JP3772064B2 - 火災検知方法及び警報器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災検知方法及び火災警報器に関する。特には、火災発生をより早期に検知する方法及び警報器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
台所等に設置される火災警報器は、温度や火災時に発生するガスの濃度を検出して火災を検知し、警報を発するものが一般に使用されている。また、燃焼ガスの不完全燃焼時に発生するガス濃度や燃焼ガス濃度を検出するセンサを備え、不完全燃焼やガス洩れを検知する機能を備えた火災警報器もある。
しかし、近年では、現状よりも早期に火災を検知するシステムが求められている。
【0003】
一方、特開平11−232565号には、電気ケーブルや通信ケーブルを敷設した密閉空間(暗渠)内の火災を検知する方法が開示されている。この方法は暗渠内の長さ方向の複数箇所で、天井付近、中間付近、床付近の風速を測定するものである。すなわち、火災が暗渠内の一部で発生すれば、天井付近と床付近で風速や風向も変化することから、暗渠内の複数箇所で風速や風向を測定して早期に火災の発生を検知している。
【0004】
しかしながら、同号の方法は、複数の風速センサを必要とし、家庭の台所やオフィスビルのような場所に適したものとはいえない。一方、そのような場所用の火災検知システムでは、より早く火災を検知できるとともに、誤報率の低いシステムが求められている。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、火災をより早期に検知できる火災検知方法及び火災警報器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
上記の課題を解決するため、本発明の火災警報方法は、建物内の環境要素に関する現象を検出するセンサと、該センサからの信号を入力されて火災発生を判定する判定部と、該判定部の判定結果を表示する表示部と、を具備する火災検知システムを用いて火災検知する方法であって;上記センサとして、熱、燃焼生成ガス又は煙を検知するセンサのいずれか1あるいは2以上と、上記建物内の風速を検出するセンサと、を建物内の部屋の天井又は壁の上部に取り付け、発炎火災の発生初期における天井付近の風速や壁付近の風速の立ち上がりを検出して火災発生を判定することを特徴とする。
【0007】
火災発生時には、詳しくは後述するように温度上昇よりも風速の方が立ち上がりが早い。この風速を測定する風速センサを備えたことで、火災をより早期に検知することができる火災検知方法を提供することができる。また火災の発生を風速や他の物理現象(温度変化やガス濃度変化)を含めて判定するため、より確実な判定を行うことができる。さらに、燃焼ガスや燃焼生成ガスを検知するセンサを備えれば、ガス洩れや不完全燃焼も検知することができる。
【0008】
本発明の具体的態様の火災検知システムは、 建物内の温度を検出するセンサと、 建物内の風速を検出するセンサと、 上記両センサからの信号を入力されて火災発生を判定する判定部であって、上記風速センサの検出する風速があるしきい値以上であり、かつ上記温度センサが検出する温度があるしきい値以上であるときに火災発生と判定する判定部と、 該判定部の判定結果を表示する表示部と、を具備することを特徴とする。
【0009】
あるいは、上記判定部が、上記風速センサの検出する風速があるしきい値以上であり、かつ上記温度センサが検出する温度の上昇速度があるしきい値以上であるときに火災発生と判定することとしてもよい。
あるいは、上記風速センサの検出する風速の上昇度があるしきい値以上であり、かつ上記温度センサが検出する温度があるしきい値以上であるときに火災発生と判定することとしてもよい。
あるいは、上記風速センサの検出する風速の上昇度があるしきい値以上であり、かつ上記温度センサが検出する温度の上昇速度があるしきい値以上であるときに火災発生と判定することとしてもよい。
