JP3961773B2 - 位相検波回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、色搬送波の復調に用いられる位相検波回路に関するもので、特に、カラーテレビジョン受像機におけるAPC(Auto Phase Contorol)検波回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、カラーテレビジョン受像機においては、色搬送波を構成しているバースト信号とVCXO(電圧制御型クリスタルオシレータ)回路で生成される基準CW(連続波)信号との同期検波を行うAPC検波回路が設けられている。すなわち、色搬送波の復調は、たとえば図2に示すように、VCXO回路で生成される基準CW信号と色搬送波に含まれる搬送色信号とを位相検波することによって行われている。その際、上記基準CW信号は、たとえば図3に示すように、APC検波回路によって色搬送波に含まれているバースト信号と位相検波されることにより、色搬送波との同期が取られている。
【0003】
図4は、従来のAPC検波回路の構成例を示すものである。このAPC検波回路の場合、たとえば、npnトランジスタQ1〜Q6で構成されるダブルバランス回路11の、上記トランジスタQ1のベースには入力端子13よりバースト信号が入力される。また、上記トランジスタQ2のベースには電圧源V1からの電圧が印加される。
【0004】
上記トランジスタQ3および上記トランジスタQ6の各ベースには、VCXO回路15からの基準CW信号CW1が入力される。また、上記トランジスタQ4および上記トランジスタQ5の各ベースには、上記基準CW信号CW1と逆相の基準CW信号CW2が、上記VCXO回路15より入力される。
【0005】
上記トランジスタQ3および上記トランジスタQ4の各エミッタは、上記トランジスタQ1のコレクタと接続され、上記トランジスタQ5および上記トランジスタQ6の各エミッタは、上記トランジスタQ2のコレクタと接続されている。
【0006】
エミッタ結合回路を構成する、上記トランジスタQ1および上記トランジスタQ2の共通エミッタには、電流源I1および電流源I2が接続されている。上記電流源I1からは、標準時のAPC検波感度に対応する第1の電流が流れる。一方、上記電流源I2からは、標準時よりも高いAPC検波感度に対応する第2の電流と上記第1の電流との差分に相当する第3の電流が流れる。また、この電流源I2は、上記エミッタ結合回路の共通エミッタとの接続が、スイッチSW1により選択的に制御されるようになっている。
【0007】
上記ダブルバランス回路11を構成する、上記トランジスタQ3および上記トランジスタQ5の各コレクタには、カレントミラー回路17の入力である、pnpトランジスタQ7のコレクタおよびベースが接続されている。上記カレントミラー回路17は、抵抗R1,R3および上記トランジスタQ7とpnpトランジスタQ8とで構成されている。
【0008】
また、上記ダブルバランス回路11を構成する、上記トランジスタQ4および上記トランジスタQ6の各コレクタには、カレントミラー回路19の入力である、pnpトランジスタQ9のコレクタおよびベースが接続されている。カレントミラー回路19は、抵抗R2,R4および上記トランジスタQ9とpnpトランジスタQ10とで構成されている。
【0009】
一方、抵抗R5,R6およびnpnトランジスタQ11,Q12,Q13で構成されるカレントミラー回路21の入力である、上記トランジスタQ11のコレクタと上記トランジスタQ12のベースとの接続点には、上記カレントミラー回路17の出力である、上記トランジスタQ8のコレクタが接続されている。また、カレントミラー回路21の出力である、上記トランジスタQ13のコレクタには、上記カレントミラー回路19の出力である、上記トランジスタQ10のコレクタが接続されるとともに、APCフィルタ23の接続用端子25および上記VCXO回路15がそれぞれ接続されている。
【0010】
ここで、バースト信号に対して、基準CW信号CW1が90度進んだ位相を持ち、基準CW信号CW2が90度遅れた位相をもっているとする。今仮に、基準CW信号CW1,CW2がともに上記の設定より進んだ位相に変化した場合について考える。
【0011】
この場合、上記ダブルバランス回路11によって、カレントミラー回路17の入力電流(すなわち、上記トランジスタQ3,Q5に流れる電流)は増加し、カレントミラー回路19の入力電流(すなわち、上記トランジスタQ4,Q6に流れる電流)は減少する。これに伴って、カレントミラー回路17,19の出力電流も同じように変化する。したがって、カレントミラー回路21の入力方向に流れ込む電流は増加し、出力方向に流れる電流は減少することになる。
