JP3908509B2 - ゲルマニウム原子ならびにシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂およびその製造方法 - Google Patents

ゲルマニウム原子ならびにシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲルマニウム原子ならびにシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂および、その製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は半導体などの保護膜、層間絶縁膜や、光導波路や、光ファイバー、光学レンズ、光フィルターなどの光学材料として好適に使用しうる高純度のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂および、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、主鎖がシリコン原子であるシリコーンラダーポリマーは、この分子構造に起因して耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性に優れており、電子部品あるいは半導体装置などの保護膜、層間絶縁膜用材料として用いられている。
【0003】
このラダーポリマーの従来の製造方法が特開昭60−124943号公報に提案されている。その製造方法としては、まず有機溶媒溶液中でトリエトキシランを加水分解し、その後減圧下重合させ、ジメチルクロロシランで末端修飾し、有機溶媒で精製してシリコーンラダーポリマーを得るというものである。
【0004】
しかし、主鎖にゲルマニウム原子とシリコン原子が混在するラダーポリマーの製造方法に関しては報告されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
主鎖にゲルマニウム原子とシリコン原子が混在するラダーポリマーの製造方法は報告されていないが、前記のような主鎖がシリコン原子であるシリコーンラダーポリマーの従来の製造方法では、シリコーンラダーポリマーが得られたとしても、製造されたシリコーンラダーポリマーには、多量の不純物や副生成物が含まれている。これは、末端修飾後の精製が不十分であったり、加水分解後の反応を35℃という高温で行うなど不純物や副生成物が除去されにくい条件で製造されたことによるものである。また、得られたポリマー中には反応が進行しなかったモノマー成分が含まれるため、室温下での保存安定性が低く、ゲル化物を発生する。また、製造されたシリコーンラダーポリマーの重合度(n)は、5〜300であり、重量平均分子量は10万以下にとどまり、厚膜形成は困難であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記従来技術の問題点に鑑みて、かかる問題点を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、冷却下で加水分解することによって高純度でラダーポリマーが得られることを見いだした。また、得られた高純度ラダーポリマーを沈澱物として回収した場合、半導体の保護膜、層間絶縁膜などに好適に使用しうる厚膜形成可能な高分子量の高純度ラダーポリマーが得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の第1のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂は、一般式(1):
【0008】
【化4】
Figure 0003908509
【0009】
(式中、R1およびR2はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基であり、nは5〜10,000に対する自然数を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表されるゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂であって、ラダーポリマー中に含有されるシリコンとゲルマニウムの割合が、シリコンが99.9重量%以下、ゲルマニウムが0.1重量%以上であるラダー型耐熱性樹脂である。
【0010】
本発明の第1のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法は、一般式(2):
7XOR8OR9OR10 (2)
(R7はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、R8、R9、R10は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表される化合物を有機溶剤に溶解し、超純水を用いて冷却下で加水分解した後、加熱することを特徴とする、末端にアルコキシ基、または水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換されたアルコキシ基を有し、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である前記記載のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法である。
【0011】
本発明の第2のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法は、第1の製造方法において、前記加水分解ののち、得られた加水分解物を超純水により洗浄し、末端にアルコキシ基、または水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換されたアルコキシ基を有し、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である一般式(1):
【0012】
【化5】
Figure 0003908509
【0013】
(式中、R1およびR2はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基であり、nは5〜10,000に対する自然数を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表される高純度ラダープレポリマーを得たのち、前記高純度ラダープレポリマーを有機溶媒に溶解させ、加熱することを特徴とするゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法である。
