JP3764258B2 - 塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱溶融成形加工性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル系樹脂は、各種の物理的性質および化学的性質が優れていることから、種々の分野で広く用いられている。しかしながら、この樹脂は、成形加工可能な温度と熱分解温度が接近していることから、成形加工温度領域が狭く、加工性が劣るという欠点を有している。
この問題点を解消する方法として、塩化ビニル系樹脂に可塑剤を配合し、成形可能温度領域を広げる方法が一般に行われている。しかしながら、この方法では、加熱成形時において配合する可塑剤が揮散してしまうため、充分に当初の目標を達成することが困難であり、また得られる成形品の機械的性質が低下する欠点がある。
【0003】
この欠点を改良する目的から、メタクリル酸メチルを主成分とする特定の共重合体を加工助剤として配合する方法が行われているが、近年、カレンダー成形、押し出し成形でのシート、フィルムの成形時間の短縮化(高速化)が図られ、上記加工助剤では、シート、フィルム成形中に、フローマーク、ダイラインなどが発生し、成形品の品質が損なわれるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題を背景になされたもので、加熱溶融成形加工性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)塩化ビニル系樹脂50〜99.9重量%、
(B)芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物および必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニル系単量体からなり、極限粘度が1.5dl/g以上、重量平均分子量/数平均分子量比が4.0以上である共重合体50〜0.1重量%、ならびに
(C)他の熱可塑性重合体0〜49.9重量%〔ただし、(A)+(B)+(C)=100重量%〕
を主成分とする塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記塩化ビニル系樹脂組成物を、成形、好ましくは(発泡)押し出し成形、ブロー成形、射出成形、カレンダー加工、真空成形もしくは圧空成形、またはインフレーション成形してなる成形品を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる(A)塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニル単独重合体、または80重量%以上の塩化ビニルと20重量%以下のこれと共重合可能な他の単量体との共重合体などである。
ここで、共重合可能な他の単量体としては、エチレン、プロピレン、臭化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどが挙げられる。
本発明の組成物中における(A)塩化ビニル系樹脂の使用量は、50〜99.9重量%、好ましくは60〜99.7重量%、さらに好ましくは70〜99.5重量%である。50重量%未満では、塩化ビニル系樹脂が本来有してる機械的性質が損なわれ好ましくなく、一方、99.9重量%を超えると、樹脂の加工性の改良効果が得られない。
【0007】
次に、本発明の組成物に用いられる(B)成分は、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物および必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニル系単量体からなる共重合体である。
ここで、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロルスチレンなどが挙げられ、これらは1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。好ましくは、スチレンである。
また、シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、これらは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。好ましくは、アクリロニトリルである。
【0008】
さらに、共重合可能な他のビニル系単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミノアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミノメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物;グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有不飽和化合物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和カルボン酸アミド;アクリルアミン、メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸アミノエーテル、メタクリル酸アミノプロピル、アミノスチレンなどのアミノ基含有不飽和化合物;3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシスチレンなどの水酸基含有不飽和化合物;ビニルオキサゾリンなどのオキサゾリン基含有不飽和化合物などが挙げられる。上記共重合可能な他のビニル系単量体は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0009】
