JP4337615B2 - センサ - Google Patents

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Description

この発明は、例えば近接スイッチのようなセンサに関し、特にこの発明は、検出回路の回路基板が検出ヘッドの内部に樹脂硬化層より一体化されて成るセンサに関する。
従来のその種近接スイッチは、図13に示す構造の検出ヘッド100を備えている。同図の検出ヘッド100は、金属製の筒状ケース101の内部に検出コイル102が巻かれたコア103と、検出回路を構成する部品が実装された回路基板104とが組み込まれている。筒状ケース101の先端部には、前記コア103が装填されたコイルケース106が嵌め込んである。筒状ケース101の前方には検出コイル102とコア103とによる高周波磁界が作用し、対象物の接近、離間を検出するための検出領域が形成される。
筒状ケース101の内部にはエポキシなどの樹脂を射出成形やポッティング注型などにより充填して硬化させている。この樹脂硬化層107によって前記コア103や回路基板104が筒状ケース101の内部に一体化されているので、耐衝撃性が向上し、水や油などの進入を防止できる。
生産時において前記筒状ケース101の内部へ溶融した樹脂を充填する際、或いは使用時において使用環境の温度が変化したとき、樹脂が熱収縮して回路基板104や基板上の部品に応力が加わる。これがため、回路基板104や部品の変形や破壊、さらには回路基板104からの部品の剥離や脱落が生じるおそれがある。これを防止するために回路基板104にシリコン樹脂を塗布し、このシリコン樹脂の塗布層108を樹脂硬化層107の内側に設けることにより応力を緩和するようにしている。
なお、筒状ケース内に樹脂を充填した近接スイッチを開示したものとして、たとえば下記の特許文献1がある。
特開平5−135671号 公報
しかしながら、回路基板104にシリコン樹脂を万遍なく塗布したり、種々の形状の回路基板104に対してシリコン樹脂をばらつきなく塗布したりするのは容易でなく、また、これを手作業で行うので、生産工程が複雑化し、生産効率を低下させている。また、検出回路にフレキシブル基板が用いられることがあるが、その種の基板は剛性が低いため、成形圧や組立作業中の外力を受けると、変形や接合部の剥離が生じるおそれがある。さらに、電磁ノイズの進入による誤動作を防止するためにシリコン樹脂の塗布層108に銅箔などのフィルムを被せて電磁シールドを行うことがあるが、構造の複雑化を招き、近接スイッチを小型化できない。
この発明は、上記した問題に着目してなされたもので、シリコン樹脂を塗布するための手作業をなくして生産効率を向上し、また、回路基板や部品などに樹脂の熱収縮による応力や成形圧が作用しても変形、破壊、剥離などを防止し、さらには銅箔などのフィルムを用いずに電磁シールドを行い得るようにすることを目的とする。
この発明によるセンサは、検出回路の回路基板が検出ヘッドの内部に樹脂硬化層より一体化されたものであり、前記樹脂硬化層の内側に、回路基板の外周に糸を密に巻き付けて形成された防護層が設けられて成る。
上記した構成のセンサにおいて、前記防護層は回路基板の外周に糸を密に巻き付けて形成されるので、糸巻き機を用いて機械化が可能であり、生産効率の向上を実現できる。また、生産時に樹脂を充填する際、さらには使用中に環境の温度変化があったときに、樹脂が熱収縮しても防護層は回路基板や基板上の部品に応力が加わるのを阻止するので、回路基板や部品の変形や破壊、さらには回路基板からの部品の剥離や脱落を防止できる。さらに、銅線などの金属線を含む糸を使用すれば、銅箔などのフィルムを用いずに電磁シールドが可能であり、センサの小型化を実現できる。
この発明の上記した構成において、例えばセンサが近接スイッチである場合、「検出回路」には、発振回路の他に、検波、増幅などを行う出力回路を含ませることができる。回路基板には各回路を構成する部品が実装される。「糸」は木綿、絹などの天然繊維を用いたもの、ナイロンなどの人造繊維を用いたものなど、種々のものを用いることができる。「防護層」は回路基板の全体に設けることができるが、検出回路が複数の回路基板より成っていれば、少なくとも回路基板同士を電気接続する部分に設けてもよい。
