JP3748663B2 - 熱交換器、冷蔵庫及びショーケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コルゲート状に折り曲げられたフィンに冷媒チューブを嵌め込んで製造される熱交換器、冷蔵庫及びショーケースの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、冷蔵庫やショーケース等の冷凍装置に用いられる熱交換器として、アルミニウム製の平板をコルゲート状に折り曲げてコルゲートフィンを形成し、このコルゲートフィンのチューブ嵌め込み用の溝に蛇行状に曲げた冷媒チューブを嵌め込んで製造する熱交換器を既に提案している。
【0003】
この種のものは図7に示すようにコルゲート状に曲げたフィン51の凸部にチューブ嵌め込み用の溝53を設け、この溝53に蛇行状に曲げた冷媒チューブ55を嵌め込んで形成される。この熱交換器を製造するに当たって、冷媒チューブ55を溝53に嵌め込む時には、空気の流入側及び流出側に位置するフィン51の端部57に図7に示すような膨らみが広がるという問題がある。フィン51の端部57に膨らみが広がると端部57の狭くなった部分の通風抵抗が増大するので、熱交換用空気が流入しにくくなるという問題がある。
【0004】
これを解消するために従来ではコルゲートフィンにおけるフィンピッチを揃えるための治具(図示せず)を設け、この治具の上にコルゲートフィンを載せ、且つ図8に示すようにフィン変形防止治具59を端部57の間に挿入し、その後に冷媒チューブ55をチューブ嵌め込み用の溝53に嵌め込むことにより上述した端部57の膨らみ等の発生を回避するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したフィン変形防止治具59を用いる場合、フィン変形防止治具59をフィン51の端部57の間にうまく挿入できない場合がある。この状態で、冷媒チューブ55をチューブ嵌め込み用の溝53に嵌め込むと、コルゲートフィンが薄いアルミニウム等からなることもあって復元不可能なゆがみや変形を生じさせてしまうという問題がある。またフィン変形防止治具59を端部57の間に挿入する作業は非常に手間がかかるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、フィン変形防止治具を用いずに冷媒チューブを溝に嵌め込んでもフィンの端部の変形を防止することのできる熱交換器、冷蔵庫及びショーケースを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、コルゲート状に曲げて形成されるフィンの凸部又は凹部にチューブ嵌め込み用の溝を設け、この溝に冷媒チューブを嵌め込んで製造する熱交換器において、熱交換用空気の流入側及び/又は流出側に位置するフィンの端部に、当該端部の端縁より前記チューブ嵌め込み用の溝に向けて凹むフィン変形防止用の切欠部を設けたものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記チューブ嵌め込み用の溝と前記切欠部との最短距離が前記凸部又は凹部の幅の2分の1以上且つ前記凸部又は凹部の幅以下であるものである。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のものにおいて、前記フィン変形防止用の切欠部の形状が円弧状であるものである。
請求項4の発明は、請求項1または2に記載のものにおいて、前記フィン変形防止用の切欠部の形状が台形状であるものである。
請求項5の発明は、請求項1または2に記載のものにおいて、前記フィン変形防止用の切欠部の形状が矩形状であるものである。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のものにおいて、前記フィンのフィン素材に、AlMn系の合金であり、Mnを1.0〜1.5%添加したアルミニウム合金を用いたものである。
請求項7の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のものにおいて、前記フィンのフィン素材に、AlMn系の合金であり、Mnを1.0〜1.5%、Mgを0.8〜1.3%添加したアルミニウム合金を用いたものである。
請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の熱交換器を用いたことを特徴とする冷蔵庫である。
請求項9の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の熱交換器を用いたことを特徴とするショーケースである。
