JP3805000B2 - 再生アスファルト用添加剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、再生アスファルト用添加剤に関し、特にはアスファルト舗装廃材再生用添加剤に関する。さらに詳しくは、従来のものに比べ、アスファルト舗装廃材の繰り返し再生能力に優れ、アスファルト舗装廃材の廃棄用地不足や環境破壊などの問題を改善しうると共に、省資源化が図れるアスファルト舗装廃材再生用添加剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アスファルト舗装材は、産業廃棄物として処分されてきたが、近年、廃棄用地不足や環境破壊などの問題、及び省資源などの観点から、その再生利用が試みられてきた。さらに最近では、アスファルト舗装廃材を再生してアスファルト舗装に使用した後、あるいは工事などでアスファルト舗装廃材になったものについても再々生して使用できること、すなわち、アスファルト舗装廃材の繰り返し再生が要求されつつある。
このアスファルト舗装廃材中のアスファルト分はかなり劣化が進行しており、これを再生して再利用するには、通常、まずアスファルト舗装廃材を機械粉砕又は熱解砕により破砕し、次いでこれに再生用添加剤を混合して加熱軟化処理するか、あるいは、該破砕物を加熱軟化処理したのち、これに再生用添加剤を混合することにより、加熱再生アスファルト混合物を調製し、施工するといった方法が用いられている。この際用いられる再生用添加剤は、アスファルト舗装廃材中のアスファルトの針入度,伸度及びその他の性状を回復するために添加されるものである。
【0003】
ところで、アスファルトはコロイド系であって、その分散相がアスファルテン、連続相がマルテンであるといわれており、そして、マルテンはさらに飽和分,芳香族分,レジン分よりなっているといわれている。アスファルトの劣化とは、酸化などの化学変化によりアスファルトの組成が変化し(飽和分→芳香族分→レジン分→アスファルテンと分子量が大きくなる方向に変化)、コロイド系の状態が変化することである。
従来、再生用添加剤の開発は、コンステンシー(硬さ)を元のレベルに戻すだけでなく、組成的に不足分を補ってオリジナルに近い組成に戻す考え方で進められてきた。特に芳香族分の補給が効果があると考えられ、芳香族化合物を高濃度に含有する添加剤、例えば高芳香族系鉱油や動植物油系添加剤などが再生用添加剤として市場に提供されてきた。
しかしながら、これらの添加剤を使用した場合のアスファルト舗装廃材の繰り返し再生性については、これまで、あまり報告されていないのが実状である。例えば、針入度21〜25程度の劣化アスファルトを用いて再生(再生用添加剤の添加)と加熱劣化を繰り返した試験において、4サイクル以上にわたり、針入度と共に、伸度及び軟化点を充分に元のレベルに戻すことのできる添加剤は、鉱油100%のものについては皆無である。なお、再生アスファルトは一般にひび割れが生じる懸念があるため、このひび割れ発生の指標となる伸度の回復が重要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、従来のものに比べ、使用済みアスファルト、特にアスファルト舗装廃材の繰り返し再生能力に優れ、アスファルト舗装廃材の廃棄用地不足や環境破壊などの問題を改善しうると共に、省資源化が可能なアスファルト舗装廃材等の再生用添加剤を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、動粘度及びアニリン点が特定の範囲にあるエキストラクト油が、アスファルト舗装廃材の繰り返し再生能力に優れていること、そしてこのものをアスファルト舗装廃材に特定の割合で配合することにより、舗装材として充分に使用可能な再生アスファルト舗装材が得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、石油精製の溶剤抽出工程から得られるエキストラクト油であって、温度40℃における動粘度が600〜2000mm2 /secであり、かつアニリン点が35℃以下であることを特徴とする再生アスファルト用添加剤、特にアスファルト舗装廃材再生用添加剤を提供するものである。
【0006】
本発明の添加剤は、各種用途に供されたアスファルトの再生に適用されるが、特にアスファルト舗装廃材に好適に適用される。ここでアスファルト舗装廃材については各種のものが挙げられるが、各種工事の際に発生するアスファルト舗装廃材、例えば地下鉄工事,地下配管工事,道路舗装工事などの際に発生するアスファルト舗装廃材を挙げることができる。このアスファルト舗装廃材としては、そのアスファルトが針入度20以上、とりわけ25以上のものが、再生しやすいので好適である。なお、針入度はJIS K−2207に準じ、25℃にて求めた値である(単位:1/10mm)。
【0007】
本発明の添加剤は、石油精製の溶剤抽出工程から得られるエキストラクト油からなり、かつ温度40℃における動粘度が600〜2000mm2 /secの範囲にあって、アニリン点が35℃以下であることが必要である。この動粘度が600mm2 /sec未満では繰り返し再生性が不充分であり、2000mm2 /secを超えると再生プラントにおけるハンドリングが煩雑になる。繰り返し再生性及びハンドリングなどの面から、温度40℃における好ましい動粘度は900〜1600mm2 /secの範囲である。また、アニリン点が35℃を超えると繰り返し再生性が不充分となる。繰り返し再生性を良好なものにするには、アニリン点は特に10℃以下が好ましい。なお、動粘度及びアニリン点は、それぞれJIS K−2283及びJIS K−2256に準拠して求めた値である。さらに上記エキストラクト油は、粘度指数が−60以下、特に−100以下のものが繰り返し再生性の面で好ましい。
