JP3966041B2 - ステアリングロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明に係る自動車の盗難防止用のステアリングロック装置に関し、該ステアリングロック装置は、ステアリングホイールを回転不能な状態にするものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の盗難防止のために、イグニッションスイッチのエンジンキーをOFFにして抜いた場合、エンジンを停止させるだけでなく、ステアリングホイールを回転不能とするステアリングロック装置が、一般的に使用されている。
【0003】
この種のステアリングロック装置として、例えば、本願出願人による実用新案登録第2150378号公報に示されるように、図12および図13において、ステアリングコラム32の内側で回転するステアリングシャフト31と、該ステアリングシャフト31の中間部外周面に溶接でキーロック部材としてのロックブラケット33を固定し、該ロックブラケット33に穿設された係合孔34に、ロックピン35を係合させることにより、ステアリングホイールの回転を阻止するようにしたものは、知られている。
【0004】
これにより、イグニッションスイッチのエンジンキーを、抜き取り可能な位置まで回動させると、ロックピン35がステアリングコラム32の内側に弾性的に飛び出し、ステアリングホイールの位置が特定方向に向いた場合に、ロックピン35の内端部が、前記係合孔34に進入し、ステアリングホイールに直結するステアリングシャフト31の回転を阻止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のステアリング装置では、ステアリングシャフト31の外径とステアリングコラム32の内径との差が大きくなる場合、肉厚のキーロック部材を削り出したり、肉厚のパイプを探し出してプレス加工にて外方に膨出させて用いていた。
【0006】
また、キーロック部材には、近年、盗難防止の観点から、トレランスリングなどの滑りリングを装着することが多くなった。その場合、キーロック部材をプレス加工によって外方に膨出させただけではロック機能が不十分であった。そのため、やむなく肉厚のパイプを使用したり、また、キーロック部材を削り出すことによって対応せざるを得ないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ステアリングシャフトとキーロック部材の間に滑りリングを間挿させ、盗難時に瞬間的に発生する大きな破壊荷重を緩衝させることで、トレランス仕様を安価に提供するとともに、キーロック部材を、板金物で構成したり、パイプの膨出一体成形で構成し、装置の軽量化およびコスト削減を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、ステアリングホイールの操作に基づいて回転するステアリングシャフトと、該ステアリングシャフトの外周に配置されるキーロック部材と、前記ステアリングシャフトと前記キーロック部材間に間挿された滑りリングとを備え、前記キーロック部材が、パイプ状部材の外周の一部を外方に膨出させたものであり、かつ、前記膨出部にキーの係合を可能とするキー係合孔が穿孔されるとともに、前記パイプ状部材の外周面に前記キー係合孔から円周方向にスロープが形成されたことによって、効果的に達成される。
【0012】
さらに、上記目的は、前記滑りリングを100N・m以上のトルクで滑り始めるようにすることによって、より一層効果的に達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1実施例に係るステアリングロック装置の概略構成を示す図であり、同図において、1は、図示しないステアリングホイールの操作に基づいて回転するステアリングシャフトであり、該ステアリングシャフト1の外周には、キーロック部材2が配置されている。このキーロック部材2は、円筒状の基部を構成する支持インナー3と、該支持インナー3の外周面に固着されたロックブラケット4とから構成される。このロックブラケット4は、中央部を外方に膨出させてなる断面逆U字状の形状をなし、該中央部に、キー挿入孔4aが穿孔されている。
【0015】
また、上記ステアリングシャフト1とキーロック部材2の間に、トレランスリングなどの滑りリング5が間挿され、キーロック部材2との間に滑り部を確保するようになっている。これにより、図示しないイグニッションスイッチのエンジンキーのロックピン6を、キー挿入孔4aに係合可能にすることにより、図1上下方向に往復動できるようにし、ステアリングシャフト1の回転を阻止して、ロックするようになっている。
【0016】
また、上記ロックブラケット4は、図2に示すように、フランジ部4bで支持インナー3の外周面に溶接によって固定するようになっている。この場合、フランジ部4bの溶接は、全周に亘ってもよいし、また所定の取付強度を備えていれば、部分的な溶接でもよい。
【0017】
