JP4301632B2 - ドライガスシールの健全性管理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はドライガスシールの健全性管理方法及びその装置に関し、主に遠心圧縮機のドライガスシールの劣化による圧縮機のトリップ時期を事前に予測でき、又ガス中に異物が混入したり、2次シールの劣化(Oリング等)の劣化により発生するガスシールの異常を早期に予測することができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
遠心圧縮機に装着されたタンデム型ドライガスシールの異常を検知する方法は、一般には一次ガスリークの状態を監視し、その計測値により、計測値が所定のレベルを越えるとアラームを発し、次に圧縮機をトリップさせる2段階で管理する保安システムとなっている。
【0003】
図7は上記のような遠心圧縮機のタンデム型ドライガスシールの一部を示す図であり、圧縮機の吸入側のガスシールのみを図示している。図において、回転軸50の周囲には回転側シール部材51が取付けられ、この回転側シール部材51の周囲に対向して、これと近接して静止側シール部材52が配設されており、この静止側シール部材52はケーシング53に支持されている。図示省略の圧縮機ではプロセス用ガスを圧縮し、圧縮ガスを吐出するが、このガスは主にN2 やH2 ガスを成分としている。このプロセスガス60はフィルタ61で清浄なガスとなり、流量調節弁62で流量調節されて一方は配管63から吸入側のガスシールへ、他方は配管64から図示省略の排気側のガスシールへそれぞれ供給される。
【0004】
配管63から供給されるガスは、静止側シール部材52に設けられたシールガス入口54へ導かれ、静止側シール部材52と回転側シール部材51との隙間を通り、静止側シール部材51に設けられたシールガス出口55からそのほとんどが流出し、又残りのガスはシールガス出口56から流出し、回転軸50とケーシング53との間をシールしている。シールガス出口55からのシールガスはフレアー64に流出し、燃焼することにより煙突から大気へ放出され、又シールガス出口56からのわずかなガスは排気管65より外部へ放出される。
【0005】
上記のようなドライガスシールにおいて、監視部70で運転員がガスシールの状態を常に監視しており、流量計65の流量が予防保全上定められた流量値となると圧力発信器71の信号によりアラーム装置72を作動させ、次にシールガスの圧力が所定値に達し、圧力スイッチ73が作動するとトリップ信号Sを発し、圧縮機をトリップさせていた。
【0006】
図8は上記に説明した監視部70の詳細な系統図である。図において、運転員はあらかじめ安全上設定したガス流量になると圧力発信器71が作動してアラーム72を作動させ、次にシールガスの圧力が予防安全上の見地より、あらかじめ3個の圧力スイッチ73−1,73−2,73−3に設定されており、シールガス圧力が上昇し、これら3個の圧力スイッチ73−1〜73−3のうち、いずれか2個が作動すると圧縮機のトリップ信号Sを発するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述の圧縮機のドライガスシールの保安システムは、測定されたシールガスの瞬時の検出値に対してのみ、アラームを発したり、圧縮機のトリップ信号を出力するのみであり、ドライガスシールの異常発生後の経年的な健全性を予め予測できるシステムではない。従って経年的な健全性の評価や異常発生時の処置は運転員の経験により対処するしかない。
【0008】
ガスシールの異常は、出願人の経験によれば、次の2通りにより生ずる。
【0009】
1)起動、停止及び急激な運転条件変更により、ガスシールの異常が急激に進展する。一般的にはOリングのはみ出し等が原因で急激な異常が進展するため、この原因に対しては傾向管理が難しい。
【0010】
2)液、異物の混入または2次シールの劣化(Oリング等の劣化)により、ガスシールの異常が徐々に進展する。この原因によるガスシールの異常は数日〜数週間の間に進行し、重大なトラブルに発展する。
【0011】
そこで本発明は、ドライガスシールの異常を予め予測し、ガスシールの寿命を推定し、その推定値に基いて計画的に圧縮機を停止することができるドライガスシールの健全性管理方法及びその装置を提供することを課題としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を解決するために、次の(1)乃至(3)の方法を提供する。
【0013】
