JP4020029B2 - レーザ墨出し器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザによるライン光を利用して、例えば屋内のレイアウトの間仕切り、配管や照明器具の墨出し作業を行うためのレーザ墨出し器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のレーザ墨出し器としては、例えば特許文献1に示されるように、基台に回転自在に支持された回転台の上面に複数本の柱を立設して、これらの柱で上部支持台を支持するとともに、上部支持台の中央にジャイロを装着し、ジャイロの上面にレーザモジュール取付台を介して4台のレーザユニットを四方に向けて配設した構造のものがある。各レーザユニットはライン状のレーザ光をそれぞれ放射するものであり、4台のレーザユニットの内の2台はレーザモジュール取付台の中心位置を挟んで背中合わせに配置されており、これら2台のレーザユニットから放射されるレーザ光は同一の鉛直面内に放射される。また、残りの2台のレーザユニットもレーザモジュール取付台の中心位置を挟んで背中合わせに配置されており、これら2台のレーザユニットから放射されるレーザ光は、他の2台のレーザユニットからのレーザ光が放射される鉛直面に対して垂直な鉛直面内に放射される。而して、4台のレーザユニットによって互いに直交する2つの鉛直面を示すクロスラインが天井と四方の側壁とに投射されるのである。
【0003】
また、特許文献2に示されるように、支持体の左右の側面と上面とにレーザユニットを1台ずつ配置し、これら3台のレーザユニットからのレーザ光で天井と両側壁とに鉛直面を示す垂直ラインを放射するとともに、上記鉛直面に対して垂直な垂直ライン及び水平ラインをそれぞれ放射するためのレーザユニットを1台ずつ備えたレーザ墨出し器も従来より提供されている。
【0004】
また更に、特許文献3に示されるように、鉛直面内にライン光を照射するレーザユニットを斜め上向きに配置したレーザ墨出し器が従来より提供されており、このレーザ墨出し器を一方の側壁に近接させて配置することで、対向する2つの側壁と天井と床の四面に鉛直面を示す連続したライン光を投射するものがあった。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−230828号公報
【特許文献2】
特許第2942948号明細書
【特許文献1】
特許第2772511号明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したレーザ墨出し器の内、特許文献1に示されるレーザ墨出し器では、複数台のレーザユニットがレーザモジュール取付台の上面に4方を向いて配設されるため、取付台の面積が大きくなり、レーザ墨出し器が大型化して持ち運びに不便であった。また、レーザユニットなどの光学系がジンバル機構の上部に配置されているため、重心位置が高くなってジャイロの安定が悪くなり、レーザユニットからのライン光が鉛直面内に照射されるように調整する手間がかかる。
【0007】
また、特許文献2に示されるレーザ墨出し器では、天井と両側壁とに垂直ラインを投射するために3台のレーザユニットが必要なため、合計5台のレーザユニットが必要になるから、製造コストがアップし、また光学系の調整が難しくなるという問題があった。
【0008】
また更に、特許文献3に示されるレーザ墨出し器では、一方の側壁に寄せてレーザ墨出し器を配置すれば、対向する2つの側壁と天井と床の四面にライン光を投射できるが、図11に示すようにレーザ墨出し器1を部屋の中央に配置した場合は、一方の側壁と天井と床の3面にしかライン光Aを投射できなかった(図中の斜線部はライン光Aが放射される鉛直面を示す)。