JP4130048B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、好適な炭素材料を負極活物質として用いた非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、非水電解質二次電池の負極材料として黒鉛、コークスなどの炭素材料が提案されており、それらは既に実用されている。なかでも黒鉛はリチウム金属の電位近傍で非常に卑な放電電位を示し、高エネルギー密度の非水電解質二次電池が得られることから、汎用されているものの一つである。
【0003】
しかしながら、黒鉛を負極として用いた従来の二次電池の場合、長時間放置していると、炭素材料中のリチウムが電解液と反応し、自己放電し、電池容量が低下するという問題があった。
【0004】
上述の問題を解決するために、例えば、特開平10−36108号公報では、黒鉛材料を低結晶性炭素材料で被覆した非水電解質二次電池が提案されている。
【0005】
しかしながら、このような非水電解質二次電池においても、依然として放置時に電池容量が低下するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来例の欠点に鑑み為されたものであり、放置した際における電池容量の低下が少なく、保存特性を良好にするのに適した非水電解質二次電池を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、芯材となる第1の炭素材料と、該第1の炭素材料の表面を覆う第2の炭素材料とを有し、前記第1の炭素材料がホウ素を含有せず、前記第2の炭素材料がホウ素(B)を含有していることを特徴する。
【0010】
このような炭素材料は、非水電解質二次電池の負極材料として用いた場合、二次電池を放置した際における自己放電率が小さく、二次電池の保存特性が良くなる。尚、これは、非水電解質二次電池の場合、ホウ素を含有する第2の炭素材料により、炭素材料中のリチウムと電解液との反応が低減されたためと考えられる。
【0013】
また、第1の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、前記第1の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.35Å以上、3.38Å以下であり、かつc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が300Å以上であること、望ましくは前記第1の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.35Å以上、3.36Å以下であり、かつc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が1000Å以上であることが好ましく、この場合、二次電池の放電容量は大きくなる。
【0014】
また、第1の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、前記第2の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37Å以上、3.90Å以下であることが好ましい。
【0015】
また、第1の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、前記第2の炭素材料におけるホウ素の含有量が1重量%以上、15重量%以下であること、望ましくは前記第2の炭素材料におけるホウ素の含有量が5重量%以上、10重量%以下であることが好ましい。
【0016】
また、第1の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料の量が1重量%以上、20重量%以下であること、望ましくは前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料の量が5重量%以上、10重量%以下であることが好ましい。
【0017】
また、第1の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料中のホウ素の含有量が0.01重量%以上、3重量%以下であること、望ましくは前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料中のホウ素の含有量が0.25重量%以上、1重量%以下であることが好ましい。
【0018】
第2の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、芯材となる第1の炭素材料と、該第1の炭素材料の表面を覆う第2の炭素材料とを有し、前記第1の炭素材料がホウ素及び窒素を含有せず、前記第2の炭素材料がホウ素(B)及び窒素(N)を含有していることを特徴とする。
【0019】
このような炭素材料は、非水電解質二次電池の負極材料として用いた場合、二次電池を放置した際における自己放電率が小さく、二次電池の保存特性が良くなる。尚、これは、非水電解質二次電池の場合、ホウ素及び窒素を含有する第2の炭素材料により、炭素材料中のリチウムと電解液との反応が低減されたためと考えられる。
【0022】
また、第2の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、前記第1の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.35Å以上、3.38Å以下であり、かつc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が300Å以上であること、望ましくは前記第1の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.35Å以上、3.36Å以下であり、かつc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が1000Å以上であることが好ましく、この場合、二次電池の放電容量は大きくなる。
【0023】
また、第2の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、前記第2の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37Å以上、3.90Å以下であることが好ましい。
【0024】
また、第2の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、前記第2の炭素材料におけるホウ素の含有量が1重量%以上、15重量%以下であること、望ましくは前記第2の炭素材料におけるホウ素の含有量が5重量%以上、10重量%以下であることが好ましい。
【0025】
また、第2の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、前記第2の炭素材料における窒素の含有量が1重量%以上、10重量%以下であること、望ましくは前記第2の炭素材料における窒素の含有量が3重量%以上、5重量%以下であることが好ましい。
【0026】
また、第2の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料の量が1重量%以上、20重量%以下であること、望ましくは前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料の量が5重量%以上、15重量%以下であることが好ましい。
