JP3810632B2 - 椅子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、学校や劇場等で利用されるライジング動作可能な椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種の椅子として、複数の支持体を所要の間隔をあけて設け、それら支持体間に、着座者が席を立った場合に、座本体を自動的に起立位置までライジング動作可能に架設しているものがある。この椅子は、具体的には、座に貫通させた支軸の両端を支持体にそれぞれ固定し、その支軸に対して座を自動的に回転させるように付勢するスプリングを利用して、前記座を床面に対して略水平な使用位置から略垂直に起立する起立位置まで回転させるような跳ね上げ式のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このものは、前記座が、支軸を支点として円弧を描きながら回転するものであるので、この椅子と、前方に位置する椅子や机との間の離間距離を十分に確保しなければ、着座者が離着席する途中で座の先端部に引っ掛かって窮屈な思いをしたり、座のスムーズな起倒動作が行い難い等の不具合を生じる。ところが、学校等の講義用の机及び椅子においては限られたスペース内で収容人数をできるだけ多くしたいという要望や、座本体の奥行寸法を十分にとって座り心地を良好にしたい等の要望があり、座本体と、この座本体の先端部側に位置する椅子や机との間の離間距離を十分に確保することは難しいものである。その上、起立位置では、座の裏面が表側に位置するため、裏面側に取り付けた金具類が表側に位置することとなり、座に寄り掛かかる際に金具類が背に当たり不快感を感じる恐れもある。
【0004】
このような課題に鑑み、近時、椅子本体に対し、座をリンク機構等を利用して使用位置から起立位置まで、座の表面を常に表側に位置させながらスイング移動させるような構成の椅子も開発されている。
【0005】
ところが、前述したようなリンク機構を利用したものは、座の前後端を支持する前後一対のリンク部材を利用して座を使用位置から起立位置までスイング移動させるものである。そのため、複数のリンク部材が必要となって、構造が複雑なものとなり易い上、リンク部材が外部から露見してデザイン的にも見栄えがよくない等の不具合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために、本発明は、前記椅子本体に対して座を回転可能に支持する回転支持体を設け、この回転支持体と座との間に、前記回転支持体の椅子本体に対する回転運動を座のライジング動作に変換し得る動作変換機構を設けるようにしている。
【0007】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明は、床面に対して略水平な使用位置と略垂直な起立位置との間でスイング移動しながらライジング動作可能に椅子本体に支持されている座を具備してなるものであり、前記椅子本体に対して座を回転可能に支持する回転支持体と、前記回転支持体と座間に設けてなり前記回転支持体の椅子本体に対する回転運動を座のライジング動作に変換し得る動作変換機構とを具備してなるとともに、回転支持体が、1本のみで座の巾方向略中央かつ奥行き方向中央よりも前方の位置を支持し、かつ使用位置における座の奥行き方向中央よりも前方の部位と前記回転支持体との間に座を使用位置に保持するストッパを設けていることを特徴とする椅子に関するものである。
【0008】
このような構成のものにおいて、例えば、動作変換機構が、前記回転支持体の回転中心端側に設けた回転力伝達部と、前記回転支持体の自由端側に前記座と一体的に当該回転支持体に対して回転可能となるように設けた回転体と、これら回転力伝達部及び回転体に対して移動可能となるように両者間に連係してなり、前記回転支持体の回転運動を回転力伝達部を介して前記回転体に伝達してその回転を促す伝達要素とを具備してなるものにし、回転伝達部及び回転体を、スプロケットやプーリー等の歯車やローラー等により構成するとともに、伝達要素をチェーン等から構成すれば、スライド機構やリンク機構等の複雑な機構を用いることなく、1本の回転支持体で座をスイング動作させ得るような構成を実現することができる。したがって、スイング動作可能な椅子を簡単な機構且つシンプルなデザインで実現することが可能となる。
【0009】
加えて、本発明に係る椅子は、回転支持体が1本で座の巾方向略中央位置を支持するものであるので、机等と組み合わせて使用する場合に、座の左右両端側を支持しているものに比べて、机等の天板の左右巾のピッチ変更に合わせてその左右巾のピッチの変更を柔軟に行い得る。