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、設置場所に関わらず対向する2つの側壁と天井と床の4面に鉛直面を示すライン光を照射できる小型で低コストのレーザ墨出し器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、それぞれレーザ光を円筒レンズに通すことによって光軸を中心にして扇状に広がるライン光を放射する複数台のレーザユニットを備えたレーザ墨出し器において、対向する2つの側壁の内の一方と天井と床とに鉛直方向に沿って連続した第1の垂直ライン光を放射する第1のレーザユニットと、2つの側壁の内の他方と天井と床とに鉛直方向に沿って連続した第2の垂直ライン光を放射する第2のレーザユニットと、第1及び第2のレーザユニットが第1のレーザユニットを上側にして上下に並べて取り付けられた装置本体と、装置本体を第1支軸の周りに揺動自在に軸支する第1支持体、及び、該第1支持体を第1支軸と直交する第2支軸の周りに揺動自在に軸支する第2支持体で構成されるジンバル機構とを備え、装置本体に対して第1のレーザユニットをジンバル機構よりも上側に配置するとともに、第2のレーザユニットをジンバル機構よりも下側に配置し、且つ、第1及び第2の垂直ライン光が同一の鉛直面内に放射されるように第1及び第2のレーザユニットを装置本体に取り付けたことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、第1のレーザユニットからの第1の垂直ライン光と第2のレーザユニットからの第2の垂直ライン光が同一の鉛直面内に放射されているので、2台のレーザユニットで対向する2つの側壁と天井と床との4面に同一の鉛直面を示す垂直ライン光を放射させることができ、またレーザユニットの台数が少なくて済むので、製造コストを低減でき、さらに第1及び第2のレーザユニットは上下に並べて装置本体に取り付けられているので、水平面内における装置本体の大きさを小型にできる。また、ジンバル機構の下側に第2のレーザユニットを配置することで、第2のレーザユニットが錘の役目を果たして、装置本体の安定性が増し、振動などの外乱によって装置本体が動揺し、第1及び第2の垂直ライン光が鉛直方向からずれるのを防止できる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、第1及び第2のレーザユニットの光軸の仰角をそれぞれΦa,Φbとし、第1及び第2の垂直ライン光の広がり角度をそれぞれ2θa,2θbとすると、Φa+Φb+θa+θb>180°となるように仰角及び広がり角度を設定したことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、Φa+Φb+θa+θb>180°となるように仰角及び広がり角度を設定したことで、第1のレーザユニットからの第1の垂直ライン光と第2のレーザユニットからの第2の垂直ライン光の一部を天井で重なり合わせることができ、対向する2つの側壁と天井と床との4面に連続した垂直ライン光を放射させることができる。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、第1及び第2の垂直ライン光が放射される鉛直面に対して垂直な鉛直面内において、2つの側壁以外の側壁と天井と床とに鉛直方向に沿って連続した第3の垂直ライン光を放射する第3のレーザユニットを備え、第3のレーザユニットの光軸の仰角をΦc、第3の垂直ライン光の広がり角度を2θcとすると、Φc+θc>90°となるように、第3のレーザユニットを第1のレーザユニットと第2のレーザユニットとの間に上下に並べて装置本体に取り付けたことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、Φc+θc>90°とすることで、第1及び第2の垂直ライン光と第3の垂直ライン光とを交差させて、レーザ墨出し器の直上のポイントを表示することができる。また、第3のレーザユニットを第2のレーザユニットの下側に配置すると、第3の垂直ライン光が装置本体によってケラれるのを防ぐために第3のレーザユニットを装置本体から大きく飛び出させて配置する必要があるが、第3のレーザユニットを第1のレーザユニットと第2のレーザユニットの間に配置しているので、第3のレーザユニットの飛び出し量を小さくして、水平面内における装置本体の大きさを小型にでき、且つ、重心位置を安定させることができる。