「糸」には種々の態様のものが考えられるが、好ましい一実施態様は、接着性を有する糸を用いる。ここで「接着性」とは熱可塑性による接着性、接着剤を付着もしくは含有することによる接着性などを含む。その糸を回路基板の外周に巻き付けて糸同士の接着、さらには糸と回路基板との接着により前記防護層を形成するものである。この実施態様によると、糸同士の接着により糸間に隙間が発生するのを防止でき、樹脂硬化層の樹脂が糸間に浸透したり、使用環境下において水などの液体が糸間に浸透したりするのを抑止することできる。
糸の好ましい他の実施態様は、溶融が可能な材質の鞘状部に中芯部を通して形成されている。その糸を回路基板の外周に巻き付けて鞘状部同士の融着、さらには鞘状部と回路基板との融着により前記防護層を形成するものである。この実施態様によると、糸の中芯部が糸の巻き崩れを防止し、糸同士の融着によって糸間への樹脂の浸透や使用時における糸間への液体の浸透を防止することができる。
糸の好ましいさらに他の実施態様は、接着性を有する巻線材を芯線材の外周に巻いて形成されている。その糸を回路基板の外周に巻き付けて前記巻線材同士の接着、さらには巻線材と回路基板との接着により前記防護層を形成するものである。この実施態様によると、糸の芯線材が糸の巻き崩れを防止し、糸同士の接着によって糸間への樹脂の浸透や使用時における糸間への液体の浸透を防止することができる。
糸の好ましいさらに他の実施態様は、融着が可能な材質の鞘状部に中芯部を通して形成された巻線材を芯線材の外周に巻いて形成されている。その糸を回路基板の外周に巻き付けて前記巻線材の鞘状部同士の融着、さらには鞘状部と回路基板との融着により前記防護層を形成するものである。この実施態様によると、巻線材の中芯部および糸の芯線材が糸の巻き崩れを防止し、糸同士の融着によって糸間への樹脂の浸透や使用時における糸間への液体の浸透を防止することができる。
この発明によると、防護層の形成に糸巻き機による機械化および自動化が可能であり、生産効率を向上できる。また、回路基板や部品などに樹脂の熱収縮による応力や成形圧が作用しても、変形、破壊、剥離などを防止できる。さらには銅箔などのフィルムを用いずに電磁シールドが可能であり、センサの小型化を実現できる。
図1は、この発明の一実施例である近接スイッチの構成を示している。
図示例の近接スイッチは、検出ヘッド1の内部に検出部2と検出回路の回路基板3とが組み込まれて樹脂硬化層4により一体化された構造のものである。前記検出部2は、検出コイル20と、検出コイル20が巻かれたコア21とから成る。前記検出回路は発振回路と出力回路とを含んでおり、出力回路は検波、増幅などを行って検出信号を出力する。発振回路および出力回路を構成する表面実装部品は前記回路基板3に実装されている。
図示例の検出ヘッド1は、金属製の筒状ケース11の先端の開口部にフランジを有する金属製のスリーブ12が嵌着され、そのスリーブ12の内側に検出コイル20およびコア21が装填されたコイルケース13が嵌め込まれている。検出コイル20およびコア21は回路基板3にハンダ付けされた状態でコイルケース13の内部に装填され、一液性エポキシ樹脂によって注型された保持ケース14により保持されている。前記スリーブ12はコア21より発する高周波磁束を誘導して収束させる。筒状ケース11の外周面はねじ11aになっており、このねじ11aに図示しない締付用のナットを螺合させる。
前記回路基板3の外周には糸を所定回数だけ密に巻き付けて形成された防護層5が設けられている。筒状ケース11の内部に装填された回路基板3の周囲に射出成形により樹脂を充填して硬化させるとき、回路基板3は前記防護層5に覆われているので、硬化樹脂層4の熱収縮や成形圧が回路基板3に直接及ぶことはない。筒状ケース11の基端部は合成樹脂製のクランプ部材15によって塞がれており、このクランプ部材15を回路基板3が貫通して後方へ突き出ている。この回路基板3の突出部に電源供給や検出信号の取出しのためのコード線19が電気接続されている。なお図中、16はコード線19の接続部分を保護するコードプロテクタである。
この実施例では、回路基板3にハンダ付けされた検出コイル20およびコア21をコイルケース13の内部に装填して一液性エポキシ樹脂によって保持ケース14を注型した後、回路基板3の外周に糸を巻き付けて防護層5を形成したうえで、筒状ケース11の内部に射出成形により樹脂を充填して樹脂硬化層4を形成する。
なお、上記した実施例では、検出回路を構成する部品は1枚の回路基板3に実装してあるが、これに限らず、複数枚の回路基板に分けて実装してもよい。