【0012】
この際、カレントミラー回路21の出力電流も増加する。しかし、カレントミラー回路19からの電流が減少しているため、この差分を補うように、APCフィルタ23より電流が引き抜かれ、同フィルタ23の電位が下がる。この電位は、VCXO回路15にも供給されている。そのため、VCXO回路15では、この電位によって基準CW信号CW1,CW2の位相を遅らせるように働く。これにより、バースト信号の位相および基準CW信号CW1,CW2の位相は、それぞれ、90度遅れた位相と進んだ位相とで安定するように制御される。
【0013】
APC検波感度とは、バースト信号の位相に対して、基準CW信号CW1,CW2の位相が安定するまでの応答性の速さを示すものである。これは、APCフィルタ23の接続用端子25の端子電圧が変化する早さに等しく、つまりは、APCフィルタ23に流れ込む電流量またはAPCフィルタ23より引き抜く電流量に等しい。この電流量は、上記電流源I1,I2の電流量により決定される。
【0014】
すなわち、従来のAPC検波回路においては、APC検波感度の切換えが、エミッタ結合回路の共通エミッタに対して電流源I1のみが接続されている場合と、電流源I1,I2が接続されている場合の、2通りであることが分かる。上記電流源I2は、色搬送波の入力がない無信号状態か白黒信号と判別された場合にのみ接続される。つまり、従来回路の場合、無信号状態または白黒信号と判別された場合と、その他の場合とで、APC検波感度の切換えを行っている。
【0015】
さらに言うと、従来のAPC検波回路では、色搬送波にバースト信号が含まれていない白黒信号または無信号状態のときにはAPC検波感度が高くなるように制御される。また、色搬送波にバースト信号が含まれているカラー信号のときには、白黒信号または無信号状態のときよりもAPC検波感度が低くなるように制御される。
【0016】
後掲する表1は、カラー信号が入力されているときのAPC検波感度を「標準状態」とした場合の、色搬送波とAPC検波感度との関係を示すものである。
【0017】
【表1】
【0018】
白黒信号または無信号状態の時にAPC検波感度を高くしている理由は、白黒信号または無信号状態からカラー信号の状態になったときにすばやく同期が取れるようにするためである。また、カラー信号状態時のAPC検波感度を、白黒信号または無信号状態の時よりも下げている理由は、APCフリッカを抑えるためである。
【0019】
以下に、APCフリッカについて説明する。
【0020】
基準CW信号は、最低でも、次のバースト信号が入力されるまでの期間、つまり、1水平周期間はその位相が保持される。よって、何らかの要因により位相の変化(位相ずれ)した基準CW信号によって色搬送波の復調を行った場合、色相がずれる結果となる。つまり、復調された色差信号の位相ずれは、最低でも、1水平周期間は発生することになる。これを、テレビジョン受像機の画面上で見ると、横スジまたは横帯がついているように見える。
【0021】
このような基準CW信号の位相ずれは、バースト信号のノイズや位相ずれに対して、基準CW信号が追従しようとするために発生する。
【0022】
また、色搬送波は、電波の状態などによって電界強度が下がり、弱電界状態ではS/N(信号対ノイズ比)が悪化する場合がある。これにより、たとえば図5に示すように、バースト信号のS/Nも悪化し、バースト信号のノイズや位相ずれが顕著に現れる。
【0023】
バースト信号のS/Nが悪化すると、バースト信号のノイズに応答して、基準CW信号の位相が不安定な状態となる。このような状態の基準CW信号で搬送色信号の位相検波を行うと、復調された色差信号の位相も安定せず、これがAPCフリッカと呼ばれる色むらを発生させる原因となっていた。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来においては、弱電界状態ではバースト信号のS/Nが悪化するが、バースト信号は存在しているためにカラー信号と判別される。すると、APC検波感度は標準状態となり、基準CW信号がバースト信号のノイズにも追従する結果、基準CW信号の位相が水平同期ごとに変化してしまい、これがAPCフリッカを起こす原因となっているという問題があった。
【0025】
