JP4170761B2 - ディスクブレーキ - Google Patents
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Description
従来の技術
本発明は、請求項1の上位概念部に記載されたディスクブレーキに関する。
【0002】
今日通常使用されている汎用のディスクブレーキは、液圧作動式である。このようなディスクブレーキはブレーキキャリパを有しており、このブレーキキャリパ内には2つの摩擦ブレーキライニングが、その間に配置されたブレーキディスクの両側に設けられている。ブレーキキャリパ内には、液圧を供給可能なもしくは液圧式に負荷可能な摩擦ブレーキライニングピストンが、ブレーキディスクに対して横方向に移動可能に受容されており、そしてこの摩擦ブレーキライニングピストンによって一方の摩擦ブレーキライニングはブレーキディスクに圧着可能である。他方の摩擦ブレーキライニングもまた同様に、摩擦ブレーキライニングピストンによってブレーキディスクの他方の側に圧着可能である(固定キャリパ)。また、ブレーキキャリパを浮動キャリパとしてブレーキディスクに対して横方向移動可能に形成することも公知である。一方の摩擦ブレーキライニングをブレーキディスクの一方の側に圧着させることによって、ブレーキキャリパはブレーキディスクに対して横方向に移動させられ、そして他方の摩擦ブレーキライニングをブレーキディスクの他方の側に押し付ける。両方の摩擦ブレーキライニングを圧着させることによって、ブレーキディスクは制動される。
【0003】
また別の公知の電気機械作動式のディスクブレーキでは、摩擦ブレーキライニングが電動モータを用いて回転/並進・変換伝動装置を介して押付け可能である。このような電気機械作動式のディスクブレーキの1例は、国際公開第96/03301号パンフレットに開示されている。この公知のディスクブレーキは電動モータを有しており、この電動モータによって回転/並進・変換伝動装置であるスピンドル駆動装置を介して摩擦ブレーキライニングがブレーキディスクに押付け可能である。電動モータとスピンドル駆動装置とは公知のディスクブレーキの操作装置を形成しており、この操作装置は、浮動キャリパとして形成されたブレーキキャリパ内に収容されている。公知の電気機械作動式のディスクブレーキには一般的に次のような欠点がある。すなわちこのようなディスクブレーキは、液圧作動式のディスクブレーキに比べて、電動モータ及び回転/並進・変換伝動装置に基づいて大きな構造及び重量を有している。公知の電気機械作動式のディスクブレーキはそのサイズに基づいて、ディスクブレーキが通常は位置されている、車両ホイールのリム内部に設けることが困難である。また電気機械作動式のディスクブレーキの大きな重量は、車両の走行特性及びロードホールディングを損なってしまう。なぜならば、ディスクブレーキは、いわゆるスプリング荷重のかからない質量に属するものであり、このような質量は良好な走行特性及び良好なロードホールディングのために小さく抑えることが望まれているからである。電気機械作動式のディスクブレーキのさらなる欠点としては、電動モータの電力消費及びそれに関連した、ブレーキを備えた車両の搭載電源網の高い負荷が挙げられる。
【0004】
公知の液圧作動式のディスクブレーキ及び電気機械作動式のディスクブレーキに共通の欠点としては、このようなディスクブレーキがブレーキ力助成装置を有していないということが挙げられ、ブレーキ力助成装置としては例えば、ドラムブレーキのいわゆるプライマリシュー(auflaufende Bremsbacke)が公知である。ドラムブレーキのプライマリシューは、ブレーキドラムへの圧着時に回転するブレーキドラムから付加的にブレーキドラムに押し付けられ、これによってブレーキ力を高めるようになっている。
【0005】
発明の利点
請求項1の特徴部に記載のように構成された本発明によるディスクブレーキは、マルチプル・ブレーキシリンダを有していて、このマルチプル・ブレーキシリンダはブレーキディスクの側方に配置されていて、ブレーキディスクの割線方向(Sekantenrichtung)に可動である。ブレーキシリンダは例えばスライドガイド又はこれに類したものを用いて、ブレーキディスクの割線方向において移動可能に案内されていることができる。同様にまたブレーキシリンダを、ブレーキシリンダに対して半径方向内側又は外側に向かってずらされている仮想の回転軸線を中心にして回転可能に支承することも可能である。このような回転支承形式によってブレーキシリンダは、円弧軌道に沿って可動になり、この円弧軌道は、少なくとも単数又は複数のポイントにおいてブレーキディスクの割線方向に延びていて、割線方向に十分接近していると見なすことができる。ブレーキシリンダはつまり仮想の直線上を可動に案内される必要がない。
