JP3973018B2 - 仮階段の設置工法および仮階段構造 - Google Patents

仮階段の設置工法および仮階段構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、仮階段の設置工法および仮階段構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図9(A)に示すように、営業中の駅の既設階段Sをその一部幅員S1(暗い部分)に亘って解体撤去し、その撤去した部分に、図9(B)に示すように、エスカレータEの並設工事を行う場合には、図10に示すように、上記解体撤去した部分を仮囲いKで養生し、その内側でエスカレータの組み立てや設置工事を行っていた。
しかしながら、上記仮囲いKによる設置工事では、残された既設階段Sの幅が狭くなって混雑する恐れがあり、長期(約3〜4ヶ月)に亘って乗降客に不便を強いるだけでなく、誘導員や仮囲いKの費用が余分にかかる等の問題点があった。
【0003】
上記仮囲いKの弊害を解消するために、図11に示すように、既存階段の上部に、全幅員に亘って仮階段Fを仮設して、階段の有効幅を確保しておき、エスカレータEの組み立て設置工事時に仮階段Fを撤去する工法があった。
しかしながら、この仮階段S′は、踏面仮設板の裏側(下側)を梁Bで支えると共に、該梁Bを支柱Pにより支持するように構成されているため、仮階段用の資機材が比較的に重厚長大となるだけでなく、支柱Pが林立するために、大きな工事空間を確保することが困難となり、また、主構造の踏面仮設板の板厚を大きくしなければならない等の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、仮階段を支柱で支持しないで、その下に大きな工事空間を確保することができるだけでなく、工事期間中においても従来通りの階段有効幅を確保して利用者の利用に供することができ、また、誘導員や仮囲い等の費用を大幅に減縮することができ、さらに、設置や撤去を迅速かつ容易にできる仮階段の設置工法および仮階段構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の仮階段の仮設工法は、既設階段の外側に踏面仮設板および蹴込み仮設板から成る仮階段を被設し、続いて、該仮階段を一旦撤去して、上記既設階段をその一部幅員または全幅員に亘って解体撤去し、その後、少なくとも該解体撤去した階段部分に、その端部を支持した状態で上記仮階段を仮設することを特徴とする。また、上記仮階段の一部あるいは全部を、残存する既設階段に被設した状態で支持せしめることを特徴とする。さらに、上記仮階段の一部あるいは全部を、残存する既設階段の端面に取り付けた支持ブラケットに支持せしめることを特徴とする。又更に、上記仮階段の一部あるいは全部を、吊設して支持せしめることを特徴とする。更にまた、上記仮階段の一部あるいは全部を、先行設置したエスカレータ等の新設構造物に支持せしめることを特徴とする。また、上記仮階段の踏面仮設板を、残存する既設階段の踏面に着脱可能に仮設することを特徴とするものである。
【0006】
本発明の仮階段構造は、その一部の幅員あるいは全幅員に亘って解体撤去した階段部分に仮設され、踏面仮設板と蹴込み仮設板により構成される仮階段の構造において、上記蹴込み仮設板の中間部でその長手方向に沿って垂直方向に隙間を形成し得るように分割したことを特徴とする。また、上記踏面仮設板を上下方向に高さ調節自在に構成したことを特徴とする。さらに、分割された上記蹴込み仮設板を継ぎ材により接続することを特徴とする。又更に、その一部の幅員あるいは全幅員に亘って解体撤去した階段部分に仮設され、踏面仮設板と蹴込み仮設板により構成される仮階段の構造において、上記踏面仮設板の中間部でその長手方向に沿って水平方向に隙間を形成し得るように分割したことを特徴とする。さらに又、上記踏面仮設板の踏面幅を調節自在に構成したことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1(A)において、Sは既設階段であって、その踏面S′および蹴込みS″の外側に鋼板等から成る踏面仮設板1および蹴込み仮設板2を被設する。図1(B)に示すように、上記踏面仮設板1はボルト・ナット等の定着具3により既設階段Sに着脱自在に定着しておく。なお、踏面仮設板1と蹴込み仮設板2は、板材を折り曲げ加工して一体形成したり、溶接等により固着して一体化したり、あるいは蝶番等により折り畳み自在に一体化する等、の方法で一体化してもよい。この場合、隣接する踏面仮設板1と蹴込み仮設板2同士のみを一対として一体化したり、あるいは、数対を一体化することができる。