そこで、この発明は、電界強度に応じてAPC検波感度を制御でき、弱電界状態でのAPCフリッカの発生を低減することが可能な位相検波回路を提供することを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明の位相検波回路にあっては、第1〜第6のトランジスタを有し、前記第3および前記第6のトランジスタの各ベースには第1の基準信号が供給され、前記第4および前記第5のトランジスタの各ベースには第2の基準信号が供給されるダブルバランス回路と、このダブルバランス回路の、前記第1および前記第2のトランジスタの各エミッタに共通に接続された第1の電流源と、前記ダブルバランス回路の、前記第3および前記第5のトランジスタに入力が接続された第1および第2の出力を有する第1のカレントミラー回路と、前記ダブルバランス回路の、前記第4および前記第6のトランジスタに入力が接続された第1および第2の出力を有する第2のカレントミラー回路と、少なくとも、前記第1のカレントミラー回路の第2の出力に入力が接続され、前記第2のカレントミラー回路の第2の出力に出力が接続された第3のカレントミラー回路と、この第3のカレントミラー回路の出力と前記第2のカレントミラー回路の第2の出力との接続点に接続され、前記接続点における電位にもとづいて、前記第1の基準信号および前記第2の基準信号を供給する発振回路と、第1の状態では、前記第1のカレントミラー回路の第1,第2の各出力からの電流および前記第2のカレントミラー回路の第1,第2の各出力からの電流をそれぞれ前記第3のカレントミラー回路へと流し、第2の状態では、前記第1のカレントミラー回路の第2の出力からの電流および前記第2のカレントミラー回路の第2の出力からの電流をそれぞれ前記第3のカレントミラー回路へと流すための切換え手段とを具備したことを特徴とする。
【0027】
また、この発明の位相検波回路にあっては、ベースにバースト信号が供給される第1のnpnトランジスタと、この第1のトランジスタのエミッタにエミッタが共通に接続された第2のnpnトランジスタと、この第2のトランジスタのベースに接続された第1の電圧源と、前記第1および前記第2のトランジスタの各エミッタに共通に接続され、標準時のAPC検波感度に対応する第1の電流を供給する第1の電流源と、前記第1および前記第2のトランジスタの各エミッタに共通に接続され、標準時よりも高いAPC検波感度に対応する第2の電流と前記第1の電流との差分に相当する第3の電流を供給する第2の電流源と、この第2の電流源に接続された第1のスイッチ回路と、前記第1のトランジスタのコレクタにエミッタが接続され、ベースに第1の基準信号が供給される第3のnpnトランジスタと、この第3のトランジスタのエミッタにエミッタが共通に接続され、ベースに前記第1の基準信号とは逆相の第2の基準信号が供給される第4のnpnトランジスタと、前記第2のトランジスタのコレクタにエミッタが接続され、ベースに前記第2の基準信号が供給される第5のnpnトランジスタと、この第5のトランジスタのエミッタにエミッタが共通に接続され、ベースに前記第1の基準信号が供給される第6のnpnトランジスタと、前記第3および前記第5のトランジスタの各コレクタにコレクタおよびベースが接続された第7のpnpトランジスタと、この第7のトランジスタのコレクタおよびベースにベースが接続された第8および第9のpnpトランジスタと、前記第4および前記第6のトランジスタの各コレクタにコレクタおよびベースが接続された第10のpnpトランジスタと、この第10のトランジスタのコレクタおよびベースにベースが接続された第11および第12のpnpトランジスタと、前記第9のトランジスタのコレクタにコレクタが共通に接続された第13のnpnトランジスタと、前記第9のトランジスタのコレクタにベースが接続された第14のnpnトランジスタと、この第14のトランジスタのエミッタおよび前記第13のトランジスタのベースにベースが接続され、前記第12のトランジスタのコレクタにコレクタが共通に接続された第15のnpnトランジスタと、この第15のトランジスタおよび前記第12のトランジスタの両コレクタの接続点に接続されたフィルタ接続用端子と、前記第15のトランジスタおよび前記第12のトランジスタの両コレクタの接続点に接続され、前記第1の基準信号および前記第2の基準信号を供給する電圧制御型の発振回路と、前記第8のトランジスタのコレクタにエミッタが接続された第16のpnpトランジスタと、前記第8のトランジスタのコレクタにエミッタが接続され、コレクタが前記第9のトランジスタのコレクタに共通に接続された第17のpnpトランジスタと、前記第11のトランジスタのコレクタにエミッタが接続され、コレクタが前記第16のトランジスタのコレクタに共通に接続された第18のpnpトランジスタと、前記第11のトランジスタのコレクタにエミッタが接続され、コレクタが前記第12のトランジスタのコレクタに共通に接続された第19のpnpトランジスタと、前記第16および前記第18のトランジスタの各ベースにそれぞれ接続され、弱電界検出結果により制御される第2のスイッチ回路と、この第2のスイッチ回路が通常電界時に接続される第2の電圧源と、前記第2のスイッチ回路が弱電界時に接続される第3の電圧源と、前記第17および前記第19のトランジスタの各ベースに接続された第4の電圧源とを具備したことを特徴とする。
【0028】
この発明の位相検波回路によれば、弱電界検出結果によりAPC検波感度を低下できるようになる。これにより、通常電界時には従来と同様のAPC検波感度を確保しつつ、弱電界時にはバースト信号のノイズの影響を軽減することが可能となるものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態にかかるAPC検波回路の構成例を示すものである。なお、ここでは図4に示した従来回路と異なる部分について、主に説明する。
【0031】
このAPC検波回路の場合、たとえば、npnトランジスタ(第1〜第6のトランジスタ)Q1〜Q6で構成されるダブルバランス回路11の、上記トランジスタQ1のベースには入力端子13よりバースト信号が入力される。また、上記トランジスタQ2のベースには電圧源(第1の電圧源)V1からの電圧が印加される。上記電圧源V1は、接地電位GNDに接続されている。
【0032】
上記トランジスタQ3および上記トランジスタQ6の各ベースには、VCXO回路(電圧制御型の発振回路)15からの基準CW信号(第1の基準CW信号)CW1が入力される。また、上記トランジスタQ4および上記トランジスタQ5の各ベースには、上記基準CW信号CW1と逆相の基準CW信号(第2の基準CW信号)CW2が、上記VCXO回路15より入力される。
【0033】
上記トランジスタQ3および上記トランジスタQ4の各エミッタは、上記トランジスタQ1のコレクタと接続され、上記トランジスタQ5および上記トランジスタQ6の各エミッタは、上記トランジスタQ2のコレクタと接続されている。
【0034】
エミッタ結合回路を構成する、上記トランジスタQ1および上記トランジスタQ2の共通エミッタには、電流源(第1の電流源)I1および電流源(第2の電流源)I2が接続されている。上記電流源I1からは、標準時のAPC検波感度に対応する第1の電流が流れる。一方、上記電流源I2からは、標準時よりも高いAPC検波感度に対応する第2の電流と上記第1の電流との差分に相当する第3の電流が流れる。また、この電流源I2は、上記エミッタ結合回路の共通エミッタとの接続が、スイッチ(第1のスイッチ回路)SW1により選択的に制御されるようになっている。上記電流源I1は直に、上記電流源I2は上記スイッチSW1を介して、それぞれ接地電位GNDに接続されている。
【0035】
上記ダブルバランス回路11を構成する、上記トランジスタQ3および上記トランジスタQ5の各コレクタには、カレントミラー回路(第1のカレントミラー回路)30の入力である、pnpトランジスタ(第7のトランジスタ)Q31のコレクタおよびベースが接続されている。上記カレントミラー回路30は、抵抗R31,R32,R33と上記トランジスタQ31およびpnpトランジスタ(第8,第9のトランジスタ)Q32,Q33とで構成されている。上記抵抗R31,R32,R33は、それぞれ、電源電位VCCに接続されている。
【0036】
また、上記ダブルバランス回路11を構成する、上記トランジスタQ4および上記トランジスタQ6の各コレクタには、カレントミラー回路(第2のカレントミラー回路)40の入力である、pnpトランジスタ(第10のトランジスタ)Q41のコレクタおよびベースが接続されている。カレントミラー回路40は、抵抗R41,R42,R43と上記トランジスタQ41およびpnpトランジスタ(第11,第12のトランジスタ)Q42,Q43とで構成されている。上記抵抗R41,R42,R43は、それぞれ、電源電位VCCに接続されている。
【0037】
上記カレントミラー回路30の第1の出力である、上記トランジスタQ32のコレクタには、pnpトランジスタ(第16,第17のトランジスタ)Q51,Q52の各エミッタが接続されている。上記トランジスタQ51のコレクタは、接地電位GNDに接続されている。上記トランジスタQ52のコレクタは、上記カレントミラー回路30の第2の出力である、上記トランジスタQ33のコレクタに接続されている。
