JP3766449B2 - 紙葉読取り装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、紙幣や商品券その他の紙葉の真偽や種別判断を行ったり、それらの枚数を計数等する紙葉読取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙葉読取り装置は、金融業等において多量の紙幣等を迅速に取扱うために開発され、人間に代わって紙幣等の紙葉の真偽判断や種別判断及び枚数の計数を正確に行う必要があることから、高い信頼性が要求されている。
【0003】
従来の紙葉読取り装置は、タングステンランプ等の光源で紙葉を照明し、ビデオカメラで紙葉を撮影することにより得られる映像信号をコンピュータシステムで自動解析する構成となっている。
【0004】
ここで、解析精度を維持するためには、予め決められた一定の撮影条件下で撮影して得られた映像信号に基づいて解析することが望ましい。
【0005】
そこで、外光の入射を遮蔽するための遮蔽ケース内に処理対象である紙葉を装着し、外光の入射を防止した状態で撮影する構成となっていた。より具体的には、遮蔽ケースには紙葉を出し入れするための開閉蓋が設けられており、複数枚の紙葉を束ねて装着した後、この開閉蓋を閉じて遮光した状態で読み取り処理を開始させると、遮蔽ケース内に設けられている照明光源の一定照度下で、ビデオカメラが外光の影響を受けること無く常に一定の条件下で撮影を行うことができるようになっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、操作者は、例えば業務が繁忙になると、上記開閉蓋の開閉操作が煩わしくなり、開閉蓋を開けたままの状態で紙葉の読取り動作を開始させてしまう傾向があるため、オフィス内に設置されている室内照明からの外光の影響を受けたままで読取り動作を行わせるという、読取り精度の低下を招来する状況が頻発するようになり、業務の重要性等に鑑みて問題となっていた。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みて成されたものであり、読取り精度の低下を招くこと無く操作性の向上を図ることができる紙葉読取り装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本発明は、1又は2以上の紙葉を連続的に切り替えて順次に読取る紙葉読取り装置において、読取り対象である各紙葉が切り替わるタイミングを検出するタイミング手段と、タイミング手段の検出タイミングに同期して所定波長帯域の照明光を点灯させ、紙葉に照明光を照射する発光ダイオードによる照明光源と、紙葉からの反射光像のうち照明光の特定波長帯域の波長成分を選択する波長選択フィルタと、タイミング手段の検出タイミングに同期して、波長選択フィルタを介して入射する反射光像を撮像する撮像手段と、を具備し、波長選択フィルタは、紙葉からの反射光像のうち照明光の特定波長帯域の波長成分を選択的に通過させるように撮像手段の前方に配置され、撮像手段は、タイミング手段の検出タイミングに同期して不要電荷を排出した後、所定期間に反射光像を撮像するCCD固体撮像デバイスから成る構成とした。
【0009】
また、前記波長選択フィルタは、前記紙葉からの反射光像のうち前記照明光の特定波長帯域の波長成分を選択するバンドパスフィルタ、又は前記紙葉からの反射光像のうち前記照明光の特定波長帯域の波長成分以上の長波長成分を選択する長波長選択フィルタ、又は前記紙葉からの反射光像のうち前記照明光の特定波長帯域の波長成分以下の短波長成分を選択する短波長選択フィルタのいずれか1つで構成した。
【0012】
【作用】
本発明の紙葉読取り装置では、照明光源が、読取り処理のために予め決められた波長帯域の照明光で紙葉を照明し、撮像手段が、不要電荷を排出した後、その照明光による紙葉からの反射光像を、撮像手段の前方に配置された特定波長特性の波長選択フィルタを介して撮像する。尚、タイミング手段による検出タイミングに同期して照明光源が紙葉を照明し、撮像手段が撮像を行うことにより、撮像対象である紙葉に切り替わるのに同期して撮像が行われる。また、照明光源を、応答特性(スイッチング特性)の良好な発光ダイオードで構成したので、短時間露光を実現することができ、この結果、高速のシャッタ機能を発揮して撮像ブレを大幅に低減することができると共に、発光効率の向上に伴う消費電力の大幅低減が可能となる。