【0006】
マルチプル・ブレーキシリンダという概念が選択されているのは、本発明によるディスクブレーキのブレーキシリンダは少なくとも2つの移動可能に受容されたピストンを有しているからである。本発明によるディスクブレーキのマルチプル・ブレーキシリンダは、ブレーキディスクに対して垂直又はほぼ垂直な方向に移動可能である摩擦ブレーキライニングピストンを有している。液圧式の圧力負荷によって、摩擦ブレーキライニングピストンは、液圧作動式のディスクブレーキにおいて公知のように、ブレーキディスクの方向で移動させられ、そして摩擦ブレーキライニングピストンとブレーキディスクとの間に配置された摩擦ブレーキライニングを、ブレーキディスクに押し付け、これによって自体公知の形式でブレーキ力が生ぜしめられる。
【0007】
摩擦ブレーキライニングピストンの他に、本発明によるディスクブレーキのブレーキシリンダは、ブレーキ助成ピストンを有しており、このブレーキ助成ピストンは、ブレーキシリンダの運動方向において移動可能にブレーキシリンダ内に受容されている。ブレーキ助成ピストンは、例えばディスクブレーキのブレーキキャリパに設けられた位置固定の対応受けに支持されている。そして摩擦ブレーキライニングピストンとブレーキ助成ピストンとは、例えばブレーキシリンダ内に一定の容積をもって閉じ込められた液圧液によって、互いに接続もしくは作用結合している。
【0008】
本発明によるディスクブレーキを操作するためには、ディスクブレーキのブレーキシリンダがブレーキディスクのブレーキディスクの回転方向及びブレーキ助成ピストンの位置固定の対応受けの方向に移動させられる。対応受けに支持されたブレーキ助成ピストンは、対応受けによって、該対応受けに向かって移動させられるブレーキシリンダ内に移動させられる。ブレーキシリンダ内に移動させられたブレーキ助成ピストンは、液圧液を押し退け、これによって摩擦ブレーキライニングピストンをブレーキシリンダから押し出す。そして摩擦ブレーキライニングピストンはブレーキディスクのに向かって移動させられ、摩擦ブレーキライニングピストンとブレーキディスクとの間に配置された摩擦ブレーキライニングを、ブレーキディスクに押し付け、これによって摩擦ブレーキライニングはブレーキディスクを制動する。
【0009】
回転するブレーキディスクは摩擦力を割線方向において、ブレーキディスクに押し付けられる摩擦ブレーキライニングに加え、この摩擦ブレーキライニングは摩擦力を摩擦ブレーキライニングピストンを介してブレーキシリンダに伝達する。回転するブレーキディスクによって、ブレーキディスクに押し付けられた摩擦ブレーキライニングに加えられる摩擦力は、つまりブレーキシリンダを、位置固定の対応受けに向かって移動させ、これによって対応受けはブレーキ助成ピストンをより強くブレーキシリンダ内に押し込む。ブレーキ助成ピストンから摩擦ブレーキライニングピストンに加えられる押圧力、ひいてはブレーキディスクに対する摩擦ブレーキライニングの圧着力は、高められ、つまり本発明によるディスクブレーキのブレーキ力は増大させられる。従って本発明によるディスクブレーキはブレーキ力助成装置を有しており、ブレーキディスクに対する摩擦ブレーキライニングの圧着によって生ぜしめられるブレーキ力は、一部だけが、位置固定の対応受けに向かってマルチプル・ブレーキシリンダを移動させる外的な操作力によってもたらされ、残りのブレーキ力は上述のように、回転するブレーキディスクによって該ブレーキディスクに押し付けられた摩擦ブレーキライニングに加えられる摩擦力によって生ぜしめられる。本発明によるディスクブレーキのブレーキ力増大によって、ディスクブレーキを操作するためにもたらされる操作力が減じられ、さらには本発明によるディスクブレーキはそのブレーキ力増大に基づいて、小型かつ軽量に構成されることができる。本発明によるディスクブレーキの別の利点としては、操作力の減少と重量の低減とに基づく、ディスクブレーキの動力学の上昇、つまり閉鎖緊張及び解離のために要する時間の短縮を挙げることができる。
【0010】
請求項1に記載された本発明によるディスクブレーキの別の有利な構成は、請求項2以下に記載されている。