【0014】
本発明の第3のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法は、一般式(3):
11XCl3 (3)
(R11はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表される化合物を、有機溶剤に溶解し、超純水を用いて冷却下で加水分解した後、加熱することを特徴とする、末端に水酸基を有し、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である前記記載のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法である。
【0015】
本発明の第4のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法は、第3の製造方法において、前記加水分解ののち、得られた加水分解物を超純水により洗浄し、末端に水酸基を有し、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である一般式(1):
【0016】
【化6】
Figure 0003908509
【0017】
(式中、R1およびR2はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基であり、nは5〜10,000に対する自然数を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表される高純度ラダープレポリマーを得たのち、前記高純度ラダープレポリマーを有機溶媒に溶解し、加熱することを特徴とするのゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法である。
【0018】
本発明の第5のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法は、請求項2、3、4または5記載のラダーポリマーを粉末にし、貧溶媒と混合撹拌することによって精製することを特徴とする、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である前記記載のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法である。
【0019】
本発明の第6のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法は、請求項2、3、4または5記載のラダーポリマーの有機溶媒溶液を不純物除去装置で精製することを特徴とする、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である前記記載のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法である。
【0020】
本発明の第7のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法は、前記記載の不純物除去装置がイオン交換体である前記記載のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の高純度ラダーポリマーは、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である一般式(1):
【0022】
【化7】
Figure 0003908509
【0023】
(式中、R1およびR2はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基であり、nは5〜10,000に対する自然数を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表されるものである。
【0024】
前記高純度ラダーポリマー中に含有されるシリコンとゲルマニウムの割合は、シリコンが99.9重量%以下が好ましく、またゲルマニウムが0.1重量%以上が好ましい。シリコンが99.9重量%より多いとゲルマニウムが構造中に取り込まれにくい傾向がある。また、ゲルマニウムが0.1重量%より少ないと同様にゲルマニウムが構造中に取り込まれにくい傾向がある。
【0025】
本発明の高純度ラダーポリマーの製造方法を以下に説明する。
【0026】
前記ラダーポリマーは、原料として一般式(2):
7XOR8OR9OR10 (2)
(R7はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、R8、R9、R10は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表されるオルガノトリアルコキシシラン、またはオルガノトリアルコキシゲルマニウムを用いて製造される。
【0027】
前記オルガノトリアルコキシシラン化合物、またはオルガノトリアルコキシゲルマニウム化合物は、あらかじめ減圧下でチッ素気流中で蒸留して精製したものであるのが好ましい。
【0028】
前記オルガノトリアルコキシシラン化合物は、例えばR7がフッ素原子で、R8、R9、R10は低級アルキル基を示す化合物としては、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、またはフルオロトリプロポキシシラン。また、R7が水素原子の全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、またはアリール基で、R8、R9、R10は低級アルキル基を示す化合物としては、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリプロポキシキシシラン、3−トリフルオロメチルプロピルトリメトキシシラン、3−トリフルオロメチルプロピルトリエトキシシラン、3−トリフルオロメチルプロピルトリプロポキシシラン、3−トリフルオロメチルフェニルトリメトキシシラン、3−トリフルオロメチルフェニルトリエトキシシラン、または3−トリフルオロメチルフェニルトリプロポキシシラン。また、R7が水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、またはアリール基で、R8、R9、R10は低級アルキル基を示す化合物としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、2−フェニルビニルトリメトキシシラン、2−フェニルビニルトリエトキシシラン、2−フェニルビニルトリプロポキシシラン、3−フェニルアリルトリメトキシシラン、3−フェニルアリルトリエメトキシシラン、3−フェニルアリルトリプロポキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロッポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、またはn−プロピルトリプロポキシシラン、などがあげられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0029】
