JP4051252B2 - ノイズフィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノイズフィルタに関し、特に減衰極の制御が簡単な分布定数型のノイズフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ノイズフィルタは、複数の誘電体層から成る積層体内に、各誘電体層の層間に信号ライン導体コイル(以下、単に信号側コイルという)となるコイルパターンとグランドライン導体コイル(以下、単にグランド側コイルという)となるコイルパターンとをそれぞれ形成し、積層体内で信号側コイル、グランド側コイルを形成するとともに、信号側コイル、グランド側コイルを誘電体層を介して容量成分を発生させていた。なお、信号側コイルとなるコイルパターン間の接続はビアホールによって行なわれ、グランド側コイルとなるコイルパターン間の接続はビアホールによって行なわれていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、分布定数型ノイズフィルタのコイルパターンを示す積層体の分解斜視図である。なお、図では端子電極を省略している。また、図6(b)はその分布定数型ノイズフィルタの等価回路図である。
【0004】
図5において、誘電体積層体の本体は、上部マージン層となる誘電体層51x、誘電体層51a〜51fとが積層されて構成されていた。そして、例えば、信号側コイルを構成するコイルパターンは、誘電体層51xと51aとの層間、誘電体層51bと51cとの層間、誘電体層51dと51eとの層間に配置されていた。そして、各層間の信号側のコイルパターン52a、52c、52eは、ビアホール導体及び誘電体層51aと51bとの層間、誘電体層51cと51dとの層間、誘電体層51eと51fとの層間に配置された接続パターン54b、54d、54fを介して互いに接続し、全体として信号側コイルを形成していた。
【0005】
また、例えば、グランド側コイルを構成するコイルパターンは、誘電体層51aと51bとの層間、誘電体層51cと51dとの層間、誘電体層51eと51fとの層間に配置されていた。そして、各層間のグランド側のコイルパターン53b、53d、53fは、ビアホール導体及び誘電体層51xと51aとの層間、誘電体層51bと51cとの層間、誘電体層51dと51eとの層間に配置された接続パターン55a、55c、54eを介して互いに接続し、全体としてグランド側コイルを形成していた。
【0006】
各コイルパターン52a、53b、52c、53d、52e、53fは、概略H字状に形成され、例えば、信号側コイルパターン52a、52c、52eと、グランド側コイルパターン53b、53d、53fとが対向して、所定容量成分を形成していた。尚、図5では、各コイルパターン52a、53b、52c、53d、52e、53fが互いに対向しあい、所定容量成分を形成していた。ここで、容量部は、各コイルパターンの中央領域C及びビアホール導体が接続しない延出部であり、各コイルパターンの中央領域C及びビアホール導体に接続する側に延びる延出部がインダクタ部となる。
【0007】
このような構造において、信号側コイルは、コイルパターン52aの一方のインダクタ部の先端から、接続パターン54bを介してコイルパターン52cの他方のインダクタ部の先端に接続し、コイルパターン52cの一方のインダクタ部の先端から、接続パターン54dを介してコイルパターン52eの他方のインダクタ部の先端に接続して構成され、コイルパターン52eの一方のインダクタ部の先端から接続パターン54fに接続されている。これにより、例えば概略3ターンのコイルとなる。
【0008】
同様に、グランド側コイルは、接続パターン55aからコイルコイルパターン53bの一方のインダクタ部に接続し、コイルパターン53bの他方のインダクタ部の先端から、接続パターン55cを介してコイルパターン53dの一方のインダクタ部の先端に接続し、コイルパターン53dの他方のインダクタ部の先端から、接続パターン55eを介してコイルパターン53fの一方のインダクタ部の先端に接続して構成されている。これにより、例えば、概略3ターンのコイルとなる。
【0009】
結局、等価回路図の図6(b)のよう、信号側コイル(L1a〜L1c)、とグランド側コイル(L2a〜L2c)とが容量成分C1a〜C1cにより結合されている。
【0010】