【0011】
請求項2記載の有利な構成では、本発明によるブレーキディスクのマルチプル・ブレーキシリンダが2つのブレーキ助成ピストンを有しており、両ブレーキ助成ピストンが互いに逆方向に移動可能にブレーキシリンダ内に受容されていて、かつ互いに向かい合ったつまり逆向きの対応受けに支持されている。両ブレーキ助成ピストンは同軸的にブレーキシリンダ内に配置されていても、横方向にずらされて例えば並んで配置されていてもよい。そして両ブレーキ助成ピストンの外方移動距離は制限されており、両ブレーキ助成ピストンは、ディスクブレーキの不作動時に基本位置を越えてブレーキシリンダから外に移動することができない。ディスクブレーキの操作は、請求項1に対して記載したように、ブレーキディスクの回転方向におけるブレーキシリンダの運動によって対応受けに向かって行われる。第2のブレーキ助成ピストンは、制動時にには不活性であり、所属の外方移動距離制限部によって基本位置に留まり、ブレーキシリンダ内における容積を制限する。例えば後退走行時にブレーキディスクの回転方向が逆になると、ディスクブレーキを操作するためにブレーキシリンダは第2のブレーキ助成ピストンの対応受けの方向に移動させられる。この移動方向はブレーキディスクの逆の回転方向によって再びブレーキディスクの回転方向である。ブレーキディスクの逆回転方向における制動は、請求項1に対して記載されたのと同じ形式で、第2のブレーキ助成ピストンを用いて行われ、この場合第1のブレーキ助成ピストンは不活性つりアクティブではなく、対応する外方移動距離制限部に接触している。逆方向に移動可能な第2のブレーキ助成ピストンを設けることによって、本発明によるディスクブレーキはブレーキディスクの両回転方向に対してブレーキ力助成装置を有することになり、ディスクブレーキは回転方向とは無関係に、つまり両回転方向において機能するようになる。
【0012】
ブレーキ力助成装置は、両ブレーキ助成ピストンのピストン面を異なった大きさに選択することによって、ブレーキディスクの両回転方向に対して異なった選択を行うことができる。両ブレーキ助成ピストンが互いに等しい大きさのピストン面を有していると、本発明によるディスクブレーキはブレーキディスクの両回転方向に対して同じになる(請求項3)。
【0013】
摩擦ブレーキライニングピストン及びブレーキ力助成装置のピストン面を異なった大きさに又は等しい大きさに選択することによって、ブレーキ力助成装置の高さを選択することができる(請求項4)。請求項5の記載によれば、ブレーキ助成ピストンのピストン面が、摩擦ブレーキライニングピストンのピストン面よりも小さい。このようになっていると、ブレーキ力助成装置の作用が増大される。
【0014】
本発明によるディスクブレーキは特に、電動モータを用いた電気機械式の作動のために設けられている(請求項7)。
【0015】
ブレーキ力助成装置に基づいて、僅かな運動質量を備えた小型で軽量の電動モータを選択することができる。同様に、回転/並進・変換伝動装置も軽量構造のものとして構成することができる。本発明によるディスクブレーキのブレーキ力助成装置は、その作動のために設けられている可動の質量体を減じることができ、これによってディスクブレーキの動力学的な特性が高められる。さらに作動のために比較的出力の小さな電動モータで十分であり、このような電動モータは、消費電力が小さく、本発明によるディスクブレーキを装備した車両の搭載電源網を小さくすることができる。
【0016】
請求項8記載の構成によれば、ブレーキ助成ピストンの運動を摩擦ブレーキライニングピストンに伝達するために、ピストン液圧液の代わりに弾性質量体が使用されている。弾性質量体には、ピストンのシールを省くことができ、かつ液圧液損失のおそれがないという利点がある。
【0017】
図面
次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【0018】
図1は、本発明によるディスクブレーキを半径方向外側から見て、概略的に示す断面図である。
【0019】
実施例の記載
図示の本発明によるディスクブレーキ10は、ブレーキキャリパ12を有しており、このブレーキキャリパ12には2つの摩擦ブレーキライニング16,18が、両ブレーキライニング16,18の間に配置されたブレーキディスク20の両側に挿入されている。ブレーキキャリパ12はいわゆる浮動キャリパとして形成されており、ブレーキディスク20に対して横方向に移動可能である。図面の左側に示された摩擦ブレーキライニング16はブレーキキャリパ12に堅固に受容されており、図面右側に示された摩擦ブレーキライニング18は可動である。図示の断面図ではブレーキキャリパ12は2部分から成っているように示されているが、ブレーキキャリパ12は実際には一体的に構成されており、ブレーキディスク20の周囲に被さっている。
