JP4061976B2 - バルブリフト量調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関における吸気弁のバルブリフト量を調整するバルブリフト調整装置に関するものであり、特に、調整動作の際に利用されるバルブリフト量センサが故障した場合でも、適切な空気量を確保できるようにバルブリフト量をコントロールすることができるバルブリフト量調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バルブリフト量センサが故障した場合について考慮されたバルブリフト量調整装置に関する発明が特開2000−314329号公報「内燃機関の可変動弁装置における作動センサ故障時処理装置」に開示されている。この従来技術では、作動角センサがバルブリフト量センサに相当し、作動角センサが故障したときには、バルブリフト量を制御する制御軸の作動角が故障時目標作動角となるようにする。これによって、バルブリフト量センサが故障した場合であっても、退避走行を可能にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来技術では、バルブリフト量センサが故障したときの対処方法は、基本的にオープンループ制御であるため、部品公差、耐久劣化によるばらつき、温度特性、摩擦ばらつき等により生じる誤差を吸収できず、誤差がそのまま制御結果の作動角に現れてしまう。そのため、退避走行が達成できなかったり、オーバーランにつながったりする確率が高く、実現性に乏しかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、内燃機関における吸気弁のバルブリフト量を変化させることができるように構成されたバルブリフト量可変機構と、バルブリフト量を検出するバルブリフト量センサと、バルブリフト量の目標値を目標空気量に基づいて算出すると共にバルブリフト量センサによるバルブリフト量の検出値が目標値に一致するようにバルブリフト量可変機構を駆動する駆動制御手段とを備えたバルブリフト量調整装置において、駆動制御手段は、バルブリフト量センサの異常を検出したときには、スロットル開度およびバルブ位相を固定すると共に、吸気経路に配置されたエアーフローメータにより検出された吸入空気量が目標空気量に一致するようにバルブリフト量可変機構を駆動することを特徴とするものである。
【0005】
バルブリフト量センサの異常が検出されると、エアーフローメータにより検出される吸入空気量が目標空気量になるようにバルブリフト量を制御するフィードバックループが形成される。したがって、バルブリフト量調整に関わる部品について、部品公差、耐久劣化によるばらつき、温度特性、摩擦ばらつき等が存在しても、吸入空気量は目標吸気量に収束する。
【0006】
目標空気量は、内燃機関の回転数およびアクセルポジションに基づいて算出することが望ましい。回転数により内燃機関の現状の出力状況を把握でき、アクセルポジションにより内燃機関出力に関する運転者の意図を把握することができる。したがって、回転数およびアクセルポジションに基づいて目標空気量を算出することにより、内燃機関の現状出力および運転者の意図が反映された目標空気量を設定することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態であるバルブリフト量調整装置を含むバルブ開閉装置の構成を示す図である。バルブ開閉装置1は、ダイレクト式オーバーヘッドカムシャフト方式が採用されており、図示省略したシリンダヘッド上方において互いに平行に配置されたイグゾーストカムシャフト2とインテークカムシャフト3を備える。
【0008】
カムシャフト2および3のそれぞれの一端にはタイミングプーリー4および5が配置されており、タイミングプーリー4および5は、クランクシャフトタイミングプーリー6共にタイミングベルト7によって連結されている。
【0009】
タイミングプーリー5は、連続可変バルブタイミング機構8を介してインテークカムシャフト3に連結されている。連続可変バルブタイミング機構8は、吸気バルブ9の開閉タイミングを運転状態に応じて最適に調整する機構である。運転状態の判断は、エンジン制御コンピュータである電子制御ユニット(ECU)10において行われ、その結果に基づいてバルブ開閉タイミングが制御される。
【0010】
インテークカムシャフト3は軸方向にスライド可能になっており、連続可変バルブタイミング機構8とは反対側の一端に、カムシャフトスライド駆動部11が設けられている。カムシャフトスライド駆動部11は、ECU10からの指令に基づいてインテークカムシャフト3を軸方向にスライドさせる。
【0011】
図2は、カムシャフトスライド駆動部11の内部構造を示す図である。カムシャフトスライド駆動部11はECU10によって制御される直流モータ20を内蔵しており、直流モータ20の回転軸には歯車21が固着されている。歯車21は歯車22と噛み合っており、直流モータ20の回転は歯車22に伝達される。
