JP3831987B2 - 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(以下、R245faと略す)の改良された製造方法に関する。R245faは、発泡剤などとして有用なオゾン層を破壊しないヒドロフルオロカーボン(HFC)である。
【0002】
【従来の技術】
245faの製造方法としては、(1)CF3 CH=CF2 にPd触媒の存在下で水素付加する方法(Izvest.Akad.Nauk S.S.S.R.,Otdel.Khim.Nauk.1960,1412 )、(2)CF3 CCl2 CClF2 をPd触媒の存在下に水素還元する方法(米国特許第2942036号明細書)、(3)CF3 CClHCClF2 をPd触媒の存在下に水素還元する方法(特開平6−256235号公報)、(4)CCl3 CH2 CCl3 をフッ化水素でフッ素化し、CF3 CH2 CClF2 を生成させた後に、水素化触媒存在下に水素により還元する方法(特開平7−138194号公報)、(5)CFy Cl3-y CH2 CHFw Cl2-w (y:0〜3の整数、w:0〜2の整数)で示される化合物を触媒存在下に50〜175℃の温度範囲でフッ化水素によりフッ素化する方法(WO 96/01797)、および(6)CCl3 CH2 CHCl2 を触媒存在下液相中でフッ化水素によりフッ素化する方法(特開平8−104655号公報)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記(1)の方法は原料を工業的に入手することが困難である。(2)、(3)の方法はいずれも還元触媒にPdを用いているが、反応活性および耐熱性が不充分であり工業的製法として適しない。(4)の方法はフッ素化によって選択的にCF3 CH2 CClF2 のみを生成させることが困難であり、最終的にR245faの収率を上げることが困難である。(5)、(6)の方法では、出発原料のCCl3 CH2 CHCl2 などは化学的に不安定で副反応による収率低下が顕著になり、触媒も失活しやすい。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来法にみられる欠点を克服したR245faの製造方法であり、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(以下、R240fと略す)をフッ素化触媒の不存在下、フッ化水素によりフッ素化して得られる部分フッ素化反応物を、アンチモン、ニオブおよびタンタルから選ばれる1種以上の元素のハロゲン化物を含むフッ素化触媒の存在下、フッ化水素によりフッ素化することを特徴とするR245faの製造方法である。
【0005】
R240fは、汎用のモノマーである塩化ビニルと四塩化炭素のラジカル的な付加反応によって、容易に合成できることが知られている(浅原照三他, 工業化学雑誌,72,1516(1969)、T.A.Onishchenko et.al.,Izv.Akad.Nauk SSSR,Ser.Khim.,1972,1770 、M.Kotora et.al.,React.Kinet.Catal.Lett.,44,415(1991)、M.Kotora et.al.,J.Mol.Catal.,77,51(1992))。
【0006】
フッ素化触媒の不存在下、フッ化水素によりR240fをフッ素化して部分フッ素化反応物を得るフッ素化反応(以下、前段反応と略す)、および、得られる部分フッ素化反応物を、フッ素化触媒の存在下、フッ化水素によりフッ素化してR245faを得るフッ素化反応(以下、後段反応と略す)は、常圧または加圧下の液相反応が好ましい。
【0007】
前段反応で得られる部分フッ素化反応物とは、好ましくは平均で1〜4個、より好ましくは平均で1〜3個の割合でフッ素原子を有する部分フッ素化プロパン、および好ましくは平均で1〜4個、より好ましくは平均で1〜3個の割合でフッ素原子を有する部分フッ素化プロペンなどを含む混合物を意味する。
【0008】
上記部分フッ素化プロパンとは、R240f中の塩素原子がフッ素原子に置換された化合物、またはR240fの脱塩化水素物である1,3,3,3−テトラクロロプロペンなどの副生塩素化プロペン中の二重結合にフッ素原子が付加した付加化合物、またはこの付加化合物中の塩素原子がフッ素原子に置換された化合物などを意味する。
【0009】