【0027】
また、第2の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料中のホウ素の含有量が0.01重量%以上、3重量%以下であること、望ましくは前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料中のホウ素の含有量が0.25重量%以上、1.5重量%以下であることが好ましい。
【0028】
また、第2の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料中の窒素の含有量が0.01重量%以上、2重量%以下であること、望ましくは前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料中の窒素の含有量が0.15重量%以上、0.75重量%以下であることが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】
先ず、第1の発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0034】
ホウ素含有炭素材料で表面を被覆した炭素材料の製造
ホウ素含有炭素材料で表面を被覆した炭素材料は、芯材となる第1の炭素材料を、ホウ素化合物を添加した炭化可能な有機化合物に浸漬させ、有機化合物から分離した後、500℃以上、1800℃以下、好ましくは700℃以上、1400℃以下で炭化することにより製造できる。
【0035】
炭化有機化合物としては、たとえばピッチまたはタール、或いはフェノールホルムアルデヒド樹脂、フルフリールアルコール樹脂、カーボンブラック、塩化ビニリデン、セルロース等をメタノール、エタノール、ベンゼン、アセトン、トルエン等の有機溶媒に溶解した溶液を使用できる。
【0036】
ホウ素化合物としては、ホウ素、酸化ホウ素、ホウ酸、炭化ホウ素等を使用できる。
【0037】
芯材となる第1の炭素材料
芯材となる第1の炭素材料としては、黒鉛系材料が好ましく、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化されたピッチ系炭素繊維等を使用することができる。これら黒鉛系材料の平均粒子径は1μm以上、80μm以下、好ましくは5μm以上、40μm以下の黒鉛系材料が芯材として好適である。
【0038】
また、芯材となる第1の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.35Å以上、3.38Å以下であり、かつc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が300Å以上であるものが、放電容量の点で優れており、好ましくは、(d002)が3.35Å以上、3.36Å以下であり、かつ(Lc)が1000Å以上であれば、放電容量の点で更に優れている。
【0039】
芯材の表面を被覆する第2の炭素材料
芯材の表面を被覆する第2の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37Å以上、3.90Å以下であるものが、保存特性の点で優れている。
【0040】
第1の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料中のホウ素の含有量については、0.01重量%以上、3重量%以下の範囲が好ましく、0.25重量%以上、1重量%以下の範囲がより好ましい。また、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料のホウ素含有量は、1重量%以上、15重量%以下の範囲が好ましく、5重量%以上、10重量%以下の範囲がより好ましい。
【0041】
芯材の表面を被覆する第2の炭素材料の被覆量
また、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料の量が、第1の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料の全炭素材料に対して1重量%以上、20重量%以下の範囲であることが好ましく、5重量%以上、10重量%以下の範囲がより好ましい。尚、被覆量は、芯材となる第1の炭素材料を有機化合物に浸漬する際の浸漬時間、浸漬回数を調節することにより制御できる。
【0042】
上述した第1の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料は、常法に従い、これをポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤と混練し、合剤として負極に使用される。
【0043】
第1の発明の非水電解質二次電池における正極材料としては、従来、非水系電池用として使用されている種々の正極材料を用いることができ、例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、リチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)等のリチウム金属酸化物や、酸化クロム、酸化チタン、酸化コバルト、五酸化バナジウム等の金属酸化物や、硫化チタン、硫化モリブデン等の遷移金属のカルコゲン化合物を用いることができる。これをアセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤と混練し、合剤として使用される。
【0044】
第1の発明の非水電解質二次電池における電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒等、従来、非水系電池用として使用されている種々の電解液を用いることができる。また電解質としては六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)など、従来、非水電解質二次電池用として使用されている種々の電解質を用いることができる。
【0045】
第1の発明に係わる非水電解質二次電池に使用するセパレータとしては、イオン導電性に優れたポリエチレン製やポリプロピレン製の微多孔性膜など、従来非水電解質二次電池用として使用されている種々のものを用いることができる。
【0046】
以下に実施例及び比較例を挙げて第1の発明をさらに詳しく説明するが、第1の発明は下記実施例により何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
【0047】
<実験1>
ホウ素含有の第2の炭素材料により第1の炭素材料よりなる芯材の表面を被覆した第1の発明の非水電解質二次電池の負極活物質として用いられる炭素材料を用いた電極の特性について検討を行った。
【0048】
(実施例1)
[負極の作製]
芯材となる天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)よりなる第1の炭素材料を、酸化ホウ素(B2O3)を添加した溶融状態のピッチに浸漬させた後、分離し乾燥してピッチ被覆黒鉛を得た。なお、ピッチ中のホウ素の含有量は、10重量%である。このピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気下にて、1100℃で2時間焼成してホウ素含有の第2の炭素材料で表面を被覆した炭素材料を負極活物質として得た。また、ホウ素含有の第2の炭素材料の被覆量は、全炭素材料(第1の炭素材料及び第2の炭素材料)に対して10重量%である。