【0012】
歯車22の中心には回転軸に沿って円筒開口が形成されており、円筒開口の内壁には螺旋溝が形成されている。また、円筒開口内には円柱体23が配置されており、円柱体23の外周壁には、歯車22の内壁に形成された螺旋溝と同一ピッチの螺旋溝が形成されている。円柱体23の外壁および歯車22の内壁のそれぞれに形成された螺旋溝間には複数の球体が挿入されており、これによって、歯車22の内壁と円柱体23の外壁との間にボールネジ構造が形成されている。すなわち、円柱体23の回転を制止させた状態で歯車22を回転させると、円柱体23が回転軸方向、すなわち、ストローク方向Aに移動する。
【0013】
円柱体23の一方の底面にはインテークカムシャフト3の一端が軸回転可能に連結されている。したがって、円柱体23がストローク方向Aに移動に伴ってインテークカムシャフト3もストローク方向Aに移動する。円柱体23の他方の底面にはストロークセンサコア24が取り付けられている。
【0014】
ストロークセンサコア24の先方にはコア検出部25が配置されている。コア検出部25は、ストロークセンサコア24の位置に応じた電気信号をストロークセンサ値としてECU10に出力するもので、ストロークセンサコア24と共にストロークセンサ26を構成する。
【0015】
図3は、インテークカムシャフト3に設けられているバルブ開閉用のカムの形状を示す図である。同図に示すように、バルブ開閉用のカム30は三次元カムとなっており、カムプロフィールがインテークカムシャフト3の軸方向に連続的に変化している。
【0016】
したがって、インテークカムシャフト3がカムシャフトスライド駆動部11によって軸方向(ストローク方向)にスライドすると、吸気バルブ9に当接する部分のカムプロフィールが変化して、バルブリフト量が変化する。
【0017】
このように、軸方向にスライドするインテークカムシャフト3、カムシャフトスライド駆動部11、三次元カム30によって、バルブリフト量可変機構が構成されている。
【0018】
つぎに、バルブリフト量可変機構の駆動制御手段としての機能を備えているECU10について説明する。ECU10の入力側には、カムシャフトスライド駆動部11内のストロークセンサ26の他に、アクセルポジションセンサ13、エンジン回転数センサ14、およびエアーフローメータ15が接続されている。
【0019】
アクセルポジションセンサ13は、図示省略したアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するセンサである。エンジン回転数センサ14は、文字通りこのエンジンの回転数を検出するセンサである。エアーフローメータ15は、このエンジンの吸気経路上流側に配置され、吸入空気量を検出するセンサである。
【0020】
ECU10の出力側には、カムシャフトスライド駆動部11内の直流モータ20、連続可変バルブタイミング機構8、およびスロットルバルブ16が接続されている。
【0021】
図4はECU10における吸入空気量制御に関する動作を示すフローチャートであり、バルブリフト量の調整を行うための動作を含んでいる。
【0022】
ステップS1では、アクセルポジションセンサ13およびエンジン回転数センサ14からの信号に基づいて、アクセル開度およびエンジン回転数を取得する。ステップS2では、ステップS1で検出されたアクセル開度およびエンジン回転数から目標空気量を算出する。具体的には、予め用意したマップにアクセル開度およびエンジン回転数を当てはめて目標空気量Grを算出する。図5は、アクセル開度とエンジン回転数と目標空気量との関係の一例を示すマップ(グラフ)である。
【0023】
ステップS3では、ストロークセンサ26の異常検出が行われる。異常検出は、たとえばセンサの出力電圧値から判断することができる。ストロークセンサ26のコア検出部25の出力は、一般のセンサと同じように、0.5ボルト〜4.5ボルトの電圧信号としてECU10に与えられる。一方、このセンサの出力回路が断線あるいはショートすると、センサの出力電圧が電源電圧、つまり0ボルトあるいは5ボルトになるため、出力電圧から断線あるいはショートに起因する故障を検出することができる。また、たとえ正常範囲の出力電圧であっても、同一電圧が所定時間以上継続した場合には、ストロークセンサ26の異常と判定することも可能である。
【0024】
ステップS3において、ストロークセンサが正常である、すなわち、異常が検出されなかった場合には、ステップS7に移行して、バルブリフト量、スロットル開度およびバルブ位相(バルブ開閉タイミング)についての目標値を目標空気量に基づいて算出する。
【0025】
各目標値が求められたら、ステップS8に移行して、バルブリフト量、スロットル開度およびバルブ位相に関する各アクチュエータを駆動し、作動出力をそれぞれの目標値に一致させる。バルブリフト量に関するアクチュエータは、上述したようにインテークカムシャフト3、三次元カム30、カムシャフトスライド駆動部11を含むバルブリフト量可変機構であり、スロットル開度に関するアクチュエータは、図示省略したスロットルバルブの駆動機構であり、バルブ位相に関するアクチュエータは、連続可変バルブタイミング機構8である。