これにより、分布定数型ノイズフィルタの減衰周波数は、等価キャパシタンスを不変とした場合、信号側コイルの自己インダクタンス及びグランド側コイルの自己インダクタンスと、信号側コイルとグランド側コイルとの相互インダクタンスによって決定され、周波数特性を任意に制御できるフィルタ特性が得られるものである。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−196392号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ノイズフィルタの周波数が高くなるにつれて、フィルタを構成するインダクタ成分を大きくして分布容量成分を小さくする必要がでてきたが、従来技術の構成ではインダクタ成分を大きくすると分布容量成分も大きくなってしまい必要とされる周波数特性が得られなくなってしまう。高周波化するには、容量形成領域のコイルパターンを広げるという手法があるが、これでは製品の寸法が増大してしまい小型化に逆行してしまう。すなわち、更なる小型化を達成し、求められる特性のカットオフ周波数、減衰帯域の高周波化を実現することが困難なものとなっていた。
【0013】
本発明はこのような問題に鑑みて成されたもので、フィルタを構成するインダクタ成分を最大限にして、分布容量値を低減する事で小型化を達成すると共に周波数特性を高周波化したLCノイズフィルタを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の誘電体層が積層され、外表面に信号側入力端子電極、信号側出力端子電極及びグランド端子電極が形成されている誘電体本体に、一端部が信号側入力端子に接続され、他端部が信号側出力端子に接続された信号側コイルと、信号側コイルとの間に容量成分を形成し、且つ一端部がグランド端子に接続されたグランド側コイルとを配置したノイズフィルタにおいて、グランド側コイルは、グランド容量成分を介してグランド端子に接続している。
【0015】
また、信号側コイル及びグランド側コイルは、複数の誘電体層間に形成されたコイルパターンで構成されるとともに、前記容量成分は、誘電体層を挟んで配置される信号側コイルとなるコイルパターンとグランド側コイルとなるコイルパターンとの間で形成するとともに、グランド容量成分は、前記誘電体層間に形成したグランド導体膜と、該グランド導体膜と該誘電体層を介して対向する前記グランド側コイルとなるコイルパターンとの間で形成した。
【0016】
【作用】
本発明のノイズフィルタでは、グランド側コイルの一端部とグランド端子との間にグランド容量成分を付加されている。これにより基本的な等価回路は図6(a)のようになる。
【0017】
即ち、図6(b)等価回路に比較して、信号側コイルの自己インダクタンスとグランド側コイルの自己インダクタンスを選択し、そしてグランド側コイルと信号側コイルとの相互インダクタンスを選択することによって、所望のフィルタ特性を比較的簡単に得ることができた。
【0018】
本発明の構成では、グランド側コイルの一端部とグランド端子の間にグランド容量成分が加えられている。図4(a)に本発明のフィルタの代表的な特性を示す。これは図4(b)で示した従来のフィルタ特性に、このグランド容量成分のインピーダンス特性(図4(c)の太線の特性が合成されて達成される。すなわち、低周波での減衰が少なく高周波で急激に減衰して、必要な信号は通過させ不必要な信号はグランドに落とすLCローパスフィルタとして動作する。これにより所望のフィルタ特性がより簡単に得ることができる。
【0019】
また、本発明のノイズフィルタの構成の特徴であるグランド側コイルの一端でグランド容量成分を形成する構造は、グランド側コイルパターンと誘電体層のほぼ全面を覆うようにグランド導体膜によって形成され、内部ではシールド板の役目をもっている。このため、マイコンのバスなどのように複数の配線パターンを形成するにあたり、本発明のノイズフィルタの下部領域を利用しても、クロストークの少ない良好なフィルタ特性を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のノイズフィルタを図面に基づいて詳説する。
図1(a)は本発明のノイズフィルタの外観斜視図であり、図1(b)は本発明のノイズフィルタの断面図であり、図2は積層体の分解斜視図である。
【0021】
図1(a)において、1は誘電体層が積層してなる誘電体単体(以下、積層体という)であり、9は、グランド導体膜であり、6、7は信号側コイルに接続した信号側入出力端子電極であり、8はグランド導体膜9に接続するグランド側端子電極である。
【0022】
積層体1は、アルミナ、BaTiO3、TiO2などのセラミック材料または磁性体材料(本発明で誘電体層に含まれる)と結晶化ガラス材料からなる複数の誘電体層1x、1a〜1gが積層されて構成されている。尚、図2においては、最上層のマージン層を省略している。
【0023】
