JP4357779B2 - 難燃性ゴム組成物及び電線被覆材 - Google Patents

難燃性ゴム組成物及び電線被覆材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性、耐油性、機械的特性に優れた難燃性ゴム組成物に関する。さらに詳しくは、難燃性に優れるとともに、燃焼した場合であってもハロゲンガス等の有毒ガスの発生がなく、また、リンや鉛等の環境汚染物質を含有することがなく、さらに、耐候性、耐油性及び機械的特性等の諸物性のバランスに優れ、電線被覆材の用途に特に有用な難燃性ゴム組成物及び電線被覆材に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴムに代表されるエチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体は、機械的特性、耐熱性、耐候性などに優れているため、自動車部品、工業用ゴム部品、電気部品、土木建材用品などの用途に広く用いられている。昨今の自動車、電気製品などの高性能化により、ロール、ベルト等で例示されるゴム製品の使用される環境条件はますます厳しくなってきている。これら使用環境のなかでも雰囲気温度の上昇は著しいものがあり、高温雰囲気使用時における更なる難燃性の改良が求められている。
【0003】
従来、ゴム組成物に難燃性を付与する最も一般的な方法として、ハロゲン系難燃剤を用いる方法が考えられる。しかし、これらの難燃剤は少量の配合で難燃効果を発揮するものの、燃焼時に腐食性で有毒なガスを発生するという問題がある。
ハロゲン系難燃剤を用いない難燃性ゴム組成物としてリン系の難燃剤を用いたものがあるが(例えば、特開平2−263851号公報)、リン系の難燃剤はその吸湿性に基づくブリードを防止する必要があり、ブリードの防止は、オレフィン系合成ゴム及びシランカップリング剤の配合によって一定の改良が認められるものの、可撓性や柔軟性等の物性及び無公害かつ環境調和の観点からは必ずしも十分に満足し得るものではない
最近、無公害かつ環境調和型の難燃剤として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機系金属化合物の水和物が注目されている。しかし、このような無機系金属化合物の水和物は、満足しうる難燃性を得るために無機系金属化合物の水和物の充填量を高める必要があり、充填量を高めると機械的特性、特に引張強度が低下し、また、柔軟性、加工性が低下するという問題があった。更には、使用される用途によっては耐油性が要求されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、難燃性に優れるとともに、耐候性、機械的特性及び柔軟性等の諸物性のバランスに優れ、更には耐油性を有し、電線被覆材の用途に特に有用な難燃性ゴム組成物、および電線被覆材に関する。
【0005】
【発明を解決するための手段】
本発明者は上記目的を達成するため鋭意研究した結果、不飽和ニトリル単位の含量の高い不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムが、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムとの親和性が良好であること、その結果、エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴム等と均一に分散し、上記諸特性を全て満足するゴム組成物が得られることを知見し本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、下記の難燃性ゴム組成物とそれを用いた電線被覆材が提供される。
[1](A)不飽和ニトリル単位の含量が35〜70重量%である不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムと、(B)エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムとの合計量100重量部に対し、(D)水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種を50〜300重量部含有する難燃性ゴム組成物であって、上記(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムと(B)エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムとを、重量比((A)/(B))で10〜70/90〜30の割合で含有し、(C)不飽和ニトリル単位の含量が5重量%以上35重量%未満である不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムを、上記(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムに対して重量比((C)/(A))で、0.01〜1配合してなることを特徴とする電線被覆材用の難燃性ゴム組成物。
[2]上記(B)エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムのムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が40〜200であることを特徴とする上記[1]に記載の難燃性ゴム組成物。
]上記(D)水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムは、シランカップリング剤で処理をしたもの、あるいは、シランカップリング剤と併用したものである上記[1]又は[2]に記載の難燃性ゴム組成物。
]酸素指数(LOI)が28%以上であることを特徴とする上記[1]〜[]のいずれかに記載の難燃性ゴム組成物。
]上記[1]〜[]のいずれかに記載のゴム組成物を架橋してなる電線被覆材
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の難燃性ゴム組成物の実施の形態を具体的に説明する。
本発明の電線被覆材用の難燃性ゴム組成物は、(A)不飽和ニトリル単位の含量が35〜70重量%である不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムと、(B)エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムとの合計量100重量部に対し、(D)水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種を50〜300重量部含有するゴム組成物であって、上記(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムと(B)エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムとを、重量比((A)/(B))で10〜70/90〜30の割合で含有し、(C)不飽和ニトリル単位の含量が5〜35重量%未満である不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムを、上記(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムに対して重量比((C)/(A))で、0.01〜1配合してなることを特徴とする。
