JP4334673B2 - 紙葉類繰り出し装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば紙幣計数機等の各種紙葉類処理機に用いられる紙葉類繰り出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙幣計数機等に用いられる紙葉類繰り出し装置は、集積状態にある紙幣等の紙葉類を一枚ずつ繰り出して、所定の次工程部(例えば識別工程部)へ搬送するように構成されている。このような紙葉類繰り出し装置は一般に、集積状態の紙葉類の繰り出しを行うためのキッカローラおよびフィードローラを備えている。
【0003】
これらのキッカローラおよびフィードローラは、同一の外周長を有し、共に外周の一部に高摩擦部が形成されている。また、フィードローラに対向してゲート部材を設けることで、両者の間に、繰り出される紙葉類を1枚ずつに分離するためのゲート部が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の紙葉類繰り出し装置は、以下のような問題点がある。すなわち、紙葉類が上記ゲート部を通過する際に、当該紙葉類の左右両側で抵抗が異なると、より抵抗の小さい側が先行した斜行状態で繰り出されてしまう。
【0005】
そして、繰り出された紙葉類が斜行状態のまま搬送されると、搬送詰まり(搬送ジャム)を誘発しやすくなる。また、搬送詰まりを起こした場合は、所定のリジェクト機構によって詰まった紙葉類を装置外へ排出(リジェクト)させることとなり、連続処理能力の低下を招く原因となっている。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、紙葉類の斜行矯正を円滑かつ効果的に行うことで優れた連続処理能力を実現できるような紙葉類繰り出し装置を提供することを主目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の手段は、集積状態の紙葉類の繰り出しを行うためのキッカローラおよびフィードローラと、前記フィードローラに対向して設けられ、前記フィードローラとの間で、繰り出される紙葉類を1枚ずつに分離するためのゲート部を形成するゲート部材と、前記フィードローラと略同径で且つ同軸に設けられた搬送ローラと、前記ゲート部よりも下流側において前記搬送ローラに対向して設けられると共に、前記搬送ローラに対する押圧力を、強圧状態と、この強圧状態よりも弱いか又は0である弱圧状態とで切換可能なピンチローラと、前記ピンチローラよりも下流側に設けられると共に、紙葉類の搬送路内に進出して当該紙葉類の少なくとも左右両側部分の先端縁が当接可能となる進出状態と、前記搬送路内から退去した退去状態とを切換可能なストッパと、少なくとも、繰り出された紙葉類の先端縁が前記ストッパの位置に到達する直前から、当該位置に到達した後所定時間が経過するまでの期間、前記ストッパを進出状態にし、前記ピンチローラを弱圧状態にしておくと共に、それ以外の期間内においては、前記ストッパおよび前記ピンチローラを、それぞれ任意の期間だけ、退去状態および強圧状態にしておくための切換手段とを備えたことを特徴とする紙葉類繰り出し装置である。
【0008】
この第1の手段によれば、まず集積状態の紙葉類が、ゲート部で1枚ずつに分離されながら、キッカローラおよびフィードローラによって繰り出されて行く。そして、少なくとも繰り出された紙葉類の先端縁がストッパの位置に到達する直前には、搬送ローラに対向したピンチローラが弱圧状態にされ、搬送ローラによる紙葉類の搬送力は相対的に弱いものとなっている。また、このときストッパが進出状態にされているので、繰り出される紙葉類がストッパの位置まで到達すると、当該紙葉類の先端縁がストッパに当接する。その後、所定時間が経過するまでの間、当該紙葉類の先端縁をストッパに当接させた状態で、各ローラから当該紙葉類に比較的弱い搬送力が加え続けられる。このことにより、当該紙葉類の斜行矯正が円滑かつ効果的に行われる。そして、当該紙葉類の斜行矯正後(上記所定時間の経過後)において、ストッパを退去状態にし、ピンチローラを強圧状態にすることで、当該紙葉類が、搬送ローラとピンチローラとの間で強く挟持されて比較的強い搬送力が加えられた状態で、確実に搬送路下流側へ繰り出されて行く。
【0009】
第2の手段は、第1の手段において、前記ゲート部と前記ストッパとの間において、繰り出される紙葉類の斜行量を検出するための斜行量検出手段と、前記斜行量検出手段により所定量以上の斜行が検出された場合、その時点で前記キッカローラおよび前記フィードローラを一時的に逆転させて当該紙葉類を前記ゲート部よりも上流側へ戻すための斜行リトライ制御手段とを更に備えたものである。
【0010】
この第2の手段によれば、第1の手段において、ゲート部とストッパとの間で紙葉類の所定量以上の斜行が発生して、完全な斜行矯正が困難である場合、そのような状態の紙葉類を予め検出して、ゲート部よりも上流側へ戻し、繰り出しをやり直すことができる。このため、斜行矯正が不十分な紙葉類が搬送路下流側へ繰り出されて行くのを防止することができる。
【0011】
第3の手段は、第1の手段において、前記ストッパの直前における紙葉類の斜行量を検出するための斜行量検出手段と、前記切換手段が前記ストッパを退去状態にする直前において、前記斜行量検出手段により所定量以上の斜行が検出された場合、その時点で前記キッカローラおよび前記フィードローラを一時的に逆転させて当該紙葉類を前記ゲート部よりも上流側へ戻すための斜行リトライ制御手段とを更に備えたものである。
【0012】
この第3の手段によれば、第1の手段において、切換手段がストッパを退去状態にする直前に、ストッパによる紙葉類の斜行矯正によってもなお所定量以上の斜行が残っている場合、そのような状態の紙葉類を検出して、ゲート部よりも上流側へ戻し、繰り出しをやり直すことができる。このため、斜行矯正が不十分な紙葉類が搬送路下流側へ繰り出されて行くのを防止することができる。