【0008】
上記既設階段Sが駅階段の場合、始発から終電までの乗降客が利用する時間には、踏面仮設板1および蹴込み仮設板2から成る仮階段を既設階段Sに被設した状態で利用し、終電から始発までの乗降客が利用しない時には、上記踏面仮設板1と蹴込み仮設板2を既設階段Sから一旦撤去して、エスカレータ等の新設構造物を設置するために、既設階段Sの一部幅員S1に亘って解体撤去する。この解体撤去の工事中においても、乗降客が利用する時間帯には、上記仮階段を再び被設しておく。
【0009】
図1(C)に示すように、既設階段Sの一部幅員S1の解体撤去が終わると、その撤去後に工事の作業空間Rが形成される。この作業空間Rは、踏面仮設板1および蹴込み仮設板2から成る仮階段を被設することにより、従来の階段有効幅で利用することができ、乗降客が利用しない時には一時的に撤去しておく。この場合、踏面仮設板1および蹴込み仮設板2の端部を、作業空間Rの端部に設けた仮受け段部4により支持せしめる。従って、上記踏面仮設板1および蹴込み仮設板2から成る仮階段は、残存する既設階段Sや仮受け段部4に支持せしめることにより、支柱を設けることなく仮設することができるので、乗降客が仮階段を利用している時でも、その仮階段の裏側(下側)でエスカレータの組み立て等の工事を続行することができる。また、乗降客が利用しない時には、仮階段を撤去することにより大きな作業空間Rを確保することができる。
【0010】
上記実施例では、踏面仮設板1と蹴込み仮設板2を既設階段Sの全幅員に亘って被設したが、本発明はこれに限定するものではなく、図2に示すように、既設階段Sの一部幅員S1を解体撤去した作業空間Rのみを覆ってもよい。上記踏面仮設板1と蹴込み仮設板2の一方の端部は、上記仮受け段部4により支持せしめると共に、他方の端部は残存する既存階段Sの残存端部の踏面に重ね合わせ状態で支持せしめる。この場合、重ね合わせにより、残存端部の踏面に対して踏面仮設板1の板厚だけの段差が生じるが、この段差部分を乗降客が踏まないように、例えば、その真上に中手摺りを沿設しておくとよい。また、図2(B)に示すように、残存する既設階段Sの端面に支持ブラケット5を取り付けて、これに踏面仮設板1の端部を支持せしめてもよい。この場合、残存の既設階段Sの踏面と踏面仮設板1の表面のレベルを一致させることにより、上記のような段差を避けることができる。
【0011】
図3(A)は、上記仮階段の外側端部を吊設する場合の実施例を示すもので、上記仮受け段部4による支持に代えて、上記踏面仮設板1と蹴込み仮設板2の一方の端部に吊込み用チャンネル材6を取り付け、該吊込み用チャンネル材6を天井躯体Kから吊り降ろした吊込みワイヤーWにより吊設して支持する。上記踏面仮設板1と蹴込み仮設板2の端部への吊込み用チャンネル材6の取り付けは、例えば、図3(B)(C)に示すように、後述する図4の実施例の固定板7を介してボルト・ナット等の締付固定手段により行う。なお、図5に示す実施例の場合にも、上記吊込み用チャンネル材6の適用は可能である。
【0012】
これまで説明した蹴込み仮設板2は、1枚の鋼板により構成されているが、図4(A)に示すように、踏面仮設板1の長手方向の両端縁(隅および角)に沿ってアングル材2a、2bをそれぞれ逆方向に向けて一体的に取り付け、これらのアングル材2a、2bを、それぞれ上段のアングル材2bまたは下段のアングル材2aと組合わせることにより、実質的に蹴込み仮設板2′を構成してもよい。これら踏面仮設板1と両アングル材2a、2bから成る仮階段は、1枚の板を折り曲げて構成してもよい。なお、蹴込み仮設板2′を構成する上下のアングル材2bおよび2aの間に形成される隙間は、シールテープTなどの蹴込み面材で目張りしておく。本実施例の段部材により、既存階段Sの蹴上げ寸法の違いを吸収して、仮階段を構築することができる。