【0018】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、水平面内において第1〜第3の垂直ライン光が放射される3つの側壁に水平ライン光を放射する第4のレーザユニットを備え、第4のレーザユニットを第2のレーザユニットの下側に上下に並べて装置本体に取り付けたことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、3つの側壁と天井と床とに互いに直交する2つの鉛直面を示す垂直ラインと水平ラインとを放射することができ、さらに第4のレーザユニットは第2のレーザユニットの下側に上下に並べて取り付けられているので、水平面内における装置本体の大きさを小型にでき、且つ、重心位置を安定させることができる。
【0020】
請求項5の発明は、請求項3又は4の発明において、装置本体に対して第3のレーザユニットをジンバル機構の下側に配置したことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、装置本体に対して第1のレーザユニットのみがジンバル機構の上側に配置され、他のレーザユニットはジンバル機構の下側に配置されるので、他のレーザユニットが錘の役目を果たして、装置本体の重心を下げることができ、装置本体の安定性が増し、振動などの外乱によって装置本体が動揺し、第1及び第2の垂直ライン光が鉛直方向からずれるのを防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明する。
【0023】
図2にはレーザ墨出し器1の全体斜視図を示し、図1にはカバー5を取り外した状態の正面図を示してある。尚、以下の説明では特に断りが無い場合、図1に示す向きにおいて上下左右の方向を規定し、図1における正面を前面という。従って、図4中の右側は後側となる。
【0024】
このレーザ墨出し器1は基台3の下面に3本の支持脚16を突設し、基台3の上面には後述の保持部11を支持する4本の円柱4が立設されており、保持部11によってレーザ照射装置2を揺動自在に吊持するジンバル機構が保持されている。また、基台3にはレーザ照射装置2を覆うようにしてカバー5が被着される。
【0025】
レーザ照射装置2は、図4に示すように縦長の装置本体6に4台のレーザユニット20a〜20dを取り付けてあり、各レーザユニット20a〜20dからのライン光をカバー5に設けた照射窓5aを通して外部へ照射するようになっている。各レーザユニット20a〜20dは鏡筒25及び円筒レンズホルダー26からなる器体24を有し、鏡筒25の内部には半導体レーザ素子21とコリメートレンズ22とが納装され、円筒レンズホルダー26には円筒レンズ23が取着されている。
【0026】
図5(a)(b)は各レーザユニット20a〜20dからライン光が照射される原理の説明図であり、半導体レーザ素子21から放射されたレーザ光はコリメートレンズ22に通されて平行光に変換された後、円筒レンズ23に入射される。図5(a)に示すように、円筒レンズ23に入射する光は中心軸方向においては屈折されず、この方向においてはレーザ光は収束されない。一方、図5(b)に示すように、円筒レンズ23の中心軸方向と直交する方向においては、円筒レンズ23の周面の曲率によって、円筒レンズ23の界面でレーザ光が屈折するから、この方向においてはレーザ光が扇状に広がるのである。而して、円筒レンズ23から放射されるレーザ光は、円筒レンズ23へのレーザ光の入射方向と、円筒レンズ23の中心軸方向とにそれぞれ直交する一方向(すなわち、図5(b)の上下方向)において扇状に広がるようなライン光となる。なお、垂直ラインを放射するレーザユニット20a〜20cから扇状に放射されるライン光の広がり角度を2θとし、光軸Lの水平線Lhからの仰角をΦとすると、鉛直方向において(Φ±θ)の角度範囲でライン光が放射される。ここに、ライン光の広がり角度とは、ライン光の光軸Lからライン光の片側の端までの角度θの2倍の角度(すなわち扇形の中心角)のことを言い、本実施形態では広がり角度を140°(鈍角)としている。
【0027】