この積層体1には、信号側コイル2、グランド側コイル3及びグランド導体膜9を具備している。この信号側コイル2を構成するコイルパターン、グランド側コイル3を構成するコイルパターン、ビアホール導体、接続パターン、グランド導体膜9は、例えば、銀系材料や銅系材料から形成されている。
【0024】
次に、信号側コイル2の構成を図2に基づいて説明すると、信号側コイル2は、誘電体層1x上に形成された端子接続パターン、誘電体層1xと誘電体層1aとの間に配置されたコイルバターン2a、誘電体層1aと誘電体層1bとの間に配置された接続パターン4b、誘電体層1bと誘電体層1cとの間に配置されたコイルバターン2c、誘電体層1cと誘電体層1dとの間に配置された接続パターン4d、誘電体層1dと誘電体層1eとの間に配置されたコイルバターン2e、誘電体層1eと誘電体層1fとの間に配置された接続パターン4f、誘電体層1fと誘電体層1gとの間に配置された端子接続パターンが、図中点線で示すビアホール導体を介して互いに接続されて構成されている。そして、端子接続パターンを介して信号側入出力端子電極6、7に接続している。
【0025】
また、グランド側コイル3は、誘電体層1xと誘電体層1aとの間に配置された接続バターン5a、誘電体層1aと誘電体層1bとの間に配置されたコイルパターン3b、誘電体層1bと誘電体層1cとの間に配置された接続バターン5c、誘電体層1cと誘電体層1dとの間に配置されたコイルパターン3d、誘電体層1dと誘電体層1eとの間に配置された接続バターン5e、誘電体層1eと誘電体層1fとの間に配置されたコイルパターン3fが図中点線で示すビアホール導体を介して互いに接続されて構成されている。そして、誘電体層1eと誘電体層1fとの間にコイルパターン3fは、誘電体層1fと誘電体層1gとの間に配置されたグランド導体膜9との間にてグランド容量成分を対して、グランド側端子電極8に接続している。
【0026】
この結果、図6(a)に示すように、積層体1の内部には、L1a〜L1cからなる信号側コイル2と、L2a〜L2cからなるグランド側コイル3とが形成され、且つその間には、C1a〜C1cからなる容量成分により結合し、さらに、グランド側コイル3の一端とグランド端子電極8との間に、グランドグ容量成分C2が配置される。
【0027】
このような信号側コイル2を構成するコイルパターン2cは、概略矩形状容量形成領域21と、該容量形成領域21から一方端側(図では左側)に延びる2つのインダクタ形成部分22、23とから構成されている。なお、容量形成領域21から他方端側(図では右側)に延びる2つの導体24、25は容量形成領域の補助部分となる。
【0028】
また、グランド側コイル3を構成するコイルパターン3bは、概略矩形状容量形成領域31と、該容量形成領域31から他方端側(図では右側)に延びる2つのインダクタ形成部分32、33とから構成されている。なお、該容量形成領域31から一方端側(図では左側)に延びる2つの導体34、35は容量形成領域の補助部分となる。
【0029】
この両者のコイルパターン3bと2cにおいて、誘電体層1bを介して対向している。即ち、コイルパターン2cの容量形成領域21とコイルパターン3bの容量形成領域31とが対向しあう。また、コイルパターン2cのインダクタ部22、23とコイルパターン3bの導体34、35とが、コイルパターン3bのインダクタ部32、33とコイルパターン2cの導体24、25とが、互いに対向しあう。
これにより、両コイルパターン3bと2cとの間は所定容量成分が形成され、両者が容量結合されている。なお、隣接しあう誘電体層の層間に形成された他のコイルパターンも同様である。
【0030】
また、グランド側コイル3の接続パターン5a、5cは、隣接する誘電体層間に配置されるグランド側コイルとなるコイルパターン3b、3dの2つのインダクタ部32、33の先端に跨がるように帯状に形成されている。そして、帯状のグランド側コイルの接続パターン5a、5cの一端側には、例えば下側に位置する誘電体層1a、1cの厚みを貫くビアホール導体(点線で示す)が形成され、グランド側コイルとなるコイルパターン3b、3dの一端側のインダクタ部32に接続されている。また、接続パターン5c、5eも同様であり、信号側コイル2においても、同様である。
【0031】
また、グランド導体膜9は、信号側コイル2の端子接続パターンと短絡しないように、誘電体層1g上の略全面に形成されている。このグランド導体膜9とコイルパターン3fは、誘電体層1fを介して対向している。これによりコイルパターン3fとグランド導体膜9との間は所定グランド容量成分C2が形成され、両者が容量結合されている。そして、グランド導体膜9の長辺の一部から延びて積層体1の外表面に形成されたグランド側端子電極8に接続されている。
【0032】