【0038】
上記カレントミラー回路40の第1の出力である、上記トランジスタQ42のコレクタには、pnpトランジスタ(第18,第19のトランジスタ)Q53,Q54の各エミッタが接続されている。上記トランジスタQ53のコレクタは、接地電位GNDに接続されている。上記トランジスタQ54のコレクタは、上記カレントミラー回路40の第2の出力である、上記トランジスタQ43のコレクタに接続されている。
【0039】
上記トランジスタQ51,Q53の各ベースには、スイッチ(第2のスイッチ回路)SW2を介して、電圧源(第2の電圧源)V2または電圧源(第3の電圧源)V3のいずれかが選択的に接続されるようになっている。また、上記トランジスタQ52,Q54の各ベースには、電圧源(第4の電圧源)V4が接続されている。上記電圧源V2,V3,V4は、それぞれ、接地電位GNDに接続されている。
【0040】
なお、本実施形態の発明回路においては、上記トランジスタQ51,Q52,Q53,Q54、上記スイッチSW2、および、上記電圧源V2,V3,V4によって、切換え手段27が構成されている。
【0041】
一方、抵抗R5,R6およびnpnトランジスタ(第13,第14,第15のトランジスタ)Q11,Q12,Q13で構成されるカレントミラー回路(第3のカレントミラー回路)21の入力である、上記トランジスタQ11のコレクタと上記トランジスタQ12のベースとの接続点には、上記カレントミラー回路30の第2の出力である、上記トランジスタQ33のコレクタが接続されている。また、カレントミラー回路21の出力である、上記トランジスタQ13のコレクタには、上記カレントミラー回路40の第2の出力である、上記トランジスタQ43のコレクタが接続されるとともに、APCフィルタ(フィルタ回路)23の接続用端子25および上記VCXO回路15がそれぞれ接続されている。上記トランジスタQ12のコレクタは、電源電位VCCに接続されている。上記抵抗R5,R6は、それぞれ、接地電位GNDに接続されている。
【0042】
上記APCフィルタ23は、たとえば、抵抗素子Rf1と、これに直列に接続された容量素子Cf1、および、これらに並列に接続された容量素子Cf2を有する外付け素子として構成されている。上記容量素子Cf1,Cf2は、それぞれ、接地電位GNDに接続されている。
【0043】
なお、外付けのAPCフィルタ23に代えて、カレントミラー回路21の出力となる上記トランジスタQ13のコレクタに流れる電流、換言すれば、カレントミラー回路30,40の出力電流の差分に相当する電流を電圧に変換した上で、上記VCXO回路15に供給する回路を、係数回路内に内蔵させてもよい。
【0044】
上記スイッチSW2は、弱電界検出の結果により制御されるようになっている。ここでは、たとえば、同期信号部分に含まれるノイズのうち、任意に設定されたしきい値(スレッシュ)レベルを超えるノイズ数をカウントし、そのノイズ数が設定値以上あり、かつ、同期が安定している場合を弱電界状態として検出するようになっている。
【0045】
ここで、上記電圧源V2,V3,V4の各出力が、
V2>V4>V3
の関係にあるとする。
【0046】
そして、上記スイッチSW2が、通常電界時にはA側(電圧源V2側)、弱電界時にはB側(電圧源V3側)に接続されるように動作するものとする。
【0047】
また、本実施形態にかかる発明回路のカレントミラー回路30,40の入出力電流比が、それぞれ、
入力:第1の出力:第2の出力=3:2:1
の条件を満足するとする(ただし、図4に示した従来回路のカレントミラー回路17,19の入出力電流比の条件を、入力:出力=1:1とする)。
【0048】
この場合、各電界におけるAPC検波感度は以下のようになる。なお、バースト信号が色搬送波に含まれていない場合に、上記スイッチSW1が投入されて、電流源I2が上記エミッタ結合回路の共通エミッタに接続され、バースト信号が色搬送波に含まれているカラー信号が入力されているときは、上記エミッタ結合回路の共通エミッタに電流源I1のみが接続されているものとする。
【0049】
