JP3832532B2 - 焦点鏡調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は焦点鏡調整装置に係り、特に水準儀に備えられた焦点鏡の調整を行う測量機の焦点鏡調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、望遠鏡の焦点鏡の調整は、焦点鏡枠の円周4方向に設けたねじの押し引きにより行われている。しかし焦点鏡枠の周囲4方向に設けた4つのねじを全て動かさなくてはならず手間がかかるという不都合があった。また焦点鏡を所定の位置に固定するためにねじを締めるときには、どうしても焦点鏡が動いてしまうので、その分を見込んで調整をしなくてはならなかった。また、十字線の傾きの調整ができなかった。
【0003】
そこで1本のねじで調整できる技術が提案されている。例えば実開昭61−24719号公報では、焦点板外枠における調整ねじ及び取付ねじの遊嵌部は、夫々焦点板外枠の円周方向に長い条孔に形成されると共に、焦点板枠を調整ねじ側、取付ねじ側のいずれか一方の側に弾引するための弾引機構を具えた技術が開示されている。
【0004】
すなわち、この技術によれば、一本のねじで調整するものであり、「焦点板外枠(4)内の後端よりに前端面を当接し、焦点板外枠(4)内の後端面付近に欠円リング(6)を固定し、焦点板枠(3)の後端面と欠円リング(6)の前面との間にばね座金(7)を介在させて、焦点板枠(3)、従って焦点板(1)を常に突縁(5)の後端面すなわち焦点板外枠(4)の前方側に弾圧するように形成する。次に焦点板外枠(4)の上下対称位置又は左右対称位置に、外枠の円周方向に長いねじ貫通条孔(8)(9)を設ける。ねじ貫通条孔(8)には、調整ねじ(10)の螺杆部(10b)を貫挿し、この螺杆部(10b)は焦点板枠(3)に設けたねじ孔(16)に螺入されている。而して調整ねじ(10)の頭部(10a)と焦点板外枠(4)の外面との間に彎曲座金(12a)を介在させる。またねじ貫通条孔(9)に、取付ねじ(11)の螺杆部(11b)を貫挿し、この螺杆部(11b)は、焦点板枠(3)に設けたねじ孔(17)に螺入され、上記取付ねじ(11)と前期調整ねじ(10)とにより焦点板枠(3)を支持している。」而して焦点板枠(3)は、取付ねじ(11)の方向又は調整ねじ(10)の方向に弾引機構により常に弾引されている」こと、「前記ねじ貫通条孔(9)を掩閉するように、焦点板外枠(4)の外面に当接された彎曲座金(12b)と、取付ねじ(11)の頭部(11a)との間に、弾撥ばね部材(13)を介在させて取付ねじ(11)を常に外方に弾引し、従って焦点板枠(3)を取付ねじ(11)側に弾引する」ことが開示されている(実開昭61−24719号の明細書第4頁第16行乃至第6頁第1行)。
【0005】
また、ねじに弾力手段を有しているものとして、上記実開昭61−24719号公報の他に、実公昭41−135号公報等が知られている。
【0006】
さらに、傾きを修正できるものとしても、上記実開昭61−24719号公報の他に、実開昭54−118154号公報が知られている。この実開昭54−118154号公報では、「装置本体に固定された保持板と、該保持板に支持されて搭載されたレンズ等の光学系の焦点距離を調整(Z方向)する第1調整機構と、上記保持板に支持されかつ搭載された読取素子を上記Z方向と垂直な面内でX方向、Y方向及びねじれ方向(Q方向)に調整する第2調整機構とを備えてなり、保持板を基準面として該保持板に搭載された第1及び第2調整機構を介してX,Y,Z及びQ方向の位置調整をする」技術が開示されている。すなわち、保持板11の相対する面にはZ方向移動板16が四隅のビス27で位置調整可能に取付けられ,Y方向移動は微調整用として従来から用いられている差動ねじ18によって行われる。Y方向移動板16の差動ねじ18と対向する側に設けられたピン19は、上記差動ねじ18による移動を吸収するガイドピンである。上記差動ねじ18はリードL1,L2の1種のねじが刻まれて成り、差動ねじ18の1回転によってY方向移動板はY=L1−L2だけ移動し、リードL1とL2を近づけることによって更に微調整が可能となる。