【0013】
第4の手段は、第1乃至第3の手段のいずれかにおいて、前記ゲート部と前記ストッパとの間において、繰り出される紙葉類の重複を検出するための重複検出手段と、前記重複検出手段により紙葉類の重複が検出された場合、その時点で前記キッカローラおよび前記フィードローラを一時的に逆転させて、当該紙葉類を前記ゲート部よりも上流側へ戻すための重複リトライ制御手段とを更に備えたものである。
【0014】
この第4の手段によれば、第1乃至第3の手段のいずれかにおいて、ゲート部とストッパとの間で紙葉類の2枚以上の重複が発生している場合、そのような状態の紙葉類を検出して、ゲート部よりも上流側へ戻し、繰り出しをやり直すことができる。このため、紙葉類が2枚以上重複した状態で搬送路下流側へ繰り出されて行くのを防止することができる。
【0015】
第5の手段は、集積状態の紙葉類のうち最前位の紙葉類の表面に当接して当該紙葉類の蹴り出しを行うための高摩擦部が、全外周に形成されたキッカローラと、前記キッカローラによって蹴り出された紙葉類の表面に当接して当該紙葉類の繰り出しを行うための高摩擦部が、外周の一部に形成されたフィードローラと、前記フィードローラに対向して設けられ、前記フィードローラとの間で、繰り出される紙葉類を1枚ずつに分離するためのゲート部を形成するゲート部材と、前記キッカローラの近傍に進退自在に設けられ、進出時に前記最前位の紙葉類を押圧して前記キッカローラとの接触を断ち、退去時に前記最前位の紙葉類を前記キッカローラと接触させるように構成された押圧部材と、前記最前位の紙葉類に対して前記フィードローラの高摩擦部が接触してから、当該紙葉類の後端部が前記キッカローラから離脱するまでの間だけ前記押圧部材を退去させておき、それ以外の間は前記押圧部材を進出させておくための進退切換手段とを備えたことを特徴とする紙葉類繰り出し装置である。
【0016】
この第5の手段によれば、最前位の紙葉類に対してフィードローラの高摩擦部が接触してから、当該紙葉類の後端部がキッカローラから離脱するまでを「蹴出し必要期間」とすると、当該蹴出し必要期間の間だけ、キッカローラが当該紙葉類に接触していることになる。従って、全外周に高摩擦部が形成されたキッカローラによっても、進退切換手段による簡単な切換動作だけで、上記蹴出し必要期間の間だけ当該紙葉類を蹴り出すようにすることができる。
【0017】
第6の手段は、第5の手段において、前記キッカローラは、紙葉類の繰り出し方向長さよりも短い外周長を有するものである。
【0018】
この第6の手段によれば、第5の手段において、キッカローラが紙葉類の繰り出し方向長さよりも長い外周長を有している場合に比べて、キッカローラの外径を小さくすることができる。このようにキッカローラの外径を小さくすることで、キッカローラをよりフィードローラ側に近づけることが可能となる。従って、最前位の紙葉類に対するキッカローラの接触位置を、蹴り出し方向のより前方に設定することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1乃至図12は、本発明による紙葉類繰り出し装置の実施の形態を示す図である。以下、本実施形態の全体構成、各部の具体的構成、動作・作用および効果、並びに変形例について順次説明する。
【0020】
[全体構成]
図1及び図2において、紙葉類繰り出し装置は、集積状態の紙葉類(例えば紙幣)Pを左方(図1にあっては左下方)に向かって順次繰り出すように構成されている。以下、紙葉類Pの繰り出し方向と厚さ方向の両者に直交した方向を、紙葉類Pの幅方向(左右方向)という。
【0021】
この紙葉類繰り出し装置は、図1における反時計回り方向に回転(正転)して上記紙葉類Pの繰り出しを行うためのキッカローラ1およびフィードローラ2を、左右一対ずつ備えている。このうちの各フィードローラ2に対向して、それぞれゲートローラ(ゲート部材)3が設けられている。これらのゲートローラ3は、対応するフィードローラ2との間で、繰り出される紙葉類Pを1枚ずつに分離するためのゲート部Gを形成している。
【0022】
ここで、上記紙葉類Pは、図1に示す集積部10内に略水平状態で集積され、上方から押圧板15によって押さえ付けられている。(なお、本明細書において、集積状態の紙葉類Pのうち、繰り出される側の一番手前の紙葉類Pを「最前位」の紙葉類Pという。従って、この場合のように、紙葉類Pが略水平状態で集積されている場合は、一番下の紙葉類Pが「最前位」の紙葉類Pとなる。)この集積部10は、底板11と、前側板12とを有している。このうち前側板12は、集積状態の紙葉類Pの繰り出し側端部が当接するようになっている。
【0023】
また、集積部10の前側板12下端(底板11前端)部分から前下方(図1の左下方)に向かって、紙葉類Pの搬送路14が延びている。この搬送路14は、集積部10の前側板12下端に繋がる上ガイド板15と、集積部10の底板11前端に繋がる下ガイド板16との間に形成されている。なお、搬送路14の終端部には、繰り出された紙葉類Pを次工程部に送るための一対の送りローラR2が 設けられている。
【0024】
次に図2に示すように、各フィードローラ2の外側に、それぞれ搬送ローラ4が設けられている。これらの搬送ローラ4は、フィードローラ2と略同径で且つ同軸に設けられている。なお、これらの搬送ローラ4は、図2ではフィードローラ2と一体に設けられているが、フィードローラ2と別体に設けられていてもよい。
【0025】
次に、図1及び図2に示すように、ゲート部Gよりも紙葉類繰り出し方向の下流側において、各搬送ローラ4に対向して、それぞれピンチローラ5が設けられている。これらのピンチローラ5は、対応した搬送ローラ4に対する押圧力を、「強圧状態」と、この強圧状態よりも極めて弱いか又は0である「弱圧状態」とで切換可能に構成されている。
