JP4345221B2 - 画像生成システム及び画像記録物及び画像記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、秘密にしたい情報を含む画像を隠蔽する画像生成技術に関し、特にその画像を分散することにより隠蔽に好適に利用できる画像生成システム及び画像記録物に関する。
【0002】
尚、本明細書では、秘密にしたい情報(秘密を保持して記録したい情報)を含む画像を「秘密画像」と呼び、「秘密画像」を分散した複数の画像を、「割符画像」と呼び、「割符画像」に基づいて得られた記録物を「割符」と呼ぶことにする。また、割符画像を重ねることで秘密画像を人間の目で判別できる(見える)ようにする操作を「再生」と表現し、再生される画像のことを「再生画像」と呼ぶことにする。
【0003】
【従来の技術】
情報を表現する画像を隠蔽する従来の技術を、それを記載した文献を挙げて、以下に説明する。
【0004】
(1)加藤拓、今井秀樹:「視覚復号型秘密分散法の拡張構成方式」:電子情報通信学会論文誌A、Vol.J79−A、No.8、1344−1351頁
この技術は、複数枚の白黒のランダムな画像を形成し、これらを重ねると、有意な画像が再生されるというものである。2枚の画像だけでなく、3枚以上の画像を組み合わせて秘密を分散することが可能な手法である。複数の画像に秘密を分散すると、複数の画像の画像のうち、1枚だけ入手しても他の画像についての情報を一切知ることは不可能である。よって、複数枚を同時に入手することができる者だけが情報を再生できることになり、安全に秘密を分散保存することが可能となる。
【0005】
(2)特開平9−248935号公報
この技術は、ある主たる画像に別な付加的な画像を重畳して記録し、その画像とパターン画像を重ねることにより、付加的な画像が再生されるというものである。カラー画像中に人間には知覚され難い形で情報を記録できることを特徴として持つものである。
【0006】
(3)特願2000−82513号(凸版印刷(株)出願)
この技術は、複数枚の白黒またはカラー画像中に秘密画像を分散して保存し、分散された画像を重ねると秘密画像が再生されるというものである。
【0007】
(4)松井甲子雄:「デジタル透かし」:画像電子学会誌第26巻第3号(1997)
この技術は、デジタルデータにデジタル透かしを入れて記録し、所定の復号処理を行なうことによって、デジタル透かしを読み取るというものである。特に静止画像にデジタル透かしを入れる方法としては、「画素空間利用型」、「周波数領域利用型」、「統計量利用型」などの方法が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記(1)の技術では、白黒のランダムな模様だけで構成されており、カラーによる豊かな表現が不可能であつた。
【0009】
また、上記(2)の技術では、隠蔽したい画像をカラー画像中に人間に知覚され難い形で情報を記録するものであるが、隠蔽した画像そのものをカラー化するものではない。また、利用できるカラー画像の種類も限定されており、複雑なカラー画像には適応できないといった問題点があった。
【0010】
ところで、上記(3)の技術は、従来、コピー機によるコピーで簡単にオリジナルのものと同じ効果を得ることができてしまったり、記録する媒体が透明であることが必要であるといった、上記(1)と(2)の技術における技術的欠点を補うものであるが、(2)と同様に隠蔽した画像そのものをカラー化するものではない。白と黒の代わりに、赤と黄という他の色を使う方法について記述もあるが、単純に色を入れ替えただけであり、色の見栄えなどに限界があった。
【0011】
また、上記(3)の技術では、デジタルデータを対象としており、符号化/復号化ともコンピューターなどの演算装置が必要であり、簡単に情報を復号化することが不可能であった。また、演算装置が必要なことから、低コストにすることが困難であった。
【0012】
本発明は係る従来技術の欠点を解消し、様々な情報を複数に分散して記録し、且つ容易に再生できるようにすることを課題とする。
【0013】
本発明の請求項1に係る発明は、秘密画像データを入力する画像データ入力部と、該画像データ入力部から入力した秘密画像データと外部又は内部メモリに格納した色セットデータテーブルに登録されている割符1セット中の割符数に相当する2以上複数の画素値を1セット(1組)とする前記秘密画像データの黒い画素部分と白い画素部分に対応するそれぞれ色セットデータとに基づいて、秘密画像データの1画素毎に2以上複数の割符画像の画素データを生成し、秘密画像データの秘密画像を単独では判読できないランダム画像の割符画像データを生成する秘密画像の入力から割符画像2、3のデータ生成と記録までのプロセスを制御するプログラムメモリを備えた中央演算制御部と、生成した割符画像データを記憶させる画像データメモリ部、を備えたことを特徴とする画像生成システムである。
