JP4198767B2 - 常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、常温で塗工し、硬化せしめるポリウレタン塗膜材(塗り床材、防水材)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン塗り床材、防水材は、従来からビルディングの屋上、ベランダ、廊下などの防水、スポーツ施設の弾性舗装などの用途に大量に使用されている。このような塗り床材、防水材の製造方法は、ポリプロピレンエーテルポリオールとトリレンジイソシアネート[以下TDIと略記する]との反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーを主剤とし、4,4'−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)[以下MOCAと略記する]およびポリプロピレンエーテルポリオールをイソシアネート反応成分としてこれに有機酸鉛塩などの触媒や、必要に応じて可塑剤を配合して硬化剤とし、この主剤と硬化剤とを施工現場で混合した後、コテ、ヘラまたはレーキ等を用いて塗工して硬化せしめるものである。
【0003】
この従来方法において、硬化剤中のイソシアネート反応成分の主成分として使用するMOCAは、指定化学物質とされているように生理的な安全性に問題があり、また常温では固体で結晶性が高く、可塑剤などへの溶解安定性が悪く取り扱い難いものであるにもかかわらず、イソシアネートとの反応性が比較的緩やかであり、塗り床材、防水材用途に特に必要とされる可使時間(主剤と硬化剤とを混合した後、これを支障なく塗工できる限度の時間。通常混合後、粘度が10万センチポイズに達するまでの時間)が得られ、かつ硬化後の塗膜物性も良好であるのでこの方法がこの分野の主流を占めている。
また最近上記したTDIプレポリマーを主剤とし、生理的に安全なジエチルトルエンジアミン[以下DETDAと略記する]を硬化剤の主成分として使用して常温硬化せしめることによる速硬化性ポリウレタン塗膜材の製造方法が開発された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの方法は、DETDAという高反応性の芳香族ポリアミンを架橋剤として使用していることから可使時間を確保するために可塑剤の使用量が多くなりがちとなり、硬化塗膜表面に可塑剤がブリードしてき易い欠点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは種々検討の結果、過剰のDETDAと、有機ジイソシアネートとモノオールまたはポリオールとから生成されるイソシアネート末端プレポリマーとの反応混合物を硬化剤中のイソシアネート反応成分の主成分として使用し、TDIプレポリマーを主剤として使用し、この2液を混合、塗工し硬化せしめることによって上記の欠点が解消されることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち本発明は、トリレンジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーである主剤と、イソシアネート反応成分および可塑剤を含有する硬化剤とを混合、塗工して硬化せしめる常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法において、硬化剤中のイソシアネート反応成分の主成分は、有機ジイソシアネートとモノオールまたはポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーに対して、アミノ基対イソシアネート基の当量比が3対1以上30対1未満の比率になるようにジエチルトルエンジアミンを混合して反応させて得られる反応混合物であり、前記した主剤と前記した硬化剤とを、主剤中のプレポリマーのイソシアネート基と硬化剤中のイソシアネート反応成分のアミノ基との当量比が0.8〜2.0となるように施工現場で混合し、塗工して硬化せしめることを特徴とする常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法である。
【0007】
本発明の方法において、主剤として使用するイソシアネート末端プレポリマーは、TDIとポリオールとの反応によって製造する。TDIとポリオールとはNCO基/OH基の当量比を通常2近傍前後として仕込んで反応させるが、たとえ過剰のTDIを使用した場合でも反応終了後に減圧蒸溜のような方法で遊離のTDIを除去したプレポリマーも使用することができる。原料TDIとしては市販品として入手可能な2,4−異性体含有率が65〜100重量%のものが使用できるが、2,4−異性体含有率の少ないTDIを原料として製造したプレポリマーを主剤として使用すると可使時間を短くする傾向があるので、本発明の分野では2,4−異性体含有率の多いもの、すなわち80重量%以上を含有するTDIを原料とするのが望ましい。