火災発生初期に変化が大きい風速、風速の上昇度、温度、温度の上昇度を各しきい値と比較することによって、より早期に火災の検知を行うことができる。
【0010】
本発明の第1態様の火災警報器は、温度を検出するセンサと、風速を検出するセンサと、上記両センサからの信号を入力されて火災発生を判定する判定部と、該判定部の判定に応じて警報を発する警報部と、を具備し、上記各センサ及び各部が一体のケーシングに配置されており、該警報器は建物内の部屋の天井又は壁の上部に取り付けられて、発炎火災の発生初期における天井付近の風速や壁付近の風速の立ち上がりを検出して火災発生を判定することを特徴とする。
【0011】
この態様においては、 温度があるしきい値を越え、かつ、風速があるしきい値を越えたときに火災発生と判定できる。
あるいは、 温度の上昇速度があるしきい値を越え、かつ、風速があるしきい値を越えたときに火災発生と判定することとしてもよい。
あるいは、 温度があるしきい値を越え、かつ、風速の上昇度があるしきい値を越えたときに火災発生と判定することとしてもよい。
あるいは、 温度の上昇速度があるしきい値を越え、かつ、風速の上昇度があるしきい値を越えたときに火災発生と判定することとしてもよい。
火災発生初期に変化が大きい風速、風速の上昇度、温度の上昇度を各しきい値と比較することによって、より早期に火災の検知を行うことのできる警報器を提供することができる。
【0012】
本発明の第2態様の火災警報器は、感熱センサと、COガス濃度を検出するセンサと、風速を検出するセンサと、上記センサからの信号を入力されて、不完全燃焼及び火災を判定する判定部と、該判定部の判定に応じて警報を発する警報部と、を具備し、上記各センサ及び各部が一体のケーシングに配置されており、該警報器は建物内の部屋の天井又は壁の上部に取り付けられて、発炎火災の発生初期における天井付近の風速や壁付近の風速の立ち上がりを検出して火災発生を判定することを特徴とする。
【0013】
この態様においては、 上記COガス濃度センサで検出されたCOガス濃度が第1のしきい値を超えたことでもって不完全燃焼と判定し、 上記風速センサで検出された風速があるしきい値を越えるか、又は、COガス濃度が第2のしきい値を越えるか感熱センサで検出された感熱量があるしきい値を越えたことでもって火災発生と判定することができる。
不完全燃焼と発炎火災発生を早期に検知し、警報を発することができる。
【0014】
本発明の第3態様の火災警報器は、炭化水素ガス濃度を検出するセンサと、COガス濃度を検出するセンサと、風速を検出するセンサと、上記センサからの信号を入力されて、ガス洩れ、不完全燃焼及び火災を判定する判定部と、該判定部の判定に応じて警報を発する警報部と、を具備し、上記各センサ及び各部が一体のケーシングに配置されており、該警報器は建物内の部屋の天井又は壁の上部に取り付けられて、発炎火災の発生初期における天井付近の風速や壁付近の風速の立ち上がりを検出して火災発生を判定することを特徴とする。
【0015】
この態様においては、 上記炭化水素ガス濃度センサで検出された炭化水素ガス濃度が第1のしきい値を超えたことでもってガス洩れと判定し、 上記COガス濃度センサで検出されたCOガス濃度が第1のしきい値を超えたことでもって不完全燃焼と判定し、 上記風速センサで検出された風速があるしきい値を越えるか、又は、炭化水素ガス濃度が第2のしきい値を超えるかCOガス濃度が第2のしきい値を越えたことでもって火災発生と判定することができる。
ガス漏れ、不完全燃焼、発炎火災発生を早期に検知し、警報を発することができる。
【0016】
本発明の第4態様の火災警報器は、炭化水素ガス濃度を検出するセンサと、COガス濃度を検出するセンサと、感熱センサと、風速を検出するセンサと、上記センサからの信号を入力されて、ガス洩れ、不完全燃焼及び火災を判定する判定部と、該判定部の判定に応じて警報を発する警報部と、を具備し、上記各センサ及び各部が一体のケーシングに配置されており、該警報器は建物内の部屋の天井又は壁の上部に取り付けられて、発炎火災の発生初期における天井付近の風速や壁付近の風速の立ち上がりを検出して火災発生を判定することを特徴とする。
