JP4259131B2 - 難燃性ゴム組成物、ゴム製品及び電線被覆材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性、機械的特性及び耐油性に優れた難燃性ゴム組成物に関する。さらに詳しくは、難燃性に優れるとともに、燃焼した場合であってもハロゲンガス等の有毒ガスの発生がなく、また、リンや鉛等の環境汚染物質を含有することがなく、さらに、耐候性、機械的特性等の諸物性のバランスに優れ、複写機のロール、ベルト、シール材、電線被覆材等の用途に特に有用な難燃性ゴム組成物及びそのゴム製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴムに代表されるエチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体は、機械的特性、耐熱性、耐候性などに優れているため、自動車部品、工業用ゴム部品、電気部品、土木建材用品などの用途に広く用いられている。昨今の自動車、電気製品などの高性能化により、ロール、ベルト等で例示されるゴム製品の使用される環境条件はますます厳しくなってきている。これら使用環境のなかでも雰囲気温度の上昇は著しいものがあり、高温雰囲気使用時における更なる難燃性の改良が求められている。
【0003】
従来、ゴム組成物に難燃性を付与する最も一般的な方法として、ハロゲン系難燃剤を用いる方法が挙げられる。しかし、これらの難燃剤は少量の配合で難燃効果を発揮するものの、燃焼時に腐食性で有毒なガスを発生するという問題がある。ハロゲン系難燃剤を用いない難燃性ゴム組成物としてリン系の難燃剤を用いたものがあるが(例えば、特許文献1参照)、リン系の難燃剤はその吸湿性に基づくブリードを防止する必要があり、ブリードの防止は、オレフィン系合成ゴム及びシランカップリング剤の配合によって一定の改良が認められるものの、可撓性や柔軟性等の物性及び無公害かつ環境調和の観点からは必ずしも十分に満足し得るものではない。
最近、無公害かつ環境調和型の難燃剤として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機系金属化合物の水和物が注目され、オレフィン系合成ゴムにも検討がなされている(例えば、特許文献2参照)。しかし、このような無機系金属化合物の水和物は、満足しうる難燃性を得るために無機系金属化合物の水和物の充填量を高める必要があり、充填量を高めると機械的特性、特に引張強度が低下し、また、柔軟性、加工性が低下するという問題があった。更には、使用される用途によっては耐油性が要求されていた。
本発明者らは不飽和ニトリル単位の含量の高い不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムが、ゴム配合物に対して補強性の乏しい水酸化マグネシウムとの親和性が良好であること、その結果、エチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体と均一に分散し、上記諸特性を満足するゴム組成物が得られることを見いだし特許出願した。(特許文献3参照)
しかし実用上の観点から高い難燃性と十分なる機械的特性を付与するにはまだ不十分であった。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−263851号公報
【特許文献2】
特開平6−107870号公報
【特許文献3】
特願2001−360290号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、難燃性に優れるとともに、耐候性、機械的特性に優れ、更には耐油性を有し、複写機のロール、ベルト、シール材等のコピー機、機器内配線や自動車用ハーネス等の電線被覆材、絶縁テープ用途に特に有用な難燃性ゴム組成物、およびそのゴム製品を提供することにある。
【0006】
【発明を解決するための手段】
本発明者は上記目的を達成するため更なる研究を重ねた結果、表面処理された天然水酸化マグネシウムを使用することにより一層の機械的特性が向上することを知見し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明によれば、下記の難燃性ゴム組成物とそれを用いたゴム製品が提供される。
[1](A)エチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体95〜15質量部と(B)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴム5〜85質量部(但し、(A)+(B)=100質量部)に対し、(C)表面処理された天然水酸化マグネシウムを50〜400質量部含有することを特徴とする難燃性ゴム組成物。
[2]上記(C)は水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕し、脂肪酸エステル、ワックス、脂肪酸、脂肪酸金属塩、硬化油、シランカップリング剤およびチタネートカップリング剤からなる群から選ばれる少なくとも1種により表面処理されたものであることを特徴とする上記[1]に記載の難燃性ゴム組成物。
[3]上記(C)は水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕し、脂肪酸エステル、ワックス、またはシランカップリング剤により表面処理されたものであることを特徴とする上記[1]に記載の難燃性ゴム組成物。
[4]上記(C)の体積平均粒子径が1〜5μmである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の難燃性ゴム組成物。
[5]上記(A)エチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体のムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が40〜200であることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の難燃性ゴム組成物。
[6]上記(B)は、不飽和ニトリル単位含量が33〜70質量%である不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムであることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載の難燃性ゴム組成物。
[7]上記(B)は、不飽和ニトリル単位含量が40〜60質量%である不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムであることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載の難燃性ゴム組成物。
