JP3852318B2 - 車両用後写鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用後写鏡に係り、特に、リモートコントロール式の車両用後写鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6〜図7は、従来のリモートコントロール式の車両用後写鏡を示すものである。この車両用後写鏡100は、図示せぬミラーホルダを介してミラーを固定するミラーベース102と、該ミラーベース102を傾動自在に装着し該ミラーベース102を介してミラーの鏡面角度を調整する駆動ユニット103と、を備えて構成されている。
【0003】
ミラーベース102は、ミラーベース本体104と、該ミラーベース本体104の略中央部に設けられ、球凸面105aおよび該球凸面105aの裏面の球凹面105bを有する装着部105と、同じくミラーベース本体104に設けられたピボット受部106と、を備えて構成されている。
【0004】
一方、駆動ユニット103は、ケーシング107と、このケーシング107の中央部に設けられ、前記ミラーベース102の球凸面105aを受けてミラーベース102を傾動自在に支持する球凹面108と、該ケーシング107内に内蔵される図示せぬ駆動モータと、この駆動モータによってケーシング107から進退する進退ロッド110と、該進退ロッド110の先端部に設けられ、前記ミラーベース102のピボット受部106内に摺動自在に装着される略球状のピボット111と、を備えて構成されている。
【0005】
そして、ミラーベース102は、半球状ワッシャ113とコイルスプリング114と平ワッシャを一体に備えるスクリュウ116とからなる取付手段を介して、駆動ユニット103に取り付けられる。つまり、半球状ワッシャ113と平ワッシャ115との間に介装されたコイルスプリング114の弾性復元力で、半球状ワッシャ113を介してミラーベース102の球凸面105aを駆動ユニット102の球凹面108に圧接させることにより、ミラーベース102が駆動ユニット103に傾動自在に取り付けられている。
【0006】
ここで、このような従来の車両用後写鏡100にあっては、半球状ワッシャ113の球凸面113aとミラーベース102の球凹面105bとを当接させ、且つ、ミラーベース102の球凸面105aと駆動ユニット103の球凹面108とを当接させることで、駆動ユニット103に傾動自在にミラーベース102を取り付けるものであるから、上述の4球面の精度をそれぞれ高精度に管理しなければならなかった。
【0007】
そこで、従来技術の中には、このような課題を解決するものとして、特開平8−104172号公報に開示されるようなものがある。この特開平8−104172号公報に開示される車両用後写鏡は、上述の球面状ワッシャおよび平ワッシャおよびコイルスプリングを廃止して、その代わりに、ミラーベースの球凹面に圧接され、ミラーベースの球凸面を駆動ユニットの球凹面に圧接する板状ワッシャを用いた構造をとっている。そのため、部品点数を少なくでき、また、球面ワッシャの廃止により管理を必要とする球面の数が削減される利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者および後者のいずれの従来技術にあっても、圧接部材(前者従来技術にあっては半球状ワッシャ113によって、後者従来技術にあっては板状ワッシャ)によって、ミラーベースの球凸面を駆動ユニットの球凹面に圧接する構造であるため、例えば図6に示すように、傾動終点においてミラーベース102が浮き上がってしまいミラーの鏡面角度を正確に制御できないおそれがある。
【0009】
本発明はこのような従来技術をもとに為されたもので、管理が必要な球面を少なく構成するとともに傾動終点でミラーベースが駆動ユニットから浮き上がってしまうようなことがない車両用後写鏡を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明にあっては、ミラーを固定するミラーベースと、該ミラーベースを傾動する駆動ユニットと、を備えた車両用後写鏡において、前記駆動ユニットのケーシングに、前記ミラーベースの傾動支点を構成する略球状のピボットを設ける一方、前記ミラーベースに、前記ピボットが圧入嵌合されるピボット装着部を設け、ピボットは、ピボット軸方向先端側に面取部を備えるとともに該面取部の略中央に小突起を備え、ピボット装着部は、ピボット軸方向先端側に前記ピボットの小突起と当接すると共に該ピボットの面取部との間の間隙を有する平坦部を備えることを特徴とするものである。