JP3780573B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は剛性、耐衝撃性、流動性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンは成形性、靱性、耐水性、耐薬品性などに優れ、低比重で安価であることから各種成型品やシート等に従来から広く利用されている。しかしながら、耐衝撃性、特に低温での衝撃強度が劣るため、使用目的が限定される場合がある。
そこで、この問題点を改良するために、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水添物、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム等のゴム成分を配合する提案が多くなされている。しかし、これらのポリプロピレン系樹脂組成物では、耐衝撃性が改善されるものの、剛性、成形外観の低下が見られ、実用上十分ではなかった。また、これらを改善するために、高分子量タイプのエチレン−α−オレフィン系共重合体の使用が考えられるが、ゴム成分として高分子量タイプの使用は樹脂中の分散性が悪く、さらに得られる組成物の流動性が低下するなど実用上好ましくなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の技術的課題を背景になされたものであり、ポリプロピレン、オレフィン系エラストマー、特定構造の水添ブロック共重合体、および必要に応じて無機充填材のブレンドにより剛性、耐衝撃性、流動性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、(イ)曲げ弾性率が8000kgf/cm2(785MPa)以上かつ温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが10g/10分以上であるポリプロピレン 70〜90重量%、(ロ)オレフィン系エラストマー 30〜10重量%(ただし、(イ)+(ロ)=100重量%)の合計100重量部に対して、(ハ)芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダム共重合体を主体とする重合体ブロック(a)、および1,2−結合で結合したブタジエン単位の含量(以下、「1,2−結合含量」とも言う)が25%以下であるポリブタジエン重合体ブロック(b)を有するブロック共重合体または該ブロック共重合体がカップリング剤残基を介して延長または分岐されたブロック共重合体中(以下、「水添前重合体」とも言う)の、オレフィン性不飽和結合の80%以上を水素化してなる、ポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、「重量平均分子量」とも言う)が1万〜70万である水添ブロック共重合体 0.1〜5重量部、および(ニ)無機充填材 0〜50重量部を含有してなるポリプロピレン系樹脂組成物であって、上記(イ)〜(ハ)成分のみを重合体成分として含むポリプロピレン系樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を構成する(イ)ポリプロピレンは、結晶性ポリプロピレンであり、具体的にはプロピレンの結晶性の単独重合体あるいはプロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセンなどのα−オレフィンを含んだ結晶性の共重合体である。
この共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、あるいは多段重合で得られる単独重合体とのブレンド物、あるいは通常のブレンド物であってもよい。
【0006】
なお、これらポリプロピレンを得る方法としては、チーグラー・ナッタ系触媒のごときマルチ・サイト触媒を用いる方法や、カミンスキー系触媒のごときシングル・サイト触媒を用いる方法などがあるが、本発明の(イ)成分としては、いずれの重合触媒によるポリプロピレンも好適に用いられる。ただし、プロピレンユニットの立体規則性は、アイソタクチックもしくはシンジオタクチックのものが本発明の(イ)成分として好ましい。
【0007】
本発明の(イ)ポリプロピレンにおいて、曲げ弾性率は8000kgf/cm2(785MPa)以上であるが、好ましくは10000〜50000kgf/cm2(981〜4903MPa)、より好ましくは11000〜40000kgf/cm2(1079〜3923MPa)、さらに好ましくは12000〜30000kgf/cm2(1177〜2942MPa)であり、メルトフローレート(MFR、g/10分)は10以上であるが、好ましくは20〜300、より好ましくは30〜200、さらに好ましくは40〜150である。曲げ弾性率が8000kgf/cm2未満および/またはMFRが10未満では、流動性、剛性のバランスが劣るため好ましくない。
【0008】