【0026】
次に、ピンチローラ5よりも下流側において、上記搬送路14に対応して複数の棒状ストッパ6,6’が設けられている。これらのストッパ6,6’は、上記搬送路14内に進出した「進出状態」と、搬送路14内から退去した「退去状態」とを切換可能となっている。また、これらのストッパ6,6’は、その「進出状態」において、搬送路14内に繰り出される紙葉類Pの先端縁が当接可能となっている。
【0027】
次に、図3に示すように、上記ピンチローラ5及びストッパ6,6’の状態を切り換えるための切換手段7が設けられている。本実施形態においては、この切換手段7は、
(i)紙葉類Pの繰り出し開始から、当該紙葉類Pの先端縁がストッパ6,6’の位置に到達した後所定時間が経過するまでの間、ストッパ6,6’を「進出状態」にしておくと共に、上記ピンチローラ5を「弱圧状態」にしておき、
(ii)上記所定時間の経過後、当該紙葉類Pの後端部がピンチローラ5から離脱するまでの間は、ストッパ6を「退去状態」にしておくと共に、ピンチローラ5を「強圧状態」にしておき、
(iii)当該紙葉類Pの後端部がピンチローラ5から離脱してから、次の紙葉類 Pの繰り出し開始までの間は、ストッパ6を引き続き「退去状態」にしておくと共に、ピンチローラ5を再び「弱圧状態」にしておく
ように構成されている。
【0028】
この切換手段7は、さらに図4に示すピンチローラ切換手段7Aと、図5に示すストッパ切換手段7Bとからなっているが、それらの具体的な構成については後述する。
【0029】
次に、図1及び図2に示すように、上記各キッカローラ1の外側近傍に、それぞれ押圧部材8が設けられている。これらの押圧部材8は、各キッカローラ1と共に、集積部10の底板11を貫通して集積部10内に突出している。また、これらの押圧部材8は、各キッカローラ1の上端部を基準として上下方向に進退自在となっており、
(i)進出時に最前位の紙葉類Pを押圧してキッカローラ1との接触を断ち、
(ii)退去時に最前位の紙葉類Pをキッカローラ1と接触させる
ように構成されている。
【0030】
また、図3に示すように、後述する「蹴出し必要期間」の間だけ上記押圧部材8を退去させておき、それ以外の間は押圧部材8を進出させておくための進退切換手段9が設けられている。この進退切換手段9の具体的構成は図6に示されているが、その内容についても後述する。
【0031】
次に、図1及び図2に示すように、ゲート部Gとストッパ6,6’との間に左右一対の第1フォトセンサS1,S1’と、左右一対の第2フォトセンサS2,S2’とが設けられている。このうち第1フォトセンサS1,S1’は、当該部分における紙葉類Pの斜行量を検出するための第1の斜行量検出手段と、繰り出される紙葉類Pの重複を検出するための重複検出手段とを兼ねている(図3参照)。また、上記第2フォトセンサS2,S2’は、ストッパ6,6’の直前における紙葉類Pの斜行量を検出するための第2の斜行量検出手段をなしている(図3参照)。
【0032】
ここで図3に示すように、この紙葉類繰り出し装置は、斜行リトライ制御手段C1と重複リトライ制御手段C2とを含む制御部Cを備えている。この制御部Cには、上記の第1および第2フォトセンサS1〜S2’、切換手段7、進退切換手段9、および各ローラ1,2,4等を駆動するためのローラ駆動手段Dが接続されている。
【0033】
上記斜行リトライ制御手段C1は、
(i)ゲート部Gとストッパ6,6’との間で、(上記第1の斜行量検出手段としての)第1フォトセンサS1,S1’により所定量以上の斜行が検出された場合、
(ii)その時点で、キッカローラ1およびフィードローラ2を一時的に逆転させて、当該紙葉類Pをゲート部Gよりも上流側(すなわち集積部10内)へ戻す
ように構成されている。
【0034】
また、上記斜行リトライ制御手段C1は、
(i’)上記ストッパ切換手段7Bがストッパ6,6’を「退去状態」にする直前において、上記第2フォトセンサS2,S2’により所定量以上の斜行が検出された場合、
(ii’)その時点で、キッカローラ1およびフィードローラ2を一時的に逆転させて、当該紙葉類Pをゲート部Gよりも上流側へ戻す
ようにも構成されている。
【0035】
そして、上記重複リトライ制御手段C2は、
(i)第1フォトセンサS1,S1’により紙葉類Pの重複が検出された場合、
(ii)(上記斜行リトライ制御手段C1における(ii)と同様に、)その時点で 、キッカローラ1およびフィードローラ2を一時的に逆転させて、当該紙葉類Pをゲート部Gよりも上流側へ戻す
ように構成されている。
【0036】
[各部の具体的構成]
次に、上記の(1)キッカローラおよびフィードローラ、(2)ゲートローラ、(3)ストッパ、(4)ピンチローラ切換手段、(5)ストッパ切換手段、(6)押圧部材および進退切換手段ならびに(7)第1フォトセンサおよび第2フォトセンサの具体的構成について順次説明する。
【0037】
(1)キッカローラおよびフィードローラ
まず、図1及び図2を参照して、上記キッカローラ1およびフィードローラ2の具体的構成について説明する。各キッカローラ1は、集積状態の紙葉類Pのうち最前位の紙葉類Pの表面に当接して当該紙葉類Pの蹴り出しを行うための高摩擦部10が、全外周に形成されている。各キッカローラ1は、紙葉類Pの繰り出し方向長さよりも短く、またフィードローラ2の外周長より短い外周長を有している。また、各キッカローラ1は、その上部が上記集積部10の底板11を貫通して集積部10内に突出している。
【0038】
なお、キッカローラ1の(紙葉類繰り出し方向における)後方側に、左右一対の補助ローラR1が自由回転可能に設けられている。各補助ローラR1は、キッカローラ1と同様、その上部が上記集積部10の底板11を貫通して集積部10内に突出している。これらの補助ローラR1は、キッカローラ1による紙葉類Pの 円滑な蹴り出しを確保するためのものである。