【0014】
次に本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の画像生成システムであって、前記色セットデータテーブルのそれぞれ色セットデータは2以上数種類の組み合わせの色セットを備え、秘密画像データの1画素毎に該色セットの中から1種類の色セットを選択して2以上複数の割符画像の画素データを生成して割符画像データを生成することを特徴とする画像生成システムである。
【0015】
次に本発明の請求項3に係る発明は、請求項1記載の画像生成システムであって、前記色セットデータテーブルのそれぞれ色セットデータは2以上数種類の組み合わせの色セットを備え、秘密画像データの1画素毎に該色セットの中から1種類の色セットを乱数を用い選択して2以上複数の割符画像の画素データを生成して割符画像データを生成することを特徴とする画像生成システムである。
【0016】
次に本発明の請求項4に係る発明は、秘密画像データを格納する画像メモリ部と、該画像メモリ部から入力した秘密画像データと外部又は内部メモリに格納した色セットデータテーブルに登録されている割符1セット中の割符数に相当する2以上複数の画素値を1セットとする前記秘密画像データの黒い画素部分と白い画素部分のそれぞれ色セットデータとに基づいて、秘密画像データの1画素毎に2以上複数あり秘密画像データの秘密画像を単独では判読できないランダム画像の割符画像データを生成する割符生成部と、該割符生成部にて生成した割符画像データを記録する画像データ記録部、を備えたことを特徴とする画像生成システムである。
【0017】
次に本発明の請求項5に係る発明は、請求項4記載の画像生成システムであって、前記色セットデータテーブルのそれぞれ色セットデータは2以上数種類の組み合わせの色セットを備え、秘密画像データの1画素毎に該色セットの中から1種類の色セットを選択して2以上複数の割符画像の画素データを生成して割符画像データを生成することを特徴とする画像生成システムである。
【0018】
次に本発明の請求項6に係る発明は、請求項4記載の画像生成システムであって、前記色セットデータテーブルのそれぞれ色セットデータは2以上数種類の組み合わせの色セットを備え、秘密画像データの1画素毎に該色セットの中から1種類の色セットを乱数発生部から発生する乱数値に基づき選択して2以上複数の割符画像の画素データを生成して割符画像データを生成することを特徴とする画像生成システムである。
【0019】
次に本発明の請求項7に係る発明は、上記請求項1乃至請求項6のいずれか1項に係る発明の画像生成システムにより前記秘密画像データと色セットデータとに基づいて生成された2以上複数の割符画像データに基づく各々割符画像が、2以上複数枚のそれぞれシート上にハードコピー出力手段を用いて出力され記録されていることを特徴とする画像記録物である。
【0020】
次に本発明の請求項8に係る発明は、上記請求項1乃至請求項6のいずれか1項に係る発明の画像生成システムにより前記秘密画像データと色セットデータとに基づいて生成された2以上複数の割符画像データが、電子データとして記録されていることを特徴とする画像記録媒体である。
【0021】
【作用】
本発明では、画像を分散して保存する手法において、上記(1)の技術にあるような白黒のコントラストによる表現ではなく、ランダムなカラー画像を重ねて秘密情報そのもの又は秘密情報を含む秘密画像を分散する。カラーによる表現は白黒に比べて非常に豊かな表現となり、見栄えだけでなく、見て楽しくエンターテイメント性も高めることが可能である。
【0022】
更に、白黒の場合に比べて、コピー機などによるコピーを困難にし、偽造防止の効果を高めることができ、また、従来の手法では、秘密画像の1画素に対して複数の補助画素を割り当てており、これは、割符画像の画素が実質的により細かくなることを意味しており、補助画素数が増えるに従って、人の手で割符同士を合わせ辛くなるという問題があったが、本手法では、補助画素に分散する必要はなく、割符画像の画素が小さくなるという問題を起こさない作用を有する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の画像生成システムを、その実施の形態に沿って、図1を参照しながら以下に詳細に説明する。
【0024】
図1に示すように、まず、分散して保存すべき秘密画像1を用意する。秘密画像1は白黒2値画像であり、例えば、「PATTERN」という文字の描かれた秘密画像1が用意されている。
【0025】