【0013】
また、CCD固体撮像デバイスを適用して前記検出タイミングに同期して所定期間撮像することで、高速の電子シャッタ機能が発揮され、撮像ブレの発生を抑制すると共に、消費電力の低減化を図っている。また、撮像手段の前方に波長選択フィルタを設けることによって、紙葉からの反射光のうち、照明光源の照射光の波長成分を含む外光の成分を除去して撮像するようにしたので、オフィスなどに設置されている室内照明からの外光の影響を除去して、最適な露光状態での撮影が可能となり、この結果、精度の良い真偽判定を行うことができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明による紙葉読取り装置の第1の実施例を図面と共に説明する。図1のブロック図に基づいて装置構成を説明すると、複数枚の紙葉(紙幣等)を束ねて投入するための投入部2には、投入された紙葉を一枚ずつ捲るために捲り機構(図示せず)が設けられている。尚、かかる捲り機構は本発明に直接関わらないので、詳細な説明を省略する。
【0015】
更に、投入部2には、投入された紙葉4の表面を均一照度で照明する照明光源6と、その照明光による紙葉4からの反射光を受光する撮像光学系8と、CCD固体撮像デバイス9が設けられている。
【0016】
照明光源6は、捲られた直後の紙葉の表面を露光するための光源であり、図3中に実線で示す特性曲線Gの如く、中心波長が約550nmで半値幅が約500nm乃至約600nmの範囲内にある波長帯域を有する複数個の緑色発光ダイオードを光出射面に並べた構造となっており、後述する駆動回路15から供給される駆動電力により発光して、紙葉4を照明する。
【0017】
撮像光学系8は、紙葉4からの反射光を集光してCCD固体撮像デバイス9の撮像面に結像させる光学レンズ群8aと、この光学レンズ群8aとCCD固体撮像デバイス9との間に挿入され紙葉4からの反射光のうち特定波長帯域の波長成分を選択的に通過させるようにCCD固体撮像デバイス9の前方に配置された光透過型フィルタ8bとを備え、更に、光透過型フィルタ8bは、図4に示す如く、中心波長が約550nmで半値幅が約500nm乃至約600nmの範囲内にある波長成分をCCD固体撮像デバイス9へ透過させる波長選択特性を有している。即ち、光透過型フィルタ8bは、照明光源6よりの照明光の波長帯域と略等しい波長成分の反射光を透過させ、かかる波長帯域外の波長成分の透過を阻止する所謂バンドパスフィルタの特性を有している。尚、図4において、実線で示す特性が実際の透過率特性、点線で示す特性が最大透過率を100%としたときの正規化された透過率特性を示す。
【0018】
CCD固体撮像デバイス9は、光電変換機能を有する多数個の微細ピクセルが2次元配列されて成るエリアイメージセンサであり、後述するタイミング回路14より供給される駆動制御信号S3,S4,S5に同期して、反射光像(被写体像)を撮像し、その撮像によって得られるピクセル信号S6’を出力する。
【0019】
更に、投入部2には、駆動回路12より供給される電力によって発光して、紙葉4の表面を照明する赤色発光ダイオード10と、紙葉4の表面で反射された反射光を受光するフォトダイオードなどの受光素子11が設けられている。尚、赤色発光ダイオード10は、図3中の一点鎖線にて示す特性曲線Rの如く、中心波長が約650nmで半値幅が約600nm乃至約700nmの範囲内にある波長帯域を有する光を紙葉4の表面に向けて照射し、受光素子11は、この赤色発光ダイオード10とほぼ等しい波長帯域に受光感度を有している。
【0020】
波形整形回路13は、受光素子11から出力される光電変換信号S0を波形整形することによって、紙葉4が捲られた時のタイミングを表す2値論理信号(以下、トリガ信号と呼ぶ)S1を発生してタイミング回路14へ転送する。即ち、紙葉4が一枚一枚捲られる毎に、各紙葉の縁部分により受光素子11への反射光の強度が大きく変化すると共に、捲られないときは各紙葉の表面からの最も光強度の高いほぼ一定光強度の反射光が受光素子11に入射するので、光電変換信号S0の波形も反射光の受光強度に応じて同様に変化し、そして、波形整形回路13が、内蔵されているフィルタ回路などにより、この光電変換信号S0の波形の大きく変動したときを検出することによって、各紙葉が捲られた時のタイミングを表すトリガ信号S1を発生する。