【0049】
次いで、負極活物質としての上記炭素材料と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、重量比90:10の比率で混合して負極合剤を得た。
【0050】
次いで、この負極合剤にN−メチル−2−ピロリドンを加えスラリー状にし、銅箔に塗布した後、圧延して幅42mmに切り出して負極を作製した。
【0051】
[正極の作製]
コバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末と、導電剤としての炭素粉末と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、重量比90:5:5の比率で混合して正極合剤を得た。
【0052】
次いで、この正極合剤にN−メチル−2−ピロリドンを加えスラリー状にし、アルミ箔に塗布した後、圧延して幅40mmに切り出して正極を作製した。
【0053】
[電解液の調製]
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との等体積混合溶媒に、溶質としての六フッ化リン酸リチウムを1モル/リットルの割合で溶かして電解液を調製した。
【0054】
[非水電解質二次電池の作製]
以上の正極、負極及び、電解液の他、ポリプロピレン製の微多孔性薄膜からなるセパレータなどを用いて小型円筒形の第1の発明に係わる非水電解質二次電池A1を作製した。尚、電池寸法は、直径14.2mm、高さ50.0mmである。
【0055】
図1は、本実施例で作製したリチウム電池A1の断面図であり、電池A1は、正極1、負極2、これらの両電極を隔離するセパレータ3、アルミニウム製の正極リード4、ニッケル製の負極リード5、正極端子6、及び負極缶7からなる。
【0056】
(比較例1)
負極活物質として天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の非水電解質二次電池Xを作製した。
【0057】
(比較例2)
芯材となる天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を、溶融状態のピッチに浸漬させた後、分離し乾燥してピッチ被覆黒鉛を得た。このピッチ被覆黒鉛を不活性雰囲気下にて、1100℃で2時間焼成してホウ素を含有しない炭素で表面を被覆した炭素材料を得た。
【0058】
この炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の非水電解質二次電池Yを作製した。
【0059】
尚、この比較例2における炭素材料は、特開平10−36108号公報に示されている炭素材料と同様に黒鉛を低結晶性炭素で覆ったものである。
【0060】
(比較例3)
ピッチに酸化ホウ素(B2O3)を添加し、不活性雰囲気下にて、1100℃で2時間焼成してホウ素含有炭素材料を得た。このホウ素含有炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の非水電解質二次電池Zを作製した。
【0061】
上記実施例1及び比較例1、2、3の非水電解質二次電池A1、X、Y、Zについて、75mAの定電流で電池電圧4.2Vまで充電した後、2.7Vに至るまで放電し、放置前の放電容量を測定した。次に、75mAの定電流で電池電圧4.2Vまで充電して、25℃の恒温槽で30日間放置した後、75mAの定電流で電池電圧2.7Vまで放電して放置後の放電容量を測定し、下記の数1の式に基づいて自己放電率を算出した。その結果を下記の表1に示す。
【0062】
【数1】
Figure 0004130048
【0063】
【表1】
Figure 0004130048
【0064】
表1より判るように、ホウ素含有の第2の炭素材料で芯材の表面を被覆した炭素材料を負極に用いた第1の発明に係わる実施例1の非水電解質二次電池A1は、自己放電率が12.0%と低く、比較例の非水電解質二次電池X、Y、Zと比べて優れた保存特性を有する。また、比較例の中でも、ホウ素含有の炭素材料を用いた比較例3は、他の比較例1、2よりも自己放電率が低い。
【0065】
<実験2>
次に、芯材となる第1の炭素材料について検討を行った。
【0066】
(実施例2)
芯材となる第1の炭素材料として、人造黒鉛(d002=3.360Å、Lc=600Å)を用いた以外は実施例1と同様にして、第1の発明に係わる非水電解質二次電池A2を作製した。
【0067】
(実施例3)
芯材となる第1の炭素材料として、人造黒鉛(d002=3.378Å、Lc=300Å)を用いた以外は実施例1と同様にして、第1の発明に係わる非水電解質二次電池A3を作製した。
(実施例4)
芯材となる第1の炭素材料として、人造黒鉛(d002=3.388Å、Lc=200Å)を用いた以外は実施例1と同様にして、第1の発明に係わる非水電解質二次電池A4を作製した。
【0068】
上記実施例2〜4及び実施例1の非水電解質二次電池について、保存特性を検討した結果を下記の表2に示す。尚、実験条件は上述の実験1と同じである。また、表2中の放電容量は放置前の放電容量である。
【0069】
【表2】
Figure 0004130048
【0070】
表2より判るように、芯材となる第1の炭素材料は、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.35Å以上、3.38Å以下の範囲であり、かつc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が300Å以上であるものが、放電容量が大きく優れており、好ましくはd002が3.35Å以上、3.36Å以下の範囲であり、かつLcが1000Å以上であるものが、放電容量がより大きくなる。
【0071】
<実験3>
次に、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料について検討を行った。
【0072】
(実施例5)
天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を、酸化ホウ素(B2O3)を添加した溶融状態のピッチに浸漬させた後、分離し乾燥してピッチ被覆黒鉛を得た。尚、ピッチ中のホウ素の含有量は10重量%である。ここで得られたピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気下にて、2400℃で2時間焼成してホウ素含有炭素(第2の炭素材料)で表面を被覆した炭素材料を得た。尚、ホウ素を含有する第2の炭素材料の被覆量は、全炭素材料(第1の炭素材料と第2の炭素材料との合計)に対して10重量%である。ここで得られた炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例1と同様にして、第1の発明に係わる非水電解質二次電池A5を作製した。
【0073】
(実施例6)
天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を、酸化ホウ素(B2O3)を添加した溶融状態のピッチに浸漬させた後、分離し乾燥してピッチ被覆黒鉛を得た。尚、ピッチ中のホウ素の含有量は10重量%である。ここで得られたピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気下にて、2800℃で2時間焼成してホウ素含有炭素(第2の炭素材料)で表面を被覆した炭素材料を得た。尚、ホウ素を含有する第2の炭素材料の被覆量は、全炭素材料(第1の炭素材料と第2の炭素材料との合計)に対して10重量%である。ここで得られた炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例1と同様にして、第1の発明に係わる非水電解質二次電池A6を作製した。