次に、レーザ照射装置2を揺動自在に支持するジンバル機構について図3を参照して説明する。装置本体6の上側部には装置本体6を貫通する通し孔6aが形成されており、この通し孔6aに第1支持体7の第1支軸8を通すことによって、装置本体6は第1支持体7に対して第1支軸8の周りに揺動自在に軸支されている。すなわち、第1支持体7は矩形枠状に形成され、この第1支持体7に装置本体6を挿通した状態で、第1支持体7の対向する一対の片間に架け渡した第1支軸8を装置本体6の通し孔6aに挿通することによって、装置本体6が第1支軸8の周りに揺動自在に軸支されるのである。
【0028】
また第1支持体7は、第2支持体9に対して上記第1支軸8と直交する第2支軸10の周りに揺動自在に軸支されている。すなわち、第2支持体9は第1支持体7よりも一回り大きな矩形枠状に形成され、第2支持体9内に第1支持体7を入れ子状に配置してある。そして、第1支持体7の第1支軸8を架け渡していない方の一対の片と、該一対の片に対向する第2支持体9の一対の片とにそれぞれ第2支軸10を架設して、第1支持体7を第2支持体9に対して第2支軸10の周りに揺動自在に軸支してある。
【0029】
このようにして、レーザ照射装置2の装置本体6と第1支持体7と第1支軸8と第2支持体9と第2支軸10とでジンバル機構を構成してあり、円柱4を介して基台3に支持された保持部11に第2支持体9を保持させることで、装置本体6を全周方向に自在に揺動させ、自重によって鉛直方向に吊持するようになっている。
【0030】
保持部11は平板状をした枠体12と蓋体13とで構成される。枠体12は矩形枠状であって、中央部に開口12aが設けてある。また、枠体12の四隅部分には孔12bが設けてあり、枠体12を4本の円柱4に載置した状態で、枠体12の四隅の孔12bが各円柱4の上面部の雌ねじ穴4aに連通するように設定してある。
【0031】
一方、蓋体13は下面が開口した箱状であって、上面から一側面の中間部にかけてレーザ照射装置2の上部を通すための開口13aが設けられ、蓋体13の下端部の四隅には固定具挿入孔13cを有する取付片13bが設けてある。なお、蓋体13の下面の開口は、枠体12の開口12aよりも大きく設定してあり、開口12aは第2支持体9の内周形状及び大きさと略同じになっている。
【0032】
而して、基台3の上面に立設された4本の円柱4上に枠体12を載置し、この枠体12の上面に一対の緩衝体14,14で両側から挟んだ第2支持体9を載置した後、枠体12の上側から蓋体13を被せて、枠体12と蓋体13との間に緩衝体14,14を介して第2支持体9を収納保持する。この時、レーザ照射装置2の下側部分は枠体12の開口12aを通して下方に突出し、レーザ照射装置2の上側部分は蓋体13の開口13aを通して上方に突出する。このように円柱4に載置した枠体12と蓋体13とで構成される保持部11に第2支持体9を収納して保持した状態で、蓋体13に設けた固定具挿入孔13cと枠体12の孔12bとにねじのような固定具15を通し、円柱4の上面に設けた雌ねじ穴4aに固定具15を螺合することで、枠体12と蓋体13とからなる保持部11を円柱4に固着するとともに、上述のジンバル機構を保持部11に保持させるのである。
【0033】
ここで、各レーザユニット20a〜20dの配置について以下に詳細に説明する。図7及び図8は四方を側壁で囲まれた部屋の中央にレーザ墨出し器1を配置して墨出し作業を行う場合の説明図であり、4台のレーザユニット20a〜20dの内、第1及び第2のレーザユニットとしての2台のレーザユニット20a,20bは、同一の鉛直面V1を示すライン光A,Bを対向する2つの側壁(図7中の左右の側壁)と天井と床とにそれぞれ投射するもので、レーザユニット20aは装置本体6の上部に、レーザユニット20bは装置本体6の左側の側面にそれぞれ配置され、上述のジンバル機構によって装置本体6が鉛直方向に垂立した状態で、レーザユニット20a,20bからのライン光が同一の鉛直面V1内に照射されるように装置本体6に取り付けられている。すなわち、2台のレーザユニット20a,20bの光軸La,Lbは、レーザ墨出し器1が設置された点(地墨点)oを通り鉛直面V1に対して垂直な鉛直面V2に対して互いに反対側を向いており、レーザユニット20aからのライン光A(第1の垂直ライン光)は、鉛直面V2に対向する一方の側壁と天井と床とに放射されて図中の点a,b,c,dを通る。また、レーザユニット20bからのライン光B(第2の垂直ライン光)は、鉛直面V2に対向する他方の側壁と天井と床とに放射されて図中の点e,f,g,hを通る。ここに、レーザユニット20a,20bは装置本体6に対してライン光A,Bが同一平面内に放射されるように取り付けられているので、ライン光Aが通る点a,b,c,dと、ライン光Bが点e,f,g,hは共に鉛直面V1上の点になり、したがってライン光A,Bにより対向する2つの側壁と天井と床とに鉛直面V1を示す連続した垂直ラインが投射されるのである。
