JP4065178B2 - 多板摩擦式クラッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチアウタと、このクラッチアウタに囲繞されるクラッチインナと、クラッチアウタに軸方向摺動可能にスプライン嵌合される複数枚の第1摩擦板と、これら第1摩擦板と交互に重ねられてクラッチインナに軸方向摺動可能にスプライン嵌合される複数枚の第2摩擦板と、この第1及び第2摩擦板群の一側面に対向してクラッチアウタに固定される受圧板と、クラッチアウタに嵌装され、第1及び第2摩擦板群を受圧板に向かって押圧すべく油圧作動し得るクラッチピストンとを備え、クラッチピストンの、第1及び第2摩擦板群に対する加圧面に環状の保持溝を形成し、この保持溝に、第1及び第2摩擦板群に弾発的に当接可能な緩衝用皿ばねを収容してなる多板摩擦式クラッチの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝる多板摩擦式クラッチは、下記特許文献1に開示されているように、既に知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−341652号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のかゝる多板摩擦式クラッチでは、クラッチピストンの保持溝への皿ばねの挿入を容易にすべく、保持溝の内周面がクラッチピストンと同軸の円筒面に形成されている。
【0005】
こうした従来の多板摩擦式クラッチでは、クラッチピストンの不作動状態におけるクラッチピストン及び受圧板間の総合間隙が、皿ばねの保持溝からの脱落を防ぐように設定されている。
【0006】
しかしながら、クラッチの遮断状態での引きずりを回避するために、隣り合う摩擦板間の間隙を一定値以下に狭めることはできないから、クラッチのトルク容量を増加すべく、摩擦板の枚数を増やす場合には、クラッチピストン及び受圧板間の総合間隙を、皿ばねの離脱を防ぐ範囲に抑えることが困難となることがある。
【0007】
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、摩擦板の枚数を増やす場合でも、皿ばねの脱落を考慮することなく、クラッチピストン及び受圧板間の総合間隙を自由に設定し得るようにした前記多板摩擦式クラッチを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、クラッチアウタと、このクラッチアウタに囲繞されるクラッチインナと、クラッチアウタに軸方向摺動可能にスプライン嵌合される複数枚の第1摩擦板と、これら第1摩擦板と交互に重ねられてクラッチインナに軸方向摺動可能にスプライン嵌合される複数枚の第2摩擦板と、この第1及び第2摩擦板群の一側面に対向してクラッチアウタに固定される受圧板と、クラッチアウタに嵌装され、第1及び第2摩擦板群を受圧板に向かって押圧すべく油圧作動し得るクラッチピストンとを備え、クラッチピストンの、第1及び第2摩擦板群に対する加圧面に環状の保持溝を形成し、この保持溝に、外周端部が第1及び第2摩擦板群に弾発的に当接可能な緩衝用皿ばねの内周端部を収容してなる多板摩擦式クラッチにおいて、前記保持溝の軸方向深さを、前記皿ばねの内周端部の板厚よりも大きく設定し、前記保持溝の軸方向開口縁には、前記皿ばねの内 周端部に対し該ばねの軸線方向外側から係合して該皿ばねの保持溝からの離脱を阻止する環状突起を、該保持溝の内面より径方向外向きに突出させて形成したことを第1の特徴とし、また本発明は、クラッチアウタと、このクラッチアウタに囲繞されるクラッチインナと、クラッチアウタに軸方向摺動可能にスプライン嵌合される複数枚の第1摩擦板と、これら第1摩擦板と交互に重ねられてクラッチインナに軸方向摺動可能にスプライン嵌合される複数枚の第2摩擦板と、この第1及び第2摩擦板群の一側面に対向してクラッチアウタに固定される受圧板と、クラッチアウタに嵌装され、第1及び第2摩擦板群を受圧板に向かって押圧すべく油圧作動し得るクラッチピストンとを備え、クラッチピストンの、第1及び第2摩擦板群に対する加圧面に環状の保持溝を形成し、この保持溝に、内周端部が第1及び第2摩擦板群に弾発的に当接可能な緩衝用皿ばねの外周端部を収容してなる多板摩擦式クラッチにおいて、前記保持溝の軸方向深さを、前記皿ばねの外周端部の板厚よりも大きく設定し、前記保持溝の軸方向開口縁には、前記皿ばねの外周端部に対し該ばねの軸線方向外側から係合して該皿ばねの保持溝からの離脱を阻止する環状突起を、該保持溝の内面より径方向内向きに突出させて形成したことを第2の特徴とする。