なお、図2において信号側コイル2は略3ターンであり、グランド側コイル3も略3ターンで示されており、ターン数(自己インダクタタンス)に大きな差はないが、減衰周波数の制御を行なうためにあえて相違させさてもよい。
【0033】
このようにすれば、ノイズフィルタの減衰周波数は、等価キャパシタンスを不変とした場合、信号側コイル2の自己インダクタンス及びグランド側コイル3の自己インダクタンス、信号側コイル2とグランド側コイル3の相互インダクタンスを任意に制御でき、周波数特性を任意に制御できるフィルタ特性が得られる。
【0034】
本実施例の各コイルパターン2a、2c、2e、3b、3d、3fに形成されたインダクタ部22、23、32、33がそれぞれの端部側に延びている。または同一延出量だけ延びて、お互い中央部側に容量成形領域を有している。即ち、各コイル全体からみるコイルパターン部分(螺旋形状)は、平面からみると概略矩形状となっている。これにより、信号側コイル2、グランド側コイル3の平面形状を実質的に誘電体層の平面形状に近似させることができ、誘電体層1a〜1eのコイルパターン2a、2c、2e、3b、3d、3f及び接続パターン4b、4d、4f、5a、5c5eで構成されるコイルの内面積を大きくすることができ、しかもコイル周囲のデッドスペースを極小化することができる。これにより、コイルのインダクタンス成分を極大化し、且つ誘電体層1a〜1eの形状を小型化することができ、これにより、小型な積層体1が達成できる。
次に、上述の構造の積層体1は、以下のような製造方法で作られる。
まず、積層体1の誘電体層1x、1a〜1gとなる誘電体シートは、誘電体材料であるBaTiO3、TiO3を少なくとも含むセラミック粉末と有機ビヒクルとを均質混練して、所定厚み(20μm〜100μm)のテープを成型し、所定大きさに裁断する。
【0035】
次に、その誘電体シートの所定位置(接続パターン4b〜4f、5a〜5eのいずれか端部となる位置)に、ビアホール導体となる貫通孔(孔径50μm〜200μm)をパンチ加工などで形成する。
【0036】
次に、上述の貫通孔内に、Ag系(Ag単体、Ag−PdのようなAg合金)、Cu系材料の金属粉末と必要に応じて低融点ガラスフリットと有機ビヒクルとを均質混合して得られた導電性ペーストを充填して、ビアホール導体となる導体を形成するとともに、そのシートの表面に信号側コイルとなるコイルパターン2a、2c、2eとなる導体膜、グランド側コイルとなるコイルパターン3b、3d、3fとなる導体膜、接続パターン5a、5c、5e、4b、4d、4fとなる導体膜を、上述の導電性ペーストのスクリーン印刷によって厚み1μm〜20μmで形成する。
【0037】
また、最下層となる誘電体シート上にグランド導体膜9となる導体及び端子接続パターンとなる導体膜を同様に前述の導電性ペーストのスクリーン印刷によって厚み1μm〜20μmで形成する。尚、誘電体層1xとなる誘電体シート上に端子接続パターンとなる導体膜を同様に形成する。
【0038】
次に、夫々の誘電体シートを図2に示す積層順序を考慮して、選択的に積層し、熱圧着により一体化する。その後必要に応じて焼結収縮を考慮した最終寸法で裁断したり、また、最終工程で分割するための分割溝を形成したりする。
【0039】
次に、誘電体シートから成る積層体を、所定雰囲気・所定ピーク温度で焼成する。上述の導電性ペーストにAg系導電性ペーストを用いた場合には酸化性雰囲気、中性雰囲気で、Cu系導電性ペーストを用いた場合には還元性雰囲気、中性雰囲気で処理する。また、ピーク温度は、誘電体シートが焼結反応されるに必要な温度で処理する。
【0040】
このようにして焼成処理された積層体1に、積層体1の外表面に露出するビアホール導体、導体の露出部分に夫々端子電極6、7、8となる導体膜を、導電性ペーストの焼きつけにより形成し、その後、その導体膜の表面にメッキ処理を施す。
【0041】
図3(a)(b)は、本発明の他のノイズフィルタに用いる2種類の誘電体層1Y、1Zの平面図を示す。誘電体層1Yには、信号側コイルを構成するコイルパターン2Y及びグランド側コイルを構成する接続パターン5Yが形成されている。誘電体層1Zには、グランド側コイルを構成するコイルパターン3Z及びグランド側コイルを構成する接続パターン4Zが形成されている。図3では、図2に示すコイルパターンの補助容量形成領域である導体24、25、34、35が形成されていない。即ち、コイルパターンが図2では実質的H状であったのに対して、図3では実質的にC状となっている。このようなコイルパターンは、両コイル間に形成されている容量成分が不要の場合に用いられる。
【0042】