以下、各構成要素ごとにさらに具体的に説明する。
【0008】
不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴム
本発明に用いられる(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムは、不飽和ニトリル単位の含量が35〜70重量%である不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴム(以下「(A)成分」ともいう)である。
本発明の(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムは、共役ジエンと不飽和ニトリルとの共重合ゴム、共役ジエンと不飽和ニトリルと不飽和ニトリル以外の極性基含有の共重合性単量体との共重合ゴム、さらにはこれらの部分架橋共重合ゴムである。
【0009】
(A)成分を構成する共役ジエン(以下「(a−1)」ともいう)としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−トリメトキシシリル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ブタジエン等を挙げることができ、これらのうち一種単独または2種以上を併用することができる。このうち、特にブタジエンとイソプレンが好ましい。
【0010】
(A)成分を構成する不飽和ニトリル(以下「(a−2)」ともいう)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、α−イソプロピルアクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル、エタクリロニトリル等が挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。
【0011】
(A)成分を構成する不飽和ニトリル以外の極性基含有の共重合性単量体(以下「(a−3)」ともいう)の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸3−メチルブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クロトン酸2−ヒドロキシエチル、クロトン酸2−ヒドロキシプロピル、ケイ皮酸2−ヒドロキシエチル、ケイ皮酸2−ヒドロキシプロピル、クロトン酸N−ヒドロキシメチルアミド、クロトン酸N−(2−ヒドロキシエチル)アミド、ケイ皮酸N−ヒドロキシメチルアミド、ケイ皮酸N−(2−ヒドロキシエチル)アミド、アリルアルコール、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルアミン、アリルアミン、o−アミノスチレン、m−アミノスチレン、p−アミノスチレン、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、アクロレイン、ビニルメチルケトン、ジビニルフタレート、ジアリルフタレート、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ポリエチレングリコールのポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は例えば2〜23)のジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールのポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は例えば2〜23)のジ(メタ)アクリレート等が挙げることができる。これらの単量体は、一種単独または2種以上を併用することができる。このうち特にアクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸s−ブチルが好ましい。
【0012】
(A)成分中の共役ジエン単位の含量は、(a−1)+(a−2)+(a−3)=100重量%とした場合、15〜65重量%、より好ましくは20〜50重量%である。単量体(a−1)の含量が15重量%未満ではゴム弾性が低下する傾向にある。一方、65重量%を超えると、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムとの相溶性が悪化し、得られるゴム組成物の機械的強度が低下する。
【0013】
不飽和ニトリル単位の含量は、35〜70重量%、より好ましくは40〜60重量%である。単量体(a−2)の含量が、35重量%未満の場合には、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムとの相溶性が悪化し、得られるゴム組成物の機械的強度が低下する。また、耐油性も低下する傾向にある。一方、単量体(a−2)の含量が70重量%を超えると、ゴム弾性が低下する恐れがある。
【0014】
不飽和ニトリル以外の極性基含有の共重合性単量体単位の含量は、0〜50重量%、より好ましくは0〜50重量%である。単量体(a−3)の含量が60重量%超えると、ゴム弾性が低下する傾向にある。
【0015】
本発明の(A)成分に含まれる部分架橋共重合ゴムは、上記(a−1)と(a−2)、あるいは、(a−1)と(a−2)と(a−3)に多官能性不飽和単量体を共重合させることにより得ることができる。
多官能性不飽和単量体(以下「(X)」ともいう)は、1分子中に2個以上のラジカル重合可能なビニル基を有し、通常の乳化重合で重合可能なものである。例えば、多価アリル化合物、(メタ)アクリレート化合物、ジビニル化合物、ビスマレイミド化合物、オキシム化合物などが挙げられる。具体的には、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール・ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロイルジエトキシフェニル)プロパン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ビスマレイミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、トリアジンチオール、などが挙げられる。これらは一種単独あるいは2種以上を併用することもできる。
【0016】
(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムの重合方法は特に限定されず、ラジカル重合法、アニオン重合法等が挙げられる。ラジカル重合法としては、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法などがあるが、本発明においてはアクリロニトリル系ゴムラテックスを用いるため、重合終了時に安定な乳化分散液が得られる乳化重合法が特に好ましい。この乳化重合は通常の重合方法であればよく、所定の単量体を乳化剤の存在下に水系媒体中で乳化させ、ラジカル重合開始剤により重合を開始し、所定の重合転化率に達した後、重合停止剤にて重合を停止する方法等が挙げられる。