【0034】
図9に示すようにレーザユニット20aの光軸Laの仰角(線分oaと光軸Laとが為す角)をΦa、光軸Laを中心としたライン光の広がり角度(中心角)を2θaとして、レーザユニット20bの光軸Lbの仰角(線分oeと光軸Lbとが為す角)をΦb、光軸Lbを中心としたライン光の広がり角度を2θbとすると、側壁と天井と床とに連続したライン光を照射でき、且つ、Φa+Φb+θa+θb>180°となるように、レーザユニット20a,20bの取付角度やライン光の広がり角度を設定してあるので、天井面においてライン光Aとライン光Bの一部が重なり合い、対向する2つの側壁と天井と床とに鉛直面V1を示す連続した垂直ラインを投射することができる(図7及び図8参照)。
【0035】
なお、図9ではレーザユニット20a,20bが同じ高さに配置されているように簡略化して図示しているが、実際には図10に示すようにレーザユニット20aがレーザユニット20bよりも高さh1だけ上側に位置するように鉛直方向に並べて配置されている。ここで、光軸Laの仰角を45°、光軸Lbの仰角を0°とし、ライン光A,Bの広がり角度2θa,2θbをともに140°(θa=θb=70°)として、高さh1を70mmとすると、レーザユニット20aよりもh2=319mmだけ上方の点Xでライン光A,Bが交わることになる。レーザ墨出し器1の一般的な使われ方を考慮すると、床面から天井面までの高さはおおよそ3mであるので、ライン光A,Bが交わる点Xよりも天井の方が十分高い位置にあり、天井面でライン光A,Bを確実に重なり合わせて連続したライン光を投射することができる。
【0036】
また、第3のレーザユニットとしてのレーザユニット20cは、点oを通り上記鉛直面V1に対して垂直な鉛直面V2を示すライン光C(第3の垂直ライン光)を、鉛直面V1に対向する一方の側壁と天井と床とに投射するもので、装置本体6の前側の側面に配置される。またレーザユニット20cは、レーザユニット20aとレーザユニット20bとの間に鉛直方向に並べて配置されており、ジンバル機構によって装置本体6が鉛直方向に垂立した状態で、レーザユニット20cからのライン光Cが鉛直面V2内に照射されるように装置本体6に取り付けられている。
【0037】
ところで、墨出し作業を行う場合には鉛直面V1を示すライン光A,Bと鉛直面V2を示すライン光Cとがレーザ墨出し器1の直上のポイントで交差していることが望ましいので、レーザユニット20cの光軸Lcの仰角をΦc、ライン光Cの広がり角を2θcとすると、側壁と天井と床とに連続したライン光を照射でき、且つ、Φc+θc>90°となるように、レーザユニット20cの取付角度やライン光Cの広がり角度を設定する。ここで、レーザユニット20cはレーザユニット20aよりも下側に配置されており、レーザユニット20cからのライン光Cがレーザ照射装置2の上部に配置されたレーザユニット20aによってケラれるため、レーザユニット20cを装置本体6から長さL1だけ側方に飛び出させて配置する必要がある。仮にレーザユニット20cがレーザユニット20bよりも下側に配置されていると、レーザ照射装置2の上端からの距離が長くなるため、レーザユニット20cの飛び出し量L1をさらに大きくしなければならず、レーザユニット20cの重量によって装置本体6の重心位置が外側に偏ってしまうため、ジンバル機構により装置本体6を吊持する際の安定性が悪くなる。そこで、本実施形態ではレーザユニット20cをレーザユニット20bよりも上側に配置しており、レーザユニット20cの飛び出し量L1をできるだけ小さくして、装置本体6の重心位置が外側に偏るのを防止し、装置本体6の安定性を向上させている。
【0038】