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、駆動ユニットのケーシングにミラーベースの傾動支点を構成する略球状のピボットを設ける一方、前記ミラーベースに前記ピボットが圧入嵌合されるピボット装着部を設けた構造であるため、ミラーベースはピボットを中心に傾動自在となる。このとき、管理が必要な球面は2つで済む。また、従来のように押圧部材を介して球凹面(球凸面)に球凸面(球凹面)を圧接する構造ではないため、駆動終点におけるミラーベースの浮き上がりを防止できる。
【0013】
また、請求項1記載の発明によれば、ピボットは、ピボット軸方向先端側に面取部を備えるとともに該面取部の略中央に小突起を備え、ピボット装着部は、ピボット軸方向先端側に前記ピボットの小突起と当接すると共に該ピボットの面取部との間の間隙を有する平坦部を備えることで、ミラーベースが小突起および面取部と平坦部との間の間隙を利用して傾動可能となる。そのため、ピボット軸方向に沿って車両用後写鏡を薄型化することができる。
【0014】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の車両用後写鏡において、前記ピボット装着部のピボット挿入端部に複数のスリットを設けたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、ピボット挿入端部に複数のスリットを設けたため、ピボット装着部へのピボットの圧入嵌合に要する圧入力を低減することができる。
【0016】
請求項3記載の発明にあっては、請求項1または2記載の車両用後写鏡において、ピボット挿入端部の内周面に、周縁に向けて漸次拡径形成されピボットの圧入をガイドする圧入ガイド面を設けたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果に加え、ピボット挿入端部の内周面に圧入ガイド面を設けたため、盲作業であってもピボットのピボット装着部への圧入嵌合が容易にできる。
【0018】
請求項4記載の発明にあっては、請求項1〜3の何れか1項記載の車両用後写鏡において、前記ピボット挿入端部の外周面に、該ピボット挿入端部を締め付けるスプリング部材を外嵌したことを特徴とするものである。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3記載の発明の効果に加え、スプリング部材によってピボット挿入端部を締め付けることで、ピボット装着部からピボットが離脱することを確実に防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1〜図5は本発明の車両用後写鏡の一実施形態を示すもので、図1はこの実施形態の車両用後写鏡の分解斜視図、図2は同車両用後写鏡の破断部を含む下面図、図3は同車両用後写鏡の要部を示す分解図、図4は同車両用後写鏡のミラーベースの一傾動状態を示す下面図、図5は同車両用後写鏡のミラーベースの一傾動状態を示す下面図である。
【0021】
この実施形態では、車両左側の車両用後写鏡を図示して説明する。この実施形態の車両用後写鏡1は、図示せぬミラーと、該ミラーを保持する図示せぬミラーホルダと、該ミラーホルダを介してミラーを固定するミラーベース2と、駆動ユニット3と、スプリング部材4と、を備えて構成されている。
【0022】
駆動ユニット3は、一対の割ケース31a、31bが組み合わされて構成されるケーシング31と、該ケーシング31内に内蔵される上下傾動用の図示せぬ駆動モータおよび左右傾動用の駆動モータと、上下傾動用の駆動モータによって前記ケーシング31から進退する上下傾動用の進退ロッド34と、左右傾動用の駆動モータによって前記ケーシング31から進退する左右傾動用の進退ロッド35と、を備えて構成されている。
【0023】
進退ロッド34、35は、その先端部が略球状のピボット34b、35bとして構成され、後述するミラーベース2のピボット受部23、24内に回動自在に装着されるようになっている。
【0024】
そして、駆動ユニット3のケーシング31には、該ケーシング31の中央部からピボット軸部36を介して一体に突設された略球状のピボット37が形成されていて、このピボット37が後述するミラーベース2のピボット装着部22に圧入嵌合され、該ピボット装着部22内に回動自在となっている。
【0025】