通常電界時は、スイッチSW2がA側に接続されるため、上記トランジスタQ52,Q54は動作状態となり、上記トランジスタQ51,Q53は非動作状態となる。よって、カレントミラー回路30の第1および第2の出力である、上記トランジスタQ32,Q33の各コレクタから出力される電流は、すべてカレントミラー回路21の入力に流れ込む。また、カレントミラー回路40の第1および第2の出力である、上記トランジスタQ42,Q43の各コレクタから出力される電流は、すべてカレントミラー回路21の出力方向へと流れる。これにより、カレントミラー回路21に流れ込む電流は、カレントミラー回路30,40の第1,第2の出力がともに足し合わされたものとなり、APC検波感度は従来回路の場合と同様となる。
【0050】
弱電界時は、スイッチSW2がB側に接続されるため、上記トランジスタQ51,Q53は動作状態となり、上記トランジスタQ52,Q54は非動作状態となる。よって、カレントミラー回路30の第1の出力である、上記トランジスタQ32から出力される電流は、上記トランジスタQ51を介して接地電位GNDへと流れ込み、第2の出力である、上記トランジスタQ33から出力される電流のみがカレントミラー回路21の入力へと流れ込む。また、カレントミラー回路40の第1の出力である、上記トランジスタQ42から出力される電流は、上記トランジスタQ53を介して接地電位GNDへと流れ込み、第2の出力である、上記トランジスタQ43から出力される電流のみがカレントミラー回路21の出力方向へと流れる。これにより、カレントミラー回路21に流れ込む電流は、カレントミラー回路30,40それぞれの第2の出力のみとなる。
【0051】
このときの電流量は、上述した前提条件によると従来回路の1/3となる。したがって、APC検波感度も従来回路の1/3となる。
【0052】
すなわち、弱電界状態でのAPCフリッカを抑えるためには、基準CW信号がバースト信号のノイズや位相ずれに追従しないようにすればよい。また、そのためには、弱電界時のAPC検波感度を低くすればよい。
【0053】
後掲する表2は、カラー信号が入力されている通常電界時のAPC検波感度を「標準状態」とした場合の、色搬送波とAPC検波感度との関係を示すものである。
【0054】
【表2】
【0055】
このように、弱電界時のAPC検波感度を低くすることにより、通常電界時には従来通りのAPC検波感度を確保しつつ、弱電界状態でのAPCフリッカの発生を低減させることが可能となるものである。
【0056】
上記したように、弱電界検出結果によりAPC検波感度を低下できるようにしている。
【0057】
すなわち、弱電界時のAPC検波感度を低くするようにしている。これにより、弱電界状態では基準CW信号がバースト信号のノイズや位相ずれに追従しないように、APC検波回路を構成することが可能となる。その結果、通常電界時には従来と同様のAPC検波感度を確保しつつ、弱電界時にはバースト信号のノイズの影響を軽減できるようになる。したがって、弱電界状態でのAPCフリッカの発生を低減することが可能となるものである。
【0058】
なお、上記した実施形態においては、弱電界時のAPC検波感度が従来回路の1/3になるようにした場合の例について示したが、これに限らず、たとえばカレントミラー回路30,40の入出力電流比を変えることにより、白黒信号または無信号状態および通常電界時(カラー信号)のAPC検波感度は従来通りとしつつ、弱電界時(カラー信号)のAPC検波感度のみを任意に設定することが可能である。
【0059】
また、第2の電流源I2は、標準時よりも高いAPC検波感度に対応する第2の電流と第1の電流との差分に相当する第3の電流を供給するものに限らず、たとえば、第1の電流源I1からの第1の電流の供給を選択的に制御できるようにした場合には、第2の電流源I2からは、標準時よりも高いAPC検波感度に対応する第2の電流を供給するように構成することもできる。
【0060】
さらに、トランジスタQ2のゲートにバースト信号を入力し、トランジスタQ1のゲートに第1の電圧源V1を接続する構成とすることも可能である。
【0061】
また、トランジスタQ3およびトランジスタQ6の各ベース、並びに、トランジスタQ4およびトランジスタQ5の各ベースのうちの、一方の組のみに基準CW信号を入力し、他方の組には所定の基準電圧を入力することもできる。
【0062】
その他、本願発明は、上記(各)実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記(各)実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。たとえば、(各)実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも1つ)が得られる場合には、その構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0063】