この秘密画像1を、色セットデータと呼ばれる画素値の情報(画素値を設定指示するコマンド;同一色成分のセット画素値を指示設定するコマンドデータ)に基づいて2枚以上複数枚の割符画像、例えば、図1に示すように、2枚の割符画像2、3に分割する。
【0026】
上記複数枚の各々割符画像、即ち、図1に示す2枚の割符画像2、3は、秘密画像1の「PATTERN」の文字のように人間の目で見て、所定の意味あるパターンとして判読(認識)できる画像ではなく、それぞれカラーのランダム画像に設定されていて、その意味を判読(認識)できないようになっていて、また、スキャナー等を用いて1枚の割符画像について詳細に調べても、秘密画像に関する情報は判らないようになっている。
【0027】
従って、各々割符画像のうち、1枚の割符画像だけを調べても、秘密画像1を類推することは不可能であり、それぞれ割符画像を別々に保管している限り、秘密画像を知られる危険性はない。
【0028】
それぞれ2枚の割符画像は、一般的にシートに印刷して保存するが、少なくとも、そのいずれか一方又は両方を透明なシートに印刷して保存する。一方、秘密画像1の再生は、シートに印刷された割符画像を重ね合わせることで行われる。
【0029】
各々割符画像、例えば、図1に示す割符画像1、2を互いに重ね合わせると、秘密画像、即ち、図示する秘密画像1の「PATTERN」の文字が再生されて秘密画像を確認することができるようになる。
【0030】
本発明の実施の形態に係る画像生成システムのコンピュータ上での物理的な構成を図2に従って説明する。
【0031】
この画像生成システムは、CPU101、画像メモリ102、画像入力部103、少なくとも秘密画像1の入力から割符画像2、3のデータ生成と記録(及び必要に応じて割符画像データの重ね合わせと再生画像4の形成及び再生画像の確認動作)までのプロセスを制御するプログラムメモリ104、及び画像記録部105から構成され、これらは全てバス106により接続されて、前記CPU101、画像メモリ102、画像入力部103、及びプログラムメモリ104によって画像処理部107が構成される。
【0032】
この画像生成システムの動作を簡単に説明すると、まず、画像入力部103を通して秘密画像1を画像メモリ102の所定の領域にそれぞれ書き込む。
【0033】
そして、以下に示すアルゴリズムに基づき、所定の秘密画像(例えば、「PATTERN」という秘密画像1)に対して演算処理を施して、2以上複数の割符画像(例えば、割符画像2、3)を作成し、この割符画像を画像記録部105で記録媒体に記録するか、印刷物などの形で記録して、その割符画像の記録情報を割符として出力する。
【0034】
これらの一連の処理は、全てプログラムメモリ104内に格納されたプログラムに基づいてCPU101により行われる。なお、処理には専用の装置を用いてもよいが、パーソナルコンピュータなどの汎用の計算機を用いてもよい。この場合、画像メモリー102とプログラムメモリ104は同一のメモリを領域を分けて利用するのが一般的である。
【0035】
これらの処理動作のフローチャートを図3に示す。まず、安全に分散して保存すべき秘密画像の入力を画像入力部103を通して行い、次に色セットデータという情報(同一色成分のセット画素値を指示設定するコマンドデータ)に基づき、秘密画像をカラーの割符画像に分散して、画像記録部105で記録媒体として記録保存するか、印刷物として記録保存する。そして、保存した割符画像を印刷などの形で画像出力して割符を作成する。
【0036】
次に画像の表記と本発明の原理について、図4に基づいて説明すれば、まず、図4(a)に示す白黒2値画像と、図4(b)に示すカラー画像は、図示するように表記される。
【0037】
図4(a)に示す線画モノクロ画像又はコンティニアス(連続階調)モノクロ画像としての白黒2値画像は、各画素(細分化された各々小四角形)が白か黒の画像であり、線画による白黒画像の処理信号としてデジタル信号又はアナログ信号のいずれかを使用し、黒の画素値はK=0(又は1)、白の画素値はW=1(又は0)で指定され、例えば黒い画素は画素値Kが0で、白い画素は画素値Wが1となっている画像である。
【0038】
一方、図4(b)に示すカラー画像は、各画素が保有するR(レッド色)、G(グリーン色)、B(ブルー色)の三つの色成分(三原色)のそれぞれ画素値で指定される。
【0039】
ここでは各色成分の画素値は、0〜1の実数値(10進法)を採るものとし、ある1つの画素の三つの色成分(R,G,B)の画素値が、(R,G,B)=(1,1,1)のとき白い画素、(R,G,B)=(0,0,0)のとき黒い画素となり、また各色成分の画素値が0〜1の実数値(10進法)の範囲において、(R,G,B)=(r,g,b)の適宜実数値を採るときは適宜色調の画素(又は適宜色調のハーフトーンの画素)となる。
