JP3797221B2 - 石油燃焼器の消火機構 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は石油燃焼器の消火性能向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の芯上下式の石油燃焼器として、芯内筒と芯外筒とで構成する芯収容筒の間隙内に芯を上下動可能に取り付け、芯外筒の壁面に消火時の芯降下位置よりも高い位置に外気と連通する開口を全周均一に複数箇所配置したものがあり、消火時に芯が降下し開口より空気を芯上方へ向けて流入させ、芯降下直後に芯から気化する灯油蒸気を不燃状態まで薄めて急速消火する構造が知られている。(実公昭49−47225)
また、消火の確実性を増す為に、芯収容筒の外方に空気室を隣接し、芯収容筒の間隙と空気室とを通気口によって連通し、石油燃焼器の使用中に空気室内に石油ガスを拡散させて空気との混合ガスを作り、消火時に芯を降下させると空気室内の混合ガスが芯の先端の炎によって引火して爆発的に燃焼し、発生した燃焼ガスが通気口から芯収容筒の間隙へ入る時の風圧で芯の先端の炎を吹き消して急速消火する構造がある。
【0003】
上記の構造は地震等の非常時に急速消火させたいときは有効であるが,急速に消火した為に多量の未燃ガスが周囲に放出され、強い悪臭を発生するものであった。この為、通常消火時には通気口が開口しない位置まで芯を下げて急速消火できないようにすることで未燃ガスを燃焼させながら芯収容筒の温度を下げていき、消火時間を長くする方法によって悪臭のない消火をねらったものがある。
【0004】
しかし、通常消火時に通気口を塞いだままにすると、芯収容筒の上部から芯の上方に空気が流入するが、このとき芯収容筒の間隙は円筒状であるから、間隙の一部では空気が降下するように流入し、他の部分では石油ガスを上昇排出しており、芯の上方に残った炎がくるくる廻るように燃焼しながら消火するので、芯収容筒の温度が低下しにくく、消火時間が長くなることがあった。
【0005】
また、芯の上方に残る炎は供給される空気量が多くなる部分に残りやすいが、円筒状の芯収容筒の間隙のどこの部分に空気が多く流入するかは特定できず、消火の度に炎の残る位置が変わってしまう為に消火時間にばらつきが生じやすく、炎の残る位置によっては消火時間が異常に長くなったり、逆にすぐに消火してしまって悪臭を発生させることもあった。
【0006】
この対策として、通常消火の芯降下位置よりも高い位置の芯外筒壁面に空気流通孔とは別に開口を設け、該開口は全周均等に形成せず、疎・密に形成したものがあり、通常消火時に芯4の上方に流入する空気量を、開口が疎の部分で少なく、密の部分で多くしている。
【0007】
この為、空気量の多い密の部分に炎が残り、空気量の少ない疎の部分には炎が残らなくなり、密の部分で石油ガスを燃焼させながら、疎の部分で芯収容筒の温度を低下させることができるから、消火時間を安定させることができた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで最近では燃焼量を絞っても不完全燃焼を起こしにくい燃焼部の開発が進み、芯の高さを調節することによって好みの燃焼量に変えることができるようになってきた。
【0009】
しかし、芯を下げて小燃焼で使用すると、芯収容筒と芯の燃焼するポイントとの距離が近くなって芯収容筒の温度が高温になる為、消火時に灯油の気化が促進され、芯から気化する石油ガス量が多くなり、炎が芯の全周に残ったままになって芯収容筒の温度を低下させることができなくなり、消火時間が異常に長くなったり、時には消火不能となるトラブルを引き起こす恐れがあった。
【0010】
また、石油燃焼器の消火性能は発熱量や燃焼部の違いによって異なるため、開口の径や配置は実験によって決定されるものであるが、開口を疎・密に形成する方法では構造が複雑になりやすく、開発期間が長くなってしまっていた。更に、製造時において加工が面倒で生産性が悪くなるという課題も残るものであった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の課題を解決するもので、芯内筒1と芯外筒2とで構成する芯収容筒3の間隙内に芯4を上下動可能に取付け、該芯4を上下動する芯上下装置6を設けると共に、前記芯外筒2壁面には、燃焼位置の芯4の上端位置より低く、通常消火位置の芯4の上端位置よりも高い位置に芯収容筒3の間隙と外気とを連通する開口9を設け、通常消火位置に降下した芯4によって前記開口9から芯4の上方に空気が流入する石油燃焼器において、前記開口9は芯外筒2の全周に複数箇所配置し、該複数の開口9はその開口となる位置に形成される一部の無孔部と一緒に等間隔に配置されており、前記開口9は複数個の小孔9aの集まりで構成すると共に、前記無孔部10と隣接しない開口9を構成する小孔9aの数を少なく、前記無孔部10の両側もしくは片側に隣接する開口9を構成する小孔9aの数を多くしたことを特徴とするものである。