【0010】
椅子全体の構成及びデザインをシンプルなものとするには、回転支持体が、内部が中空のカバー体を具備してなり、このカバー体内に前記動作変換機構を設けていることが望ましい。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
【0012】
この椅子1は、図1及び図2に示すように、学校等で講義等を行う場合の講義用の机2と組み合わせて利用されるものである。
【0013】
以下、各部の具体的な構成について詳述する。
【0014】
机2は、前後方向に列をなすように複数個配置してなるものであり、巾方向に沿って複数人数分を一体に設けた天板21と、前記天板21において一人分の天板領域の巾方向中央位置を支持してなる支持体22とを具備している。この支持体22は、床面Fに設けたベース23と、このベース23から起立させて設けた支柱24とを具備している。
【0015】
椅子1は、前記机2において2列目以降の支持体22の前面に取り付けられ、各前列側の机2と組になって使用されるもので、背もたれ11と、この背もたれ11とは別体に設けた座12とを具備している。背もたれ11は、前記支柱24の上端部近傍に角度調整可能に設けてある。座12は、図2に示すように、床面Fに対して略水平な使用位置Pから略垂直に起立した起立位置Qとの間でスイング移動しながらライジング動作可能に設けてなるものである。
【0016】
このような構成のものにおいて、本実施例では、前記座12を回転支持体たるアーム3を介して回転可能に支持するようにし、前記アーム3と座12との間に前記アーム3の支柱24に対する回転運動を座12のライジング動作に変換し得る動作変換機構4を設けるようにしている。
【0017】
動作変換機構4は、図3に示すように、前記アーム3の回転中心端である基端3a側に設けた回転力伝達部たる第1のスプロケット41と、前記アーム3の自由端である先端3b側に前記座12と一体的に設けてなり前記アーム3に対して回転可能である回転体たる第2のスプロケット42と、これら第1、第2のスプロケット41、42に対して移動可能となるように両者間にかけ渡した状態で噛み合わせてあり、前記アーム3の回転運動を前記第1のスプロケット41を介して前記第2のスプロケット42に伝達し、その回転を促す伝達要素たるチェーン要素43とを具備してなる。
【0018】
アーム3は、内部が中空のカバー体31から構成されており、このカバー体31の内部に、前記第1、第2のスプロケット41、42及びチェーン要素43からなる前記動作変換機構4を内蔵している。そして、その基端3a側を支柱24の下端部に設けたブラケットBに支軸pを介して正逆方向に回転可能に取り付けてあるとともに、先端3b側に回転軸qを介して前記座12を正逆方向に回転可能に支持させてある。
【0019】
第1のスプロケット41は、前記支柱24の下端部側に設けたブラケットBに適宜の手段で固定してあり、第2のスプロケット42は、前記座12の下面側に適宜の手段で固定してある。
【0020】
なお、このアーム3には、アーム3の回転運動を付勢するスプリング(図示せず)や、ライジング動作中の座12に制動力を付与するようなスローライジング機構(図示せず)等も内蔵されている。また、図中符号Sで示すものは、座12とアーム3を使用位置Pに保持するストッパである。
【0021】
次に、この種の椅子1において、座12をライジングさせる場合の動作について説明する。
【0022】
着座者が席を立つことによって、座12に作用する荷重を解除すると、図示しないスプリングがアーム3の回転運動を付勢するため、アーム3は図3中実線で示す位置から想像線で示す位置へと図3中矢印で示す方向へ回転する。そして、このようにアーム3が回転すると、第1のスプロケット41に巻きつけてあるチェーン要素43が図中矢印の方向へ移動し、このチェーン要素43の移動により、第2のスプロケット42の図中矢印の方向すなわち半時計周りへの回転が促され、座12は、図3中想像線で示すように、スイング移動しながら使用位置Pから起立位置Qへとライジング動作を行う。
【0023】
このような構成のものであると、スライド機構やリンク機構等の複雑な機構を用いることなく、1本のアーム3で座12をスイング動作させ得るような構成を実現することが可能となる。したがって、スイング動作可能な椅子1を簡単な機構且つシンプルなデザインで実現することが可能となる。
【0024】
アーム3が、内部が中空のカバー体31を具備してなり、このカバー体31内に前記動作変換機構4を設けているならば、カバー体31内に、歯車やチェーン要素等が収まっているので椅子1全体の構成及びデザインをシンプルなものとすることが可能となる。