図2に示す実施例では、2枚の回路基板3A,3Bをフレキシブル基板3Cを介して電気接続してある。図2(1)に示す実施例は、フレキシブル基板3Cおよびフレキシブル基板3Cと各回路基板3A,3Bとの接続部分の外周に糸を巻き付けて防護層5を形成している。図2(2)に示す実施例は、全ての基板3A〜3Cの外周に糸を巻き付けて防護層5を形成している。
図2(1)に示す実施例では、回路基板3Aにハンダ付けされた検出コイル20およびコア21をコイルケース13の内部に装填して一液性エポキシ樹脂によって保持ケース14を注型した後、回路基板3Aに回路基板3Bをフレキシブル基板3Cによって接続する。つぎに、フレキシブル基板3Cとその周辺の外周に糸を巻き付けて防護層5を形成したうえで、射出成形により樹脂を充填して樹脂硬化層4を形成する。
図2(2)に示す実施例では、回路基板3Aにハンダ付けされた検出コイル20およびコア21をコイルケース13の内部に装填して一液性エポキシ樹脂によって保持ケース14を注型した後、回路基板3Aに回路基板3Bをフレキシブル基板3Cによって接続する。つぎに、回路基板3A,3Bおよびフレキシブル基板3Cの外周に糸を巻き付けて防護層5を形成したうえで、射出成形により樹脂を充填して樹脂硬化層4を形成する。
図3はさらに他の実施例を示している。図3(1)に示す実施例は一方の回路基板3Aにのみ防護層5を形成している。図3(2)に示す実施例は両方の回路基板3A,3Bに防護層5A,5Bを形成している。図3(3)に示す実施例はまず一方の回路基板3Aに防護層5Aを形成し、次いで他方の回路基板3Bとフレキシブル基板3Cとに防護層5Bを形成している。
図3(1)に示す実施例では、検出コイル20およびコア21をハンダ付けした回路基板3Aの外周に糸を巻き付けて防護層5を形成したうえで、これをコイルケース13の内部に装填して一液性エポキシ樹脂によって保持ケース14を注型する。ついで、回路基板3Aに回路基板3Bをフレキシブル基板3Cによって接続し、射出成形により樹脂を充填して樹脂硬化層4を形成する。
図3(2)に示す実施例では、検出コイル20およびコア21をハンダ付けした回路基板3Aの外周に糸を巻き付けて防護層5Aを形成したうえで、これをコイルケース13の内部に装填して一液性エポキシ樹脂によって保持ケース14を注型する。ついで、外周に糸を巻き付けて防護層5Bを形成した回路基板3Bをフレキシブル基板3Cによって回路基板3Aに接続し、射出成形により樹脂を充填して樹脂硬化層4を形成する。
図3(3)に示す実施例では、検出コイル20およびコア21をハンダ付けした回路基板3Aの外周に糸を巻き付けて防護層5Aを形成したうえで、これをコイルケース13の内部に装填して一液性エポキシ樹脂によって保持ケース14を注型する。ついで、回路基板3Aに回路基板3Bをフレキシブル基板3Cによって接続し、回路基板3A,3Bおよびフレキシブル基板3Cの外周に糸を巻き付けて防護層5Bが形成したうえで、射出成形により樹脂を充填して樹脂硬化層4を形成する。
上記した各実施例において、防護層5,5A,5Bを形成するのに、例えば、図4に示すような単一の糸材より成る糸6、図5に示すような鞘状部71に中芯部72が通された糸7を複数本束ねたもの、図8および図9に示すような芯線材82の外周に複数本の巻線材81を束ねたものを巻き付けて形成された糸8など、種々の態様の糸を用いることができる。
図4に示す糸6は、木綿、絹などの天然繊維を用いたもの、ゴム、エラストマ、ポリウレタンなどの弾性材料を用いたもの、ナイロン、ポリウレタン、ポリプロピレンなどの接着性を有する人造繊維を用いたものなどがある。
特に、弾性材料より成る糸6を用いると、応力を吸収して緩和する作用のある防護層5を形成することができる。また、接着性を有する糸6を用いると、その糸6を回路基板3の外周に巻き付けて熱風などを作用させて加熱したとき、糸6と糸6との接着、さらには糸6と回路基板3との接着により隙間のない防護層5を形成することができる。
図5に示す糸7は、融着が可能な材質の鞘状部71に中芯部72を通して形成されている。具体的には、中芯部72として木綿、絹、ナイロン、銅線などの融点の高い材質のものを用い、一方、鞘状部71としてポリプロピレンなどの比較的融点の低いものを用いるが、例えば、中芯部72にレギュラーポリエステル、鞘状部71に低融点ポリエステルを組み合わせるなど、他の組み合わせを用いることもできる。
図6は、図5に示す糸7を複数本束ねたものを回路基板3の外周に密に巻き付けた状態を示している。巻き付け後に熱風などを作用させて加熱すると、図7に示すように、鞘状部71と鞘状部71との融着、さらには鞘状部71と回路基板3や部品30との融着により隙間のない防護層5を形成することができる。なお、中芯部72として銅線を用いて防護層5を形成すれば、電磁シールドが可能である。