【0008】
本発明において主剤として使用されるTDIプレポリマーの製造に用いられるもう一方の原料であるポリオールとしては、ポリプロピレンエーテルポリオール、ポリエチレン−プロピレンエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンポリオールなどの通常のウレタン原料として一般に知られているポリオールを使用することができる。これらのうち、本発明の分野では、粘度、あるいは低温での非結晶性の点においてポリプロピレンエーテルポリオールまたはポリエチレン−プロピレンエーテルポリオールを使用するのが好ましい。TDIプレポリマーのNCO含有率は、1〜7重量%とすることが好ましい。7重量%を越えると本発明で用いる硬化剤と組合せた場合、所望の可使時間を確保することが困難となり、一方1重量%未満のものを使用するとポリウレタン塗膜材として所望の物性が得られなくなる。
【0009】
本発明の方法においては、硬化剤中のイソシアネート反応成分の主成分として、DETDAと、有機ジイソシアネートとモノオールまたはポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーとを、アミノ基/イソシアネート基の当量比が3/1以上になるような比率で反応させて得られる反応混合物を使用する。
過剰のDETDAと反応させるイソシアネート末端プレポリマーの製造に使用する有機ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス−フエニルイソシアネート、TDIなどが使用できるが、TDIが粘度、相溶性などの点で最も好ましい。
【0010】
過剰のDETDAと反応させるイソシアネート末端プレポリマーの製造に使用されるもう一方の原料であるモノオールまたはポリオールとしては、メタノール、エタノールまたはブタノールなどのモノアルコールを開始剤としてこれにプロピレンオキサイドを付加重合させた平均分子量700〜4000のポリプロピレンエーテルモノオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの低分子ポリオールを開始剤としてこれにプロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイドを付加重合させた平均分子量700〜15000のポリプロピレンエーテルポリオールまたはポリエチレン−プロピレンエーテルポリオールなどが使用される。
【0011】
本発明の方法で使用するDETDAは、3,5−ジエチルトルエン−2,4または2,6−ジアミンであり、異性体含有率の異なるものが市販されている。市販品としては例えば“エタキュア100”(エチルコーポレーション社製商品名。2,4−異性体/2,6−異性体の重量比80/20)などが使用される。
【0012】
本発明の方法において硬化剤中のイソシアネート反応成分の主成分となる反応混合物を製造するには、DETDAと有機ジイソシアネートプレポリマーとを、アミノ基/NCO基の当量比が3/1以上となるような比率で仕込み、40〜50℃で2〜3時間反応させる。この当量比を3/1以下とすると、生成する反応混合物の粘度が高くなり過ぎて硬化剤として取扱い難いものとなる。3/1以上であればこの比率は特に上限は限定されるものではないが、大よそ30/1以上とするとDETDAそのものをイソシアネート反応成分の主成分として使用するのと殆んど異らなくなる。
このような反応混合物を硬化剤中のイソシアネート反応成分の主成分として使用することによって必要な可使時間を保持しながら可塑剤の使用量を減少させることができ、従って硬化塗膜からの可塑剤のブリードを防止することが可能となるのである。
【0013】
本発明の方法で硬化剤中に上記のイソシアネート反応成分のほかに使用される可塑剤としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジオクチル、塩素化パラフィンなどの通常の可塑剤、ユーレックス、キシレン樹脂などウレタン樹脂用に一般に使用されている可塑剤的なレジン、ポリプロピレンエーテルポリオールの末端の水酸基をアシル化、アルコキシド化などした可塑剤、またはイソシアネート末端プレポリマーをメタノール、エタノール、ブタノールなどの一官能性アルコールで封止した可塑剤などを使用することができる。
【0014】
