JP4139636B2 - 軽量モーターサイクル用車輪 - Google Patents
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Description
【発明の背景】
本発明は、モーターサイクル(場合によっては、オートバイと呼ばれる)の車輪に関し、特に、軽量のモーターサイクル用車輪に関する。
【0002】
モーターサイクルの車輪は、モーターサイクルの作動中、種々の力を受ける。車輪は、モーターサイクルの重量及び隆起部及び穴ぼこ上を走行することにより生じる力を含む通常の走行時力を受ける。車輪は又、モーターサイクルのブレーキを効かせてモーターサイクルを停止させるときに車輪に生じる制動力も受ける。
【0003】
車輪がかかる応力を受けて破損すると、モーターサイクルは使用不能状態になる場合がある。したがって、車輪はモーターサイクルの作動中に受ける応力を吸収するほど頑丈に作られることが重要である。車輪の破損を防止する技術的努力として、従来型車輪は比較的重量があるように構成されている。重量のある車輪の利点は、応力に対する耐性が良好であるという可能性があるということにある。かかる重量のある構造の欠点は、重量が増すということであり、その結果、モーターサイクルの操縦性が低下すると共に燃費が悪くなる。
【0004】
ディスクブレーキをモーターサイクルに搭載して用いることは知られている。ディスクブレーキ組立体は、車輪に取り付けられたディスク又はロータと、ロータに隣接して配置されていて、ロータをクランプして関連の車輪の回転を減速させることができるキャリパとを有している。公知のモーターサイクル用ディスクブレーキ組立体は2つのカテゴリーに大別される。第1のカテゴリーは、車輪のハブのところに設けられたロータ及びロータの半径方向外縁部をクランプするキャリパを含む。これは、既存の車及びモーターサイクルに用いられている最も一般的な形式のディスクブレーキ組立体である。作動にあたり、キャリパ及びロータの制動力は、ハブからスポークを介して車輪のリム、そしてタイヤに伝えられる。その目的は、モーターサイクルを停止させることにある。制動力は従来、車輪のスポークを介して伝達されており、したがって、スポークは高い応力に耐えるよう設計されており、その結果、中実のスポーク及び重量のある車輪が用いられるのが通例である。
【0005】
第2のカテゴリー、即ち、いわゆる「インサイドアウト(inside-out)」型組立体は、ロータの半径方向外縁部に沿って車輪に取り付けられたリング状のロータと、ロータの半径方向内縁部をクランプするキャリパとを有する。作動中、制動力はもはやスポークを介して伝達されず、ロータから直接リムに伝達される。したがって、制動応力はスポークから無くなり、スポークは、モーターサイクルと関連した通常の走行時力に耐えるだけで済む一層軽量の設計のものにすることができる。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、リム、ハブ及びスポークを有するモーターサイクルを提供する。リムは、モーターサイクルのタイヤを受け入れるようになっており、ハブは、モーターサイクルを受け入れてこれを支持するようになっている。スポークは、リムとハブとの間に延びている。スポークは、互いに離隔した、即ち、或る距離だけ離れた第1の壁と第2の壁を有している。第1の壁と第2の壁は、ハブとリムとの間では実質的に全体が互いに連結されていない。スポークは全て、中心が中心面と一致したハブに連結されると共に中心面の片側でリムに連結されている。
【0007】
本発明は又、リム、ハブ及びスポークを有するモーターサイクル用車輪を提供する。リムは、モーターサイクルのタイヤを受け入れるようになっており、ハブは、モーターサイクルのアクスルを受け入れてこれを支持するようになっている。ハブは、回転軸線を定める。車輪の中心面は、回転軸線に垂直であり、ハブ及びリムを実質的に二等分している。スポークは、リムをハブに連結している。ハブに連結されたスポークの端部は実質的に中心が中心面と一致し、リムに連結された端部は全体が中心面の一方の側に位置している。
【0008】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び図面を参照すると当業者には明らかになろう。
【0009】