【0017】
この態様においては、 上記炭化水素ガス濃度センサで検出された炭化水素ガス濃度がしきい値を越えたことでもってもってガス洩れと判定し、 上記COガス濃度センサで検出されたCOガス濃度が第1のしきい値を越えたことでもって不完全燃焼と判定し、 上記風速センサで検出された風速があるしきい値を越えるか、又は、感熱センサの感熱量がしきい値を越えるかCOガス濃度が第2のしきい値を越えたことでもって火災発生と判定することができる。
ガス漏れ、不完全燃焼、発炎火災発生を早期に検知し、警報を発することができる。
【0018】
本発明の第5態様の火災警報器は、炭化水素ガス濃度を検出するセンサと、COガス濃度を検出するセンサと、煙を感知するセンサと、風速センサと、上記センサからの信号を入力されて、ガス洩れ、不完全燃焼及び火災を判定する判定部と、該判定部の判定に応じて警報を発する警報部と、を具備し、上記各センサ及び各部が一体のケーシングに配置されており、該警報器は建物内の部屋の天井又は壁の上部に取り付けられて、発炎火災の発生初期における天井付近の風速や壁付近の風速の立ち上がりを検出して火災発生を判定することを特徴とする。
【0019】
この態様においては、 上記炭化水素ガスセンサで検出された炭化水素ガス濃度がしきい値を越えたことでもってガス洩れと判定し、 上記COガス濃度センサで検出されたCOガス濃度が第1のしきい値を越えたことでもって不完全燃焼と判定し、 上記風速センサで検出された風速があるしきい値を越えるか、又は、上記煙センサで煙が検出されかつCOガス濃度が第2のしきい値を越えたとでもって火災発生と判定することができる。
ガス漏れ、不完全燃焼、発炎及び発煙火災を早期に検知し、警報を発することができる。
【0020】
以下、火災発生時の室内の風速や温度変化について確認するために、本発明者らが行った実験について説明する。
より早期に火災を検知できる火災警報器として、風速や風向を考慮し、台所等での火災発生時に風速や風向にどのような変化が起こるかを、規定(Components of automatic fire detection system Part 9. Methods of test of sensitivity to fire)に基づいて計測した。
【0021】
実験条件を以下に示す。
試験室の大きさ:幅=10m、奥行き=6m、高さ=4m
初期環境条件:温度=23±5℃、煙濃度(イオン化)<0.05、煙濃度(光学的)<0.05dB/m
【0022】
試験用火元:
(1)TF1:セルロース火災(木片)
約70本のブナ材片(1×2×25cm3)を試験室の中央に置かれたベース上に7層に積み上げ、5cm3の変性アルコールで点火する。
(2)TF2:いぶした高温加熱火災(木片)
約70本のブナ材片(体積1×2×25cm3)をホットプレート上に星型に配置し、11分以内に600℃に達する火力でいぶす。
(3)TF3:いぶし火(コットン片)
90個のコットン片(重量3g、長さ80cm)を乾燥させ、径が10cmのリングに固定し、端部に点火した。
【0023】
(4)TF4:プラスチック火災(ポリウレタン)
3枚のポリウレタンフォーム(体積1×2×25cm3、密度20Kg/cm3)をアルミ箔上に置き、5cm3の変性アルコールで点火する。
(5)TF5:液体火災(n−ヘプタン)
n−ヘプタンと3重量%のトルエンを容器(底面積1100cm2、高さ5cm)に入れ、点火する。
(6)TF6:液体火災(変性アルコール)
少なくとも90%エタノールの変性アルコールを容器(底面積1900cm2、高さ5cm)に入れ、点火する。
この中で、TF2、TF3は主に煙が発生する火災(発煙火災)、TF5、TF6は主に炎が発生する火災(発炎火災)に相当する。台所火災の火元は、このTF5やTF6の火元に近い。
【0024】
各試験用火元での火災発生時に、天井付近の風速、壁付近の風速、天井の温度を計測したグラフを図7〜12に示す。各グラフの横軸は時間(秒)であり、0が点火時である。縦軸は風速及び温度である。グラフ中の実線は天井の風速、破線は壁付近の風速、一点鎖線は天井の温度である。各グラフの図7〜12は上記試験用火元TF1〜6に対応している。