【0020】
可動の摩擦ブレーキライニング18は摩擦ブレーキライニングピストン22を有しており、この摩擦ブレーキライニングピストン22は、ブレーキディスク20に対して横方向に移動可能にマルチプル・ブレーキシリンダ24に受容されている。このマルチプル・ブレーキシリンダ24は摩擦ブレーキライニングピストン22以外に、2つのブレーキ助成ピストン26を有しており、両ブレーキ助成ピストン26は、同軸的に互いに向かい合って位置してブレーキシリンダ24内に配置されている。両ブレーキ助成ピストン26は摩擦ブレーキライニングピストン22に対して横方向に、ひいてはブレーキディスク20に対して平行に移動可能にブレーキシリンダ24内に受容されている。ブレーキ助成ピストン26の外側においてブレーキシリンダ24の半径方向内側に向かって張り出しているリングカラーの形をした外方移動距離制限部28は、ブレーキ助成ピストン26が基本位置を越えて外方に向かってブレーキシリンダ24から外に移動することを阻止している。ブレーキ助成ピストン26は図面では、ディスクブレーキ10の作動時における基本位置で示されている。ブレーキ助成ピストン26は液圧液(ブレーキ液)30を用いて摩擦ブレーキライニングピストン22と接続もしくは作用結合している。液圧液30は制限された不変の容積で、マルチプル・ブレーキシリンダ24内でピストン22,26の間において閉じ込められている。ブレーキ助成ピストン26は摩擦ブレーキライニングピストン22よりも小さな直径を有しており、従って小さなピストン面積を有している。これによってブレーキ助成ピストン26から摩擦ブレーキライニングピストン22への力の伝達もしくは変換が行われる。
【0021】
摩擦ブレーキライニングピストン22は戻しばね32を有している。この戻しばね32は図示及び記載の実施例では、引張りコイルばねとして形成されており、ブレーキシリンダ24内に配置されていて、一端で摩擦ブレーキライニングピストン22に懸吊され、かつ他端でブレーキシリンダ24に懸吊されている。戻しばね32は、ディスクブレーキ10の不作動時には摩擦ブレーキライニング18をブレーキディスク20から持ち上げる。
【0022】
ブレーキ助成ピストン26はその外側にローラ34を有しており、このローラ34で、ブレーキキャリパ12の内側に支持されている。ブレーキキャリパ12は、ブレーキ助成ピストン26のための位置固定の対応受け36を形成しており、この場合両ブレーキ助成ピストン26の対応受け36は、互いに向かい合って位置している。両ブレーキ助成ピストン26は互いに向かって、ひいてはブレーキシリンダ24内において互いに逆方向に移動可能である。
【0023】
マルチプル・ブレーキシリンダ24は可動の摩擦ブレーキライニング18の、ブレーキディスク20とは反対の側に、ひいてはブレーキディスク20の側方に配置されている。ブレーキシリンダ24はブレーキ助成ピストン26と同じ方向に、ひいてはブレーキディスク20に対して平行にかつブレーキディスク20に対して割線方向でブレーキキャリパ12内において移動可能である。ブレーキシリンダ24はブレーキディスク20とは反対側の背側で、ローラ38を介してブレーキキャリパ12の内側に支持されている。
【0024】
ブレーキシリンダ24はスピンドル40によって貫通されており、このスピンドル40は、ブレーキキャリパ12にフランジ結合された電動モータ42によって回転駆動可能である。スピンドル40はブレーキディスク20に対して平行に、かつブレーキシリンダ24の移動方向に配置されている。スピンドル40にはナット44が装着されており、このナット44を介して操作力が軸方向でブレーキシリンダ24に伝達され得る。ナット44は回動を防止されてブレーキシリンダ24の切欠き内に収容されている。スピンドル40とナット44とはスピンドル駆動装置40,44を形成しており、このスピンドル駆動装置40,44を介して電動モータ42を用いてブレーキシリンダ24は、ブレーキディスク20に対して平行にかつブレーキディスク20に対して割線方向で移動可能である。
【0025】