本発明の(B)共重合体中の芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物の使用比率は、着色性と加工性のバランスから、好ましくは、芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物=95〜50/5〜50重量%、さらに好ましくは、75〜65/25〜35重量%、特に好ましくは、73〜69/27〜31重量%である。
また、本発明の(B)共重合体中の上記共重合可能な他のビニル系単量体の割合は、0〜30重量%、好ましくは、0〜20重量%である。
【0010】
本発明の(B)共重合体は、ジメチルホルムアミドを溶媒として、30℃で測定した極限粘度〔η〕が1.5dl/g以上、好ましくは2.0dl/g以上、さらに好ましくは2.5〜10.0dl/g、特に好ましくは2.5〜5.5dl/gである。極限粘度が1.5dl/g未満では、加工性の改良効果がみられない。なお、極限粘度が高すぎると、分散不良を起こし好ましくない場合がある。
【0011】
また、本発明の(B)共重合体は、分子量分布、すなわち重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn)は4.0以上、好ましくは5.0以上、さらに好ましくは5.0〜15.0である。4.0未満では、塩化ビニル系樹脂組成物を得る際に、(B)成分の分散に長時間を要し好ましくない。また、短時間の溶融混練りの場合、(B)成分の分散が悪くなり、目的とする加工性の改良効果が少ないばかりか、得られる組成物の機械的強度が劣り好ましくない。
ここで、(B)共重合体の重量平均分子量、数平均分子量は、溶媒としてジメチルホルムアミドを用い、ゲル浸透クロマトグラフで測定し、ポリスチレン基準の分子量較正を行った値である。
【0012】
本発明の組成物における(B)共重合体の使用量は、50〜0.1重量%、好ましくは40〜0.3重量%、さらに好ましくは30〜0.5重量%である。50重量%を超えると、塩化ビニル系樹脂が本来有している機械的性質が損なわれ好ましくなく、一方、0.1重量%未満では、樹脂の改良効果が得られない。
【0013】
本発明の(B)共重合体の上記極限粘度、重量平均分子量、数平均分子量は、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、溶媒などの種類や量を変えることで制御することができる。また、単量体の添加方法、添加時間、さらに重合時間、重合温度などを変えることによって、制御することができる。ここで、重合方法としては、公知の重合法である乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、あるいはこれらを組み合わせた重合法が使用できる。
【0014】
本発明に用いられる(B)共重合体は、通常使用されるスチレン系樹脂と比較してかなり分子量の高いものであるが、このような高分子量のものを得る好ましい重合法は、乳化重合である。さらに好ましい重合法は、重合方法として乳化重合を用い、単量体成分を一括または分割添加し重合する方法である。乳化重合には、ラジカル重合開始剤、乳化剤、連鎖移動剤などが用いられる。
ラジカル重合開始剤としては、例えばクメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレイトなどの有機ハイドロパーオキサイド類からなる酸化剤と、含糖ピロリン酸鉄処方、スルホキシレート処方、含糖ピロリン酸鉄処方/スルホキシレート処方の混合処方などの還元剤との組み合わせによるレドックス系の開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、2−カルバモイルアザイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物などを挙げることができ、好ましくは過硫酸カリウムなどの水溶性開始剤である。これらのラジカル重合開始剤の使用量は、使用される単量体成分100重量部に対し、通常、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部程度である。
【0015】
乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルカリエステルスルホン酸ナトリウム、炭素数10〜20の脂肪族カルボン酸のナトリウム塩もしくはカリウム塩、ロジン酸のナトリウム塩もしくはカリウム塩などのアニオン系乳化剤、あるいはポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルなどのノニオン系乳化剤が挙げられ、これらは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。なお、乳化剤としては、、臨界ミセル濃度の低いものを用いる方法が好ましい。ここで、臨界ミセル濃度としては、30mmol/L以下の乳化剤が好ましく、さらに好ましくは15mmol/L以下のものである。乳化剤の使用量は、上記単量体成分100重量部に対して、通常、0.5〜5重量部である。
【0016】
連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、テトラエチルチウラムスルフィド、四塩化炭素、臭化エチレン、ペンタンフェニルエタンなどの炭化水素塩類、テルペン類、またはアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコール、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。これら連鎖移動剤は、単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
連鎖移動剤の使用量は、単量体成分100重量部に対し、通常、0〜1重量部用いられる。
【0017】
(B)共重合体の重合に際しては、ラジカル重合開始剤、乳化剤、連鎖移動剤などのほかに、必要に応じて各種電解質、pH調整剤などを併用して、単量体成分100重量部に対して、通常、水を100〜500重量部と、上記ラジカル重合開始剤、乳化剤、連鎖移動剤などを上記範囲内の量使用し、通常、重合温度40〜100℃、好ましくは50〜90℃、重合時間1〜10時間の条件で乳化重合される。
【0018】
本発明に用いられる(B)共重合体は、上記の乳化重合により得られるラテックスを、通常法により凝固させ、得られた粉末を水洗したのち、乾燥することによって精製される。
【0019】
次に、本発明の組成物に用いられる(C)他の熱可塑性重合体としては、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素系ゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、エチレン−α−オレフィン系ゴム、NBR、SBR、SIS、SEPS、SEBS、熱可塑性ポリウレタンなどのゴム質重合体;上記芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物および共重合可能な他のビニル系単量体の群から選ばれた少なくとも1種からなる(共)重合体であって、極限粘度が0.2〜1.0dl/gの(共)重合体、好ましくはスチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体などが挙げられる。
【0020】
また、(C)他の熱可塑性重合体としては、上記ゴム質重合体の存在下に、上記芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物および共重合可能な他のビニル系単量体の群から選ばれた少なくとも1種の単量体をグラフト重合したゴム変性熱可塑性樹脂、好ましくはABS樹脂、MBS樹脂、アクリルゴム系グラフト共重合体、シリコーンゴム系グラフト共重合体、AES樹脂、水添ゴム系グラフト共重合体などが挙げられる。
さらに、(C)他の熱可塑性重合体としては、ナイロン12、ナイロン6などのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーなどが挙げられる。
以上の(C)他の熱可塑性重合体は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0021】
本発明の組成物における(C)他の熱可塑性重合体の使用量は、0〜49.9重量%、好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは0〜30重量%であり、49.9重量%を超えると、塩化ビニル系樹脂が本来有している機械的性質が損なわれ好ましくない。
【0022】
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、上記(A)〜(B)成分、あるいは(A)〜(C)成分を、通常公知の混練り機械、例えば各種押し出し機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサーなどの公知の混合機、混練り機を用い、好ましくは120〜200℃の溶融温度で、混練りすることにより得られる。
【0023】
なお、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に応じて、公知の安定剤、可塑剤、滑剤、着色剤、木粉、紙、無機充填材、酸化防止剤、耐候(光)剤、金属粉、抗菌剤、防カビ剤、シリコーンオイル、カップリング剤などを配合することができる。
【0024】
このようにして得られる本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、優れた加工性を有することから、各種加工方法で良好な成形品を得ることができる。