【0039】
一方、各フィードローラ2は、キッカローラ1によって蹴り出された紙葉類Pの表面に当接して当該紙葉類Pの繰り出しを行うための高摩擦部20が、外周の一部(この場合は周方向に約60°の範囲)に形成されている。また図2に示すように、各フィードローラ2の外周面部分には、2条の凹溝2aによって区画された3条の突環部2bが形成されている。上記高摩擦部20は、これらの突環部2bに設けられている。
【0040】
なお、各キッカローラ1および各フィードローラ2は、上記ローラ駆動手段(図3参照)によって、同一周速で同期回転するように構成されている。(なお、各キッカローラ1は、フィードローラ2の外周長より短い外周長を有しているので、その回転速度はフィードローラ2の回転速度よりも早くなる。)
(2)ゲートローラ
次に図2を参照して、上記ゲートローラ3の具体的構成について説明する。各ゲートローラ3の外周面部には、中央の凹溝部3aによって区画された2条の突環部3bが形成されている。このうち、凹溝部3aはフィードローラ2における中央の突環部2bに対応し、各突環部3bはフィードローラ2の各凹溝部2aにそれぞれ対応している。そして、各ゲートローラ3と、対応するフィードローラ2との間における、凹溝部2a,3aおよび突環部2b,3b相互の入り組みによって、紙葉類Pを1枚ずつに分離するための上記ゲート部Gが形成されている。
【0041】
なお、各ゲートローラ3は、通常は固定状態にされて回転しないが、定期的に図1の反時計回り方向に回転させることで、偏摩耗を防止することができるようになっている。
【0042】
(3)ストッパ
次に、上記複数のストッパ6,6’は、図2に示すように、繰り出される紙葉類Pの幅方向に略等間隔で配置されている。そのうち、当該紙葉類Pの左右両端部に対応した一番外側の一対のストッパ6’は、他の複数のストッパ6に対して、僅かに紙葉類繰り出し方向にずらして配置されている。
【0043】
このことにより、図2に一点鎖線で示すような斜行状態の紙葉類Pが最初にストッパに衝突する際の衝撃を、一番外側の一対のストッパ6’とそのすぐ内側のストッパ6とに分散させ、当該紙葉類Pの変形や損傷を軽減させることができるようになっている。
【0044】
(4)ピンチローラ切換手段
次に図4を参照して、ピンチローラ5の状態(押圧力)を切り換えるための上記ピンチローラ切換手段7Aの具体的構成について説明する。図4に示すように、ピンチローラ切換手段7Aはピンチローラ・レバー50、押圧レバー55、第1カムレバー57、第1カムローラ58およびピンチローラ用カム59を有している。
【0045】
このうちピンチローラレバー50は、ゲートローラ3の軸32回りに回動自在に設けられ、引張りばね51の比較的弱い弾性力によって図4の反時計回り方向に付勢されている。そして、このピンチローラ・レバー50に対してピンチローラ5が回動自在に設けられている。また、ピンチローラ・レバー50には、ピン52が突設されている。
【0046】
次に、上記押圧レバー55と第1カムレバー57とは、共通の軸56回りに回動自在に設けられ、両者が一体的に連動するようになっている。このうち押圧レバー55の先端側には切欠部55aが形成され、この切欠部55a内に上記ピンチローラ・レバー50のピン52が係合している。また、第1カムレバー57の先端部には、上記第1カムローラ58が回動自在に設けられている。
【0047】
次に、上記ピンチローラ用カム59は、フィードローラ2と同軸に設けられ、フィードローラ2および搬送ローラ4と同期回転するようになっている。このピンチローラ用カム59には、高所59aおよび低所59bを有した溝部59cが形成されている。これらの高所59aおよび低所59bは、フィードローラ2の高摩擦部20との関係で位置決めされている。そして、ピンチローラ用カム59の溝部59c内に、上記第1カムローラ58が係合している。
【0048】
そして、このピンチローラ切換手段7Aは、フィードローラ2の回転との関係で、
(i)紙葉類Pの繰り出し開始から、当該紙葉類Pの先端縁がストッパ6,6’の位置に到達した後所定時間が経過するまでの間と、
(ii)上記所定時間の経過後において、当該紙葉類Pの後端部がピンチローラ5から離脱してから、次の紙葉類Pの繰り出し開始までの間
だけピンチローラ5を「弱圧状態」にしておくように構成されている。この場合、上記第1カムローラ58は、ピンチローラ用カム59の溝部59cにおける高所59aによって右上方へ押し上げられた状態(図4参照)にある。
【0049】
この状態では、第1カムレバー57と連動する押圧レバー55は、(ピン52を介して)ピンチローラ・レバー50を押圧していない。従って、ピンチローラ・レバー50には引張りばね51による比較的弱い付勢力だけが作用し、このことによってピンチローラ5が「弱圧状態」に保持されている。
【0050】
また、ピンチローラ切換手段7Aは、やはりフィードローラ2の回転に対応して、上記「弱圧状態」となる期間以外(すなわち、上記所定時間の経過後、当該紙葉類Pの後端部がピンチローラ5から離脱するまで)の間、ピンチローラ5を「強圧状態」にしておくように構成されている。この場合、上記第1カムローラ58は、ピンチローラ用カム59の溝部59cにおける低所59bによって左下方へ押し下げられた状態にある。
【0051】
この状態では、第1カムレバー57と連動する押圧レバー55は、(ピン52を介して)ピンチローラ・レバー50を下方(図1の反時計回り方向)に押圧し、このことによってピンチローラ5が「強圧状態」に保持されている。
【0052】
(5)ストッパ切換手段
次に図5を参照して、ストッパ6,6’の(進退)状態を切り換えるための上記ストッパ切換手段7Bの具体的構成について説明する。図5に示すように、ストッパ切換手段7Bはストッパレバー62、ストッパ・カムローラ63およびストッパ用カム66を有している。