また、前記オルガノトリアルコキシゲルマニウム化合物は、例えばR7がフッ素原子で、R8、R9、R10は低級アルキル基を示す化合物としては、フルオロトリメトキシゲルマニウム、フルオロトリエトキシゲルマニウム、またはフルオロトリプロポキシゲルマニウム。また、R7が水素原子の全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、またはアリール基で、R8、R9、R10は低級アルキル基を示す化合物としては、トリフルオロメチルトリメトキシゲルマニウム、トリフルオロメチルトリエトキシゲルマニウム、トリフルオロメチルトリプロポキシキシゲルマニウム、3−トリフルオロメチルプロピルトリメトキシゲルマニウム、3−トリフルオロメチルプロピルトリエトキシゲルマニウム、3−トリフルオロメチルプロピルトリプロポキシゲルマニウム、3−トリフルオロメチルフェニルトリメトキシゲルマニウム、3−トリフルオロメチルフェニルトリエトキシゲルマニウム、または3−トリフルオロメチルフェニルトリプロポキシゲルマニウム。また、R7が水素原子、低級アルキル基、アルケニル基またはアリール基で、R8、R9、R10は低級アルキル基を示す化合物としては、フェニルトリメトキシゲルマニウム、フェニルトリエトキシゲルマニウム、フェニルトリプロポキシゲルマニウム、2−フェニルビニルトリメトキシゲルマニウム、2−フェニルビニルトリエトキシゲルマニウム、2−フェニルビニルトリプロポキシゲルマニウム、3−フェニルアリルトリメトキシゲルマニウム、3−フェニルアリルトリエメトキシゲルマニウム、3−フェニルアリルトリプロポキシゲルマニウム、トリメトキシゲルマニウム、トリエトキシゲルマニウム、トリプロポキシゲルマニウム、ビニルトリメトキシゲルマニウム、ビニルトリエトキシゲルマニウム、ビニルトリプロポキシゲルマニウム、アリルトリメトキシゲルマニウム、アリルトリエトキシゲルマニウム、アリルトリプロポキシゲルマニウム、メチルトリメトキシゲルマニウム、メチルトリエトキシゲルマニウム、メチルトリプロポキシゲルマニウム、エチルトリメトキシゲルマニウム、エチルトリエトキシゲルマニウム、エチルトリプロッポキシゲルマニウム、n−プロピルトリメトキシゲルマニウム、n−プロピルトリエトキシゲルマニウム、またはn−プロピルトリプロポキシゲルマニウム、などがあげられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0030】
また、前記ラダーポリマーは、原料として一般式(3):
11XCl3 (3)
(R11はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかである。)で表されるトリクロロシラン化合物、またはトリクロロゲルマニウム化合物を用いても製造される。
【0031】
前記トリクロロシラン化合物、またはトリクロロゲルマニウム化合物はあらかじめ減圧下でチッ素気流中で蒸留して精製したものであるのが好ましい。精製された該トリクロロシラン化合物、またはトリクロロゲルマニウム化合物は、空気中の湿気によって容易に加水分解し、塩化水素を発生するので、湿気を含む空気中に曝さないようにして取り扱うのが好ましい。
【0032】
前記オルガノトリアルコキシシラン化合物としては、例えばフルオロトリクロロシラン、トリフルオロメチルトリクロロシラン、3−トリフルオロメチルプロピルトリクロロシラン、3−トリフルオロメチルフェニルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、2−フェニルビニルトリクロロシラン、3−フェニルアリルトリクロロシラン、トリメトキシシラン、トリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、アリルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、またはn−プロピルトリクロロシランなどが考えられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0033】
また、前記オルガノトリアルコキシゲルマニウム化合物としては、例えばフルオロトリクロロゲルマニウム、トリフルオロメチルトリクロロゲルマニウム、3−トリフルオロメチルプロピルトリクロロゲルマニウム、3−トリフルオロメチルフェニルトリクロロゲルマニウム、フェニルトリクロロゲルマニウム、2−フェニルビニルトリクロロゲルマニウム、3−フェニルアリルトリクロロゲルマニウム、トリメトキシゲルマニウム、トリクロロゲルマニウム、ビニルトリクロロゲルマニウム、アリルトリクロロゲルマニウム、メチルトリクロロゲルマニウム、エチルトリクロロゲルマニウム、またはn−プロピルトリクロロゲルマニウムなどが考えられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0034】
まず、前記一般式(2)および(3)で表されるオルガノトリアルコキシシラン、オルガノトリアルコキシゲルマニウム、オルガノトリクロロシラン化合物、もしくはオルガノトリクロロゲルマニウム化合物を有機溶媒に溶解させる。
【0035】
前記有機溶媒としては加水分解物を溶解しうる非水系の有機溶媒が用いられる。かかる有機溶媒の具体例としては、例えば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類、キシレン、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、またはブチルアルコール等のアルコール系などがあげられる。なかでも、電子工業用高純度薬品(ELグレード)が好ましい。また、前記有機溶媒は1種または2種以上混合して用いるのが好ましい。
【0036】