【0009】
これらの発明によれば、熱交換用空気の流入側及び/又は流出側のフィンの端部にフィン変形防止用の切欠部が設けられるので、冷媒チューブをチューブ嵌め込み用の溝に嵌め込んだ時のフィン端部の変形が抑制される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による熱交換器の一実施形態を図面を参照して説明する。尚、この明細書において、以下「アルミニウム」の語は「純アルミニウム」のほかに「アルミニウム合金」を含むものとする。
【0011】
図1において、符号3は熱交換器(コンデンサ)を示し、この熱交換器3はコルゲートフィン3aと冷媒チューブ37とを備える。コルゲートフィン3aはアルミニウム製の平板をコルゲート状に曲げることにより製造される。尚、この実施形態では、フィンの強度を高めるためにコルゲートフィン3aのフィン素材に、例えばAlMn系の合金(Mnを1.0〜1.5%またはさらにMgを0.8〜1.3%添加した合金)が用いられる。
【0012】
次に、熱交換器3の製造手順を概略説明する。
【0013】
まずコルゲートフィン3aが図2に示すように一枚のアルミニウム製板材をコルゲート状に折り曲げることにより形成される。即ち、ロール状に巻かれたフィン素材31(図2a)を、間欠移送手段(図示せず)を用いて一定の速度で間欠的に送り出しながら、図示を省略した金型を用いて、チューブ嵌め込み用の溝35(図2b)を形成するとともに、上下一対の金型33、34(図2b)を用いて、フィン素材31をコルゲート状に折り曲げてチューブ嵌め込み用の溝35を有するコルゲートフィン3aを形成する(図2c)。
【0014】
一方で、銅製のチューブ素材36(図2d)をサーペンタイン状に曲げて冷媒チューブ37を形成し(図2e)、この冷媒チューブ37を、図2cの工程で製造したコルゲートフィン3aのチューブ嵌め込み用の溝35の上にあてがう(図2f)。
【0015】
ついで、押し込み治具38(図2g)を用いて、冷媒チューブ37をチューブ嵌め込み用の溝35内に押し込み、冷媒チューブ37の嵌合が終了した後には、冷媒チューブ37の一部37a、37bを部分的に折り曲げて熱交換器3を形成する(図2h)。
【0016】
従来は、押し込み治具38(図2g)を用いて冷媒チューブ37をチューブ嵌め込み用の溝35内に押し込む段階で、図8に示すようなフィン変形防止治具を端部の間に挿入し、その後に冷媒チューブをチューブ嵌め込み用の溝に嵌め込んで図7に示すような端部における膨らみ等の発生を防止している。
【0017】
この実施形態では図8に示すようなフィン変形防止治具を用いることなく図7に示すような端部の膨らみの発生を防止する。
【0018】
そのために本実施形態では、図3に示すようにコルゲートフィン3aの端部17に当該端部17の端縁17aよりもチューブ嵌め込み用の溝35に向けて円弧状に凹むフィン変形防止用の切欠部19が設けられる。この切欠部19は例えば図2bの工程においてフィン素材31にチューブ嵌め込み用の溝35を形成すると同時にフィン素材31の両端部を切除して形成される。図3では熱交換用空気の流入側3Aの切欠部19のみを図示したが、熱交換用空気の流出側3B(図1)にも同様に切欠部19を形成することが望ましい。
【0019】
コルゲートフィン3aの端部17に切欠部19を設ける場合には、この切欠部19とチューブ嵌め込み用の溝35との間の最短距離をD、コルゲートフィン11の凸部又は凹部の幅をWとした場合、W/2≦D≦Wとなるように切欠部19が設けられる。この切欠部19の形状は円弧状に限定されるものではない。例えば図4に示すように台形状の切欠部29であっても図5に示すように矩形状の切欠部39であっても或いは図6に示すように大きな円弧状の切欠部49等であってもよいことは明らかである。
【0020】
この実施形態によればコルゲートフィン3aの端部17に当該端部17の端縁17aよりもチューブ嵌め込み用の溝35に向けて円弧状に凹むフィン変形防止用の切欠部19を設けているので、図2gに示す押し込み治具38を用いて冷媒チューブ37をチューブ嵌め込み用の溝35内に押し込む段階では図3に示す距離Dが少ない分だけ図7に示すような端部の変形は防止される。
【0021】
この実施形態によれば従来の製造手順に比べると「図7に示すフィン変形防止治具を端部の間に挿入する」といった手順が省略されるので、製造工程が簡略化されると共に、フィン変形防止治具自体が不要になるので、従来のものに比べて製造コストを低減することができる。また、コルゲートフィン3aの端部17は変形せず、この端部17は等しいピッチでもって形成されるので、熱交換器3のフィンの間を通る空気の流れは妨げられることはない。従って熱交換器3の放熱効率は低下せず、製品の品質を向上させることができる。