(1)圧縮機のドライガスシール部からのガスリーク量の実績データから、運転開始から同圧縮機をトリップすべきガスリーク量となる時間までの間でガスリーク量の近似曲線を前記実績データの傾向をプロットし、この傾向を延長して予め求めておき;圧縮機運転中の任意の時間間隔でのガスリーク量を検出手段により数点測定し;同数点の測定値と前記近似曲線とを比較し、同近似曲線の前記トリップ時間から、同運転中の測定時点から前記圧縮機をトリップするまでの到達時間を推定するドライガスシールの健全性管理方法であって、前記ガスのリーク量はサイクロン式分離器で分離したガス中に含まれるカーボン等の異物の量から推定することを特徴とするドライガスシールの健全性管理方法。
【0015】
(2)前記サイクロン式分離器の容器は透明な容器からなり、前記ガスリーク量は同分離器の下部に堆積した前記異物を容器外からカメラで撮影し、異物の画像から推定することを特徴とする(1)記載の方法。
【0016】
(3)前記異物は前記サイクロン式分離器の容器外に吸引装置で吸引して取出し、測定することを特徴とする(1)記載の方法。
【0019】
本発明のドライガスシールの健全性管理方法は、(1)の発明を基本としており、まず、ドライガスシール部からのガスリーク量の抽出された実績データのうち、基準値(例えば、設計上規定された保証洩れ量×1.8に設定する)を超えたデータを用いて、これらデータの増加傾向から圧縮機をトリップさせるリーク量(例えば、保証洩れ量×8に設定する)になるまでの時間帯におけるガスリーク量の近似曲線を求めておく。次に、運転中の任意の時間から所定の時間間隔でガスリーク量を数点測定し、これら測定値を先に求めた近似曲線を参照し、運転中の測定値からトリップ値になるまでの特性曲線を求め、測定した時間から圧縮機をトリップするまでの到達時間を推定する。そして、ガスリーク量はドライガスシール部での摩耗により発生し、ガス中に含まれるカーボン量に比例するので、カーボン等の異物の量を測定することにより上記の方法を実施する。そのためにサイクロン式分離器を用いて異物をガス中から分離し、この量を測定する。
従って、従来は運転員がその都度リーク量を測定して読み取り、その都度経験により運転続行するか否か判断していたが、圧縮機の正常な劣化においてトリップに至るまでの時間が事前に決定され、計画的な圧縮機の停止を行うことができる。又、そのための関連プラントの停止のための準備も計画的に行うことができ、圧縮機のみならずプラント全体の運転の信頼性が向上する。
【0020】
又、本発明の(2)では分離器の容器を透明とし、容器外からカメラにより異物の量を測定することにより実施し、(3)においては容器外に異物を吸引して取出し、その量を測定するのでガスリーク量の測定が簡単にできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基いて具体的に説明する。図1は本発明のドライガスシールの健全性管理方法を実施する装置の系統図で主に後述する実施の第1,第2及び第3形態に係る図である。図において、圧縮機80にはガス吸入口81からプロセスガスが吸込まれ、圧縮機80で圧縮され、ガス吐出口82より流出し、関連するプラントの装置へ送られるが、その吐出ガスの一部が抽気されてフィルタ84,85でガス中の不純物が取除かれ、ドライガスシール部100のシールガス入口54へ供給される。
【0024】
供給されたガスはドライガスシール部100内で、従来例でも説明したように、静止側シール部材と回転側シール部材との間を通過し、ガスシールに供されたガスはシールガス出口55から流量計65を通り開閉弁2,3を介して並列に設けた小型のサイクロン式セパレータ1の入口11に供給される。2台のサイクロン式セパレータ1は並行運転、あるいは一方のみ切換えて1台のみの運転のいずれでも良く、サイクロン式セパレータ1では後述するように供給されたガスに旋回流を与えてガス中に含まれるカーボンや異物を除去し、上部の出口12より開閉弁4,5を介してフレアーとして放出される。
【0025】
図2は上記に説明したサイクロン式セパレータ1の詳細を示す断面図であり、本発明の実施の第1形態に係るものである。図において、サイクロン式セパレータ1は上部容器15と下部容器16との2分割構造からなり、接続部17で接続され、必要に応じて分割できる構造で、かつ透明の材料からなり内部を目視で確認できる構造である。又、内部にはホッパ14を備え、ホッパ14の下部にはフィルタ18が着脱可能に設けられている。
【0026】
上記のサイクロン式セパレータ1において、入口11より流入したガスはホッパ14内で旋回し、ガス中にシール部の摩耗により生ずるカーボンや塵等の異物が含まれていると、異物90は旋回中に下部へ落下し、下部のフィルタ18上に堆積する。異物90が分離したガスは上部の出口12から流出し、又、フィルタ18を通過したガスも上部の出口12より流出する。