【0021】
タイミング回路14は、トリガ信号S1に同期して、駆動回路15へ駆動制御信号S2を出力することにより、その駆動制御信号S2で指定する期間中だけ照明光源6を発光させる。詳細は後述するが、各紙葉が捲られて次の紙葉の表面が現れる度に、一定期間τ1だけ紙葉表面を照明する。
【0022】
更に、タイミング回路14は、トリガ信号S1に同期して、各種の駆動制御信号S3,S4,S5をCCD個体撮像デバイス9へ供給することにより、紙葉4の表面を撮像させる。そして、映像プロセス回路16が、CCD個体撮像デバイス9から出力されるピクセル信号S6’を入力し、そのピクセル信号S6’からビデオ信号S6を形成して、画像識別回路17へ転送する。
【0023】
画像識別回路17は、1フレーム画又は1フィールド画分に相当するビデオ信号S6について所定の特徴抽出処理を行うことによって、撮像された紙葉の特徴データを作成すると共に、真性な紙葉の特徴を表す基準データとこの特徴データとを比較することによって、紙葉の真偽判別を行って、その判断データS7を出力する。
【0024】
尚、図示していないが、偽った紙葉を表す判断データS7が出力された場合には、警報装置を鳴動させたり、捲り機構による紙葉読み取り動作を停止させるなどの警報機構等が設けられている。
【0025】
次に、図2のタイミングチャートに基づいて動作を説明する。
まず、操作者が複数枚の紙葉4を束ねて投入部2に装着した後、読み取り処理を開始させると、赤色発光ダイオード10が継続して点灯した後、捲り機構が各紙葉を捲り始める。
【0026】
そして、紙葉が一枚捲られたときと捲られないときとを表す光電変換信号S0が受光素子11から出力される度に、波形整形回路13が2値論理のトリガ信号S1を発生する。尚、この実施例では、トリガ信号S1は、紙葉が一枚捲られる時点で論理“L”から“H”へ反転して所定時間経過後に再び論理“L”に反転する矩形波信号である。
【0027】
このトリガ信号S1が論理“H”に反転するタイミングに同期してタイミング回路14が照明駆動信号S2を駆動回路15へ供給することにより、所定期間τ1だけ照明光源6を点灯させる。尚、この実施例では、τ1=200μsecに設定されており、この期間τ1において、中心波長が約550nmの緑色光による照明が行われる。
【0028】
更に、トリガ信号S1に同期して、電荷排出信号S2がCCD個体撮像デバイス9へ供給され、この電荷排出信号S2が論理“H”となる極めて短時間の間に、CCD個体撮像デバイス9が不要蓄積電荷を外部へ排出する。即ち、照明光源6による照明を開始する前にCCD個体撮像デバイス9に蓄積されるピクセル信号(電荷)は本来の読み取り処理にとって不要であるので、次に読み取り処理を開始する前に予め排出する。
【0029】
そして、不要電荷の排出処理が完了した後に、タイミング回路13が所定期間τ2の間、電荷蓄積信号S4をCCD固体撮像デバイス9に供給することによって紙葉の表面を撮像させる。ここで、期間τ2は、光源6が点灯する期間τ1とほぼ等しい露光期間に設定されているが、実際には、それよりも幾分長い露光期間に設定されている。したがって、点灯期間τ1が実質的な露光時間であり、この点灯時間τ1は上述のごとく、200μsecに設定されているので、極めて高速の電子シャッター機能が発揮され、捲りの際に紙葉が動いても、ブレを生じることなく、紙葉を確実に撮像することができる。
【0030】
更に、前述した如く、光透過型フィルタ8bが所定波長の緑色光成分だけを透過するので、CCD固体撮像デバイス9は、紙葉からの反射光のうちこの波長成分の像だけを撮像する。よって、オフィス等に設置されている蛍光灯100等から外光が投入部2内に入射しても、光透過型フィルタ8bの透過波長帯域外の波長成分、即ち不要な雑音成分が除去される。尚、一般的な白色蛍光灯は、図5に示す如く、約400nm乃至約800nmの範囲の波長成分を有しているので、この白色蛍光灯からの光もCCD固体撮像デバイス9で受光することになるが、しかし、照明光源6とほぼ等しい波長成分だけを受光することとなるので、結果的にオフィス等に設置されている室内照明の影響を除去することができ、外光による雑音成分を除去することができる。
【0031】
