JP4100815B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは表面層のバインダー樹脂としてポリアリレート樹脂を用い、かつ嵌合凹部を設けた駆動又は従動部材の該嵌合凹部に支持体端部を切り曲げてこれらを結合させる電子写真感光体の製造方法、この製造方法で製造された電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法は、米国特許第2297691号公報に示されるように画像露光の間に受けた照射量に応じて電気抵抗が変化し、かつ暗所では絶縁性の物質をコーティングした支持体よりなる光導電性材料を用いる。この光導電性材料を用いた電子写真感光体に要求される基本的な特性としては、(1)暗所で適当な電位に帯電できること、(2)暗所において電位の逸散が少ないこと、(3)光照射によって速やかに電荷を逸散せしめること等が挙げられる。
【0003】
従来、電子写真感光体としては、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性化合物を主成分とする感光層を有する無機感光体が広く使用されてきた。しかしこれらは、前記(1)〜(3)の条件は満足するが、熱安定性、耐湿性、耐久性、生産性等において必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
無機感光体の欠点を克服する目的で、様々な有機光導電性化合物を主成分とする電子写真感光体の開発が近年盛んに行われている。例えば、米国特許3837851号公報にはトリアリルピラゾリンを含有する電荷輸送層を有する感光体、米国特許3871880号公報にはペリレン顔料の誘導体からなる電荷発生層と3−プロピレンとホルムアルデヒドの縮合体からなる電荷輸送層からなる感光体等が公知である。
【0005】
更に、有機光導電性化合物は、その化合物によって電子写真感光体の感光波長域を自由に選択することが可能であり、例えば、アゾ顔料では特開昭61−272754号公報、特開昭56−167759号公報に示された物質は、可視領域で高感度を示すものが開示されており、また特開昭57−19576号公報、特開昭61−228453号公報で示された化合物は、赤外領域まで感度を有していることが示されている。
【0006】
これらの材料のうち赤外領域に感度を示すものは、近年進歩の著しいレーザービームプリンター(以下LBPと略す)やLEDプリンターに使用され、その需要頻度は高くなってきている。
【0007】
これら有機光導電性化合物を用いた電子写真感光体は、電気的、機械的双方の特性を満足させるために、電荷輸送層と電荷発生層を積層させた機能分離型の感光体として利用される場合が多い。一方、当然のことながら電子写真感光体には適用される電子プロセスに応じた感度、電気的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。
【0008】
特に、繰り返し使用される電子写真感光体においては、その電子写真感光体表面にはコロナ又は直接帯電、画像露光、トナー現像、転写工程、表面クリーニング等の電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性も要求される。
【0009】
具体的には、帯電時のオゾン及び窒素酸化物による電気的劣化や、帯電時の放電、クリーニング部材の摺擦によって表面が摩耗したり傷が発生したりする機械的劣化、電気的劣化に対する耐久性が求められている。
【0010】
機械的劣化は、特に無機感光体と異なり物質的に柔らかいものが多い有機感光体は機械的劣化に対する耐久性が劣り、耐久性向上は特に切望されているものである。
【0011】
上記のような感光体に要求される耐久特性を満足させるために、いろいろ試みがなされてきた。
【0012】
表面層によく使用され耐摩耗性、電気特性に良好な樹脂としては、ビスフェノールAを骨格とするポリカーボネート樹脂が注目されているが、前述したような問題点全てを解決できるわけでもなく、次のような問題点を有している。
【0013】
(1)溶解性に乏しく、ジクロロメタンや1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類の一部にしか良好な溶解性を示さないうえ、これらの溶剤は低沸点のため、これらの溶剤で調製した塗工液を用いて感光体を製造すると塗工面が白化し易い。塗工液の固形分の管理等にも手間がかかる。
【0014】
(2)ハロゲン化脂肪族炭化水素類以外の溶剤に対しては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、あるいはそれらの混合溶剤に一部可溶であるが、その溶液は数日でゲル化する等の経時性が悪く、感光体製造には不向きである。
【0015】
(3)更に、上記(1)、(2)が改善されたとしても、ビスフェノールAを骨格とするポリカーボネート樹脂には、ソルベントクラックが発生し易い。
【0016】
(4)加えて従来のポリカーボネート樹脂では、樹脂で形成された皮膜に潤滑性がないため感光体に傷がつき易く、電子写真感光体の摩耗量を低くするようなクリーニング設定では画像欠陥になったり、クリーニングブレードの早期の劣化によるクリーニング不良、トナーの融着等が生じてしまうことがあった。
【0017】
前記(1)、(2)に挙げた溶液安定性については、ポリマーの構造単位として嵩高いシクロヘキシレン基を有するポリカーボネートZ樹脂を使用するか、ビスフェノールZ、ビスフェノールC等と共重合させることによって解決されてきた。
【0018】
また、ソルベントクラックについても特開平6−51544号公報、特開平6−75415号公報に開示されているようにシリコーン変成ポリカーボネート、エーテル変成ポリカーボネートを用いることにより解決することが可能である。ところが、これら変成ポリカーボネートは、従来のポリカーボネート樹脂に比ベソルベントクラックを対策するためにポリマー内の内部応力に対して柔軟性をもたしている構造をとっているため、結果、重合体本体の機械的強度が低下するという欠点があった。
【0019】