【0027】
上記のサイクロン式セパレータ1で分離された異物90を定期的に所定時間ごと透明の容器の外から観察し、ガス中に異物の混入状況が極端に悪化している場合には、即ちにこの状況が目視で判定することができる。又、外からの観察で状況が把握しにくい時、あるいは定常時においても定期的に上部容器15と下部容器16とを分離し、内部のフィルタ18を取外し、フィルタ18上に堆積した異物90の状況を直接目視で確認し、異物の状況よりドライガスシール部100の健全性を評価することができる。
【0028】
図3は本発明の実施の第2形態に係るドライガスシールの健全性管理方法を実施する装置の系統図である。本実施の第2形態においてはサイクロン式セパレータ1で分離し、フィルタ18上に堆積した異物90を自動的に観察するようにしたものであり、そのためにサイクロン式セパレータ1のフィルタ18上の異物を容器外から撮影するカメラ20を設置している。
【0029】
カメラ20で撮影した異物90の画像は画像処理装置21に導かれ、二値化処理されて異物の形状をとらえ、その形状の情報は自動判定装置22へ導かれる。自動判定装置22には、所定の運転時間運転後の正常なフィルタ18上の異物の堆積パターン、異物の種類(カーボンやゴミ、等)の画像の特質データが設定し、記憶されており、この設定されたデータとカメラ20で撮影した異物90の画像とを比較し、異物の種類や量を把握してガスシールの健全性の程度を判定し、その結果は表示装置23に表示される。
【0030】
このような実施の第2形態によれば、実施の第1形態においては運転員が目視により観察し、ドライガスシールの健全性の程度を判断していたものが自動的な判定によりなされるので、客観的な健全性の程度の判定により、圧縮機のドライガスシール部100の計画的な停止を行い、補修、点検ができる。又、このような判定がプラントの運転中で任意の時間において行うことができる。
【0031】
図4は本発明の実施の第3形態に係るドライガスシールの健全性管理方法を実施する装置の系統図である。本実施の第3形態においても、ドライガスシールの健全性を自動的に判定するものであるが、フィルタ18上に堆積した異物90を容器外へ取出し、重量、等を自動測定するものである。
【0032】
図4において、30は吸引口でサイクロン式セパレータ1の容器外へフィルタ18上の異物90を吸引し、取出す口である。31a,31bは配管、32は吸引装置、33は自動測定装置であり、吸引装置32で吸引した異物90の重量を自動測定する。34は表示装置であり、自動測定装置33で測定した結果を表示するものである。35は制御装置であり、吸引装置32、自動測定装置の作動、開閉弁2,3,4,5の開閉を制御するものである。
【0033】
上記構成の実施の第3形態において、制御装置35は測定すべきサイクロン式セパレータの開閉弁2及び4,3及び5のうちいずれか一方のサイクロン式セパレータ1のみの開閉弁を閉じ、一方を測定状態とし、他方にガスを通過させて運転状態とする。次に吸引装置32を制御し、測定すべき吸引口30の配管よりフィルタ18上に堆積している異物90を吸引する。吸引された異物90は自動測定装置33で重量が測定され、その結果は表示装置34に表示されるので、運転員はその結果を監視し、ドライガスシールの運転中における健全性、劣化の状況等を判断することができる。
【0034】
上記に説明した実施の第1形態においては、サイクロン式セパレータで異物90を分離し、フィルタ18上に堆積した異物90を目視により観察し、カーボンや塵の種類、量を識別し、又実施の第2形態においてはカメラ20により容器内のフィルタ18上の異物を撮影してその画像を画像処理装置21で処理して自動判定装置22で、そのカーボンやゴミの判別及び量的な把握を行い、又、実施の第3形態においては、フィルタ18上の異物90を吸引装置32で吸引し、自動測定装置33で重量を測定して表示するようにして、それぞれ運転員がドライガスシールの健全性をそれら情報から判定するものである。
【0035】
運転員によるドライガスシールの判定は、上記の測定を所定時間毎に数回行い、その結果を時系列的にプロットし、これら測定値の異物即ち、カーボン等の重量の増加率を最小2乗法等で把握し、この増加傾向を延長して予測し、その値が予め設定した基準値、アラーム発生のレベル値、トリップ値と比較し、ドライガスシール部100の寿命を予測するものであり、あくまでも測定したデータに基いて運転員が予測する方法である。
【0036】