【0008】
このような性状を有するエキストラクト油としては、ナフテン系油精製時に溶剤抽出されるエキストラクト油がある。このナフテン系油精製時に溶剤抽出されるエキストラクト油は、パラフィン系油などの精製時に溶剤抽出されるエキストラクト油に比べて、同様な組成(飽和分、芳香族分、レジン分)を有していてもアニリン点が低く、化学構造がかなり異なるものと推定される。アニリン点が低いエキストラクト油は繰り返し再生性が良好であり、したがって、ナフテン系油精製時に溶剤抽出されるエキストラクト油であることが必須である。
このような性状を有する本発明のアスファルト舗装廃材再生用添加剤は、従来のものに比べ、アスファルト舗装廃材の繰り返し再生能力に優れている。
【0009】
次に、本発明の添加剤を用いてアスファルト舗装廃材を再生するにあたって、その添加剤の配合量については、該廃材中のアスファルトの針入度及び伸度などを所望の値にまで回復させるのに必要な量であり、廃材中のアスファルト分の重量に対して、1〜30重量%の範囲で選定すべきである。この配合量が1重量%未満では、再生アスファルト舗装材中のアスファルトの針入度及び伸度などが所望の値にまで回復せず、再生効果が不充分であって、舗装した場合に舗装面にひび割れが発生するなどの問題が生じるおそれがある。また、30重量%を超えると再生効果が過剰となり、特に針入度が所望の値を超え、耐流動性能が低下する傾向がみられる。適切な再生効果及び耐流動性能などの面から、特に好ましい配合量は3〜17重量%の範囲である。
【0010】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1,2、参考例1及び比較例1〜3
新ストレートアスファルト60〜80を、200℃の乾燥機で強制劣化させ、針入度25の劣化アスファルトを作製した。針入度はJIS K−2207に準じ、25℃にて求めた値である(単位1/10mm)。
次に、この劣化アスファルトを用い、再生(第1表に示す性状の添加剤を配合)と加熱劣化(薄膜加熱試験,JIS K−2207)を繰り返し、伸度合格再生回数〔伸度(15℃)100cm以上の再生回数〕,軟化点合格再生回数(軟化点44.0〜52.0℃の再生回数)及び再生時配合量(伸度合格時)を求めた。強制劣化後のアスファルトの再生は、添加剤を目標針入度70±2になるように添加して行った。なお伸度(15℃,単位cm)及び軟化点の基準はJIS K−2207のストレートアスファルト60〜80に基づく。
【0011】
また、劣化アスファルトの針入度回復に必要な添加剤の配合量を、1回目の再生時における目標針入度70±2及び90±2の場合について求めた。
これらの結果を第2表に示す。
なお、上記試験方法は、「第19回日本道路会議論文集」第390ページ(平成3年)、及び「第20回日本道路会議論文集」第444ページ(平成5年)記載の方法に準拠して行った。
また、劣化アスファルトとして針入度25のものを使用したのは、次に示す理由による。
すなわち、再生アスファルト舗装材に用いるアスファルト舗装廃材中の劣化アスファルトの25℃における針入度が20以上と規定されており〔(社)日本道路協会,「プラント再生舗装技術指針」(平成4年12月)〕、針入度25の劣化アスファルトは最悪条件をシュミレートして採用したものである。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
(注)
動粘度: JIS K−2283
粘度指数: JIS K−2283
アニリン点: JIS K−2256
密度: JIS K−2249
引火点: JIS K−2265
(クリープランド式)
流動点: JIS K−2269
カラムクロマト分析: JPI−5S−22−83
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】
第2表から分かるように、再生アスファルトで伸度の要求の厳しいアスファルト60〜80においても再生回数を大幅に向上させることができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明のアスファルト舗装廃材再生用添加剤は、従来のものに比べ、アスファルト舗装廃材の繰り返し再生能力に優れている。したがって、この再生用添加剤を用いることにより、アスファルト舗装廃材の廃棄用地不足や環境破壊などの問題を改善しうると共に、省資源化を図ることができる。
また、本発明のアスファルト舗装廃材再生用添加剤を用いた再生アスファルト舗装材は、舗装面にひび割れが発生するなどの問題もなく、各種舗装工事に好適に用いられる。
Claims (3)
- ナフテン系油の溶剤抽出工程から得られるエキストラクト油であって、温度40℃における動粘度が600〜2000mm2/secであり、かつアニリン点が35℃以下であることを特徴とする再生アスファルト用添加剤。
- 粘度指数が−60以下であることを特徴とする請求項1記載の再生アスファルト用添加剤。
- アスファルト廃材に対し、その中のアスファルト分の重量に基づき、請求項1又は2に記載の添加剤を1〜30重量%の割合で配合してなる再生アスファルト。
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