【0026】
このステップS8において各アクチュエータの駆動制御が終了したらステップS1に戻る。
【0027】
ステップS3において、ストロークセンサ26の異常が検出された場合には、ステップS4に移行して、スロットル開度とバルブ位相を予め定められた値に固定するように各アクチュエータを駆動する。
【0028】
つぎにステップS5において、エアーフローメータ15からの信号に基づいて吸入空気量を検出する。
【0029】
ステップS6では、ステップS5で検出された吸入空気量とステップS2で算出された目標空気量との差が減少するようにカムシャフトスライド駆動部11を駆動してバルブリフト量を変更する。吸入空気量が目標空気量よりも大きい値のときは吸入空気量が減少する方向にカムシャフトスライド駆動部11を駆動する。逆に、吸入空気量が目標空気量よりも小さい値のときは、吸入空気量が増加する方向にカムシャフトスライド駆動部11を駆動する。
【0030】
その後、ステップS1に戻り、ステップS2、ステップS3、ステップS4を経て、ステップS5で吸入空気量が検出され、検出結果に応じてステップS6でバルブリフト量を変更する。このように、ステップS1、ステップS2、ステップS3、ステップS4、ステップS5、ステップS6を繰り返し実行することにより、吸入空気量を用いたバルブリフト量のフィードバック制御が実行される。ステップS6におけるバルブリフト量の変更量等は、PID制御あるいは不感帯付きPID制御等の手法に基づいて最適な変更量を適宜選択すればよい。
【0031】
以上の動作により、ストロークセンサがたとえ故障しても、吸入空気量を利用したフィードバック制御が実行されるので、吸入空気量を目標空気量に近づけることができる。この場合、従来技術のようなオープンループ制御ではないので、退避走行不能状態やオーバーラン状態になってしまう可能性がほとんどない。
【0032】
なお、本実施形態では、ステップS3においてストロークセンサの異常が検出されると、吸入空気量をバルブリフト量によってのみコントロールしようという趣旨から、ステップS4においてスロットル開度とバルブ位相を固定している。しかし、スロットル開度とバルブ位相を固定しなくとも、吸入空気量を用いたバルブリフト量のフィードバック制御は可能である。たとえば、固定する代わりに、動作を緩慢にさせる等の方法が考えられる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明のバルブリフト量調整装置によれば、バルブリフト量センサの異常が検出された場合でも、エアーフローメータを利用してバルブリフト量をフィードバック制御するように切り替わるので、吸入空気量の最低限必要な制御を確実に維持することができ、有効な退避走行が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるバルブリフト量調整装置の構成を示す図。
【図2】カムシャフトスライド駆動部11の内部構造を示す図。
【図3】インテークカムシャフト3に設けられているバルブ開閉用のカムの形状を示す図。
【図4】本実施形態のバルブリフト量調整装置の制御動作を示すフローチャート。
【図5】アクセル開度とエンジン回転数と目標空気量との関係の一例を示すグラフ。
【符号の説明】
1…バルブ開閉装置、3…インテークカムシャフト、4,5…タイミングプーリー、7…タイミングベルト、8…連続可変バルブタイミング機構、9…吸気バルブ、10…ECU、11…カムシャフトスライド駆動部、13…アクセルポジションセンサ、14…エンジン回転数センサ、15…エアーフローメータ、16…スロットルバルブ、20…直流モータ、26…ストロークセンサ、30…三次元カム。
Claims (2)
- 内燃機関における吸気弁のバルブリフト量を変化させることができるように構成されたバルブリフト量可変機構と、前記バルブリフト量を検出するバルブリフト量センサと、前記バルブリフト量の目標値を目標空気量に基づいて算出すると共に前記バルブリフト量センサによるバルブリフト量の検出値が前記目標値に一致するように前記バルブリフト量可変機構を駆動する駆動制御手段とを備えたバルブリフト量調整装置において、
前記駆動制御手段は、前記バルブリフト量センサの異常を検出したときには、スロットル開度およびバルブ位相を固定すると共に、吸気経路に配置されたエアーフローメータにより検出された吸入空気量が前記目標空気量に一致するように前記バルブリフト量可変機構を駆動することを特徴とするバルブリフト量調整装置。 - 前記目標空気量は、前記内燃機関の回転数およびアクセルポジションに基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載のバルブリフト量調整装置。
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