図5は本発明の実施の第4形態に係るドライガスシールの健全性管理方法を実施する装置の系統図である。図において、圧縮機80のドライガスシール部100にはプロセスガスがシールガス入口54に流入し、シール作用後のガスはシールガス出口55から流出するが、その流路には圧力計40と流量計65が設けられている。
【0037】
流量計65、圧力計40で検出された各信号は、それぞれA/D変換器41,42によりデジタル信号に変換され演算装置43に入力される。演算装置43では、後述するようにドライガスシールの時間の経過によるガスのリーク量又は圧力値の変化の近似曲線を求め、又、この近似曲線を基準とし、任意の時間に測定した測定値から、その運転時におけるドライガスシールの健全性を判定する。記憶装置44は上記の演算装置43で求めた近似曲線のデータを記憶するもの、表示装置45は演算装置43で演算した判定結果を表示するものである。
【0038】
上記構成の実施の第4形態において、演算装置43では、まずドライガスシール部100の過去の運転データを取込んで記憶装置44に記憶し、ドライガスシール部100の時間の経過に伴う一次リーク量又は圧力値を各時間毎に蓄積しておき、これらデータに基づいて、圧縮機をトリップすべき一次リーク量又は圧力値となるまでのガスリーク量又は圧力の近似曲線を求め、これらデータを記憶装置44に記憶させておく。
【0039】
又、記憶装置44には、予め圧縮機80の一次リーク量又は圧力の保証値、基準値、アラーム値、トリップ値を設定しておく。保証値は、設計上定められた保証一次リーク量又は圧力であり、基準値は、保証値×1.8倍、アラーム値は、保証値×4倍、トリップ値は、保証値×8倍に設定し、これらの設定値は、運転中のドライガスシールの一次リーク量又は圧力が基準値を越え、アラーム値となるとアラームを発し、トリップ値となると圧縮機をトリップさせるために用いる。
【0040】
演算装置43では、圧縮機運転中に任意の時間において、定められた時間間隔で数回流量計65、圧力計40からのデータを取込み、これら数回の測定値を基に、最小2乗法等の数学的手法により、一次リーク量又は圧力値の上昇率を求め、予め設定したトリップ値に達するまでの運転中の特性曲線を推定して算出する。
【0041】
演算装置43では、又、記憶装置44に記憶されている近似曲線データと測定値から堆積した運転中の特性曲線とを比較し、まず、近似曲線から、現時点から圧縮機をトリップするまでの時間を求め、これを表示装置45に表示し、運転員はこれを監視することにより、この結果に基いて計画的にプラントを停止することができるので、そのための準備等が事前に計画的に行うことができる。
【0042】
又、演算装置43は、運転中に推定した特性曲線と予め記憶している近似曲線とを比較し、トリップ値までに至る時間が予め定めた誤差±α(%)を越えていると、アラーム表示を表示装置45に表示させ、圧縮機のドライガスシール部100にゴミ等が過度に侵入し、異常な状態にすることを運転員に知らせる。又、現時点もしくは現時点に近い時間に一次リーク量又は圧力が予め設定したアラーム値を越える時も、もちろん、アラームの表示を行う。従って、ドライガスシール部100が定常状態と異なる異常な一次リーク量又は圧力の上昇が早期に発見でき、重大な事故の発生を事前に防止することができる。
【0043】
図6は本発明の実施の第4形態の演算装置43で実施される内容をグラフで示した図である。図において、縦軸は一次リーク量又は圧力であり、横軸は時間である。曲線S0 は過去の運転の実績データから求められた基準となる近似曲線であり、記憶装置44に記憶されている。D1 は保証値、D2 は基準値、D3 はアラーム値、D4 はトリップ値であり、予め設定され記憶装置44に記憶されている。S1 ,S2 は運転中の推定特性曲線であり、時間t1 ,t2 ,t3 における測定値よりその増加率を最小2乗法、等の数学的手法により求められた結果である。
【0044】
αはS0 により定まるトリップ値D4 に至る時間t4 からの誤差の範囲であり、S1 ,S2 により推定された曲線の誤差がこの範囲内であれば、ドライガスシール部が定常な状態で劣化してゆくので、圧縮機のトリップする時間はほぼS0 の近似曲線で決定されるものと判断される。誤差がこの範囲αを越えると現時点においてドライガスシール部にゴミ等の侵入があり、接触等の重大な事故が発生する可能性が大きいと判断される。図示の例ではS1 ,S2 共、トリップ値D4 の誤差はα1 ,α2 であり、それぞれαよりも小さいので正常であると判断される。
【0045】