更に近年、特開昭57−17826号公報、特開昭58−40566号公報に開示してあるような帯電部材に直接電圧をかけ電子写真感光体に電荷を印加する直接帯電方式が主流となりつつある。
【0020】
これは、導電ゴム等で構成されたローラー状の帯電部材を直接電子写真感光体に当接させ電荷を印加する方法であり、スコロトロン等に比べ、オゾン発生量が格段に少ない、スコロトロンは帯電器に流す電流の80%前後はシールドに流れるため浪費されるのに対して、直接帯電はこの浪費分が無く非常に経済的である等のメリットを有す。
【0021】
しかし、直接帯電は、パッシェン則による放電による帯電のため帯電安定性が非常に悪いという欠点を有す。この対策として直流電圧に交流電圧を重畳させた、いわゆるAC/DC帯電方式が開示されている(特開昭63−149668号公報)。
【0022】
この帯電方式により帯電時の安定性は良化したが、AC電圧を重畳するために電子写真感光体表面の放電量は大幅に増大してしまい電子写真感光体の削れ量が増加してしまうという欠点を新たに生じてしまい、機械的強度のみならず電気的強度も要求されるようになってきた。
【0023】
更に、高耐久、高安定化を図るための駆動又は従動部材の結合方法として、嵌合凹部を設けた駆動又は従動部材の凹部内に支持体端部を切り曲げて結合する方法が開示されている(特開平5−200462号公報)。
【0024】
しかし切り曲げ結合するためには、表面層の塗膜剥れを防止するため上端部の塗布開始位置が制限されてしまう。そのため上端部の膜厚ダレにより直接帯電による放電の影響で片削れが発生したり、画像端部カブリが問題となっていた。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のポリカーボネート樹脂の表面層が有していた問題点を解決し、機械的、電気的強度及び密着性が強く、かつ繰り返しの電子写真プロセスにおいて常に高品位な画像が得られる高耐久、安定性に優れた電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法、この製造方法で製造された電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、円筒状の導電性支持体及び該導電性支持体上の感光層を有する電子写真感光体を製造する方法であって、
(i)浸漬塗布によって該電子写真感光体の表面層の塗膜を形成する工程と、
(ii)工程(i)の後、嵌合凹部を有する駆動又は従動部材を該導電性支持体の表面層塗布下端側の端部に挿入する工程と、
(iii)工程(ii)の後、該駆動又は従動部材の嵌合凹部に該導電性支持体の表面層塗布下端側の端部を該表面層の塗膜ごと切り曲げることによって、該導電性支持体の表面層塗布下端側の端部に該駆動又は従動部材を結合させる工程と
を有する電子写真感光体の製造方法において、
該表面層のバインダー樹脂として下記一般式(1)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
【0027】
【化2】
【0028】
式(1)中、X1は−CR13R14−{ただしR13及びR14は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基である。}、置換基を有してもよいシクロアルキリデン基、置換基を有してもよいα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、又は−SO2−である。また、R1〜R12は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基である。
また、本発明に従って、上記製造方法で製造された電子写真感光体が提供される。
また、本発明に従って、上記電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、該電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像して該電子写真感光体上にトナー像を形成する現像手段、及び該トナー像を転写材上に転写した後に該電子写真感光体上に残るトナーを除去するクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも1つの手段とを共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
また、本発明に従って、上記電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対して露光を行って該電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段、該電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像して該電子写真感光体上にトナー像を形成する現像手段、及び該電子写真感光体上に形成されたトナー像を転写材上に転写する転写手段を有することを特徴とする電子写真装置が提供される。
【0029】
式(1)中、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基又はシクロヘプチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基又はアンスリル基等が挙げられる。シクロアルキリデン基としてはシクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基又はフルオレニリデン基等が挙げられる。α,ω−アルキレン基としては1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基又は1,4−ブチレン基等が挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子又は臭素原子等が挙げられる。
【0030】