【0007】
上記Y方向移動板は保持板11に当接する側と相対する側でQ方向移動板23に嵌合し,該Q方向移動板23と保持板11間にY方向移動板16を覆ってX方向移動板17及びX方向調整板20が介挿されている。まず上記Q方向移動板23には読取素子10を判定した基板24が固定ビス26,26によって一体的に取付けられ、Q方向移動板23の他端は上記Y方向移動板16の突部16aと係合し,Y方向移動板16の移動に伴って変位する。Q方向移動板23はQ方向調整ねじ25によってX方向調整板20及びX方向移動板17に支持されるが、調整ねじ25が挿通される部分のQ方向移動板23には、ねじ径よりも充分大きいバカ穴25aが形成され、バカ穴25aの範囲内で基板24をX方向調整板20上で摺動させて、Q方向のねじれ調整が実行される。ねじれ調整がなされた状態でQ方向調整ねじ25が締結され、位置が固定される。ただし該Q方向調整ねじ25は上記Y方向の位置調整及び次に述べるX方向の位置調整がなされた状態で締結され、調整作業中は緩められた状態に置かれる。
【0008】
X方向の位置調整は、Y方向移動板16を覆ってQ方向移動板23との間に介挿されたX方向移動板17によって、該X方向移動板17のX方向に設けられた調整差動ねじ21の回転により実行される。X方向移動板17のX方向に設けられたガイドピン22は上記差動ねじに21よるX方向移動を吸収する。差動ねじ21は上記差動ねじ18と同様にリードの異なるねじで形成され、微調整がなされる。差動ねじ21の回転によってX方向移動板17が移動すると、該移動に伴って嵌合状態にあるY方向移動板16もまた一体的に移動し、更にX方向微調整板20に支持された基盤24をもX方向に移動させて位置調整する。」ことが開示されている(実開昭54−118154号の明細書第4頁第14行乃至第6頁第19行)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記実開昭61−24719号公報で示す技術では、焦点板を保持する枠に直接調整ねじや取付ねじを螺合させて調整するものであり、傾きに関しては「十字線(2)の傾きを調整するには、木槌などで調整ねじ(10)の頭部(10a)又は取付ねじ(11)の頭部(11a)を叩」くものであり、熟練を要する調整なので不都合がある。
【0010】
また実開昭54−118154号公報で開示された技術は、機構が複雑であるだけでなく、ねじの押し引きによる調整機構では、焦点板の周囲4方向に設けた4つのねじを全てを動かさなくてはならず手間かかかるという不都合があった。また焦点板を所定の位置に固定するためにねじを締めるときには、どうしても焦点板が動いてしまうので、その分を見込んで調整をする場合が生じていた。
【0011】
そこで本願出願人は焦点板の調整を行う技術を提案している。例えば、特開平9−126753号公報で提案した技術は、図6に示すように、調整ねじ106を回すことにより調整ねじ106が焦点板枠押え102を押し、これによりばね105が圧縮されて、焦点板枠101と焦点板枠押え102が視準軸に垂直な平面上を水平方向に移動させる技術である。
【0012】
しかし、上記従来技術では、焦点板枠押え102に対向形成したV溝102aを調整ねじ106と押えピン104で支持した構成であるため、調整ねじ106を回して焦点板枠101と枠押え102を水平方向に移動させる際に周方向にも回動し、焦点板の十字線が傾いた状態となるため、ビス107を緩めて焦点板枠101を長孔101bに沿って回すことで、十字線の傾きを調整する必要があった。即ち、十字線の傾きを調整してやる必要があり、それだけ調整機構が複雑となっていた。
【0013】