次に、前記有機溶媒にて前記化合物を溶解した溶液に、超純水、必要に応じて塩化水素を含有する超純水が滴下される。ここで前記超純水としては、不純物をできる限り除いた比抵抗が16MΩ・cm以上の純水が用いられることが好ましい。前記塩化水素を含有する超純水とは、共加水分解時に用いられ、原料である一般式(2)または一般式(3)で示される化合物の混合物1モル部に対して0.01〜0.23モル部の塩化水素(ELグレード)を含有する純水をいう。
【0037】
このとき、前記有機溶剤溶液を−40〜40℃に調整し、加水分解を行うことが好ましい。−40℃より低いとモノマーの反応性が低下し重合が進行しにくくなる傾向があり、40℃より高いと重合反応の途中でゲル化する傾向がある。超純水を滴下し終えた後は、加水分解反応を完結するために、さらに1〜5時間撹拌を継続するのが好ましい。撹拌時間が1時間より短いと未反応のモノマー成分が存在し、保存安定性が劣化する傾向があり、撹拌時間が5時間を越えると加水分解反応が完結しており、それ以上の効果が得られない傾向がある。
【0038】
前記加水分解反応終了後、反応液を有機溶媒層と水層の2層に分離する。例えば、分液漏斗などを用いて下層の水層を除去し、プレポリマーを含む有機溶剤層を回収する。
【0039】
高純度ラダープレポリマーの重合度(n)は、5〜10,000であるが、特に、重合度(n)が、40より小さいことが規則正しいラダー構造を得る点から好ましい。
【0040】
次に、回収された有機溶剤層の溶媒を留去し、さらに有機溶媒に溶解される。ついで、例えば、フッ素樹脂製撹拌棒、還流冷却器およびデーンスタークトラップを備えた石英ガラス製フラスコに得られた溶液を移し、加熱することで本発明の高純度ラダーポリマーを得ることができる。
【0041】
このとき、前記回収された有機溶剤層を、加熱前に超純水を用いて洗浄することが、プレポリマー中のナトリウムイオン、カリウムイオンをはじめ、多量に発生する塩素イオンが容易に取り除かれる点で、好ましい。
【0042】
前記洗浄は、特に限定されるものではなく、公知の種々の方法が採用されうる。その一例をあげれば、前記有機溶剤層を同容量の超純水と混合し、撹拌あるいは振とうした後、有機溶剤層を取り出す方法があげられる。かかる洗浄方法を採用した場合には、前記した洗浄の操作を3回以上繰り返して行うことが、プレポリマー中のナトリウムイオン、カリウムイオンをはじめ、多量に発生する塩素イオンが容易に取り除かれる点で好ましい。これらの不純物が除去されるのは、得られたプレポリマーが梯子型構造を有するものであり、不純物が分子内に取り込まれにくいためであると考えられる。前記プレポリマーは、有機溶媒に溶解した状態でもよく、溶媒を留去して液状あるいは粉末として回収しても構わない。
【0043】
その後、前記有機溶媒に溶解した状態のプレポリマーを加熱する。また、液状あるい粉末として回収したプレポリマーを、有機溶媒に溶解させ、例えば、フッ素樹脂製撹拌棒、還流冷却器およびデーンスタークトラップを備えた石英ガラス製フラスコに移し加熱する。
【0044】
前記プレポリマーを溶解させる有機溶媒の具体例としては、例えば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類、キシレン、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、またはブチルアルコール等のアルコール系などがあげられる。なかでも、電子工業用高純度薬品(ELグレード)が好ましい。また、前記有機溶媒を1種または2種以上混合して用いるのが好ましい。
【0045】
脱水縮合反応によりラダーポリマーを得るための前記加熱温度は、40℃〜250℃が好ましい。40℃より低いと、脱水縮合反応が進行しない可能性があり、250℃より高いと反応途中でゲル化する可能性がある。また、反応時間は0.5〜200時間が好ましい。0.5時間より短いと、同様に脱水縮合反応が進行しない可能性があり、200時間をこえても、脱水縮合反応が完結しており、重合度が増大しない可能性がある。かくして重合度(n)が5〜10,000である前記一般式(1)で示されるシリコーンラダーポリマーが得られる。より好ましい重合度(n)の範囲は、成膜時の膜厚均一性の点から5〜2,000である。重合度(n)が5より小さいと、保存安定性が悪く、ゲル化物が析出する傾向があり、重合度(n)が10,000をこえると可溶な溶剤がなく、ワニスを調液できない。該ポリマーの重合度(n)は、溶媒と触媒使用の有無及びそれらの使用量ならびに縮合反応時間を適宜選択することにより調整される。
【0046】
前記の方法により得られたラダーポリマーには、不純物が微量ながら含有されている場合があるため、以下の方法によって精製することが好ましい。
【0047】
まず、シリコーンラダーポリマーを固形物として回収出来る場合は、その固形物を乳鉢等を用いて粉砕し、粉末にする。また、固形として回収できないシリコーンラダーポリマーは、有機溶媒の一部もしくは全てを留去し、貧溶媒に徐々に滴下して固形物を濾別し、その固形物を乾燥させる。次に乳鉢等を用い固形物を粉砕し粉末にする。このとき、固形物を粉砕する方法は特に限定されない。
【0048】
次に、粉末にしたラダーポリマーを貧溶媒に添加し撹拌する。その後、固形物を回収し乾燥させる。前記乳鉢等を用い固形物を粉砕し、貧溶媒に添加し撹拌する操作を、1回以上行うことが好ましい。操作回数が多いほど、純度が良好となる傾向にある。
【0049】
貧溶媒は、例えば超純水、アルコール類、エステル類、ケトン類、もしくは芳香族炭化水素類の単品、またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。特に、不純物イオンの除去性の点から超純水、エタノール、メタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、1−メチルブチルアルコール、2−メチルブチルアルコール、もしくはt−ブチルアルコール、またはこれらの混合溶媒が好ましい。
【0050】
また、前記ラダーポリマーの精製方法として不純物除去装置を用いる方法がある。重合度(n)が5〜10,000である前記一般式(1)で示されるラダーポリマーが完全に有機溶媒に溶解している場合、その有機溶媒溶液を不純物除去装置、例えばイオン交換体を通す。本操作の回数が多いほど、純度が良好となる傾向にある。その後、有機溶媒を留去する。
【0051】
かくして得られたラダーポリマーを赤外分光法で分析したところ、前記ラダーポリマーが梯子型構造を有することを示すSi−O−Siの非対称伸縮振動に帰属される吸収ピークが、1135cm-1と1045cm-1に観測された。また、光電子スペクトル分析からBinding Energyが99eVにシリコン(2p3/2)、151eVにシリコン(2s)、122eVにゲルマニウム(3p3/2)、1217eV(2p3/2)が確認された。これらのことより前記ポリマーがゲルマニウム原子を主鎖に含むラダーポリマーであることが確認された。