【0074】
(実施例7)
天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を、酸化ホウ素(B2O3)を添加した溶融状態のフルフリルアルコール樹脂に浸漬させた後、分離し乾燥してフルフリルアルコール樹脂被覆黒鉛を得た。尚、フルフリルアルコール樹脂中のホウ素の含有量は10重量%である。ここで得られたフルフリルアルコール樹脂被覆黒鉛を窒素雰囲気下にて、1100℃で2時間焼成してホウ素含有炭素(第2の炭素材料)で表面を被覆した炭素材料を得た。尚、ホウ素を含有する第2の炭素材料の被覆量は、全炭素材料(第1の炭素材料と第2の炭素材料との合計)に対して10重量%である。ここで得られた炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例1と同様にして、第1の発明に係わる非水電解質二次電池A7を作製した。
【0075】
(実施例8)
天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を、酸化ホウ素(B2O3)を添加した溶融状態のフルフリルアルコール樹脂に浸漬させた後、分離し乾燥してフルフリルアルコール樹脂被覆黒鉛を得た。尚、フルフリルアルコール樹脂中のホウ素の含有量は10重量%である。ここで得られたフルフリルアルコール樹脂被覆黒鉛を窒素雰囲気下にて、700℃で2時間焼成してホウ素含有炭素(第2の炭素材料)で表面を被覆した炭素材料を得た。尚、ホウ素を含有する第2の炭素材料の被覆量は、全炭素材料(第1の炭素材料と第2の炭素材料との合計)に対して10重量%である。ここで得られた炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例1と同様にして、第1の発明に係わる非水電解質二次電池A8を作製した。
【0076】
上記実施例5〜8及び実施例1の非水電解質二次電池について、芯材の表面を被覆した第2の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)を測定し、更に保存特性を検討した結果を下記の表3に示す。尚、実験条件は上述の実験1と同じである。
【0077】
【表3】
Figure 0004130048
【0078】
表3から判るように、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37Å以上、3.90Å以下の範囲である電池A1、A5、A7は自己放電率が12%台と小さく、保存特性の点で優れている。
【0079】
<実験4>
次に、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料におけるホウ素の含有量について検討を行った。
【0080】
(実施例9〜13)
ホウ素含有量が0.5重量%(実施例9)、1重量%(実施例10)、5重量%(実施例11)、15重量%(実施例12)、20重量%(実施例13)のピッチを用いた以外は実施例1と同様にして、第1の発明に係わる非水電解質二次電池A9〜A13を作製した。
【0081】
上記実施例9〜13及び実施例1の電池について、保存特性を検討した結果を下記の表4に示す。尚、実験条件は上述の実験1と同じである。
【0082】
【表4】
Figure 0004130048
【0083】
上記表4から判るように、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料中のホウ素含有量は、1重量%以上、15重量%以下の範囲で自己放電率が小さく保存特性の点で優れ、好ましくは、5重量%以上、10重量%以下の範囲で更に自己放電率が小さく、保存特性がより優れている。
【0084】
<実験5>
次に、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料の被覆量について検討を行った。
(実施例14〜18)
芯材の表面を被覆するホウ素含有の第2の炭素材料の量が、全炭素材料に対して0.5重量%(実施例14)、1重量%(実施例15)、5重量%(実施例16)、20重量%(実施例17)、25重量%(実施例18)である以外は実施例1と同様にして、第1の発明に係わる非水電解質二次電池A14〜A18を作製した。
【0085】
上記実施例14〜18及び実施例1の電池について、保存特性を検討した結果を下記の表5に示す。尚、実験条件は上述の実験1と同じである。
【0086】
【表5】
Figure 0004130048
【0087】
上記表5から判るように、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料の被覆量は、全炭素材料に対して、1重量%以上、20重量%以下の範囲で自己放電率が小さく保存特性の点で優れ、好ましくは、5重量%以上、10重量%以下の範囲で更に自己放電率が小さく、保存特性がより優れている。
【0088】
また、実験4及び5の結果から示されるように、全炭素材料中におけるホウ素の含有量は、0.01重量%以上、3重量%以下の範囲が保存特性の点で優れ、好ましくは0.25重量%以上、1重量%以下の範囲が更に保存特性の点で優れている。
【0089】
上述の実施例では第1の発明を小型円筒形電池に適用する場合の具体例について説明したが、電池の形状などについては特に制限はなく、第1の発明は扁平形、角形など、種々の形状の様々な非水電解質二次電池に適用し得るものである。
【0090】
尚、上述の実施例では、第1の発明の炭素材料の第1の炭素材料は、ホウ素を含有していないが、第1の炭素材料に多少のホウ素を含有しても、二次電池の保存特性の向上に寄与することが、上記表1の電池Zの自己放電率の値等から予想出来る。
【0091】
次に、第2の発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0092】
ホウ素及び窒素含有炭素材料で表面を被覆した炭素材料の製造
ホウ素及び窒素含有炭素材料で表面を被覆した炭素材料は、芯材となる第1の炭素材料を、ホウ素化合物と窒素化合物を添加した炭化可能な有機化合物に浸漬させ、有機化合物から分離した後、500℃以上、1800℃以下、好ましくは700℃以上、1400℃以下で炭化することにより製造できる。
【0093】
有機化合物としては、たとえばピッチまたはタール、或いはフェノールホルムアルデヒド樹脂、フルフリールアルコール樹脂、カーボンブラック、塩化ビニリデン、セルロース等をメタノール、エタノール、ベンゼン、アセトン、トルエン等の有機溶媒に溶解した溶液を使用できる。
【0094】
ホウ素化合物としては、ホウ素、酸化ホウ素、ホウ酸、炭化ホウ素等を使用できる。
【0095】
窒素化合物としては、アセトニトリル等の窒素含有官能基をもつ化合物や、ピリジン等の窒素を含む複素環化合物等を使用できる。
【0096】
芯材となる第1の炭素材料
芯材となる第1の炭素材料としては、黒鉛系材料が好ましく、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化されたピッチ系炭素繊維等を使用することができる。これら黒鉛系材料の平均粒子径は1μm以上、80μm以下、好ましくは5μm以上、40μm以下の黒鉛系材料が芯材として好適である。