【0017】
乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤等が挙げられる。また、ふっ素系の界面活性剤を使用することもできる。これらの乳化剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。通常、アニオン系界面活性剤が多用され、例えば、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩、ロジン酸塩などが用いられる。具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸のカリウム塩及びナトリウム塩等が挙げられる。
【0018】
ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド及びジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を使用することができる。また、アゾビスイソブチロニトリルにより代表されるジアゾ化合物、過硫酸カリウムにより代表される無機過酸化物、及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄との組み合せにより代表されるレドックス系触媒等を用いることもできる。これらのラジカル重合開始剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0019】
(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムの分子量を調節するために連鎖移動剤を使用することもできる。この連鎖移動剤としては、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、タ−ピノーレン及びγ−テルピネン類等を使用することができる。
【0020】
(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムの重合において、各々の単量体、乳化剤、ラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤等は、反応容器に全量を一括して投入して重合を開始してもよいし、反応継続時に連続的或いは間欠的に追加し、添加してもよい。この重合は酸素を除去した反応器を用いて0〜100℃で行うことができ、0〜80℃の重合温度で行うことが好ましい。反応途中で温度或いは攪拌等の操作条件などを適宜に変更することもできる。重合方式は連続式でもよいし、回分式であってもよい。
【0021】
重合の停止は所定の重合転化率に達した時点で、重合停止剤を添加することによって行われる。重合停止剤としては、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノン等のキノン化合物等が用いられる。重合停止後、反応系から必要に応じて水蒸気蒸留等の方法により未反応単量体を除去し、ラテックスを凝固して本発明で使用する不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムが得られる。
【0022】
(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムの分子量には特に制限はないが、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は20〜200が好ましい。
【0023】
本発明のゴム組成物中の(A)成分の割合は、(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムと(B)エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムとの重量比((A)/(B))で10〜70/90〜30、好ましくは25〜65/75〜35の割合で含有することができる。(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムが10重量%未満であると、難燃性と耐油性が悪化する傾向がある。一方、70重量%を超えると、耐候性が悪化する恐れがある。
【0024】
尚、本発明のゴム組成物は、さらに(C)不飽和ニトリル単位の含量が5重量%以上35重量%未満、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%である不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムを上記(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムに対して重量比((C)/(A))で、0.01〜1、好ましくは0.1〜0.8配合することにより、混練り加工性が改良される。不飽和ニトリル単位の含量が5〜30重量%である不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムは、不飽和ニトリル単位の含量が(A)成分と異なる以外は上記(A)成分と同様にして得られる。
【0025】
エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴム
本発明に用いられる(B)エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴム(以下「(B)成分」ともいう)における非共役ジエンとしては、例えば、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オクタジエン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエン、5−メチル−1,8−ノナジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエンなどを挙げることができ、特に1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ましい。
【0026】
エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムにおいて、プロピレンが10モル%以上の割合で共重合されていることが好ましい。また、非共役ジエンとしては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンが好ましく、その含量は、エチレンとプロピレンの合計を100モル%とした場合に、3〜10モル%(より好ましくは3〜8モル%)であることが好ましい。また、ヨウ素価表示で40以下、好ましくは5〜30、より好ましくは7〜20であることが好ましい。エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムにおいて、エチレン含有量が90モル%より多くなり、プロピレン含有量が10モル%未満では、該共重合ゴムの柔軟性が不足し好ましくない。また、エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムのムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は20〜300、好ましくは40〜200、さらに好ましくは60〜200である。X線回折測定による結晶化度は20%以下、より好ましくは15%以下であることが好ましい。結晶化度が20%を超える場合は共重合ゴムの柔軟性が低下する傾向があり好ましくない。