【0040】
なお、本発明においてはカラー画像のフォーマットとして、R、G、Bを使用して説明したが、本発明においては、このフォーマットに制限されることなく、例えば、Y(イエロー色)、M(マゼンタ色)、C(シアン色)、K(ブラック色)の四つの色成分(印刷の三原色+黒)のそれぞれ画素値で、各画素のカラー画像を指定してもよい。また、各画素が保有するR(レッド色)、G(グリーン色)、B(ブルー色)の三つの色成分(三原色)のそれぞれ画素値を、上記0〜1の実数値により指定する以外に、例えば各色成分の画素値は、2進数を採るものとしてもよく、デジタル信号として、1〜8ビット(1/8バイト〜1バイト);2〜256種類の数値を用いて指定してもよい。
【0041】
次に、本発明における割符画像の原理となる人間の均一領域における視覚的な認識能力について説明する。
【0042】
図4に示すようなカラー画像(例えば、本発明における再生画像4)においては、人間は自然に、「PATTERN」という文字が、画像の中心に書かれていることを認識することが可能である。
【0043】
これは、カラー画像の周辺部分が、ランダムな画素値をもつ「ランダム領域」Raに対して、「PATTERN」の文字の部分が、同じ灰色の画素値をもった「均一領域」Uaであるためである。
【0044】
人間は、このような均一領域を自然に知覚し認識する能力があり、本発明ではこの人間の能力を利用している。すなわち、割符画像を重ね合わせた時に、秘密画像における「PATTERN」という文字の黒い部分が、同じ色の画素値をもつ均一領域となり、白い部分がランダムな画素値をもつランダム領域となるように、割符画像を生成すれば、再生時には人間は、視覚的に秘密画像の「PATTERN」という文字を認識することが可能になる。
【0045】
なお、カラー画像としての各々割符画像を互いに重ねたときに、色は重ね合わせによって図6に示すように変化する。
【0046】
図6は、各々割符画像を互いに重ねたときの色の変化を、画素値にて表現したものであり、例えば、一方の割符画像上におけるある画素のR、G、Bの画素値が、(R,G,B)=(r0,g0,b0)であり、他方の割符画像上における前記一方の割符画像上の画素に対応(整合)する位置での画素のR、G、Bの画素値が、(R,G,B)=(r1,g1,b1)であるとすると、両割符画像を互いに重ね合わせた時に見える色は、(R,G,B)=(r0*r1,g0*g1,b0*b1)の乗算で表現される画素値となる。
【0047】
例えば(R,G,B)=(0.4,0.8,0.6)という画素値の画素と、(R,G,B)=(0.6,0.3,0.4)という画素値の画素とを重ね合わせると、(R,G,B)=(0.24,0.24,0.24)で表現される画素値の色に見えることになる。
【0048】
次に本発明の実施の形態の具体例として、秘密画像が白黒の2値画像であり、その秘密画像を2枚の割符画像に分割する場合について、図3のフローチャートに基づいて説明する。なお、本発明は、この具体例だけに制限されるものではない。
【0049】
[第1ステップ;秘密画像の入力]
まず、秘密画像1をデジタルデータとして入力する。
秘密画像1の入力用画像(オリジナル画像)が、ハードコピーや銀塩写真などの場合は、デジタルスキャナーで読み取り、デジタルデータとして入力する。また、入力用画像が、既にデジタルデータとなっている場合は、そのまま適当な画像フォーマットに変換して入力する。例えば、一実施の形態においては、秘密画像1は白黒の2値画像であり、秘密画像1が濃淡画像(連続階調画像)やカラー画像の場合は、それに変換処理を施すことにより白黒2値画像に変換して入力する。
【0050】
[第2ステップ;割符画像の生成]
次に、上記入力した秘密画像1(白黒の2値画像)を、色セットデータに基づいて2枚を1組(1セット)とするカラーの割符画像2、3に分割する。
【0051】
この色セットデータは、秘密画像1の画素値に応じて、1セット2枚の割符画像2、3のそれぞれ色を決定するための2種類の色成分の画素値の組み合わせを1セットとする色セットの種類を示すもので、2以上複数種類の色セットにより構成されている。なお、各種類の色セットに亘って使用する色成分は、全て同一色成分を使用するものであり、色成分(R、G、B)のうち、いずれの色成分を採用するかは、作成者が予め任意に決定しておくものである。
【0052】
色セットデータは、秘密画像1からカラー画像として形成される2枚の割符画像2、3のうち、一方の割符画像2の各画素における秘密画像1の黒い画素と白い画素に相当する画素に対しては、RGB色成分のうちの1色成分又は2色成分又は全3色成分の同一画素値を割り当て、他方の割符画像3の各画素における秘密画像1の黒い画素と白い画素に相当する画素に対しては、RGB色成分のうちの1色成分又は2色成分又は全3色成分の画素値を割り当て且つ前記割符画像2の画素とは異なる画素値を割り当てるように設定されている。