【0053】
このうちストッパレバー62は、キッカローラ1とフィードローラ2との間に配置された軸64回りに回動自在に設けられている。またストッパレバー62は、その後端部(図5における右側端部)に掛けられた引張りばね65の弾性力によって、下方(図5の時計回り方向)に付勢されている。そして、このストッパレバー62の前端部(図5における左側端部)に、取付板60を介して上記複数のストッパ6,6’が取り付けられている。また、ストッパレバー62の軸64と前端部との間には、上記ストッパ・カムローラ63が回動自在に設けられている。
【0054】
次に、上記ストッパ用カム66は、上記ピンチローラ用カム59と同様、フィードローラ2と同軸に設けられ、フィードローラ2および搬送ローラ4と同期回転するようになっている。このストッパ用カム66は、やはりフィードローラ2の高摩擦部20との関係で位置決めされた高所66aおよび低所66bを有している。そのようなストッパ用カム66の外周面に、引張りばね65の付勢力によって上記ストッパ・カムローラ63が圧接されている。
【0055】
そして、このストッパ切換手段7Bは、フィードローラ2の回転との関係で、紙葉類Pの繰り出し開始から、当該紙葉類Pの先端縁がストッパ6,6’の位置に到達した後所定時間が経過するまでの間、ストッパ6,6’を「進出状態」にしておくように構成されている。この場合、上記ストッパ・カムローラ63は、ストッパ用カム66の低所66bに対応し、ストッパレバー62の前端部が引張りばね65の付勢力で上方へ押し上げられた状態にある。
【0056】
また、ストッパ切換手段7Bは、やはりフィードローラ2の回転との関係で、上記「進出状態」となる期間以外(すなわち、上記所定時間の経過後、次の紙葉類Pの繰り出し開始まで)の間、ストッパ6,6’を「退去状態」にしておくように構成されている。この場合、ストッパ・カムローラ63が、ストッパ用カム66の高所66aによって下方へ押し下げられ、これに連動してストッパレバー62の前端部も下方へ押し下げられた状態にある。
【0057】
(6)押圧部材および進退切換手段
次に、図6を参照して、上記押圧部材8および進退切換手段9の具体的構成について説明する。まず、上記進退切換手段9は、押圧部材レバー90、第2カムレバー97、第2カムローラ98および押圧部材用カム99を有している。
【0058】
このうち押圧部材レバー90は、上記補助ローラR1の後方に配置された軸9 1回りに回動自在に設けられている。そして、この押圧部材レバー90の先端部に対して上記押圧部材8が取り付けられている。この押圧部材8は、キッカローラ1の外周面に沿った略円弧形状の押圧部80と、この押圧部80と押圧部材レバー90の先端部とを繋ぐ取付部81とを有している。また、押圧部材レバー90の先端側には、ピン92が突設されている。
【0059】
次に、上記第2カムレバー97は、上記ストッパ・レバー62と共通の軸64回りに回動自在に設けられている。この第2カムレバー97の後端部(図6における右側端部)には長孔97aが形成され、この長孔97a内に上記押圧部材レバー90のピン92が係合している。また、第2カムレバー97の先端部(図6における左側端部)には、上記第2カムローラ98が回動自在に設けられている。さらに、第2カムレバー97は、その軸64と長孔97aとの間に掛けられた引張りばね95の弾性力によって、図6の時計回り方向に付勢されている。
【0060】
次に、上記押圧部材用カム99は、上記ピンチローラ用カム59およびストッパ用カム66と同様、フィードローラ2と同軸に設けられ、フィードローラ2および搬送ローラ4と同期回転するようになっている。この押圧部材用カム99は、やはりフィードローラ2の高摩擦部20との関係で位置決めされた高所99aおよび低所99bを有している。そのような押圧部材用カム99の外周面に、引張りばね95の付勢力によって上記第2カムローラ98が圧接されている。
【0061】
そして、進退切換手段9は、フィードローラ2の回転との関係で、上記「蹴出し必要期間」の間だけ、押圧部材8をキッカローラ1に対して下方へ退去させておくように構成されている。ここで、「蹴出し必要期間」とは、最前位の紙葉類Pの先端部に対してフィードローラ2の高摩擦部20(の正転方向始端側)が接触してから、当該紙葉類Pの後端部がキッカローラ1から離脱するまでの期間をいう。
【0062】
この場合、上記第2カムローラ98が、押圧部材用カム99の低所99bに対応し、第2カムレバー97の前端部が引張りばね95の付勢力で上方へ押し上げられ、第2カムレバー97の後端部が下方へ押し下げられた状態にある。この状態では、第2カムレバー97は、(長孔97aおよびピン92を介して)押圧部材レバー90を図6の反時計回り方向に押圧し、このことによって押圧部材8が下方へ退去させられている。
【0063】
また、進退切換手段9は、やはりフィードローラ2の回転との関係で、上記「蹴出し必要期間」以外の間は、押圧部材8をキッカローラ1に対して上方へ進出さておくように構成されている。この場合、上記第2カムローラ98は、押圧部材用カム99の高所99aによって下方へ押し下げられ、第2カムレバー97の後端部が上方へ押し上げられた状態にある。この状態では、第2カムレバー97は、(長孔97aおよびピン92を介して)押圧部材レバー90を図6の時計回り方向に押圧し、このことによって押圧部材8が上方へ進出させられている。
【0064】
(7)第1フォトセンサおよび第2フォトセンサ
次に、図1及び図2に示す上記第1フォトセンサS1,S1’および第2フォトセンサS2,S2’は、それぞれ搬送路14を挟んで対向した発光部と受光部との組合せからなり、遮光により紙葉類Pを検出するように構成されている。特に第1フォトセンサS1,S1’は、その遮光の程度によって、紙葉類Pが1枚だけであるか2枚以上重複しているかも識別可能となっている。