【0012】
このため、無孔部10の両側もしくは片側に隣接する開口9を構成する小孔9aの数を多くした部分では、他の開口9部分より空気量が多くなるから、通常消火時に芯4の上方に残る炎の位置を特定させることができ、消火時間を安定させることができる。
【0013】
【作用】
通常消火の為に芯4を降下すると、芯収容筒3の間隙内に燃焼炎が引き込まれて芯4から気化する石油ガス量が少なくなると共に、芯4の上方に供給される空気量も少なくなり、芯4の上方に残る炎が少しずつ小さくなっていき、種火のような小さな炎となって芯4の一部に残る。
【0014】
この発明では、一部の開口9を埋めて無孔部10を設けたから、通常消火時に芯4を降下すると開口9のある部分では空気の流入はあるが、無孔部10では空気の流入はほとんどなく、無孔部10は他の部分よりも温度が高く、石油ガスも濃くなり、この石油ガスは無孔部10の両側の空気と混合するので、炎が無孔部10の両側の開口9付近に残りやすくなった。
【0015】
そして、芯4の上方に残った炎は芯4から気化する石油ガスをつたって芯収容筒3の間隙を移動しながら燃焼するが、このとき空気流入のない無孔部10では空気不足となるから炎が廻ることはない。
【0016】
この為、炎の廻らない無孔部10では芯収容筒3の温度を短時間で低下させることができ、温度の低下した無孔部10によって炎が移動する部分の熱が奪われて芯収容筒3全体の温度が低下するから、芯4から気化する石油ガス量も少なくなって消火するものである。
【0017】
また、開口9を複数個の小孔9aで構成し、無孔部10の両側もしくは片側の小孔9aの数を他の部分より多くすることで、他の開口9部分より空気量が多くなるから、通常消火時に芯4の上方に残る炎の位置を常に無孔部10の両側に特定させることができるものである。
【0018】
【実施例】
実施例を示す図によってこの構成を説明すると、1は芯内筒、2は芯外筒、3は芯内筒1と芯外筒2とで構成される芯収容筒、4は芯収容筒3の間隙内に上下動可能に装着した芯、11は芯収容筒3の下方に位置する油タンクであり、芯4の下端は油タンクの燃料に浸漬され、油タンク11の燃料は芯4の下端で吸い上げられて芯4の上方に供給される。
【0019】
6は芯4を上下動する為の芯上下装置、12は芯収容筒3の上部に載架した燃焼筒であり、芯上下装置6によって芯4を上動して芯4の上端を芯収容筒3の上方へ突出させ、点火ヒータなどの点火装置によって点火すると、芯4の下方で吸い上げられた燃料が芯4の上端で燃焼を開始し、発生する燃焼炎と燃焼ガスは燃焼筒12とその上方で燃焼を終了する。
【0020】
5は芯外筒2の外方に隣接して芯上下装置6が収納される空気室、7は空気室5と外気とを連通する空気流通孔、8は芯収容筒3の間隙と空気室5とを連通する通気口であり、芯4から気化する石油ガスの一部は通気口8を通って空気室5内に拡散し、また空気流通孔7から空気室5内に空気が流入して空気室5内に混合ガスを形成している。
【0021】
そして、消火操作時に芯4の先端を通気口8よりも低い位置まで降下することにより通気口8が開路となるので、芯4の先端の炎によって空気室5内の混合ガスに引火して空気室5内で爆発的に燃焼し、発生した燃焼ガスが通気口8から芯収容筒3の間隙へ入る時の風圧によって芯4の先端の炎を吹き消して急速消火する。
【0022】
ところで、最近の石油燃焼器は地震等の緊急時に自動消火装置を作動して急速に消火させる必要があり、上記の消火構造はこの緊急時の消火方法としては有効であるが、急速に消火した為に多量の未燃ガスが周囲に放出され悪臭を放つ欠点があり、使用者に不快感を与えてしまうので、緊急を要しない通常消火時には消火時間を長くして悪臭を発生させない消火方法が好まれる。
【0023】
この為、通常消火時には爆発的に燃焼しないように芯4の降下位置を通気口8よりも高い位置に設定し、芯収容筒3の間隙内に炎が引き込まれて芯4から気化する石油ガス量が少なくなり、芯4の上方に供給される空気も少なくなって炎が少しずつ小さくなり、石油ガスを燃焼しながら芯収容筒3の温度を下げてゆっくりと消火させることによって悪臭のない消火を行っている。