硬化剤中の可塑剤の使用量は、主剤であるイソシアネート末端プレポリマーの使用量100重量部に対し100重量部を越えないようにすることが望ましい。100重量部を越えると塗膜表面に可塑剤がブリードアウトする傾向が強くなり、また得られる硬化塗膜の物性も低くなってしまう。従来のMOCA−ポリオール併用系硬化剤中にイソシアネート反応成分として使用されていたポリオールは、本発明の方法の硬化剤中では不可欠成分ではなく配合する必要がない。ブリードし易い通常の可塑剤の使用量を減らす目的でポリオールを従来と同様に配合することもできるが、この場合は主剤プレポリマーとの反応を完結させるために触媒の添加が必要となり、ひいては可使時間の短縮をもたらす。本発明の方法によれば、ポリオールの反応物を硬化剤中に配合することとなるので、通常の条件下では触媒の添加は不要で、可使時間を短縮することなく通常の可塑剤の使用量を減少させることができるのである。
【0015】
本発明の方法においては、過剰のDETDAの反応混合物をイソシアネート反応成分の主成分として使用するので、前述のように通常の条件下では硬化促進用触媒は必須ではないが、冬期低温など厳しい条件下の施工において、有機酸鉛酸や、オクチル酸、オレイン酸などの有機酸などの触媒を硬化剤中に小量添加することも可能である。
本発明の方法で使用する硬化剤には、必要に応じて炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ケイソウ土などの無機充填剤、酸化クロム、ベンガラ、酸化鉄、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、ヒンダートアミン系、ヒンダートフェノール系、ベンゾトリアゾール系などの安定剤を配合することができる。
【0016】
本発明の方法を実施するには、TDIとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーである主剤と、過剰のDETDAと有機ジイソシアネートプレポリマーとの反応混合物をイソシアネート反応成分の主成分とし、可塑剤、さらには必要に応じて触媒、充填剤、顔料、安定剤などを配合してなる硬化剤とを、主剤のNCO基と硬化剤中のイソシアネート反応成分のアミノ基との当量比が0.8〜2.0となるように施工現場で混合し、被塗物上に塗工して硬化せしめる。主剤のNCO基と硬化剤中のアミノ基との当量比が0.8未満では反応が速すぎて可使時間がとり難くなるとともに塗膜の黄変が激しくなり、2.0を越えると硬化性が遅くなりすぎ、硬化塗膜の強度が低くなってしまう。塗膜物性も含めて最も好ましいNCO基とアミノ基の当量比は0.9〜1.5である。主剤と硬化剤とを上述したような割合で混合することによって、施工環境温度下(通常のウレタン塗膜剤では5〜35℃)で20分以上150分以下といった可使時間を保持することができる。
【0017】
なお、本発明の方法は手作業による混合、塗工に適しているが、可使時間およびレベリング可能時間が長くとれるため、スタチックミキサーあるいはダイナミックミキサー等の自動混合装置を使用した機械塗工にも適用することができる。また、ダレ止め剤を配合して、立面、壁面、曲面等をローラー、リシンガン、エアレスガン等の従来方法で塗工することもできる。施工にあたって作業性に応じて若干のキシレンなどの溶剤を加えることも可能である。
【0018】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに説明する。なおその配合および試験結果は表1に記載したが、その項目の内容は下記の通りである。
(混合)
主剤NCO/硬化剤NH2当量比:主剤プレポリマーと硬化剤とを重量比1/2で混合したとき、主剤プレポリマーのイソシアネート基と硬化剤中のイソシアネート反応成分、すなわち反応混合物(比較例1のみDETDA)のアミノ基との当量比。
【0019】
(硬化性)
可使時間:主剤と硬化剤とを20℃で混合した後、この温度でこれを支障なく塗工できる限度の時間(分)(混合液の粘度が10万センチポイズに達するまでの時間)
タックフリータイム:主剤と硬化剤とを20℃で混合した後、この混合液をプライマー処理したストレート板上に厚さ1〜2mmになるように塗工し、経時を追って指触により塗膜表面にべとつきがなくなるまでの時間を追跡する。(時間)
(塗膜物性)主剤と硬化剤とを20℃で混合してから混合液をガラス板上に厚さ1〜2mmになるように流延し、20℃で7日間硬化させた後にJIS A6021に準じて行った塗膜の物性試験結果。
【0020】
(ブリード系)
主剤と硬化剤とを20℃で混合した後、これをプライマー処理したストレート板上に厚さ1〜2mmとなるように塗工し、この温度で24時間硬化させてからこの塗膜の上に1液湿気硬化型ウレタンプライマー(TDI系ウレタンプレポリマー、イソシアネート含有率2.8重量%、樹脂分30重量%)をハケ塗りし、このプライマーの乾燥性を指触によりチェックする。20℃で24時間経過後もべとつきが残るものは下から可塑剤がブリードしていると見做す。ブリードしないものは、2〜3時間でタックフリーとなる。