【0027】
(B)成分の重合方法は特に制限されないが、バナジウム系触媒、チタン系触媒、メタロセン系触媒などの公知の触媒の存在下で重合される。例えばバナジウム系触媒の場合は、少なくとも1種の溶媒可溶性バナジウム化合物と少なくとも1種の有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下で、エチレン、プロピレンおよび非共役ジエンを、必要に応じて分子量調節剤として水素を供給しつつ重合する方法により製造することができる。その際の重合は、気相法(流動床あるいは攪拌床)でも液相法(スラリー法あるいは溶液法)でも実施することができる。前記溶媒可溶性バナジウム化合物としては、VOCl、VCl、VOClあるいはVClの少なくとも1種とアルコールとの反応生成物が好ましい。この場合、前記アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール等を挙げることができ、これらのうち炭素数3〜8のアルコールが好ましい。また、前記有機アルミニウム化合物としては、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジクロリド、トリメチルアルミニウムと水との反応生成物であるメチルアルミノキサン等を挙げることができ、特にエチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリドとトリイソブチルアルミニウムとの混合物、トリイソブチルアルミニウムとブチルアルミニウムセスキクロリドとの混合物が好ましい。また、前記溶媒としては、通常、炭化水素溶媒が使用される。好ましい炭化水素溶媒は、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン等である。これらの炭化水素溶媒は、単独でまたは2種以上を併用することができる。本発明のエチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムは後述する軟化剤が重合時に添加された油展ポリマーであってもよい。
【0028】
本発明のゴム組成物中の(B)成分の割合は、(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムと(B)エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムとの重量比((A)/(B))で10〜70/90〜30、好ましくは25〜65/75〜35の割合で含有することができる。(B)成分の割合が30重量%未満では耐候性が悪化する恐れがあり、90重量%を越えると難燃性と耐油性が悪化する傾向がある。
【0029】
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム
本発明に用いられる水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウム(以下「(D)成分」という場合がある)は、その表面を、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸又はその金属塩;パラフィン、ワックス、ポリエチレンワックス、又はそれらの変性物;有機ボラン、有機チタネート等の有機金属化合物;シランカップリング剤等で処理をしたものであってもよい。中でも、シランカップリング剤で処理をしたもの、あるいは、シランカップリング剤と併用したものは、引張強度の改良効果が著しいので好ましい。
【0030】
水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムは、結晶がよく成長し、かつ凝集の少ないものが好ましい。BET比表面積は20m/g以下、特に好ましくは3〜10m/gの範囲にあり、かつ平均2次粒子径が0.2〜5μm、特に好ましくは0.5〜3μmの範囲にある水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムである。水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムは上記特性を充足するものであれば、合成品、天然品のいずれでもよい。水酸化マグネシウムの合成品は塩化マグネシウム又は硝酸マグネシウムとアンモニア又は水酸化カリウムとが十分接触できる条件下で水性媒体中で接触せしめた後、加圧下で加熱することにより得られる。
シランカップリング剤の水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムに対する添加量は、0.1〜3重量%、好ましくは0.3〜1重量%である。上記範囲の下限より少ないときには、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムの凝集力が強く、組成物への分散性が劣ることとなり易い。上記範囲の上限を超えても分散性がさらに向上することはなく、経済的に好ましくない。シランカップリング剤による水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムの表面処理方法としては、公知の方法、すなわち乾式法または湿式スラリー法を用いることができる。また、ゴム組成物中に水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムとシランカップリング剤を添加し、混合しながら表面処理することもできる。
使用されるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシラン、メチルトリエトキシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、N−〔β−(N−ビニルベンザルアミノ)エチル〕−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩等を挙げることができる。
高級脂肪酸又はそのアルカリ金属塩で表面処理する場合には、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウム中に、熱または溶剤で溶かした高級脂肪酸又はそのアルカリ金属塩を噴霧し、ヘンシェルミキサー等を用いて乾式法で表面処理することができる。また、ゴム組成物中に水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムと高級脂肪酸又はそのアルカリ金属塩を添加し、混合しながら表面処理することもできる。
水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムに対する高級脂肪酸又はそのアルカリ金属塩の添加量は、BET法による比表面積の10〜80%、好ましくは15〜50%被覆できる量でよい。高級脂肪酸およびそのアルカリ金属塩としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、アラキジン酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩などが用いられる。
【0031】
また、本発明においては、難燃効果を高めるために、必要に応じて、ポリ燐酸アンモニウム系難燃剤、燐酸エステル等の燐系難燃剤、シリコーン化合物;石英硝子等を用いてもよく、また難燃助剤として、水ガラス等を用いてもよく、さらに、ドリップ防止のため窒化珪素短繊維等を用いてもよい。
【0032】
(D)成分の組成物中の含有量は、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計量100重量部に対し、50重量部以上、好ましくは、75重量部以上、さらに好ましくは、100重量部以上である。50重量部未満であると、十分な難燃性を有する組成物が得られない。上限は300重量部以下、好ましくは、200重量部以下である。本発明により、(D)成分の含有量を少なくして酸素指数(LOI)が28%以上で、引張強度が12MPa以上の難燃性と引張強度のバランスに優れたゴム組成物が得られる。
【0033】
尚、本発明のゴム組成物を実用に供する場合、通常、架橋剤、充填剤、可塑剤等が配合される。この他に、カーボンブラック補強剤、金属酸化物、軟化剤、老化防止剤及び加工助剤などを適量配合することができる。更にその際、ゴム成分として他のゴムを配合することもできる。このその他のゴム成分は特に限定されないが、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−スチレン−イソプレン共重合ゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム等を使用することができる。
架橋剤としては、硫黄が代表的なものであるが、その他に硫黄含有化合物、過酸化物等を用いることもできる。この架橋剤は、ゴム成分を100重量部とした場合に、通常、0.5〜10重量部、特に1〜6重量部配合することが好ましい。
【0034】
硫黄としては、具体的には、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などが挙げられる。硫黄含有化合物としては、具体的には、塩化硫黄、二塩化硫黄、高分子多硫化物などが挙げられる。また、架橋温度で活性硫黄を放出して架橋する硫黄化合物、たとえばモルホリンジスルフィド、アルキルフェノ−ルジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどが挙げられる。
【0035】
有機過酸化物としては、たとえば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルヒドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシン)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。なかでも、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましく用いられる。これらの有機過酸化物は1種または2種以上組み合わせて用いられる。
【0036】
また、架橋促進剤としては、具体的には、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−(2’,4’−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾ−ル、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾ−ル系化合物;ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレ−ト等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテ−ト系化合物;亜鉛華等の化合物を挙げることができる。
【0037】
さらに、架橋助剤としては、具体的には、硫黄;p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト等のメタクリレ−ト系化合物;ジアリルフタレ−ト、トリアリルシアヌレ−ト等のアリル系化合物;その他マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
【0038】
可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類、ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、オクチルデシルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジイソブチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジイソオクチルセバケート等の脂肪酸エステル類、トリメリット酸イソデシルエステル、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸n−オクチルエステル、トリメリット酸系イソノニルエステル等のトリメリット酸エステル類の他、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート、ジエチレングリコールモノオレート、グリセリルモノリシノレート、トリラウリルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、エポキシ化大豆油、ポリエーテルエステル等の可塑剤が挙げられる。可塑剤は単独または2種以上を併用することが出来る。尚、可塑剤は予め不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムに分散させて用いてもよい。
【0039】
カーボンブラック補強剤としては、例えばSAFカーボンブラック、ISAFカーボンブラック、HAFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、GPFカーボンブラック、SRFカーボンブラック、FTカーボンブラック、MTカーボンブラック、アセチレンカーボンブラック、ケッチェンブラック等を挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を併用することができる。
【0040】
充填剤としては、シリカ、重質炭酸カルシウム、胡粉、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、カオリンクレー、焼成クレー、パイロフライトクレー、シラン処理クレー、合成ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カオリン、セリサイト、タルク、微粉タルク、ウォラスナイト、ゼオライト、ゾーノトナイト、アスベスト、PMF(Processed Mineral Fiber、セピオライト、チタン酸カリウム、エレスタダイト、石膏繊維、ガラスバルン、シリカバルン、ハイドロタルサイト、フライアシュバルン、シラスバルン、カーボン系バルン、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン等を挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。