【0065】
一対の第2フォトセンサS2,S2’は、ストッパ6,6’の直前に配置され、一対の第1フォトセンサS1,S1’は第2フォトセンサS2,S2’よりも(紙葉類繰り出し方向の)上流側(ピンチローラ5の直後)に配置されている。また図2に示すように、一対の第2フォトセンサS2,S2’は、紙葉類Pの幅方向両端付近に配置され、一対の第1フォトセンサS1,S1’はそれよりやや内側に配置されている。
【0066】
そして、左右一対の第1フォトセンサS1,S1’同士の紙葉類検出の時間差から、紙葉類Pの斜行量が求められ、同様に、左右一対の第2フォトセンサS2, S2’同士の紙葉類検出の時間差から、紙葉類Pの斜行量が求められるようにな っている。
【0067】
[動作・作用]
次に、このような構成よりなる紙葉類繰り出し装置の動作ないし作用について、図7乃至図12を参照して説明する。なお、上記のピンチローラ切換手段7A、ストッパ切換手段7Bおよび進退切換手段9の動作については、上述した具体的構成から明らかであるので、その詳細な説明は省略する。
【0068】
まず図7に示す停止状態から、図8に示すように紙葉類Pの繰り出しが開始される。この場合、キッカローラ1、フィードローラ2および搬送ローラ4は正転方向に回転する。そして、集積部10における集積状態の紙葉類Pが、ゲート部Gで1枚ずつに分離されながら、キッカローラ1およびフィードローラ2によって繰り出されて行く。
【0069】
この場合、図8に示すように、最前位の紙葉類Pに対してフィードローラ2の高摩擦部20(の正転方向始端側)が接触して上記「蹴出し必要期間」に入った段階で、進退切換手段9が押圧部材8を下方へ退去させ、最前位の紙葉類Pをキッカローラ1と接触させる。
【0070】
また、この紙葉類Pの繰り出し開始時には、(ピンチローラ切換手段7Aによって)搬送ローラ4に対向したピンチローラ5が「弱圧状態」にされているので、搬送ローラ4による紙葉類Pの搬送力は相対的に弱いものとなっている。従って、この段階では、主にゲートローラ3と対向したフィードローラ2の高摩擦部20による比較的強い搬送力によって当該紙葉類Pの繰り出しが行われる。
【0071】
この際、ゲート部Gとストッパ6,6’との間で、(上記第1の斜行量検出手段としての)第1フォトセンサS1,S1’により所定量以上の斜行が検出された場合は、上記斜行リトライ制御手段C1が、その時点で、キッカローラ1および フィードローラ2を一時的に逆転させて、当該紙葉類Pをゲート部Gよりも上流側の集積部10内へ戻す。
【0072】
またこの際、ゲート部Gとストッパ6,6’との間で、(上記重複検出手段としての)第1フォトセンサS1,S1’により紙葉類Pの2枚以上の重複が検出された場合は、上記重複リトライ制御手段C2が、その時点で、キッカローラ1お よびフィードローラ2を一時的に逆転させて、当該紙葉類Pをゲート部Gよりも上流側の集積部10内へ戻す。
【0073】
一方、紙葉類Pの所定量以上の斜行または重複が検出されない場合は、紙葉類Pの繰り出しが続行される。このとき、既に繰り出し開始時(図8)から(ストッパ切換手段7Bによって)ストッパ6,6’が「進出状態」にされている。このため、図9に示すように、繰り出される紙葉類Pがストッパ6,6’の位置まで到達すると、当該紙葉類Pの先端縁がストッパ6,6’に当接する。
【0074】
その後、所定時間が経過するまでの間、当該紙葉類Pの先端縁をストッパ6,6’に当接させた状態で、各ローラ1,2,4から当該紙葉類Pに(スリップ状態で)比較的弱い搬送力が加え続けられる。このことにより、当該紙葉類Pの斜行矯正が円滑かつ効果的に行われる。図2には、このような斜行矯正の例として、一点鎖線で示す斜行状態の紙葉類Pが、二点鎖線で示すような斜行矯正状態とされる場合が示されている。
【0075】
そして、所定時間の経過後、図10に示すように、(ストッパ切換手段7Bによって)ストッパ6,6’が「退去状態」にされると共に(ピンチローラ切換手段7Aによって)ピンチローラ5が「強圧状態」にされる。このことにより、当該紙葉類Pが、搬送ローラ4とピンチローラ5との間で強く挟持されて比較的強い搬送力が加えられた状態で、確実に搬送路14下流側へ繰り出されて行く。
【0076】
ところで、ストッパ切換手段7Bがストッパ6,6’を「退去状態」にする直前において、第2フォトセンサS2,S2’により所定量以上の斜行が検出された場合は、上記斜行リトライ制御手段C1が、その時点で、キッカローラ1および フィードローラ2を一時的に逆転させて、当該紙葉類Pをゲート部Gよりも上流側の集積部10内へ戻す。
【0077】
一方、紙葉類Pの所定量以上の斜行が検出されない場合は、紙葉類Pの繰り出しが続行される。その後、当該紙葉類Pの後端部がキッカローラ1から離脱して上記「蹴出し必要期間」が終了した段階で、進退切換手段9が押圧部材8を上方へ進出させ、集積部10内の(次の)最前位の紙葉類Pを押圧してキッカローラ1との接触を断つ(図11)。このことにより、先に繰り出された紙葉類Pの繰り出し終了前に次の紙葉類Pが繰り出されてしまうこと(いわゆる「つれ出し」)が防止される。
【0078】
そして、図11及び図12に示すように、搬送路14下流側に達した紙葉類Pは、上記一対の送りローラR2によって次工程部へ送られて行き、(1枚分の) 紙葉類Pの繰り出しが終了する。その間、繰り出される紙葉類Pの後端部がピンチローラ5から離脱した時点で、(ピンチローラ切換手段7Aによって)ピンチローラ5は再び「弱圧状態」にされている。その後、引き続き次の紙葉類Pの繰り出しを行う場合は、再び図8に示す繰り出し開始段階に戻って、同様の工程(図8〜図12)が繰り返される。
【0079】
[効 果]