【0053】
このように色セットデータに基づいて、前記一方の割符画像2の画素に対して割り当てられる色成分の画素値と、他方の割符画像3の画素に対して割り当てられる同色成分の画素値とは、互いに異なる画素値であるが、その両方の画素値の積(論理積)は同一値となるように設定されている。
【0054】
上記2以上複数種類の色セットにより構成される色セットデータの中からランダムに選択(後に説明する乱数を用いて選択)される1つの色セット(セット色成分とその画素値)に基づいて、割符画像2、割符画像3に対して色成分の画素値を割り当てることにより、2枚を1組(1セット)とするカラーの割符画像2、3が形成される。
【0055】
色セットデータに関する具体的な例を、図7(a)〜(b)に示せば、図7の例では、例えば図7(a)に示すように秘密画像1の黒い画素に対しては、3セット(セット0、セット1、セット2)の色情報(画素値)が用意されていて、また、図7(b)に示すように秘密画像1の白い画素に対しては、3セット(セット0、セット1、セット2)の色情報(画素値)が用意されている。
【0056】
例えば、図7(a)に示す黒い画素の3セット(セット0、セット1、セット2)の色情報のうちセット0では、カラー画像となる2枚の割符画像2、3のうち、一方の割符画像2のある画素の画素値のRGB成分の1つが「0.98」、他方の割符画像3の前記画素に対応する画素の画素値のRGB成分の1つが「0.5」になるようにセットすることを示している。なお、前記両方の割符画像の互いに対応するそれぞれ画素の前記画素値のR、G、B成分を、互いに同一色成分としてもよいし、互いに異なる色成分としてセットとてもよい。
【0057】
この場合、両方の割符画像の互いに対応するそれぞれ画素の色成分を同一色成分としてセットした時は、上記2枚の割符画像を互いに重ね合わせて得られる再生画像4は、図7(a)に示すように、その対応する画素の同一色成分の画素値が「0.98*0.5=0.49」となる。
【0058】
図7(a)にあるように、両方の割符画像2、3の黒の画素値のセット0、セット1、セット2のうちいずれかのセットでは、再生画像4の画素値は、全て同じ「0.49」になるのに対し、図7(b)にあるように、両方の割符画像2、3の白の画素値のセット0、セット1、セット2のうちいずれかのセットでは、「0.69」や「0.25」といったばらばらのランダムな値をとるようになっている。
【0059】
これは秘密画像1の黒い画素部分については、その黒い画素部分に対応する再生画像4の部分が全て同じ色(例えば、上記した画素値が「0.49」のある同一色)になり、秘密画像1の白い画素部分については、その白い画素部分に対応する再生画像4の部分がばらばらのランダムな色になることを意味している。
【0060】
また、図7(a)〜(b)に示すように、秘密画像1の黒い画素部分の各割符画像2、3と、秘密画像1の白い画素部分の割符画像2、3には、それぞれ同じ色成分の同じ値の画素値が同数存在している。例えば、この例では画素値=0.98、0.7、0.5の3種類の値が存在している。これは、割符画像2、3を片方だけ解析しても、片方の割符画像だけでは、秘密画像1を黒い画素部分と白い画素部分の集合として判断することができず、安全に秘密を分散させていることを意味している。
【0061】
即ち、図7(a)に示す割符画像2の黒い画素部分と、図7(b)に示す同じ割符画像2の白い画素部分は、同一色成分の同一画素値を示しており、また、図7(a)に示す割符画像3の黒い画素部分と、図7(b)に示す割符画像3の白い画素部分も、同一色成分の同一画素値を示しているためである。
【0062】
実際の割符画像2、3の生成は、コンピュータ制御による入力指示データの演算処理により行う。
【0063】
2以上複数種類の色セットにより構成される色セットデータ(図7(a)〜(b)参照)の中から、乱数を用いてランダムに選択される色セット(セット色成分とその画素値)を、白黒の2値画像である秘密画像1の黒い画素と白い画素の各画素に対して割り当て、以下の処理を繰り返すことで行われる。
【0064】
図7(a)〜(b)に示す色セットデータの場合、セット0、セット1、セット2の3セットあるので、0〜2の範囲で一様に乱数を発生させ、発生した乱数の値と、秘密画像1の画素の画素値(黒い画素部分と白い画素部分)に応じて、割符画像2、3の1つの画素の画素値の色成分を決定する。なお、作成者は、割符画像2、3の画素の色成分として、R、G、B各色成分のうち、例えばR(赤)成分を予め任意に採用決定しておく。
【0065】