【0097】
また、芯材となる第1の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.35Å以上、3.38Å以下であり、かつc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が300Å以上であるものが、放電容量の点で優れており、好ましくは、(d002)が3.35Å以上、3.36Å以下であり、かつ(Lc)が1000Å以上であれば、放電容量の点で更に優れている。
【0098】
芯材の表面を被覆する第2の炭素材料
芯材の表面を被覆する第2の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37Å以上、3.90Å以下であるものが、保存特性の点で優れている。
【0099】
第2の発明の炭素材料中のホウ素の含有量については、第1の炭素材料と第2の炭素材料との合計に対して、0.01重量%以上、3重量%以下の範囲が好ましく、0.25重量%以上、1.5重量%以下の範囲がより好ましい。また、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料のホウ素含有量は、1重量%以上、15重量%以下の範囲が好ましく、5重量%以上、10重量%以下の範囲がより好ましい。
【0100】
第2の発明の炭素材料中の窒素の含有量については、第1の炭素材料と第2の炭素材料との合計に対して、0.01重量%以上、2重量%以下の範囲が好ましく、0.15重量%以上、0.75重量%以下の範囲がより好ましい。また、芯体の表面を被覆する第2の炭素材料中の窒素含有量は、1重量%以上、10重量%以下の範囲が好ましく、3重量%以上、5重量%以下の範囲がより好ましい。
【0101】
芯材の表面を被覆する第2の炭素材料の被覆量
また、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料の量が、第2の発明の炭素材料の全炭素材料に対して1重量%以上、20重量%以下の範囲であることが好ましく、5重量%以上、15重量%以下の範囲がより好ましい。尚、被覆量は、芯材となる第1の炭素材料を有機化合物に浸漬する際の浸漬時間、浸漬回数を調節することにより制御できる。
【0102】
上述した第2の発明の炭素材料は、常法に従い、これをポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤と混練し、合剤として負極に使用される。
【0103】
第2の発明の非水電解質二次電池における正極材料としては、従来、非水系電池用として使用されている種々の正極材料を用いることができ、例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、リチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)等のリチウム金属酸化物や、酸化クロム、酸化チタン、酸化コバルト、五酸化バナジウム等の金属酸化物や、硫化チタン、硫化モリブデン等の遷移金属のカルコゲン化合物を用いることができる。これをアセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤と混練し、合剤として使用される。
【0104】
第2の発明の非水電解質二次電池における電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒等、従来、非水系電池用として使用されている種々の電解液を用いることができる。また電解質としては六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)など、従来、非水電解質二次電池用として使用されている種々の電解質を用いることができる。
【0105】
第2の発明に係わる非水電解質二次電池に使用するセパレータとしては、イオン導電性に優れたポリエチレン製やポリプロピレン製の微多孔性膜など、従来非水電解質二次電池用として使用されている種々のものを用いることができる。
【0106】
以下に実施例及び比較例を挙げて第2の発明をさらに詳しく説明するが、第2の発明は下記実施例により何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
【0107】
<実験6>
ホウ素及び窒素含有の第2の炭素材料により第1の炭素材料よりなる芯材の表面を被覆した第2の発明の炭素材料を用いた電極の特性について検討を行った。
【0108】
(実施例19)
[負極の作製]
芯材となる天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)よりなる第1の炭素材料を、酸化ホウ素(B2O3)とアセトニトリルを添加した溶融状態のピッチに浸漬させた後、分離し乾燥してピッチ被覆黒鉛を得た。なお、ピッチ中のホウ素の含有量は10重量%、窒素の含有量5重量%である。このピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気下にて、1100℃で2時間焼成してホウ素及び窒素を含有する第2の炭素材料で表面を被覆した炭素材料を負極活物質として得た。また、ホウ素及び窒素を含有する第2の炭素材料の被覆量は、全炭素材料(第1の炭素材料及び第2の炭素材料との合計)に対して10重量%である。
【0109】
次いで、負極活物質としての上記炭素材料と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、重量比90:10の比率で混合して負極合剤を得た。
【0110】
次いで、この負極合剤にN−メチル−2−ピロリドンを加えスラリー状にし、銅箔に塗布した後、圧延して幅42mmに切り出して負極を作製した。
【0111】
[正極の作製]
コバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末と、導電剤としての炭素粉末と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、重量比90:5:5の比率で混合して正極合剤を得た。
【0112】
次いで、この正極合剤にN−メチル−2−ピロリドンを加えスラリー状にし、アルミ箔に塗布乾燥した後、圧延して幅40mmに切り出して正極を作製した。
【0113】
[電解液の調製]
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との等体積混合溶媒に、溶質としての六フッ化リン酸リチウムを1モル/リットルの割合で溶かして電解液を調製した。
【0114】
[非水電解質二次電池の作製]
以上の正極、負極及び、電解液の他、ポリプロピレン製の微多孔性薄膜からなるセパレータなどを用いて小型円筒形の第2の発明に係わる非水電解質二次電池AA1を作製した。尚、電池寸法は、直径14.2mm、高さ50.0mmである。
【0115】
尚、電池の形状は、上述の第1の実施の形態と同様に図1に示す構造である。
【0116】
(比較例4)
負極活物質として天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を用いた以外は実施例19と同様にして、比較例4の非水電解質二次電池X1を作製した。
【0117】
(比較例5)
芯材となる天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を、溶融状態のピッチに浸漬させた後、分離し乾燥してピッチ被覆黒鉛を得た。このピッチ被覆黒鉛を不活性雰囲気下にて、1100℃で2時間焼成してホウ素及び窒素を含有しない炭素で表面を被覆した炭素材料を得た。