【0013】
図4(B)は、上記図4(A)に示す構造の仮階段を、残存する既設階段Sや上記仮受け段部4の端面に定着せしめたアングル状の固定板7により支持する実施例を示すもので、該固定板7に、上下の踏面仮設板1のアングル材2aおよび2bをそれぞれ固定するようになっている。本実施例の構成により、既設階段Sの踏面と踏面仮設板1のレベルを一致させることができる。
【0014】
図5は、仮階段の踏面仮設板1のレベルを調整することのできる実施例を示すもので、既設階段Sや上記仮受け段部4の端面に定着せしめた支持ブラケット5に、レベル調整用ネジ5aを取り付け、該レベル調整用ネジ5aを介して踏面仮設板1を上下動可能に取り付けている。
【0015】
上記図4および図5に示す実施例では、蹴込み仮設板2′が上下のアングル材2aおよび2bにより構成されていて、両アングル材2aおよび2bの間に隙間が形成されているため、図6に示すように、蹴込み仮設板2′が長スパンになると、特に上のアングル材2bに階段を利用する人の足が掛かって荷重が集中する場合、アングル材2bが撓む恐れがある。
この撓みを防止するために、図6(B)(C)に示すように、両アングル材2aおよび2bをその中間部において継ぎ材8により接続して、上記集中荷重を分散せしめるようにする。
【0016】
以上は、蹴込み仮設板2を上下(垂直方向)に分割して蹴込み仮設板2′を構成する実施例であるが、図7に示すように、踏面仮設板1′を水平方向に分割してもよい。すなわち、図7(A)から明らかなように、踏面仮設板1の中央部に沿ってアングル材1aおよび1bを隙間を隔てて配置し、図7(B)に示すように、既存階段Sに掛けるアングル材1bの端部を切り欠く。上記アングル材1aおよび1bの隙間を調整することにより、上記踏面仮設板1′の踏面幅を調節することができる。
【0017】
図8は、本発明の仮階段を構成する踏面仮設板と蹴込み仮設板の両仮設板を兼用することができる仮設板材9を示すもので、その長手方向の端縁に沿って、アリホゾ9aを形成すると共に、その側面にアリミゾ9bを形成している。本構成により、蹴込み部材としての機能を果たす階段用板材9のアリホゾ9aを、踏板部材としての機能を果たす仮設板材9のアリミゾ9bに矢印のように挿入して、両者を一体的に嵌合するようになっている。上記アリホゾ9aは断続的に形成してもよい。
【0018】
上記実施例では、営業線の鉄道駅における階段の仮階段について説明したが、本発明の仮階段はこれに限定するものではなく、階段の幅を確保しながら工事を行う必要がある階段であればいずれの階段でもよい。
また、上記実施例では既設階段の一部の階段幅を解体撤去して、それに仮階段を覆設する工法について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、既設階段の全幅に亘って解体撤去し、仮階段を覆設する工事であってもよい。
さらに、上記実施例では、既設階段にエスカレータを併設する設置工事について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、既設階段の一部幅あるいは全幅に亘って、これを解体撤去し、その部分に仮階段を設置する必要があれば、いずれでもよい。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、仮階段を支柱で支持しないで、その下に大きな工事空間を確保することができるだけでなく、工事期間中においても従来通りの階段有効幅を確保して利用者の利用に供することができ、また、誘導員や仮囲い等の費用を大幅に減縮することができ、さらに、設置や撤去を迅速かつ容易にできる仮階段の設置工法および仮階段構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の仮階段を既設階段に被設した状態の説明斜視図(A)およびその部分断面図(B)、既設階段の一部を解体撤去した工事空間に仮階段を覆設した状態の説明斜視図(C)およびその部分断面図(D)である。