▲1▼まず、秘密画像1の画素が黒い画素部分について割符画像2、3に分割する。この場合、コンピュータに入力した色セットデータのセット数に応じてコンピュータ乱数発生手段を用いて乱数を発生させ、発生した乱数が0の場合には、図7(a)に示す入力した色セットデータに基づき、秘密画像1の画素が黒い1つの画素に対応する一方の割符画像2の1つの画素のR成分の画素値を「0.98」、それに対応する他方の割符画像3の1つの画素のR成分の画素値を「0.5」と決定する。
【0066】
▲2▼次に、秘密画像1の画素が白い画素部分について割符画像2、3に分割する。この場合、同様に、コンピュータ乱数発生手段を用いて乱数を発生させ、発生した乱数が0の場合には、図7(b)に示す入力した色セットデータに基づき、秘密画像1の画素が白い1つの画素に対応する一方の割符画像2の1つの画素のR成分の画素値は「0.98」、それに対応する他方の割符画像3の1つの画素のR成分の画素値は「0.7」と決定される。
【0067】
上記▲1▼と▲2▼のデータ処理を、秘密画像1の全ての画素毎に同様に繰り返すことにより、割符画像2、3を構成する各画素の色及び画素を決定し、色セットデータに基づくカラー画像としての割符画像2、3をデータ生成し、画像記録部に記録する。
【0068】
[第3ステップ:割符画像の出力]
最終的に、画像記録部に記録されたデータ生成された割符画像2、3の画像データをデータ出力部(カラーモニタ、カラーレーザープリンタ(無版印刷機)、有版印刷機、プロッタ)にて割符画像として出力する。
【0069】
出力は、基本的に透明なシートにプリンタにて印刷する形態で行われる。印刷は、市販のレーザープリンタやオフセット印刷機などを利用して行う。一般的に印刷にあたっては、R、G、Bの三色成分系データをY、M、C、Kの印刷色系データに変換し、それをインク量に変換する必要があるが、この変換は従来より色変換技術として広く知られている。なお、割符画像2、3のデータ生成を、最初からY、M、C、Kベースで処理することは可能であり、その場合は前記変換処理を省くことができる。
【0070】
上記本発明の画像生成システム及びその方法においては、一連の生成処理をコンピュータ上のソフトウェアで実現するものであるが、その他に専用の生成処理装置としてのハードウェアにより実現することも可能である。
【0071】
図8は、その専用の生成処理装置のブロック図であり、秘密画像1を格納する画像メモリ201、乱数を発生させる乱数発生手段202、割符画像を生成する割符生成手段203、割符画像を印刷(印刷物)の形で記録したり記録媒体に電子データ(データ記録物)として記録する画像記録手段204が組み合わせられた画像生成装置(システム)が構成される。
【0072】
ハードウェアによる処理では、まず、秘密画像1はデジタルデータ化されて画像メモリ201に格納される。乱数発生手段202において乱数が発生され、画像メモリ201から入力される秘密画像1の画像データと、乱数発生手段202から発生する乱数に基づいて、割符生成手段203により割符画像2、3を生成する。そして、画像記録手段204においてR、G、B系の割符画像データを、Y、M、C、K系の割符画像データに変換するとともに、必要に応じて、一旦、記録媒体(フロッピーディスク、ハードディスク、コンパクトディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなど)に保管された後、出力媒体(プラスチックフィルム等の透明なシート)にハードコピーの形態で記録されることにより割符を出力する。
【0073】
このようにハードウェアによっても、容易に前述した画像生成処理を実現することが可能である。ハードウエアを用いると、高速で処理を行うことが可能であり、特に、多種類の割符を生成する必要がある場合、あるいは1種類の割符を多数枚複製する必要のある場合は有効である。
【0074】
[第4ステップ:割符画像の重ね合わせによる再生画像の形成]
上述のように生成された割符画像2、3を再生画像として形成する方式には、生成された割符画像2、3をシート上にハードコピー(例えば印刷物)として出力し、その出力された割符画像2、3をハードコピーの状態で、重ね合わせ装置などにて自動的又は機械的操作により、又はマニュアル操作により適宜に重ね合わせて再生画像4(秘密画像1に相当する画像)を形成する方式がある。
【0075】
また、その他に、生成された割符画像2、3をコンピュータ上に設けた電子データ重ね合わせ処理手段などを介して、コンピュータ上で電子データの状態で重ね合わせて、再生画像4に相当する電子データとして再生画像データ(秘密画像1に相当する画像データ)を形成する方式が採用できる。
【0076】
