JP4090532B2 - 熱可塑性樹脂用添加剤とその樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂用添加剤とその樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂成型品の表面外観性と成形加工性を改良するための熱可塑性樹脂用添加剤及びその樹脂組成物の製造方法に関するものである。この熱可塑性樹脂組成物は、自動車部品、電気及び電子機器部品、工業部品などに好適な成形材料として提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂にトリアジン誘導体を添加することは公知である。例えばポリアセタール樹脂の耐熱安定性を付与する目的で特公昭40−21148号公報に開示されている。しかしながらこの方法では、ポリアセタール樹脂の短期耐熱安定性を付与することはできるが、長期の耐熱安定性を改良することはできない。その原因は、トリアジン誘導体の分散平均粒子径を本願の言う0.2μm以下の均一に分散することが出来ないためである。一方、難燃性を改良する目的では特公昭55−35421号公報に開示されている。しかしながらこの方法では、ポリアセタール樹脂の難燃性を改良することはできるが、トリアジン誘導体の添加量が多いために成形品表面にブリードし、表面外観性を著しく損ない好ましくない。
【0003】
また、特開平2−80416号公報では、末端安定化処理を行っていないポリオキシメチレン粗共重合体とメラミンを170〜250℃の温度で加熱、混練し得られた組成物をポリオキシメチレン共重合体に添加し、成形加工性、ブリード性、熱安定性を改良したポリオキシメチレン共重合体組成物が提案されている。しかしながらこの方法では、ホルムアルデヒド発生体に末端安定化していないオキシメチレン粗共重合体を用いているがために、トリアジン誘導体との溶融混練を長時間必要とし、生産性に問題がある。
【0004】
特開昭52−33943号公報では、メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物を0.001〜30重量%を含有してなるポリオキシメチレン成形材料が開示されている。本発明は、トリアジン誘導体とホルムアルデヒド発生体との混合物を用いるのであって特開昭52−33943号公報とは実質的に異なるものである。
【0005】
また、特開昭57−102943号公報でもポリアセタール樹脂にトリアジン誘導体とホルムアルデヒドとの初期重縮合物を添加し耐熱安定性、耐MD性を改良することが開示されている。しかしながらこの方法では、耐熱安定性、耐MD性は改良されるが、成形品表面に凸凹が発生し、成形品の表面性を著しく損なう。
ポリアミド樹脂では難燃性を付与する目的で、特公昭47−1714号公報、特公昭47−41745号公報でそれぞれ提案されている。しかしながらこの方法では、多量のトリアジン誘導体を添加するために、成形品の表面にトリアジン誘導体がブリードし、成形品の表面外観性を損ない好ましくない。
【0006】
ABS樹脂でも同様に難燃性を付与する目的で特開昭61−291643号公報、特開平4−226561号公報でそれぞれ提案されているが、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂と同様、成形品の表面にトリアジン誘導体がブリードし好ましくない。
ポリフェニレンエーテル樹脂では、特開昭52−41667号公報で提案されている。しかしながらこの方法では、連続成形したときに金型表面にトリアジン誘導体が析出し耐モールドデポジット性に著しく損なう。
【0007】
ポリエステル樹脂でも同様に難燃性を付与する目的で特公昭60−33850号公報、特開平3−281652号公報で提案されているが、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂と同様、成形品の表面にトリアジン誘導体がブリードし好ましくない。
オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂も同様に難燃性付与の目的でトリアジン誘導体を添加することが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これら公知の方法では、本発明の目的とする成型品の外観性と成形加工性を同時に持ち合わせることができない。即ち、熱可塑性樹脂とトリアジン誘導体は相溶性が乏しいため、熱可塑性樹脂中にトリアジン誘導体を均一分散させることが難しく、トリアジン誘導体を添加した熱可塑性樹脂組成物成型品を長期間放置しておくと、成型品表面にこのトリアジン誘導体がブリードし、成型品の表面外観性を著しく低下する。また、この熱可塑性樹脂組成物を連続成形すると金型表面にトリアジン誘導体が付着(モールドデポジット)し、熱可塑性樹脂組成物成型時の作業環境を著しく低下する。
本発明は、成型品の表面外観性と成形加工性を同時に改良できる熱可塑性樹脂用添加剤、及び熱可塑性樹脂組成物の成形加工性と成型品の表面外観性に優れた熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、1分子中に少なくとも1つ以上のホルムアルデヒドと反応し得る含窒素官能基を有するトリアジン誘導体の少なくとも1種と、パラホルムアルデヒドとホルマリン水溶液から選ばれたホルムアルデヒド発生体からなる混合物を熱可塑性樹脂用添加剤として用い、この熱可塑性樹脂用添加剤を熱可塑性樹脂に溶融混練することによって、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性と成型品の外観性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明を完成させるに至った。 即ち本発明は、1分子中に少なくとも1つ以上のホルムアルデヒドと反応しうる含窒素官能基を有するトリアジン誘導体の少なくとも1種と、上記ホルムアルデヒド発生体からなる混合物である熱可塑性樹脂用添加剤、及びこの熱可塑性樹脂用添加剤を熱可塑性樹脂に溶融混合せしめてなる熱可塑性樹脂組成物の製造方法である。
【0010】
本発明について更に詳細に説明する。本発明の熱可塑性樹脂用添加剤とは、トリアジン誘導体粒子とホルムアルデヒド発生体粒子が均一に混合されているもの、若しくはトリアジン誘導体粒子表面にホルムアルデヒド発生体粒子が付着している状態で存在しているもの、またはホルムアルデヒド発生体粒子表面にトリアジン誘導体粒子が付着している状態で存在しているものをいう。この熱可塑性樹脂用添加剤を得る方法は、ホルムアルデヒド発生体が粉体の状態で存在する場合と水溶液の状態で存在する場合とではそれぞれ異なる。
【0011】
ホルムアルデヒド発生体が粉体である場合、機械的混合によって得ることができる。この時の混合機はヘンシェル混合機、タンブラー混合機、バンバリーミキサー混合機、ニーダー混合機等である。本発明はこれらの混合機に限定するものではなく、実質的にトリアジン誘導体粒子とホルムアルデヒド発生体粒子が均一に混合されているもの、若しくはトリアジン誘導体粒子表面にホルムアルデヒド発生体粒子が付着している状態で存在しているもの、またはホルムアルデヒド発生体粒子表面にトリアジン誘導体粒子が付着している状態で存在しているものであればよい。
【0012】
一方、ホルムアルデヒド発生体が水溶液の状態で存在する場合は、この水溶液にトリアジン誘導体を添加し均一に混合することによって得ることもできる。この混合水溶液をスプレー乾燥等によって水分を除去することによって熱可塑性樹脂用添加剤が得られる。この時の混合時間は5分以下、好ましくは3分以下である。混合温度は60℃以下、好ましくは50℃以下である。またトリアジン誘導体とホルマリン水溶液の混合液のpHは、弱アルカリ性が好ましい。