次に、期間τ2における露光が完了すると、タイミング回路13からCCD固体撮像デバイス9へピクセル電荷の読み出しを行わせるための読出駆動信号S5を供給し、信号S5が論理“H”となっている期間中に各ピクセル毎のピクセル信号S6’をいわゆる点順次に映像プロセス回路16へと出力させ、リアルタイムで映像プロセス回路16がピクセル信号S6’に基づいてビデオ信号S6として、識別回路17へ転送する。
【0032】
そして、識別回路17が、ビデオ信号S6に基づいて紙葉の特徴を抽出した後、予め記憶されている基準データとこの特徴データとを比較することによって、紙葉の真偽判断及び読み取り枚数の計数処理を行い、更に真偽判断の結果及び計数値を示すデータS7を出力する。そして、次の紙葉の読取り処理が同様に繰り返されることとなる。
【0033】
このようにこの実施例によれば、紙葉からの反射光のうち、照明光源6の照射光の波長成分とほぼ等しいを光を光透過型フィルタ8bで選択して、CCD固体撮像デバイス9で撮像するようにしたので、オフィスなどに設置されている室内照明100からの外光の影響を除去して、最適な露光状態での撮影が可能となり、この結果、識別回路17において精度の良い真偽判定を行うことができる。
【0034】
更に、室内照明100からの外光の波長成分は図5に示す如く、広い波長帯域を有し、一方、照明光源6からの照明光の波長成分は図3の実線Gに示す如く狭い波長帯域に限定されている。したがって、光透過型フィルタ8bを透過する光像の成分は、照明光による光成分が大部分を占めることとなるので、ほとんど一定の露光環境下でCCD固体撮像デバイス9による撮像が可能となり、識別回路17において精度の良い真偽判定を行うことができるようになった。尚、この実施例では、CCD固体撮像デバイス9が受光する光像の光強度の内、照明光による光成分の光強度I1に対する外光による光成分の光強度I2を相対的に、I2/ I1= 1/20に低減することができることが実験によって確認された。
【0035】
また、照明光源6を、応答特性(スイッチング特性)の良好な緑色発光ダイオード群で構成したので、短時間露光を実現することができ、この結果、高速のシャッタ機能を発揮して撮像ブレを大幅に低減することができると共に、発光効率の向上に伴う消費電力の大幅低減が可能となった。
【0036】
尚、この実施例では、光透過型フィルタ8bを用いているが、反射型のフィルタや分光プリズムなどの波長選択性を有する他の種類の光学部品を使用してもよい。更に、この実施例では、紙葉が捲られるタイミングを紙葉からの反射光の変化に基づいて検出するタイミング手段について述べたが、これに限定されるものではなく、紙葉を透過する光を逐一測定すると共に、その透過光が変化したときに紙葉が捲られたと判断してトリガ信号S1を発生させる様にしても良い。より具体的には、発光ダイオード10の光出射面と受光素子11の受光面とを対向配置させておき、紙葉が捲られる度にこれらの素子10,11間を紙葉が通過する機構にする。よって、これらの素子10,11間を紙葉が通過する時に検出される透過光量と、紙葉が通過しない時に検出される光量との差異に基づいて、紙葉の捲られたタイミングを判定する。また、素子10,11をユニット化して成るいわゆるフォトインターラプタを用いても良い。
【0037】
更に、この実施例では、上記の素子10,11により光学的に紙葉の捲りタイミングを検出しているが、紙葉を捲るための捲り機構自体に捲りタイミングを検出するための機械式検出センサや電気式検出センサを設けておき、これらの検出センサからの出力信号に基づいてトリガ信号S1を発生させる様にしても良い。
【0038】
更に、上述したタイミング手段は、紙葉が捲られるタイミングを逐次検出し、その検出タミングに同期して紙葉読み取りを行わせるので、各紙葉を捲る周期が変化しても、正確な紙葉読み取りを可能にする。即ち、図2のタイミングチャート中に示す各紙葉の捲り周期(一例として、Ti とTi+1 を示す)が相違しても、正確な紙葉読み取りが可能となる。尚、捲り機構によって、捲り周期を常に一定にする装置構成とする事までも禁止するものではない。
【0039】
次に、第2の実施例を図面と共に説明する。尚、基本的な装置構成は、第1の実施例と同様であるので、図1に基づいて主として第1の実施例との相違点を説明する。
【0040】
第2の実施例の照明光源6は、図3中の一点鎖線Rにて示す特性曲線の如く、中心波長が約660nmで半値幅が約600nm乃至約700nmの範囲内にある波長帯域を有する照明光を紙葉に均一照射する複数個の赤色発光ダイオードを、光出射面に配列した構造となっている。