【図2】図1の実施例の仮階段仮設の別の実施例を示す説明斜視図(A)および仮階段の端部を支持するブラケットを設けた斜視図(B)である。
【図3】図1の実施例の仮階段仮設の更に別の実施例を示す説明斜視図(A)および仮階段の端部の吊設構造を説明する説明図(B)、そのイ−イ断面図である。
【図4】別の仮階段の構成を示す断面図(A)およびその取付例を示す断面図(B)である。
【図5】仮階段の踏面レベル調整の一実施例を示す断面図である。
【図6】仮階段の別の実施例を示す説明斜視図(A)、その要部の拡大説明図(B)(C)である。
【図7】仮階段の更に別の実施例を示す説明斜視図(A)、その要部の拡大断面図(B)である。
【図8】仮階段を構成する部材の別の実施例をしめす説明斜視図である。
【図9】従来技術の説明図である。
【図10】従来技術の説明図である。
【図11】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 踏面仮設板
1′踏面仮設板
2a アングル材
2b アングル材
2 蹴込み仮設板
2′蹴込み仮設板
3 定着具
4 仮受け段部
5 支持ブラケット
5a レベル調整用ネジ
6 吊込み用チャンネル材
7 固定板
8 継ぎ材
9 階段用板材
9a アリホゾ
9b アリミゾ
B 梁
E エスカレータ
F 仮階段
K 天井躯体
R 作業空間
S 既設の階段
S′踏面
S″蹴込み
S1 階段の一部
T シールテープ
W 吊込みワイヤー

Claims (11)

  1. 既設階段の外側に踏面仮設板および蹴込み仮設板から成る仮階段を被設し、続いて、該仮階段を一旦撤去して、上記既設階段をその一部幅員または全幅員に亘って解体撤去し、その後、少なくとも該解体撤去した階段部分に、その端部を支持した状態で上記仮階段を仮設することを特徴とする仮階段の仮設工法。
  2. 上記仮階段の一部あるいは全部を、残存する既設階段に被設した状態で支持せしめることを特徴とする請求項1に記載の仮階段の仮設工法。
  3. 上記仮階段の一部あるいは全部を、残存する既設階段の端面に取り付けた支持ブラケットに支持せしめることを特徴とする請求項1に記載の仮階段の仮設工法。
  4. 上記仮階段の一部あるいは全部を、吊設して支持せしめることを特徴とする請求項1、2または3に記載の仮階段の仮設工法。
  5. 上記仮階段の一部あるいは全部を、先行設置したエスカレータ等の新設構造物に支持せしめることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の仮階段の仮設工法。
  6. 上記仮階段の踏面仮設板を、残存する既設階段の踏面に着脱可能に仮設することを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の仮階段の仮設工法。
  7. その一部の幅員あるいは全幅員に亘って解体撤去した階段部分に仮設され、踏面仮設板と蹴込み仮設板により構成される仮階段の構造において、上記蹴込み仮設板の中間部でその長手方向に沿って垂直方向に隙間を形成し得るように分割したことを特徴とする仮階段構造。
  8. 上記踏面仮設板を上下方向に高さ調節自在に構成したことを特徴とする請求項7に記載の仮階段構造。
  9. 分割された上記蹴込み仮設板を継ぎ材により接続することを特徴とする請求項7および8に記載の仮階段構造。
  10. その一部の幅員あるいは全幅員に亘って解体撤去した階段部分に仮設され、踏面仮設板と蹴込み仮設板により構成される仮階段の構造において、上記踏面仮設板の中間部でその長手方向に沿って水平方向に隙間を形成し得るように分割したことを特徴とする仮階段構造。
  11. 上記踏面仮設板の踏面幅を調節自在に構成したことを特徴とする請求項10に記載の仮階段構造。
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