【0025】
測定条件を以下に示す。
(1)計測位置
天井付近の風速:火元(実験室中央)から3m離れた位置
天井の温度:火元(実験室中央)から3m離れた位置
(2)計測機器
風速:クリーンルーム用3次元超音波風速計「マイクロソニックWA−390型」(株式会社カイジョー社製)
測定範囲;0〜±10m/s、測定精度;±2%、応答速度;0.5秒
温度:65℃
【0026】
これらの測定結果より、TF2、TF3の発煙火災の場合は、風速や温度に大きな変化はみられない。また、天井付近の温度にも変化がない。
TF1、TF4の木片やプラスチックの火災の場合は、天井付近の風速や壁付近の風速が徐々に上昇し、その後下降する。天井付近の温度は徐々に上昇する。
TF5、TF6の発炎火災の場合、点火後30秒以内に急速に天井付近の風速が上昇している。また、壁付近の風速も点火後60秒以内に風速の上昇が起こっている。天井付近の温度は徐々に上昇している。
【0027】
次に、台所火災を想定したTF6において、温度、煙濃度、燃料の重量、CO濃度、CO2濃度、O2濃度、NO濃度、NOX濃度、NO2濃度を上述の測定条件で測定した。ここで、COは燃焼ガスの不完全燃焼時や火災初期に発生する。CO2は不完全燃焼や本格的な火災時に発生する。O2濃度は不完全燃焼時や本格的な火災時に低下する。
【0028】
図13、14は、TF6における温度、煙濃度、燃料の重量、CO濃度、CO2濃度、O2濃度、NO濃度、NOX濃度、NO2濃度の変化を示すグラフである。
通常の温度検知式の火災検知システムは、温度が65℃に達すると作動するものが多い。図12に見られるように、温度(実線)が65℃に達するまでに火災発生から約2分が経過していることとなる。また、CO濃度、CO2濃度、NO濃度、NOX濃度、NO2濃度も上昇しているが立ち上がりは緩やかである。この条件では、燃焼の性質から煙の発生量は低い。
なお、図12と図13の温度推移が異なるのは、図12は天井面に接した部分の温度、図13は天井から5cm下の気流温度を計測しているためである。
【0029】
以上の実験結果より、台所火災の火元に相当するTF6の実験において、火災発生初期に大きく変化する物理要素は天井付近の風速や壁付近の風速であることが確認される。特に天井付近の風速は火災発生から30秒以内での急激な立ち上がりが特徴的である。一方、温度やNO濃度、NOX濃度、NO2濃度、CO濃度、CO2濃度も上昇しているが、立ち上がりが緩やかである。
【0030】
以下、本発明の火災検知システム及び警報器の実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施例に係る火災警報器の構成を示すブロック図である。
この警報器1は、火災センサとして感熱センサ11及び風速センサ13、ガスセンサとしてCOガスセンサ15及び炭化水素ガスセンサ17の四つのセンサを備えている。各センサの出力信号は、マイコン等で構成される判定部21に送られる。判定部21は各センサからの信号を処理して、火災発生、ガス洩れ、不完全燃焼等を判定する。その結果は音声警報部23や液晶表示部25に送られて表示される。
【0031】
風速センサ13は、上述の超音波風速計や熱線型の風速センサが使用される。超音波風速計は、超音波が空気中を伝播するときに、風速に比例して伝播時間が変化することを利用したもので、温度や湿度の影響を受けずに正確に風速を測定することができる(クリーンルーム用3次元超音波風速計「マイクロソニックWA−390型」(株式会社カイジョー社製)等)。熱線型風速センサは、ヒータを中心として上流及び下流に温度センサが配置されたものであり、静止状態ではヒータを中心とした対称な温度分布を形成している。空気の流れが生じると温度分布が崩れ、このときの温度センサの抵抗値の差から流速を求める(「気体用マスフローメータCMS20/50」(山武ハネウエル株式会社製等))。なお、これらの風速計やセンサは精密計測用で現在では高価であるが、精度要求を下げて量産すれば価格は相当下がるものと思われる。さらに、他の計測原理に基づくセンサも用いることができる。