【0025】
アーム3が、1本で座12の巾方向略中央位置を支持するものであるので、机等と組み合わせて使用する場合に、座12の左右両端側を支持しているものに比べて、机等の天板の左右巾のピッチ変更に合わせてその左右巾のピッチの変更を柔軟に行うことができる。
【0026】
また、動作変換機構4をスプロケットを利用して構成しているので、簡単な構成で座12を一定の比率でライジング動作させることが可能となる。
【0027】
なお、本発明における構成は、以上説明したものに限定されないのは勿論である。例えば、回転力伝達部及び回転体は、上述したようなスプロケットに限定されず、同じような歯車でもプーリーを使用するようにしてもよい。また、ローラー等であってもよいのは勿論である。さらに、例えば、伝達機構の構成は、チェーンに限定されず、ワイヤ等であってもよいのは、勿論である。その他の構成も本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような構成で実施され以下に記載されるような効果を奏する。
【0029】
すなわち、本発明は、前記椅子本体に対して座を回転可能に支持する回転支持体と、前記回転支持体と座間に設けてなり前記回転支持体の椅子本体に対する回転運動を座のライジング動作に変換し得る動作変換機構とを具備してなるので、例えば、動作変換機構を、前記回転支持体の回転中心端側に設けた回転力伝達部と、前記回転支持体の自由端側に前記座と一体的に当該回転支持体に対して回転可能となるように設けた回転体と、これら回転力伝達部及び回転体に対して移動可能となるように両者間に連係してなり、前記回転支持体の回転運動を回転力伝達部を介して前記回転体に伝達してその回転を促す伝達要素とを具備してなるものにし、回転伝達部及び回転体を、スプロケットやプーリー等の歯車やローラー等により構成するとともに、伝達要素をチェーン等から構成するようにすれば、スライド機構やリンク機構等の複雑な機構を用いることなく、1本の回転支持体で座をスイング動作させ得るような構成を実現することが可能となる。したがって、スイング動作可能な椅子を簡単な機構で且つシンプルなデザインで実現することが可能となる。
【0030】
さらに、本発明に係る椅子は、回転支持体が1本で座の巾方向略中央位置を支持するものであるので、机等と組み合わせて使用する場合に、座の左右両端側を支持しているものに比べて、机等の天板の左右巾のピッチ変更に合わせてその左右巾のピッチの変更を柔軟に行うことができる。
【0031】
回転支持体が、内部が中空のカバー体を具備してなり、このカバー体内に前記動作変換機構を設けているならば、椅子全体の構成及びデザインをシンプルなものとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図。
【図2】同作用説明図。
【図3】同本発明の構成を模式的に示す側面図。
【符号の説明】
1…椅子
12…座
3…回転支持体(アーム)
31…カバー体
4…動作変換機構
41…回転力伝達部(第1のスプロケット)
42…回転体(第2のスプロケット)
43…伝達要素(チェーン要素)
F…床面
P…使用位置
Q…起立位置

Claims (3)

  1. 床面に対して略水平な使用位置と略垂直な起立位置との間でスイング移動しながらライジング動作可能に椅子本体に支持されている座を具備してなるものであり、
    前記椅子本体に対して座を回転可能に支持する回転支持体と、前記回転支持体と座間に設けてなり前記回転支持体の椅子本体に対する回転運動を座のライジング動作に変換し得る動作変換機構とを具備してなるとともに、
    回転支持体が、1本のみで座の巾方向略中央かつ奥行き方向中央よりも前方の位置を支持し、
    かつ使用位置における座の奥行き方向中央よりも前方の部位と前記回転支持体との間に座を使用位置に保持するストッパを設けていることを特徴とする椅子。
  2. 動作変換機構が、前記回転支持体の回転中心端側に設けた回転力伝達部と、前記回転支持体の自由端側に前記座と一体的に当該回転支持体に対して回転可能となるように設けた回転体と、これら回転力伝達部及び回転体に対して移動可能となるように両者間に連係してなり、前記回転支持体の回転運動を回転力伝達部を介して前記回転体に伝達してその回転を促す伝達要素とを具備してなることを特徴とする請求項1記載の椅子。
  3. 回転支持体が、内部が中空のカバー体を具備してなり、このカバー体内に前記動作変換機構を設けていることを特徴とする請求項1又は2記載の椅子。
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