【0118】
この炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例19と同様にして、第2の発明に係わる非水電解質二次電池Y1を作製した。
【0119】
尚、この比較例5における炭素材料は、特開平10−36108号公報に示されている炭素材料と同様に黒鉛を低結晶性炭素で覆ったものである。
【0120】
(比較例6)
芯材となる天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を、酸化ホウ素(B2O3)を添加した溶融状態のピッチに浸漬させた後、分離し乾燥してピッチ被覆黒鉛を得た。尚、ピッチ中のホウ素含有量は10重量%である。このピッチ被覆黒鉛を不活性雰囲気下にて、1100℃で2時間焼成してホウ素を含有した炭素で表面を被覆した炭素材料を得た。
【0121】
この炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例19と同様にして、第2の発明に係わる非水電解質二次電池Y2を作製した。
【0122】
尚、この非水電解質二次電池Y2は、実施例1の非水電解質二次電池A1と同じである。
【0123】
(比較例7)
芯材となる天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を、アセトニトリルを添加した溶融状態のピッチに浸漬させた後、分離し乾燥してピッチ被覆黒鉛を得た。尚、ピッチ中の窒素含有量は5重量%である。このピッチ被覆黒鉛を不活性雰囲気下にて、1100℃で2時間焼成して窒素を含有した炭素で表面を被覆した炭素材料を得た。
【0124】
この炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例19と同様にして、第2の発明に係わる非水電解質二次電池Y3を作製した。
【0125】
(比較例8)
ピッチに酸化ホウ素(B2O3)を添加し、不活性雰囲気下にて、1100℃で2時間焼成してホウ素含有炭素材料を得た。このホウ素含有炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例19と同様にして、非水電解質二次電池Z1を作製した。
【0126】
(比較例9)
ピッチにアセトニトリルを添加し、不活性雰囲気下にて、1100℃で2時間焼成して窒素含有炭素材料を得た。この窒素含有炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例19と同様にして、非水電解質二次電池Z2を作製した。
【0127】
上記実施例19及び比較例4から8の非水電解質二次電池について、75mAの定電流で電池電圧4.2Vまで充電した後、2.7Vに至るまで放電し、放置前の放電容量を測定した。次に、75mAの定電流で電池電圧4.2Vまで充電して、25℃の恒温槽で30日間放置した後、75mAの定電流で電池電圧2.7Vまで放電して放置後の放電容量を測定し、上述の数1の式に基づいて自己放電率を算出した。その結果を下記の表6に示す。
【0128】
【表6】
Figure 0004130048
【0129】
表6より判るように、ホウ素及び窒素含有の第2の炭素材料で芯材の表面を被覆した炭素材料を負極に用いた第2の発明に係わる実施例19の非水電解質二次電池AA1は、自己放電率が9.8%と低く、比較例の非水電解質二次電池と比べて優れた保存特性を有する。
【0130】
<実験7>
次に、芯材となる第1の炭素材料について検討を行った。
【0131】
(実施例20)
芯材となる第1の炭素材料として、人造黒鉛(d002=3.360Å、Lc=600Å)を用いた以外は実施例19と同様にして、第2の発明に係わる非水電解質二次電池AB1を作製した。
【0132】
(実施例21)
芯材となる第1の炭素材料として、人造黒鉛(d002=3.378Å、Lc=300Å)を用いた以外は実施例19と同様にして、第2の発明に係わる非水電解質二次電池AB2を作製した。
【0133】
(実施例22)
芯材となる第1の炭素材料として、人造黒鉛(d002=3.388Å、Lc=200Å)を用いた以外は実施例1と同様にして、第2の発明に係わる非水電解質二次電池AB3を作製した。
【0134】
上記実施例20〜22及び実施例19の非水電解質二次電池について、保存特性を検討した結果を下記の表7に示す。尚、実験条件は上述の実験6と同じである。また、表7中の放電容量は放置前の放電容量である
【0135】
【表7】
Figure 0004130048
【0136】
表7より判るように、芯材となる第1の炭素材料は、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.35Å以上、3.38Å以下の範囲であり、かつc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が300Å以上であるものが、放電容量が大きく優れており、好ましくはd002が3.35Å以上、3.36Å以下の範囲であり、かつLcが1000Å以上であるものが、放電容量がより大きくなる。
【0137】
<実験8>
次に、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料について検討を行った。
【0138】
(実施例23)
天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を、酸化ホウ素(B2O3)及びアセトニトリルを添加した溶融状態のピッチに浸漬させた後、分離し乾燥してピッチ被覆黒鉛を得た。尚、ピッチ中のホウ素の含有量は10重量%、窒素の含有量は5重量%である。ここで得られたピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気下にて、2400℃で2時間焼成してホウ素及び窒素含有の炭素(第2の炭素材料)で表面を被覆した炭素材料を得た。尚、ホウ素及び窒素を含有する第2の炭素材料の被覆量は、全炭素材料(第1の炭素材料と第2の炭素材料との合計)に対して10重量%である。ここで得られた炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例19と同様にして、第2の発明に係わる非水電解質二次電池AC1を作製した。
【0139】
(実施例24)
天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を、酸化ホウ素(B2O3)及びアセトニトリルを添加した溶融状態のピッチに浸漬させた後、分離し乾燥してピッチ被覆黒鉛を得た。尚、ピッチ中のホウ素の含有量は10重量%、窒素の含有量は5重量%である。ここで得られたピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気下にて、2800℃で2時間焼成してホウ素及び窒素含有の炭素(第2の炭素材料)で表面を被覆した炭素材料を得た。尚、ホウ素及び窒素を含有する第2の炭素材料の被覆量は、全炭素材料(第1の炭素材料と第2の炭素材料との合計)に対して10重量%である。ここで得られた炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例19と同様にして、第2の発明に係わる非水電解質二次電池AC2を作製した。
【0140】
(実施例25)