【0041】
金属酸化物としては、例えば、亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、複合亜鉛華、複合活性亜鉛華、表面処理酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、極微細水酸化カルシウム、一酸化鉛、鉛丹、鉛白等を挙げることができる。 これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0042】
軟化剤としては、石油系軟化剤、植物油系軟化剤、サブを挙げることができる。石油系軟化剤は、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系軟化剤等を挙げることができる。植物系軟化剤は、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やじ油、落花生油、木ろう等を挙げることができる。サブとしては、黒サブ、白サブ、飴サブ等を挙げることができる。
【0043】
老化防止剤としては、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、モノ、ビス、トリス、ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダートフェノール系、亜リン酸エステル系、イミダゾール系、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系、リン酸系の老化防止剤等を挙げることができる。これらは単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0044】
加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリルアミン等を挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0045】
本発明ゴム組成物を用いたゴム製品は、以下のようにして製造することができる。
先ず、本発明ゴム組成物及び/又はその他のゴム成分、例えば充填剤、カーボンブラック補強剤、軟化剤、その他の配合剤などをバンバリーミキサー等の混練機を使用して70〜180℃の温度で混練する。その後、混練物を冷却し、これにさらに硫黄等の架橋剤及び架橋促進剤などを、バンバリーミキサー或いはミキシングロール等を用いて配合し、所定の形状に成形する。次いで、130〜200℃の温度で架橋し、所要の架橋ゴム、即ち、ゴム製品を得る。
【0046】
本発明のゴム組成物は、難燃性と共に耐候性、機械的特性及び柔軟性等の諸物性のバランスに優れ、更に耐油性を有するため、機器内配線や自動車用ハーネス等の電線被覆材の用途において使用することができる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限を受けるものではない。なお、実施例、比較例、参考例中の部及び%は、特に断らない限り重量基準である。また、実施例、比較例、参考例で用いられた各成分は下記の通りである。
【0048】
(A)アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム
以下の記載の方法によりアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムを合成した。
1L重合用容器に、水200mL、ロジン酸石鹸4.5g、ブタジエン30g、アクリロニトリル70g、及びt−ドデシルメルカプタン0.2gを仕込んだ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイド0.03g、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.02g、硫酸第1鉄7水和物0.01g、及びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.03gを添加して重合を開始し、重合転化率が60%に達した時点でジエチルヒドロキシルアミンを添加して重合を停止させた。次いで、スチームストリッピングにより未反応単量体を回収し、固形分濃度23%のアクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスを得た。その後、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスを塩化カルシウムにより凝固させてクラムとし、熱風乾燥機で乾燥させ、下記に示すアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR−1)を得た。同様にして単量体混合物の量を変量して、下記に示すNBR−2〜NBR−4を得た。
NBR−1:アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(ムーニー粘度:70、アクリロニトリル含量:47重量%)
NBR−2:アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(ムーニー粘度:70、アクリロニトリル含量:41重量%)
NBR−3:アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(ムーニー粘度:70、アクリロニトリル含量:33重量%)
NBR−4:アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(ムーニー粘度:70、アクリロニトリル含量:20重量%)
【0049】
(B)エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴム
以下の記載の方法により(B)エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムを合成した。窒素置換した3Lセパラブルフラスコに、ヘキサン2000mLと、5−エチリデン−2−ノルボルネン3mLを添加し、その後、エチレン(供給割合:5L/min)/プロピレン(供給割合:3L/min)/水素(供給割合:1L/min)混合ガスを連続的に供給しながら、重合触媒として、Al2(C253Cl3の濃度が0.81mol/Lのヘキサン溶液5mL(Al2(C253Cl3 4.05mmol)を添加し、次いで、VCl4の濃度が0.1mol/Lのヘキサン溶液0.5mL(VCl4 0.05mmol)を添加し、20℃、20分間の条件で、エチレン、プロピレンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネンの共重合反応を行った。得られた重合体溶液に、水1Lを添加して10分間攪拌した後、重合体溶液に水蒸気を吹き込むことにより、溶媒の除去処理を行った。その後、得られたスラリーから固形分を分離し、これを加熱ロールによって乾燥処理することにより、下記に示すエチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴム(EPDM−1)を得た。同様にして、5−エチリデン−2−ノルボルネン2.5mL/エチレン5L/min/プロピレン2L/min/水素0.5L/minの条件に変えて下記に示すEPDM−2を得た。
