JP4149041B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は空気入りタイヤに関するものであり、特に、周方向に間隔を置いてトレッドの両側部に配置され、タイヤ回転軸方向に平行または若干傾斜した方向に延びる、多数のショルダー横溝と、該ショルダー横溝によって、周方向に間隔を置いてトレッドの両側部に形成された、多数のショルダー・ブロックとを備える、主として乗用車または軽トラックなどに使用される空気入りタイヤを提案するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車用などの空気入りタイヤには種々の性能が要求されるが、路面グリップ性能は重要な要求性能の一つである。タイヤの路面グリップ性能に対して大きな影響を及ぼすファクターとしては摩擦係数が挙げられる。
従来、この摩擦係数を大きくするために、周方向に平行に、またはほぼ平行に延びる周方向サイプを採用することが有効であることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、周方向に平行に、またはほぼ平行に延びる周方向サイプを備えた空気入りタイヤは、サイド・フォースなどの横方向の力に対する剛性が低くなり、タイヤの操縦安定性能が低下するという不具合が生じる。
また、周方向サイプを備えた空気入りタイヤは、偏摩耗、すなわち、そのサイプを挟んで段差摩耗が発生し易いという不具合もあった。
【0004】
本発明の目的は、上記のような従来技術の不具合を解消して、周方向に間隔を置いてトレッドの両側部に配置され、タイヤ回転軸方向に平行または若干傾斜した方向に延びる、多数のショルダー横溝と、該ショルダー横溝によって、周方向に間隔を置いてトレッドの両側部に形成された、多数のショルダー・ブロックとを備えた空気入りタイヤにおいて、摩擦係数を大きくするため、周方向に平行に、またはほぼ平行に延びる周方向サイプを採用してなお、操縦安定性能や耐偏摩耗(段差摩耗)性能が低下することを抑制または防止した空気入りタイヤを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤは、周方向に間隔を置いてトレッドの両側部に配置され、タイヤ回転軸方向に平行または若干傾斜した方向に延びる、多数のショルダー横溝と、該ショルダー横溝によって、周方向に間隔を置いてトレッドの両側部に形成された、多数のショルダー・ブロックとを備えた空気入りタイヤにおいて、
(1)周方向に平行またはほぼ平行に延び、少なくとも一方の端部を該ショルダー横溝に開口する多数の周方向サイプが該ショルダー・ブロックに配設され、
(2)該周方向サイプは、タイヤ回転軸を含む断面内において、少なくとも部分的に湾曲状の形状を呈しており、
ことを特徴とするトレッド・パターンを備えた空気入りタイヤにある。
(3)該周方向サイプが、該ショルダー・ブロックの踏み込み側と蹴り出し側とに、対をなして配設されて、対をなすそれぞれのサイプの湾曲方向が相互に逆方向とされている
ことを特徴とするトレッド・パターンを備えた空気入りタイヤにある。
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤでは、該ショルダー横溝が2mm以上の溝幅を有することが好ましい。
【0007】
また、上記の目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤでは、該周方向サイプの長さは、該ショルダー・ブロックの周方向長さの10%以上100%未満であることが好ましい。
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤでは、(1)周方向に平行またはほぼ平行に延びる少なくとも3本の周方向溝を備え、該周方向溝によって、トレッドに左右一対の両側部と、左右一対の中央部の四つの領域が形成され、
(2)該中央部に、タイヤ回転軸方向に平行または若干傾斜した方向に延びる多数のセンター横溝と、該センター横溝によって周方向に間隔を置いてトレッドの中央部に形成された多数のセンター・ブロックと、該センター横溝に開口する多数の周方向サイプとを備え、
(3)該周方向サイプはタイヤ回転軸を含む断面内において少なくとも部分的に湾曲状の形状を呈している
ことが好ましい。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤでは、該周方向サイプがタイヤ回転軸を含む断面内において、タイヤ軸方向外側に向けて凸となるように湾曲していてもよいが、内側に向けて凸となるように湾曲していてもよい。
【0010】
前述のように、空気入りタイヤの摩擦係数を大きくするために、周方向に平行またはほぼ平行に延びる周方向サイプを備える空気入りタイヤは、サイド・フォースなどの横方向の力に対して弱くなり、タイヤの操縦安定性能が低下するという不具合が生じ、また、周方向サイプを備えた空気入りタイヤは、偏摩耗、すなわちサイプを挟んで段差摩耗が発生し易いという不具合があった。
これは、従来の周方向サイプの断面が平板状であり、周方向サイプを設けることにより、サイド・フォースなどの横方向の力が加わったときにブロックの倒れ込みが発生しやすくなって、タイヤの操縦安定性能が低下すること、および、ブロックの倒れ込みが発生するとタイヤ軸方向内側のブロックの隅部の接地圧が高くなって、偏摩耗(段差摩耗)が発生し易くなるからである。
【0011】
本発明の空気入りタイヤは上記のような構成であり、特に、
(1)周方向に平行またはほぼ平行に延び、少なくとも一方の端部を該ショルダー横溝に開口する多数の周方向サイプが該ショルダー・ブロックに配置され、(2)該周方向サイプは、タイヤ回転軸を含む断面内において、少なくとも部分的に湾曲状の形状を呈しており、
(3)該周方向サイプが、該ショルダー・ブロックの踏み込み側と蹴り出し側とに、対をなして配設されて、対をなすそれぞれのサイプの湾曲方向が相互に送方向とされているので、