また、上記フランジ部4bでは、図3に示すように、ロックブラケット4と支持インナー3の両方にセレーション溝(又はローレット溝)7を形成し、ロックブラケット4を支持インナー3に圧入して、取り付けるようになっている。なお、このセレーション溝(又はローレット溝)7は、ロックブラケット4若しくは支持インナー3のいずれか一方に設け、所定の取付強度が得られるように取り付けるようにしてもよい。
【0018】
また、図4では、ロックブラケット4のフランジ部4bにおける取付工程を示す図であり、まず、フランジ部4bに、セレーション溝(又はローレット溝)7を形成するように加工し(a)、該セレーション溝(又はローレット溝)7を支持インナー3の対応する部位に重ね合わせ(b)、フランジ部4bで圧入するか、又は、支持インナー3の両側縁を図4上方に折り曲げ(c)、ロックブラケット4を支持インナー3に固着するようになっている。
【0019】
さらに、図5に示すように、上記ロックブラケット4のフランジ部4b周縁には、部分的に切欠き溝8が形成され、該切欠き溝8の対応する位置で、上記支持インナー3の周縁を図5上方(図5矢印方向)に折り込み、支持インナー3に、ロックブラケット4を係合させて固着するようになっている。
【0020】
また、上記実施例では、ロックブラケット4側を膨出させた例であるが、図6は、逆に、支持インナー3側を膨出させた場合を示す。同図において、ステアリングシャフト1の外側には、中央部を(図6下方に)膨出させた支持インナー3が配されている。この支持インナー3には、外周面に沿ってパイプ状部材からなるロックブラケット4が配され、溶接又は先に述べた方法によって支持インナー3に固着させるようになっている。このロックブラケット4の外周には、上記支持インナー3の膨出部に対応する位置にキー係合孔4cが形成されていて、ロックピン6と係合するようになっている。さらに、ステアリングシャフト1と支持インナー3の間には、滑りリング5が配され、ステアリングシャフト1および支持インナー3の回転に対する滑り部を確保するようになっている。
【0021】
次に、図7および図8は、本発明の第2実施例に係るステアリングロック装置を示す図であり、ステアリングシャフト1の外周に、円筒状の滑りリング9を介して、キーロック部材として、図9に示すような断面L字状のロックプレート10,10,・・・が複数個配されていて、該ロックプレート10の一部に、矩形状の切欠き溝11が形成されている。このロックプレート10,10・・・には、各切欠き11が互いに対応する位置に配されるように並設され、複数の切欠き11,11,・・・によってロックピン12との係合用の溝が形成されるようになっている。
【0022】
また、図10に示すように、上記ロックプレート13を円環状に形成するとともに、該ロックプレート13の一部に矩形状の切欠き14を形成し、該ロックプレート13で、図7乃至図9のロックプレート10を置き換えてもよく、同様の作用および効果を奏することができる。
【0023】
さらに、図11は、本発明の第3実施例に係るステアリングロック装置を示す図であり、上記第1実施例における支持インナー3とロックブラケット4を一体にした例である。キーロック部材15をパイプ状に形成し、その外周の一部をプレス加工によって外方に膨出させ、細長形状の係合孔16を形成する。また、キーロック部材15の外周面に、係合孔16から円周方向に緩やかなスロープ17を形成し、該スロープ17の案内により、図示しないロックピンをスムーズに係合孔15に落し込んで係合させるようになっている。そして、キーロック部材15とステアリングシャフトとの間に、滑りリングを間挿させることによって滑り部を確保するようになっている。
【0024】
従って、第1実施例では、2つのパイプ状部材を用いて、ステアリングシャフト1の外周にキーロック部材2を配し、ステアリングシャフト1との間に滑りリング5を間挿させたので、盗難時などに相当大きな衝撃荷重が作用しても、滑りリング5の滑りによって衝撃荷重を緩衝させることができる。また、キーロック部材2は、2つのパイプを組み合わせて構成されるので、装置の軽量化およびコスト削減を図ることができる。
【0025】
また、第2実施例では、キーロック部材として、ステアリングシャフト1の外側にリング状ロックプレート10を設けた例であり、ステアリングシャフト1との間に滑りリング9を間挿させるようにした。これにより、上記第1実施例と同様の作用,効果を奏することができる。
【0026】
また、第3実施例では、キーロック部材として、支持インナー3とロックブラケット4とを一体化した例であり、外周の一部をプレス加工で外方に膨出させることによって細長形状の係合孔16を形成し、ステアリングシャフト1との間に滑りリングを間挿させるようにした。これにより、上記各実施例と同様の作用,効果を奏することができる。
【0027】