次に、このような構成よりなる本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、上述したような切換手段(ピンチローラ切換手段7Aおよびストッパ切換手段7B)によるピンチローラ5およびストッパ6,6’の切換動作によって、紙葉類Pの斜行矯正を円滑かつ効果的に行うことができる。このため、紙葉類Pの搬送詰まりや装置外への排出を回避して、優れた連続処理能力を実現することができる。
【0080】
また、上述した進退切換手段9による押圧部材8の進退切換動作によって、上記「蹴出し必要期間」の間だけ、キッカローラ1が最低位の紙葉類Pに接触していることになる。従って、全外周に高摩擦部10が形成されたキッカローラ1によっても、進退切換手段9による簡単な切換動作だけで、上記「蹴出し必要期間」の間だけ当該紙葉類Pを蹴り出すようにすることができる。
【0081】
さらに、キッカローラ1は、紙葉類Pの繰り出し方向長さよりも短い外周長を有するので、従来のようにキッカローラが紙葉類Pの繰り出し方向長よりも長い(例えばフィードローラ2と同じ長さの)外周長を有している場合に比べて、キッカローラ1の外径を小さくすることができる。
【0082】
このようにキッカローラ1の外径を小さくすることで、キッカローラ1をよりフィードローラ2側に近づけることが可能となる。従って、最前位の紙葉類Pに対するキッカローラ1の接触位置を、蹴り出し方向のより前方に設定することができる。このため、キッカローラ1によって蹴り出される紙葉類Pの直進安定性を向上させ、紙葉類Pの斜行が発生する可能性を低くすることができる。
【0083】
次に、ゲート部Gとストッパ6,6’との間で紙葉類Pの所定量以上の斜行が発生して、完全な斜行矯正が困難である場合、そのような状態の紙葉類Pを予め検出して、ゲート部Gよりも上流側へ戻し、繰り出しをやり直すことができる。このため、斜行矯正が不十分な紙葉類Pが搬送路下流側へ繰り出されて行くのを防止することができる。
【0084】
また、ゲート部Gとストッパ6,6’との間で紙葉類Pの2枚以上の重複が発生している場合、そのような状態の紙葉類Pを検出して、ゲート部Gよりも上流側へ戻し、繰り出しをやり直すことができる。このため、紙葉類Pが2枚以上重複した状態で搬送路下流側へ繰り出されて行くのを防止することができる。
【0085】
次に、ストッパ切換手段7Bがストッパ6,6’を「退去状態」にする直前に、ストッパ6,6’による紙葉類Pの斜行矯正によってもなお所定量以上の斜行が残っている場合、そのような状態の紙葉類Pを(斜行修正不可の紙葉類Pとして)検出して、ゲート部Gよりも上流側へ戻し、繰り出しをやり直すことができる。このため、斜行矯正が不十分な紙葉類Pが搬送路下流側へ繰り出されて行くのを防止することができる。
【0086】
[変形例]
なお、上記実施形態において、フィードローラ2との間で紙葉類Pを1枚ずつに分離するためのゲート部Gを形成するゲート部材として、ゲートローラ3を用いる場合について説明したが、そのようなゲート部材としてはその他、フィードローラ2に対向して設けられたパッド等を用いることもできる。
【0087】
また、上記実施形態において、紙葉類Pの幅方向に略等間隔で配置された複数の棒状ストッパ6,6’を用いる場合について説明したが、少なくとも「進出状態」において紙葉類Pの左右両側部分の先端縁が当接可能なものであれば、他の形態のストッパを用いてもよい。すなわち、各ストッパは棒状に限らず板状等の他の形状であってもよい。また、ストッパは左右一対の棒状又は板状のものであってもよく、紙葉類Pの幅方向に延びる一枚の板状体であってもよい。
【0088】
次に、上記切換手段7(ピンチローラ切換手段7Aおよびストッパ切換手段7B)によるピンチローラ5およびストッパ6,6’の状態切換のタイミングは、上述したものには限られない。すなわち、上記切換手段7は、
(i)少なくとも、繰り出された紙葉類Pの先端縁がストッパ6,6’の位置に到達する直前から、当該位置に到達した後所定時間が経過するまでの期間、ストッパ6,6’を進出状態にしておくと共に、ピンチローラ5を弱圧状態にしておき、
(ii)それ以外の期間内においては、ストッパ6,6’およびピンチローラ5を、それぞれ任意の期間だけ、「退去状態」および「強圧状態」にしておく
ように構成されていればよい。
【0089】
次に、上記実施形態において紙葉類Pが略水平状態で集積されている場合について説明したが、略垂直ないし傾斜状態となる立位姿勢で集積されていてもよい。(このように紙葉類Pが立位姿勢で集積されている場合においても、繰り出される側の一番手前の紙葉類Pを「最前位」の紙葉類Pという。)その場合、紙葉類Pの繰り出し方向は、下方繰り出し、上方繰り出しのいずれであってもよい。
【0090】
また、上記ピンチローラ切換手段7A、ストッパ切換手段7Bおよび進退切換手段9を、それぞれフィードローラ2と同軸に設けられたカム59,66,99によって駆動する構成について説明したが、それらのカム59,66,99をフィードローラ2と連動する別の軸に設けてもよい。また、カム機構に代えて、クランク機構等の他の機械的手段を用いてもよい。さらに、フィードローラ2等の回転角や紙葉類Pの位置等を検出するセンサと、このセンサからの検出信号に基づいて駆動制御されるモータやソレノイドとで構成された電気的手段を用いてもよい。
【0091】
【発明の効果】
請求項1乃至4記載の発明によれば、紙葉類の斜行矯正を円滑かつ効果的に行うことで、紙葉類の搬送詰まりや装置外への排出を回避して、優れた連続処理能力を実現することができる。
【0092】