【0013】
トリアジン誘導体とホルムアルデヒド発生体との混合物からなる熱可塑性樹脂用添加剤の溶融混練方法は、押出し機等の溶融混練機を用いて行われる。具体的には、トリアジン誘導体とホルムアルデヒド発生体をヘンシェル等の混合機で均一に混合させた後、熱可塑性樹脂に添加し押出し機等の溶融混練機で溶融混練し、ペレット化することで得ることができる。この時のスクリュータイプは1軸であっても、2軸であってもよく、実質的に熱可塑性樹脂用添加剤が熱可塑性樹脂中に均一に分散される方法であればよい。この時の溶融混練時間は180秒以下である。
【0014】
トリアジン誘導体とホルムアルデヒド発生体からなる熱可塑性樹脂用添加剤と熱可塑性樹脂との溶融混練時間が180秒よりも長い時間であると、トリアジン誘導体とホルムアルデヒドが反応し高分子量物ができ、この高分子量物が熱可塑性樹脂組成物成形品中に残ると、成形品表面に凹部(アバタ)ができ、成形品表面の外観性を損ない好ましくない。
熱可塑性樹脂用添加剤と熱可塑性樹脂との溶融混練温度は130℃〜330℃の範囲で、この時に用いる熱可塑性樹脂によって適宜選択すればよい。
【0015】
本発明に用いるトリアジン誘導体とは、下記一般式(A)、(B)、(C)、(D)及び一般式(A)と(E)からなる化合物、一般式(C)と(E)からなる化合物、一般式(D)と(E)からなる化合物、一般式(F)、(G)、(H)で表される含窒素官能基を有するトリアジン誘導体である。
一般式(A)
【0016】
【化9】
Figure 0004090532
(式中、R1 、R2 及びR3 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
一般式(B)
【0017】
【化10】
Figure 0004090532
(式中、R4 は炭素数1〜10の炭化水素である。R5 、R6 、R7 及びR8 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
一般式(C)
【0018】
【化11】
Figure 0004090532
(式中、R9 は炭素数1〜10の炭化水素である。R10、R11、R12及びR13は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
一般式(D)
【0019】
【化12】
Figure 0004090532
(式中、R14は炭素数1〜10の炭化水素。R15、R16、R17、R18、R19及びR20は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
一般式(E)
【0020】
【化13】
Figure 0004090532
(式中、R21〜R23は炭素数1〜20の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素基、アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
一般式(F)
【0021】
【化14】
Figure 0004090532
(式中、R27、R28、R29及びR30は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
一般式(G)
【0022】
【化15】
Figure 0004090532
(式中、R31、R32及びR33は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
一般式(H)
【0023】
【化16】
Figure 0004090532
(式中、R34、R35は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。l=1〜3の混合物。)
【0024】
上記含窒素官能基を有するトリアジン誘導体を具体的に例示すると、一般式(A)で示されるグアナミン、メラミン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N″−トリフェニルメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、アメリン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、2,4−ジオキシ−6−アミノ−sym−トリアジン、2−オキシ−4,6−ジアミノ−sym−トリアジン、
【0025】
一般式(B)で示される1,1−ビス−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアジニル)メタン、1,2−ビス−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアジニル)エタン〔別称(サクシノグアナミン)〕、1,3−ビス−(3,5)−ジアミノ−2,4,6−トリアジニル)プロパン、1,4−ビス−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアジニル)ブタン、
【0026】
一般式(C)で示されるメチレン化メラミン、エチレンジメラミン、一般式(D)で示されるトリグアナミン、一般式(A)と(E)とからなるメラミンシアヌレート、一般式(C)と(E)とからなるエチレンジメラミンシアヌレート、一般式(D)と(E)とからなるトリグアナミンシアヌレート、一般式(F)で示されるR27〜R30がアミノ基である化合物、一般式(G)で示されるR31〜R33がアミノ基である化合物、一般式(H)で示されるR34〜R35がアミノ基で、Iが1〜3である化合物等である。
【0027】
これらのトリアジン誘導体は1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中でも好ましいトリアジン誘導体は、グアナミン、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンである。中でもメラミンが特に好ましい。これらのトリアジン誘導体の分散平均粒子径は、1μm以下である。
【0028】
ホルムアルデヒド発生体とは、パラホルムアルデヒド、ホルマリン水溶液及びパラホルムアルデヒドを水に溶解させたホルムアルデヒド水溶液のうち少なくとも1種であって、不安定末端部分を有するポリアセタール樹脂の粗重合体は含まない。
パラホルムアルデヒドとは、下記一般式(I)で表されるホルムアルデヒドの重合体で、実質的に熱によって容易に分解しホルムアルデヒドを発生するものであればよい。
一般式(I)
【0029】
【化17】
Figure 0004090532
(式中、m=1〜200)
【0030】
このパラホルムアルデヒドの製造方法は、ホルマリン水溶液を真空濃縮した後、粉砕することで得ることができる。
ホルマリン水溶液とは、ホルムアルデヒドが室温で40重量%以下の濃度の水溶液である。ホルムアルデヒド濃度が40重量%以上になると常温で固化し、トリアジン誘導体との混合が困難となり好ましくない。また、メタノールが含有されているものも本願のホルマリン水溶液に含まれる。
【0031】
ホルムアルデヒド発生体に末端安定化前のポリアセタール樹脂の粗共重合体を用いた場合、トリアジン誘導体のブリードを防止するために長時間の混練時間を必要とし、一方混練時間が長いためにトリアジン誘導体とホルムアルデヒドとの反応物が高分子量となり、成形品表面にアバタとなって現れ、熱可塑性樹脂成形品の表面外観性と成形加工性を改良することができない。従って、本発明のホルムアルデヒド発生体としては、ポリアセタール樹脂の粗重合体を使用することができない。
本発明は、熱によって容易に分解しホルムアルデヒドを発生させることができるホルムアルデヒド発生体を用いることで、熱可塑性樹脂成形品の表面外観性と成形加工性を改良することができる熱可塑性樹脂用添加剤であるところに特徴がある。