【0052】
かくして、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、および塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である重合度(n)が5〜10,000の前記一般式(1)で示される高純度ラダーポリマーが得られる。
【0053】
ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、および塩素の各含有量が1ppmより大きいと、デバイスに搭載した際に誤動作を発生させたり、配線などの金属部を腐食させる傾向があり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppbより大きい場合も、デバイスの誤動作を引き起こす傾向がある。
【0054】
次に本発明の高純度ラダーポリマーおよびその製造方法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0055】
【実施例】
実施例1〜4
原料の種々のアルコキシシラン、アルコキシゲルマニウム、トリクロロシランおよびトリクロロゲルマニウムを減圧チッ素気流下で蒸留した。前記アルコキシシラン、アルコキシゲルマニウム、トリクロロシランもしくはトリクロロゲルマニウム、およびELグレードの溶媒を、表1に示す配合量で配合し、溶液を調製した。前記溶液を滴下漏斗、温度計、および撹拌棒を取り付けた2Lの4つ口フラスコへ移し、表1に示す温度(加水分解温度)に冷却した。冷却および撹拌下で、表1に示す量の超純水を前記4つ口フラスコへ徐々に滴下した。このときの発熱はあまり激しくなく、この滴下を0.5〜2時間かけて行った。滴下終了後、2時間撹拌を継続し、加水分解反応を完結させた。このプレポリマー溶液を分液漏斗に移し静置してプレポリマー溶液を2層に分離させた。下層の水層を除去し、プレポリマーを含む有機層を回収した。その後、表1に示す有機溶媒にプレポリマーを溶解させ、所定の時間加熱した。前記加熱された溶液を放冷後、有機溶媒を留去した。ついで、精製したテトラヒドロフランを加え、ポリマー成分含有量を表2に示す濃度とした。これを充分に撹拌して溶液とした後、10倍量の貧溶媒(超純水)に滴下し、ラダーポリマーの沈澱物を回収した。次に、乳鉢でラダーポリマーを粉末にし、前記貧溶媒に添加し撹拌を行い、ラダーポリマーの固形物を回収した。この粉砕後、貧溶媒に添加し攪拌する操作を2回繰り返した。
【0056】
このようにして合成した本発明の高分子量ラダーポリマーの重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(日本分光(株)製、品番:TRI−ROTAR−)にて測定し、ナトリウムイオン、カリウムイオン、鉄イオン、銅イオン、鉛イオン濃度を原子吸光分析装置(島津製作所(株)製、品番:IC−500)で、また塩素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー分析装置(横河北辰電機(株)製、品番:IC−500)で、放射性元素のウラン、トリウムの各濃度を分光蛍光光度計(日立製作所(株)製、品番:MPF−4)で分析した。結果を表2に示す。表2からわかるように高純度のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型ポリマーが得られた。得られた高純度ラダーポリマー、およびアニソールに溶解させた高純度ラダーポリマーを25℃にて保存したところ、1年以上粘度一定であった。
【0057】
また、得られた高純度ラダーポリマーのアニソール溶液をシリコン基板に塗布し、熱硬化させたところ、ピンホールを生じることなく良好な膜が得られた。
【0058】
実施例5〜8
原料の種々のアルコキシシラン、アルコキシゲルマニウム、トリクロロシランおよびトリクロロゲルマニウムを減圧チッ素気流下で蒸留した。前記アルコキシシラン、アルコキシゲルマニウム、トリクロロシランもしくはトリクロロゲルマニウムおよびELグレードの溶媒を、表1に示す配合量で配合し、溶液を調製した。前記溶液を滴下漏斗、温度計、および撹拌棒を取り付けた2Lの4つ口フラスコへ移し、表2に示す温度(加水分解温度)に冷却した。冷却および撹拌下で、表1に示す量の超純水を前記4つ口フラスコへ徐々に滴下した。このときの発熱はあまり激しくなく、この滴下を0.5〜2時間かけて行った。滴下終了後、2時間撹拌を継続し、加水分解反応を完結させた。このプレポリマー溶液を分液漏斗に移し静置してプレポリマー溶液を2層に分離させた。下層の水層を除去し、プレポリマーを含む有機層を回収した。その後、表1に示す有機溶媒にプレポリマーを溶解させ、加熱した。前記加熱された溶液を放冷後、ラダーポリマーの有機溶媒溶液をイオン交換体に通した。このイオン交換体に通す操作を2回繰り返した。
【0059】
このようにして合成した本発明の高分子量ラダーポリマーの重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(日本分光(株)製、品番:TRI−ROTAR−)にて測定し、ナトリウムイオン、カリウムイオン、鉄イオン、銅イオン、および鉛イオン濃度を原子吸光分析装置(島津製作所(株)製、品番:IC−500)で、また塩素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー分析装置(横河北辰電機(株)製、品番:IC−500)で、放射性元素のウラン、トリウムの各濃度を分光蛍光光度計(日立製作所(株)製、品番:MPF−4)で分析した。結果を表2に示す。表2からわかるように高純度のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性ポリマーが得られた。得られた高純度ラダーポリマー、およびアニソールに溶解させた高純度ラダーポリマーを25℃にて保存したところ、1年以上粘度一定であった。
【0060】
また、得られた高純度ラダーポリマーのアニソール溶液をシリコン基板に塗布し、熱硬化させたところ、ピンホールを生じることなく良好な膜が得られた。
【0061】
実施例9〜12