次に、本発明に使用される(ロ)オレフィン系エラストマーは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン相互の共重合体、あるいはこれらとジシクロペンタジエンや5−エチリデン−2−ノルボルネン等の非共役ジエンとの共重合体、あるいは1−ヘキセン、1−オクテン等の高級α−オレフィンの単独重合体からなるエラストマーである。これらの中でもエチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体等のエチレン系共重合体、エチレン・1−ヘキセン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−オクテン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−オクテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体等のエチレン系共重合体が好ましい。これらオレフィン系エラストマーは2種以上の混合物であってもよい。該エラストマーのMFRは、特に制限されるものではないが、好ましくは0.1〜200g/10分である。尚、本発明におけるオレフィン系エラストマーの製造に関しては何等制限されるものではなく、シングル・サイト触媒によるもの、およびマルチ・サイト触媒によるもののいずれも好適に用いられる。
【0009】
なお(ロ)成分に使用されるα−オレフィンとしては、上記以外にも2−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、5−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−デセンなどが挙げられ、非共役ジエンとしては、トリシクロペンタジエン、5−メチル−2,5−ノルボナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(1−ブテニル)−2−ノルボルネン、シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセン、1,5,9−シクロドデカトリエン、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オクタジエンなどが挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上併用して使用することができる。
【0010】
次に、本発明の(ハ)成分は、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダム共重合体を主体とする重合体ブロック(a)および1,2−結合含量が25%以下であるポリブタジエン重合体ブロック(b)とからなるブロック共重合体を水素添加することにより得られる。以下、ブロック(a)を水素添加したブロックをブロック(A)、ブロック(b)を水素添加したブロックをブロック(B)という。
【0011】
本発明の(ハ)成分を得るための水添前重合体は、芳香族ビニル化合物および共役ジエンにより構成される。ここで用いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α―メチルスチレン、p―メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、これらのなかでスチレン、α−メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。また、共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、工業的に利用でき、また物性の優れた水添ジエン系共重合体を得るには、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
【0012】
本発明の組成物において、(ハ)水添ブロック共重合体は、(イ)ポリプロピレンと(ロ)オレフィン系エラストマーとを相溶化させる働きを有する。この働きを発現させるため、本発明の(ハ)成分は、(イ)成分と(ロ)成分のそれぞれと相溶性の良いブロック単位を有する。すなわち、(ハ)成分中のブロック(A)は(イ)成分との相溶性を担い、またブロック(B)は(ロ)成分との相溶性を担う。このように、(ハ)を介することで、(イ)成分と(ロ)成分の相溶性が向上し、結果として、得られる組成物の物性が向上することになる。
【0013】
水添前重合体中のブロック(a)は、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダム共重合体を主体とする重合体ブロックである。すなわちブロック(A)の構造としては、例えば芳香族ビニル化合物がスチレンであり共役ジエンがブタジエンである場合、スチレン−エチレン−ブチレンランダム共重合体と類似の構造を有する重合体ブロックとなる。
【0014】
なお、ブロック(a)に使用される芳香族ビニル化合物の好ましい使用量は、ブロック(a)を構成するモノマーの好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.5〜40重量%、さらに好ましくは1〜30重量%である。ブロック(a)中の芳香族ビニル化合物の含量が0.1重量%未満もしくは50重量%を超えると、水素添加後のブロック(A)と(イ)成分との相溶性が低下するため、(イ)成分と(ハ)成分との相溶性が低下し、結果として(イ)成分と(ロ)成分との相溶性が不十分となり、得られる組成物の耐衝撃性が劣るものとなる。
【0015】