【0009】
この第1,第2の各特徴によれば、クラッチの遮断状態においても、皿ばねは、環状突起により保持溝からの離脱を阻止されるので、クラッチのトルク容量を増大を図るべく、第1及び第2摩擦板の枚数を増加する場合、クラッチピストン及び受圧板間の総合間隙が皿ばねの軸方向長さより大きくなっても支障はない。したがって、皿ばねの脱落を考慮することなく、各摩擦板の枚数を自由に増加させることが可能となり、クラッチのトルク容量の増大を容易に図ることができる。
【0010】
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記皿ばねは、自由状態で楕円形に形成されていて、それの自由状態での内短径をDa、内長径をDbとし、また前記環状突起先端の外径をDpとしたとき、Da<Dp<Dbの関係に設定され、且つその皿ばねを略真円に弾性変形したときは、該皿ばねの内径が前記環状突起先端の外径より大きくなって、該環状突起に干渉されずに該皿ばねの前記保持溝への挿入を可能にしたことを第3の特徴とし、また第2の特徴に加えて、前記皿ばねは、自由状態で楕円形に形成されていて、それの自由状態での外短径をDa′、外長径をDb′とし、また前記環状突起先端の内径をDp′としたとき、Da′<Dp′<Db′の関係に設定され、且つその皿ばねを略真円に弾性変形したときは、該皿ばねの外径が前記環状突起先端の内径より小さくなって、該環状突起に干渉されずに該皿ばねの前記保持溝への挿入を可能にしたことを第4の特徴とする。
【0011】
この第3,第4の各特徴によれば、保持溝に、皿ばねの離脱防止のための環状突起が設けられているにも拘らず、皿ばねを保持溝に容易に装着することができ、その装着後、離脱防止のための後加工が不要であり、したがって組立性が良好であると共に、加工工程の増加を抑えることができ、コストの低減に寄与し得る。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施例に係る多板摩擦式クラッチの縦断面図、図2は図1の2部拡大図、図3は図1及び図2中の皿ばねの平面図、図4は本発明の別の実施例を示す図2との対応図、図5は本発明の更に別の実施例を示す図1との対応図、図6は図5の6部拡大図、図7は図5及び図6中の皿ばねの平面図である。
【0014】
先ず、図1において、符号Cは自動車の自動変速機用多板摩擦式クラッチを示す。このクラッチCのクラッチアウタ1は、端壁部2の外周端に円筒部3を、その内周端にハブ4をそれぞれ連設して構成され、そのハブ4は入力軸5にスプライン結合される。入力軸5上には、駆動ギヤ7を一体に備えた出力軸6が相対回転自在に支承され、この出力軸6に一体に連なるクラッチインナ8が前記円筒部3内に同心状に配置される。
【0015】
前記円筒部3の内周面及びハブ4の外周面には、端壁部2との間に油圧室11を画成するクラッチピストン10が一対のシール部材24,25を介して摺動可能に嵌装され、このクラッチピストン10とハブ4との間に、クラッチピストン10を油圧室11側へ付勢する戻しばね12が縮設される。ハブ4には、油圧室11に連なる作動油給排孔13が設けられる。
【0016】
前記円筒部3の内周面には、また、複数枚の第1摩擦板14がクラッチピストン10の外側に隣接して摺動可能にスプライン嵌合され、これら第1摩擦板14と交互に重なるように配置される複数枚の第2摩擦板15がクラッチインナ8の外周面に摺動可能にスプライン嵌合される。第1摩擦板14は鋼板製であり、第2摩擦板15は、鋼板製の芯板18の両側面に摩擦ライニング19を接着して構成される。
【0017】
さらに最外側の第2摩擦板15の外側面に対向する受圧板16が前記円筒部3にスプライン嵌合され、この受圧板16は円筒部3に係止された止め環17により軸方向外方への移動が阻止される。
【0018】
クラッチピストン10と、それに隣接する第1摩擦板14との間には緩衝用の皿ばね20が介装される。
【0019】