【発明の効果】
以上、詳述したようにこの発明によれば、電界強度に応じてAPC検波感度を制御でき、弱電界状態でのAPCフリッカの発生を低減することが可能な位相検波回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるAPC検波回路の構成例を示す回路図。
【図2】従来技術とその問題点を説明するために示す、色搬送波の波形図。
【図3】同じく、基準CW信号とバースト信号との同期検波の例を示す概略図。
【図4】同じく、従来のAPC検波回路の構成例を示す回路図。
【図5】同じく、弱電界状態におけるバースト信号の例を示す波形図。
【符号の説明】
11…ダブルバランス回路
Q1〜Q6…npnトランジスタ
13…入力端子
15…VCXO回路
21…カレントミラー回路
Q11,Q12,Q13…npnトランジスタ
R5,R6…抵抗
23…APCフィルタ
Rf1…抵抗素子
Cf1,Cf2…容量素子
25…接続用端子
27…切換え手段
30…カレントミラー回路
Q31,Q32,Q33…pnpトランジスタ
R31,R32,R33…抵抗
40…カレントミラー回路
Q41,Q42,Q43…pnpトランジスタ
R41,R42,R43…抵抗
CW1,CW2…基準CW信号
I1,I2…電流源
V1,V2,V3,V4…電圧源
SW1,SW2…スイッチ
Q51,Q52,Q53,Q54…pnpトランジスタ
VCC…電源電位
GND…接地電位
Claims (11)
- 第1〜第6のトランジスタを有し、前記第3および前記第6のトランジスタの各ベースには第1の基準信号が供給され、前記第4および前記第5のトランジスタの各ベースには第2の基準信号が供給されるダブルバランス回路と、
このダブルバランス回路の、前記第1および前記第2のトランジスタの各エミッタに共通に接続された第1の電流源と、
前記ダブルバランス回路の、前記第3および前記第5のトランジスタに入力が接続された第1および第2の出力を有する第1のカレントミラー回路と、
前記ダブルバランス回路の、前記第4および前記第6のトランジスタに入力が接続された第1および第2の出力を有する第2のカレントミラー回路と、
少なくとも、前記第1のカレントミラー回路の第2の出力に入力が接続され、前記第2のカレントミラー回路の第2の出力に出力が接続された第3のカレントミラー回路と、
この第3のカレントミラー回路の出力と前記第2のカレントミラー回路の第2の出力との接続点に接続され、前記接続点における電位にもとづいて、前記第1の基準信号および前記第2の基準信号を供給する発振回路と、
第1の状態では、前記第1のカレントミラー回路の第1,第2の各出力からの電流および前記第2のカレントミラー回路の第1,第2の各出力からの電流をそれぞれ前記第3のカレントミラー回路へと流し、第2の状態では、前記第1のカレントミラー回路の第2の出力からの電流および前記第2のカレントミラー回路の第2の出力からの電流をそれぞれ前記第3のカレントミラー回路へと流すための切換え手段と
を具備したことを特徴とする位相検波回路。 - 前記ダブルバランス回路の、前記第1および前記第2のトランジスタは、各エミッタが共通に接続されてエミッタ結合回路を構成していることを特徴とする請求項1に記載の位相検波回路。
- 前記第1および前記第2のトランジスタの各ゲートのいずれか一方にはバースト信号が入力され、いずれか他方には第1の電圧源が接続されていることを特徴とする請求項2に記載の位相検波回路。
- 前記第1および前記第2の基準信号は互いに逆相を有することを特徴とする請求項1に記載の位相検波回路。
- 前記第1のカレントミラー回路は、入力となる第7のトランジスタ、第1の出力となる第8のトランジスタ、および、第2の出力となる第9のトランジスタを有して構成されることを特徴とする請求項1に記載の位相検波回路。
- 前記第2のカレントミラー回路は、入力となる第10のトランジスタ、第1の出力となる第11のトランジスタ、および、第2の出力となる第12のトランジスタを有して構成されることを特徴とする請求項5に記載の位相検波回路。
- 前記第3のカレントミラー回路は、入力となる第13のトランジスタ、この第13のトランジスタのコレクタ・ベース間にベース・エミッタ間が接続された第14のトランジスタ、および、出力となる第15のトランジスタを有して構成されることを特徴とする請求項6に記載の位相検波回路。
- 前記切換え手段は、
前記第8のトランジスタのコレクタにエミッタどうしが共通に接続された第16および第17のトランジスタと、
