JP4332232B2 - クランクプーリの構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクシャフト先端部に嵌合され、クランクシャフトの回転を内燃機関周辺の他の機器に伝達し駆動させるためのクランクプーリの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のクランクプーリは、内燃機関のクランクシャフト外周部に嵌合するボス部と、ウォータポンプやジェネレータ等の駆動用ベルトと係合するプーリ部とを有していた。また、前記ボス部とクランクシャフトとは、クランクシャフト外周面に固定されたキーを嵌合部の内周面に形成されたキー溝に嵌入させることにより回り止めされていて、クランクプーリがクランクシャフトと共に回転するようになっている。
【0003】
又、クランクプーリを、オイルポンプ駆動用クランクシャフト先端部に取付けた軸継手を介して取付けた構造を開示したものに特開平5−321924号公報がある。
更に、クランクプーリとクランクシャフトを駆動する内燃機関本体との間には、焼結金属から成るドライブスペーサが介在していた。
【0004】
尚、トロコイドポンプを内燃機関のオイルポンプとしたものにおいては、トロコイドポンプのインナロータに形成された2面巾と、ドライブスペーサ外周面に形成された2面巾とを合致させることにより両者を嵌合し、クランクプーリの回転力をトロコイドポンプの駆動源としていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のクランクプーリにおいては、クランクプーリとクランクシャフトを駆動する内燃機関本体との間にドライブスペーサが介在する別体構造とされていたため、部品点数が増加していた。更には、ドライブスペーサとインナロータとの間に摩耗等が生じ、メンテナンスの頻度が増加してしまう等の問題点があった。
【0006】
また、トロコイドポンプを有する内燃機関のクランクシャフトにクランクプーリを取り付ける際、クランクプーリの外周面の2面巾をトロコイドポンプのインナロータの2面巾に合致させると、キー位置とキー溝位置とがずれていて、取付けができないことがあった。
即ち、図2で示すように、アウタロータ8の内周面を回動自在とされるインナロータ9が、クランクプーリ組み付け時にずれていて、2面巾が角度θ傾いている場合(同図中、点線位置)、この2面巾にクランクプーリの2面巾を合致させるとキー溝も角度θだけずれてしまい、クランクシャフトのキーはキー溝と合致せず、嵌合部の他の位置と当接してしまう。
【0007】
この場合には、クランクシャフトへのクランクプーリの取付け作業を一旦中断し、トロコイドポンプの2面巾の傾きを調整し、再び取付け作業を行なう必要があり、組付け作業性が悪化してしまうといった問題点があった。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、クランクプーリのボス部にドライブスペーサの機能を持たせると共に、オイルポンプとしてのトロコイドポンプを有する内燃機関のクランクシャフトに取り付ける際の作業性をも向上することができるクランクプーリを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、内燃機関のクランクシャフト先端部外周に嵌合され、かつオイルポンプとしてのトロコイドポンプのインナロータであって、その内周面に2面巾が形成されたインナロータがその外周に嵌合される所定の軸方向長さのボス部と、該ボス部と連なって形成され内燃機関の周辺機器の駆動用ベルトと係合するプーリ部と、前記ボス部の内周面に形成されて、クランクシャフトの軸方向に延びクランクシャフト先端部外周に固定されたキーに嵌合するキー溝と、を有し、前記キー溝のキー挿入入口側には、前記ボス部の外周面の2面巾を前記インナロータの内周面の2面巾に合致させた後、前記キー溝と前記キーとを嵌合するときに、前記キー溝が前記キーに対して角度ずれを生じても前記キーを挿通可能な溝巾に拡大され、かつ、前記キー溝が前記キーに対して角度ずれが生じてもスムーズに摺動するようにキー溝に比べて大きな溝深さに拡大された拡大溝部を設ける。
【0009】
かかる構成によれば、トロコイドポンプのインナロータの2面巾にクランクプーリの2面巾を合致させた後、インナロータ内にクランクプーリを挿通する際、クランクシャフトのキーは、キー溝にまず拡大溝部を経て、挿通される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
本発明によるクランクプーリは、図1(A)及び(B)に示すように、外周面に2面巾aが施され、後述する所定の軸方向長さのボス部1と、このボス部1の径よりも大きな径を有し外周面にウォータポンプやジェネレータ等の駆動用ベルトと係合するためのベルト溝5を有するプーリ部2とを備えている。
【0012】
尚、ボス部1の軸方向長さは、従来のボス部に対して、従来のドライブスペーサの軸方向長さ分を加えた長さに設定される。
更に、ボス部1の内周面には、キー溝3と拡大溝部4とが軸方向に連続して形成されている。また、拡大溝部4の深さとキー溝3の深さとは拡大溝部4の方が、若干大きく設定し、クランクシャフトが挿通される際、クランクシャフト先端部に形成されたキー(図示せず)が、拡大溝部4からキー溝3へスムーズに摺動するようになっている。
【0013】
キー溝3は、クランクシャフトの先端部に形成されたキーの巾と略同一寸法の巾を有し、クランクシャフトの挿通方向に延びて形成されており、クランクプーリに対してクランクシャフトを軸方向へ挿通させる際に、キーを軸方向に摺動させつつ回転方向には係止するものである。
拡大溝部4は、ボス部1のクランクシャフトの挿通口7から挿通方向に延びキー溝3に連続して形成されており、キー溝3よりも幅広である。更に、拡大溝部4は鋳抜きであるため、クランクプーリの鋳造時に作り込んでおくことができ、拡大溝部4の形成のための新たな工程(例えば、切削工程等)を必要としない。
【0014】
また、プーリ部2には、周方向に突起した突起部6a〜dを有するTDCプレート6が圧入されている。
尚、突起部6a〜dは、内燃機関のピストンの上死点と対応する位置に形成されており、センサによって検知可能とされている。従って、センサによって突起部6a〜dを検知した時は、常時ピストンの上死点であるため、直接検出することができ、検出をを簡単にすることができると共に、取付スペースを有効に利用しているので、エンジンの長さ寸法の短縮化、エンジンのレイアウトの効率化が図れる。尚、クランクプーリとクランクシャフトの間にTDC等検出用プレートを挟持する構造が特開平7−127479号公報に開示されている。