一方、ミラーベース2は、ミラーベース本体21と、該ミラーベース本体21の略中央部に設けられ、駆動ユニット3のピボット37を回動自在に装着する摺動面22aを有するピボット装着部22と、を備えて構成されている。
【0026】
ミラーベース本体21には、駆動ユニット3の左右方向駆動用の進退ロッド34のピボット34bと係合するピボット受部23が設けられ、また、上下方向駆動用の進退ロッド35のピボット35bと係合するピボット受部24が設けられている。なお、この実施形態のミラーベース2にあっては、左右の車両用後写鏡で共用できるようにピボット装着部22を跨いで前記ピボット受部23の反対側にも左右方向駆動用のピボット受部25が設けられており、右用の駆動ユニットと組み合わせることができるようになっている。
【0027】
また、ミラーベース2のミラーベース本体21には、前記ピボット装着部22を跨いでその両側にガイド軸26b、26bを有する開口部26、26が設けられ、これに対向して駆動ユニット3のケーシング31には、前記一対のガイド軸26b、26bを摺動自在に保持するU字状の一対のガイド部38、38が設けられ、これらガイド軸26b、26bとガイド部38、38との係合によりミラーベース2がピボット軸16の軸方向を中心として回動してしまわないようになっている。
【0028】
ここで、この実施形態のピボット37は、その上四半部が切り欠かれた面取部37bとして構成され、この面取部37bの中央部には略半球状の小突起37cが設けられている。なお、この実施形態のピボット37は、中空状に形成されていているとともにその内部に中央から放射状に延びるリブ37dが形成されている。一方、このピボット37を装着するピボット装着部22は、その先端側が前記ピボット37の小突起37cと当接すると共に該ピボット37の面取部37bとの間の間隙Sを有する平坦部22bとして構成されている。そのため、ミラーベース2は上記間隙Sを利用して傾動できるようになっていて、左右傾動用の駆動モータを作動して左右傾動用の進退ロッド34を進退させると、ミラーベース2を介してミラーの鏡面が左右方向に傾動し(図4〜5参照)、上下傾動用の駆動モータを作動して上下傾動用の進退ロッド35を進退させると、ミラーベース2を介してミラーが上下方向に傾動するようになっている。
【0029】
また、この実施形態のピボット装着部22にあっては、このピボット挿入端部22cの内周面には周縁に向けて漸次拡径形成された圧入ガイド面22eが設けられていて、この圧入ガイド面22eによってピボット37の圧入がガイドされる。また、ピボット挿入端部22cにピボット軸36の軸方向に沿って4本のスリット22dが形成されていて、このスリット22dによってピボット装着部22へのピボット23の圧入嵌合に要する圧入力が低減されている。なお、この実施形態のピボット装着部22はピボット37が圧入嵌合されるように構成されるものであるため、摺動面22aのピボット挿入端部22c側にピボット37の最大径よりも小径のくびれ部22fが形成されている。
【0030】
また、ピボット挿入端部22cの外周面には、予期せぬ大きな衝撃によってピボット37からミラーベース2が脱落することを防止するためのスプリング部材4が外嵌されている。このスプリング部材4は、金属製で、閉塞端部4bを支点として拡開変形可能な自由端4c、4cを有するリング状の線材から形成されている。
【0031】
さて、このように構成される車両用後写鏡は、以下のように組立られる。
【0032】
まず、駆動ユニット3のピボット37にミラーベース2のピボット装着部22のピボット挿入端部22cを対向させるとともに進退ロッド34、35のピボット34b、35bにピボット受部23、24を対向させた状態とする。
【0033】
次に、この状態で、ピボット装着部22にピボット37を圧入嵌合させるとともに、ピボット受部23、24に進退ロッド34、35のピボット34b、35bを圧入嵌合させる。このとき、盲作業であってもピボット挿入端部の圧入ガイド面22eによってピボット37の圧入がガイドされる。
【0034】
そして、ピボット装着部22のピボット挿入端部22cの外周面の係止突起22gを乗り越えて、ピボット挿入端部22cの根元部にスプリング部材4を外嵌して組立を完了する。
【0035】