これらの基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基又はプロピル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はアンスリル基等のアリール基、ベンジル基又はフェネチル基等のアラルキル基又はメトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。
【0031】
なお、単結合とはX1の両側のベンゼン環が直接結合していることを意味し、例えば後述の構成単位例7、23及び24が挙げられる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0033】
本発明に用いられる樹脂の構成単位の具体例を下記に示すが、これらに限られるものではない。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
好ましい例としては、構成単位例1、2及び7が挙げられるが、特に構成単位例1がより好ましい。
【0040】
本発明において用いられる前記一般式(1)で示される構成単位を有する樹脂は、下記一般式(2)で示されるビスフェノールを通常溶解性を上げるため、テレフタル酸塩化物/イソフタル酸塩化物の混合物とアルカリの存在下において、溶媒/水混合系中で攪拌することにより界面重合させ、容易に製造することができる。
【0041】
【化3】
【0042】
式(2)中、X2は−CR29R30−{ただしR29及びR30は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基である。}、置換基を有してもよいシクロアルキリデン基、置換基を有してもよいα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、又は−SO2−である。また、R21〜R28は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基である。
【0043】
テレフタル酸塩化物とイソフタル酸塩化物の比率は、通常、その重合体の溶解性を考慮して決定されるが定説はない。ただし、いずれかの塩化物が30mol%以下になると合成した重合体の溶解性が極端に低下するので好ましくない。通常は、1/1の比率で合成するのが好ましい。
【0044】
本発明の電子写真感光体においては、一般式(1)で示される構成単位が同一のもので構成される重合体でも、2種類以上の一般式(1)で示される別種の構成単位からなる共重合体でもよい。更には、一般式(1)で示される構成単位を有する樹脂を2種以上、あるいは樹脂とそれ以外の樹脂をブレンドしてもよい。また、本発明に用いられる樹脂は、5000〜250000の重量平均分子量を有することが好ましく、特に10000〜150000の重量平均分子量を有することが好ましい。
【0045】
本発明による樹脂は、構成単位中に剛直性を有するユニットが含有され、電子写真感光体形成時にそのユニットが部分的にガラス化することによって高分子被膜全体の機械的強度を上げるものである。
【0046】
耐電気特性においては、電気的劣化による分子切断が、カーボネート結合に比較してアリール基のエステル結合であるアリレート構造は、帯電による電流に強く、特に耐電気性能が上がっていると考えられる。この理由は確認されていないが、カーボネート結合はカルボキシ基の両側に酸素原子があるためダイポールモーメントが大きく電気エネルギーに対して弱いためと推測される。
【0047】
更に、本発明による表面層を浸漬塗布により引き上げる開始位置は、電子写真感光体の上端から3mm以内であり、かつ上端部を切り曲げ結合することが効果的である。
【0048】
つまり、本発明においては、表面層にポリアリレート樹脂を含有し、かつ嵌合凹部を設けた駆動又は従動部材の凹部内に支持体端部を切り曲げて結合することにより、従来のポリカーボネート樹脂を表面層として有していた問題点を解決し、機械的、電気的強度及び密着性が強く、かつ繰り返し電子写真プロセスにおいて常に高品位な画像が得られる高耐久、安定性に優れた電子写真感光体を提供することができるのである。
【0049】
以下、本発明に用いる電子写真感光体の構成について説明する。
【0050】
本発明における電子写真感光体は、支持体上に感光層を有する。感光層は、電荷輸送材料と電荷発生材料を同一の層に含有する単層型であっても、電荷輸送層と電荷発生層に分離した積層型でもよいが、電子写真特性的には積層型が好ましい。
【0051】
使用する支持体は、導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、ステンレス等の金属、あるいは導電層を設けた金属、紙、プラスチック等が挙げられる。形状は円筒状である。
【0052】
LBP等の露光光がレーザー光の場合は、支持体と感光層の間に散乱による干渉縞防止又は支持体の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。これは、カーボンブラック、金属粒子等の導電性粉体をバインダー樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は、好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜30μmが適当である。
【0053】
その上に更に、接着機能及びバリアー機能を有する中間層を設ける。中間層の材料としては、例えば、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン等が挙げられる。これらは、適当な溶剤に溶解して塗布される。中間層の膜厚は、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.3〜1μmが適当である。
【0054】
中間層の上には電荷発生層が形成される。本発明に用いられる電荷発生材料としては、例えば、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染科、フタロシアニン、アントアントロン、ジべンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクリドン、非対称キノシアニン系の各顔料が挙げられる。