図8および図9に示す糸8は、溶融が可能な材質の巻線材81を複数本束ねたものを芯線材82の外周に巻いて形成されている。この実施例の各巻線材81は、融着が可能な材質の鞘状部83に中芯部84を通して形成されている。具体的には、芯線材82として木綿、絹、ナイロン、ポリエチレン、ゴム、エラストマ、ポリウレタン、銅線などが用いられる。また、巻線材81の鞘状部83としてポリプロピレンが、中芯部82としてポリエチレンが、それぞれ用いられているが、その他の組み合わせであってもよい。
なお、各巻線材81は、接着性を有する単一の糸、例えば、ナイロン、ポリウレタン、ポリプロピレンなどの糸を用いることもできる。
図10は、図8および図9に示す糸8を回路基板3の外周に密に巻き付けた状態を示している。糸8を巻き付けた後に熱風などを作用させて加熱すると、図11に示すように、鞘状部83と鞘状部83との融着、さらには鞘状部83と回路基板3や部品30との融着により隙間のない防護層5を形成することができる。なお、芯線材82として銅線を用いて防護層5を形成すれば、電磁シールドが可能である。
図12は、図13に示した従来例に係る2個のサンプル1,2と図3(3)に示した実施例に係る2個のサンプル3,4とについて、所定の試験を行う前に計測して得られた感応特性データと所定の試験を行った後に計測して得られた感応特性データとを対比して示したものである。
この試験は、4個のサンプルを−40℃の低温環境の中に30分置き、つぎに85℃の高温環境の中に30分置き、これを1000回繰り返すというものであり、各サンプルがオン動作したときの距離とオフ動作したときの距離とを試験実行前および試験実行後にそれぞれ計測している。同図中、「応差」とは、オフ動作したときの距離からオン動作したときの距離を差し引き、それをオン動作したときの距離で割った値を百分率で表したものである。
同図によると、実施例に係るサンプル3,4は、試験実行前と試験実行後とでは感応特性データに殆ど差異がないことがわかる。
この発明の一実施例である近接スイッチの検出ヘッドの内部構造を示す縦断面図である。 他の実施例の縦断面図である。 他の実施例の縦断面図である。 糸の実施例を示す断面図である。 糸の他の実施例を示す断面図である。 図5に示す実施例の糸を回路基板の外周に巻き付けた状態を示す断面図である。 糸を熱溶着させた状態を示す断面図である。 糸の他の実施例を示す正面図である。 図8の実施例の断面図である。 図8に示す実施例の糸を回路基板の外周に巻き付けた状態を示す断面図である。 糸を熱溶着させた状態を示す断面図である。 従来例の特性と実施例の特性とを対比して示す説明図である。 従来の近接スイッチの検出ヘッドの内部構造を示す縦断面図である。
符号の説明
1 検出ヘッド
3,3A,3B 回路基板
4 樹脂硬化層
5,5A,5B 防護層
6,7,8 糸
71 鞘状部
72 中芯部
81 巻線材
82 芯線材
83 鞘状部
84 中芯部

Claims (6)

  1. 検出回路の回路基板が検出ヘッドの内部に樹脂硬化層より一体化されて成るセンサにおいて、前記樹脂硬化層の内側に、回路基板の外周に糸を密に巻き付けて形成された防護層が設けられて成るセンサ。
  2. 前記検出回路は、複数の回路基板より成り、少なくとも回路基板同士を電気接続する部分に前記防護層が設けられている請求項1に記載されたセンサ。
  3. 前記糸は、接着性を有するものであり、その糸を回路基板の外周に巻き付けて糸同士の接着および糸と回路基板との接着により前記防護層を形成している請求項1に記載されたセンサ。
  4. 前記糸は、融着が可能な材質の鞘状部に中芯部を通して形成されており、その糸を回路基板の外周に巻き付けて鞘状部同士の融着により前記防護層を形成している請求項1に記載されたセンサ。
  5. 前記糸は、接着性を有する巻線材を芯線材の外周に巻いて形成されており、その糸を回路基板の外周に巻き付けて前記巻線材同士の接着により前記防護層を形成している請求項1に記載されたセンサ。
  6. 前記糸は、融着が可能な材質の鞘状部に中芯部を通して形成された巻線材を芯線材の外周に巻いて形成されており、その糸を回路基板の外周に巻き付けて前記巻線材の鞘状部同士の融着により前記防護層を形成している請求項1に記載されたセンサ。
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