このような実施形態の車両用後写鏡1によれば、駆動ユニット3のケーシング31と一体に略球状のピボット37を設け、ミラーベース2にピボット37が圧入嵌合されるピボット装着部22を設けた構造であるため、管理が必要な球面は2つで済む。また、従来のように押圧部材を介して球凹面(球凸面)に球凸面(球凹面)を圧接する構造ではないため、駆動終点におけるミラーベース2の浮き上がりを防止できる(図4〜5参照)。
【0036】
また、駆動ユニット3にミラーベース2を装着するに際して、所定の装着位置に位置決めした後、単にミラーベース2を駆動ユニット3に向けて押圧するのみで装着が完了するので、駆動ユニット3とミラーベース2との組立を容易に自動化できる付随効果がある。
【0037】
また、この実施形態の車両用後写鏡1によれば、ピボット37に面取部37bを設ける共に該面取部37bの略中央にの小突起37cを設け、前記ピボット装着部22に、小突起37cと当接すると共に面取部37bとの間の間隙Sを有する平坦部22bを設けたため、車両用後写鏡1をピボット軸36の軸方向に沿って薄型化しつつも、ミラーベース2が間隙Sを利用して傾動可能となる。
【0038】
また、この実施形態の車両用後写鏡1によれば、ピボット挿入端部22cに該ピボット挿入端部22cに複数のスリット22dを設けたため、ピボット37の圧入時にはピボット挿入端部22cが拡開変形してピボット装着部22へのピボット37の圧入に要する圧入力を低減することができる。
【0039】
また、この実施形態の車両用後写鏡1によれば、ピボット装着部22のピボット挿入端部22cにピボット37の圧入をガイドする圧入ガイド面22eを設けたため、盲作業であってもピボット37のピボット装着部への圧入嵌合が容易にできる。
【0040】
また、この実施形態の車両用後写鏡1によれば、ピボット装着部22のピボット挿入端部22cの外周面に、ピボット装着部22からピボット37が離脱することを防止するスプリング部材4を外嵌した構造としてため、予期せぬ大きな衝撃力が加わってもピボット装着部22からピボット37が離脱するようなことを防止できる。
【0041】
【発明の効果】
この発明によれば、駆動ユニットのケーシングにミラーハウジングの傾動支点を構成する略球状のピボットを設け、ミラーベースに前記ピボットが圧入嵌合されるピボット装着部を設けた構造であるため、管理が必要な球面は2つで済む。また、従来のように押圧部材を介して球凹面(球凸面)に球凸面(球凹面)を圧接する構造ではないため、駆動終点におけるミラーベースの浮き上がりを防止でき、駆動終点においても鏡面の制御が正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この実施形態の車両用後写鏡の分解斜視図。
【図2】同車両用後写鏡の破断部を含む組立図。
【図3】同車両用後写鏡の要部を示す分解図。
【図4】同車両用後写鏡のミラーベースの一傾動状態を示す図。
【図5】同車両用後写鏡のミラーベースの一傾動状態を示す図。
【図6】従来の車両用後写鏡を示す図。
【図7】図6の車両用後写鏡の要部を示す分解図。
【符号の説明】
1 車両用後写鏡
2 ミラーベース
3 駆動ユニット
22 ピボット装着部
22b 平坦部
22c ピボット挿入端部
22d スリット
22e 圧入ガイド面
31 ケーシング
37 ピボット
37b 面取部
37c 小突起
S 間隙
Claims (4)
- ミラーを固定するミラーベースと、該ミラーベースを傾動する駆動ユニットと、を備えた車両用後写鏡において、
前記駆動ユニットのケーシングに、前記ミラーベースの傾動支点を構成する略球状のピボットを設ける一方、前記ミラーベースに、前記ピボットが圧入嵌合されるピボット装着部を設け、
前記ピボットは、ピボット軸方向先端側に面取部を備えるとともに該面取部の略中央に小突起を備え、
前記ピボット装着部は、ピボット軸方向先端側に前記ピボットの小突起と当接すると共に該ピボットの面取部との間の間隙を有する平坦部を設けたことを特徴とする車両用後写鏡。 - 請求項1記載の車両用後写鏡において、
前記ピボット装着部のピボット挿入端部に、複数のスリットを設けたことを特徴とする車両用後写鏡。 - 請求項1または2記載の車両用後写鏡において、
前記ピボット挿入端部の内周面に、周縁に向けて漸次拡径形成され、ピボットの圧入をガイドする圧入ガイド面を設けたことを特徴とする車両用後写鏡。 - 請求項1〜3の何れか1項記載の車両用後写鏡において、
前記ピボット挿入端部の外周面に、該ピボット挿入端部を締め付けるスプリング部材を外嵌したことを特徴とする車両用後写鏡。
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