またブロック(a)中で、1,2−および3,4−結合で結合した共役ジエン単位の、ブロック(a)中の全共役ジエン量に対する含量(以下、「ビニル結合含量」ともいう)は、本発明では特に限定されるものではないが、好ましくは25重量%以上である。ブロック(a)中の共役ジエンのビニル結合含量が25重量%未満では、水素添加後のブロック(A)と(イ)成分との相溶性が低下するため、(イ)成分と(ハ)成分との相溶性が低下し、結果として(イ)成分と(ロ)成分との相溶性が不十分となり、得られる組成物の耐衝撃性が劣るものとなる。
【0016】
水添前重合体中のブロック(b)は、水素添加により通常の低密度ポリエチレンに類似の構造を示す結晶性の重合体ブロックとなる。成分ブロック(b)中のポリブタジエンの好ましい1,2−結合含量は、通常25%以下であるが、より好ましくは20%以下、もっとも好ましくは15%以下である。このブロック(b)中のポリブタジエンの1,2−結合含量が25%を越えた場合、水素添加後のブロック(B)と(ロ)成分との相溶性が低下するため、(ロ)成分と(ハ)成分との相溶性が低下する。結果として(イ)成分と(ロ)成分との相溶性が不十分となり、得られる組成物の耐衝撃性が劣るものとなる。
【0017】
また、本発明の(ハ)成分は、上記ブロック(A)およびブロック(B)以外の重合体ブロック(C)を含むことも可能である。(ハ)成分に含まれてもよい重合体ブロックとしては、芳香族ビニル化合物の単独重合体ブロックなどが挙げられる。
【0018】
なお、(ハ)成分を得るための水添前重合体としては、重合体分子鎖がカップリング剤残基により延長または分岐されたブロック共重合体であってもよい。この際のカップリング剤としては、例えばアジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、テトラクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テトラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、ジメチルジクロロシラン、テトラクロロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシアネートなどが挙げられる。
【0019】
また、本発明で(ハ)成分として用いる水添ブロック重合体は、官能基で変性してもよく、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基およびエポキシ基から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物を用いて、ニーダー、ミキサー、押出機などで変性することができる。なお、2種またはそれ以上の水添ジエン系重合体のブレンド物も、本発明の(ハ)成分として好適に用いられる。
【0020】
本発明の(ハ)成分において、ブロック(A)の含量は好ましくは10〜99重量%、より好ましくは30〜95重量%、さらに好ましくは50〜90重量%、ブロック(B)の含量は好ましくは1〜90重量%、より好ましくは5〜70重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。
ブロック(A)の含量が10重量%未満〔ブロック(B)の含量が90重量%を超える〕の場合、(イ)成分と(ハ)成分との相溶性が低下し、一方、ブロック(B)の含量が1重量%未満〔ブロック(A)の含量が99重量%を超える〕の場合、(ロ)成分と(ハ)成分との相溶性が低下する。いずれの場合も、結果として(イ)成分と(ロ)成分との相溶性が不十分となるため、得られる組成物の耐衝撃性や機械的性質が劣るものとなる。
また、(ハ)成分中にブロック(C)を含む場合、その含量は、ブロック(A)とブロック(B)の合計100重量部に対し、好ましくは300重量部以下、さらに好ましくは200重量部以下、特に好ましくは100重量部以下〔ただし、ブロック(A)とブロック(B)の重量比率は上記に同じ〕である。
ブロック(C)の含量がブロック(A)とブロック(B)の合計量100重量部に対して300重量部を超えると、(イ)成分および/または(ロ)成分と(ハ)成分との相溶性が低下し、結果として(イ)成分と(ロ)成分との相溶性が不十分となるため、得られる組成物の物性が劣るものとなる。
【0021】
本発明で使用される(ハ)水添ブロック共重合体は、水添前重合体中のオレフィン性不飽和結合の少なくとも80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上が水素添加されて飽和されていることが必要である。これが80%未満の場合、「(ハ)成分と(イ)成分」および「(ハ)成分と(ロ)成分」の相溶性が低下するため、結果として(イ)成分と(ロ)成分との相溶化が不十分となり、得られる耐衝撃性および剛性が低下する。
【0022】
本発明の(ハ)水添ブロック共重合体の重量平均分子量は1万〜70万、好ましくは5万〜60万である。1万未満では、「(ハ)成分と(イ)成分」および「(ハ)成分と(ロ)成分」の相溶性が低下するため、結果として(イ)成分と(ロ)成分との相溶化が不十分となり、得られる耐衝撃性および剛性が低下する。一方、(ハ)成分の重量平均分子量が70万を越えると、得られる組成物の成形外観が劣るものとなる。
【0023】