本発明の一実施形態を詳細に説明する前に、本発明の用途は、以下の説明に記載し又は図面に示す構成部品の構成及び配置の細部に限定されないことは理解されるべきである。本発明は、他の実施形態で実施でき且つ種々の方法で実施できる。また、本明細書で用いる言い回し及び用語は、説明のためであって本発明を限定するものと解釈されてはならない。「〜を含む」及び「〜を有する」並びに本明細書において用いられるこれらの変形表現は、使用上、「〜」にあたる構成要件及びその均等範囲並びに追加の構成要件を含むものである。「〜から成る」及び本明細書で用いるこの変形表現は、使用上、「〜」にあたる構成要件だけを含むものである。方法又は工程の構成要件を識別する文字の使用は、単に識別のためであり、構成要件を特定の順序で実施しなければならないということを示すものではない。
【0010】
【実施形態の詳細な説明】
図1は、フレーム12、シート14、エンジン16及びトランスミッション18を有するモーターサイクル10を示しており、シート、エンジン及びトランスミッションは全て、フレーム12によって支持されている。後輪20が、スイングアーム22によってフレーム12に連結され、前輪24がフロントフォーク27及びハンドルバー28を含むステアリング組立体26によりフレーム12に連結されている。モーターサイクル制御システムが、ハンドルバー28に取り付けられており、かかる制御システムは、スロットルグリップ32及びブレーキレバー34を含む。
【0011】
図2は、モーターサイクル10の前輪24の拡大側面図である。前輪24は、リム36、リム36に取り付けられたタイヤ38、ハブ40及びハブ40からリム36へ半径方向に延びる複数本のスポーク42を有している。前輪24は、回転軸線44の回りに回転できるようステアリング組立体26に取り付けられている。
【0012】
インサイドアウト型ディスクブレーキ組立体46が、モーターサイクル10に取り付けられていて、このインサイドアウト型ディスクブレーキ組立体46は、前輪24に取り付けられたブレーキロータ48と、フロントフォーク27に取り付けられたキャリパ50とを有している。これと類似したディスクブレーキ組立体46を後輪20に設けてもよく、或いはハブ取付け式ロータを後輪20に用いてもよい。ロータ48は全体としてリングの形をしており、このロータは、中心軸線、外縁部52及び内縁部54を有している。ロータ48は、中心軸線が前輪24の回転軸線44と同一直線上に位置するように前輪24に取り付けられている。ロータ48は、以下に詳細に説明するようにリム36に取り付けられているが、変形例として、これを同様なやり方で複数本のスポーク42に取り付けてもよい。
【0013】
キャリパ50は、ロータ48の内縁部54の近くに配置されている。ブレーキケーブル55が、キャリパ50とブレーキレバー34のうちの1つを相互に連結していて、キャリパ50がブレーキレバーの作動に応動してロータ48を選択的にクランプするようになっている。キャリパ50がいったんロータ48をクランプすると、ロータ48及びその結果として前輪24は、キャリパ50とロータ48との摩擦係合により減速する。
【0014】
次に図3及び図4を参照すると、ロータ48は、その外縁部52に沿って複数のスロット56を有している。図示のスロット56は、端が開口したものであるが、変形例として端を閉じたスロットであってもよい。各スロット56は、互いに平行ではない1対の平らな縁部58を有している。平らな縁部58は好ましくは、半径方向に延びて車輪24の回転軸線44上のハブ40に向かって収斂する線を定めている。
【0015】
図5及び図6を参照すると、ねじ山付きボア60及び滑らかな盲ボア62が、リム36から、或いは変形例として車輪24のスポーク42から遠ざかって延びるボス63内に設けられている。ロータ48は、座金64、スペーサ66及び締結具68によって車輪24に取り付けられている。スペーサ66は、互いに非平行関係にあり、ロータ48のスロット56にぴったりと嵌まり込むように形作られた平らな側部70を有していて、実質的にスペーサ66の全長に沿ってスペーサ66とスロット56の平らな側部70,58が互いに接触するようになっている。変形実施形態では、座金64及びスペーサ66をボス63及び車輪24と一体に形成してもよい。座金64及びスペーサ66は、締結具68がスペーサ66及び座金64を貫通して車輪24のねじ山付きボア60に螺入することができるようにする貫通ボアを有している。締結具68は、スロット56及びスペーサ66の幅よりも大きな直径の頭部72を有していて、頭部72がスペーサ66の側部を越えて延びるようになっている。