また、第4のレーザユニットとしてのレーザユニット20dは水平面H1を示すライン光D(水平ライン光)を、ライン光A〜Cが放射される3方の側壁に投射するもので、ジンバル機構によって装置本体6が鉛直方向に垂立した状態で、レーザユニット20dからのライン光Dが水平面H1内に照射されるように装置本体6に取り付けられている。すなわち、上記3方の側壁に連続した水平ラインを照射できるように、レーザユニット20dの取付角度やライン光Dの広がり角度が設定されている。ここで、レーザユニット20dはレーザユニット20bよりも下側に配置されている。上述のようにレーザユニット20bは鉛直面V1を示すライン光Bを照射しており、レーザユニット20bからのライン光Bは床面にも照射されるため、ライン光Bが基台3によってケラれるのを防止するために、レーザユニット20bをできるだけ上側に配置するのが好ましく、本実施形態ではレーザユニット20bをレーザユニット20dよりも上側に配置している。
【0039】
また、4台のレーザユニット20a〜20dの内、レーザユニット20aのみがジンバル機構の上側に配置され、他の3台のレーザユニット20b〜20dはジンバル機構の下側に配置されているので、レーザユニット20b〜20dが錘の役目を果たして、装置本体6の重心位置を下側にもっていくことができ、そのためジンバル機構がより安定して、外乱による振動などの影響を受けにくくなり、垂直ラインや水平ラインの精度が向上するという利点がある。
【0040】
なお、本実施形態では上述のような理由で4台のレーザユニット20a〜20dを、レーザユニット20a,20c,20b,20dの順番に鉛直方向に並べて装置本体6に取り付けており、レーザユニット20aの鉛直下方に他の3台のレーザユニット20c,20b,20dが配置されているので、4台のレーザユニット20a〜20dを水平な面内に並べて配置する場合に比べて、上側から見た装置本体6の大きさを小さくでき、レーザ墨出し器1の小型化が可能になったり、重心位置を低くして安定させることができる。なお、レーザユニット20a〜20dの順番は、重心位置を下げたり小型化を図ったりするために決定したものであり、これらの要求がなければ上述の順番にはこだわらない。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明では、第1のレーザユニットからの第1の垂直ライン光と第2のレーザユニットからの第2の垂直ライン光が同一の鉛直面内に放射されているので、2台のレーザユニットで対向する2つの側壁と天井と床との4面に同一の鉛直面を示す垂直ライン光を放射させることができ、またレーザユニットの台数が少なくて済むので、製造コストを低減でき、さらに第1及び第2のレーザユニットは上下に並べて装置本体に取り付けられているので、水平面内における装置本体の大きさを小型にできる。また、ジンバル機構の下側に第2のレーザユニットを配置することで、第2のレーザユニットが錘の役目を果たして、装置本体の安定性が増し、振動などの外乱によって装置本体が動揺し、第1及び第2の垂直ライン光が鉛直方向からずれるのを防止できる。
【0042】
請求項2の発明では、Φa+Φb+θa+θb>180°となるように仰角及び広がり角度を設定したことで、第1のレーザユニットからの第1の垂直ライン光と第2のレーザユニットからの第2の垂直ライン光の一部を天井で重なり合わせることができ、対向する2つの側壁と天井と床との4面に連続した垂直ライン光を放射させることができる。
【0044】
請求項3の発明では、Φc+θc>90°とすることで、第1及び第2の垂直ライン光と第3の垂直ライン光とを交差させて、レーザ墨出し器の直上のポイントを表示することができる。また、第3のレーザユニットの第2のレーザユニットの下側に配置すると、第3の垂直ライン光が装置本体によってケラれるのを防ぐために第3のレーザユニットを装置本体から大きく飛び出させて配置する必要があるが、第3のレーザユニットを第1のレーザユニットと第2のレーザユニットの間に配置しているので、第3のレーザユニットの飛び出し量を小さくして、水平面内における装置本体の大きさを小型にでき、且つ、重心位置を安定させることができる。
【0045】