図2及び図3に示すように、上記皿ばね20は、クラッチピストン10側から第1摩擦板14側に向かって大径となる截頭円錐形をなしている。この皿ばね20は、その内周端部が、クラッチピストン10の、第1摩擦板14に対向する加圧面10aに形成された環状の保持溝21に収容されると共に、その外周端部が上記加圧面10aより突出し所定の間隙を存して第1摩擦板14に対向するように配置される。そして、保持溝21の軸方向開口縁には、皿ばね20の内周端部外側面に対向すべく保持溝21の内面より半径方向外向きに突出する環状突起22が形成される。従って、この環状突起22が皿ばね20の内周端部に該ばね20の軸線方向外側(図2で右側)から係合することにより、皿ばね20の保持溝21からの離脱が阻止される。図示例では、その環状突起22は、保持溝21の内側面を逆テーパ状に切削加工することにより形成される。
【0020】
このような環状突起22付きの保持溝21への皿ばね20の取り付けを容易にするために、皿ばね20は次のような構成を有する。
【0021】
即ち、皿ばね20は、自由状態で楕円形を呈するように成形される。その際、皿ばね20の内短径をDa、内長径をDb、前記環状突起22の先端の外径をDpとしたとき、
Da<Dp<Db
上記不等式を満足させ、且つ皿ばね20を略真円に弾性変形したときは、皿ばね20の内径が環状突起22の先端の外径Dpより大きくなるようになっている。
【0022】
次に、この実施例の作用について説明する。
【0023】
クラッチCの油圧室11に作動油圧を供給すれば、その油圧を受けたクラッチピストン10は、戻しばね12の荷重に抗して前進し、皿ばね20を介して第1及び第2摩擦板14,15群を受圧板16に対して押圧する。そのとき、クラッチピストン10から受圧板16までに存在する各隣接する第1及び第2摩擦板14,15間の間隙が排除され、次いで皿ばね20が軸方向に圧縮され、その圧縮荷重の増加に応じて第1及び第2摩擦板14,15間の摩擦力が増加していくことで、クラッチアウタ1及びクラッチインナ8間、即ち入力軸5及び出力軸6間の動力伝達を緩徐に開始することができる。そして、皿ばね20が保持溝21内に押し込まれると、クラッチピストン10の加圧面10aが第1及び第2摩擦板14,15群を直接押圧することになるので、第1及び第2摩擦板14,15間の摩擦力は最大となって、入力軸5及び出力軸6間での高トルクの伝達を可能にする。
【0024】
油圧室11から油圧を解放すれば、クラッチピストン10は、戻しばね12の反発力により後退して、皿ばね20や各第1及び第2摩擦板14,15を自由にするので、入力軸5及び出力軸6間の動力伝達は遮断される。
【0025】
このようなクラッチCの遮断状態においても、皿ばね20は、保持溝21の環状突起22により保持溝21からの離脱を阻止されるので、クラッチCのトルク容量を増大を図るべく、第1及び第2摩擦板14,15の枚数を増加する場合、それに伴ないクラッチピストン10及び受圧板16間の総合間隙が皿ばね20の軸方向長さより大きくなっても支障はない。したがって、皿ばね20の脱落を考慮することなく、各摩擦板14,15の枚数を自由に増加させることが可能となり、クラッチCのトルク容量の増大を容易に図ることができる。
【0026】
ところで、クラッチピストン10の保持溝21への皿ばね20の取り付けに当たっては、先ず、例えば楕円形の皿ばね20の長径側において、半径方向内向きの荷重を加えて皿ばね20を略真円に弾性変形させ、これにより皿ばね20の内径を保持溝21の環状突起22の先端の外径Dpより大きくする。そこで、皿ばね20内に環状突起22を通過させた後、皿ばね20から変形荷重を解放すれば、皿ばね20は元の楕円形に復帰して、その内短径Daを環状突起22の先端の外径Dpより小さくするため、この環状突起22により皿ばね20の保持溝21からの離脱が阻止される。
【0027】
また別の取り付け方法としては、皿ばね20の短径側の一端部を保持溝21に引っ掛けてから、その他端側を引っ張れば、皿ばね20は略真円となって、皿ばね20の他の部分も、環状突起22に邪魔されることなく、保持溝21に収めることができる。
【0028】
このように、保持溝21に、皿ばね20の離脱防止のための環状突起22が設けられているにも拘らず、皿ばね20を保持溝21に容易に装着することができ、その装着後、離脱防止のための後加工が不要である。したがって組立性が良好であると共に、加工工程の増加を抑えることができ、コストの低減に寄与し得る。