生成された割符画像2、3をハードコピー(印刷物)の状態で重ね合わせることにより、秘密画像1に相当する再生画像4を再生する割符画像の再生装置について具体的に説明する。
【0077】
図9は、再生装置の一構成例を示した斜視図であり、2枚の割符2、3(割符画像;ハードコピー)を再生装置に装填して固定する固定装置20(固定枠)である。これにより、割符同士が所定の位置関係に固定される。例えば、2枚の割符画像2、3のそれぞれ余白部分の少なくとも2個所には、両画像の相対的位置を位置決め整合可能な見当マークを形成して、この見当マーク同士を互いに重ね合わせることにより、割符同士が所定の位置関係に固定される。
【0078】
この重なって固定された2枚の割符画像2、3により形成される再生画像4から秘密画像1に相当する画像が観察されれば、割符画像は真の組み合わせであることが認識される。また、秘密画像1に相当する画像が観察されなければ、割符画像は真の組み合わせでないことが認識される。
【0079】
この重なって固定された2枚の割符画像2、3が、互いに透明なシートを基材シートとする場合には、電球などの光源Lを再生装置に装填された固定装置20の下部に配置することにより、再生画像4をより鮮明にすることも可能である。なお、再生装置は、このような構成に限らず、割符を正しい位置関係に固定できれば、どのような構造であってもよい。
【0080】
また、再生を行い易くする方法として、図10に示すように、2枚の割符画像2、3のシート10のそれぞれ余白部分に、両画像の相対的位置を位置決め整合可能な見当マーク5を形成して、この見当マーク5同士を互いに重ね合わせることにより割符同士が所定の位置関係に容易に固定される。また、シート10の重ね合わせ内面に比較的弱い粘着力の粘着材を塗布したり、貼り付けておくことにより、一旦重ね合わせた後に、簡単に位置がずれないようにしてもよい。
【0081】
また、生成された割符画像2、3を電子データの状態で重ね合わせて形成される再生画像データの場合は、その再生画像データをコンピュータ上の画像データ読取手段やデータ照合手段を介して再生画像4に相当する秘密画像1として読み取ったり、照合したりすることが可能である。
【0082】
これにより、再生画像データから秘密画像1が読み取られた場合は、両割符画像2、3が真正な組み合わせによる画像であることが認証され、他方、秘密画像1が読み取られない場合は、両割符画像2、3が真正な組み合わせによる画像でないことが認証される。
【0083】
本実施の形態では、秘密画像1を2枚の割符画像2、3に分割する例について述べたが、色セットデータを3枚以上の色セットデータに変えることで、3枚以上の割符画像に分割することも可能である。但し、画像を多く重ねると、再生画像は暗くなって、見辛くなるということがあり、重ねる枚数には制限がある。
【0084】
【発明の効果】
本発明により、従来不可能であった秘密画像を2枚以上のカラーの割符画像に分割し、それらを互いに分散させて保存することにより、秘密画像及びその画像に含まれる秘密データを確実に守秘することが可能になり、白黒の割符画像に比較して非常に豊かな割符表現が可能になり、見栄えだけでなく、見て楽しいエンターテイメント性を高めることができ、さらに、カラー化することでコピー機などによる複写使用を困難にして、偽造防止の効果を高める効果がある。
【0085】
また、従来の手法のように秘密画像の1画素に対して複数の補助画素を割り当てるなどの操作が不要になり、補助画素の割り当てによる割符画像の各画素自体の有効面積がより小さくなるという問題が解消でき、割符画像の精細化に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像生成システム及びその生成記録物における秘密画像と割符画像と再生画像の定義及びその関連の概要を説明するブロック図。
【図2】本発明の画像生成システムにおける画像データの処理動作の一例を説明するブロック図。
【図3】本発明の画像生成システムにおける画像データの処理動作順序の一例を説明するフローチャート図。
【図4】(a)は本発明の画像生成システムにおける秘密画像と割符画像と再生画像の白黒2値画像に配列した画素を説明する平面図、(b)はそのシステムにおける秘密画像と割符画像と再生画像のカラー画像に配列した画素を説明する平面図。
【図5】本発明の画像生成システムにおける再生画像を説明する平面図。
【図6】本発明の画像生成システムにおける2枚の割符画像とその重ね合わせによる再生画像の各画素の色成分とその画素値を数値で示す説明図。
【図7】(a)は本発明の画像生成システムにおいて使用する秘密画像の黒い画素部分を割符画像に変換する際に使用する色セットデータと、そのセット(組)の画素値に関するデータテーブルの一例を示す説明図、(b)は本発明の画像生成システムにおいて使用する秘密画像の白い画素部分を割符画像に変換する際に使用する色セットデータと、そのセット(組)の画素値に関するデータテーブルの一例を示す説明図。