原料の種々のアルコキシシラン、アルコキシゲルマニウム、トリクロロシランおよびトリクロロゲルマニウムを減圧チッ素気流下で蒸留した。前記アルコキシシラン、アルコキシゲルマニウム、トリクロロシランもしくはトリクロロゲルマニウム、およびELグレードの溶媒を、表1に示す配合量で配合し、溶液を調製した。前記溶液を滴下漏斗、温度計、および撹拌棒を取り付けた2Lの4つ口フラスコへ移し、表3に示す温度(加水分解温度)に冷却した。冷却および撹拌下で表1に示す量の超純水を前記4つ口フラスコへ徐々に滴下した。このときの発熱はあまり激しくなく、この滴下を0.5〜2時間かけて行った。滴下終了後、2時間撹拌を継続し、加水分解反応を完結させた。このプレポリマー溶液を分液漏斗に移し静置してプレポリマー溶液を2層に分離させた。下層の水層を除去し、プレポリマーを含む有機層を回収した。この有機層に該有機層と同体積の超純水を加えて振とうして洗浄した。この操作を5回繰り返した。その後、表1に示す有機溶媒にプレポリマーを溶解させ、加熱した。前記加熱された溶液を放冷後、有機溶媒を留去した。ついで精製したテトラヒドロフランを加え、ポリマー成分含有量が表2に示す濃度とした。これを充分に撹拌して溶液とした後、10倍量の貧溶媒(超純水/メタノール=50/50の混合溶媒)に滴下し、ラダーポリマーの沈澱物を回収した。次に、乳鉢でラダーポリマーを粉末にし、前記貧溶媒に添加し撹拌を行った。その後、ラダーポリマーの固形物を回収した。この粉砕後、貧溶媒に添加し攪拌する操作を2回繰り返した。
【0062】
このようにして合成した本発明の高分子量ラダーポリマーの重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(日本分光(株)製、品番:TRI−ROTAR−)にて測定し、ナトリウムイオン、カリウムイオン、鉄イオン、銅イオン、および鉛イオン濃度を原子吸光分析装置(島津製作所(株)製、品番:IC−500)で、また塩素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー分析装置(横河北辰電機(株)製、品番:IC−500)で、放射性元素のウラン、トリウムの各濃度を分光蛍光光度計(日立製作所(株)製、品番:MPF−4)で分析した。結果を表2に示す。表2からわかるように高純度のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性ポリマーが得られた。得られた高純度ラダーポリマー、およびアニソールに溶解させた高純度ラダーポリマーを25℃にて保存したところ、1年以上粘度一定であった。
【0063】
また、得られた高純度ラダーポリマーのアニソール溶液をシリコン基板に塗布し、熱硬化させたところ、ピンホールを生じることなく良好な膜が得られた。
【0064】
実施例13〜16
原料の種々のアルコキシシラン、アルコキシゲルマニウム、トリクロロシランおよびトリクロロゲルマニウムを減圧チッ素気流下で蒸留した。前記アルコキシシランアルコキシゲルマニウム、トリクロロシランもしくはトリクロロゲルマニウム、およびELグレードの溶媒を、表1に示す配合量で配合し、溶液を調製した。前記溶液を滴下漏斗、温度計、および撹拌棒を取り付けた2Lの4つ口フラスコへ移し、表1に示す温度(加水分解温度)に冷却した。冷却および撹拌下で、表1に示す量の超純水を前記4つ口フラスコへ徐々に滴下した。このときの発熱はあまり激しくなく、この滴下を0.5〜2時間かけて行った。滴下終了後、2時間撹拌を継続し、加水分解反応を完結させた。このプレポリマー溶液を分液漏斗に移し静置してプレポリマー溶液を2層に分離させた。下層の水層を除去し、プレポリマーを含む有機層を回収した。この有機層に該有機層と同体積の超純水を加えて振とうして洗浄した。この操作を5回繰り返した。
【0065】
その後、表2に示す有機溶媒にプレポリマーを溶解させ、所定の時間加熱した。前記加熱された溶液を放冷後、イオン交換体に通した。このイオン交換体に通す操作を2回繰り返した。
【0066】
このようにして合成した本発明の高分子量ラダーポリマーの重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(日本分光(株)製、品番:TRI−ROTAR−)にて測定し、ナトリウムイオン、カリウムイオン、鉄イオン、銅イオン、および鉛イオン濃度を原子吸光分析装置(島津製作所(株)製、品番:IC−500)で、また塩素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー分析装置(横河北辰電機(株)製、品番:IC−500)で、放射性元素のウラン、トリウムの各濃度を分光蛍光光度計(日立製作所(株)製、品番:MPF−4)で分析した。結果を表2に示す。表2からわかるように高純度のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性ポリマーが得られた。得られた高純度ラダーポリマー、およびアニソールに溶解させた高純度ラダーポリマーを25℃にて保存したところ、1年以上粘度一定であった。
【0067】
また、得られた高純度ラダーポリマーのアニソール溶液をシリコン基板に塗布し、熱硬化させたところ、ピンホールを生じることなく良好な膜が得られた。
【0068】
次に実施例1〜16で得られた各ポリマーの重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(日本分光(株)製、品番:TRI−ROTAR−)にて測定した。その結果を表2に示す。その結果、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、および塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下であった。
【0069】
次に実施例1〜16で得られた各プレポリマーの構造を赤外分光法(日本分光(株)製、品番:FT/IR−111型)で調べたところ、1100cm-1付近にシロキサン結合のダブルピークが見られる(ジャーナル オブ ポリマーサイエンス(1963年刊)、C−1巻、83ページ)ことから、これらのポリマーはいづれも一般式(1):
【0070】
【化8】
Figure 0003908509
【0071】
(式中、R1およびR2はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基であり、nは5〜10,000に対する自然数を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表される構造を有することが確認された。
【0072】
【表1】
Figure 0003908509
【0073】
【表2】
Figure 0003908509