本発明の目的は、1本の調整ねじによって焦点鏡の十字線位置を簡単に調整できる焦点鏡調整装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る焦点鏡調整装置は、リング状の外枠の前面側には枠押さえが、背面側には受け板がそれぞれ固定され、外枠内部には上下に延びるガイドピンが配設されるとともに、焦点鏡を囲繞する楔型の焦点鏡枠が一対のコマによって上下方向に支持され、一方のコマには圧縮ばねが作用し、他方のコマには外枠に形成された雌ねじ部に螺合貫通する調整ねじが係合し、該調整ねじの回動によって前記焦点鏡枠がガイドピンに沿って上下にスライドすることを特徴とする。
【0015】
また前記一対のコマには係合孔が形成され、該係合孔に前記ばね受けねじ及び調整ねじがそれぞれ係合すると好適である。このとき、前記焦点鏡枠と前記コマとの当接面をそれぞれ傾斜面とし、調整ねじの締め付けに伴って焦点鏡枠が枠押えに、コマが受け板に圧接されるように形成すると好適である。また前記調整ねじ側に位置するコマに形成された係合孔には鋼球が配設され、該鋼球を介して前記調整ねじと前記コマとが当接するようにすると好適である。さらに前記ガイドピンは丸棒であると好適である。
【0016】
【作用】
本発明の焦点鏡調整装置は、リング状の外枠内部に、上下に延びるガイドピンが配設され、また焦点鏡を囲繞する楔型の焦点鏡枠が一対のコマによって上下方向に支持された構成とされている。また一方のコマには圧縮ばねが作用し、他方のコマには外枠に形成された雌ねじ部に螺合貫通する調整ねじが係合している。
【0017】
前記くさび型の焦点鏡枠は、上記のように上下方向に一対のコマを介して、圧縮ばねのばね力で挟持されることにより、焦点鏡枠の側縁端面がガイドピンに当接するように保持されている。そして、調整ねじを回動させることにより、焦点鏡枠はガイドピン及び枠押えに接触したまま上下にスライドさせ、焦点鏡の調整を行う。
【0018】
このように本発明の焦点鏡調整装置によれば、ねじ1本で調整を行うことができるので、焦点鏡の調整に要する時間を削減することができ、作業効率性を向上させることが可能となる。また調整に熟練を必要とすることなく正確且つ簡単に焦点鏡の調整を行うことが可能となる。
【0019】
また前記一対のコマに係合孔を形成し、この係合孔にばね受けねじ及び調整ねじがそれぞれ係合させることにより、外枠内におけるコマの変位を防止することができる。さらに焦点鏡枠とコマとの当接面をそれぞれ傾斜面に形成することにより、調整ねじの締め付けに伴って焦点鏡枠が枠押えに、コマが受け板に圧接されるため、焦点鏡枠の傾きを防止することができる。
【0020】
なお焦点鏡枠をガイドするガイドピンを丸棒とすることにより、焦点鏡枠はガイドピンに対して面接触でなく常に線接触することができ、外枠内におけるガイドピンの配設を容易にすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
焦点鏡23の十字線の一方は、焦点鏡枠24の台形下底に相当する側縁端面25aに平行に予め設定されている。焦点鏡調整装置Sは、リング状の外枠10を有し、外枠10の前面側には枠押さえ30が、背面側には受け板14がそれぞれ配設されている。
【0022】
さらに外枠10内部には上下に延びるガイドピン20が配設されている。焦点鏡23は楔型の焦点鏡枠24に囲繞されており、この焦点鏡枠24は、枠押え30と受け板14で前後方向に挟まれ、一対のコマ26,27によって上下方向に支持されている。一方のコマ26には圧縮ばねとしてのコイルばね17が作用し、他方のコマ27には外枠10に形成された雌ねじ部18cに螺合貫通する調整ねじ18が係合している。
【0023】
前記くさび型の焦点鏡枠24は、上下方向に一対のコマ26,27を介して、コイルばね17のばね力で挟持されることにより、焦点鏡枠24の側縁端面25aがガイドピン20に当接するように保持されている。この状態で調整ねじ18を回動させると、焦点鏡枠24はガイドピン20と焦点鏡枠押え30に接触したままY軸方向に正確にスライドされる。
