JP4354668B2 - インサート金具を有するプラスチック成形体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック成形体の一部にインサート金具を有するインサート金具付きのプラスチック成形体に関するものであり、特に、金具の装着されるボス部の開口端部のところに、金具が熱溶着手段等にて装着されたときに、上記ボス部の開口端部のところに残留応力が生じないように上記ボス部の径を予め大き目に設定しておくようにしたインサート金具を有するプラスチック成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プラスチック成形体の一部にインサートナット等の金具が取付けられる場合、プラスチック成形体の一部にボス部を設けるとともに当該ボス部のところに上記インサート金具を熱溶着手段あるいは接着剤を介した圧入手段等にて装着されるようになっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなインサート金具のボス部への装着方法においては、上記ボス部の装着部周り、特に、その開口端部のところには、金具の装着に起因する残留応力が生ずることとなる。そして、このような残留応力の存在するところに、特定の溶剤が付着したりすると、上記残留応力を有するボス部の開口端部のところが上記溶剤によって損傷を受けるおそれがあると言う問題点がある。このような問題点を解決するために、上記インサート金具の装着されるボス部の開口端部周りには、金具装着時において残留応力の生じないような特殊な形状を採らせるようにしたボス部にインサート金具を有するプラスチック成形体を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明においては、ボス部にインサート金具を有するものであって当該インサート金具の上記ボス部への装着方法が熱溶着手段等にて行われるようにしたボス部にインサート金具を有するプラスチック成形体に関して、上記インサート金具を円筒状の形態からなるものであってその全表面に渡ってローレット部の設けられた円筒状部を主に形成させるとともに、このようなインサート金具の取り付けられるボス部の開口端部のところに、上記インサート金具が装着されたときに、当該インサート金具を形成する上記円筒状部の外周部との間に溶着代または圧入代がゼロの値になるように形成された隙間部を、その全周にわたって、かつ、ボス部開口端面から少なくとも3mm以上の所定の長さにわたって設けるようにした構成を採ることとした。
【0005】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、上記ボス部の開口端部のところには上記インサート金具の装着に起因する残留応力が生じないようになる。従って、このようなボス部開口端部のところに特定の溶剤が付着したとしても、当該ボス部開口端部のところには、上記溶剤による損傷部(破損部)が生じないようになる。一般に、例えば、上記プラスチック成形体が車両用のドアハンドルであるような場合、このようなドアハンドルを有する車両は、その外表面部がさび止め用のワックスにて被われた状態で保管されるとともに、このような車両が顧客に渡されるときには上記防錆用ワックスは所定のアルカリ性溶剤等を用いて取り除かれるようになっている。このときに用いられるアルカリ性溶剤にて上記インサート金具等の装着されたボス部開口端部が損傷を受ける場合がある。このようなアルカリ性溶剤による損傷に対して、本発明のものにおいては、上記開口端部のところに残留応力が生じないようになっているので、何ら問題の生ずることがない。
【0006】
また、本発明においては、上記インサート金具の装着されるボス部開口端部に設けられる隙間部を少なくとも開口端面から3mmのところまでは設けるようにした構成を採ることとした。このような構成を採ることにより、インサート金具の装着されるボス部開口端部におけるアルカリ性溶剤による損傷(破損)の発生が抑止されることとなる。特に、上記残留応力の存在に基づくアルカリ性溶剤による損傷は、開口端面部において最も著しく生ずるものであるところから、これらを考慮して、本発明のものにおいては上記隙間ゼロの部分がボス部の開口端面から少なくとも3mm奥部までは設けられるようにし、これによって、開口端部周りには残留応力が生じないようにし。その結果、この部分(周り)におけるアルカリ性溶剤に起因する損傷の発生等を効果的に抑止することができるようになる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1及び図2を基に説明する。本実施の形態にかかるものは、例えば図1に示す如く、ドア外板の外側に設けられるものであって所定のプラスチック材にて形成されるアウタードアハンドル本体1と、当該アウタードアハンドル本体1の一部に形成されたボス部11に取付けられるインサート金具2と、からなることを基本とするものである。このような基本構成からなるものにおいて、上記アウタードアハンドル本体1は、本実施の形態においては、ポリカーボネイト(PC)、またはポリブチレンテレフタレート(PBT)等の材料が採用されるようになっている。
【0008】
また、このような構成からなるアウタードアハンドル本体1の一部には、図1及び図2に示す如く、ナット等のインサート金具2の取付けられるボス部11が設けられるようになっている。このボス部11の具体的構成は、図2に示す如く、開口端部のところに設けられるものであって所定の内径(D2 )を有するように形成された溶着代(掛り代)がゼロの状態に形成される隙間部112と、当該隙間部112の奥部に形成されるものであって所定の溶着代を有するように内径の値がD1に設定される溶着部111と、からなるものである。なお、このような構成からなるものにおいて、上記隙間部112の、その奥行きの長さ(L)は少なくとも3mm以上の値が採られるようになっている。すなわち、L≧3mmの関係式が成り立つようになっているものである。