【0032】
感熱センサ11としては、サーミスタや熱電対等の温度センサや、赤外線センサ、紫外線センサ、焦電センサが使用される。ガスセンサは主に半導体式が使用される。COガスセンサ15は、燃焼ガスの不完全燃焼時や火災初期に発生するCOガスを検知する。炭化水素ガスセンサ17は、都市ガスの主成分であるメタンの漏れや火災初期に発生する炭化水素ガスを検知する。
【0033】
図2は、図1の火災警報器が設置される台所の構造を示す図である。
火災警報器1は、火元(ガステーブル等)51から8m以内の天井又は壁に設置することが決められている。
通常、ガス台21の上方には換気扇53が設置されている。換気扇53の吸い込み風速は、通常0.4m/s以下に設定されている。また、台所には室内に開くドア55や外部に開くドアが設けられている。これらのドアを開いたときに、台所の気流の速度は0.5〜1.0m/sとなるように設計されている(「最新建築環境工学」井上書院)。
図3は、本発明の実施例に係るオフィスビル等における集中式の火災検知システムを示すブロック図である。
部屋A及び部屋B、廊下には、警報器31と、スピーカ33等の音声発生器が備えられている。この例の警報器31は、図1に示す各センサのみを備えたものであり、図1に示す判定部はビルを管理する防災保安用コンピュータ35に設けられている。各センサで検出される値は配線を通って防災保安用コンピュータ35の判定部37に送られ、所定の値と比較されて火災発生や他の緊急事態の発生を判定する。警報器31は部屋の広さや火元の数に応じて複数台設置される。この図では、部屋Aに2台設置されている。各スピーカ33は館内放送装置39に配線で接続されている。館内放送装置39は防災保安用コンピュータ35に接続している。
【0034】
このシステムの作用を火災発生時を例にとって説明する。
いずれかの部屋又は廊下で火災が発生すると、警報器31の各センサで検出された値は防災保安用コンピュータ35の判定部37に送られ、判定部37が火災発生と判定する。そして判定部37から館内放送装置39に情報が送られ、各スピーカ33から警報や音声で火災が発生したことが報知される。
【0035】
図4は、図1の火災警報器の判定パターンを説明するフローチャートである。
最初に、S10で炭化水素ガス濃度センサで検出された炭化水素ガス濃度をしきい値(一例0.2%)と比較する。炭化水素ガス濃度がしきい値より高ければS11でガス洩れと判定される。次に、S12でCOガス濃度センサで検出されたCOガス濃度を第1しきい値(一例50ppm)と比較する。COガス濃度が第1しきい値より高ければS13で不完全燃焼と判定される。
【0036】
次に、S14で風速センサで検出された風速をしきい値(一例0.2〜0.3m/s)と比較する。風速がしきい値より高ければ、S15で火災発生と判定される。なお、S10、S12で炭化水素ガス濃度やCOガス濃度がしきい値より低い場合でも、S14で風速がしきい値と比較される。
【0037】
S14で風速がしきい値より低ければ、S16で感熱センサで検出された温度をしきい値(一例65℃)と比較する。温度がしきい値より高ければ、S15で火災と判定される。S16で温度がしきい値より低ければ、S17でCOガス濃度を第2しきい値(一例250ppm)と比較する。COガス濃度が第2しきい値より高ければ、S15で火災と判定される。
【0038】
図5は、本発明の他の実施例に係る火災警報器の判定パターンを説明するフローチャートである。
この例の警報器は、火災センサとして感熱センサ及び風速センサ、ガスセンサとしてCOガスセンサの三つのセンサを備えている。
最初に、S20で、COガスセンサで検出されるCOガス濃度をしきい値(一例50ppm)と比較する。COガス濃度がしきい値より高ければS21で不完全燃焼と判定する。
【0039】