EPDM−1:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(ムーニー粘度:90、エチレン含量:61モル%、ENB含量:5.8モル%)
EPDM−2:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(ムーニー粘度:40、エチレン含量:66モル%、ENB含量:4.5モル%)
【0050】
亜鉛華:白水化学社製、商品名:酸化亜鉛2種
ステアリン酸:花王社製、商品名:ルナックS
シリカ:日本シリカ社製、商品名:ニプシールVN3
(10)水酸化マグネシウム(1):シランカップリング剤にて表面処理された水酸化マグネシウム 協和化学社製、商品名:キスマ5NH
(11)水酸化マグネシウム(2):高級脂肪酸にて表面処理された水酸化マグネシウム 協和化学社製、商品名:キスマ5A
(12)カップリング剤:東芝シリコン社製、商品名:TSL8370
(13)有機過酸化物:日本油脂社製、商品名:パークミルD−40
(14)硫黄:鶴見化学社製、商品名:粉末硫黄
【0051】
参考例1
(A)成分として、NBR−1を50重量部、(B)成分として、EPDM−1を50重量部、亜鉛華を5重量部、ステアリン酸を1重量部、シリカを30重量部、水酸化マグネシウムを100重量部とを、バンバリーミキサー(神戸製鋼社製)で混練りした。その後、混合物を冷却し、これにさらに有機過酸化物と硫黄を、10インチオープンロールを用いて配合し、シート用金型15×15×0.2cmを用い成形し、次いで、170℃のプレス成形機を用いて20分間架橋し、厚み2mmのゴムシートを作成し各種評価に供した。尚、圧縮永久歪用の試験片は25分で架橋することにより調整した。
【0052】
得られたゴム組成物の混練り性、及び架橋ゴム組成物の機械的特性(引張破断強度、引張破断伸び)、硬度、圧縮永久歪、耐油性、耐熱性及び難燃性を下記方法により各々評価し、その結果を表1に記した。
(1)混練り性:バンバリーミキサーの排出時のまとまりを評価した。
◎:非常に良好。
○:良好。
×:悪い。
(2)引張破断強度及び引張破断伸び:JIS−K6251に準拠して測定した。
(3)硬度:柔軟性の指標としてJIS−K6253に準拠して測定した。
(4)圧縮永久歪:JIS−K6262に準拠し、120℃、22時間、25%圧縮後の値を測定した。
(5)耐油性:JIS−K6258に準拠し、IRM903試験油(No.3オイル)を用い100℃、70時間漬せき試験による体積変化率(ΔV)を求めた。また、別にFuelC(トルエン/イソオクタン=5/5)試験油を用い23℃、70時間漬せき試験による体積変化率(ΔV)を求めた。
(6)耐候性:JIS−K6259に準拠し、オゾン濃度500pphm、40℃、200時間、静的40%伸張の条件で評価し、亀裂の有無を調べた。
(7)難燃性:JIS−K6269に準拠し、酸素指数(LOI)を測定した。酸素指数は、幅14mm、厚2mmの試験片において、材料の燃焼を持続するために必要な酸素と窒素との混合気体の容量%で表される最低酸素濃度の数値であり、この値が大きな程、難燃性に優れる。
【0053】
参考例2〜6、実施例1〜2、比較例1〜4
表1に示す配合割合で、参考例1と同様にしてゴム組成物、及び架橋ゴム組成物を得た。その評価結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004357779
【0054】
表1に示された結果から以下のことが明らかである。実施例1〜のゴム組成物は、混練り性が非常に良好であり、かつ、機械的特性、耐油性、耐候性、難燃性のバランスに優れている。一方、比較例1および比較例2は(A)成分の不飽和ニトリル単位の含量が本発明の範囲から外れるため、機械的特性が劣る。比較例3は(B)成分を使用しない例で、耐候性、機械的特性が劣る。比較例4は(A)成分を使用しない例で、水酸化マグネシウムを150部添加すると、酸素指数は30%をこえるが、機械的特性、耐油性のいずれも実施例のゴム組成物より劣る。
【0055】
【発明の効果】
本発明のゴム組成物は、難燃性と共に耐候性、機械的特性及び柔軟性等の諸物性のバランスに優れ、更に耐油性を有するため、機器内配線や自動車用ハーネス等の電線被覆材の用途において使用することができる。

Claims (5)

  1. (A)不飽和ニトリル単位の含量が35〜70重量%である不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムと、(B)エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムとの合計量100重量部に対し、(D)水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種を50〜300重量部含有する難燃性ゴム組成物であって、
    上記(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムと(B)エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムとを、重量比((A)/(B))で10〜70/90〜30の割合で含有し、
    (C)不飽和ニトリル単位の含量が5重量%以上35重量%未満である不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムを、上記(A)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムに対して重量比((C)/(A))で、0.01〜1配合してなることを特徴とする電線被覆材用の難燃性ゴム組成物。
  2. 上記(B)エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴムのムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が40〜200であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性ゴム組成物。
  3. 上記(D)水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムは、シランカップリング剤で処理をしたもの、あるいは、シランカップリング剤と併用したものである請求項1又は2に記載の難燃性ゴム組成物。
  4. 酸素指数(LOI)が28%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の難燃性ゴム組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物を架橋してなる電線被覆材
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