【0041】
また、光透過型フィルタ8bは、図6に示す如く、遮断波長が約600nmに設定された短波長除去型のフィルタが適用されている。尚、図6において、実線で示す特性は実際の透過率特性、点線で示す特性は最大透過率を100%として正規化した透過率特性を示す。ただし、ここでは、赤色発光ダイオードの代わりに、図3中の特性曲線Gにて示す特性を有する緑色発光ダイオード10を用い、受光素子には、その緑色発光ダイオード10の特性曲線Gに適合した分光特性を有する受光素子11が用いられている。即ち、仮にこの実施例において第1の実施例と同じ赤色発光ダイオードを用いることにすれば、読み取り用の照明と混同してSNが低下することになるので、かかるSN低下を防止するために、緑色の光を適用している。ただし、紙葉の捲りタイミングを確実に検出することができる場合には、緑色発光ダイオード10に制限するものではない。
【0042】
そして、残余の構成要素、即ち、投入部2、光学レンズ群8b、CCD固体撮像デバイス9、駆動回路12,15、波形整形回路13、タイミング回路14、映像プロセス回路16、及び識別回路17は、第1の実施例と同様である。
【0043】
次に、第2の実施例の動作を説明する。尚、前述したように、駆動回路12,15、波形整形回路13、タイミング回路14、映像プロセス回路16、及び識別回路17は、第1の実施例と同様であるので、図2のタイミングチャートに基づいて動作を説明する。
【0044】
まず、操作者が複数枚の紙葉4を束ねて投入部2に装着した後、読み取り処理を開始させると、緑色発光ダイオード10が継続して点灯した後、捲り機構が各紙葉を捲り始める。
【0045】
そして、紙葉が一枚捲られたときと捲られないときとを表す光電変換信号S0が受光素子11から出力される度に、波形整形回路13が2値論理のトリガ信号S1を発生する。
【0046】
このトリガ信号S1が論理“L”から“H”に反転するタイミングに同期してタイミング回路14が照明駆動信号S2を駆動回路15へ供給することにより、所定期間τ1だけ照明光源6を点灯させる。尚、この実施例では、τ1= 200μsecに設定されており、この期間τ1において、照明光源6が中心波長約650nmの赤色光の照明を行う。
【0047】
更に、トリガ信号S1に同期して、電荷排出信号S2がCCD個体撮像デバイス9へ供給され、この電荷排出信号S2が論理“H”となる極めて短期間に、CCD個体撮像デバイス9が不要蓄積電荷を外部へ排出する。即ち、照明光源6による照明を開始する前にCCD個体撮像デバイス9に蓄積されるピクセル信号 (電荷)は本来の読み取り処理にとって不要であるので、次に読み取り処理を開始する前に予め排出する。
【0048】
そして、不要電荷の排出処理が完了した後に、タイミング回路13が所定期間τ2に、電荷蓄積信号S4をCCD個体撮像デバイス9に供給することによって紙葉の表面を撮像させる。ここで、期間τ2は、光源6が点灯する期間τ1とほぼ等しい露光期間に設定されているが、実際には、それよりも幾分長い露光期間に設定されている。したがって、点灯期間τ1が実質的な露光時間であり、この点灯時間τ1は上述のごとく、200μsecに設定されているので、極めて高速の電子シャッター機能が発揮され、捲りの際に紙葉が動いても、ブレを生じることなく、紙葉を確実に撮像することができる。
【0049】
更に、前述した如く、光透過型フィルタ8bが所定波長の赤色光成分だけを透過するので、CCD固体撮像デバイス9は、紙葉からの反射光のうちこの波長成分の像だけを撮像する。よって、オフィス等に設置されている蛍光灯100等からの外光が投入部2内に入射しても、光透過型フィルタ8bの透過波長帯域外の波長成分、即ち不要な雑音成分が除去される。尚、一般的な白色蛍光灯は、図5に示す如く、約400nm乃至約800nmの範囲の波長成分を有しているので、この白色蛍光灯からの光もCCD固体撮像デバイス9で受光することになるが、照明光源6とほぼ等しい波長成分だけを受光することとなるので、結果的にオフィス等に設置されている室内照明の影響を除去することができ、外光による雑音成分を除去することができる。
【0050】