【0029】
図4は、本発明の別に実施例を示すもので、クラッチピストン10の保持溝21の開口縁に、皿ばね20の離脱を防ぐ環状突起22をかしめ加工により形成した点を除けば、前実施例と同様の構成であり、その作用効果においても変わりがない。したがって、図4中、前実施例と対応する部分には、それと同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0030】
最後に、図5〜図7に示す本発明の更に別の実施例について説明する。
【0031】
この実施例では、皿ばね20は、クラッチピストン10側から第1摩擦板14側に向かって小径となる截頭円錐形をなしており、その外周端部がクラッチピストン10の保持溝21′に収容され、その内周端部がクラッチピストン10の加圧面10aより突出し所定の間隙を存して第1摩擦板14に対向するように配置される。保持溝21′の軸方向開口縁には、皿ばね20の外周端部外側面に対向すべく保持溝21の内面より半径方向内向きに突出する環状突起22′が形成される。従って、この環状突起22′が皿ばね20の外周端部に該ばね20の軸線方向外側(図6で右側)から係合することにより、皿ばね20の保持溝21′からの離脱が阻止される。
【0032】
皿ばね20は、前実施例と同様に自由状態で楕円形を呈しており、それの外短径をDa′、外長径をDb′、環状突起22′の先端の内径をDp′としたとき、
Da′<Dp′<Db′
上記不等式を満足させ、且つ皿ばね20を略真円に弾性変形したときは、皿ばね20の外径が環状突起22′の先端の内径Dpより小さくなるようになっている。
【0033】
したがって、楕円形の皿ばね20を略真円に弾性変形させれば、その外周端部を環状突起22に干渉されることなく保持溝21′内に挿入することができる。その挿入後、皿ばね20を楕円形に復形させれば、その外長径Dbは環状突起22′の先端の内径Dp′より大きくなるため、この環状突起22′により皿ばね20の保持溝21′からの離脱が阻止される。
【0034】
その他の構成は前実施例と同様であるので、図5〜図7中、前実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0035】
本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で自由に設計変更が可能である。例えば、環状突起22,22′としては、複数の突起を環状に配列して構成することもできる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1,第2の各特徴によれば、多板摩擦式クラッチにおいて、前記保持溝の軸方向開口縁に、前記皿ばねの周端部に該ばねの軸方向外側から係合して該皿ばねの保持溝からの離脱を阻止する環状突起を形成したので、クラッチのトルク容量を増大を図るべく、第1及び第2摩擦板の枚数を増加する場合、それに伴ないクラッチピストン及び受圧板間の総合間隙が皿ばねの軸方向長さより大きくなっても、皿ばねが保持溝から離脱することはなく、支障がない。したがって、皿ばねの脱落を考慮することなく、各摩擦板の枚数を自由に増加させることが可能となり、クラッチのトルク容量の増大を容易に図ることができる。
【0037】
また本発明の第3,第4の各特徴によれば、前記皿ばねを自由状態で楕円形に形成して、該皿ばねを略真円に弾性変形したとき前記環状突起に干渉されずに該皿ばねの前記保持溝への挿入を可能にしたので、保持溝に、皿ばねの離脱防止のための環状突起が設けられているにも拘らず、皿ばねを保持溝に容易に装着することができ、その装着後、離脱防止のための後加工が不要であり、したがって組立性が良好であると共に、加工工程の増加を抑えることができ、コストの低減に寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る多板摩擦式クラッチの縦断面図
【図2】 図1の2部拡大図
【図3】 図1及び図2中の皿ばねの平面図
【図4】 本発明の別の実施例を示す図2との対応図
【図5】 本発明の更に別の実施例を示す図1との対応図
【図6】 図5の6部拡大図
【図7】 図5及び図6中の皿ばねの平面図
【符号の説明】
C・・・・クラッチ
1・・・・クラッチアウタ