[8]酸素指数(LOI)が28%以上であることを特徴とする上記[1]〜[7]のいずれかに記載の難燃性ゴム組成物。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかに記載の難燃性ゴム組成物を架橋してなるゴム製品。
[10]上記[1]〜[8]のいずれかに記載の難燃性ゴム組成物を架橋してなる電線被覆材。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の難燃性ゴム組成物の実施の形態を具体的に説明する。
本発明のゴム組成物は、(A)エチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体95〜15質量部と(B)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴム5〜85質量部(但し、(A)+(B)=100質量部)に対し、(C)表面処理された天然水酸化マグネシウムを50〜400質量部含有することを特徴とする。
以下、各構成要素ごとにさらに具体的に説明する。
【0009】
エチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体
本発明に用いられる(A)エチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体(以下「(A)成分」ともいう)としては、例えば、エチレン・プロピレン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴム、エチレン・1−ブテン共重合ゴム、エチレン・1−ブテン・非共役ジエン三元共重合ゴムのような、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンを主成分とするランダム共重合体が挙げられる。
上記炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等を挙げることができ、特にプロピレン、1−ブテンが好ましい。
上記非共役ジエンとしては、例えば、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オクタジエン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエン、5−メチル−1,8−ノナジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエンなどを挙げることができ、特に1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ましい。
【0010】
これらのエチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体において、α−オレフィンが10モル%以上の割合で共重合されていることが好ましい。また、非共役ジエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンが好ましく、その含量は、エチレンとα−オレフィンの合計を100モル%とした場合に、3〜10モル%(より好ましくは3〜8モル%)であることが好ましい。また、ヨウ素価表示で40以下、好ましくは5〜30、より好ましくは7〜20であることが好ましい。エチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体において、エチレン含有量が90モル%より多くなり、α−オレフィン含有量が10モル%未満では、該共重合ゴムの柔軟性が不足し好ましくない。また、エチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体のムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は20〜300、好ましくは40〜200、さらに好ましくは60〜200である。X線回折測定による結晶化度は20%以下、より好ましくは15%以下であることが好ましい。結晶化度が20%を超える場合は共重合ゴムの柔軟性が低下する傾向があり好ましくない。
【0011】
(A)成分の重合方法は特に制限されないが、バナジウム系触媒、チタン系触媒、メタロセン系触媒などの公知の触媒の存在下で重合される。例えばバナジウム系触媒の場合は、少なくとも1種の溶媒可溶性バナジウム化合物と少なくとも1種の有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下で、エチレン、α−オレフィンおよび非共役ジエンを、必要に応じて分子量調節剤として水素を供給しつつ重合する方法により製造することができる。その際の重合は、気相法(流動床あるいは攪拌床)でも液相法(スラリー法あるいは溶液法)でも実施することができる。前記溶媒可溶性バナジウム化合物としては、VOCl3、VCl4、VOCl3あるいはVCl4の少なくとも1種とアルコールとの反応生成物が好ましい。この場合、前記アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール等を挙げることができ、これらのうち炭素数3〜8のアルコールが好ましい。また、前記有機アルミニウム化合物としては、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジクロリド、トリメチルアルミニウムと水との反応生成物であるメチルアルミノキサン等を挙げることができ、特にエチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリドとトリイソブチルアルミニウムとの混合物、トリイソブチルアルミニウムとブチルアルミニウムセスキクロリドとの混合物が好ましい。また、前記溶媒としては、通常、炭化水素溶媒が使用される。好ましい炭化水素溶媒は、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン等である。これらの炭化水素溶媒は、単独でまたは2種以上を併用することができる。
本発明のエチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体は後述する軟化剤が重合時に添加された油展ポリマーであってもよい。
【0012】
不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴム
本発明に用いられる(B)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴム(以下「(B)成分」ともいう)としては、共役ジエンと不飽和ニトリルとの共重合ゴム、共役ジエンと不飽和ニトリルと不飽和ニトリル以外の極性基含有の共重合性単量体との共重合ゴム、さらにはこれらの部分架橋共重合ゴムが挙げられる。