前記第11のトランジスタのコレクタにエミッタどうしが共通に接続された第18および第19のトランジスタと、
前記第16および前記第18のトランジスタの各ベースに接続され、弱電界検出結果により制御される第2のスイッチ回路と、
この第2のスイッチ回路が通常電界時に接続される第2の電圧源と、
前記第2のスイッチ回路が弱電界時に接続される第3の電圧源と、
前記第17および前記第19のトランジスタの各ベースに接続された第4の電圧源と
を有して構成されることを特徴とする請求項6に記載の位相検波回路。 - ベースにバースト信号が供給される第1のnpnトランジスタと、
この第1のトランジスタのエミッタにエミッタが共通に接続された第2のnpnトランジスタと、
この第2のトランジスタのベースに接続された第1の電圧源と、
前記第1および前記第2のトランジスタの各エミッタに共通に接続され、標準時のAPC検波感度に対応する第1の電流を供給する第1の電流源と、
前記第1および前記第2のトランジスタの各エミッタに共通に接続され、標準時よりも高いAPC検波感度に対応する第2の電流と前記第1の電流との差分に相当する第3の電流を供給する第2の電流源と、
この第2の電流源に接続された第1のスイッチ回路と、
前記第1のトランジスタのコレクタにエミッタが接続され、ベースに第1の基準信号が供給される第3のnpnトランジスタと、
この第3のトランジスタのエミッタにエミッタが共通に接続され、ベースに前記第1の基準信号とは逆相の第2の基準信号が供給される第4のnpnトランジスタと、
前記第2のトランジスタのコレクタにエミッタが接続され、ベースに前記第2の基準信号が供給される第5のnpnトランジスタと、
この第5のトランジスタのエミッタにエミッタが共通に接続され、ベースに前記第1の基準信号が供給される第6のnpnトランジスタと、
前記第3および前記第5のトランジスタの各コレクタにコレクタおよびベースが接続された第7のpnpトランジスタと、
この第7のトランジスタのコレクタおよびベースにベースが接続された第8および第9のpnpトランジスタと、
前記第4および前記第6のトランジスタの各コレクタにコレクタおよびベースが接続された第10のpnpトランジスタと、
この第10のトランジスタのコレクタおよびベースにベースが接続された第11および第12のpnpトランジスタと、
前記第9のトランジスタのコレクタにコレクタが共通に接続された第13のnpnトランジスタと、
前記第9のトランジスタのコレクタにベースが接続された第14のnpnトランジスタと、
この第14のトランジスタのエミッタおよび前記第13のトランジスタのベースにベースが接続され、前記第12のトランジスタのコレクタにコレクタが共通に接続された第15のnpnトランジスタと、
この第15のトランジスタおよび前記第12のトランジスタの両コレクタの接続点に接続されたフィルタ接続用端子と、
前記第15のトランジスタおよび前記第12のトランジスタの両コレクタの接続点に接続され、前記第1の基準信号および前記第2の基準信号を供給する電圧制御型の発振回路と、
前記第8のトランジスタのコレクタにエミッタが接続された第16のpnpトランジスタと、
前記第8のトランジスタのコレクタにエミッタが接続され、コレクタが前記第9のトランジスタのコレクタに共通に接続された第17のpnpトランジスタと、
前記第11のトランジスタのコレクタにエミッタが接続され、コレクタが前記第16のトランジスタのコレクタに共通に接続された第18のpnpトランジスタと、
前記第11のトランジスタのコレクタにエミッタが接続され、コレクタが前記第12のトランジスタのコレクタに共通に接続された第19のpnpトランジスタと、
前記第16および前記第18のトランジスタの各ベースにそれぞれ接続され、弱電界検出結果により制御される第2のスイッチ回路と、
この第2のスイッチ回路が通常電界時に接続される第2の電圧源と、
前記第2のスイッチ回路が弱電界時に接続される第3の電圧源と、
前記第17および前記第19のトランジスタの各ベースに接続された第4の電圧源と
を具備したことを特徴とする位相検波回路。 - 前記第1および前記第2の各トランジスタによってエミッタ結合回路が構成されていることを特徴とする請求項9に記載の位相検波回路。
- 前記第1〜前記第6の各トランジスタによってダブルバランス回路が構成されていることを特徴とする請求項9に記載の位相検波回路。
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