8・・・・クラッチインナ
10・・・クラッチピストン
14・・・第1摩擦板
15・・・第2摩擦板
16・・・受圧板
20・・・皿ばね
21・・・保持溝
21′・・保持溝
22・・・環状突起
22′・・環状突起
Claims (4)
- クラッチアウタ(1)と、このクラッチアウタ(1)に囲繞されるクラッチインナ(8)と、クラッチアウタ(1)に軸方向摺動可能にスプライン嵌合される複数枚の第1摩擦板(14)と、これら第1摩擦板(14)と交互に重ねられてクラッチインナ(8)に軸方向摺動可能にスプライン嵌合される複数枚の第2摩擦板(15)と、この第1及び第2摩擦板(14,15)群の一側面に対向してクラッチアウタ(1)に固定される受圧板(16)と、クラッチアウタ(1)に嵌装され、第1及び第2摩擦板(14,15)群を受圧板(16)に向かって押圧すべく油圧作動し得るクラッチピストン(10)とを備え、クラッチピストン(10)の、第1及び第2摩擦板(14,15)群に対する加圧面(10a)に環状の保持溝(21)を形成し、この保持溝(21)に、外周端部が第1及び第2摩擦板(14,15)群に弾発的に当接可能な緩衝用皿ばね(20)の内周端部を収容してなる多板摩擦式クラッチにおいて、
前記保持溝(21)の軸方向深さを、前記皿ばね(20)の内周端部の板厚よりも大きく設定し、
前記保持溝(21)の軸方向開口縁には、前記皿ばね(20)の内周端部に対し該ばね(20)の軸線方向外側から係合して該皿ばね(20)の保持溝(21)からの離脱を阻止する環状突起(22)を、該保持溝(21)の内面より径方向外向きに突出させて形成したことを特徴とする多板摩擦式クラッチ。 - クラッチアウタ(1)と、このクラッチアウタ(1)に囲繞されるクラッチインナ(8)と、クラッチアウタ(1)に軸方向摺動可能にスプライン嵌合される複数枚の第1摩擦板(14)と、これら第1摩擦板(14)と交互に重ねられてクラッチインナ(8)に軸方向摺動可能にスプライン嵌合される複数枚の第2摩擦板(15)と、この第1及び第2摩擦板(14,15)群の一側面に対向してクラッチアウタ(1)に固定される受圧板(16)と、クラッチアウタ(1)に嵌装され、第1及び第2摩擦板(14,15)群を受圧板(16)に向かって押圧すべく油圧作動し得るクラッチピストン(10)とを備え、クラッチピストン(10)の、第1及び第2摩擦板(14,15)群に対する加圧面(10a)に環状の保持溝(21′)を形成し、この保持溝(21′)に、内周端部が第1及び第2摩擦板(14,15)群に弾発的に当接可能な緩衝用皿ばね(20)の外周端部を収容してなる多板摩擦式クラッチにおいて、
前記保持溝(21′)の軸方向深さを、前記皿ばね(20)の外周端部の板厚よりも大きく設定し、
前記保持溝(21′)の軸方向開口縁には、前記皿ばね(20)の外周端部に対し該ばね(20)の軸線方向外側から係合して該皿ばね(20)の保持溝(21′)からの離脱を阻止する環状突起(22′)を、該保持溝(21′)の内面より径方向内向きに突出させて形成したことを特徴とする多板摩擦式クラッチ。 - 請求項1記載の多板摩擦式クラッチにおいて、
前記皿ばね(20)は、自由状態で楕円形に形成されていて、それの自由状態での内短径をDa、内長径をDbとし、また前記環状突起(22)先端の外径をDpとしたとき、 Da<Dp<Dbの関係に設定され、且つ
その皿ばね(20)を略真円に弾性変形したときは、該皿ばね(20)の内径が前記環状突起(22)先端の外径(Dp)より大きくなって、該環状突起(22)に干渉されずに該皿ばね(20)の前記保持溝(21)への挿入を可能にしたことを特徴とする多板摩擦式クラッチ。 - 請求項2記載の多板摩擦式クラッチにおいて、
前記皿ばね(20)は、自由状態で楕円形に形成されていて、それの自由状態での外短径をDa′、外長径をDb′とし、また前記環状突起(22)先端の内径をDp′としたとき、 Da′<Dp′<Db′の関係に設定され、且つ
その皿ばね(20)を略真円に弾性変形したときは、該皿ばね(20)の外径が前記環 状突起(22′)先端の内径(Dp′)より小さくなって、該環状突起(22′)に干渉されずに該皿ばね(20)の前記保持溝(21′)への挿入を可能にしたことを特徴とする多板摩擦式クラッチ。
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