また、上記部分フッ素化プロペンとは、塩素原子を有する部分フッ素化プロパンの脱塩化水素物、またはR240fの脱塩化水素物である1,3,3,3−テトラクロロプロペンなどの副生塩素化プロペン中の塩素原子がフッ素原子に置換され化合物などを意味する。
【0010】
この部分フッ素化反応物中の個々の化合物としては、R240f、1,3,3,3−テトラクロロプロペンなどのフッ素化されていない化合物またはR245faなどの5個の塩素原子が完全にフッ素原子に置換された化合物が含まれていてもよい。
【0011】
部分フッ素化反応物としては、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオロプロパン(R241fa)、1,1,3−トリクロロ−1,3−ジフルオロプロパン(R242fb)、1,3,3−トリクロロ−1,1−ジフルオロプロパン(R242fa)、3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン(R243fa)、1,3−ジクロロ−1,1,3−トリフルオロプロパン(R243fb)、1,1−ジクロロ−1,3,3−トリフルオロプロパン(R243fc)、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(R244fa)などの部分フッ素化プロパン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(R1233zd)、1,3−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(R1232zd)、3,3−ジクロロ−1,3−ジフルオロプロペン(R1232ze)、1,3,3−トリクロロ−3−フルオロプロペン(R1231zd)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234ze)などの部分フッ素化プロペンが挙げられる。
【0012】
これらの部分フッ素化反応物は、R240fに比べて安定であり、後段反応において触媒活性低下の原因となる分解生成物を副生しにくい。
【0013】
前段反応の反応温度は通常50℃〜300℃、好ましくは80℃〜250℃、特に好ましくは100℃〜200℃である。後段反応の反応温度と同等またはより高い反応温度で行うことが好ましい。
【0014】
後段反応の反応温度は前段反応のフッ素化で得られる部分フッ素化反応物の組成によっても異なるが、通常は0℃〜200℃、好ましくは30℃〜150℃である。部分フッ素化反応物中に部分フッ素化プロペンが多く含まれる場合はより高温で反応を行うことが好ましい。
【0015】
前段反応においてR240fに対するフッ化水素の供給モル比は、反応容器効率やフッ化水素の回収によるロスなどを考えると、R240f:フッ化水素=1:1〜1:30の範囲が好ましく、1:10の範囲がより好ましい。未反応のフッ化水素は回収分離後リサイクルしてもよく、また部分フッ素化反応物とともに後段反応に用いることもできる。
【0016】
前段反応で得られた部分フッ素化反応物に対するフッ化水素の供給モル比は、化学量論量以上であれば特に限定されない。反応容器効率やフッ化水素の回収によるロスなどを考えると、化学量論量に対して1〜10倍モルの範囲が好ましく、1〜5倍モルの範囲がより好ましい。後段で供給されるフッ化水素は、前段反応の未反応フッ化水素と併用してもよく、後段でフッ化水素を新たに供給することなく前段反応の未反応フッ化水素を用いてもよい。
【0017】
前段または後段反応において、フッ化水素は反応前にあらかじめ仕込んでおいてもよく、また反応時に液相へ吹き込む方法でもよい。
【0018】
前段反応の反応圧は、反応温度、加えるフッ化水素の供給モル比などにもよるが、通常0〜100kg/cm2 ・G、好ましくは0〜40kg/cm2 ・Gである。
【0019】
後段反応の反応圧は通常0〜40kg/cm2 ・Gであるが、前段反応で得られた部分フッ素化反応物中に部分フッ素化プロペンが多く含まれる場合は5kg/cm2 ・G以上の高い圧力が好ましい。また、溶媒を用いる場合は溶媒の種類などによっても異なる。
【0020】
前段反応で得られる部分フッ素化反応物は通常の分離操作、例えば蒸留精製などによって副生する塩化水素、過剰のフッ化水素などを除いた後、後段反応に用いてもよいが、前段反応で得られる塩化水素、フッ化水素、部分フッ素化反応物などからなる反応混合物を分離操作を経ることなく、そのまま後段の反応に用いる方が好ましい。分離操作を経る場合、少なくとも塩化水素を除くことが好ましい。