本発明によるディスクブレーキ10の作用を説明するために以下に前提条件を述べておくと、この場合ブレーキディスク20は矢印46の方向で、つまり図面で見て下方に向かって回転する。ディスクブレーキ10を操作するためには、電動モータ42を給電することによってスピンドル駆動装置40,44を介してマルチプル・ブレーキシリンダ24が、ブレーキディスク20の回転方向に移動させられる。ブレーキディスク20の回転方向が矢印46の方向だと仮定すると、つまりブレーキシリンダ24は図面で見て下方に向かって移動させられる。ブレーキシリンダ24の移動方向で見て前方のブレーキ助成ピストン26、つまり対応受け36に支持されているブレーキ助成ピストン26は、ブレーキシリンダ24の移動によって該ブレーキシリンダ24の中に移動させられ、そして液圧液を押し退ける。他方のブレーキ助成ピストン26は、外方移動距離制限部28によってブレーキシリンダ24から外方への移動を阻止され、その結果ブレーキシリンダ24内において運動しない。ブレーキシリンダ24の移動方向で見て前方のブレーキ助成ピストン26はその移動によって、液圧液を摩擦ブレーキライニングピストン22に向かって押し退け、これによって摩擦ブレーキライニングピストン22は、ブレーキディスク20に向かってブレーキシリンダ24から移動させられる。この際に摩擦ブレーキライニングピストン22は可動の摩擦ブレーキライニング18を、ブレーキディスク20の、該摩擦ブレーキライニング18に向けられた側に押し付ける。自体公知の形式でブレーキディスク20に接触している可動の摩擦ブレーキライニング18は、浮動キャリパとして形成されたブレーキキャリパ12をブレーキディスク20に対して横方向に移動させ、ブレーキキャリパ12は固定の摩擦ブレーキライニング16を、ブレーキディスク20の他方の側に押し付ける。そしてブレーキディスク20は制動される。
【0026】
回転するブレーキディスク20は摩擦力を、該ブレーキディスク20に押し付けられる可動の摩擦ブレーキライニング18に加え、この摩擦ブレーキライニング18はブレーキディスク20の回転方向又は割線方向に方向付けられている。回転するブレーキディスク20によって可動の摩擦ブレーキライニング18に加えられる摩擦力は、ブレーキシリンダ24の移動方向に対して平行に方向付けられている。摩擦力は可動の摩擦ブレーキライニング18から、摩擦ブレーキライニングピストン22を介してブレーキシリンダ24に伝達され、そしてこのブレーキシリンダ24を、スピンドル駆動装置40,44によって該ブレーキシリンダ24に加えられる力に加えて、対応受け36に向かって押圧し、この対応受け36は、ブレーキディスク20の回転方向及びブレーキシリンダ24の移動方向で見てブレーキシリンダ24の前に位置している。対応受け36はこれによって、ブレーキシリンダ24の移動方向で見て前方のブレーキ助成ピストン26を、強くブレーキシリンダ24内に押し込み、これにより液圧液30の圧力が上昇し、この圧力は摩擦ブレーキライニングピストン22を介して、ブレーキディスク20への摩擦ブレーキライニング18の圧着力を増大させる。ブレーキディスク20への摩擦ブレーキライニング18の圧着力ひいては本発明によるディスクブレーキ10のブレーキ力はつまり、回転するブレーキディスク20から、該ブレーキディスク20を押圧する可動の摩擦ブレーキライニング18によって加えられる摩擦力によって、増大させられる。その結果ブレーキディスク20への摩擦ブレーキライニング18の圧着力は、部分的にしか電動モータ42からスピンドル駆動装置40,44を介してもたらされず、残りの部分は、回転するブレーキディスク20から該ブレーキディスク20を押圧する可動の摩擦ブレーキライニング18に加えられる摩擦力によってもたらされ、従って本発明によるディスクブレーキ10はブレーキ力助成作用を有している。ブレーキ力助成作用の大きさは、特に、ブレーキディスク20と摩擦ブレーキライニング18との間における摩擦係数と、ブレーキ助成ピストン26のピストン面と摩擦ブレーキライニングピストン22のピストン面との比率とによって左右される。ピストン直径の選択によって、ブレーキ助成作用の大きさを選択することができる。
【0027】