【0024】
なお前記コマ26のばね受けねじ16と係合する側に係合孔26bを形成し、この係合孔にばね受けねじ16を係合させ、また前記コマ27の調整ねじ18と係合する側に係合孔27bを形成し、この係合孔に調整ねじを係合させる構成とすることにより、各ねじの先端部が係合孔26b,27bに係合して、コマ26,27の左右方向(X軸方向)の変位を阻止することができる。
【0025】
さらに、焦点鏡枠24とコマ26,27との当接面を、X軸方向及びZ軸方向から見て、ハ字状に傾斜するように形成することにより、調整ねじ18の締め付けに伴って焦点鏡枠24が枠押さえ30に、コマ26,27が受け板14に圧接され、焦点鏡枠24が傾くのを防止することができる。また焦点鏡枠24をガイドするガイドピン20を丸棒とすることにより、焦点鏡枠24はガイドピン20に対して面接触でなく常に線接触することができ、外枠10内におけるガイドピン20の配設を容易にすることができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0027】
図1乃至図5は本発明に係る実施例を示すものであり、図1は図2に示す本発明の焦点鏡調整装置のА−Аに相当する断面説明図、図2は本発明の焦点鏡調整装置の正面図、図3は図1に示す本発明の焦点鏡調整装置のB−Bに相当する断面説明図、図4は焦点鏡枠,コマ,ガイドピンを示す斜視図、図5は焦点鏡調整装置の測量機への取付を示す説明図である。
【0028】
本発明の焦点鏡調整装置Sは、例えばレベル等の測量機における焦点鏡調整装置に関するものであり、外枠10と、外枠の前面側に位置する枠押さえ30と、外枠の背面側に位置する受け板14と、外枠10に配設される焦点鏡枠24と、焦点鏡枠24に囲繞される焦点鏡23と、焦点鏡に貼着された防塵ガラス28と、焦点鏡枠24を支持するコマ26,27と、ばね受けねじ16と、ばね受けねじ16に取り付けられる圧縮ばねとしてのコイルばね17と、調整ねじ18と、ガイドピン20と、を主要構成要素としている。
【0029】
外枠10は、リング状の接眼外枠である。外枠10は、焦点鏡装置Sを測量機に配設したとき外方に向けて開口する開口部11aと、鏡筒1側に開口する開口部11bとを有している。開口部11aは、開口部11bより小さめに形成されており、開口部11aの周縁部には底部11cが位置している。
【0030】
また外枠10には、焦点鏡調整装置Sを測量機の鏡筒1へ取り付ける外枠固定ねじ15を係合させるための複数のねじ孔15aが形成されている。
【0031】
前記開口部11aには受け板14が配設されている。受け板14は、中央に円孔14aが設けられた円形の板材である。この受け板14の周縁部を前記底部11cに載置し、開口部11aから円孔14aが露出するように配設する。このとき受け板14と、外枠10とで囲まれた空間を凹部12とする。
【0032】
図3に示すように、外枠10には、Y軸方向に貫通して対向して配設される、コイルばね17を有するばね受けねじ16と、調整ねじ18と、が設けられている。ばね受けねじ16は、頭部16aと、雄ねじ部16bと、棒部16cとから構成されており、雄ねじ部16bの内径は、棒部16cの内径よりも大きめに形成されている。そしてコイルばね17は、棒部16cを囲むようにして係合されている。調整ねじ18は、頭部18aと雄ねじ部18bとから構成されている。
【0033】
前記ばね受けねじ16及び調整ねじ18は、外枠10に形成されたねじ孔に係合して、外枠10を貫通している。ばね受けねじ16が貫通するねじ孔には、ばね受けねじ16の雄ねじ部16bと螺合可能な雌ねじ部16dが形成されている。同様に、調整ねじ18を貫通するねじ孔には、調整ねじ18の雄ねじ部18bと螺合可能な雌ねじ部18cが形成されている。
【0034】