【0013】
(B)成分を構成する共役ジエン(以下「(b−1)」ともいう)としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−トリメトキシシリル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ブタジエン等を挙げることができ、これらのうち一種単独または2種以上を併用することができる。このうち、特にブタジエンとイソプレンが好ましい。
【0014】
(B)成分を構成する不飽和ニトリル(以下「(b−2)」ともいう)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、α−イソプロピルアクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル、エタクリロニトリル等が挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。
【0015】
(B)成分を構成する不飽和ニトリル以外の極性基含有の共重合性単量体(以下「(b−3)」ともいう)の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸3−メチルブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クロトン酸2−ヒドロキシエチル、クロトン酸2−ヒドロキシプロピル、ケイ皮酸2−ヒドロキシエチル、ケイ皮酸2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルアミン、アリルアミン、o−アミノスチレン、m−アミノスチレン、p−アミノスチレン、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、アクロレイン、ビニルメチルケトン、ジビニルフタレート、ジアリルフタレート、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ポリエチレングリコールのポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は例えば2〜23)のジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールのポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は例えば2〜23)のジ(メタ)アクリレート等が挙げることができる。これらの単量体は、一種単独または2種以上を併用することができる。このうち特にアクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸s−ブチルが好ましい。
【0016】
(B)成分中の共役ジエン単位の含量は、(b−1)+(b−2)+(b−3)=100質量%とした場合、15〜65質量%、より好ましくは20〜50質量%である。単量体(b−1)の含量が15質量%未満ではゴム弾性が低下する傾向にある。一方、65質量%を超えると、水酸化マグネシウムとの相溶性が悪化し、得られるゴム組成物の機械的強度が低下する。
【0017】
不飽和ニトリル単位の含量は、好ましくは33〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%である。単量体(b−2)の含量が、33質量%未満の場合には、水酸化マグネシウムとの相溶性が悪化し、得られるゴム組成物の機械的強度が低下する。また、耐油性も低下する傾向にある。一方、単量体(b−2)の含量が70質量%を超えると、ゴム弾性が低下する恐れがある。
【0018】
不飽和ニトリル以外の極性基含有の共重合性単量体単位の含量は、0〜60質量%、より好ましくは0〜50質量%である。単量体(b−3)の含量が60質量%を超えると、ゴム弾性が低下する傾向にある。
【0019】
本発明の(B)成分に含まれる部分架橋共重合ゴムは、上記(b−1)と(b−2)、あるいは、(b−1)と(b−2)と(b−3)に多官能性不飽和単量体を共重合させることにより得ることができる。
多官能性不飽和単量体(以下「(X)」ともいう)は、1分子中に2個以上のラジカル重合可能なビニル基を有し、通常の乳化重合で重合可能なものである。例えば、多価アリル化合物、(メタ)アクリレート化合物、ジビニル化合物、ビスマレイミド化合物、オキシム化合物などが挙げられる。具体的には、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール・ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロイルジエトキシフェニル)プロパン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ビスマレイミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、トリアジンチオール、などが挙げられる。これらは一種単独あるいは2種以上を併用することもできる。
【0020】
(B)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムの重合方法は特に限定されず、ラジカル重合法、アニオン重合法等が挙げられる。ラジカル重合法としては、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法などがあるが、本発明においてはアクリロニトリル系ゴムラテックスを用いるため、重合終了時に安定な乳化分散液が得られる乳化重合法が特に好ましい。この乳化重合は通常の重合方法であればよく、所定の単量体を乳化剤の存在下に水系媒体中で乳化させ、ラジカル重合開始剤により重合を開始し、所定の重合転化率に達した後、重合停止剤にて重合を停止する方法等が挙げられる。
【0021】
乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤等が挙げられる。また、ふっ素系の界面活性剤を使用することもできる。これらの乳化剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。通常、アニオン系界面活性剤が多用され、例えば、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩、ロジン酸塩などが用いられる。具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸のカリウム塩及びナトリウム塩等が挙げられる。
【0022】
ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド及びジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を使用することができる。また、アゾビスイソブチロニトリルにより代表されるジアゾ化合物、過硫酸カリウムにより代表される無機過酸化物、及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄との組み合せにより代表されるレドックス系触媒等を用いることもできる。これらのラジカル重合開始剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0023】
(B)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムの分子量を調節するために連鎖移動剤を使用することもできる。この連鎖移動剤としては、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、ターピノーレン及びγ−テルピネン類等を使用することができる。
【0024】
(B)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムの重合において、各々の単量体、乳化剤、ラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤等は、反応容器に全量を一括して投入して重合を開始してもよいし、反応継続時に連続的或いは間欠的に追加し、添加してもよい。この重合は酸素を除去した反応器を用いて0〜100℃で行うことができ、0〜80℃の重合温度で行うことが好ましい。反応途中で温度或いは攪拌等の操作条件などを適宜に変更することもできる。重合方式は連続式でもよいし、回分式であってもよい。
【0025】
重合の停止は所定の重合転化率に達した時点で、重合停止剤を添加することによって行われる。重合停止剤としては、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノン等のキノン化合物等が用いられる。重合停止後、反応系から必要に応じて水蒸気蒸留等の方法により未反応単量体を除去し、ラテックスを凝固して本発明で使用する不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムが得られる。
(B)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムの分子量には特に制限はないが、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は20〜200が好ましい。
【0026】
本発明のゴム組成物中の(A)成分の割合は、(A)エチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体と(B)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムとの合計量100質量部に対して95〜15質量部、好ましくは80〜20質量部である。一方、本発明のゴム組成物中の(B)成分の割合は、5〜85質量部、好ましくは20〜80質量部である。
(B)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムを5質量部以上含有することにより、一層の難燃性と耐油性が改良されるが、85質量部を超えると、耐候性が悪化する傾向にある。
【0027】
水酸化マグネシウム
本発明に用いられる水酸化マグネシウム(以下「(C)成分」ともいう)は天然ブルーサイト鉱石等の天然鉱物を粉砕、表面処理した水酸化マグネシウムである。
一般に難燃剤用途に用いられる水酸化マグネシウムは、大別して、合成法と天然鉱物粉砕法で製造されたものであるが、合成法で製造される、例えば海水または苦汁中に含まれるマグネシウムを苛性アルカリまたは消石灰のスラリーに添加して反応させて得られる水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムスラリーに水酸化ナトリウムを添加し水熱処理して得られる水酸化マグネシウム、塩基性マグネシウム塩スラリーを水熱処理して得られる水酸化マグネシウム、マグネシウム塩溶液とアンモニアを反応させて得られる水酸化マグネシウム等では表面処理したものでも本発明の効果は得られない。
【0028】
本発明の表面処理した天然水酸化マグネシウムは、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を加熱可能なメディア粉砕機を用いて粉砕し、例えば脂肪酸エステル、ワックス、脂肪酸、脂肪酸金属塩、硬化油、シランカップリング剤およびチタネートカップリング剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である表面処理剤により表面処理されるか、もしくは、粉砕と表面処理とを同時に行って、体積平均粒子径が5μm以下で、該表面処理剤の被覆層を有する粒子である。
体積平均粒子径は、好ましくは1〜5μm、より好ましくは3〜5μmであり、比表面積は7〜20cm2/gが好ましい。表面処理剤の添加量は、水酸化マグネシウムと表面処理剤の合計量に対して好ましくは0.5〜5質量%程度である。加熱する場合の温度は、通常50〜200℃、好ましくは80〜150℃程度である。表面処理剤により表面処理されないものは、凝集がひどく、物性が低下して本発明の効果は得られない。
【0029】
本発明で表面処理剤として使用される脂肪酸エステルとしては、例えばラウリン酸メチル、ミスチリン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル、ベヘニン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ミスチリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ヤシ脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸オクチル、特殊牛脂脂肪酸オクチルエステル、ラウリン酸ラウリル、長ステアリン酸ステアリル、長鎖脂肪酸高級アルコールエステル、ベヘニン酸ベヘニル、ミスチリン酸セチル等のモノエステルが挙げられ、またネオペンチルポリオール長鎖脂肪酸エステル、ネオペンチルポリオール長鎖脂肪酸エステルの部分エステル化物、ネオペンチルポリオール脂肪酸エステル、ネオペンチルポリオール中鎖脂肪酸エステル、ネオペンチルポリオールC9鎖脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール長鎖脂肪酸エステル、コンプレックス中鎖脂肪酸エステル等の特殊脂肪酸エステルが挙げられる。