上記のようなブロックの倒れ込みが防止または抑制され、したがって、ブロックの隅部の接地圧が高くなるという現象が発生しない。
その結果、タイヤの操縦安定性能が低下すること、および、偏摩耗(段差摩耗)が発生し易くなるという従来技術の不具合を解消することができるわけである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に基づく実施例のタイヤ、比較例のタイヤおよび従来例のタイヤについて説明する。
タイヤ・サイズは、いずれも、185/70 R14である。
【0013】
図1は、本発明に基づく実施例のタイヤのトレッド・パターンの一部を示す図面である。
図1に示す本発明に基づく実施例のタイヤは、周方向に平行に延びる1本の中央周方向リブ1と周方向に平行に延びる4本の周方向溝2、3を備え、この周方向溝2、3によって、トレッドに左右一対の両側部Sと左右一対の中央部Cの四つの領域が形成されている。
【0014】
実施例のタイヤは、タイヤ周方向に間隔を置いてトレッドの両側部Sに配置され、タイヤ回転軸方向に若干傾斜した方向に延びる多数のショルダー横溝4と、ショルダー横溝4によって、周方向に間隔を置いてトレッドの両側部Sに形成された、多数のショルダー・ブロック5とを備えている。ショルダー横溝4の溝幅は約2mmである。
【0015】
実施例のタイヤは、周方向に平行に、またはほぼ平行に延び、一方の端部をショルダー横溝4に開口する多数の周方向サイプ6がショルダー・ブロック5に配置され、この周方向サイプ6は、A−A断面図に示すようにタイヤ回転軸を含む断面において、湾曲状の形状を呈している。
周方向サイプ61と62が、ショルダー・ブロック5の踏み込み側と蹴り出し側とに、対をなして配置されており、図に示すところでは、対をなす周方向サイプ61、62は、ショルダー・ブロック5の踏み込み側と、蹴り出し側とで、相互に逆方向に湾曲されている。
周方向サイプ61、62の長さは、ショルダー・ブロック5の周方向長さの約25%である。
【0016】
従来例のタイヤは、湾曲状の断面形状を有する上記のような周方向サイプ6を備えておらず、その代わりに、平板状の断面形状を有する周方向サイプが配置されていることを除いて、上記実施例のタイヤとほぼ同じタイヤである。
【0017】
本発明に基づく上記実施例のタイヤおよび上記従来例のタイヤについて、タイヤの操縦安定性能および耐偏摩耗性能の評価試験を実施した。
【0018】
タイヤの操縦安定性能の評価試験は、乾燥した路面での操縦安定性能の評価試験であって、乾燥した状態のサーキット・コースを各種走行モードによりスポーツ走行したときのテスト・ドライバーによるフィーリングで10点満点で評価したものである。上記の操縦安定性能の評価試験の結果では、上記従来例のタイヤが5.5で、上記実施例のタイヤが6.0であった。
【0019】
タイヤの耐偏摩耗性能の評価試験は、一般路を1万km走行した後に、サイプを挟んで発生した摩耗の段差を測定したものである。上記の耐偏摩耗性能の評価試験の結果では、上記従来例のタイヤの摩耗段差が0.8mmで、上記実施例のタイヤの摩耗段差が0.6mmであった。
【0020】
上記の評価試験の結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】
上記の結果から、本発明によって、操縦安定性能を低下させることなく耐偏摩耗性能に優れた空気入りタイヤが得られることことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタイヤのトレッド・パターンの一部拡大正面図およびA−A線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 周方向リブ
2 周方向溝
3 周方向溝
4 ショルダー横溝
5 ショルダー・ブロック
6 周方向サイプ
Claims (4)
- 周方向に間隔を置いてトレッドの両側部に配置され、タイヤ回転軸方向に平行または若干傾斜した方向に延びる、多数のショルダー横溝と、該ショルダー横溝によって、周方向に間隔を置いてトレッドの両側部に形成された、多数のショルダー・ブロックとを備えた空気入りタイヤにおいて、
(1)周方向に平行またはほぼ平行に延び、少なくとも一方の端部を該ショルダー横溝に開口する多数の周方向サイプが該ショルダー・ブロックに配設され、(2)該周方向サイプは、タイヤ回転軸を含む断面内において、少なくとも部分的に湾曲状の形状を呈しており、
(3)該周方向サイプが、該ショルダー・ブロックの踏み込み側と蹴り出し側とに、対をなして配設されて、対をなすそれぞれのサイプの湾曲方向が相互に送方向とされている
ことを特徴とするトレッド・パターンを備えた空気入りタイヤ。 - 該ショルダー横溝が2mm以上の溝幅を有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 該周方向サイプの長さが、該ショルダー・ブロックの周方向長さの10%以上100%未満である請求項1もしくは2に記載の空気入りタイヤ。
- 周方向に平行またはほぼ平行に延びる少なくとも3本の周方向溝を備え、該周方向溝によって、トレッドに左右一対の両側部と、左右一対の中央部の四つの領域が形成され、該中央部に、タイヤ回転軸方向に平行または若干傾斜した方向に延びる多数のセンター横溝と、該センター横溝によって周方向に間隔を置いてトレッドの中央部に形成された多数のセンター・ブロックと、該センター横溝に開口する多数の周方向サイプとを備え、該周方向サイプはタイヤ回転軸を含む断面内において少なくとも部分的に湾曲状の形状を呈していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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