【0022】
以上、本発明に係る一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものでないことは明らかである。例えば上述の実施形態では切欠部19,29,39,49の形状が円弧、台形、矩形、或いは大きな円弧等になっているが、これらの形状に限定されるものではなく、切欠部とチューブ嵌め込み用の溝との最短距離がコルゲートフィンの凸部又は凹部の幅より小さくなるように設けられる切欠部であれば如何なる形状であってもよいことは明らかである。また上述の実施形態ではコンデンサについて説明したが、本発明はコンデンサ以外の熱交換器例えばエバポレータに適用することも可能であり、この場合にはチューブにアルミニウムを用いることが望ましい。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、熱交換用空気の流入側及び/又は流出側に位置するフィンの端部に、当該端部の端縁よりチューブ嵌め込み用の溝に向けて凹状に凹むフィン変形防止用の切欠部を設けたので、フィン変形防止治具を用いずに冷媒チューブをフィンに嵌め込むことが可能になる。従ってフィン変形防止治具を用いないことにより熱交換器の製造コストが削減できると共に、フィン変形防止治具を挿入する行程が省けるため生産性の向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る熱交換器の全体構成を示す平面図である。
【図2】a〜hは図1の熱交換器の製造手順を説明する図である。
【図3】コルゲートフィンの流入側の一部を示す斜視図である。
【図4】別の実施形態によるコルゲートフィンの流入側の一部を示す側面図である。
【図5】別の実施形態によるコルゲートフィンの流入側の一部を示す側面図である。
【図6】別の実施形態によるコルゲートフィンの流入側の一部を示す側面図である。
【図7】フィン変形防止治具を用いないで冷媒チューブを嵌め込んだときのフィン端部の変形状態の一例を示す斜視図である。
【図8】従来のコルゲートフィンの製造手順を説明する図である。
【符号の説明】
3 コンデンサ(熱交換器)
3a コルゲートフィン
3A 熱交換用空気の流入側
3B 熱交換用空気の流出側
35 チューブ嵌め込み用の溝
37 冷媒チューブ
17 端部
19,29,39,49 切欠部
Claims (9)
- コルゲート状に曲げて形成されるフィンの凸部又は凹部にチューブ嵌め込み用の溝を設け、この溝に冷媒チューブを嵌め込んで製造する熱交換器において、熱交換用空気の流入側及び/又は流出側に位置するフィンの端部に、当該端部の端縁より前記チューブ嵌め込み用の溝に向けて凹むフィン変形防止用の切欠部を設けたことを特徴とする熱交換器。
- 前記チューブ嵌め込み用の溝と前記切欠部との最短距離が前記凸部又は凹部の幅の2分の1以上且つ前記凸部又は凹部の幅以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
- 前記フィン変形防止用の切欠部の形状が円弧状であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
- 前記フィン変形防止用の切欠部の形状が台形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
- 前記フィン変形防止用の切欠部の形状が矩形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
- 前記フィンのフィン素材に、AlMn系の合金であり、Mnを1.0〜1.5%添加したアルミニウム合金を用いたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の熱交換器。
- 前記フィンのフィン素材に、AlMn系の合金であり、Mnを1.0〜1.5%、Mgを0.8〜1.3%添加したアルミニウム合金を用いたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の熱交換器。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の熱交換器を用いたことを特徴とする冷蔵庫。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の熱交換器を用いたことを特徴とするショーケース。
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