【0055】
機能分離型の場合、電荷発生層は前記電荷発生材料を0.3〜4倍量のバインダー樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル及び液衝突型高速分散機等の方法でよく分散し、分散液を塗布、乾燥させて形成される。電荷発生層の膜厚は、好ましくは5μm以下、より好ましくは0.1〜2μmが適当である。
【0056】
電荷輸送層は、主として電荷輸送材料と本発明からなるバインダー樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料を塗工乾燥して形成する。用いられる電荷輸送材料としては、例えば、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物、チアゾール系化合物等が挙げられる。これらは、0.5〜2倍量のバインダー樹脂と組み合わされ塗工、乾燥し、電荷輸送層を形成する。電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5〜40μm、より好ましくは15〜30μmが適当である。
【0057】
感光層を有した円筒の支持体の少なくとも一端に、嵌合凹部を設けた駆動又は従動部材を挿入して、嵌合凹部内に支持体端部を切り曲げて結合させている。切り曲げ結合は、一端2箇所以上であり、好ましくは対向した2箇所、円周を等配した4箇所が好ましい。
【0058】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを用いた電子写真装置の概略構成を示す。
【0059】
図1において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強調変調された露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0060】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期して取り出されて給紙された転写材7に、感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写手段6により順次転写されていく。
【0061】
トナー画像の転写を受けた転写材7は、感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0062】
像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0063】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものを容器11に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも一つを感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
【0064】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0065】
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0066】
【実施例】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は重量部を示す。
【0067】
(実施例1)
30mmφ、長さ254mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、それに以下の材料より構成される塗料を支持体上に浸漬法で塗布し、140℃の温度にて30分間加熱硬化させて、膜厚が15μmの導電層を形成した。
【0068】
導電性顔料 :SnO2コート処理硫酸バリウム 10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング材 :シリコーンオイル 0.001部
溶剤:メタノール/メトキシプロパノール(0.2/0.8) 20部
【0069】
次に、この導電層上にN−メトキジメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部をメタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
【0070】
次に、CuKαの特性X線回折のブラッグ角(2θ±0.2度)の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアン(TiOPc)4部とポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学社製)2部及びシクロヘキサノン60部を1mmφガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、エチルアセテート100部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬法で塗布し、膜厚が0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0071】
次に、下記構造式のアミン化合物9部、
【0072】
【化4】
下記構造式のアミン化合物1部、
【0073】
【化5】
及び表6の条件1に記載の重合体10部をモノクロロベンゼン30部/ジクロロメタン70部の混合溶媒に溶解し、電荷輸送用分散液を調製した。これを浸漬法で支持体上端1mmの位置から引き上げて塗布した後、150℃で2時間乾燥し、膜厚が30μmの電荷輸送層を形成した。
【0074】
次に、ポリアリレート樹脂の射出成形により角穴形状の嵌合凹部を対向して2箇所設けた駆動及び従動部材を作成し、前述の感光層を塗布した電子写真感光体の表面層塗布部材上端に駆動部材を、塗布下端に従動部材を挿入し、各々2箇所の嵌合凹部内に支持体鉛直方向に0.8mm切り曲げて結合させた。
【0075】