【0021】
主剤TDIプレポリマーの調製
平均分子量2000のポリプロピレンエーテルジオール687.2gと、平均分子量3000のポリプロピレンエーテルトリオール171.8gおよび2,4−トリレンジイソシアネート141gを反応器に仕込み、80〜100℃で5時間反応させ、イソシアネート含有率3.2重量%のTDIプレポリマー1000gを製造した。表1(実施例および比較例)に使用した主剤はすべてこのものを使用した。
【0022】
有機ジイソシアネートプレポリマー(1)の調製
ブタノールを開始剤としこれにプロピレンオキサイドを付加重合させて製造した平均分子量3000のポリプロピレンエーテルモノオール945.2gと、2,4−トリレンジイソシアネート54.8gとを反応器に仕込み、80〜100℃で5時間反応させ、イソシアネート含有率1.32重量%のプレポリマー1000gを調製した。
有機ジイソシアネートプレポリマー(2)の調製
平均分子量10000のポリプロピレンエーテルジオール966.4gと、2,4−トリレンジイソシアネート33.6gとを反応器に仕込み、80〜100℃で5時間反応させ、イソシアネート含有率0.81重量%のプレポリマー1000gを調製した。
【0023】
反応混合物(硬化剤中のイソシアネート反応成分)の調製例
実施例1の反応混合物:DETDA(エタキュア100、前記)36gと上記の有機ジイソシアネートプレポリマー▲1▼182gとを混合し(DETDAのアミノ基と、有機ジイソシアネートプレポリマー▲1▼のNCO基との当量比7/1)、40〜50℃で3時間反応させ実施例1の反応混合物を調製した。その他の実施例および比較例の反応混合物は、この方法に準じて調製した。なお比較例1のみ反応混合物を使用せずDETDAをそのまま使用した。
【0024】
硬化剤の調製例
実施例1の硬化剤:2リットルの円筒型開放容器に上記の反応混合物218gと、フタル酸ジオクチル152gおよび炭酸カルシウム630gを仕込み、室温でデイゾルバーを用いて15分間攪拌し、1000gの硬化剤を調製した。この硬化剤の粘度は、20℃で55,000センチポイズとやや高いが、主剤と混合すると施工上問題ない程度に低粘度となった。他の実施例および比較例の硬化剤は、比較例2を除いてこの方法に準じて調製した。
【0025】
実施例1〜3
実施例1および2は、硬化剤中のイソシアネート反応成分すなわち反応混合物製造用のイソシアネート末端プレポリマーとして上記の有機ジイソシアネートプレポリマー▲1▼を使用し、DETDAとこの有機ジイソシアネートプレポリマー▲1▼のNH2/NCO当量比が7(実施例1)または11(実施例2)とし、主剤のTDIプレポリマー(既述)のNCO基と硬化剤中の反応混合物のNH2基との当量比を1.1とした場合の例である。結果は表1に示すように、実施例1では硬化剤が若干高粘度であり、比較例1に比べて可使時間がやや短くなるが、いづれも実用上問題なく施工でき、硬化性、塗膜物性とも良好であった。硬化塗膜からの可塑剤のブリード性については、上塗りしたウレタンプレポリマーが2〜3時間でタックフリーとなることからみて、ブリードが防止できていると見做された。これに対して後述するように、比較例1では上塗りのウレタンプライマーが24時間以上たってもべたつきが残り、可塑剤がブリードして来ていることが示された。このことは、表1の配合表にみられるように硬化剤中の可塑剤の配合量を、比較例1より実施例1および2で所望の可使時間を保持しながら減少させることができたからだと判断される。
実施例3は、反応混合物製造用プレポリマーとして有機ジイソシアネートプレポリマー▲2▼(前述)を使用し、実施例1または2と同様に実施した例である。結果は表1の通り硬化性、塗膜物性とも良好で、実施例1および2と同様にブリードを防止することができた。
【0026】
実施例4および5
硬化剤中のイソシアネート反応成分(反応混合物)として実施例2と同じものを使用し、主剤TDIプレポリマーのNCO基と硬化剤中のイソシアネート反応成分のNH2基との当量比を実施例1〜3(1.1)より小さくした場合(0.9、実施例4)と、大きくした場合(1.4、実施例5)の例である。結果は表1の通り、実施例4では、可使時間がやや短くなり、実施例5では硬化性がやや遅くなったが、いづれも実用上問題ない範囲であり、塗膜物性も良好で、かつ可塑剤のブリードが防止できた。
【0027】
比較例1
硬化剤中のイソシアネート反応成分として反応混合物を使用せず、DETDAをそのまま使用した場合の例である。結果は、可使時間、硬化性および塗膜物性は良好であるが、既述したように硬化塗膜からの可塑剤のブリードがみられた。