さらに請求項5記載の発明によれば、全外周に高摩擦部が形成されたキッカローラによっても、進退切換手段による簡単な切換動作だけで、上記蹴出し必要期間の間だけ当該紙葉類を蹴り出すようにすることができる。さらに請求項6記載の発明によれば、最前位の紙葉類に対するキッカローラの接触位置を、蹴り出し方向のより前方に設定することができるので、キッカローラによって蹴り出される紙葉類の直進安定性を向上させ、紙葉類の斜行が発生する可能性を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による紙葉類繰り出し装置の一実施形態の要部を示す模式的縦断面図。
【図2】図1示す紙葉類繰り出し装置の模式的平面図。
【図3】図1示す紙葉類繰り出し装置における制御系統を示すブロック図。
【図4】図1に示す紙葉類繰り出し装置における、ピンチローラ切換手段の構成を示す図。
【図5】図1に示す紙葉類繰り出し装置における、ストッパ切換手段の構成を示す図。
【図6】図1に示す紙葉類繰り出し装置における、進退切換手段の構成を示す図。
【図7】図1に示す紙葉類繰り出し装置における、停止状態を示す図。
【図8】図1に示す紙葉類繰り出し装置における、繰り出し開始段階を示す図。
【図9】図1に示す紙葉類繰り出し装置における、斜行修正段階を示す図。
【図10】図1に示す紙葉類繰り出し装置における、斜行修正終了段階を示す図。
【図11】図1に示す紙葉類繰り出し装置における、蹴り出し必要期間の終了段階を示す図。
【図12】図1に示す紙葉類繰り出し装置における、(1枚分の)繰り出し終了段階を示す図。
【符号の説明】
1 キッカローラ
2 フィードローラ
20 高摩擦部
3 ゲートローラ(ゲート部材)
4 搬送ローラ
5 ピンチローラ
6,6’ ストッパ
7A ピンチローラ切換手段
7B ストッパ切換手段
8 押圧部材
9 進退切換手段
10 集積部
14 搬送路
C 制御部
C1 斜行リトライ制御手段
C2 重複リトライ制御手段
S1,S1’ 第1フォトセンサ(第1の斜行量検出手段,重複検出手段)
S2,S2’ 第2フォトセンサ(第2の斜行量検出手段)
Claims (6)
- 集積状態の紙葉類の繰り出しを行うためのキッカローラおよびフィードローラと、
前記フィードローラに対向して設けられ、前記フィードローラとの間で、繰り出される紙葉類を1枚ずつに分離するためのゲート部を形成するゲート部材と、
前記フィードローラと略同径で且つ同軸に設けられた搬送ローラと、
前記ゲート部よりも下流側において前記搬送ローラに対向して設けられると共に、前記搬送ローラに対する押圧力を、強圧状態と、この強圧状態よりも弱いか又は0である弱圧状態とで切換可能なピンチローラと、
前記ピンチローラよりも下流側に設けられると共に、紙葉類の搬送路内に進出して当該紙葉類の少なくとも左右両側部分の先端縁が当接可能となる進出状態と、前記搬送路内から退去した退去状態とを切換可能なストッパと、
少なくとも、繰り出された紙葉類の先端縁が前記ストッパの位置に到達する直前から、当該位置に到達した後所定時間が経過するまでの期間、前記ストッパを進出状態にし、前記ピンチローラを弱圧状態にしておくと共に、それ以外の期間内においては、前記ストッパおよび前記ピンチローラを、それぞれ任意の期間だけ、退去状態および強圧状態にしておくための切換手段と
を備えたことを特徴とする紙葉類繰り出し装置。 - 前記ゲート部と前記ストッパとの間において、繰り出される紙葉類の斜行量を検出するための斜行量検出手段と、
前記斜行量検出手段により所定量以上の斜行が検出された場合、その時点で前記キッカローラおよび前記フィードローラを一時的に逆転させて当該紙葉類を前記ゲート部よりも上流側へ戻すための斜行リトライ制御手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の紙葉類繰り出し装置。 - 前記ストッパの直前における紙葉類の斜行量を検出するための斜行量検出手段と、
前記切換手段が前記ストッパを退去状態にする直前において、前記斜行量検出手段により所定量以上の斜行が検出された場合、その時点で前記キッカローラおよび前記フィードローラを一時的に逆転させて当該紙葉類を前記ゲート部よりも上流側へ戻すための斜行リトライ制御手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の紙葉類繰り出し装置。 - 前記ゲート部と前記ストッパとの間において、繰り出される紙葉類の重複を検出するための重複検出手段と、
前記重複検出手段により紙葉類の重複が検出された場合、その時点で前記キッカローラおよび前記フィードローラを一時的に逆転させて、当該紙葉類を前記ゲート部よりも上流側へ戻すための重複リトライ制御手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の紙葉類繰り出し装置。 - 前記キッカローラは、集積状態の紙葉類のうち最前位の紙葉類の表面に当接して当該紙葉類の蹴り出しを行うための高摩擦部が、全外周に形成されており、
前記フィードローラは、前記キッカローラによって蹴り出された紙葉類の表面に当接して当該紙葉類の繰り出しを行うための高摩擦部が、外周の一部に形成されており、
前記キッカローラの近傍に進退自在に設けられ、進出時に前記最前位の紙葉類を押圧して前記キッカローラとの接触を断ち、退去時に前記最前位の紙葉類を前記キッカローラと接触させるように構成された押圧部材と、
前記最前位の紙葉類に対して前記フィードローラの高摩擦部が接触してから、当該紙葉類の後端部が前記キッカローラから離脱するまでの間だけ前記押圧部材を退去させておき、それ以外の間は前記押圧部材を進出させておくための進退切換手段と、
が更に設けられた
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の紙葉類繰り出し装置。 - 前記キッカローラは、紙葉類の繰り出し方向長さよりも短い外周長を有することを特徴とする請求項5記載の紙葉類繰り出し装置。
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