取付構造であって、
前記取付台の固定部に、前記アウタの一端に備えたL字型の挿着パイプの先端部を挿入して回転可能に保持する穴を形成すると共に、該穴の口縁に凹部を形成し、
前記挿着パイプの先端部に、前記穴への挿入位置を規定する当り部を形成するとともに、前記穴の凹部に挿通すると共に回転によって前記穴の口縁で抜止めする突起を前記L字の広角側に形成した
ブレーキワイヤ取付構造。 - 前記先端部の当り部に緩衝リングを備えた
請求項1記載のブレーキワイヤ取付構造。 - 請求項1又は2記載のブレーキワイヤ取付構造を備えた
車椅子。
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