【0021】
後段反応に用いるフッ素化触媒の存在量は特に限定されない。フッ素化触媒としてはSb、NbおよびTaから選ばれる元素のハロゲン化物を含む触媒、またはこれらの触媒を主触媒とし、助触媒としての他の金属ハロゲン化物を含む触媒が好ましい。ハロゲン化Sbは、5価Sbのハロゲン化物、例えば一般式SbClx Fy (x、yはx+y=5、0≦x≦5および0≦y≦5を満足する正数)で表されるハロゲン化Sbなどが好ましい。
【0022】
助触媒として働く金属ハロゲン化物触媒としては、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Ti、Zr、Hf、Sn、PbおよびAsから選ばれる金属のハロゲン化物、3価Sbのハロゲン化物などから選ばれる1種以上のハロゲン化物が好ましい。
【0023】
具体的にはCrCl3 、FeCl3 、NiCl2 、CuCl2 、ZnCl2 、TiCl4 、TiF4 、ZrCl4 、ZrF4 、HfCl4 、HfF4 、SnCl4 、SnF4 、SnCl2 、PbCl4 、AsCl5 、SbCl3 およびSbF3 から選ばれる1種以上のハロゲン化物が好ましく、特にはSnCl4 、SnF4 、SnCl2 、TiCl4 、TiF4 、SbCl3 およびSbF3 から選ばれる1種以上のハロゲン化物が好ましい。
【0024】
フッ素化触媒がハロゲン化Sbを含む場合は、ハロゲン化Sbに対して常に過剰量のフッ化水素を共存させることにより得られる一般式SbClx Fy (xは0〜1の正数、yは4〜5の正数、かつx+y=5)で表されるハロゲン化Sbが早期の触媒失活を抑制できるため特に好ましい。
【0025】
また、SbCl5 、SbCl2 F3 などの塩素含有量の多い触媒を初期触媒として用いた場合は、あらかじめ過剰のフッ化水素と反応させることにより、触媒中のフッ素量(上記一般式中のy値)を4以上にした後に原料供給を開始し、反応を行うとよい。
【0026】
前段および後段反応は、通常、反応原料や生成物を反応溶媒とするが、その他の反応溶媒を用いてもよく、この場合に用いられる溶媒は、原料を溶かし込み、さらに溶媒自身が原料よりフッ素化されにくいものであれば特に限定されない。このような溶媒としては、ヒドロフルオロカーボン類、ペルフルオロオクタンなどのペルフルオロカーボン類、ペルフルオロポリエーテル類などが挙げられる。
【0027】
生成物R245faとともに反応器より留出する部分フッ素化反応物としては、R241fa、R242fb、R242fa、R243fc、R243fa、R243fb、R243fc、R244fa、R1233zd、R1232zd、R1232ze、R1231zd、R1234zeなどが挙げられる。
【0028】
これらの部分フッ素化反応物は、原料であるR240fに比べてフッ素化触媒存在下でも安定であり、触媒活性低下の原因となる分解生成物を副生しにくいので、R245faと分離精製後、前段または後段の反応系に戻しR245faの原料として使用できる。
【0029】
前段および後段反応は、バッチ反応または連続反応で行いうる。連続反応器としては原料とフッ化水素が充分に混合可能な完全混合槽型、スタティックミキサーなどを用いたピストンフロー型のいずれを用いてもよい。
【0030】
反応器の材質としては、SUS304、SUS316などのステンレス系材料、ハステロイ(商品名)、インコネル(商品名)、モネル(商品名)などのニッケル系合金などの通常の材料が使用できる。上記ステンレス系材料はアルミニウムを含まず、上記ニッケル系材料のアルミニウム含有率は最大で4重量%程度であることが知られている。
【0031】
上記ニッケル系合金は、ステンレス系材料に比べ腐食性は低減されるが、アルミニウムからなる耐食金属材料またはアルミニウムを10重量%以上含む耐食金属材料はより腐食性が低減されるため好ましい。
【0032】
耐食金属材料中のアルミニウムの好ましい割合は、20重量%以上、特には30重量%以上である。アルミニウムの割合の上限は、耐食金属材料が実質的にアルミニウムからなる割合である。耐食金属材料が実質的にアルミニウムからなるとは、製造上混入するアルミニウム以外の微量の金属不純物を含んでもよいことを意味する。
【0033】
この耐食金属材料からなる内表面を有する反応器を用いることにより腐食による装置の劣化を低減し、触媒活性を損なうことなく、長期に亙って好成績で反応を継続できる。