請求項4の発明では、3つの側壁と天井と床とに互いに直交する2つの鉛直面を示す垂直ラインと水平ラインとを放射することができ、さらに第4のレーザユニットは第2のレーザユニットの下側に上下に並べて取り付けられているので、水平面内における装置本体の大きさを小型にでき、且つ、重心位置を安定させることができる。
【0046】
請求項5の発明では、装置本体に対して第1のレーザユニットのみがジンバル機構の上側に配置され、他のレーザユニットはジンバル機構の下側に配置されるので、他のレーザユニットが錘の役目を果たして、装置本体の重心を下げることができ、装置本体の安定性が増し、振動などの外乱によって装置本体が動揺し、第1及び第2の垂直ライン光が鉛直方向からずれるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のレーザ墨出し器のカバーを取り外した状態の正面図である。
【図2】同上の外観斜視図である。
【図3】同上の要部分解斜視図である。
【図4】同上のレーザ照射装置を右側から見た図である。
【図5】(a)(b)は同上のレーザユニットの光学系の説明図である。
【図6】同上のレーザユニットから放射されるライン光の説明図である。
【図7】同上のレーザユニット20a,20bから放射されるライン光の説明図である。
【図8】同上のレーザユニット20a〜20dから放射されるライン光の説明図である。
【図9】同上のレーザユニット20a,20bからのライン光を説明する簡略化した説明図である。
【図10】同上のレーザユニット20a,20bからのライン光を説明する説明図である。
【図11】従来のレーザ墨出し器の使用状態の説明図である。
【符号の説明】
1 レーザ墨出し器
6 装置本体
20a,20b レーザユニット
A,B ライン光
Claims (5)
- それぞれレーザ光を円筒レンズに通すことによって光軸を中心にして扇状に広がるライン光を放射する複数台のレーザユニットを備えたレーザ墨出し器において、対向する2つの側壁の内の一方と天井と床とに鉛直方向に沿って連続した第1の垂直ライン光を放射する第1のレーザユニットと、前記2つの側壁の内の他方と天井と床とに鉛直方向に沿って連続した第2の垂直ライン光を放射する第2のレーザユニットと、第1及び第2のレーザユニットが第1のレーザユニットを上側にして上下に並べて取り付けられた装置本体と、装置本体を第1支軸の周りに揺動自在に軸支する第1支持体、及び、該第1支持体を第1支軸と直交する第2支軸の周りに揺動自在に軸支する第2支持体で構成されるジンバル機構とを備え、装置本体に対して第1のレーザユニットをジンバル機構よりも上側に配置するとともに、第2のレーザユニットをジンバル機構よりも下側に配置し、且つ、第1及び第2の垂直ライン光が同一の鉛直面内に放射されるように第1及び第2のレーザユニットを装置本体に取り付けたことを特徴とするレーザ墨出し器。
- 第1及び第2のレーザユニットの光軸の仰角をそれぞれΦa,Φbとし、第1及び第2の垂直ライン光の広がり角度をそれぞれ2θa,2θbとすると、Φa+Φb+θa+θb>180°となるように仰角及び広がり角度を設定したことを特徴とする請求項1記載のレーザ墨出し器。
- 第1及び第2の垂直ライン光が放射される鉛直面に対して垂直な鉛直面内において、前記2つの側壁以外の側壁と天井と床とに鉛直方向に沿って連続した第3の垂直ライン光を放射する第3のレーザユニットを備え、第3のレーザユニットの光軸の仰角をΦc、第3の垂直ライン光の広がり角度を2θcとすると、Φc+θc>90°となるように、第3のレーザユニットを第1のレーザユニットと第2のレーザユニットとの間に上下に並べて装置本体に取り付けたことを特徴とする請求項1又は2記載のレーザ墨出し器。
- 水平面内において前記第1〜第3の垂直ライン光が放射される3つの側壁に水平ライン光を放射する第4のレーザユニットを備え、第4のレーザユニットを第2のレーザユニットの下側に上下に並べて装置本体に取り付けたことを特徴とする請求項3記載のレーザ墨出し器。
- 装置本体に対して第3のレーザユニットをジンバル機構の下側に配置したことを特徴とする請求項3又は4記載のレーザ墨出し器。
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