【0030】
本発明で表面処理剤として使用される脂肪酸としては、例えばステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ラウリン酸、カプリル酸、ベヘニン酸、モンタン酸等が挙げられる。
本発明で表面処理剤として使用される脂肪酸金属塩としては、例えばステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ラウリン酸、カプリル酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の金属塩であり、金属としては、Na、K、Al、Ca、Mg、Zn、Ba、Co、Sn、Ti、Fe等が挙げられる。
本発明で表面処理剤として使用される硬化油としては、例えば牛脂硬化油、ヒマシ硬化油等が挙げられる。
【0031】
本発明で表面処理剤として使用されるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシラン、メチルトリエトキシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、N−〔β−(N−ビニルベンザルアミノ)エチル〕−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩等を挙げることができる。
本発明で表面処理剤として使用されるチタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジイソプロピルビス(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等を用いることができる。
使用される表面処理剤としては特に脂肪酸エステルまたはワックスが好ましい。
【0032】
また、本発明においては、難燃効果を高めるために、必要に応じて、ポリ燐酸アンモニウム系難燃剤、燐酸エステル等の燐系難燃剤、シリコーン化合物、石英硝子等を用いてもよく、また難燃助剤として、水ガラス等を用いてもよく、さらに、ドリップ防止のため窒化珪素短繊維等を用いてもよい。
【0033】
(C)成分の組成物中の含有量は、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対し、50質量部以上、好ましくは、65質量部以上である。50質量部未満であると、十分な難燃性を有する組成物が得られない。上限は400質量部以下、好ましくは、200質量部以下である。(C)成分の量が過少な場合は難燃性が不十分であり、一方、(C)成分の量が過多な場合は混練りが困難であるとともに、ゴムのエラストマーとしての特性及び機械的特性が著しく低下する。
本発明において、(C)成分の含有量を特定の範囲内にすれば、酸素指数(LOI)が28%以上の難燃性ゴム組成物が得られる。
【0034】
尚、本発明のゴム組成物を実用に供する場合、通常、架橋剤、充填剤、可塑剤等が配合される。この他に、カーボンブラック補強剤、金属酸化物、軟化剤、老化防止剤及び加工助剤などを適量配合することができる。更にその際、ゴム成分として他のゴムを配合することもできる。このその他のゴム成分は特に限定されないが、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−スチレン−イソプレン共重合ゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム等を使用することができる。
架橋剤としては、硫黄が代表的なものであるが、その他に硫黄含有化合物、過酸化物等を用いることもできる。この架橋剤は、ゴム成分を100質量部とした場合に、通常、0.5〜10質量部、特に1〜6質量部配合することが好ましい。
【0035】
硫黄としては、具体的には、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などが挙げられる。硫黄含有化合物としては、具体的には、塩化硫黄、二塩化硫黄、高分子多硫化物などが挙げられる。また、架橋温度で活性硫黄を放出して架橋する硫黄化合物、たとえばモルホリンジスルフィド、アルキルフェノ−ルジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどが挙げられる。
【0036】
有機過酸化物としては、たとえば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルヒドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシン)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。なかでも、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましく用いられる。これらの有機過酸化物は1種または2種以上組み合わせて用いられる。
【0037】
また、架橋促進剤としては、具体的には、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2’,4’−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;アクリル酸亜鉛、水酸化アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛等のアクリル酸亜鉛系化合物;亜鉛華等の化合物を挙げることができる。
さらに、架橋助剤としては、具体的には、硫黄;p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性メタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;その他マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
【0038】
可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類、ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、オクチルデシルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジイソブチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジイソオクチルセバケート等の脂肪酸エステル類、トリメリット酸イソデシルエステル、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸n−オクチルエステル、トリメリット酸系イソノニルエステル等のトリメリット酸エステル類の他、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート、ジエチレングリコールモノオレート、グリセリルモノリシノレート、トリラウリルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、エポキシ化大豆油、ポリエーテルエステル等の可塑剤が挙げられる。可塑剤は単独または2種以上を併用することが出来る。尚、可塑剤は予め不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムに分散させて用いてもよい。