【0034】
この耐食金属材料はそのまま反応器の材料として、または耐食金属材料の1つ以上を表面材(以下、クラッド材という)とし、それ以外の材料の1種以上を耐食金属材料の下地となる基材(以下、コア材という)とする複合材料としても使用できる。
【0035】
コア材としては、耐食性以外の反応器に要求される諸特性、例えば強度、溶接性、熱伝導性などを満足するものであれば特に限定されず、通常炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル系合金、アルミニウムなどが用いられる。コア材と耐食金属材料の接着性などを改善するため、コア材を2層以上にしてもよい。複合材料の製作方法としては、耐食金属材料をコア材へメッキ、溶射、爆着などの方法で複合化する方法が挙げられる。
【0036】
クラッド材として用いる耐食金属材料はコア材を腐食性の環境から保護するためにクラックのない緻密な層を形成しているのが好ましく、その厚みは製作方法および選ぶ耐食金属材料にもより、特に限定されないが、材料の耐久性、機械的強度を考慮するとある程度の厚みを有すること、すなわち、好ましくは10μm〜30mm、さらに好ましくは30μm〜10mm、特に好ましくは100μm〜10mmが適当である。
【0037】
一般に耐食性の金属材料の表面は金属酸化物に覆われ、不動態が形成されている。本フッ素化反応においては、耐食金属材料の表面の少なくとも一部が金属フッ化物を含む保護皮膜により覆われていることが望ましい。特にアルミニウム、マグネシウムなどの比較的標準酸化電位の低い金属成分を含む耐食金属材料においては、より望ましい。金属フッ化物を含む保護皮膜に覆われることにより、より安定な不動態が形成され本フッ素化反応系のような超強酸の環境下においても優れた耐食性が発現する。
【0038】
金属フッ化物を含む保護皮膜は反応の前に形成させることが望ましいが、反応中に保護皮膜を形成させることもできる。反応前に少なくとも金属フッ化物を含む保護皮膜を形成させるためには、内表面が耐食金属材料に覆われた反応器を適当なフッ素化剤で処理すればよい。
【0039】
フッ素化剤は特に限定されず、例えばフッ素ガス、フッ化水素、五フッ化アンチモンなどが用いられる。処理温度は使用する耐食金属材料にもよるがフッ素ガスの場合は好ましくは0℃〜300℃、特に好ましくは室温〜200℃であり、フッ素ガスは通常不活性ガス、例えば窒素、でフッ素ガス濃度を20〜100体積%に調整して用いる。
【0040】
フッ化水素の場合は好ましくは0℃〜300℃、特に好ましくは室温〜300℃であり無水のフッ化水素を液状またはガス状にて用いる。五フッ化アンチモンの場合は好ましくは0℃〜200℃、特に好ましくは室温〜120℃である。これらフッ素化剤は単独で用いてもよく、2種以上を同時または段階的に用いてもよい。
【0041】
アルミニウムを耐食成分として含む耐食金属材料において、本フッ素化反応環境下における耐食成分は、本質的には耐食金属材料の最外面に存在するアルミニウムを含むフッ化物であるので、耐食金属材料表面にこれらフッ化物の保護皮膜を形成するために必要なアルミニウムの成分量は少なくてもよく、耐食金属材料中に金属成分として10重量%程度の含有量でも充分効果を発揮できる。
【0042】
本発明における耐食金属材料としては工業用純アルミニウムでもよく、アルミニウムを10重量%以上含み、かつ鉄、銅、マンガン、マグネシウム、コバルトおよびクロムから選ばれる1種以上を副成分として含む材料でもよく、例えばFe−Cr−Al系合金、Cu−Al系合金などが挙げられる。上記副成分を含むアルミニウムは工業用純アルミニウムに比べて強度などの特性が改良され、反応器のクラッド材のみならずコア材としても使用できる。
【0043】
【実施例】
例1(実施例)
2リットルのハステロイC製オートクレーブにR240fを500g、HFを460gを仕込んだ。オートクレーブを120℃まで加熱し、110℃に保温した冷却管より反応で副生するHClなどをパージし、反応圧を22kg/cm2 ・G以下に維持しながら5時間反応を行い、R241faおよびR1233zdを含む反応混合物を得た。R240fの転化率は99モル%、R241faの選択率は45モル%およびR1233zdの選択率は55モル%であった。
【0044】