【0024】
このとき、芯4の一部に種火のような小さな炎が残るが、芯収容筒3の上部から芯4の上方に空気が流入し、円筒状の芯収容筒3の間隙の一部では空気が降下するように流入し、他の部分では石油ガスを上昇排出する為に、芯4の上方に残った炎がくるくる廻るように燃焼しながら消火するので、芯収容筒3の温度が低下しにくい欠点がある。
【0025】
また、芯収容筒3の上部から流入する空気の位置が毎回変わる為に炎の残る位置が特定できず、炎の残る位置によっては芯4から気化する石油ガスと流入する空気量とが変わってしまうので、消火時間にばらつきが生じやすかった。
【0026】
この対策として、9は通常消火の芯降下位置よりも高い位置の芯外筒2壁面に設けた開口であり、該開口9を芯外筒2の全周に不均一なピッチで配置したり、大きさを変えたりして芯外筒2の全周に疎・密になるように形成し、通常消火の為に芯下げしたときに芯4の上方に流入する空気量を、開口9が疎の部分では少なく、密の部分では多くなるようにしたものがある。
【0027】
この為、空気量の多い密の部分に炎が残り、空気量の少ない疎の部分には炎が残らなくなり、炎の残る位置を特定でき、密の部分で石油ガスを燃焼させながら、疎の部分で芯収容筒3の温度を低下させることができるから、消火時間を安定させることができる。
【0028】
しかし、石油燃焼器の使用中に芯4を下げて小燃焼で使用したときは芯収容筒3が高温になっており、通常消火時に芯4から気化する石油ガス量が多くなって芯収容筒3の全周に炎が残ってしまい、芯収容筒3の温度を短時間で低下させることができず、消火時間が異常に長くなったり、時には消火不能となるトラブルを引き起こす恐れがあった。
【0029】
この発明は、上記の課題を解決して小燃焼時にも消火時間を安定させることができる消火構造を実現するもので、10は芯外筒2壁面に配置した開口9の一部を連続して埋めた無孔部であり、無孔部10では他の部分に比べて開口9の間隔が広くなっている。
【0030】
通常消火時に芯4を降下すると、芯収容筒3の間隙内に炎が引き込まれるので、芯4の上方の炎が小さくなって燃焼する。このとき、開口9から空気が流入して芯収容筒3の温度を低下させ、芯4の上方の石油ガス濃度を薄めるが、無孔部10には空気が届かないため他の部分に比べて温度が高く、石油ガス濃度が濃くなる。
【0031】
この為、芯4の上方の炎が小さくなったときには、無孔部10の石油ガスと開口9から流入する空気とが混合する無孔部10の両側の開口9付近に残りやすくなり、炎の残る位置を安定させることができるものとなった。
【0032】
そして、芯4の上方に残った炎は芯収容筒3の間隙内を移動しながら芯4から気化する石油ガスを燃焼させるが、無孔部10は空気不足となる為に炎が無孔部10の端で消えてしまい、開口9が一定の間隔で配置された部分のみで炎が移動するようになり、炎の廻らない無孔部10では短時間で温度を低下させることができる。
【0033】
更に、無孔部10の温度が低下することによって炎が移動している部分の熱が奪われ、芯収容筒3全体の温度が少しずつ低下するから、芯4から気化する石油ガス量が少なくなって消火するものとなり、消火時間を安定させることができた。
【0034】
この構造であれば、小燃焼で使用して芯収容筒3の温度が高温となるときでも無孔部10に炎が廻ることはなく、芯収容筒3の温度を確実に低下させることができるから、消火時間が異常に長くなったり消火不能となるトラブルを発生させる恐れはなくなった。
【0035】
また、石油燃焼器は発熱量や燃焼部の違いによって消火性能が異なるので、開口9の径や配置を実験によって決定しているが、炎の残る位置を特定できたことによって最適位置を見つけやすくなった。
【0036】
また、芯外筒2に開口9を設けるときの実施例として、開口9を芯外筒2に等間隔で形成していき、開口9が芯外筒2の全周に至る前に加工を停止する方法によって無孔部10を形成できるから、加工が簡単になって生産性を向上することができた。
【0037】
一方、消火直後に芯収容筒3の温度を速やかに低下させる為には開口9から流入する空気量はできるだけ多いほうがよいが、開口9の径が大きいと開口9を通過する空気の流速が速くなって芯4の上端の炎が吹き消されてしまう恐れがある。
【0038】
図2に示す実施例において、9aは開口9を構成する複数個の小孔であり、該小孔9aは一定の間隔で複数個ずつ並べて配置されており、小孔9aの合計の断面積が開口9の断面積と匹敵しており、更に無孔部10の両側では小孔9aの数を他の部分よりも多くしてある。