【0039】
カーボンブラック補強剤としては、例えばSAFカーボンブラック、ISAFカーボンブラック、HAFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、GPFカーボンブラック、SRFカーボンブラック、FTカーボンブラック、MTカーボンブラック、アセチレンカーボンブラック、ケッチェンブラック等を挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を併用することができる。
【0040】
充填剤としては、シリカ、重質炭酸カルシウム、胡粉、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、カオリンクレー、焼成クレー、パイロフライトクレー、シラン処理クレー、合成ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カオリン、セリサイト、タルク、微粉タルク、ウォラストナイト、ゼオライト、ゾーノトナイト、アスベスト、PMF(Processed
Mineral Fiber)、セピオライト、チタン酸カリウム、エレスタダイト、石膏繊維、ガラスバルン、シリカバルン、ハイドロタルサイト、フライアシュバルン、シラスバルン、カーボン系バルン、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン等を挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。
【0041】
金属酸化物としては、例えば、亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、複合亜鉛華、複合活性亜鉛華、表面処理酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、極微細水酸化カルシウム、一酸化鉛、鉛丹、鉛白等を挙げることができる。 これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0042】
軟化剤としては、石油系軟化剤、植物油系軟化剤、サブを挙げることができる。石油系軟化剤は、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系軟化剤等を挙げることができる。植物系軟化剤は、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう等を挙げることができる。サブとしては、黒サブ、白サブ、飴サブ等を挙げることができる。
【0043】
老化防止剤としては、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、モノ、ビス、トリス、ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダードフェノール系、亜リン酸エステル系、イミダゾール系、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系、リン酸系の老化防止剤等を挙げることができる。これらは単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0044】
加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリルアミン等を挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0045】
本発明のゴム組成物を用いたゴム製品は、以下のようにして製造することができる。
先ず、本発明のゴム組成物及び/又はその他のゴム成分、例えば充填剤、カーボンブラック補強剤、軟化剤、その他の配合剤などをバンバリーミキサー等の混練機を使用して70〜180℃の温度で混練する。その後、混練物を冷却し、これにさらに硫黄等の架橋剤及び架橋促進剤などを、バンバリーミキサー或いはミキシングロール等を用いて配合し、所定の形状に成形する。次いで、130〜200℃の温度で架橋し、所要の架橋ゴム、即ち、ゴム製品を得る。
【0046】
本発明のゴム組成物は、難燃性と共に耐候性、機械的特性及び柔軟性等の諸物性のバランスに優れるため、コピー機、プリンター等の複写機のロール、ベルト、シール材、機器内配線や自動車用ハーネス等の電線被覆材、絶縁テープ、更には、難燃性と耐油性等を必要とするホース類、これらホースのカバー類、並びに、建材分野のガスケット、シール等の多くの用途において使用することができる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限を受けるものではない。
なお、実施例、比較例中の部及び%は、特に断らない限り質量基準である。また、実施例、比較例で用いられた各成分は下記の通りである。
【0048】
(A−1)EPDM−1:JSR社製 EP57C [ML1+4(100℃)=90]
(A−2)EPDM−2:JSR社製 EP21 [ML1+4(100℃)=38]
(B−1)NBR−1:JSR社製 N217SH [AN含量=47]
(B−2)NBR−2:JSR社製 N220SH [AN含量=41]
(B−3)NBR−3:JSR社製 N237H [AN含量=34]
(B−4)NBR−4:JSR社製 N250S [AN含量=20]
(C−1)天然水酸化マグネシウム(脂肪酸処理):神島化学工業社製 マグシーズW−H3 体積平均粒子径2.5μm、比表面積8.9cm2/g
(C−2)天然水酸化マグネシウム(ワックス処理):神島化学工業社製 マグシーズW−W3 体積平均粒子径2.5μm、比表面積8.9cm2/g
(C−3)天然水酸化マグネシウム(シランカップリング処理):神島化学工業社製 S−1 体積平均粒子径4.0μm、比表面積5.0cm2/g
(R−1)合成水酸化マグネシウム(脂肪酸処理):協和化学社製 キスマ5A体積平均粒子径0.8μm、比表面積5.5cm2/g
FEFカーボンブラック:東海カーボン社製 シーストSO
ステアリン酸:花王社製 ルナックS−30
亜鉛華:正同化学工業社製 酸化亜鉛