本発明の組成物は、(イ)ポリプロピレン、(ロ)オレフィン系エラストマー、(ハ)水添ブロック共重合体からなり、剛性、耐衝撃性、流動性のバランスに優れた組成物である。本発明の組成物における(イ)ポリプロピレン、(ロ)オレフィン系エラストマー、(ハ)水添ブロック共重合体の配合割合は、(イ)成分70〜90重量%、(ロ)成分30〜10重量%、の合計100重量部に対して、(ハ)成分0.1〜5重量部である。
【0024】
(イ)成分が50重量%未満である場合、剛性の低下が見られ、95重量%を超えると、組成物とした場合の耐衝撃性が不十分であり好ましくない。また、(ロ)成分が5重量%未満の場合、組成物とした場合の耐衝撃性の改良効果が不十分であり、50重量%を超えると剛性が低下し、流動性も不十分となり、本発明の目的を達し得ないため好ましくない。さらに、(ハ)成分が(イ)+(ロ)成分の合計100重量%に対して0.1重量部未満である場合、組成物とした場合の耐衝撃性の改良効果が不十分であり、50重量部を超えると、剛性が低下し、本発明の目的を達し得ないため好ましくない。
【0025】
本発明の組成物には、必要に応じて、(ニ)成分として無機充填材を添加することが可能である。この(ニ)成分の添加により、特に剛性に優れ、高剛性かつ高流動性で、しかも耐衝撃性、成形外観の良好な組成物を得ることが可能となる。
本発明の組成物において、(ニ)成分を構成する無機充填材は、組成物の剛性を高めるものであり、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、マイカ、チタン酸カリウムウイスカー、モンモリロナイト、酸化亜鉛ウイスカー等が挙げられ、単独で、または2種以上を混合して用いられる。
本発明の組成物における(ニ)成分の配合量は、50重量部以下であり、好ましくは40重量部以下である。(ニ)成分の配合量が50重量部を超えた場合、特に低温での耐衝撃性の低下が大きく、さらに流動性、剛性、耐衝撃性、成形外観のバランスが劣るため好ましくない。
【0026】
本発明の組成物の製造としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどで各成分を混練りすることによって、本発明の組成物を得ることができる。
本発明の(ハ)成分である水添ブロック共重合体や(イ)〜(ニ)成分を用いた組成物には、必要に応じて各種添加剤、例えば老化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤などの安定剤、カーボン、アラミド繊維、木粉、コルク粉末、セルロースパウダー、ゴム粉などの充填剤などを配合して用いることができる。
また、本発明の組成物には、上記添加剤とともに、可塑剤、オイル、低分子量ポリマーなどの軟化剤を配合して使用することもできる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明は、かかる実施例により限定されるものではない。
なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り重量基準である。また、実施例中の各種測定は、下記の方法に拠った。
1,2−結合含量、ビニル結合含量
1,2−結合等の含量は、赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。
水添率
共役ジエンの水添率は、四塩化エチレンを溶媒に、100MHz、1H−NMRスペクトルから算出した。
重量平均分子量
重量平均分子量(以下、「分子量」ともいう)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で求めた。
【0028】
流動性
JIS K7210に準拠して、230℃、荷重2.16kgでのメルトフローレート(MFR)を測定し、成形加工性の指標とした。
剛性
JIS K7203に従って曲げ弾性率を測定し、剛性の指標とした。
耐衝撃性
JIS K7110に従ってアイゾット衝撃強度を測定し、耐衝撃性の指標とした。
【0029】
参考例
実施例および比較例に示す配合に用いられる各種の成分は、以下の通りである。
ポリプロピレン
三菱化学(株)製BC06C(曲げ弾性率:16000kgf/cm2、メルトフローレート(MFR、g/10分):60)
オレフィン系エラストマー
EP−1:エチレン・プロピレン共重合体
〔日本合成ゴム(株)製EP01NS〕
EP−2:エチレン・プロピレン共重合体
〔日本合成ゴム(株)製EP912〕
EB−1:エチレン・1−ブテン共重合体
〔日本合成ゴム(株)製EBM2041P〕
水添ブロック共重合体
表1に示す構造および物性を有する水添ブロック共重合体。(S−1〜S−4)
【0030】
【表1】
*1)スチレン
*2)1,3−ブタジエン
*3)イソプレン
*4)カップリング剤残基
【0032】
【表2】
【0033】
実施例1〜2、比較例1
水添ブロック共重合体(S−1)とポリプロピレン、およびオレフィン系エラストマーを、同方向2軸押出機を用いて、表2に示す重量比率で混合・ペレット化し、射出成形により物性評価用の試験片を作製した。物性評価の結果を表2に示す。これらの実施例は、いずれも本発明の範囲内の水添ブロック共重合体を用いた組成物であり、低温での耐衝撃性に優れ、かつ流動性、剛性、耐衝撃性のバランスが良好なものである。これに対し比較例1は、水添ブロック共重合体を用いなかった例であるが、流動性は高いものの、低温での耐衝撃性が劣り、全体として物性のバランスに欠けるものとなる。