次に、評価について説明する。装置は、ヒューレットパッカード製LBP「レーザージェット4plus」(プロセススピード71mm/sec)を改造して用いた。改造は一次帯電の制御を、定電流制御から定電圧制御に変更した。作成した電子写真感光体をこの装置で通紙繰り返し使用の耐久試験を行った。シーケンスは、プリント1枚ごとに1回停止する間欠モードとした。トナーが無くなった場合はその都度補給し、5万枚耐久を行った。
【0076】
その結果、耐久を通じて塗膜剥がれの発生はなく、更に端部カブリの無い非常に良好な画像が得られた。結果を表7に示す。
【0077】
(実施例2)
表面層のバインダー樹脂を表6の条件2に記載の重合体で調製した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。その結果、耐久を通じて塗膜剥がれの発生はなく、更に端部カブリの無い非常に良好な画像が得られた。結果を表7に示す。
【0078】
(実施例3)
表面層のバインダー樹脂を表6の条件3に記載の重合体で調製した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。その結果、耐久を通じて塗膜剥がれの発生はなく、更に端部カブリの無い非常に良好な画像が得られた。結果を表7に示す。
【0079】
(実施例4)
導電層、中間層も設けなかった以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。その結果、耐久を通じて塗膜剥がれの発生はなく、更に端部カブリの無い非常に良好な画像が得られた。結果を表7に示す。
【0080】
(比較例1)
表面層のバインダー樹脂をポリカーボネート樹脂(商品名:Z−200、三菱ガス化学(株)製)で調製し、下端10mmを剥離した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。その結果、5000枚で上端部の塗膜剥がれが悪化し、耐久の続行が不可能になった。結果を表7に示す。
【0081】
(比較例2)
表面層を支持体上端10mmの位置から引き上げて塗布した以外は、比較例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。その結果、耐久を通じて塗膜剥がれの発生はなかったが、25000枚で画像端部カブリが発生した。結果を表7に示す。
【0082】
【表6】
【0083】
【表7】
【0084】
【発明の効果】
本発明によって、表面層のバインダー樹脂としてポリアリレート樹脂を用い、かつ嵌合凹部を設けた駆動又は従動部材の該嵌合凹部に支持体端部を切り曲げてこれらを結合させることにより、機械的、電気的強度及び密着性が強く、かつ繰り返し電子写真プロセスにおいて常に高品位な画像が得られる高耐久、安定性に優れた電子写真感光体の製造方法、この製造方法で製造された電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを用いる電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ容器
12 案内手段
Claims (5)
- 円筒状の導電性支持体及び該導電性支持体上の感光層を有する電子写真感光体を製造する方法であって、
(i)浸漬塗布によって該電子写真感光体の表面層の塗膜を形成する工程と、
(ii)工程(i)の後、嵌合凹部を有する駆動又は従動部材を該導電性支持体の表面層塗布下端側の端部に挿入する工程と、
(iii)工程(ii)の後、該駆動又は従動部材の嵌合凹部に該導電性支持体の表面層塗布下端側の端部を該表面層の塗膜ごと切り曲げることによって、該導電性支持体の表面層塗布下端側の端部に該駆動又は従動部材を結合させる工程と
を有する電子写真感光体の製造方法において、
該表面層のバインダー樹脂として下記一般式(1)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
(式(1)中、X1は−CR13R14−{ただしR13及びR14は各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基である。}、置換基を有してもよいシクロアルキリデン基、置換基を有してもよいα,ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、又は−SO2−である。また、R1〜R12は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基である。) - 前記導電性支持体としてアルミニウムシリンダーを用いる請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の製造方法で製造された電子写真感光体。
- 請求項3に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、該電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像して該電子写真感光体上にトナー像を形成する現像手段、及び該トナー像を転写材上に転写した後に該電子写真感光体上に残るトナーを除去するクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも1つの手段とを共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項3に記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対して露光を行って該電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段、該電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像して該電子写真感光体上にトナー像を形成する現像手段、及び該電子写真感光体上に形成されたトナー像を転写材上に転写する転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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