次に、期間τ2における露光が完了すると、タイミング回路13からCCD固体撮像デバイス9へピクセル電荷の読み出しを行わせるための読出駆動信号S5を供給し、信号S5が論理“H”となっている期間中に、上記蓄積部に蓄積されていた各ピクセル毎のピクセル信号S6’をいわゆる点順次に映像プロセス回路16へと出力させ、リアルタイムで映像プロセス回路16がピクセル信号S6’に基づいてビデオ信号S6として、識別回路17へ転送する。更に、読出駆動信号S5が論理“L”から“H”へ反転する時点に同期して映像プロセス回路16がピクセル信号S6’の入力を開始すると共に、入力したピクセル信号S6’に基づいてビデオ信号S6を形成して、識別回路17へ転送する。
【0051】
そして、識別回路17が、ビデオ信号S6に基づいて紙葉の特徴を抽出した後、予め記憶されている基準データとこの特徴データとを比較することによって、紙葉の真偽判断及び読み取り枚数の計数処理を行い、更に真偽判断の結果及び計数値を示すデータS7を出力する。そして、この真偽判断などに処理が完了すると、次の紙葉の読み取り処理が開始される事となる。
【0052】
このようにこの実施例によれば、紙葉からの反射光のうち、照明光源6の照射光の波長成分とほぼ等しいを光を光透過型フィルタ8bで選択して、CCD固体撮像デバイス9で撮像するようにしたので、オフィスなどに設置されている室内照明100からの外光の影響を除去して、最適な露光状態での撮影が可能となり、この結果、識別回路17において精度の良い真偽判定を行うことができるようになった。
【0053】
更に、室内照明100からの外光の波長成分は図5に示す如く、広い波長帯域を有し、一方、照明光源6からの照明光の波長成分は図3の一点鎖線Rに示す如く狭い波長帯域に限定されている。したがって、光透過型フィルタ8bを透過する光像の成分は、照明光による光成分が大部分を占めることとなるので、ほとんど一定の露光環境下でCCD固体撮像デバイス9が撮像可能となり、識別回路17において精度の良い真偽判定を行うことができるようになった。尚、この実施例では、CCD固体撮像デバイス9が受光する光像の光強度の内、照明光による光成分の光強度I1に対する外光による光成分の光強度I2を相対的に、I2/ I1= 1/20に低減することができることが実験によって確認された。
【0054】
また、照明光源6を、応答特性(スイッチング特性)の良好な赤色発光ダイオード群で構成したので、短時間露光を実現することができ、この結果、高速のシャッタ機能を発揮して撮像ブレを大幅に低減することができると共に、発光効率の向上に伴う消費電力の大幅低減が可能となった。
【0055】
尚、この実施例においても、第1の実施例と同様に反射型フィルタやプリズム等の他の種類の波長選択特性を有する光学部品を使用してもよい。
【0056】
また、この実施例では、長波長成分の光を透過する長波長選択フィルタを適用して、外光を除去するようにしたが、逆に、紙葉からの反射光像のうち前記照明光の特定波長帯域の波長成分以下の短波長成分を選択する短波長選択フィルタを用いて、外光の不要成分を除去するようにしてもよい。
【0057】
また、紙葉の捲りタイミングを検出するタイミング手段としては、第1の実施例と同様に紙葉の透過光を検出したり、捲り機構自体の捲りタイミングを検出する様にしても良い。また、各紙葉を一定周期で捲る捲り機構を適用しても良い。
【0058】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、撮像手段の前方に波長選択フィルタを設けることによって、紙葉からの反射光のうち、照明光源の照射光の波長成分を含む外光の成分を除去して撮像するようにしたので、オフィスなどに設置されている室内照明からの外光の影響を除去して、最適な露光状態での撮影が可能となり、この結果、精度の良い真偽判定を行うことができる。
【0059】
更に、波長選択フィルタを設けることによって、外光に比べて照明光源による光成分が撮像手段に入射するので、一定の露光環境下で精度の良い撮像を行うことができる。
【0060】
また、撮像手段にCCD固体撮像デバイスを適用することにより、高速電子シャッタ機能を発揮させることができるので、撮像ブレを大幅に低減することができる。
【0061】