次に、S22で風速センサで検出される風速をしきい値(一例0.2〜0.3m/s)と比較する。風速がしきい値より高ければ、S23で火災と判定する。S22で風速がしきい値より低ければ、S24で感熱センサで検出される温度をしきい値(一例65℃)と比較する。温度がしきい値より高ければ、S23で火災と判定する。
【0040】
図6は、本発明の他の実施例に係る火災警報器の判定パターンを説明するフローチャートである。
この例の火災警報器は、火災センサとして風速センサ及び煙センサ、ガスセンサとしてCOガスセンサ及び炭化水素ガスセンサの四つのセンサを備えている。風速センサ、COガスセンサ、炭化水素ガスセンサは、図1の例のものが使用される。煙センサは光減衰式やイオン電流式のものが使用される。
【0041】
最初に、S30で炭化水素ガス濃度センサで検出された炭化水素ガス濃度をしきい値(一例0.2%)と比較する。炭化水素ガス濃度がしきい値より高ければS31でガス洩れと判定される。次に、S32でCOガス濃度センサで検出されたCOガス濃度を第1しきい値(一例50ppm)と比較する。COガス濃度が第1しきい値より高ければS33で不完全燃焼と判定される。
【0042】
次に、S34で風速センサで検出された風速をしきい値(一例0.2〜0.3m/s)と比較する。風速がしきい値より高ければ、S35で火災発生と判定される。なお、S30、S32で炭化水素ガス濃度やCOガス濃度がしきい値より低い場合でも、S34で風速がしきい値と比較される。
【0043】
S34で風速がしきい値より低ければ、S36で煙センサで検出された煙濃度をしきい値(一例5%)と比較する。煙濃度がしきい値より高ければ、S35で火災と判定される。S36で煙濃度がしきい値より低ければ、S37でCOガス濃度を第2しきい値(一例250ppm)と比較する。COガス濃度が第2しきい値より高ければ、S35で火災と判定される。
この例においては、発煙する火災も検知することができる。
【0044】
これらの例では、風速センサで検出される風速を使用したが、風速の上昇度を使用してもよい。また、温度は温度の上昇速度を使用してもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、風速センサを火災警報器に備えたことにより、火災をより早期に検知することができる。また、ガスセンサを備えることで、ガス洩れや不完全燃焼の検知も同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る火災警報器の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の火災警報器が設置される台所の構造を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係るオフィスビル等における集中式の火災検知システムを示すブロック図である。
【図4】図1の火災警報器の判定パターンを説明するフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施例に係る火災警報器の判定パターンを説明するフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施例に係る火災警報器の判定パターンを説明するフローチャートである。
【図7】試験用火元(TF1)での火災発生時に、天井付近の風速、壁付近の風速、天井の温度を計測したグラフを示す図である。
【図8】試験用火元(TF2)での火災発生時に、天井付近の風速、壁付近の風速、天井の温度を計測したグラフを示す図である。
【図9】試験用火元(TF3)での火災発生時に、天井付近の風速、壁付近の風速、天井の温度を計測したグラフを示す図である。
【図10】試験用火元(TF4)での火災発生時に、天井付近の風速、壁付近の風速、天井の温度を計測したグラフを示す図である。
【図11】試験用火元(TF5)での火災発生時に、天井付近の風速、壁付近の風速、天井の温度を計測したグラフを示す図である。
【図12】試験用火元(TF6)での火災発生時に、天井付近の風速、壁付近の風速、天井の温度を計測したグラフを示す図である。
【図13】TF6における温度、煙濃度、燃料の重量の変化を示すグラフである。