【0032】
トリアジン誘導体とホルムアルデヒド発生体の混合比率は、トリアジン誘導体の含窒素官能基とホルムアルデヒド発生体から発生するホルムアルデヒドとのモル比が1:30〜30:1の範囲である。この範囲からはずれた場合、熱可塑性樹脂組成物の成型品表面の外観性と成形加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることが出来ない。
トリアジン誘導体の含窒素官能基とホルムアルデヒドとのモル比が1:30よりも大きい場合、この熱可塑性樹脂組成物を連続成形するとホルムアルデヒドが金型表面に付着し成形加工性が著しく低下する。
【0033】
一方、ホルムアルデヒド1モルに対してトリアジン誘導体のモル比が30を越える場合、トリアジン誘導体がブリードし、またこの熱可塑性樹脂組成物を連続成形すると、トリアジン誘導体が金型表面に付着し、成型品表面性と成形加工性を著しく低下させる。トリアジン誘導体とホルムアルデヒド発生体からなる熱可塑性樹脂用添加剤の好ましい混合比率は、トリアジン誘導体の含窒素官能基とホルムアルデヒドとのモル比が1:10〜10:1、更に好ましくは1:5〜5:1の範囲である。
【0034】
トリアジン誘導体とホルムアルデヒド発生体からなる熱可塑性樹脂用添加剤の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対してトリアジン誘導体として0.005〜30重量部である。その添加量が0.005重量部未満であると、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が不十分である。特にポリアセタール樹脂で顕著に表れる。一方、30重量部を越える量を添加した場合は成型品表面にトリアジン誘導体がブリードし、熱可塑性樹脂組成物の成型品表面の外観不良の問題を招く。好ましくは0.05〜20重量部、更に好ましくは0.1〜10重量部である。
【0035】
本発明で言う熱可塑性樹脂とは、オレフィン系重合体、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系重合体などの射出成形可能な樹脂である。これらの熱可塑性樹脂は少なくとも1種以上である。中でも特にポリアセタール樹脂に好適に用いることができる。
ポリオレフィン系重合体とは、高圧ポリエチレン樹脂、低圧ポリエチレン樹脂、またはポリプロピレン樹脂である。
【0036】
ABS樹脂とは、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンを主成分とする共重合樹脂及びそれらのポリマーブレンド体で、スチレン−アクリロニトリル共重合体とアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムとのブレンド型、及びブタジエンゴムラテックスまたはスチレン−ブタジエンゴムラテックスの共存下にスチレンとアクリロニトリルをグラフト共重合して得られるグラフト型がある。このようなABS樹脂は、更に耐熱性、流動性などの改良のため、スチレンをα−メチルスチレンに置き換えたり、共重合成分にスチレン及びアクリロニトリルと共重合可能なモノマー、例えばメチルメタクリレート、N−フェニルマレイミドを導入したものを言う。ポリカーボネートなどの他の樹脂成分をブレンドしたものでもよい。
【0037】
ポリフェニレンエーテル樹脂とは、下記一般式(J)で表されるポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン樹脂との組成物及びポリフェニレンエーテルとポリアミド樹脂との組成物である。
一般式(J)
【0038】
【化18】
Figure 0004090532
(式中、R36及びR37はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基またはハロゲン原子を表す。kは重合度を示す整数である。)
【0039】
この一般式(J)で表される具体例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等である。
【0040】
また、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体も本発明のポリフェニレンエーテル樹脂に含まれる。このポリフェニレンエーテル樹脂は、R36、R37に低分子量のアミンやポリスチレンが結合していてもよく、またポリフェニレンエーテル樹脂の主鎖の一部にジフェノキノン等が結合しているものも含まれる。
【0041】
ポリフェニレンエーテル樹脂に混合して用いられるスチレン系重合体としては、ポリスチレン、またはスチレンと他のビニル化合物の少なくとも1種との共重合体、及びそれらのゴム変性重合体を含むものである。スチレンと他のビニル化合物の少なくとも1種との共重合体としては、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体である。
【0042】
【0043】
また、ゴム変成スチレン−アクリロニトリル共重合体、ゴム変成スチレン−無水マレイン酸共重合体である。中でも好ましくはポリスチレン(PS)、ゴム変成ポリスチレン(HIPS)である。また、ポリフェニレンエーテル樹脂と混合して用いうるポリアミド樹脂としては、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,6、ナイロン−12、ナイロン−6,10である。ポリフェニレンエーテル樹脂とのブレンド比率は特に限定するものではないが、ポリフェニレンエーテル樹脂が95〜10重量%でスチレン系重合体、ポリアミド樹脂が5〜90重量%の範囲で適宜選択すればよい。
【0044】
ポリカーボネート樹脂とは、芳香族2価のフェノール、分子内に2個の水酸基を有する脂環式炭化水素若しくは脂肪族炭化水素またはこれらの混合物とホスゲン、ジフェニルカーボネートとの反応によって得られる物である。芳香族2価のフェノールとしては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3−ブロロ−4−ヒドロキフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルファイドである。
【0045】
分子内に2個の水酸基を有する脂環式炭化水素としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)ブタン、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシルスルファイドである。分子内に2個の水酸基を有する脂肪族炭化水素としては、例えば1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールである。これらの化合物とホスゲン又はジフェニルカーボネートとの反応によって得ることができる。
【0046】
ポリアミド樹脂とは、アミド結合を有するポリマーであり、有機ジアミンと有機ジカルボン酸からの重縮合、アミノカプロン酸の重縮合、ラクタムの開環重合等で得られる。有機ジアミンの具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン等が挙げられる。有機ジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。アミノカプロン酸としては、ε−カプロン酸及び11−アミノウンデカン酸、ラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等が挙げられる。
【0047】