特に、本発明の組成物が有効な加工法は、(発泡)押し出し成形、ブロー成形、射出成形、カレンダー加工、真空成形もしくは圧空成形、インフレーション成形である。ただし、二軸延伸法は除く。
【0025】
ここで、(発泡)押し出し成形では、パイプ、ホース、建材用シート、真空成形用シート、積層シートなどのシート類、異形物などを得ることができる。
ブロー成形では、押し出しブロー成形法、射出ブロー法、シートブロー法、コールドパリソン法などで各種成形品を得ることができる。
射出成形では、通常の成形機のほか、ガスアシスト成形、インモールド成形、二色成形、サーモエジエクト成形、サンドイッチ成形などの各種成形法で、成形品を得ることができる。
カレンダー加工では、各種肉厚のフィルム、シート、エンボス加工による表面加飾成形品を得ることができる。
真空成形には、ストレート成形、ドレープ成形、プラグアシスト成形、プラグアシスト・リバースドロー成形、エアスリップ成形、スナップバック成形、リバースドロー成形、エアクッション成形、プラグアシストエアスリップ成形、フリー成形、マッチドモールド成形、プラグリング成形、スリップ成形、接触加熱成形などがあり、各種シート、フィルム、またはエンボス加工されたシート、フィルムを用い、各種成形品を得ることができる。
インフレーション成形では、チューブ、一般フィルム、伸縮フィルム、多層フィルムなどの成形品を得ることができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り重量部および重量%である。
また、実施中、各種測定項目は、下記に従った。
【0027】
極限粘度
共重合体を、ジメチルホルムアミドに完全に溶解させ、濃度の異なる5点を作り、ウベローデ粘度管を用い、30℃の各濃度の還元粘度を測定した結果から、極限粘度〔η〕を求めた。
重量平均分子量、数平均分子量
ウォーターズ社製、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC−244)、カラムとして東ソー(株)製、TSK−gel−GMH×1(2)、溶媒としてジメチルホルムアミド、流速0.8ml/分、温度23℃で測定し、ポリスチレン基準で較正した。
【0028】
ゲル化特性
ハーケ社製、レオコードシステム90を用い、下記条件下でゲル化時間を測定した。
測定温度 140℃
ローター回転数 30rpm
サンプル量 60g
予熱時間 5分
【0029】
押し出し成形特性
Tダイ付き押し出し機を用い、シート状成形品を押し出した。
成形品外観を目視評価し、下記の評価基準で評価した。
○;平滑で良好
×;凹凸があり、不良
【0030】
発泡押し出し成形特性
発泡剤として、アゾジカルボンアミド(ADCA)を、樹脂組成物100部に対し0.5部配合し、Tダイ付き押し出し機を用い、発泡押し出しし、シート状成形品を得た。
得られた成形品の比重と未発泡押し出しシートの比重から、発泡倍率を求めた。
【0031】
ブロー成形特性
樹脂組成物を用い、平均肉厚1.5mmのブロー成形品を得た。金型上部を切取り、最小肉厚を測定した。
【0032】
射出成形特性
樹脂組成物を用い、成形品中央にダイレクトゲートを有する平板を射出成形した。成形品表面のフローマークの状態を下記の評価基準に従って評価した。
○;フローマークがなく、外観良好
×;フローマークがあり、外観不良
【0033】
カレンダー加工特性
バンバリーミキサーでミキシングしたのち、カレンダーロール加工を行い、厚み0.5mmのシートを得た。シート表面の平滑性、フローマークを下記評価基準で目視評価した。
○;平滑なシート表面を有し、フローマークがなく良好
×;シート表面が波うち、またはフローマークがあり不良
【0034】
真空成形特性
上記カレンダー加工したシートを、エンボス加工し、絞付けを行った。このシートを用い、真空成形を行い、箱型の成形品を得た。
成形品の外観評価として、しわより、絞の流れ具合を下記の評価基準で目視評価した。
▲1▼しわより
○;しわよりがなく良好
×;しわよりがあり不良
▲2▼絞流れ
○;絞流れが少なく良好
×;絞流れが多く不良
【0035】
インフレーション成形特性
樹脂組成物を用い、インフレーション成形により、肉厚約10μmのフィルムを得た。得られたフィルムの肉厚の均一性の指標として、最大肉厚と最小肉厚の差を測定した。
【0036】
参考例1〔(A)成分の調製〕
A−1;重合度800の塩化ビニル樹脂を用いた。
A−2;重合度1,100の塩化ビニル樹脂を用いた。
参考例2〔(B)成分の調製〕
乳化剤としてステアリン酸カリウム、重合開始剤として過硫酸カリウムを用い、単量体としてスチレンとアクリロニトリル、さらに必要に応じて、メチルメタクリレートまたはn−ブチルアクリレートを用い、乳化重合法により、表1の組成、極限粘度〔η〕、重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn)の共重合体B−1〜B−8を得た。なお、〔η〕、Mw/Mnは、乳化剤、重合開始剤の使用量、単量体の添加方法を変えて、所望のものを得た。
【0037】
【表1】
【0038】
参考例3〔(C)成分の調製〕