次いで、ポリテトラフルオロエチレンでライニングした1リットルのオートクレーブ内に、SbF5 を360g、HFを330gを仕込んだ。オートクレーブを80℃に昇温した後、HFを20g/hr(1.0mol/hr)の平均供給速度で、また上記R241faおよびR1233zdを含む反応混合物を、平均供給速度が50g/hr(0. 31mol/hr)となるように供給し、反応を開始した。
【0045】
反応圧を7. 5〜8. 5kg/cm2 ・Gに制御し、70℃に保温した冷却管より反応で副生するHCl、未反応のHFとともに生成物を連続的に留出させた。24時間後の留出ガス中の有機成分を表1に示す。
【0046】
例2(実施例)
触媒としてSbF5 を360g、SnCl4 を40g使用する以外は例1と同様に反応を行った。24時間後の留出ガス中の有機成分を表2に示す。
【0047】
例3(実施例)
触媒としてSbF5 を360g、SbF3 を40g使用する以外は例1と同様に反応を行った。24時間後の留出ガス中の有機成分を表2に示す。
【0048】
例4(実施例)
触媒としてSbF5 を360g、TiCl4 を40g使用する以外は例1と同様に反応を行った。24時間後の留出ガス中の有機成分を表2に示す。
【0049】
例5(実施例)
触媒としてNbCl5 を360gを使用する以外は例1と同様に反応を行った。24時間後の留出ガス中の有機成分を表1に示す。
【0050】
例6(実施例)
触媒としてTaCl5 を360gを使用する以外は例1と同様に反応を行った。24時間後の留出ガス中の有機成分を表1に示す。
【0051】
例7(実施例)
例1の反応において、24時間後の留出ガスの代わりに180時間後の留出ガス中の有機成分を表1に示す。
【0052】
例8(比較例)
ポリテトラフルオロエチレンでライニングした1リットルのオートクレーブ内に、SbF5 を360g、HFを330gを仕込んだ。オートクレーブを80℃に昇温した後、HFを20g/hr(1.0mol/hr)の平均供給速度で、またR240fを40g/hr(0. 18mol/hr)の平均供給速度で供給し、反応を開始した。
【0053】
反応圧を7. 5〜8. 5kg/cm2 ・Gに制御し、70℃に保温した冷却管より反応で副生するHCl、未反応のHFとともに生成物を連続的に留出させた。180時間後の留出ガス中の有機成分を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】
本反応に用いる原料R240fは熱的、化学的に不安定な化合物であり、脱塩酸などの分解反応により1,3,3,3−テトラクロロプロペンなどの化合物に分解しやすく、さらにはタール化、オレフィンなどの分解生成物による触媒の還元により触媒の活性低下を引き起こしやすい。
【0057】
本発明に従い、原料R240fとフッ化水素を触媒の非存在下に反応させて適度にフッ素化された中間体を得た後、この中間体を触媒の存在下フッ化水素によりさらにフッ素化することにより、触媒の耐久性を向上させ、触媒を失活させることなく長期に亙って容易に高収率でR245faを製造できる。本発明は、工業的スケールで製造が困難であったR245faを、簡便に、また触媒の失活を抑制することにより長期間高収率で製造しうるという効果を有する。
Claims (4)
- 1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンをフッ素化触媒の不存在下、フッ化水素によりフッ素化して得られる部分フッ素化反応物を、アンチモン、ニオブおよびタンタルから選ばれる1種以上の元素のハロゲン化物を含むフッ素化触媒の存在下、フッ化水素によりフッ素化することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
- フッ素化触媒の不存在下、フッ化水素によるフッ素化における反応温度が50℃〜300℃である請求項1の製造方法。
- フッ素化触媒の不存在下、フッ化水素によるフッ素化における1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに対するフッ化水素の供給モル比が1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン:フッ化水素=1:1〜1:30の範囲である請求項1または2の製造方法。
- フッ素化触媒の存在下、フッ化水素によるフッ素化における反応温度が0℃〜200℃である請求項1、2または3の製造方法。
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