ポリアミド樹脂はこれらの共重合体であってもよいし、ポリマーブレンドであってもよい。具体的には、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,6、ナイロン−12、ナイロン−6,10、6,6−ナイロンと6−ナイロンの共重合体、6,10−ナイロンと6−ナイロンの共重合体等である。
【0048】
ポリエステル樹脂とは、ジカルボン酸とジオールを主成分とする縮合重合によって得られる。ジカルボン酸としては、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、ドデカンジカルボン酸などの炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4’−ジカルボン酸を含む芳香族ジカルボン酸またはシクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸の単独若しくはこの混合物である。
【0049】
ジオール成分としては、炭素数2〜20の脂肪族グリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタール、及び分子量400〜6000の長鎖グリコールである。上記ジカルボン酸とジオール成分からなるポリエステル樹脂の代表例としては、ポリエチレンテレフタレートである。
【0050】
スチレン系樹脂とは、ポリスチレン又はスチレンと他のビニル化合物の少なくとも1種との共重合体、及びそれらのゴム変性重合体を含むものである。スチレンと他のビニル化合物の少なくとも1種との共重合体の具体例としては、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。また、ゴム変性重合体としては、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、ゴム変性スチレン−無水マレイン酸共重合体等がある。
【0051】
ポリアセタール樹脂とは、例えばホルムアルデヒド単量体、またはその3量体(トリオキサン)もしくは4量体(テトラオキサン)等の環状オリゴマーを原料として製造された、実質的にオキシメチレン単位からなるオキシメチレンホモポリマー及び上記原料と立体障害性ヒンダードフェノール系酸化防止剤 10〜500ppm添加されたエチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、1、3ージオキソラン、1,4−ブタンジオール、グリコールのホルマール、ジグリコールのホルマール等の環状ホルマールとから製造された炭素数2〜8のオキシアルキレン単位を0.1〜20重量%含有するオキシメチレンコポリマーである。
【0052】
また、分子鎖の分岐されたオキシメチレンコポリマー及びオキシメチレンの繰り返し単位を50重量%以上含む異種ポリマー単位を50重量%未満含むオキシメチレンブロックコポリマーも包含する。ポリアセタール樹脂の製造方法は、ホモポリマーとコポリマーでは異なるが、本願発明は何等制限するものではない。
【0053】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には更に酸化防止剤、ポリアミド、塩基性物質、耐候(光)安定剤、離型剤の少なくとも1種を添加してもよい。
酸化防止剤としては、n−オクタデシル−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、
【0054】
1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プリピオニルヘキサメチレンジアミン、
【0055】
N,N’−テトラメチレンビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(Nーサリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)オキシアミド等がある。これらの酸化防止剤は1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良く何等制限するものではない。
【0056】
ポリアミドとしては、ナイロン4,6、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン12等及びこれらの共重合体、例えば、ナイロン6/6,6/6,10、ナイロン6/6,12等が挙げられる。また、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られるポリーβーアラニン共重合体が挙げられる。これらのポリアミドは1種で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良く何等制限するものではない。
【0057】
塩基性物質としては、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、塩化物、無機酸塩、カルボン酸塩の1種以上である。具体的には、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸マグネシウム等である。これらの塩基性物質は1種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。何等制限するものではない。
【0058】
耐候(光)安定剤としては、ベンゾトリアゾール系若しくは蓚酸アニリド系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤の1種以上である。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0059】
一方、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0060】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
【0061】
4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス (2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、
【0062】
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、
【0063】
1−(2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン)ジエタノールとの縮合物等が挙げられる。上記ヒンダードアミン系光安定剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また紫外線吸収剤と組み合わせて用いてもよい。
【0064】
離型剤としては、脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコール、アミド基を有する脂肪族化合物から選ばれる1種以上である。脂肪酸エステルとしては、多価アルコールと脂肪酸からなる脂肪酸エステル化合物で、好ましくは10以上の炭素原子を含有する少なくとも1種の飽和または不飽和脂肪酸と2〜6個の炭素原子を含有する多価アルコールから誘導されたものである。
【0065】
脂肪酸エステル化合物を調整するのに使用する多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコールジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トレイトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルバイト、ソルビタン、ソルビトール、マンニトールの中から選ばれた1種以上である。