【0009】
次に、このような構成からなるボス部11内に装着されるインサート金具2について説明する。このものは、例えば図2に示す如く、その円筒状部の外表面部に所定のローレット部21等を有する金属製の部材からなるものであって、本実施の形態においてはインサートナットが挙げられている。このようなインサートナット(インサート金具)2の上記ローレット部21の外径寸法(d)の値は、ボス部11の溶着部111の内径寸法(D1)よりも大きく、かつ、隙間部112の内径寸法(D2)よりは小さく設定されているものである。すなわち、D1<d≦D2の関係式が成り立つようになっている。具体的には、本実施の形態においては、D1=8.7mm、D2=9.5mm、d=9.1mmに設定されるようになっている。そして、溶着代がゼロの値に設定される隙間部112の長さの値は3mmに設定されるようになっている。
【0010】
このような構成からなるインサートナット(インサート金具)2が所定の温度に加熱された状態で上記ボス部11の内径側に装着されると、上記溶着部111の内表面部が上記インサートナット(インサート金具)2のローレット部21によって溶かされ、上記溶着部111が上記ローレット部21の外表面部に溶着するようになる。一方、このような溶着状態にあって、ボス部11の開口端部側には、長さLの間にわたって隙間部112が設けられるようになっているので、この部分は溶着状態が形成されず、よって、この隙間部112には残留応力が生じないようになる。従って、このようなインサートナット(インサート金具)装着部に、仮にアルカリ性溶剤等が浸入して来たとしても、ボス部11の開口端部(隙間部112)のところにはアルカリ性溶剤による損傷等は発生しないようになる。一般に、例えば、上記プラスチック成形体が車両用のドアハンドルであるような場合、このようなドアハンドル1を有する車両は、その外表面部がさび止め用のワックスにて被われた状態で保管されるとともに、このような車両が顧客に渡されるときには上記防錆用ワックスは所定のアルカリ性溶剤等を用いて取り除かれるようになっており、このときに用いられるアルカリ性溶剤にて上記インサート金具2等の溶着されたボス部開口端部周り(隙間部112)が損傷を受ける場合がある。このようなアルカリ性溶剤による損傷に対して、本実施の形態のものにおいては、上記開口端部(隙間部112)のところに残留応力が生じないようになっているので、何ら問題の生ずることがない。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、ボス部にインサート金具を有するものであって当該インサート金具の上記ボス部への装着方法が熱溶着手段または圧入手段等にて行われるようにしたボス部にインサート金具を有するプラスチック成形体に関して、上記インサート金具の取り付けられるボス部の開口端部のところに、上記インサート金具が装着されたときに、当該インサート金具の外周部との間に溶着代または圧入代がゼロの値になるように形成された隙間部を設けるようにした構成を採ることとしたので、上記ボス部の開口端部のところには上記インサート金具の装着に起因する残留応力が生じないようになり、このようなボス部開口端部のところに特定の溶剤が付着したとしても、当該ボス部開口端部のところには、上記溶剤による損傷部(破損部)が生じないようになった。
【0012】
また、本発明においては、上記インサート金具の装着されるボス部開口端部に設けられる隙間部を少なくとも開口端面から3mmのところまでは設けるようにした構成を採ることとしたので、インサート金具の装着されるボス部開口端部におけるアルカリ性溶剤による損傷(破損)の発生を抑止することができるようになった。特に、本発明のものにおいては、上記残留応力の存在に基づくアルカリ性溶剤による損傷は、開口端面部において最も著しく生ずるものであるところから、これらを考慮して上記隙間ゼロの部分をボス部の開口端面から少なくとも3mm奥部までは設けるようにし、これによって、開口端部周りには残留応力部を生じさせないようにし、この部分(周り)におけるアルカリ性溶剤による損傷の発生等を効果的に抑止することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す横断面図である。
【図2】本発明にかかるボス部及びインサート金具の全体構成を示す展開図である。
【符号の説明】
1 ドアハンドル本体(アウタードアハンドル本体)
11 ボス部
111 溶着部
112 隙間部
2 インサート金具(インサートナット)
21 ローレット部

Claims (1)

  1. ボス部にインサート金具を有するものであって当該インサート金具の上記ボス部への装着方法が熱溶着手段等にて行われるようにしたボス部にインサート金具を有するプラスチック成形体において、上記インサート金具を円筒状の形態からなるものであってその全表面に渡ってローレット部の設けられた円筒状部を主に形成させるとともに、このようなインサート金具の取り付けられるボス部の開口端部のところに、上記インサート金具が装着されたときに、当該インサート金具を形成する上記円筒状部の外周部との間に溶着代または圧入代がゼロの値になるように形成された隙間部を、その全周にわたって、かつ、ボス部開口端面から少なくとも3mm以上の所定の長さにわたって設けるようにした構成からなることを特徴とするインサート金具を有するプラスチック成形体。
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