天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を、酸化ホウ素(B2O3)及びアセトニトリルを添加した溶融状態のフルフリルアルコール樹脂に浸漬させた後、分離し乾燥してフルフリルアルコール樹脂被覆黒鉛を得た。尚、フルフリルアルコール樹脂中のホウ素の含有量は10重量%、窒素の含有量は5重量%である。ここで得られたフルフリルアルコール樹脂被覆黒鉛を不活性ガス雰囲気下にて、1100℃で2時間焼成してホウ素及び窒素含有の炭素(第2の炭素材料)で表面を被覆した炭素材料を得た。尚、ホウ素及び窒素を含有する第2の炭素材料の被覆量は、全炭素材料(第1の炭素材料と第2の炭素材料との合計)に対して10重量%である。ここで得られた炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例19と同様にして、第2の発明に係わる非水電解質二次電池AC3を作製した。
【0141】
(実施例26)
天然黒鉛粉末(d002=3.356Å、Lc>1000Å)を、酸化ホウ素(B2O3)及びアセトニトリルを添加した溶融状態のフルフリルアルコール樹脂に浸漬させた後、分離し乾燥してフルフリルアルコール樹脂被覆黒鉛を得た。尚、フルフリルアルコール樹脂中のホウ素の含有量は10重量%、窒素の含有量は5重量%である。ここで得られたフルフリルアルコール樹脂被覆黒鉛を不活性ガス雰囲気下にて、700℃で2時間焼成してホウ素及び窒素含有の炭素(第2の炭素材料)で表面を被覆した炭素材料を得た。尚、ホウ素及び窒素を含有する第2の炭素材料の被覆量は、全炭素材料(第1の炭素材料と第2の炭素材料との合計)に対して10重量%である。ここで得られた炭素材料を負極活物質に用いた以外は実施例19と同様にして、第2の発明に係わる非水電解質二次電池AC4を作製した。
【0142】
上記実施例23〜26及び実施例19の非水電解質二次電池について、芯材の表面を被覆した第2の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)を測定し、更に保存特性を検討した結果を下記の表8に示す。尚、実験条件は上述の実験6と同じである。
【0143】
【表8】
Figure 0004130048
【0144】
表8から判るように、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37Å以上、3.90Å以下の範囲である電池AA1、AC1、AC3は自己放電率が10%前後と小さく、保存特性の点で優れている。
【0145】
<実験9>
次に、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料におけるホウ素の含有量について検討を行った。
【0146】
(実施例27〜31)
ホウ素含有量が0.5重量%(実施例27)、1重量%(実施例28)、5重量%(実施例29)、15重量%(実施例30)、20重量%(実施例31)のピッチを用いた以外は実施例19と同様にして、第2の発明に係わる非水電解質二次電池BA1〜BA5を作製した。
【0147】
上記実施例27〜31及び実施例19の電池について、保存特性を検討した結果を下記の表9に示す。尚、実験条件は上述の実験6と同じである。
【0148】
【表9】
Figure 0004130048
【0149】
上記表9から判るように、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料中のホウ素含有量は、1重量%以上、15重量%以下の範囲で自己放電率が小さく保存特性の点で優れ、好ましくは、5重量%以上、10重量%以下の範囲で更に自己放電率が小さく、保存特性がより優れている。
【0150】
<実験10>
次に、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料における窒素の含有量について検討を行った。
【0151】
(実施例32〜36)
窒素含有量が0.5重量%(実施例32)、1重量%(実施例33)、3重量%(実施例34)、10重量%(実施例35)、15重量%(実施例36)のピッチを用いた以外は実施例19と同様にして、第2の発明に係わる非水電解質二次電池BB1〜BB5を作製した。
【0152】
上記実施例32〜36及び実施例19の電池について、保存特性を検討した結果を下記の表10に示す。尚、実験条件は上述の実験6と同じである。
【0153】
【表10】
Figure 0004130048
【0154】
上記表10から判るように、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料中の窒素含有量は、1重量%以上、10重量%以下の範囲で自己放電率が小さく保存特性の点で優れ、好ましくは、3重量%以上、5重量%以下の範囲で更に自己放電率が小さく、保存特性がより優れている。
【0155】
<実験11>
次に、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料の被覆量について検討を行った。
(実施例37〜42)
芯材の表面を被覆するホウ素及び窒素含有の第2の炭素材料の量が、全炭素材料に対して0.5重量%(実施例37)、1重量%(実施例38)、5重量%(実施例39)、15重量%(実施例40)、20重量%(実施例41)、25重量%(実施例42)である以外は実施例19と同様にして、第2の発明に係わる非水電解質二次電池CA1〜CA6を作製した。
【0156】
上記実施例14〜18及び実施例1の電池について、保存特性を検討した結果を下記の表11に示す。尚、実験条件は上述の実験6と同じである。
【0157】
【表11】
Figure 0004130048
【0158】
上記表11から判るように、芯材の表面を被覆する第2の炭素材料の被覆量は、全炭素材料に対して、1重量%以上、20重量%以下の範囲で自己放電率が小さく保存特性の点で優れ、好ましくは、5重量%以上、15重量%以下の範囲で更に自己放電率が小さく、保存特性がより優れている。
【0159】
また、実験9及び11の結果から示されるように、全炭素材料中におけるホウ素の含有量は、0.01重量%以上、3重量%以下の範囲が保存特性の点で優れ、好ましくは0.25重量%以上、1.5重量%以下の範囲が更に保存特性の点で優れている。
【0160】
また、実験10及び11の結果から示されるように、全炭素材料中における窒素の含有量は、0.01重量%以上、2重量%以下の範囲が保存特性の点で優れ、好ましくは0.15重量%以上、0.75重量%以下の範囲が更に保存特性の点で優れている。
【0161】
上述の実施例では第1、第2の発明を小型円筒形電池に適用する場合の具体例について説明したが、電池の形状などについては特に制限はなく、第2の発明は扁平形、角形など、種々の形状の様々な非水電解質二次電池に適用し得るものである。
【0162】
尚、上述の実施例では、第2の発明の第1の炭素材料は、ホウ素及び窒素を含有していないが、第1の炭素材料に多少のホウ素及び窒素の一方若しくは両方を含有してもよい。
【0163】
【発明の効果】
本発明によれば、非水電解質二次電池を放置した際における電池容量の低下が少なく、二次電池の保存特性を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で作製した非水電解質二次電池の断面図である。
【符合の説明】
1 正極
2 負極

Claims (25)