【0066】
又脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アラギン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラスチン酸が挙げられる。不飽和脂肪族カルボン酸は、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸及びかかる成分を含有してなる天然に存在する脂肪酸またはこれらの混合物等が挙げられる。これらの脂肪酸はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
【0067】
上記脂肪酸エステル化合物の内、好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸から選ばれた脂肪酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトールから選ばれた多価アルコールとから誘導された脂肪酸エステルである。これらの脂肪酸エステル化合物の水酸基は有っても良いし、無くても良い。何等制限するものではない。例えば、モノエステルであってもジエステル、トリエステルで有っても良い。またほう酸等で水酸基が封鎖されていても良い。
【0068】
好ましい脂肪酸エステル化合物を例示すると、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリントリパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンジベヘネート、グリセリントリベヘネート、グリセリンモノモンタネート、グリセリンジモンタネート、グリセリントリモンタネート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールジパルミテート、ペンタエリスリトールトリパルミテート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、
【0069】
ペンタエリスリトールモノベヘネート、ペンタエリスリトールジベヘネート、ペンタエリスリトールトリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールモノモンタネート、ペンタエリスリトールジモンタネート、ペンタエリスリトールトリモンタネート、ペンタエリスリトールテトラモンタネート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタントリパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンジベヘネート、ソルビタントリベヘネート、ソルビタンモノモンタネート、ソルビタンジモンタネート、ソルビタントリモンタネート、
【0070】
ソルビトールモノパルミテート、ソルビトールジパルミテート、ソルビトールトリパルミテート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールジステアレート、ソルビトールトリステアレート、ソルビトールモノベヘネート、ソルビトールジベヘネート、ソルビトールトリベヘネートソルビトールモノモンタネート、ソルビトールジモンタネート、ソルビトールトリモンタネートである。また、ほう酸等で水酸基を封鎖した脂肪族エステル化合物としてグリセリンモノ脂肪酸エステルのほう酸エステル(特開昭49−60762号)がある。これらの脂肪酸エステル化合物はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上の混合物であっても良い。
ポリアルキレングリコールとしては、一般式(K)
【0071】
【化19】
Figure 0004090532
(式中、R38は水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換アルキル基、アリル基、置換アリル基より選ばれ、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。x=2〜6、y=50〜20000)
で表されるポリアルキレングリコールである。
【0072】
具体的には、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、スチレンオキシド、オキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、オキセパン等である。これらのアルキレンオキシドの重付加モル数は、50〜20000の範囲である。これらのポリアルキレングリコールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。何等制限するものではない。
アミド基を有する脂肪族化合物としては、一般式(L)
【0073】
【化20】
Figure 0004090532
(式中、R40、R41は炭素数1〜30のアルキル基、R39は炭素数1〜30のアルキレン基を表す)
で表される脂肪族化合物である。
【0074】
具体的には、例えばエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスラウリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスエルカ酸アミド等である。これらのアミド基を有する脂肪族化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
上記添加剤の添加量は熱可塑性樹脂がポリアセタール樹脂の場合、ポリアセタール樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部である。
【0075】
また、繊維状、粒状の充填材及び顔料も添加できる。例えば充填材としては繊維状、粒状の無機物、有機物、具体的にはガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、ボロン繊維、ケプラー繊維、炭化ケイ素繊維などの繊維状の充填剤であり、ウオラストナイト、マイカ、アスベスト、タルク、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ、窒化ホウ素、炭化ケイ素などの粒状充填材である。また、顔料としてはカーボンブラック、アセチレンブラック等の顔料である。これらの充填材、顔料はは1種以上用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよく、何等制限する物ではない。
【0076】
これらの添加剤、充填材、顔料の添加形態は、本願の熱可塑性樹脂用添加剤と熱可塑性樹脂を溶融混練したあと添加するか、もしくは同時に溶融混練するか、いずれの方法でもよい。溶融混練する方法としては一般には押し出し機を用いる。この時の押し出し機温度は、130〜330℃の範囲で、熱可塑性樹脂が押し出し加工可能な温度で適宜選択すればよい。押し出し機のスクリュータイプは1軸でも、また2軸であっても構わない。
【0077】
【発明の実施の形態】
以下に実施例をもって更に詳細に本発明を説明する。尚、実施例中の%及び部は重量基準である。
A)熱可塑性樹脂
実施例で用いた熱可塑性樹脂を表1に示した。尚、本発明で言う熱可塑性樹脂は実施例で示した熱可塑性樹脂に限定するものではない。
【0078】
【表1】
Figure 0004090532
【0079】
B)トリアジン誘導体
下記表2に示した。
【0080】
【表2】
Figure 0004090532
【0081】
C)ホルムアルデヒド発生体
下記表3に示した
【0082】
【表3】
Figure 0004090532
【0083】