【0039】
この為、小孔9aを通過する空気は流速が遅くなるから、炎が吹き消される恐れはなく、小孔9aの合計の断面積は開口9の断面積に匹敵するので、一定の空気量の流入は可能であり、無孔部10の両側は小孔9aの数を多くしてあるので、他の部分よりも流入する空気量が多くなる。
【0040】
そして、無孔部10の石油ガス濃度が濃く、その両側の小孔9a部分の空気量が多くなれば、芯4の上方に残る炎は常に無孔部10の両側にある小孔9a付近に残るようになり、炎の残る位置がより特定しやすくなり、消火の確実性を増すことができた。
【0041】
【発明の効果】
以上のようにこの発明では芯外筒2壁面の通常消火の芯降下位置よりも高い位置に開口9を設け、開口9は芯外筒2の全周に対して均等に配置せず、一部の開口9を埋めて無孔部10を設けたから、通常消火時に無孔部10の石油ガス濃度が濃くなって無孔部10の両側の開口9付近に炎が残りやすくなり、消火時に炎の残る位置を特定することができた。
【0042】
また、芯4の上方に残った小さな炎が回転するときには、空気流入のない無孔部10には炎が廻らないから、無孔部10の温度が短時間で低下することができ、無孔部10の温度低下によって周囲の熱が奪われ、芯収容筒3全体の温度も低下しやすくなり、消火時間を短くすることができた。
【0043】
このように、消火直後には芯4の上方に残る炎の位置を特定させ、消火の過程においては芯収容筒3の温度を確実に低下させる構造となるから、消火時間のばらつきを抑えて安定した消火性能を得ることができるものとなった。
【0044】
更に、この構造であれば、小燃焼で使用中に消火操作を行なったときでも芯収容筒3の温度を確実に低下させることができるから、消火時間が異常に長くなったり、消火不能となる恐れがなくなった。
【0045】
また、石油燃焼器の発熱量や燃焼部の違いによって開口9の径や配置を変更するときでも、炎の残る位置を特定できたことによって最適位置を見つけやすくなり、開発期間の短縮を図ることができる。
【0046】
また、無孔部10は開口9を芯外筒2に所定間隔で形成していって、一部分だけ間隔を広くする方法によって構成できるから、加工が簡単になり、生産性が向上して製造コストの低減ができた。
【0047】
更に、開口9を複数個の小孔9aの集まりで形成し、無孔部10の両側に配置する小孔9aの数を他の部分よりも多くすれば、無孔部10の両側の空気量を他の部分よりも多くできるから、消火時に炎の残る位置がより特定しやすくなり、消火時の安定性を増すことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す石油燃焼器の断面図である。
【図2】この発明の他の実施例を示す石油燃焼器の要部断面図である。
【符号の説明】
1 芯内筒
2 芯外筒
3 芯収容筒
4 芯
5 空気室
6 芯上下装置
7 空気流通孔
8 通気口
9 開口
9a 小孔
10 無孔部
Claims (1)
- 芯内筒1と芯外筒2とで構成する芯収容筒3の間隙内に芯4を上下動可能に取付け、
該芯4を上下動する芯上下装置6を設けると共に、
前記芯外筒2壁面には、燃焼位置の芯4の上端位置より低く、通常消火位置の芯4の上端位置よりも高い位置に芯収容筒3の間隙と外気とを連通する開口9を設け、通常消火位置に降下した芯4によって前記開口9から芯4の上方に空気が流入する石油燃焼器において、
前記開口9は芯外筒2の全周に複数箇所配置し、該複数の開口9はその開口となる位置に形成される一部の無孔部と一緒に等間隔に配置されており、
前記開口9は複数個の小孔9aの集まりで構成すると共に、前記無孔部10と隣接しない開口9を構成する小孔9aの数を少なく、前記無孔部10の両側もしくは片側に隣接する開口9を構成する小孔9aの数を多くしたことを特徴とする石油燃焼器の消火機構。
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| JP2001400969A Expired - Lifetime JP3797221B2 (ja) | 2001-12-28 | 2001-12-28 | 石油燃焼器の消火機構 |
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2001
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