【0074】
比較例1〜4
表3に示す配合量、加水分解温度とするほかは、実施例1〜16と同様にして、表3に示す種々のトリアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、トリクロロゲルマニウムおよびトリクロロゲルマニウムの加水分解を行った。比較例1、3では、加水分解温度が−50℃と低く、滴下した超純水は凝固して加水分解反応が進行せず、重量平均分子量がきわめて小さかった。また比較例2、4では、加水分解温度が80℃、もしくは、75℃と高く、また反応濃度が高かったため、反応途中でゲル化が起こった。
【0075】
【表3】
Figure 0003908509
【0076】
【発明の効果】
本発明の第1の耐熱性樹脂によれば、半導体などの保護膜、層間絶縁膜や、光導波路や、光ファイバー、光学レンズ、光フィルターなどの光学材料として好適に使用しうる高純度のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂を得ることができる効果がある。
【0077】
本発明の第1の製造方法によれば、一般式(2):
7XOR8OR9OR10 (2)
(R7はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、R8、R9、R10は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表される化合物を一種類もしくは二種類以上を有機溶剤に溶解し、超純水を用いて冷却下で加水分解した後、加熱することを特徴とする、末端にアルコキシ基、または水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換されたアルコキシ基を有し、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下であるゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法であるので、半導体などの保護膜、層間絶縁膜や、光導波路や、光ファイバー、光学レンズ、光フィルターなどの光学材料として好適に使用しうる効果がある。
【0078】
本発明の第2の製造方法によれば、前記第1の製造方法において、加水分解ののち、得られた加水分解物を超純水により洗浄し、末端にアルコキシ基もしくは水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換されたアルコキシ基を有し、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である一般式(1):
【0079】
【化9】
Figure 0003908509
【0080】
(式中、R1およびR2はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基であり、nは5〜10,000に対する自然数を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表される高純度ラダープレポリマーを得たのち、前記高純度ラダープレポリマーを有機溶媒に溶解させ、加熱することを特徴とするゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法であるので、半導体などの保護膜、層間絶縁膜や、光導波路や、光ファイバー、光学レンズ、光フィルターなどの光学材料として好適に使用しうる効果がある。
【0081】
本発明の第3の製造方法によれば、一般式(3):
11XCl3 (3)
(R11はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表される化合物を、有機溶剤に溶解し、超純水を用いて冷却下で加水分解した後、加熱することを特徴とする、末端に水酸基を有し、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下であるゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法であるので、半導体などの保護膜、層間絶縁膜や、光導波路や、光ファイバー、光学レンズ、光フィルターなどの光学材料として好適に使用しうる効果がある。
【0082】
本発明の第4の製造方法によれば、前記第3の製造方法において、加水分解ののち、得られた加水分解物を超純水により洗浄し、末端に水酸基を有し、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である一般式(1):
【0083】
【化10】
Figure 0003908509
【0084】
(式中、R1およびR2はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基であり、nは5〜10,000に対する自然数を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表される高純度ラダープレポリマーを得たのち、前記高純度ラダープレポリマーを有機溶媒に溶解し、加熱することを特徴とする、末端に水酸基を有し、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下であるゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法であるので、半導体などの保護膜、層間絶縁膜や、光導波路や、光ファイバー、光学レンズ、光フィルターなどの光学材料として好適に使用しうる効果がある。
【0085】
本発明の第5の製造方法によれば、前記記載のラダーポリマーを粉末にし、貧溶媒と混合撹拌することによって精製することを特徴とする、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下であるゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法であるので、半導体などの保護膜、層間絶縁膜や、光導波路や、光ファイバー、光学レンズ、光フィルターなどの光学材料として好適に使用しうる効果がある。
【0086】
本発明の第6の製造方法によれば、前記記載のラダーポリマーの有機溶媒溶液を不純物除去装置で精製することを特徴とする、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下であるゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法であるので、半導体などの保護膜、層間絶縁膜や、光導波路や、光ファイバー、光学レンズ、光フィルターなどの光学材料として好適に使用しうる効果がある。