D)トリアジン誘導体とホルムアルデヒド発生体の混合条件と混合物
▲1▼ホルムアルデヒド発生体が粉体の場合
下記表4、5に示した。
【0084】
【表4】
Figure 0004090532
【0085】
【表5】
Figure 0004090532
【0086】
▲2▼ホルムアルデヒド発生体が水溶液の場合
表4及び6に示した。
【0087】
【表6】
Figure 0004090532
【0088】
E.熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤の溶融混練条件
▲1▼ホルムアルデヒド発生体が粉体の場合
下記表7に示した。
【0089】
【表7】
Figure 0004090532
【0090】
▲2▼ホルムアルデヒド発生体が水溶液の場合
下記表8に示した。
【0091】
【表8】
Figure 0004090532
【0092】
F.成型品の外観性評価基準
(1)成形条件
成型機:住友重機械工業(株)製
ネスタール射出成型機 75トン
金型サイズ:流動方向*直角方向*厚み
74*52*3mm平板
その他の条件は下記表9に示した。
【0093】
【表9】
Figure 0004090532
【0094】
(2)ブリード性
上記成形条件にて成形した後、23℃で50%R・H湿度の恒温室に放置し、成型品表面のブリード性を下記表10の基準に従って評価した。
【0095】
【表10】
Figure 0004090532
【0096】
(3)成形表面の凹部(アバタ)有無
上記成形条件にて成形した成型品表面を実体顕微鏡で観察し、表11の基準に従ってアバタの程度を評価した。比較サンプルとして、添加剤無添加の成型品を用いた。本評価はポリアセタール樹脂についてのみ行った。
【0097】
【表11】
Figure 0004090532
【0098】
G.成形加工性(モールドデポジット性)
押し出し機でペレット化した熱可塑性樹脂組成物を80℃で5時間乾燥させた後、下記表12記載の条件で連続成形した。その後、金型面の状態を肉眼で観察し、表13記載の基準に従って評価した。本評価はポリアセタール樹脂についてのみ行った。
▲1▼成形条件
成型機:東洋機械金属(株)製
Ti−30G射出成型機 30トン
金型サイズ:成型品形状 2mm厚平板
その他の成形条件は下記表12に示した。
【0099】
【表12】
Figure 0004090532
【0100】
▲2▼モールドデポジット性評価基準
評価基準を表13に示した。
【0101】
【表13】
Figure 0004090532
【0102】
H.熱可塑性樹脂中のトリアジン誘導体の分散性
押し出し機でペレット化した熱可塑性樹脂組成物を80℃で5時間乾燥させた後、ウルトラミクロトームで80nmの超薄切片を切り出し、以下の装置で熱可塑性樹脂組成物中のトリアジン誘導体の分散性を観察し、下記表14に示した基準に従って評価した。
【0103】
【表14】
Figure 0004090532
【0104】
装置:日本電子製 透過型電子顕微鏡
型番 JEM−100SX
倍率 10000倍
【0105】
I.その他に使用した添加剤
▲1▼酸化防止剤
a−1:トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)
▲2▼ポリアミド
b−1:ナイロン6,6粉砕品
粒径≦40μm
▲3▼塩基性物質
c−1:ステアリン酸カルシウム
【0106】
▲4▼耐候(光)安定剤
d−1:2−(2−ヒドロキシー3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
d−2:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケートd−3:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン)ジエタノールとの縮合物
【0107】
▲5▼離型剤
e−1:グリセリンモノステアレート
e−2:ポリエチレングリコール(分子量6000)
e−3:エチレンビスステアリルアミド
【0108】
【実施例】
実施例1
表7に示した熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混練物(Y−1)を熱可塑性樹脂(POM−C)に添加した。熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤の溶融混練物(Y−1)の添加量は熱可塑性樹脂(POM−C)100重量部に対して、トリアジン誘導体が0.3重量部になる量とした。
これをシリンダー温度200℃に設定した2軸押し出し機によって溶融混錬し、ペレット化した。その後、80℃で5時間乾燥し、表9〜14に示した方法に従って成形及び成形品表面外観性、成形加工性、ペレット中のトリアジン誘導体粒子の分散性について評価を行った。結果を表15に示した。
【0109】
実施例2〜6、比較例1
実施例1の熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混練物(Y−1)を表7に示した熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混練物(Y−2〜7)にかえた以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表15に示した。
【0110】
実施例7〜12
実施例1の熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混練物(Y−1)を表8に示した熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混練物(Y−8〜13)にかえた以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表16に示した。
【0111】
実施例13
表6に示した熱可塑性樹脂用添加剤(X−5)を熱可塑性樹脂(POM−C)に添加した。熱可塑性樹脂用添加剤(X−5)の添加量は、熱可塑性樹脂(POM−C)100重量部に対して、トリアジン誘導体が0.3重量部になる量とした。
これをシリンダー温度200℃に設定した2軸押し出し機によって溶融混錬し、ペレット化した。この時の溶融混練時間(押出し機内滞留時間)は、120秒になるように吐出量で調整した。その後、80℃で5時間乾燥し、表9〜14に示した方法に従って成形及び成形品表面外観性、成形加工性、ペレット中のトリアジン誘導体粒子の分散性について評価を行った。結果を表17に示した。
【0112】
実施例14、15、比較例2
実施例13の熱可塑性樹脂用添加剤(X−5)を表6に示した熱可塑性樹脂用添加剤(X−7、9)及び(X−11)にかえた以外は実施例13と同様の操作を行った。結果を表17に示した。
【0113】
実施例16
表7に示した熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混合物(Y−2)を熱可塑性樹脂(POM−C)に添加した。熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混合物(Y−2)の添加量は熱可塑性樹脂(POM−C)100重量部に対して、トリアジン誘導体含有量が0.005重量部になる量とした。これをシリンダー温度200℃に設定した2軸押し出し機によって溶融混練し、ペレット化した。その後、80℃で5時間乾燥し、表9〜14に示した方法に従って成形及び成形品表面外観性、成形加工性、ペレット中のトリアジン誘導体粒子の分散性について評価を行った。結果を表18に示した。
【0114】
実施例17