また、照明光源に所定波長帯域の発光ダイオードを適用することによって、上記電子シャッタ機能を発揮させるための短時間露光を実現することができると共に、発光ダイオードの発光効率の向上に伴う消費電力の大幅低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】実施例の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】実施例に備えられる照明光源の照明光の波長特性を示す特性図である。
【図4】第1の実施例に備えられる光透過型フィルタの波長選択特性を示す特性図である。
【図5】白色蛍光灯の波長帯域を示す特性図である。
【図6】第2の実施例に備えられる光透過型フィルタの波長選択特性を示す特性図である。
【符号の説明】
2…投入部、4…紙葉、6…照明光源、8…撮像光学系、8a…光学レンズ系、8b…光透過型フィルタ、9…CCD固体撮像デバイス、10…赤色発光ダイオード、11…受光素子、12,15…駆動回路、13…波形整形回路、14…タイミング回路、16…映像プロセス回路、17…識別回路。
代理人弁理士 長谷川 芳樹
Claims (2)
- 1又は2以上の紙葉を連続的に切り替えて順次に読取る紙葉読取り装置において、
読取り対象である各紙葉が切り替わるタイミングを検出するタイミング手段と、
前記タイミング手段の前記検出タイミングに同期して所定波長帯域の照明光を点灯させ、前記紙葉に前記照明光を照射する発光ダイオードによる照明光源と、
前記紙葉からの反射光像のうち前記照明光の特定波長帯域の波長成分を選択する波長選択フィルタと、
前記タイミング手段の前記検出タイミングに同期して、前記波長選択フィルタを介して入射する前記反射光像を撮像する撮像手段と、を具備し、
前記波長選択フィルタは、前記紙葉からの反射光像のうち前記照明光の特定波長帯域の波長成分を選択的に通過させるように前記撮像手段の前方に配置され、
前記撮像手段は、前記タイミング手段の前記検出タイミングに同期して不要電荷を排出した後、所定期間に前記反射光像を撮像するCCD固体撮像デバイスから成ることを特徴とする紙葉読取り装置。 - 前記波長選択フィルタは、前記紙葉からの反射光像のうち前記照明光の特定波長帯域の波長成分を選択するバンドパスフィルタ、又は前記紙葉からの反射光像のうち前記照明光の特定波長帯域の波長成分以上の長波長成分を選択する長波長選択フィルタ、又は前記紙葉からの反射光像のうち前記照明光の特定波長帯域の波長成分以下の短波長成分を選択する短波長選択フィルタのいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の紙葉読取り装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12003095A JP3766449B2 (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | 紙葉読取り装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12003095A JP3766449B2 (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | 紙葉読取り装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08315210A JPH08315210A (ja) | 1996-11-29 |
| JP3766449B2 true JP3766449B2 (ja) | 2006-04-12 |
Family
ID=14776173
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12003095A Expired - Fee Related JP3766449B2 (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | 紙葉読取り装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3766449B2 (ja) |
-
1995
- 1995-05-18 JP JP12003095A patent/JP3766449B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08315210A (ja) | 1996-11-29 |
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