  1. 芯材となる第1の炭素材料と、該第1の炭素材料の表面を覆う第2の炭素材料とを有し、前記第1の炭素材料がホウ素を含有せず、前記第2の炭素材料がホウ素を含有する炭素材料を負極活物質として用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記第1の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d 002 )が3.35Å以上、3.38Å以下であり、かつc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が300Å以上であることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記第1の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d 002 )が3.35Å以上、3.36Å以下であり、かつc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が1000Å以上であることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記第2の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d 002 )が3.37Å以上、3.90Å以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記第2の炭素材料におけるホウ素の含有量が1重量%以上、15重量%以下であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記第2の炭素材料におけるホウ素の含有量が5重量%以上、10重量%以下であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料の量が1重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料の量が5重量%以上、10重量%以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の非水電解質二次電池。
  9. 前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料中のホウ素の含有量が0.01重量%以上、3重量%以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、 7 又は8記載の非水電解質二次電池。
  10. 前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料中のホウ素の含有量が0.25重量%以上、1重量%以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、 7 又は8記載の非水電解質二次電池。
  11. 芯材となる第1の炭素材料と、該第1の炭素材料の表面を覆う第2の炭素材料とを有し、前記第1の炭素材料がホウ素及び窒素を含有せず、前記第2の炭素材料がホウ素及び窒素を含有する炭素材料を負極活物質として用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。
  12. 前記第1の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d 002 )が3.35Å以上、3.38Å以下であり、かつc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が300Å以上であることを特徴とする請求項11記載の非水電解質二次電池。
  13. 前記第1の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d 002 )が3.35Å以上、3.36Å以下であり、かつc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が1000Å以上であることを特徴とする請求項11記載の非水電解質二次電池。
  14. 前記第2の炭素材料のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d 002 )が3.37Å以上、3.90Å以下であることを特徴とする請求項11、12又は13記載の非水電解質二次電池。
  15. 前記第2の炭素材料におけるホウ素の含有量が1重量%以上、15重量%以下であることを特徴とする請求項11、12、13又は14記載の非水電解質二次電池。
  16. 前記第2の炭素材料におけるホウ素の含有量が5重量%以上、10重量%以下であることを特徴とする請求項11、12、13又は14記載の非水電解質二次電池。
  17. 前記第2の炭素材料における窒素の含有量が1重量%以上、 10 重量%以下であることを特徴とする請求項11、12,13,14,15又は16記載の非水電解質二次電池。
  18. 前記第2の炭素材料における窒素の含有量が3重量%以上、5重量%以下であることを特徴とする請求項11、12,13,14,15又は16記載の非水電解質二次電池。
  19. 前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料の量が1重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする請求項11、12、13、14、15,16,17又は18記載の非水電解質二次電池。
  20. 前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料の量が5重量%以上、15重量%以下であることを特徴とする請求項11、12、13、14、15,16,17又は18記載の非水電解質二次電池。
  21. 前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料中のホウ素の含有量が0.01重量%以上、3重量%以下であることを特徴とする請求項11、12、13、14、15、16、1 7 、18、19又は20記載の非水電解質二次電池。
  22. 前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料中のホウ素の含有量が0.25重量%以上、1.5重量%以下であることを特徴とする請求項11、12、13、14、15、16、1 7 、18、19又は20記載の非水電解質二次電池。
  23. 前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料中の窒素の含有量が0.01重量%以上、2重量%以下であることを特徴とする請求項11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22記載の非水電解質二次電池。
  24. 前記第1の炭素材料と前記第2の炭素材料との和に対する前記第2の炭素材料中の窒素の含有量が0.15重量%以上、0.75重量%以下であることを特徴とする請求項11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22記載の非水電解質二次電池。
  25. リチウム含有複合酸化物を主材とする正極を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24記載の非水電解質二次電池。
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