なお、上記各実施例において、滑りリング5,9は、100N・m以上のトルクが作用した時に、滑り始めるようになっている。すなわち、この滑りリング(トレランスリング)の数値(100N・m)は、運転者が定常的な操舵を困難にする数値であり、盗難時などに瞬間的に発生する大きな破壊荷重に対して、滑りによる緩衝作用でキーロック装置の破壊を防止するものである。
【0028】
その結果、上記各実施例では、滑りリングをステアリングシャフトとキーロック部材の間に間挿させたので、滑りリングの滑り作用によって、盗難時などに発生する相当大きな破壊荷重を緩衝させ、キーロック装置の破壊を防止することができる。また、キーロック部材は、プレス加工やパイプの膨出一体成形などによって、安価に製造することができるので、装置の軽量化およびコストの削減を図ることができ、滑りリングによるトレランス仕様を、簡単に提供することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るステアリングロック装置によると、キーロック部材として、別体のパイプ(支持インナーやロックブラケット)などを組み合わせたり、リング状のプレス成形品を積み重ねたり、プレス加工の手法で膨出させたりすることにより、ステアリングロック装置を安価に製造することができ、しかも所定のトレランス仕様を簡単に提供することができる。その際、ロックブラケットは、溶接や圧入,カシメなどの手法を用いて、支持インナーなどに、十分な強度を保持しながら、簡単に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るステアリングロック装置の構成を示す断面図である。
【図2】支持インナーにロックブラケットを取り付ける際に、両者の周縁同士を、溶接によって取り付ける状態を示す図である。
【図3】支持インナーの周縁にセレーション溝などを形成し、該セレーション溝などにロックブラケットの周縁を圧入して取り付けた状態を示す図である。
【図4】(a),(b),(c)は、支持インナーに、ロックブラケットを取り付ける工程を示す図である。ここで、(b)は、支持インナーにロックブラケットを圧入させた状態を示し、(c)は、さらに支持インナーの周縁をカシメて取り付けた状態を示す。
【図5】ロックブラケットの周縁に切欠き溝を形成し、該切欠き溝に、支持インナーの周縁を折り込んで取り付けた状態を示す図である。
【図6】キーロック側を膨出させないで、逆に支持インナー側に膨出加工を施し、ステアリングシャフトの外側に配した状態を示す図である。
【図7】本発明の第2実施例に係るステアリングロック装置の構成を示す断面図である。
【図8】図7のステアリングロック装置を側方から眺めた図である。
【図9】図7のロックブラケットの一部を破断して、斜め上方から眺めた図である。
【図10】図9のロックブラケットの変形例を示す図である。
【図11】本発明のステアリングロック装置に係る第3実施例のキーロック部材を示す斜視図である。
【図12】従来のステアリングロック装置の全体構成を示す部分断面図である。
【図13】従来のステアリングロック装置で使用されるロックブラケットの断面図である。
【符号の説明】
1 ステアリングシャフト
2 キーロック部材
3 支持インナー
4 ロックブラケット
4a キー挿入孔
4b フランジ部
4c キー係合孔
5 滑りリング
6 ロックピン
7 セレーション溝
8 切欠き溝
9 滑りリング
10 ロックプレート
11 切欠き
12 ロックピン
13 ロックプレート
14 切欠き
15 キーロック部材
16 係合孔
Claims (2)
- ステアリングホイールの操作に基づいて回転するステアリングシャフトと、
該ステアリングシャフトの外周に配置されるキーロック部材と、
前記ステアリングシャフトと前記キーロック部材間に間挿された滑りリングとを備え、
前記キーロック部材は、パイプ状部材の外周の一部を外方に膨出させたものであり、かつ、前記膨出部にキーの係合を可能とするキー係合孔が穿孔されるとともに、前記パイプ状部材の外周面に前記キー係合孔から円周方向にスロープが形成されたことを特徴とするステアリングロック装置。 - 前記滑りリングは100N・m以上のトルクで滑り始めることを特徴とする請求項1に記載のステアリングロック装置。
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| JP2002083302A JP3966041B2 (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | ステアリングロック装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2002083302A JP3966041B2 (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | ステアリングロック装置 |
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|---|---|
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