【0087】
本発明の第7の製造方法によれば、前記記載の不純物除去装置がイオン交換体であることを特徴とする、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下であるゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法であるので、半導体などの保護膜、層間絶縁膜や、光導波路や、光ファイバー、光学レンズ、光フィルターなどの光学材料として好適に使用しうる効果がある。

Claims (8)

  1. 一般式(1):
    Figure 0003908509
    (式中、R1およびR2はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基であり、nは5〜10,000に対する自然数を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表されるゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂であって、ラダーポリマー中に含有されるシリコンとゲルマニウムの割合が、シリコンが99.9重量%以下、ゲルマニウムが0.1重量%以上であるラダー型耐熱性樹脂
  2. 一般式(2):
    7XOR8OR9OR10 (2)
    (R7はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、R8、R9、R10は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表される化合物を有機溶剤に溶解し、超純水を用いて冷却下で加水分解した後、加熱することを特徴とする、末端にアルコキシ基、または水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換されたアルコキシ基を有し、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である請求項1記載のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法。
  3. 前記加水分解ののち、得られた加水分解物を超純水により洗浄し、末端にアルコキシ基、または水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換されたアルコキシ基を有し、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である一般式(1):
    Figure 0003908509
    (式中、R 1 およびR 2 はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基であり、nは5〜10,000に対する自然数を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表される高純度ラダープレポリマーを得たのち、前記高純度ラダープレポリマーを有機溶媒に溶解させ、加熱することを特徴とする請求項2記載のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法。
  4. 一般式(3):
    11XCl3 (3)
    (R11はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表される化合物を、有機溶剤に溶解し、超純水を用いて冷却下で加水分解した後、加熱することを特徴とする、末端に水酸基を有し、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である請求項1記載のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法。
  5. 前記加水分解ののち、得られた加水分解物を超純水により洗浄し、末端に水酸基を有し、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である一般式(1):
    Figure 0003908509
    (式中、R1およびR2はフッ素原子、水素原子、低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基、またはそれぞれ水素原子の一部もしくは全てがフッ素原子に置換された低級アルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基であり、同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、低級アルキル基、または水素の一部もしくは全てがフッ素に置換された低級アルキル基であり、nは5〜10,000に対する自然数を示す。また、Xは、シリコンまたはゲルマニウムのいずれかであり、同種でも異種でも良いが、必ずゲルマニウムを含む。)で表される高純度ラダープレポリマーを得た後、前記高純度ラダープレポリマーを有機溶媒に溶解し、加熱することを特徴とする請求項4記載のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法。
  6. 請求項2、3、4または5記載の製造方法により得られたラダーポリマーを粉末にし、貧溶媒と混合撹拌することによって精製することを特徴とする、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である請求項1記載のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法。
  7. 請求項2、3、4または5記載の製造方法により得られたラダーポリマーの有機溶媒溶液を不純物除去装置で精製することを特徴とする、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素の各含有量が1ppm以下であり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下である請求項1記載のゲルマニウム原子およびシリコン原子含有ラダー型耐熱性樹脂の製造方法。
  8. 前記不純物除去装置がイオン交換体である請求項7記載の製造方法。
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