ブレーキディスク20が逆方向(後退走行)に回転すると、ディスクブレーキ10の操作によってマルチプル・ブレーキシリンダ24は、電動モータ42への給電によってスピンドル駆動装置40,44を介して既に述べたように逆方向に、つまり再びブレーキディスク20の回転方向に移動させられる。摩擦ブレーキライニング18の圧着動作及びブレーキ助成作用は、上に述べたのと同様の形式で行われるが、この場合には他方のブレーキ助成ピストン26、つまり今やブレーキシリンダ24の移動方向において前方に位置しているブレーキ助成ピストン26が有効である。従ってブレーキ助成作用はブレーキディスク20の回転方向とは無関係である。両方のブレーキ助成ピストン26の直径が異なっていると、ブレーキディスク20の両回転方向に対して異なった大きさのブレーキ助成作用を、つまり例えば前進走行と後退走行とのために異なった大きさのブレーキ助成作用を選択することができる。
【0028】
液圧液30の代わりに、本発明によるディスクブレーキ10のマルチプル・ブレーキシリンダ24は、弾性質量体、つまり両ブレーキ助成ピストン26のうちの1つによってブレーキシリンダ24の移動時に加えられる圧力を摩擦ブレーキライニングピストン22に伝達する弾性質量体を、有することも可能である。このような弾性質量体のための例としては、シリコン、エラストマ又はEPDM(Ethylen-Propylen-Dien-Elastomer)が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるディスクブレーキを半径方向外側から見て、概略的に示す断面図である。
Claims (8)
- ブレーキディスク(20)に圧着可能な摩擦ブレーキライニング(20)を備えたディスクブレーキであって、ディスクブレーキ(10)がマルチプル・ブレーキシリンダ(24)を有していて、該マルチプル・ブレーキシリンダ(24)がブレーキディスク(20)の側方に配置されていて、ブレーキディスク(20)の割線方向にかつ該ブレーキディスク(20)に対して平行に可動であり、ブレーキシリンダ(24)内に摩擦ブレーキライニングピストン(22)が、ブレーキディスク(20)に対して横方向に移動可能に受容されていて、該摩擦ブレーキライニングピストン(22)によって摩擦ブレーキライニング(18)がブレーキディスク(20)に圧着可能であり、ブレーキシリンダ(24)内にブレーキ助成ピストン(26)がブレーキシリンダ(24)の運動方向において移動可能に受容されていて、該ブレーキ助成ピストン(26)が位置固定の対応受け(36)に支持されており、しかも摩擦ブレーキライニングピストン(22)とブレーキ助成ピストン(26)とが互いに接続もしくは作用結合している形式のものにおいて、摩擦ブレーキライニングピストン(22)とブレーキ助成ピストン(26)とが、該両ピストン(22,26)の間に閉じ込められていて圧力伝達媒体を満たされた容積を介して、互いに接続もしくは作用結合しており、ブレーキディスク(10)に摩擦ブレーキライニング(18)を接触させるためにマルチプル・ブレーキシリンダ(24)が、ブレーキディスク(20)の回転方向及びブレーキ助成ピストン(6)の位置固定の対応受け(36)の方向に移動させられることを特徴とするディスクブレーキ。
- ブレーキシリンダ(24)が2つのブレーキ助成ピストン(26)を有しており、両ブレーキ助成ピストン(26)が互いに逆方向に移動可能にブレーキシリンダ(24)内に受容されていて、かつ互いに向かい合った対応受け(36)に支持されており、両ブレーキ助成ピストン(26)が外方移動距離制限部(28)を有している、請求項1記載のディスクブレーキ。
- 両ブレーキ助成ピストン(26)が、互いに等しい大きさのピストン面を有している、請求項2記載のディスクブレーキ。
- ブレーキ助成ピストン(26)が、摩擦ブレーキライニングピストン(22)とは異なった大きさのピストン面を有している、請求項1記載のディスクブレーキ。
- ブレーキ助成ピストン(26)のピストン面が、摩擦ブレーキライニングピストン(22)のピストン面よりも小さい、請求項4記載のディスクブレーキ。
- ディスクブレーキ(10)が、摩擦ブレーキライニングピストン(22)のための戻しばね(32)を有している、請求項1記載のディスクブレーキ。
- ディスクブレーキ(10)が、ブレーキディスク(20)の割線方向にかつ該ブレーキディスク(20)に対して平行にブレーキシリンダ(24)を運動させるための電動モータ(42)を有している、請求項1記載のディスクブレーキ。
- ブレーキシリンダ(24)が、液圧液の代わりに弾性質量体を有している、請求項1記載のディスクブレーキ。
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