トリアジン誘導体含有量が0.05重量部になるように熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混合物(Y−2)を熱可塑性樹脂(POM−C)に添加した以外は実施例16と同様の操作を行った。結果を表18に示した。
【0115】
実施例18
トリアジン誘導体含有量が0.1重量部になるように熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混合物(Y−2)を熱可塑性樹脂(POM−C)に添加した以外は実施例16と同様の操作を行った。結果を表18に示した。
【0116】
実施例19
トリアジン誘導体含有量が10重量部になるように熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混合物(Y−2)を熱可塑性樹脂(POM−C)に添加した以外は実施例16と同様の操作を行った。結果を表18に示した。
【0117】
実施例20
トリアジン誘導体含有量が20重量部になるように熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混合物(Y−2)を熱可塑性樹脂(POM−C)に添加した以外は実施例16と同様の操作を行った。結果を表18に示した。
【0118】
実施例21
トリアジン誘導体含有量が30重量部になるように熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混合物(Y−2)を熱可塑性樹脂(POM−C)に添加した以外は実施例16と同様の操作を行った。結果を表18に示した。
【0119】
比較例3
熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混合物(Y−2)を添加していない熱可塑性樹脂(POM−C)を用いた以外は実施例16と同様の操作を行った。結果を表18に示した。
【0120】
比較例4
トリアジン誘導体含有量が40重量部になるように熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混合物(Y−2)を熱可塑性樹脂(POM−C)に添加した以外は実施例16と同様の操作を行った。結果を表16に示した。
尚、実施例16〜18及び比較例3については下記条件にて耐熱性の評価を行った。結果を表18に示した。
▲1▼耐熱性評価条件
熱可塑性樹脂成形品を140℃のギヤーオーブン内に20日間置き、その
後、引っ張り強度を測定し、強度保持率を求めた。
【0121】
実施例22
熱可塑性樹脂を表1に示したポリエチレン樹脂を用いた。このポリエチレン樹脂100重量部に対してトリアジン誘導体が20重量%になるように熱可塑性樹脂用添加剤(X−2)を添加した。
これをシリンダー温度210℃に設定した2軸押し出し機によって120秒溶融混練し、ペレット化した。その後80℃で5時間乾燥し、表9〜11及び13に示した方法に従って成形及び成形品表面外観性について評価を行った。結果を表19に示した。
【0122】
実施例23
熱可塑性樹脂を表1に示したABS樹脂を用い、このABS樹脂100重量部に対してトリアジン誘導体が20重量%になるように熱可塑性樹脂用添加剤(X−2)を添加した。
これをシリンダー温度220℃に設定した2軸押し出し機によって120秒溶融混練し、ペレット化した。その後80℃で5時間乾燥し、表9〜11及び13に示した方法に従って成形及び成形品表面外観性について評価を行った。結果を表19に示した。
【0123】
実施例24
熱可塑性樹脂を表1に示したPPE/HIPSを用い、このPPE/HIPS100重量部に対してトリアジン誘導体が20重量%になるように熱可塑性樹脂用添加剤(X−2)を添加した。
これをシリンダー温度300℃に設定した2軸押し出し機によって120秒溶融混練し、ペレット化した。その後80℃で5時間乾燥し、表9〜11及び13に示した方法に従って成形及び成形品表面外観性について評価を行った。結果を表19に示した。
【0124】
実施例25
熱可塑性樹脂を表1に示したPA−66を用い、このPA−66 100重量部に対してトリアジン誘導体が20重量%になるように熱可塑性樹脂用添加剤(X−2)を添加した。
これをシリンダー温度280℃に設定した2軸押し出し機によって120秒溶融混練し、ペレット化した。その後80℃で5時間乾燥し、表9〜11及び13に示した方法に従って成形及び成形品表面外観性について評価を行った。結果を表19に示した。
【0125】
実施例26
熱可塑性樹脂を表1に示したPES を用い、このPES 100重量部に対してトリアジン誘導体が20重量%になるように熱可塑性樹脂用添加剤(X−2)を添加した。
これをシリンダー温度280℃に設定した2軸押し出し機によって120秒溶融混練し、ペレット化した。その後80℃で5時間乾燥し、表9〜11及び13に示した方法に従って成形及び成形品表面外観性について評価を行った。結果を表19に示した。
【0126】
実施例27
熱可塑性樹脂を表1に示したPCを用い、このPC100重量部に対してトリアジン誘導体が20重量%になるように熱可塑性樹脂用添加剤(X−2)を添加した。
これをシリンダー温度300℃に設定した2軸押し出し機によって120秒溶融混練し、ペレット化した。その後80℃で5時間乾燥し、表9〜11及び13に示した方法に従って成形及び成形品表面外観性について評価を行った。結果を表19に示した。
【0127】
実施例28
熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混練物(Y−2)を熱可塑性樹脂(POM−C)に添加した。溶融混練物(Y−2)の添加量は熱可塑性樹脂100重量部に対してトリアジン誘導体含有量が0.3重量部とした。更に、酸化防止剤(a−1)0.3重量部、ポリアミド(b−1)0.05重量部、離型剤(e−1)0.2重量部を添加した。
これをシリンダー温度200℃に設定した2軸押し出し機によって溶融混錬し、ペレット化した。その後、80℃で5時間乾燥し、表9〜14に示した方法に従って成形及び成形品表面外観性、成形加工性、ペレット中のトリアジン誘導体粒子の分散性について評価を行った。結果を表20に示した。
【0128】
実施例29
熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混練物(Y−2)を熱可塑性樹脂(POM−C)に添加した。溶融混練物(Y−2)の添加量は熱可塑性樹脂100重量部に対してトリアジン誘導体含有量が0.3重量部とした。更に、ポリアミド(b−1)0.05重量部、離型剤(e−3)0.05重量部、耐候剤(d−1)0.5重量部、(d−2)0.25重量部を添加した。
これをシリンダー温度200℃に設定した2軸押し出し機によって溶融混錬し、ペレット化した。その後、80℃で5時間乾燥し、表9〜14に示した方法に従って成形及び成形品表面外観性、成形加工性、ペレット中のトリアジン誘導体粒子の分散性について評価を行った。結果を表20に示した。
【0129】
実施例30
熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂用添加剤との溶融混練物(Y−2)を熱可塑性樹脂(POM−C)に添加した。溶融混練物(Y−2)の添加量は熱可塑性樹脂100重量部に対してトリアジン誘導体含有量が0.3重量部とした。更に、ポリアミド(b−1)0.05重量部、離型剤(e−3)0.05重量部、耐候剤(d−1)0.5重量部、(d−2)0.25重量部、(d−3)0.25重量部、離型剤(e−2)1.0重量部を添加した。
これをシリンダー温度200℃に設定した2軸押し出し機によって溶融混錬し、ペレット化した。その後、80℃で5時間乾燥し、表9〜14に示した方法に従って成形及び成形品表面外観性、成形加工性、ペレット中のトリアジン誘導体粒子の分散性について評価を行った。結果を表20に示した。