ばね受けねじ16は、雄ねじ部16b及び棒部16cをねじ孔に挿入し、ねじ孔の雌ねじ部16dと、ばね受けねじ16の雄ねじ部16bとを螺合させることにより取り付けられる。また調整ねじ18は、雄ねじ部18bと、ねじ孔の雌ねじ部18cとを螺合させることにより取り付けられる。
【0035】
外枠10の凹部12内において、Y軸から偏心した位置には、ガイドピン20がY軸と平行に配設されている。ガイドピン20は、外枠10に設けた貫通孔10a,10aに圧入固定されている。なお、このガイドピン20を丸棒形状とすることにより、焦点鏡枠24はガイドピン20に対して面接触でなく常に線接触することができ、外枠10内におけるガイドピン20の配設を容易にすることができる。
【0036】
焦点鏡23には、十字線23aや図示しないスタジア線が設けられており、焦点鏡枠24に囲繞され且つ一体化されている。焦点鏡枠24は、外枠10の凹部12内に収容されている。焦点鏡枠24は、図4に示すようにガイドピン20側の辺が対向する辺よりも長く形成された正面視台形で、辺24c,24dが上下方向に異なる向きに傾斜して形成されている。
【0037】
さらに本例の焦点鏡枠24においては、上記斜辺24c,24dに連続する側面24a,24bが、図に示すZ軸方向及びX軸方向から見てハ字型に傾斜するように形成されている。
【0038】
焦点鏡枠24の上下には、側面24a,24bに隣接して押えコマ26,27が配設されている。押えコマ26は、図1及び図3に示すように、ばね受けねじ16の棒部16cが係合される係合孔26bが形成されている。係合孔26bは、前記棒部16cを係合可能な大きさで、且つコイルばね17の径よりも小さめに形成されている。よって棒部16cの周縁に取り付けられたコイルばね17は、ばね受けねじ16の雄ねじ部16bと係合孔26bの周縁との間に介装される。
【0039】
押えコマ27には、調整ねじ18が係合される係合孔27bが形成されている。このとき、係合孔27b内に、鋼球19を収容することにより、調整ねじ18と係合孔27b間の摩擦を低減し、調整ねじ18のスムーズな回動と摩滅の軽減を図ることができる。
【0040】
さらに図4に示すように押さえコマ26,27は、焦点鏡枠24の側面24a,24bに隣接する面26a,27aが、焦点鏡枠24の側面24a,24bに整合するように傾斜して形成されている。このような構成とすることにより、調整ねじ18の締め付けに伴って焦点鏡枠24を枠押さえ30に、押えコマ26,27を受け板14にそれぞれ圧接させることができ、焦点鏡枠24の外枠10内における傾きを防止することができる。
【0041】
また押えコマ26,27へのばね受けねじ16及び調整ねじ18が、押えコマ26,27の右側寄りの位置において当接する構成を示したが、これに限らず、押えコマ26,27の中央位置で当接するように構成しても良い。いずれの場合においても、ばね受けねじ16及び調整ねじ18の中心線を結んだ線がY軸に平行となるようにされるものとする。
【0042】
枠押え30は、外枠10の開口部11bに配設されるものである。枠押え30は、外周側面部に雄ねじ部30aを有している。また、外枠10の開口部周縁には円筒型の立壁13が形成されており、この立壁13には図示しない雌ねじ部が形成されている。枠押え30の雄ねじ部30aを開口部11bの立壁13の雌ねじに螺合させて回しながら配設することにより、枠押え30は、外枠10の凹部12内の焦点鏡枠24及び押えコマ26,27と、突当て面32で当接し、焦点鏡枠24及び押えコマ26,27を受け板14側へ押圧して、前後方向(Z軸方向)の動きを拘束する。なお、図1に示す枠押え30に設けられた孔31,31は、枠押え30を開口部11bに取り付ける取付具を係合させるための係合穴である。
【0043】