【図14】TF6におけるCO濃度、CO2濃度、O2濃度、NO濃度、NOX濃度、NO2濃度の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1、31 警報器 11 感熱センサ
13 風速センサ 15 COセンサ
17 炭化水素ガスセンサ 21、37 判定部
23 音声警報部 25 液晶表示部
33 スピーカ 35 防災保安用コンピュータ
39 館内放送装置
Claims (7)
- 建物内の環境要素に関する現象を検出するセンサと、
該センサからの信号を入力されて火災発生を判定する判定部と、
該判定部の判定結果を表示する表示部と、
を具備する火災検知システムを用いて火災検知する方法であって;
上記センサとして、
熱、燃焼生成ガス又は煙を検知するセンサのいずれか1あるいは2以上と、上記建物内の風速を検出するセンサと、を建物内の部屋の天井又は壁の上部に取り付け、
発炎火災の発生初期における天井付近の風速や壁付近の風速の立ち上がりを検出して火災発生を判定することを特徴とする火災検知方法。 - 温度を検出するセンサと、
風速を検出するセンサと、
上記両センサからの信号を入力されて火災発生を判定する判定部と、
該判定部の判定に応じて警報を発する警報部と、を具備し、
上記各センサ及び各部が一体のケーシングに配置されており、
該警報器は建物内の部屋の天井又は壁の上部に取り付けられて、発炎火災の発生初期における天井付近の風速や壁付近の風速の立ち上がりを検出して火災発生を判定することを特徴とする警報器。 - 感熱センサと、
COガス濃度を検出するセンサと、
風速を検出するセンサと、
上記センサからの信号を入力されて、不完全燃焼及び火災を判定する判定部と、
該判定部の判定に応じて警報を発する警報部と、を具備し、
上記各センサ及び各部が一体のケーシングに配置されており、
該警報器は建物内の部屋の天井又は壁の上部に取り付けられて、発炎火災の発生初期における天井付近の風速や壁付近の風速の立ち上がりを検出して火災発生を判定することを特徴とする警報器。 - 炭化水素ガス濃度を検出するセンサと、
COガス濃度を検出するセンサと、
風速を検出するセンサと、
上記センサからの信号を入力されて、ガス洩れ、不完全燃焼及び火災を判定する判定部と、
該判定部の判定に応じて警報を発する警報部と、を具備し、
上記各センサ及び各部が一体のケーシングに配置されており、
該警報器は建物内の部屋の天井又は壁の上部に取り付けられて、発炎火災の発生初期における天井付近の風速や壁付近の風速の立ち上がりを検出して火災発生を判定することを特徴とする警報器。 - 炭化水素ガス濃度を検出するセンサと、
COガス濃度を検出するセンサと、
感熱センサと、
風速を検出するセンサと、
上記センサからの信号を入力されて、ガス洩れ、不完全燃焼及び火災を判定する判定部と、
該判定部の判定に応じて警報を発する警報部と、を具備し、
上記各センサ及び各部が一体のケーシングに配置されており、
該警報器は建物内の部屋の天井又は壁の上部に取り付けられて、発炎火災の発生初期における天井付近の風速や壁付近の風速の立ち上がりを検出して火災発生を判定することを特徴とする警報器。 - 炭化水素ガス濃度を検出するセンサと、
COガス濃度を検出するセンサと、
煙を感知するセンサと、
風速センサと、
上記センサからの信号を入力されて、ガス洩れ、不完全燃焼及び火災を判定する判定部と、
該判定部の判定に応じて警報を発する警報部と、を具備し、
上記各センサ及び各部が一体のケーシングに配置されており、
該警報器は建物内の部屋の天井又は壁の上部に取り付けられて、発炎火災の発生初期における天井付近の風速や壁付近の風速の立ち上がりを検出して火災発生を判定することを特徴とする警報器。 - 天井付近の風速の、温度又は燃焼生成ガス濃度の上昇よりも速い、急激な立ち上がりを検出して火災発生を判定することを特徴とする請求項1記載の火災検知方法又は請求項2〜6いずれか1項記載の警報器。
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