【0130】
実施例31
塩基性物質(c−1)0.03重量部を追加、添加した以外は実施例28と同様の操作を行った。結果を表20に示した。
【0131】
実施例32
塩基性物質(c−1)0.03重量部を追加、添加した以外は実施例29と同様の操作を行った。結果を表20に示した。
【0132】
実施例33
塩基性物質(c−1)0.03重量部を追加、添加した以外は実施例30と同様の操作を行った。結果を表20に示した。
【0133】
表15〜表20から明らかなように、1分子中に少なくとも1つ以上のホルムアルデヒドと反応し得る含窒素官能基を有するトリアジン誘導体とホルムアルデヒド発生体との混合物である熱可塑性樹脂用添加剤を用いることで、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性と成型品の表面外観性を改良することが出来た。
【0134】
【表15】
Figure 0004090532
【0135】
【表16】
Figure 0004090532
【0136】
【表17】
Figure 0004090532
【0137】
【表18】
Figure 0004090532
【0138】
【表19】
Figure 0004090532
【0139】
【表20】
Figure 0004090532
【0140】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂用添加剤は、1分子中に少なくとも1つ以上のホルムアルデヒドと反応し得る含窒素官能基を有するトリアジン誘導体の少なくとも1種と、パラホルムアルデヒド、ホルマリン水溶液から選ばれたホルムアルデヒド発生体との混合物である。この熱可塑性樹脂用添加剤を熱可塑性樹脂に溶融混練することで、成形加工性と成型品の表面外観性を優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。

Claims (9)

  1. 1分子中に少なくとも1つ以上のホルムアルデヒドと反応し得る含窒素官能基を有するトリアジン誘導体の少なくとも1種と、パラホルムアルデヒド、ホルマリン水溶液から選ばれたホルムアルデヒド発生体との混合物であり、その混合比率が、トリアジン誘導体の含窒素官能基とホルムアルデヒド発生体から発生するホルムアルデヒドのモル比が1:30〜30:1の混合物である熱可塑性樹脂用添加剤。
  2. ホルムアルデヒドと反応し得る含窒素官能基を有するトリアジン誘導体の少なくとも1種が下記一般式(A)、(B)、(C)、(D)、一般式(A)と(E)からなる化合物及び一般式(C)と(E)からなる化合物、一般式(D)と(E)からなる化合物及び一般式(F)、(G)及び(H)で表されるアミノ置換トリアジン類化合物から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の熱可塑性樹脂用添加剤。
    一般式(A)
    Figure 0004090532
    (式中、R1 、R2 及びR3 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
    一般式(B)
    Figure 0004090532
    (式中、R4 は炭素数1〜10の炭化水素である。R5 、R6 、R7 及びR8 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
    一般式(C)
    Figure 0004090532
    (式中、R9 は炭素数1〜10の炭化水素である。R10、R11、R12及びR13は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
    一般式(D)
    Figure 0004090532
    (式中、R14は炭素数1〜10の炭化水素。R15、R16、R17、R18、R19及びR20は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
    一般式(E)
    Figure 0004090532
    (式中、R21〜R23は炭素数1〜20の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素基、アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
    一般式(F)
    Figure 0004090532
    (式中、R27、R28、R29及びR30は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
    一般式(G)
    Figure 0004090532
    (式中、R31、R32及びR33は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。)
    一般式(H)
    Figure 0004090532
    (式中、R34、R35は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アミノ基又は置換アミノ基を意味し、その少なくとも1つはアミノ基若しくは置換アミノ基である。l=1〜3の混合物)
  3. トリアジン誘導体が、グアナミン、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンの少なくとも1種以上である請求項1記載の熱可塑性樹脂用添加剤。
  4. トリアジン誘導体とホルムアルデヒド発生体の混合時間を5分以下で混合して得た請求項1記載の熱可塑性樹脂用添加剤。
  5. 1分子中に少なくとも1つ以上のホルムアルデヒドと反応し得る含窒素官能基を有するトリアジン誘導体の少なくとも1種と、パラホルムアルデヒド、ホルマリン水溶液から選ばれたホルムアルデヒド発生体との混合物であり、その混合比率が、トリアジン誘導体の含窒素官能基とホルムアルデヒド発生体から発生するホルムアルデヒドのモル比が1:30〜30:1の混合物である熱可塑性樹脂用添加剤及び熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、熱可塑性樹脂100重量部に対して、トリアジン誘導体の全量が0.005〜30重量部となるよう熱可塑性樹脂用添加剤が含まれており、該トリアジン誘導体とホルムアルデヒド発生体からなる混合物の熱可塑性樹脂への溶融混練を180秒以下で行う熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. 熱可塑性樹脂用添加剤を、溶融した熱可塑性樹脂に添加するか、又は固体状の熱可塑性樹脂に添加し溶融して得る請求項5記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  7. トリアジン誘導体とホルムアルデヒド発生体を5分以下で混合して得た熱可塑性樹脂用添加剤を熱可塑性樹脂へ溶融混練する請求項5記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  8. 該熱可塑性樹脂がオレフィン系重合体、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系重合体の少なくとも1種以上である請求項5記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  9. 該熱可塑性樹脂がポリアセタール樹脂である請求項5記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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