【0016】
付勢部材、例えば、図示のコイルばね74が、ボス63の盲ボア62内に挿入されていて、ボス63とロータ48との間で圧縮されている。ばね74はかくして、ロータ48を車輪24から押し離して締結具68の頭部72に押し付ける。ばね74は、ロータ48に或る程度の遊びを与えるが、ロータ48が締結具頭部72と車輪24との間で跳ね返ることにより生じる騒音を減少させるロータ48の弾性サスペンションシステムとなっている。図示の実施形態では、ばね74は締結具68の長手方向軸線から間隔を置いた状態でこれに全体として平行な力線78に沿って作用する。この点に関し、ばね74は、締結具68からずれている。
【0017】
作用を説明すると、スロット56及びスペーサ66の互いに非平行関係にある半径方向に差し向けられた平らな側部58,70は、ロータ48が低温状態にあるときには互いに接触している。ブレーキレバー34を作動させると、キャリパ50はロータ48を締め付ける。キャリパ50とロータ48との間に働く摩擦により、ロータ48は昇温する。ロータ48は熱負荷下において半径方向に熱膨張する。本明細書で用いる「半径方向」という用語は、車輪24の回転軸線44に対して垂直な方向を意味している。スロット56及びスペーサ66の平らな側部58,70は半径方向に差し向けられているので、平らな側部58,70は、ロータ48が半径方向に熱膨張したときでも互いに実質的に完全な接触状態のままであり、実質的に熱膨張の影響を受けない。
【0018】
軽量のモーターサイクル用車輪24が図7〜図9に詳細に示されている。前輪24は、全部で6本のスポーク42を有し、これらスポークは、ハブ40とリム36との間で互いに連結されていない状態で互いに円周方向に等間隔を置いて配置されている。
【0019】
中心面76(図9)が、回転軸線44に垂直に差し向けられており、リム36及びハブ40を互いに等しい(鏡像関係にある)半部に二等分している。ハブ40は、回転軸線44から半径方向に間隔を置いた状態でこれに全体として平行に延びる6つの孔78を有している。孔78は、車輪24のスポーク42と円周方向に整列した状態で互いに円周方向に等間隔を置いて配置されている。
【0020】
本明細書で用いる「円周方向に整列」という表現は、各種要素が回転軸線44に対して同一の角度位置に配置されている状態を意味している。例えば、孔78は、孔78を回転軸線に対してスポーク42と同一の角度位置でぐるりと配置した場合、スポーク42と円周方向に整列するということになる。
【0021】
スポーク42は各々、互いに離隔した又は或る距離だけ離された第1の壁80と第2の壁82を有している。第1の壁80は第2の壁82に平行であり、壁80,82は、ハブ40とリム36との間ではこれらの長さに沿って実質的に連結されておらず、これらの間には開放したスロット83が形成されている。壁80,82はこれらの内端部がハブ40によって接合されている。壁80,82は、リム36に隣接したこれらの外端部がガセット84によって接合されている。ガセット84は、リム36から間隔を置いて配置され、ボス63の半径方向内面から延びている。ガセット84、リム36、壁80,82及びボス63は、ねじ山付きボアと反対側の方向に開口したキャビティ86を構成している。スポークの壁80,82は、平面を定め、ボス63は、関連の壁80,82の平面相互間に位置している。
【0022】
スポーク42の第1の壁80と第2の壁82は、互いに実質的に同一である。ハブ40に連結された壁80,82の内端部は、中心が中心面76に一致している。しかしながら、壁80,82は、リム36に連結されている外端部が全て中心面76の片側に位置するように湾曲している。ロータ48は、中心面76の反対側でリム36に取り付けられていて、中心面76が壁80,82の外端部とロータ48との間に位置するようになっている。
【0023】
車輪24はアルミニウムの一体注型品である。したがって、リム36、ハブ40、スポーク42、ガセット84及びボス63は全て、単一の注型品として一体に形成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化したモーターサイクルの側面図である。
【図2】図1のモーターサイクルの前輪の拡大側面図である。
【図3】図1のモーターサイクルのフロントブレーキロータに設けられたスロットの拡大側面図である。
【図4】フロントブレーキロータ及び車輪の一部の拡大側面図である。