以上のように、本発明ではグランド側コイル3とグランド端子8との間に、グランド導体膜9とコイルパターン3fとの間で、グランド容量成分C2を形成している。これにより、グランド容量成分を付加することで、周波数の低域のフィルタ特性を改善することができる。
【0043】
本発明者は、コイルターン数、寸法などを同一の本発明のノイズフィルタと、図5に示すコイルパターンを有するノイズフィルタとで、その特性を測定した。
【0044】
図4(a)は本発明のノイズフィルタの特性であり、図4(b)は従来のノイズフィルタの特性である。図から本発明品の特性は、周波数の低域、例えば500MHzぐらいまでの減衰はそれほど大きくなく、それ以上の周波数で急峻に減衰極が形成することでき、広い周波数帯域で十分な減衰量が得られることがわかる。
【0045】
このことは、本発明において、従来のフィルタ特性をさらに任意に設定できる自由度の高いノイズフィルタであることを示しており、周波数の低域での減衰特性が著しく向上したものであることが言える。この図4(a)の結果は、図4(c)の太線で示すように、グランド容量成分C2のインピーダンス特性が合成されて達成される。
【0046】
本実施のフィルタ特性は、ノイズフィルタとしての一例でありその特性は用いられる回路構成や箇所によって適宜最適化されるものであって、図6(a)に示す等価回路においてもそれぞれのエレメントの値は求められるフィルタ特性、形状によって適宜選択されるものであって、或値またはそれらの値の組み合わせに限定されるものではない。
【0047】
【発明の効果】
本発明のノイズフィルタは、フィルタ特性の制御が簡単で、インダクタ成分を最大限に設定し、同時に分散して形成するコンデンサの容量値を調整することで、高周波領域での減衰特性を良好なものにすることができる。また、グランド側コイルとクランド端子電極との間に、グランド容量成分C2を設けたことにより、このグランド容量成分C2のインピーダンスとフィルタ特性が合成されて、カットオフ周波数(通過させる周波数の設定)が高周波側まで広げることが可能となる。この結果、通過域以上の周波数では信号が急峻に減衰し、減衰帯域の広いノイズフィルタを実現させることができる。また、グランド側コイルの一端部とグランド容量成分C2を形成するグランド導体膜をノイズフィルタ内でシールド板として作用し、クロストークのない良好な特性を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明のノイズフィルタの斜視図であり、(b)本発明のノイズフィルタの断面図である。
【図2】本発明のノイズフィルタを構成する積層体部分の分解斜視図である。
【図3】(a)は他の信号側コイルとなるコイルパターンを示す概略平面図であり、(b)は他のグランド側コイルとなるコイルパターン概略平面図である。
【図4】本発明のノイズフィルタと従来のノイズフィルタとの特性を比較するための特性図であり、(a)は本発明のノイズフィルタの特性、(b)は従来のノイズフィルタの特性を示し、(c)はグランド容量成分C2のインピーダンス特性との合成を示す。
【図5】従来のノイズフィルタを構成する積層体部分の分解斜視図である。
【図6】ノイズフィルタの等価回路図であり、(a)は本発明のノイズフィルタの等価回路図であり、(b)は従来のノイズフィルタの等価回路図である。
【符号の説明】
1・・・積層体
1x、1a〜1e・・・・誘電体層
2・・・・信号側コイル
3・・・・グランド側コイル
6、7・・・信号側入出力端子電極
8・・・・グランド側端子電極
9・・・・グランド導体膜
c2・・・・グランド容量成分C2
Claims (2)
- 複数の誘電体層が積層され、外表面に信号側入力端子電極、信号側出力端子電極及びグランド端子電極が形成されている誘電体本体に、
一端部が信号側入力端子電極に接続され、他端部が信号側出力端子電極に接続される信号側コイルと、該信号側コイルとの間に容量成分を形成し、且つ一端部がグランド端子電極に接続されるグランド側コイルとを配置したノイズフィルタにおいて、
前記グランド側コイルは、グランド容量成分を介してグランド端子電極に接続されていることを特徴とするノイズフィルタ。 - 前記信号側コイル及び前記グランド側コイルは、前記複数の誘電体層間に形成されたコイルパターンで構成するとともに、前記容量成分は、前記誘電体層を挟んで配置される前記信号側コイルとなるコイルパターンと前記グランド側コイルとなるコイルパターンとの間で形成するとともに、前記グランド容量成分は、前記誘電体層間に形成した前記グランド導体膜と、該グランド導体膜と前記誘電体層を介して対向する前記グランド側コイルとなるコイルパターンとの間で形成することを特徴とする請求項1記載のノイズフィルタ。
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