C−1;テクノポリマー(株)製、MBS樹脂(テクノMBS 064)を用いた。
C−2;テクノポリマー(株)製、耐熱ABS樹脂(テクノABS 545)を用いた。
C−3;テクノポリマー(株)製、AES樹脂(テクノAES W220)を用いた。
C−4;平均ゴム粒子径3,500オングストロームのポリブタジエンラテックス50部(固形分換算)の存在下に、スチレン36.5部、アクリロニトリル13.5部を乳化グラフト重合して得られたABS樹脂を用いた。
【0039】
参考例4〔その他の成分(D)の調製〕
D−1;ツガ/マツ(重量比)=50/50の100メッシュパスの木粉を用いた。
D−2;炭酸カルシウムを用いた。
D−3;塩化ビニル樹脂の安定剤として、ジ−n−オクチルスズメルカプタイドを用いた。
D−4;塩化ビニル樹脂の滑剤として、ヘンケル白水社製のLOX10L G−12を用いた。
D−5;塩化ビニル樹脂の滑剤として、ヘンケル白水社製のLOX10L G−70を用いた。
D−6;塩化ビニル樹脂の可塑剤として、TOTM(トリオクチルトリメリテート)を用いた。
【0040】
実施例1〜19、比較例1〜9
上記成分を、表2〜3に示す配合割合でヘンシェルミキサーで混合した。
ゲル化特性評価用、カレンダー加工特性評価用は、上記ヘンシェルミキサーで混合したものを用い、上記評価法で評価した。また、押し出し成形特性、発泡押し出し成形特性、ブロー成形特性、射出成形特性、カレンダー加工特性、インフレーション成形特性評価用は、上記ヘンシェルミキサーで混合したものを、バンバリーミキサーで混練りし、ペレット化しものを用い、上記の評価を行った。結果を表2〜3に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
表2から明らかなように、本発明の組成物(実施例1〜19)は、加熱溶融成形加工性に優れている。
これに対し、表3から明らかなように、比較例1は、本発明の(B)成分のMw/Mnが本発明の範囲外で低い場合であり、ゲル化特性、押し出し成形特性、発泡押し出し成形特性、ブロー成形特性、カレンダー加工特性が劣る。
比較例2は、本発明の(B)成分の〔η〕が本発明の範囲外で低い場合であり、ゲル化特性、押し出し成形特性、発泡押し出し成形特性、ブロー成形特性、カレンダー加工特性が劣る。
比較例3は、本発明の(A)成分の使用量が本発明の範囲外で多く、(B)成分の使用量が本発明の範囲外で少ない場合であり、ゲル化特性、押し出し成形特性、発泡押し出し成形特性、ブロー成形特性、カレンダー加工特性が劣る。
【0044】
比較例4は、本発明の(B)成分のMw/Mnが本発明の範囲外のものを用いた組成物で射出成形品を得たものであり、外観が劣る。
比較例5は、本発明の(B)成分の〔η〕が本発明の範囲外で低いものを用いて得た組成物で射出成形品を得たものであり、外観が劣る。
比較例6〜9は、軟質組成物でシートを作製し、エンボス加工したシートを真空成形したものと、軟質組成物を用いてインフレーション成形でフィルムを得たものである。比較例6〜7は、本発明の(B)成分のMw/Mnが本発明の範囲外で低い場合であり、カレンダー加工特性、真空成形特性、インフレーション成形特性が劣る。また、比較例8〜9は、本発明の(B)成分の〔η〕が本発明の範囲外で低い場合であり、カレンダー加工特性、真空成形特性、インフレーション成形特性が劣る。
【0045】
【発明の効果】
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、加熱溶融成形加工性に優れており、広範囲の成形加工法で良好な成形品を得ることができる。
Claims (2)
- (A)塩化ビニル系樹脂50〜99.9重量%、
(B)芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物および必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニル系単量体からなり、極限粘度が1.5dl/g以上、重量平均分子量/数平均分子量比が4.0以上である共重合体50〜0.1重量%、ならびに
(C)他の熱可塑性重合体0〜49.9重量%〔ただし、(A)+(B)+(C)=100重量%〕
を主成分とする塩化ビニル系樹脂組成物。 - 請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなる成形品。
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| JP26115297A JP3764258B2 (ja) | 1997-09-10 | 1997-09-10 | 塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形品 |
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Cited By (1)
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1997
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