【0015】
次に、上記構成のクランクプーリにおけるクランクシャフトへの取付け動作について説明する。
まず、内燃機関のオイルポンプとしてのトロコイドポンプに対して、クランクプーリの挿通口7を近接し、クランクプーリの2面巾aとトロコイドポンプの2面巾とを合致させる。
【0016】
これら2面巾を合致させたまま、クランクプーリを内燃機関本体側へ押し付けて、トロコイドポンプのインナロータ内周面に対してクランクプーリの嵌合部外周面を摺動させ挿通する。この時、拡大溝部4はキー溝3の本来の溝巾より巾広であるため、図2で示すように、トロコイドポンプにおけるインナロータ9の2面巾が反時計回りに角度θ傾いていたとしても、クランクシャフトのキーを挿通することができる。
【0017】
次に、拡大溝部4にクランクシャフトのキーを挿通させた状態で、キー溝3とキーの位置が合致するように、クランクプーリを時計回りに角度θ回転させる。キー溝3とキーの位置が合致した時点で、再びクランクプーリを内燃機関本体側へ押し付け、クランクシャフトを挿通すると共にキーをキー溝3に沿って摺動させる。
【0018】
クランクシャフトがボス部1の終端位置まで挿通された後、クランクシャフトとクランクプーリとを螺合等により結合し、クランクプーリの取付け作業が完了する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、キー及びキー溝3の断面形状が矩形でなくてもよく、また拡大溝部4の巾を図1に示すものよりも広く或いは狭く(キー溝3の巾よりは広くする必要がある)して形成してもよい。
【0019】
また、拡大溝部4の巾方向に対する中心からずれた位置にキー溝3が形成されていてもよい。
【0020】
【発明の効果】
本実施形態によれば、クランクプーリのボス部にドライブスペーサの機能を持たせることができ、また、クランクシャフトを挿通する際、クランクシャフトのキーがキー溝を挿通するのに先立ち、巾広の拡大溝部を挿通するので、キー溝位置のずれを巾広分だけ吸収でき、キーに対するキー溝の位置の調整を容易とすることができる。よって、トロコイドポンプを有する内燃機関のクランクシャフトへ取り付ける際にも、作業性を向上することができる。
【0021】
また本実施形態によれば、鋳物から成るクランクプーリの鋳造段階で、拡大溝部を作り込むことができ、別工程にて拡大溝部を形成するために切削加工するよりも製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるクランクプーリの構造を示す図であり、(A)は縦断面図、(B)は(A)中A方向からみた正面図である。
【図2】本発明又は従来のクランクプーリと嵌合するトロコイドポンプの模式図である。
【符号の説明】
1…ボス部
2…プーリ部
3…キー溝
4…拡大溝部
Claims (2)
- 内燃機関のクランクシャフト先端部外周に嵌合され、かつオイルポンプとしてのトロコイドポンプのインナロータであって、その内周面に2面巾が形成されたインナロータがその外周に嵌合される所定の軸方向長さのボス部と、
該ボス部と連なって形成され内燃機関の周辺機器の駆動用ベルトと係合するプーリ部と、
前記ボス部の内周面に形成されて、クランクシャフトの軸方向に延びクランクシャフト先端部外周に固定されたキーに嵌合するキー溝と、
を有し、
前記キー溝のキー挿入入口側には、前記ボス部の外周面の2面巾を前記インナロータの内周面の2面巾に合致させた後、前記キー溝と前記キーとを嵌合するときに、前記キー溝が前記キーに対して角度ずれを生じても前記キーを挿通可能な溝巾に拡大され、かつ、前記キー溝が前記キーに対して角度ずれが生じてもスムーズに摺動するようにキー溝に比べて大きな溝深さに拡大された拡大溝部を設けた、
ことを特徴とするクランクプーリの構造。 - 前記拡大溝部は、クランクプーリ鋳造時に鋳抜きにより形成される、
ことを特徴とする請求項1記載のクランクプーリの構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26399797A JP4332232B2 (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | クランクプーリの構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26399797A JP4332232B2 (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | クランクプーリの構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11101332A JPH11101332A (ja) | 1999-04-13 |
| JP4332232B2 true JP4332232B2 (ja) | 2009-09-16 |
Family
ID=17397120
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26399797A Expired - Fee Related JP4332232B2 (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | クランクプーリの構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4332232B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101598044B (zh) | 2008-11-27 | 2011-12-07 | 包敢锋 | 智能可变气门调节装置带轮及其制备方法 |
-
1997
- 1997-09-29 JP JP26399797A patent/JP4332232B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11101332A (ja) | 1999-04-13 |
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