【図5】図4の5−5線矢視断面図である。
【図6】図1のモーターサイクルのフロントブレーキ組立体の一部の拡大分解図である。
【図7】図1のモーターサイクルの前輪の斜視図である。
【図8】図7に示す前輪の側面図である。
【図9】図8の9−9線矢視断面図である。
【符号の説明】
10 モーターサイクル
12
24 車輪
36 リム
40 ハブ
42 スポーク
44 回転軸線
48 ロータ
50 キャリパ
76 中心面
78 孔
80,82 スポークの壁
Claims (10)
- モーターサイクル用車輪であって、
モーターサイクルのタイヤを受け入れるようになったリムと、
モーターサイクルのアクスルを受け入れてこれを支持するようになったハブと、
前記リムと前記ハブとの間に延びる少なくとも1本のスポークとを有し、
少なくとも1本のスポークは、互いに離隔した第1の壁と第2の壁を有し、第1の壁と第2の壁は間隔をおいて分離されており、前記リムに隣接したロータ取付ボスによって互いに連結され、かつ前記ロータ取付ボスと前記ハブとの間は互いに全く連結されていないことを特徴とするモーターサイクル用車輪。 - 第1の壁は、実質的に第2の壁と平行であることを特徴とする請求項1記載のモーターサイクル用車輪。
- 第1の壁は、第2の壁と実質的に同一の形状をしていることを特徴とする請求項1記載のモーターサイクル用車輪。
- ハブはアクスルを中心として回転軸線の回りに回転するようになっており、ハブは、回転軸線から半径方向に間隔を置いた状態でこれに対して全体として平行に延びる少なくとも1つの孔を有していることを特徴とする請求項1記載のモーターサイクル用車輪。
- 第1及び第2の壁は、それぞれ第1及び第2の平面を定め、孔は、第1の平面と第2の平面との間に位置していることを特徴とする請求項4記載のモーターサイクル用車輪。
- リム、ハブ及び少なくとも1本のスポークは、互いに一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載のモーターサイクル用車輪。
- モーターサイクル用車輪であって、
モーターサイクルのタイヤを受け入れるようになったリムと、
モーターサイクルのアクスルを受け入れてこれを支持するようになっていて、アクスルを中心として回転軸線の回りに回転するようになったハブと、
回転軸線に垂直であり、ハブ及びリムを二等分する中心面と、
リングをハブに連結する複数本のスポークであって、ハブに連結されたスポークの端部は、中心が中心面に一致しており、リムに連結された端部は、完全に中心面の一方の側に位置している、前記スポークと、
前記リムに隣接した複数のボスと、及び
前記中心面の他方の側の位置で前記ボスに取付けられたブレーキロータと
を有していることを特徴とするモーターサイクル用車輪。 - 複数のボスは各々、複数本のスポークのそれぞれと円周方向に整列していることを特徴とする請求項7記載のモーターサイクル用車輪。
- リム、ハブ及び複数本のスポークは、互いに一体に形成されていることを特徴とする請求項7記載のモーターサイクル用車輪。
- モーターサイクル用車輪であって、
モーターサイクルのタイヤを受け入れるようになったリムと、
モーターサイクルのアクスルを受け入れてこれを支持すると共にアクスルを中心として回転軸線の回りに回転するようになっていて、回転軸線から半径方向に間隔を置いた状態でこれに対して全体として平行に延びる少なくとも1つの孔を備えたハブと、
回転軸線に垂直であってハブ及びリムを実質的に二等分する中心面と、
リムに連結された外端部及びハブに連結された内端部を備えるスポークであって、該スポークは、互いに離隔した第1の壁と第2の壁を有し、前記スポークは、前記リムから間隔を置いて設けられていて第1の壁と第2の壁を互いに接合するガセットを有し、第1の壁と第2の壁は、前記ハブとガセットとの間では相互に全く連結されていない、前記スポークと、
リムに隣接して設けられていて、スポークの第1の壁と第2の壁との間で円周方向に整列したボスであって、ボス、ガセット、壁及びリムは、キャビティを構成し、
前記ボスに取り付けられたブレーキロータであって、中心面は、ロータとスポークの外端部との間に位置し、リム、ハブ、壁、ガセット及びボスは、互いに一体に形成されている、前記ブレーキロータと
を有することを特徴とするモーターサイクル用車輪。
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