次に上記焦点鏡調整装置Sを測量機の鏡筒1へ取り付ける方法について説明する。図5に示すように、鏡筒1には、焦点鏡調整装置Sを取り付けるための、開口1a及びねじ孔1bが形成されている。開口1aは外枠10の立壁13を嵌合可能な大きさに形成されている。この開口1aへ外枠10の立壁13を嵌合させて、さらに外枠固定ねじ15を外枠10のねじ孔15a及び鏡筒1のねじ孔1aへ係合させて締め付けることにより、焦点鏡調整装置Sを鏡筒1へ取り付ける。
【0044】
次に上記構成からなる焦点鏡調整装置Sの動作について説明する。図4に示すように、焦点鏡枠24は上下方向に一対のコマ26,27を介して、コマ26側から、コイルばね17のばね力で矢印C方向に押圧される。焦点鏡枠24は、コマ26,27の間で挟持されて、焦点鏡枠24の側縁端面25aがガイドピン20に向けて矢印D方向に圧接される。
【0045】
そして、調整ねじ18を締め付ける方向に回動させ、矢印E方向に移動させると、焦点鏡枠24は、コイルばね17のばね力に抗してガイドピン20に沿ってY方向にスライドする。
【0046】
さらに、焦点鏡枠24は、側面24a,24bが、図に示すZ軸方向及びX軸方向から見てハ字型に傾斜するように形成されているので、コマ26,27によって挟持されることにより、調整ねじ18の締め付けに伴って焦点鏡枠24は矢印F方向に、コマ26,27は矢印F方向と反対方向に押圧され、枠押え30と受け板14にそれぞれ圧接して保持される。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、一本の調整ねじを回すことで、焦点鏡の十字線中心を、視準軸に垂直な面と、視準軸を含む鉛直面の交線上に合わせることができ、焦点鏡の調整に要する時間を削減することができ、作業効率性を向上させることが可能となる。また調整に熟練を必要とすることなく正確且つ簡単に焦点鏡の調整を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焦点鏡調整装置の図2におけるА−А線断面説明図である。
【図2】本発明の焦点鏡調整装置の正面図である。
【図3】図1におけるB−B線断面説明図である。
【図4】焦点鏡枠,コマ,ガイドピンを示す斜視図である。
【図5】焦点鏡調整装置の測量機への取付を示す説明図である。
【図6】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 鏡筒
10 外枠
11a,11b 開口部
12 凹部
13 立壁
14 受け板
15 外枠固定ねじ
16 ばね受けねじ
17 コイルばね
18 調整ねじ
19 鋼球
20 ガイドピン
23 焦点鏡
24 焦点鏡枠
26,27 押えコマ
30 枠押え
S 焦点鏡調整装置
Claims (5)
- リング状の外枠の前面側には枠押さえが、背面側には受け板がそれぞれ固定され、
外枠内部には上下に延びるガイドピンが配設されるとともに、焦点鏡を囲繞する楔型の焦点鏡枠が一対のコマによって上下方向に支持され、
一方のコマにはばね受けねじに取り付けられた圧縮ばねが作用し、他方のコマには外枠に形成された雌ねじ部に螺合貫通する調整ねじが係合し、
該調整ねじの回動によって前記焦点鏡枠がガイドピンに沿って上下にスライドすることを特徴とする焦点鏡調整装置。 - 前記一対のコマには係合孔が形成され、該係合孔に前記ばね受けねじ及び前記調整ねじがそれぞれ係合したことを特徴とする請求項1記載の焦点鏡調整装置。
- 前記焦点鏡枠と前記コマとの当接面をそれぞれ傾斜面とし、調整ねじの締め付けに伴って焦点鏡枠が枠押えに、コマが受け板に圧接されるように形成したことを特徴とする請求項2記載の焦点鏡調整装置。
- 前記調整ねじ側に位置するコマに形成された係合孔には鋼球が配設され、該鋼球を介して前記調整ねじと前記コマとが当接することを特徴とする請求項2記載の焦点鏡調整装置。
- 前記ガイドピンは丸棒であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の焦点鏡調整装置。
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