【0034】
【表3】
【0035】
実施例3〜6、比較例2
実施例1と同様に、水添ブロック共重合体とポリプロピレン、オレフィン系エラストマー、およびタルクを表3に示す重量比率の組成物を作製し、各物性を評価した。結果を表3に示す。実施例3〜6は、いずれも本発明の範囲内の水添ブロック共重合体を用いた組成物であり、特に耐衝撃性に優れ、かつこれら耐衝撃性と、流動性および剛性とのバランスに優れたものである。これらに対し比較例2は、水添ブロック共重合体を用いなかった例であり、特に耐衝撃性が劣り、全体として耐衝撃性と剛性、流動性とのバランスに欠けるものとなる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリプロピレン、オレフィン系エラストマー、および特定構造の水添ブロック共重合体をブレンドすることにより、流動性、剛性、耐衝撃性、のバランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成物を得ることができる。 本発明の組成物は、射出成形、押出成形、真空成形などによって各種成型品として用いられ、その優れた特性を生かして、バンパー、インストルメントパネル、ピラー、トリム、天井材、外板などの自動車内外装材、電気・電子の各種部品、ハウジング、工業部品、文具、医療用部材、フィルム・シート製品など幅広く用いることができる。
Claims (5)
- (イ)曲げ弾性率が8000kgf/cm2(785MPa)以上かつ温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが10g/10分以上であるポリプロピレン 70〜90重量%、および
(ロ)オレフィン系エラストマー 30〜10重量%(ただし、(イ)+(ロ)=100重量%)の合計100重量部に対して、
(ハ)芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダム共重合体を主体とする重合体ブロック(a)、および1,2−結合で結合したブタジエン単位の含量が25%以下であるポリブタジエン重合体ブロック(b)を有するブロック共重合体または該ブロック共重合体がカップリング剤残基を介して延長または分岐されたブロック共重合体中の、オレフィン性不飽和結合の80%以上を水素化してなる、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1万〜70万である水添ブロック共重合体 0.1〜5重量部、および
(ニ)無機充填材 0〜50重量部を含有してなるポリプロピレン系樹脂組成物であって、
上記(イ)〜(ハ)成分のみを重合体成分として含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。 - 上記(ハ)成分において、重合体ブロック(a)を構成するモノマー中の芳香族ビニル化合物の使用量が、0.1〜50重量%であり、重合体ブロック(a)を構成する全共役ジエン中の1,2−および3,4−結合で結合した共役ジエン単位の含量が、25重量%以上であり、重合体ブロック(b)中の1,2−結合で結合したブタジエン単位の含量が20%以下である請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 上記(ハ)成分は、上記ブロック(a)を水素添加したブロック(A) 10〜99重量%、および上記ブロック(b)を水素添加したブロック(B) 90〜1重量%(ただし、(A)+(B)=100重量%)を含む請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 上記(ハ)成分は、上記ブロック(A)および上記ブロック(B)の合計100重量部に対して、これらブロック(A)、(B)以外の重合体ブロック(C) 0〜300重量部を含む請求項3に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 上記(ハ)成分は、上記ブロック(A)〜(C)のブロック構成が、B−A−B、(B−A) 2 −X、および、(B−A−C) 2 −X(ただし、Xはカップリング剤残基を表す。)からなる群より選ばれるものである請求項4に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
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| JP4564112B2 (ja) * | 1998-10-23 | 2010-10-20 | 中央化学株式会社 | 熱成形用シート、食品包装用タルク容器及びその容器の製造方法 |
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1996
- 1996-07-10 JP JP19969296A patent/JP3780573B2/ja not_active Expired - Lifetime
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