【図8】本発明の画像生成システムにおける画像データの処理動作の他の例を説明するブロック図。
【図9】本発明の画像生成システムにおいて割符画像の形成されたハードコピーを重ね合わせ固定し再生するために使用する固定装置の一例を説明する概要図。
【図10】本発明の画像生成システムにより生成される割符画像の画素及びその画像の重ね合わせを説明する平面図。
【符号の説明】
1…秘密画像 2…割符画像 3…割符画像 4…再生画像 5…目印
10…シート 20…固定装置
101…中央演算制御部 102…画像メモリ 103…画像入力部
104…プログラムメモリ 105…画像記録部 106…バス
107…画像処理部
201…画像メモリ 202…乱数発生部 203…割符生成部
204…画像記録部
L…光源 Ua…均一領域 Ra…ランダム領域
Claims (8)
- 秘密画像データを入力する画像データ入力部と、
該画像データ入力部から入力した秘密画像データと外部又は内部メモリに格納した色セットデータテーブルに登録されている割符1セット中の割符数に相当する2以上複数の画素値を1セット(1組)とする前記秘密画像データの黒い画素部分と白い画素部分に対応するそれぞれ色セットデータとに基づいて、秘密画像データの1画素毎に2以上複数の割符画像の画素データを生成し、秘密画像データの秘密画像を単独では判読できないランダム画像の割符画像データを生成する秘密画像の入力から割符画像2、3のデータ生成と記録までのプロセスを制御するプログラムメモリを備えた中央演算制御部と、
生成した割符画像データを記憶させる画像データメモリ部、
を備えたことを特徴とする画像生成システム。 - 請求項1記載の画像生成システムであって、前記色セットデータテーブルのそれぞれ色セットデータは2以上数種類の組み合わせの色セットを備え、秘密画像データの1画素毎に該色セットの中から1種類の色セットを選択して2以上複数の割符画像の画素データを生成して割符画像データを生成することを特徴とする画像生成システム。
- 請求項1記載の画像生成システムであって、前記色セットデータテーブルのそれぞれ色セットデータは2以上数種類の組み合わせの色セットを備え、秘密画像データの1画素毎に該色セットの中から1種類の色セットを乱数を用い選択して2以上複数の割符画像の画素データを生成して割符画像データを生成することを特徴とする画像生成システム。
- 秘密画像データを格納する画像メモリ部と、
該画像メモリ部から入力した秘密画像データと外部又は内部メモリに格納した色セットデータテーブルに登録されている割符1セット中の割符数に相当する2以上複数の画素値を1セットとする前記秘密画像データの黒い画素部分と白い画素部分のそれぞれ色セットデータとに基づいて、秘密画像データの1画素毎に2以上複数あり秘密画像データの秘密画像を単独では判読できないランダム画像の割符画像データを生成する割符生成部と、
該割符生成部にて生成した割符画像データを記録する画像データ記録部、
を備えたことを特徴とする画像生成システム。 - 請求項4記載の画像生成システムであって、前記色セットデータテーブルのそれぞれ色セットデータは2以上数種類の組み合わせの色セットを備え、秘密画像データの1画素毎に該色セットの中から1種類の色セットを選択して2以上複数の割符画像の画素データを生成して割符画像データを生成することを特徴とする画像生成システム。
- 請求項4記載の画像生成システムであって、前記色セットデータテーブルのそれぞれ色セットデータは2以上数種類の組み合わせの色セットを備え、秘密画像データの1画素毎に該色セットの中から1種類の色セットを乱数発生部から発生する乱数値に基づき選択して2以上複数の割符画像の画素データを生成して割符画像データを生成することを特徴とする画像生成システム。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の画像生成システムにより前記秘密画像データと色セットデータとに基づいて生成された2以上複数の割符画像データに基づく各々割符画像が、2以上複数枚のそれぞれシート上にハードコピー出力手段を用いて出力され記録されていることを特徴とする画像記録物。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の画像生成システムにより前記秘密画像データと色セットデータとに基づいて生成された2以上複数の割符画像データが、電子データとして記録されていることを特徴とする画像記録媒体。
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