又、現時間t3 からの正常な状態でドライガスシール部の劣化によりカーボン量等が徐々に増え、部品の補修、取付等を行うために圧縮機をトリップさせる時間は、近似曲線S0 と設定値であるトリップ値D4 とから時間t4 がわかり、T時間後がトリップの時期と予測される。この間に計画的なプラントの停止のための準備ができる。又、トリップ値に至達する時間の誤差が異常に大きい場合には、数時間後に事前に緊急停止させるような判断もできる。
【0046】
【発明の効果】
本発明のドライガスシールの健全性管理方法は、(1)圧縮機のドライガスシール部からのガスリーク量の実績データのうち、基準値を超えたデータの時間から同圧縮機をトリップすべきガスリーク量となる時間までの間のガスリーク量の近似曲線を前記実績データの傾向をプロットすることにより推定して求めておき;圧縮機運転中の任意の時間間隔でのガスリーク量を検出手段により数点測定し;同数点の測定値と前記近似曲線とを比較し、同近似曲線の前記トリップ時間から、同運転中の測定時点から前記圧縮機をトリップするまでの到達時間を推定することを基本的な方法としている。そして、ガスリーク量はドライガスシール部での摩耗により発生し、ガス中に含まれるカーボン量に比例するので、カーボン等の異物の量を測定することにより上記の方法を実施する。そのためにサイクロン式分離器を用いて異物をガス中から分離し、この量を測定する。
このような方法を用いると、従来は運転員がその都度リーク量を測定して読み取り、その都度経験により運転続行するか否か判断していたが、圧縮機の正常な劣化においてトリップに至るまでの時間が事前に決定され、計画的な圧縮機の停止を行うことができる。又、そのための関連プラントの停止のための準備も計画的に行うことができ、圧縮機のみならずプラント全体の運転の信頼性が向上する。
【0047】
又、本発明の(2)では分離器の容器を透明とし、容器外からカメラにより異物の量を測定することにより実施し、(3)においては容器外に異物を吸引して取出し、その量を測定するのでガスリーク量の測定が簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1〜第3形態に係るドライガスシールの健全性管理方法を適用する装置系統図である。
【図2】本発明の実施の第1形態に係る図1の装置に用いられるサイクロン式セパレータの断面図である。
【図3】本発明の実施の第2形態に係る図1の装置に用いられるサイクロン式セパレータの断面図及びその判定装置の構成図である。
【図4】本発明の実施の第3形態に係る図1の装置に用いられるサイクロン式セパレータの断面図及びその判定装置の構成図である。
【図5】本発明の実施の第4形態に係るドライガスシールの健全性管理方法を適用する装置のブロック図である。
【図6】本発明の実施の第4形態に係るドライガスシールの健全性管理方法の原理を示す図である。
【図7】圧縮機のドライガスシール部を示す一般的な断面図と、従来の圧縮機をトリップする装置の構成図である。
【図8】図7に示す従来のトリップ装置の詳細な系統図である。
【符号の説明】
1 サイクロン式セパレータ
2,3,4,5 開閉弁
11 入口
12,13 出口
14 ホッパ
15 上部容器
16 下部容器
17 接続部
18 フィルタ
20 カメラ
21 画像処理装置
22 自動判定装置
23,34,45 表示装置
30 吸引口
32 吸引装置
33 自動測定装置
35 制御装置
40 圧力計
41,42 A/D変換器
43 演算装置
44 記憶装置
Claims (3)
- 圧縮機のドライガスシール部からのガスリーク量の実績データのうち、基準値を超えたデータの時間から同圧縮機をトリップすべきガスリーク量となる時間までの間のガスリーク量の近似曲線を前記実績データの傾向をプロットすることにより推定して求めておき;圧縮機運転中の任意の時間間隔でのガスリーク量を検出手段により数点測定し;同数点の測定値と前記近似曲線とを比較し、同近似曲線の前記トリップ時間から、同運転中の測定時点から前記圧縮機をトリップするまでの到達時間を推定するドライガスシールの健全性管理方法であって、前記ガスのリーク量はサイクロン式分離器で分離したガス中に含まれるカーボン等の異物の量から推定することを特徴とするドライガスシールの健全性管理方法。
- 前記サイクロン式分離器の容器は透明な容器からなり、前記ガスリーク量は同分離器の下部に堆積した前記異物を容器外からカメラで撮影し、異物の画像から推定することを特徴とする請求項1記載のドライガスシールの健全性管理方法。
- 前記異物は前記サイクロン式分離器の容器外に吸引装置で吸引して取出し、測定することを特徴とする請求項1記載のドライガスシールの健全性管理方法。
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