有機過酸化物:ジクミルパーオキサイド、日本油脂社製 パークミルD−40(純度40%)
架橋助剤:トリメチロールプロパントリメタクリレート、精工化学社製 ハイクロスM
尚、上記EPDM、NBRはそれぞれエチレン−プロピレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴムを、またANはアクリロニトリル単位を表す。
【0049】
実施例1
(A)成分として、EPDM−1(A−1)を50質量部、(B)成分として、NBR−1(B−1)を50質量部、(C)成分として、脂肪酸処理した天然水酸化マグネシウム(C−1)を80質量部、FEFカーボンブラックを10質量部、亜鉛華を5質量部、ステアリン酸を1質量部とを、バンバリーミキサー(神戸製鋼社製)で混練りした。その後、混合物を冷却し、これにさらに有機過酸化物4質量部と架橋助剤2質量部とを、10インチオープンロールを用いて配合し、シート用金型15cm×15cm×0.2cmを用い成形し、次いで、170℃のプレス成形機を用いて20分間架橋し、厚み2mmのゴムシートを作成し各種評価に供した。
得られた架橋ゴム組成物の機械的特性(引張強度、引張伸び)、硬度、難燃性、耐油性及び耐候性を下記方法により各々評価し、その結果を表1に記した。
【0050】
(1)引張強度及び引張伸び:JIS−K6251に準拠して測定した。
(2)硬度:柔軟性の指標としてJIS−K6253に準拠して測定した。
(3)難燃性:JIS−K6269に準拠し、酸素指数(LOI)を測定した。酸素指数は、幅14mm、厚さ2mmの試験片において、材料の燃焼を持続するために必要な酸素と窒素との混合気体の容量%で表される最低酸素濃度の数値であり、この値が大きな程、難燃性に優れる。
(4)耐候性:JIS−K6259に準拠し、オゾン濃度500pphm、40℃、200時間、静的40%伸張の条件で評価し、亀裂の有無を調べた。
(5)耐油性:JIS−K6258に準拠し、IRM903試験油(No.3オイル)を用い100℃、70時間漬せき試験による体積変化率(ΔV)を求めた。
【0051】
比較例1
(C)成分の脂肪酸処理した天然水酸化マグネシウム(C−1)を、脂肪酸処理した合成水酸化マグネシウム(R−1)に替えて、実施例1と同様にして架橋ゴム組成物を得た。その評価結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
実施例2〜9、比較例2〜4
表1に示す配合割合で、実施例1と同様にして架橋ゴム組成物を得た。その評価結果を表1に示す。
【0054】
表1に示された結果から表面処理された天然水酸化マグネシウムを用いた実施例−1は、表面処理された合成水酸化マグネシウムを用いた比較例−1に比べて、約18%も機械的特性が向上していることが分かる。
同様に表面処理された天然水酸化マグネシウムを用いた実施例−4、実施例−6は、表面処理された合成水酸化マグネシウムを用いた比較例−1に比べて機械的特性が約10〜13%向上していることが分かる。
本発明の水酸化マグネシウムの含有量が50質量部未満の比較例−2では難燃性の効果が期待できず、また、エチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体割合の少ない比較例−3では耐候性が悪く、ゴム成分としてエチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体だけの比較例−4では耐油性が悪くなることが分かる。
【0055】
【発明の効果】
本発明のゴム組成物は、難燃性と共に耐候性、耐油性を具備し、かつ機械的特性に優れるため、コピー機、プリンター等の複写機のロール、ベルト、シール材、機器内配線や自動車用ハーネス等の電線被覆材、絶縁テープ、更には、難燃性と耐油性等を必要とするホース類、これらホースのカバー類、並びに、建材分野のシール等の多くの用途において使用することができる。
Claims (10)
- (A)エチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体95〜15質量部と(B)不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴム5〜85質量部(但し、(A)+(B)=100質量部)に対し、(C)表面処理された天然水酸化マグネシウムを50〜400質量部含有することを特徴とする難燃性ゴム組成物。
- 上記(C)は水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕し、脂肪酸エステル、ワックス、脂肪酸、脂肪酸金属塩、硬化油、シランカップリング剤およびチタネートカップリング剤からなる群から選ばれる少なくとも1種により表面処理されたものであることを特徴とする請求項1記載の難燃性ゴム組成物。
- 上記(C)は水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕し、脂肪酸エステル、ワックス、またはシランカップリング剤により表面処理されたものであることを特徴とする請求項1記載の難燃性ゴム組成物。
- 上記(C)の体積平均粒子径が1〜5μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性ゴム組成物。
- 上記(A)エチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体のムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が40〜200であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性ゴム組成物。
- 上記(B)は、不飽和ニトリル単位含量が33〜70質量%である不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性ゴム組成物。
- 上記(B)は、不飽和ニトリル単位含量が40〜60質量%である不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性ゴム組成物。
- 酸素指数(LOI)が28%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の難燃性ゴム組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の難燃性ゴム組成物を架橋してなるゴム製品。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の難燃性ゴム組成物を架橋してなる電線被覆材。
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