【0028】
比較例2
硬化剤中の反応混合物としてDETDAと有機ジイソシアネートプレポリマー▲1▼とのNH2/NCO当量比を2.5として製造したものを使用した場合の例である。この場合表1で示したように硬化剤の粘度が20℃で20万センチポイズ以上となり、実用上取り扱い難いものとなった。すなわち実施例1〜3の結果を勘案すると、反応混合物を製造する際のDETDAと有機ジイソシアネートプレポリマーとのNH2基/NCO基の当量比には限界値があり、比較例2はその限界値以下であることを示している。
【0029】
比較例3および4
硬化剤中のイソシアネート反応成分(反応混合物)として実施例2と同じものを使用し、主剤TDIプレポリマーのNCO基と硬化剤中のイソシアネート反応成分のNH2基との当量比を実施例4より小さくした場合(0.7比較例3)と、大きくした場合(2.2、比較例4)の例である。結果は表1の通り、比較例3では可使時間が短くなり過ぎ、比較例5では硬化性が遅く、かつ硬化に伴って塗膜が発泡した。
【0030】
【表1】
すなわち実施例2、4および5の結果を勘案すると、本発明の目的を達成するには主剤のTDIプレポリマーのNCO基と硬化剤中のイソシアネート反応成分のNH2基との当量比には限界的な範囲が存在し、比較例3および4はその範囲外であることを示している。
Claims (6)
- トリレンジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーである主剤と、イソシアネート反応成分および可塑剤を含有する硬化剤とを混合、塗工して硬化せしめる常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法において、硬化剤中のイソシアネート反応成分の主成分は、有機ジイソシアネートとモノオールまたはポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーに対して、アミノ基対イソシアネート基の当量比が3対1以上30対1未満の比率になるようにジエチルトルエンジアミンを混合して反応させて得られる反応混合物であり、前記した主剤と前記した硬化剤とを、主剤中のプレポリマーのイソシアネート基と硬化剤中のイソシアネート反応成分のアミノ基との当量比が0.8〜2.0となるように施工現場で混合し、塗工して硬化せしめることを特徴とする常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法。
- 前記した主剤中のプレポリマーのイソシアネート基と硬化剤中のイソシアネート反応成分のアミノ基との当量比が0.9〜1.5である、請求項1記載の常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法。
- 前記した主剤のイソシアネート末端プレポリマーのイソシアネート基含有率が1〜7重量%である、請求項1または請求項2記載の常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法。
- 前記したトリレンジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーである主剤を製造するに際して、2,4−トリレンジイソシアネートを80重量%以上含有するトリレンジイソシアネートを使用する、請求項1〜請求項3いずれかの項に記載の常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法。
- 前記したトリレンジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーである主剤を製造するに際して、ポリオールとしてポリプロピレンエーテルポリオールまたはポリエチレン−プロピレンエーテルポリオールを使用する、請求項1〜請求項4いずれかの項に記載の常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法。
- 前記した硬化剤中のイソシアネート反応成分の主成分はトリレンジイソシアネートとモノオールまたはポリオールとの反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーに対して、アミノ基対イソシアネート基の当量比が3対1以上30対1未満の比率になるようにジエチルトルエンジアミンを混合して、反応させて得られる反応混合物であることを特徴とする、請求項1〜請求項5いずれかの項に記載の常温硬化型ポリウレタン塗膜材の製造方法。
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